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「…で、なんで泣いてたんですか?」
『「あんみんぼうがい」というやつじゃ』
「…ただの嫌がらせでしたか」
『儂は見知らぬ男と一つ屋根の下で寝るほど軽い女では無い。それぐらい分かるじゃろう?』
「で、俺を追い出そうとしたと。ふざけんな」
『何?』
「こっちも家賃払って住んでる身なんですから。いくら年上でもそれは無いでしょ?」
『なっ…屁理屈を!ここの連中が勝手に家建ててお主が勝手に住み着いただけだろう!』
「こっちからしたら住み着いてんのは貴方のほうなんですけどね
…でも、ここはあなたのいるべき場所じゃない事は確かなんですから。とっとと成仏してくださいな。ナンマンダブ」
『お主の出鱈目な経など効くか!これでも生前は巫女だったんじゃぞ!』
「明日、近所の坊さん呼びますんで」
『うっ…くくっ…大体お主はなぜそこまで儂を嫌う!』
「いや、嫌いじゃありませんよ?見てくれからしたら結構美人さんみたいですしね。
…ただ、夜な夜な安眠妨害されるのはちょっとね」
『……泣かなければいいのか?』
「泣かなければいいんです」
『そうしたら、成仏させないか?』
「ええ。…むしろ、こんな美人の幽霊さんと同居ならこっちから頼みたいくらいですよ」
『たっ、なっ、馬鹿ッ!!馬鹿な事を申すなっ!』
「で、…どうします?」
『その……非常に不本意ではあるが…仕方ない…のう(//////)』
「ヨッシャ!」
『し…仕方ないではないかっ!本当ならこんな奴と一つ屋根の下など心の底からお断りなんじゃからなっ!』
「ま、とにかくよろしくお願いします。と…まあ、話もまとまった所で」
『どうした?』
「寝ようか。」
『なっ……まだ早いわ馬鹿者っ!』
勘違いで右ストレートを顔面に食らった俺は、翌日まで眠りこけた。
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