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【左からきたツンデレを右に受け流す】
部屋で漫画読んでたらちっちゃい先輩がふらーっとやってきたので、右に投げ飛ばしてみた。
「……?」
ベッドの上でひっくり返ったまま、先輩は不思議そうな顔をした。
「つまり、左からきた先輩を右に受け流したんだ」
「……?」
やっぱり先輩は不思議そうな顔をした。
「ほら、あれだよ、テレビで人気あった(過去形)ムーディなんたらの芸ですよ」
「…………」
「え、先輩あんまりお笑い詳しくないの。そうだよな、先輩は食べ物にしか興味がない哀れな生き物だもんな」
どうしてそこで誇らしげに胸を張るのですか。
「とにかく、遊びに来たのなら何かする? ゲームでもすっか?」
ゲームを置いてる棚を漁ってると、先輩はベッドに座りなおし、やれやれとでも言いたげに肩をすくめた。
「…………」
「え、何かというとすぐゲームでつまらない? 大人ならもうちょっと趣味を広げろ? 例えば食べ歩きとか?」
先輩は「どうだ」とでも言いたげにばふーんと息を吐いた。
「いや、食べ歩きはあまり大人の趣味ではないと思いますが。というか、趣味が食べ歩きって大人を通り越しておっさんみてえ」
先輩は不満そうな顔をした。
「…………」
「え、おっさんじゃない? ぴちぴちの女子高生? しかしだな先輩、どこからどう見ても先輩は小学生にしか見えないぞ?」
先輩は本当に俺と同じ人類か疑わしいほど小さい。さらに、小さい事を指摘される事を何より嫌い、その度先輩の機嫌が悪くなる。
「…………」
案の定、先輩は機嫌が悪くなったオーラを放出した。そしてなんで分かってて俺は先輩のプライドを刺激しますか。
「まあまあ、怒るな先輩。逆に考えるんだ、『年齢と不相応に小さいから、とある層に大人気で超らっきー』と考えるんだ」
「…………」
「え、嬉しくない? このロリコン野郎? その暴言はともかく、俺をロリコンと認定したら、先輩が小さい事を自ら認めることになってしまうぞ?」
先輩は困った顔をした。しばらく何か考えた後、先輩は小さな小さな声で何か囁いた。
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