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【ツンデレに耳かきしてもらったら】
居間でテレビを見てたら急に耳が痒くなったので、耳掃除をする事にする。
「マスターが自身の耳孔を棒状の凶器で貫こうとしている現場を目撃。とてもよい光景なので、録画しておきましょう」
奥で家事をしていたアンドロイド、ヒナタがやってきて嫌な事を言う。
「違う。これは耳掃除と言って、耳を掃除してるの。貫こうとはしてない」
「じゃあ貫いてください」
「なんで!?」
「そうすれば、きっと胸がすく思いとやらを感じられるに違いないという確信にも似た思いがするヒナタなのです」
こいつは俺をサポートするためのアンドロイドなんだけど、どうも俺を小馬鹿にしている節がある。
「もういい。出てけ。俺は静かに耳掃除したいのだ」
「それなら、ヒナタがしてあげます」
「え、マジ!? やたっ、鉄面皮の皮肉娘とはいえ、一応は女なので膝枕の耳掃除に憧れる思春期の青年としては嬉しい感じ! やってやって!」
「お任せください、マスター。このような感じで行います」
耳かきを渡すと、ヒナタは視認できないほどの速度で何度も虚空を突いた。
「その速度でされると、一緒に脳まで掃除されそうですが」
「大丈夫、一瞬で仕留めて見せます」
「仕留めんな! 誰も殺してくれなんて頼んでない! 耳掃除してほしいの、耳掃除!」
「面倒ですね」
「おまーがしてやるって言ったんだろーが!」
こいつといたら脳の血管切れそう。
「マスターの血圧が160に急上昇。少し危険だと報告します」
「えっ、そんな機能まであるのか? すごいな、ロボだけあって機能が充実してんだな」
「まぁ、カンですが」
「…………」
こいつ嫌い。
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