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【朝ご飯を作ってくれるツンデレ】
両親が旅行に出かけた。これで俺の天下だきゃっほーと思って漫画買ったりゲーム買ったりしたら、貰っておいた生活費が尽きた。
そんなわけで三日ほど何も食わないで腹を鳴らしていたら、見るに見かねたのか、近頃はかなみが飯を作ってくれるようになった。それはいい。とてもありがたい。だがしかし。
「朝はパン食べたいなあ」
「なに言ってんのよ、朝はご飯に決まってるでしょ。パンなんかじゃ力出ないわよ」
かなみは椀にご飯を盛り、イスに座ってぼやーっとしてる俺に渡した。
「うちは前々から朝はパンなんだ。アンパンマンを崇拝してるんだ。愛と勇気だけが友達なんだ。おまえなんて友達でもなんでもない。帰れ帰れ、田舎者は帰れ!」
「じゃあコレいらないのね?」
「かなみだけが友達さ! どうかこれからもずっと末永くお願いします!」
おかずの目玉焼きを人質、いや物質に取られたので、一瞬で手の平を返す。
「まったく、調子いいんだから……もうちょっとしたらお味噌汁が出来るから、少し待っててね」
「あい」
適当に返事をして、かなみの後姿を眺める。
かなみは学校指定の制服に身を包み、その上からエプロンをしている。機嫌よさそうに鼻歌を口ずさみながら、おたまでくるくると味噌汁をかき混ぜていた。
「……なんか、新婚さんみてえ」
「ん? タカシ、なんか言った?」
くるりとこちらを向き、かなみは小首を傾げた。遅れてツインテールがふわっと回転する。
「なんか、サンコンさんみてえ」
「どこがよっ! 性別も人種も年齢も全部違うっ!」
一文字間違ったせいで怒られた。間違わなくても怒られそうだが。
「変な事ばっか言って……まあ、いつものことだけど」
ぶつぶつ言いながら、かなみは再び味噌汁の調理にかかった。
……んー、ここ数日ご飯ばっかで、いやもちろん作ってもらってありがたいんだけど、それでもパンが食べたいな。
しかし、かなみにそう言っても「パン食う奴はベトコンだ! パン食べてご飯食べる奴は訓練されたベトコンだ! ホント戦場は地獄だぜ! フゥハハハーハァー」とか言うだろうしなあ……。
どうしたものかと思案しながら視線をさ迷わせていたら、棚の上にスナックパンが置かれているのを見つけた。
パン! 食いてえ! しかし、かなみに見つかると没収されるに違いない。
だが、うだうだ考えていたら味噌汁が出来上がり、食う時間もなくなってしまう。どうする、どうする!
まあいいや、食べよっと。
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