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『……言っておくけど、眼鏡って高いのよ』
事実をそのまま答えたつもりだったが、何だか責めているような言い方になってしまっ
た。案の定、別府君はため息をついて肩を落としている。
私は、慌てて付け足した。
『い、一応……教室に行けば、コンタクトがあるけど……嫌いだから、あまり使いたくないし』
「じゃ、とりあえず教室行けば、何とかなるのか?」
ちょっと救われたように、彼が顔を上げる。一応、私が不自由しなくて済むと知って、
少し安心したらしい。
『無事、辿り着ければ……ね。でも、次の古文はもう手遅れだけど』
私は少し意地の悪い言い方をした。本当は、当然の事とは言え、それでも、別府君が、
ここまで私の事を気に掛けてくれた事が嬉しかったのだけれど、このままだとその気持ち
が表に出てきてしまいそうだったので、それを隠したかったのだ。
幸か不幸か、彼はさほど気にも掛けずに時計を見た。
「じゃあ、まずは教室行こうぜ。まだ、始まってちょっとしか経ってないし」
彼の言葉に、私は頷いた。
すると――
不意に、彼は、私の手を取った。
突然のことに、私は頭が真っ白になる。
そのまま、彼は立ち上がる。自然と、私の手が上に引かれる。私は思わず、それに逆らった。
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