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ああ。そうか。私、この人とぶつかったんだ。男子生徒のようだけど、視界がぼやけて
よく視えない。どうやら、衝撃で眼鏡が外れて落ちたらしい。
と、その時だった。
「……あれ? もしかして、委員長?」
聞き覚えのあるその声に、私の心臓がトクン、と反応する。
顔をよく見ようと、眼を凝らし、顔を少し近づける。
『……もしかして、別府君?』
私の言葉に、彼は少し戸惑ったような仕草をした。
「いや。そりゃそうだけど?」
そうか。彼からすれば、私がどのくらい視えているかよく分からないんだ。普通なら、
同じクラスの人の顔を見て分からないなんて有り得ないし。
私は、目を擦ると、彼の顔をよく見ようとじっと見つめた。うん。確かに別府君だ。
それから自分がしている事に気づき、慌てて顔を逸らす。人の顔を凝視するなんて、何て
失礼な事をしてしまったんだろう。
『め……眼鏡、探さないと……』
顔が赤くなったの、気づかれなかっただろうか。内心ではドキドキしながら、ごまかす
ように言うと、私は床を見回す。
「ちょ、ちょっと待って!」
急に別府君に制止され、私は驚いて彼を見た。
「お……俺が探すよ。よく見えないんだろ。それに、ぶつかったのだって前を良く見てな
かった俺が悪いんだし」
よく見えないと言っても、そこまで見えない訳じゃないんだけど。それに、私も前をよ
く見てなかった事は同じだし。そう言おうと思ったが、言葉にならず、私は無言で彼を見
ただけだった。
とりあえず立ち上がろうと、彼は片膝を立てた。そしてグッと足に力を入れる。
バキッ!
その瞬間、彼の足の下で何かが壊れるような音がした。
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