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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
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前スレ>>56>>805、でいいのかな?
「氷室……私はジャックという奴に遭った」
四人とも無言で歩を進める中、不意に氷室の背にいる海部ヶ崎が口を開いた。
(ジャック?…アタシが戦ったクイーンの仲間、ってところか。
となるとそいつもワイズマンの手下ってわけか)
ジャックについて考えを巡らしていると、今度は横にいた天木が口を開いた。
「・・・すまねェ、ジャックッてなァ誰だ?恐らくこのゲームの黒幕だとは思うが、俺はお前等が何を目指して動いているのかは知らねェ。
アンタらの計画に関わる奴の名前なンだろ?良ければ計画と、その人名の持つ意味を教えてくれ」
菊乃は一つ嘆息して天木の質問に答える。
「ハァ……。アンタ何も知らないで今まで戦ってたのか?
…まぁいい、この際だからちゃんと覚えておきな。
いいかい?現在この島にはアタシ達異能者の他に、狂戦士と呼ばれる異能者がいる。
こいつらは知能や能力を持たない代わりに、身体能力がかなり高い。
そしてその狂戦士の中でも特に厄介なのが『狂戦士四傑』と呼ばれる連中だ。
こいつらは他の戦士にはない知能を持っている。しかも普通の人間となんら変わらない程の。
四傑の連中のことはまだあまり分かっていない。
そしてそれを裏で操ってるのが『ワイズマン』──この島の主とかぬかしてるヤローだ」
話を終えた頃に、目的地であった廃工場に到着した。
そこは昼間だというのに薄暗く、ひんやりとしていた。
氷室は背負っていた海部ヶ崎を床に横たえ、周囲を見回している。
「入り口周りの地面の下にワイヤーを忍ばせておく。上から圧力がかかる・・・つまり踏まれた場合、直ぐに解る。」
天木がなにやら言っていっていたが、菊乃は然して気に留めなかった。
(そんな事しなくても気配探知ができれば必要ない──あー、アイツはできないのか)
自分(恐らく氷室も)はオーラを探知する術を持っているため必要なかったが、その術を持たない彼には必要なことなのだろう。
天木がそんな事をしている間に、氷室は隅にあったドラム缶から食料を見つけ出していた。
「余計なことに気を回すな。お前は治療に専念してればいい。
治療を引き受けた以上、失敗は許されない立場なんだからな」
菊乃の心中を代弁するように、氷室が天木を睨みながら言った。
そしてその場に腰を降ろし、一人で食事を始めた。
菊乃も落ちていた食料を手に取り、氷室から少し離れた場所に腰を降ろして食事を始めた。
以前コンビニで食べたお握りに比べると味気ないものだったが、文句は言っていられない。
本来ならば食事時というのは一息つける時間である。
しかし瀕死の体で治療を受けている海部ヶ崎を横目に見ながら、という状況ではそんな事は言っていられない。
更に狂戦士四傑が動き出した今、敵は参加者だけではないのだ。
(しかし……奴ら、特にワイズマンの狙いは何だ?
元々アタシら参加者を殺し合わせることが目的だったはず。
確かにアタシも──海部ヶ崎達も反逆、ワイズマン打倒を考えている。
しかしそれを表立って公言した覚えはないはず。
にも拘らずアタシのところにはクイーンが、海部ヶ崎のところにはジャックが現れた。
まるでこっちの考えが分かっていたかのように…。
それに、これだけ歩き回ってもワイズマンの影も形も見えやしねえ。
アタシはともかく、氷室と海部ヶ崎は仲間でありながら離れて行動していた。
と言うことは別々に島を探索していたはずだ。
それでも見つからないって事は……この島にはいない?
それともアタシ達の目に届かない場所にいる?例えば……地下、とか?)
色々と考えたが、どれも推測に過ぎず、確証は何一つない。
考えることを放棄した菊乃は、目の前の食事に専念し始めた。
【神宮 菊乃:廃工場に到着。天木に治療を任せ昼食中】
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