したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

●事情によりこちらでSSを投下するスレ●

2124/5:2005/12/24(土) 07:32:12 ID:5YmKs1X2
『……言っておくけど、眼鏡って高いのよ』
 事実をそのまま答えたつもりだったが、何だか責めているような言い方になってしまっ
た。案の定、別府君はため息をついて肩を落としている。
 私は、慌てて付け足した。
『い、一応……教室に行けば、コンタクトがあるけど……嫌いだから、あまり使いたくないし』
「じゃ、とりあえず教室行けば、何とかなるのか?」
 ちょっと救われたように、彼が顔を上げる。一応、私が不自由しなくて済むと知って、
少し安心したらしい。
『無事、辿り着ければ……ね。でも、次の古文はもう手遅れだけど』
 私は少し意地の悪い言い方をした。本当は、当然の事とは言え、それでも、別府君が、
ここまで私の事を気に掛けてくれた事が嬉しかったのだけれど、このままだとその気持ち
が表に出てきてしまいそうだったので、それを隠したかったのだ。
 幸か不幸か、彼はさほど気にも掛けずに時計を見た。
「じゃあ、まずは教室行こうぜ。まだ、始まってちょっとしか経ってないし」
 彼の言葉に、私は頷いた。
 すると――
 不意に、彼は、私の手を取った。
 突然のことに、私は頭が真っ白になる。
 そのまま、彼は立ち上がる。自然と、私の手が上に引かれる。私は思わず、それに逆らった。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板