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【個】『サロン』【他】

113空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2025/02/23(日) 08:43:49
>>112 (空井イエリ)

          ...
 「…………『イエリ』?」


      ┌───────────────────…
      │  ウツイ
      │ [空井イエリ。大学生だ。
      │  困ったことがあるならおれに言え。
      └───────────────────…



      「…………………
       …………………」



  『空井イエリ氏ってあの紹介文で女性だったの!?』

     『そんで君はハタチだったの!?』



  二つのショックが喉奥で正面衝突した結果、
  わたしの驚嘆の声は逆に『無音』になった。
  (ノイズキャンセリングの仕組みと同じだ)


 促されるまま立ち上がり、膝の汚れを払って襟を正す。
 フフッと一息ついてから、今度はペコーッと頭を下げる。


「……すまん!
 君に対する直近のわたしの言動と行動を謝罪させていただきたい。
 正直に言って、わたしは君の外見だけで
 すべきでない判断の早合点をしていた」


  「それは目の前の君に対してのみならず、
   主催の小石川氏に対しても礼を失する振る舞いだった。
   君からすれば『なんのこっちゃ』って感じかもしれんが……」

 「それでも、あるいはだからこそ、大変失礼した」


 たっぷり数秒低頭し、顔を上げる。
 今度はあるべき自然な高さまで。

  もはや目線の位置は同じではなくなったが、
  だからこそ今わたしと彼女の『立場』は同じになる。


 「そして……なるほど。
  君が『空井イエリ』氏だったんだな」


 自戒から切り替えた瞳の中に、
 隠しきれない好奇と興味の光が灯る。

 紙袋を持ち替えて、彼女の前に右手を差し出す。


 「お会いできて光栄だ。
  傍輩の『空織清次』だ」


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