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支援物資用スレ

311名馬コラム7:2005/04/21(木) 00:41:11
          誰もが泣いた快速馬最期の場面 ●キーストン

昭和40年の第32回ダービー優勝馬キーストンの馬名は、アメリカのペンシルバニ
ア鉄道特急Keystoneからとったといわれている。他馬の存在などまったく知らない
かのように超然と走るこの馬の姿は、その名前にふさわしかった。

距離の壁があって菊花賞は2着、春の天皇賞も5着。しかし、2000メートル以内なら
小気味良いピッチ走法で特急列車のようにまず確実に逃げ勝った。24戦18勝の戦
績で迎えた昭和42年、阪神競馬場の阪神大賞典。鞍上は山本正司騎手。新馬戦
からダービー、菊花賞を戦った主戦ジョッキーだ。

負担重量の59キロはすでに3度も経験済みで、3度とも勝っている。当然の1番人気
で、だれもがこの小柄な快速馬が先頭でゴール板を駆け抜けると思っていた。

スタート。テンからとばし、向こう正面では8馬身差の先頭。3コーナー、4コーナーを
まわっても先頭。あたりまえのレース展開をみんなが確認しているとき、山本騎手が
突然、落馬した。キーストンは前足の一本を骨折。気絶して動かないデビュー以来
の主戦ジョッキーに、キーストンは折れた前足を宙空にブラブラさせながら、近寄っ
て安否を気遣うかのように鼻をスリ寄せた。

気がついた山本騎手は手をあげてキーストンの首をさすった。他馬はとっくにゴール
を駆け抜けていたが、握った馬券に関係なく、満場がこの悲しく、そしてあまりに美し
い光景を見ていた。人と馬との絆を確かに見た。―――そして泣いた。

キーストンは予後不良による安楽死処分。その日のうちに旅立った。これが稀代の
快速馬の最期だった。


キーストン 牡 鹿毛 1962年3月15日 北海道・高岸繁生産
        父ソロナウェー 母リットルミッジ

25戦18勝  主な勝鞍:日本ダービー 弥生賞
         【戦績】ttp://csx.jp/~ahonoora/keystone.html


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