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ツンデレじゃない長編投下・評価スレ

19保守代わり長編23〜end (1/30):2005/08/27(土) 17:10:34 ID:8dR622LE
 一人のエルフが森を駆け抜ける。
 全力で、森中の気配を探る。無数に感じ取れる森の生き物の気配。そんな中、かすかに
漂ってくる邪の気配。それを目指して、ただひたすらにアスタは走っていた。
 早くしなければ、魔王が降臨し世界が滅びる。それは絶対に起こってはいけないこと。
 彼、アスタにとって世界の平穏こそが彼の信じる正義。彼はそれだけを信じてただひた
すらに生きていた。
 そして今、魔王討伐という、まさに彼の正義の最終地点のような使命を与えられた。こ
ういうと不謹慎かもしれないが、彼は喜んでいた。
 自分が、英雄になれるチャンス。(ちなみに彼は人でありながら、エルフに英雄と呼ばれ
たエドを心の師と勝手にしている)
 気配は、着実に近づいている、あと少しだ。
 だが、いついかなる時も、邪魔というものは入るものだ。
 走る先、一人の男がたたずんでいた。二日前、小屋の外で話を盗み聞きしていた男だ。
 気配で分かる。
 闘志に満ちた気配。
 アスタは剣の柄を握る。そして、そのままのスピードで男――リオンに攻撃を仕掛けた。
 リオンも左手一本で剣を握り、対応する。
 ガギンッ!!
 馬鹿でかい金属音が森の空気を振動させた。
 高速で走りながら振り下ろした一撃を、片手で止められた。そのことに多少の驚きを感
じつつも、アスタはすぐに後方へ跳び剣を構える。
 対するリオンは独特の構えでアスタを迎える。
リ「悪いが、ここら先は絶対に行かせない」
ア「!? 何を考えているんだ!? お、お前はあの娘を守ろうとしてるのか!?」
リ「あぁ、そうだが? そんなに驚くことか?」
ア「あ、あの娘はもうじき魔王になるんだぞ! 何故守る?!」
リ「ニーナを守る。そう俺が決めたからだよ」
 二人の男が、己の正義を胸に、戦いを始めた。


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