したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【個】『星見FM放送』【場】

1『星見町案内板』:2021/04/24(土) 01:16:44

         【施設案内】

星見町の郊外に存在する『ラジオ局』。
屋上に設置された『パラボラアンテナ』が目印。
『文化の発信地』である事を強く意識し、
建設には気鋭の建築デザイナーが関わっている。

施設は『二階建て』で、
吹き抜けのエントランスやガラス張りの壁など、
文化的で洒落た造りが特徴。
建物は芝生が張られた敷地内の中心に位置し、
各所に樹木や花々が配された緑豊かな全景は、
『自然と文明の調和』を感じさせる。
基本的に一般客が施設内に立ち入る事は出来ないが、
周囲に歩道が整備されており、敷地を歩く事は可能。

また、最近になって『改修工事』が行われ、
一階に『オープンスタジオ』が新設された。
スタジオ外にスピーカーが設けられているため、
施設内に入らずとも、生放送の様子を、
ガラス越しに見学・聴取する事が出来る。
時折、『公開放送』や『ミニコンサート』などの、
各種イベントが開かれる事もあり、
その際には一般の入場も可能となっている。

26美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/04/29(木) 07:32:02

『公開放送』の後日――――。

「――――今日も、あなたの隣に『電気カナリア』の囀りを」

          〜〜〜〜〜♪♪♪

「『Electric Canary Garden』――
 パーソナリティー『美作くるみ』がお送りします!」

「実は、今日の放送は
 今までとは『ちょっと変わった所』があるんですよ〜。
 ふふふ、皆さんは何処か分かりますかぁ?」

「公式サイトでもアナウンスしているんですが、
 少し前に『オープンスタジオ』が新設されました。
 今日は、そこからの放送となっております!」

「今日の『Electric Canary Garden』は、
 『オープンスタジオ』からの『初回放送』!!
 私くるみも心機一転。
 生まれ変わった気分でやっていこうと思います!!」

『星見FM放送』――『オープンスタジオ』。
ガラス張りの壁の向こう側に、
ヘッドホンを装着した『美作くるみ』が座っている。
手元にはスタンド付の『コンデンサーマイク』。
ラジオ局の外に設置された『スピーカー』からは、
番組の音声が放送と同じように流れていた。
これらによって、施設内に入らずとも、
放送の見学と聴取が可能になっている。

「まずは、リスナーの方からのメッセージをご紹介します。
 ラジオネーム『ハルちゃん二号』さんからですねぇ」

「クラリネットを始めたんですけど、
 全然音が出せませんでした。
 でも、昨日ようやくハッキリした音が出せて嬉しいです。
 くるみさんは、
 最近出来るようになった事ってありますか?」

「――――と、いうメッセージを頂きました!
 クラリネットは、まず音を出すのが難しい楽器ですよね。
 『クラリネットをこわしちゃった』という童謡では、
 パパから貰ったクラリネットの音が出なくて、
 男の子が苦戦している様子が歌われていました。
 『壊れてる』と勘違いするくらい、
 最初は音を出しにくいんですよねぇ」

「では、くるみの『最近出来るようになった事』を発表します!
 『シロツメクサの花冠を編めるようになった』!!」

「事の始まりは、私が無垢な少女だった頃に遡ります。 
 年上の女の子達が編んでたのを、
 小さい頃に見た事がありまして。
 自分もチャレンジしたんですけど上手く編めなくて、
 悲しい記憶を背負う事になってしまいました」

「そして、ついこの前、お休みの日に散歩していたら、
 『シロツメクサ』がたくさん咲いているのを見かけたんです。
 それを見ていると、忘れかけていた幼少期の思い出が、
 フッと脳裏に蘇ってきて……」

「思い立って『花冠』を編んでみたら、
 結構すんなり出来上がったんです。
 完成した花冠を頭に載せると、
 何となくスッキリした気分になっちゃいましたねぇ〜」

「そんな訳で、
 今日は『最近出来るようになった事』を大募集!!
 リスナーの方々に、
 私くるみからの『おめでとう』をプレゼントしちゃいます!
 『もうちょっとで出来そうな事』でもオッケー!
 くるみの応援で、
 その『あともうちょっと』を届かせてみせましょう!
 いつも通り、
 テーマ以外の雑談・質問・相談も大歓迎です!!」

「さてさて――――リスナーの方(>>27)から、
 お電話が入ったようですね。
 もしもし?こちらは『美作くるみ』です!
 『お名前』か『ラジオネーム』をどうぞ〜!」

27りん『フューネラル・リース』:2021/05/01(土) 08:35:27
「初めまして、ラジオの人間さん!うちの名前はりんと申します。
 今日は5月1日、鈴蘭の日ですね。気分が良いので家族にあげるために、
 奮発してちょっと高級な肥料と美味しい水(軟水)をいっぱい買ってきました。
 水が美味しそうがだったのでうちもちょっと飲んじゃいました」

「話は変わるんですけど、実はうちには、どうしても鈴蘭を食べさせたい人間のおねえさんがいます。
 けど、そのおねえさんは普通の人間なので、鈴蘭を食べたら死んでしまいます。
 鈴蘭団子や鈴蘭クッキーも試しているんですが、中々上手く行きません。
 後もうちょっと出来そうなんですが……。
 お姉さんにも美味しい鈴蘭を味わってほしいです」

28美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/01(土) 15:38:25
>>27

「はぁ〜い!『りん』さんですねぇ〜!
 よろしくお願いしますね!」

声色から、おそらく『子供』であろう事は察しがついた。
そういえば、少し前に話した相手も小さな子だったはずだ。
この辺りの年齢層のリスナーは珍しいが、
最近は増えているのだろうか?

「『鈴蘭の日』!!
 そんな日があるなんて、くるみは初めて知りました!
 『りん』さんは物知りなんですね〜」

「それで、ええと――――
 『鈴蘭』を食べてもらいたいんですね?」

奇妙な相談だが、
一風変わったリスナーと話をするのは初めてではない。
以前にも、
『特徴的な話し方をする医師』のリスナーと喋った事がある。
最初は『解読』に苦労したが、
コツが分かると何となく理解できるものだ。
ただ、『鈴蘭を食べさせたい』というのは、
また違ったタイプだ。
子供ならではの無邪気さが生んだ危険と呼ぶべきか。

「鈴蘭はキレイですけど、『毒』がありますからねぇ。
 それを『食べてもらう』っていうのは、ちょっと難しいかな?」

「うーん…………たとえばですけど、『りん』さんは、
 『エディブルフラワー』って聞いた事ありますか?
 『食べられるお花』の事で、
 料理の彩りや香り付けに使われるんです。
 それなら安全に食べてもらえると思うんですけどねぇ」

「ただ、その中に『鈴蘭』はないんです。
 つまり、『鈴蘭は食べられない』
 ――――っていう事になってしまうんですよね」

下手に背中を押してしまうと、この放送がきっかけで、
『不幸な事故』が起こってしまう可能性も有り得る。
それだけは絶対に避けなければならない。
ゆえに、まず『鈴蘭は食べられない』と明言する。
だが、それでは相手の心を傷付ける事にもなりかねない。
それをフォローするために、すかさず『代替案』を出す。

「そうですねぇ…………。
 こちらで少し調べたんですけど、
 『鈴蘭の日』っていうのは、
 『大切な人に鈴蘭を贈る日』になっているみたいですね」

「『りん』さんから、そのお姉さんに、
 『鈴蘭』をプレゼントしてみたらどうかな?
 『鈴蘭の日の贈り物』っていう一言を伝えるのも忘れずに」

29りん『フューネラル・リース』:2021/05/01(土) 15:59:20
>>28
「『エディブルフラワー』知ってます!
 うち、これ好きでよく色んなお花で作ってるんですけど、
 やっぱり鈴蘭が一番美味しくてよく食べてます。
 程よい刺激のある味で美味しいんですよねぇ〜。
 けど、やっぱり普通の人間には食べらないのが残念です…
 もっと研究が必要ですね…」

「『大切な人に鈴蘭を贈る日』…!
 おねえさんは、うちの事いっぱい教えてくれた、大切な人だから
 『鈴蘭畑』から選りすぐりの、うちの家族をプレゼントしようと思います!
 ラジオの人間さん、アドバイスありがと〜」

30美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/01(土) 18:40:07
>>29

「うん!きっと喜んでもらえると思いますよ!」

ひとまず『大事』には至らずに済んだ。
ただ、疑問も残る。
最初から不思議に思っていた。
まるで『鈴蘭を食べた事がある』ような言い方だ。
それも一度や二度ではなく、
日常的に口にしているような……。

「それから――――私の名前は『美作くるみ』。
 よかったら覚えておいて。
 次にお喋りする時には、
 その名前で呼んでくれると嬉しいな」

とはいえ、この子は無事でいる。
それを考えると、
本当に『鈴蘭を食べた』とは考えにくかった。
だから、今は深い追求をしない事にしたのだ。

「今日『五月一日』は『鈴蘭の日』!!
 皆さんも家族やお友達、恋人やお世話になっている人に、
 可憐な『鈴蘭』の花を贈ってみてはいかがでしょうか?
 お相手は『りん』さんでした!!」

  「『Thank you』――――」

             「『and』」

              「――――『See you again』!!」

後日、『番組特製クオカード』と、
『美作くるみのメッセージカード』を収めた封書が、
発送されるはずであった。
だが、『住所不明』のため、りんの手元には届かなかった。
その代わり、何かしらの『手違い』があったらしく、
何故か『藤原しおん』の住所に送られていたという。

     【お姉さんは喜んでくれたかな?
      私からも、りんさんにプレゼント!
      またいつかお話してね!】

『メッセージカード』には、上記のコメントと共に、
手書きの『鈴蘭のイラスト』が添えられていた。


りん『フューネラル・リース』⇒『番組特製クオカード(500円分)』Get!!
(※『音仙』の下へ届いたため、『藤原しおん』から入手する事が可能)

31美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/08(土) 13:10:26

         ザッ ザッ ザッ

仕事の合間の気分転換に、
『ラジオ局』の敷地内を散歩している。
考えていたのは、この間の放送の事だ。
『鈴蘭』を食べさせたいという少女。
あれからどうなっただろうか?
電話越しとはいえ、自分が関わっただけに気掛かりだった。

「『まさか』とは思うけど…………」

まさか『実行』していないだろうか?
いや、そもそも本気かどうかという疑問もある。
話を聞く限り、彼女は『鈴蘭』を食べた事があるという。
しかし、本当に食べたなら、
無事でいられるはずはないだろう。
常識的に考えれば、食べていないという結論が出る。

「…………分からないわね」

美作は『りん』の姿を見ていない。
『電話』で話しただけだからだ。
もし、その姿を見ていれば、
また『別の考え』を抱いたかもしれないが、
今は『不幸な事故』が起こらない事を祈るのみだった。

「――――これは『ツツジ』だけど」

          ザッ

「ちょうど今辺りが見頃ね」

白・赤・ピンク・黄・オレンジ・紫。
敷地に植えられた低木の群れが、
見目麗しい色取り取りの花を咲かせていた。
しばし疑問を忘れ、足を止めて華やかな姿を鑑賞する。

32美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/12(水) 14:53:54
>>31

「――――改めて考えても、
 この世界は、分からない事には不自由しないわね」

疑問は尽きない。
だが、時間は立ち止まらない。
残った仕事を片付けるために、『ラジオ局内』に戻っていった。

33美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/17(月) 21:04:25

「――――――最近、日中は、
 少しずつ気温が上がってきてる感じですよねぇ〜。
 でも、夜になると、まだ肌寒さが残っていて……」

「こういうの、『季節の変わり目』って言いますよね。
 暑いと思って薄着していったら寒かったりして、
 体のリズムを崩しやすい時期でもあります。
 体調管理には特に注意したいですね!」

ラジオ局の外に設置された『スピーカー』から、
よく通る『声』が聞こえる。
ガラスの向こう側に座っているのは、
メンズライクなアメカジファッションでコーディネートした女性。
『Electric Canary Garden』のパーソナリティーを務める、
『美作くるみ』だ。

「一日の終わりには、
 リラックスした気分でくつろぎたいところ。
 そんなあなたに、
 私くるみから『ホット』で『クール』なプレゼント!
 名付けて『手作りジンジャーエール』!!」

「いやぁ〜唐突ですね!アッハッハッ……。
 実は、ここしばらく、
 『ジンジャーエール』にハマってまして……」

「それでですね、すっごくカンタンに出来ちゃうので、
 皆さんにも是非試してみて欲しいなぁ〜と!」

「まず、生姜を摩り下ろすんですよ。
 あ、出来たら『新生姜』がいいですね。
 柔らかくて下ろしやすいので。
 ん〜、大体200gぐらいでしょうかね?」

「で、次は『グラニュー糖』ですね。
 こちらも生姜と同じ分量で。
 そこに『お水』を1カップ加えて、弱火で20分」

「水分が飛んだなぁ〜と思ったら、
 火を止めて『レモン汁』です。
 二個分が丁度いい感じだと思います!
 それを茶こしで漉したら密封できる容器に保存して、
 お好みで割って飲んでみて下さい!」

「くるみのオススメは『炭酸水』ですね!
 梅雨時の憂鬱な気分を爽やかにしてくれる、
 『手作りジンジャーエール』の出来上がりです!!
 寒い時は『ホット』で飲んでもいいですし」

「心と体を休めてくつろぎたい時、
 リスナーの皆さんは、
 どんな風に過ごされているんでしょうか?
 私の声が、皆様の『心の清涼剤』となれるように、
 くるみはこれからも精進していく所存ですッ!」

「――――おっと、リスナーの方から、
 『お電話』が入ったようですね!!
 さて、今日はどんなお話を聴かせて頂けるのでしょうか?
 もしもし?こちらは『美作くるみ』です!
 『お名前』か『ラジオネーム』をどうぞ〜!!」

『Electrir Canary Gerden』は、
星見町内の何処でも受信する事が出来る。
『電話の相手』は、『この街の何処か』で、
この番組を聴いているのかもしれない。
それとも、今放送を行っている、
『オープンスタジオ』の前にいたとしても、
決しておかしくはないだろう。

34三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/05/19(水) 21:27:34
>>33

「どうも、くるみさん、こんにちわー」

電話の相手はそこそこ歳を重ねた男性の声であった
口調は若々しげであり、軽妙な調子であいさつを交わす

    ミトヤサン、アソブナラドッカイケー

近くに友人か誰かがいるのか、音声の中に別の男性の声が混じる

美作にはわからない事ではあるが、三刀屋がいるのはとある漫画家の仕事場であり
今まさに、その漫画家は締め切り間際の修羅場を迎えているところだ

「いつもラジオ番組を楽しみにさせてもらってます、三刀屋です
 美味しそうな『ジンジャーエール』の作り方を教えてくれてありがとう」

「僕の癒しの時ですが、やっぱり家で漫画を読んでいる時が一番落ち着きますね
 くるみさんは何かお気に入りの漫画とかありますか?」

35美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/19(水) 23:19:24
>>34

ここしばらく『年少のリスナー』が続いていたが、
そう何度も立て続けという訳でもなさそうだった。

「『三刀屋さん』ですね?
 こちらこそ聴いて下さってありがとうございます〜!」

電話の向こうで、他の誰かの気配を感じる。
しかし、細かい事には突っ込まない。
向こうから言及されない限りは。

「あ!『漫画』ですか!いいですね!
 そういえば、私は最近ご無沙汰しちゃってるんですよ〜」
 
「昔は結構読んでたんですけど。
 地味で目立たない女の子が、
 アイドルを目指して頑張るお話とか好きでしたねぇ。
 こういうのって何て言うんでしょうね?
 現代の『シンデレラストーリー』みたいな感じでしょうか?」

確かに子供の頃は、よく読んでいた。
ただ、近頃はあまり機会がない。
忙しいというのも理由の一部ではある。
職業柄、街の流行には敏感であらねばならない。
情報収集を兼ねて、色々な場所に出掛ける事が多く、
落ち着いて本を読む時間は取りにくい生活環境にあった。

「この頃よく読んでるのは……
 読むっていうのとはちょっと違うんですけど、
 『鳥の写真集』です。
 私、趣味の一つが『バードウォッチング』なので。
 やっぱり生で見るのが一番なんですけど、
 しょっちゅう見に行ける訳じゃないですから」

「『三刀屋さん』は、どんな漫画を読まれてるんでしょうか?
 もし何かオススメがありましたら、
 ぜひ教えてもらえませんか〜?」

36三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/05/19(水) 23:37:51
>>35

「あぁ、やっぱり、くるみさんのような方にはちょっと子供っぽ過ぎましたかね
『シンデレラストーリー』物としては、僕自身いくつかお勧めしたいものもあって・・・」

と、その後に勧めたい漫画のタイトルを言おうとしたのだが、やめた
あれは自社の漫画だ・・・・コンプライアンス的な何かにひっかかるんじゃないか、と思った

「ゴホン! 失礼しました」

           \ミトヤサン、ドリンクヲクレー!/

    シュッ!  
             パシッ!

「『鳥の写真集』ですか・・・・何冊か買った事があります
 僕もカメラを少々使う事があるのですが、鳥は動きが素早くてなかなか撮れませんから
 その辺はやっぱり、プロのカメラマンが撮った写真を見る方がいいですねぇ」

「それで僕のオススメ漫画としては・・・・」

言葉を躊躇い、逡巡する
三刀屋が今一番勧めたい漫画は・・・・所直言って決まりきっている
しかし、それをこの場で勧める事が社会的に正しいか・・・・後でステマとか言われて叩かれないか・・・・
そんな事を考え・・・・ 決心する

「『ゴールデン・クロウ』・・・・それが僕のベストですねぇ」

『ゴールデン・クロウ』・・・・新進の漫画家『我孫子サトル』のデビュー作だ
北海道の大地を舞台に、主人公のフクロウ男が小金稼ぎに苦労する話なのだが
『オリジナリティがある構図』と地に足が付いた苦労話から一部の漫画好きの間で評価を集めている

「まだまだマイナーな漫画ですけど・・・・
 僕はこれが今年一番伸びる漫画だと信じてます」

37美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/20(木) 00:20:44
>>36

「アハハハ……。いえいえ、そんなそんな。
 自分で言うのも何ですけど、
 私も結構子供っぽい所がありますから。
 この前も、散歩の途中で、
 『シロツメクサの花冠』を作ったりしましたからね」

ふと、あの時の放送で話した『鈴蘭の少女』を思い出す。
多分大丈夫だとは思うけど……。
頭の片隅でそんな事を考えながら、
話す言葉は途切れない。

「『ゴールデン・クロウ』――――
 勉強不足で申し訳ないんですけど、
 何だか煌びやかなタイトルですねぇ」

正直言って、なかなか内容までは想像できない。
少なくとも、耳にした覚えはない。
やはり、まだ『売り出し中』だからなのだろうか?

「どういった種類の作品なんでしょうか?
 もしお差支えなければ、
 『触り程度』に教えていただけないでしょうか?」

「じっくりと語っていただきたい所なんですけど、
 それだと『ネタバレ』になっちゃいますからね!」

三刀屋と会話をしているのは美作だけだが、
『Electric Canary Garden』の『リスナー全員』が、
今これを聴いているのだ。
同じ時間を共有するリスナー達のためにも、
『内容』に触れておく必要がある。
もっとも、あくまで『触り程度』に留めておく。
『放送時間』の都合などもあるが、
相手の声音から『葛藤』のようなものを感じ取ったからだ。
もしかすると『何かある』のかもしれないが、
そこまで尋ねる事は出来ない。

38三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/05/20(木) 00:37:22
>>37

「ハハハ、くるみさんみたいな大人の女性でもそんな風に遊んだりするんですねぇ
 僕も何だか親近感が沸いてきそうだ」

勿論、三刀屋の方が美作よりも実年齢は一回り上だ
しかし・・・・精神年齢はどうであろうか・・・・一概には言えない

「『ゴールデン・クロウ』がどんな作品かというと・・・・」

思う、悩む、思案する
自分とまったく関係のない作品であれば適当に小一時間語る事も出来ただろう
しかし、これは『ゴールデン・クロウ』を売り出すためのチャンスでもある
(口に出してしまった以上は、もうステマ扱いを恐れず突っ切るしかない)

「『ゴールデン・クロウ』とは・・・・」

電話の前の三刀屋の口調にやや硬さが増す
ここで話す内容次第で単行本の売れ行きが左右されるかもしれないからだ
ゴクリ・・・・と唾をのみ・・・そして・・・・・

「北海道の大地を舞台に、ふくろう男の九郎くんがお金を稼ぐのに苦労する話でね
 あ、ふくろう男って言うのはふくろうの頭をした人間の事で、普段は人間のマスクを被って生活して・・・・
 そうそう、九郎くんは最初バイトして小金を稼ぐんだけど、それがなかなか
 そのうちに金塊を争奪するバトルが始まって・・・・・」


     ・・・・・・・・・ッ!?

とりとめがない! 話がぽんぽんと飛んで行く! 起承転結がはっきりしていない!
意味の分からない単語が多すぎる! 結局何が面白いのか全然わからない!

     <フザケルナ! ソレジャオレノマンガノオモシロサガゼンゼンワカンネーヨ!!

「え、いや待ってくれ・・・・ここからが本番で」

電話の向こうでどたばたと暴れる音が聞こえる
放送事故ギリギリの時間が流れた後・・・・

「おっとすいません、実は僕は口下手でしてねぇ
 なかなか上手くまとめる事が出来ませんでした、失礼しました」

39美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/20(木) 04:07:41
>>38

「――――――なるほど!」

一見すると纏まりに欠けた説明を、
自分の中で噛み砕いて消化していく。
聞いた感じだと、
シュールなリアリティを強調した作風なのだろうか?
表面的にはさりげない風を装い、
頭の中をフル回転させて、そのように解釈した。

「あはは……どうぞ、お気になさらず。
 『ゴールデン・クロウ』の雰囲気は十分に伝わりましたよ。
 それに、私は『聞き上手』ですからね!」

「とっても独創的なお話で、すごくユニークですね〜。
 輪郭を伺っただけですけど、
 空想の存在と現実の世界が、
 こう――融合しているような印象を受けました。
 日常と非日常って、
 意外と近い所にあるのかもと思えるような作品ですねぇ」

場合によっては、
『放送事故』にもなりかねなかったかもしれない。
だが、不測のトラブルは未経験ではなかった。
初めて『稲崎充希』と喋った時もそうだったし、
最近では『鈴蘭少女』にしてもそうだ。
予想外のアクシデントが起ころうとも、
『トーク』でサラリと乗り切ってみせる。
美作くるみには、そういう『自信』があった。

「鳥好きとして『フクロウ』というモチーフは気になりますし、
 耳寄りなお話を聞かせて下さってありがとうございます〜!」

言葉を返しつつ、三刀屋の『後ろの声』が引っ掛かっていた。
彼の近くにいるのは、
どうも『ゴールデン・クロウ』の『作者』らしい。
という事は、『三刀屋自身』は……?

そこまで考えたが、
今ここで細かな『事情』を追求するのは控える事にした。

「ふふ、漫画を読む時のお供には『ジンジャーエール』もどうぞ!
 よろしかったら『お友達』の方も是非!!」

そして、この会話も『締めくくり』に入っていく。
特に何もなければ、そろそろ終了に向かう予定だ。
もちろん、最後に言いたい事があれば、
それを聴く用意はある。

40三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/05/20(木) 22:13:59
>>39

「ははは・・・僕自身、要領の得ない説明過ぎて、ちょっと引いてますよ」

自分が言った話のあまりの質の悪さに、思わず乾いた笑いが出る
と、そこに、美作からピンポイントで搔い摘んだ感想が発せられた
流石はラジオパーソナリティ・・・・・プロの能力はやはり違うね、と舌を巻く

「ありがとうございます! 僕が言いたかったのはその通りですよ
 ふふ・・・・一段落着いたら、『ジンジャーエール』でも作って、『友達』にも振舞う事にします」

「くるみさん、本日は貴重なご意見をいただきありがとうございました
『ジンジャーエール』を作ったらSNSにも上げてみますね、それでは」

と、この言葉を締めくくりの挨拶として電話を切った


そして後日・・・・
某SNSにおいて、番組専用のハッシュタグに一枚の写真が上がった
手作りジンジャーエールの写真なのだが、生姜の繊維が明らかに残っていたり、
溶け残りの砂糖が底に沈んでいたりと、とても褒められた出来ではない
しかし、前後の発言から『友達』と楽しんで飲んだ事が伺われるような・・・・そんな写真であった

41三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/05/20(木) 22:27:11
>>39

42美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/05/20(木) 23:25:49
>>40

「こちらこそ大変興味あるお話で、私も勉強になりました!
 三刀屋さんのお陰で、
 何だか一つ賢くなれたような気がしますよ〜」

自分にとって、こうした会話の一つ一つが『学び』だ。
トークの『引き出し』を増やし、
パーソナリティーとしての価値を高める事に繋がる。
だからこそ、出会いは大事にしたい。
たとえ一期一会であっても、
それらは同時に掛け替えのない時間でもある。
もちろん、どこかでリスナーと『再会』出来たとしたら、
それに勝る喜びはないだろう。

「お時間のある時に、またいつか電話してきて下さい!!
 『お友達』にも、よろしくお願いしますね〜!
 今回のお相手は『三刀屋さん』でした!!」

  「『Thank you』――――」

             「『and』」

              「――――『See you again』!!」

数日後、三刀屋の下に一通の封書が届けられた。
中身は『番組特製クオカード』と『メッセージカード』。
カードには以下の文面が綴られていたという。

【お写真拝見しました!
 手作り感に溢れている感じで、
 とっても温かい感じがするなぁ〜と思いました。
 これを機会に、
 料理にチャレンジされてみるのもいいと思います!】


三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』⇒『番組特製クオカード(500円分)』Get!!

43眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/03(木) 19:17:41
【場】『 大通り ―星見街道― 』 その2
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1586906856/630-638
より移動

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 スクーターに先導されるように、バイクが星見町の郊外にある『ラジオ局』の側へとやってきた。
 緑のヘルメットを被った女性――眠目はこのあたりまで来たことがないようで、周囲を見回しながら走っている。

――緑が綺麗で、素敵なところですねぇ。

44美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/06/03(木) 19:37:53
>>43

             バァァァァァ――――――ッ

美作の乗ったスクーターと眠目が乗ったバイクは、
閑静な郊外に差し掛かった。
この辺りは街の中心地から外れているせいで、
大通りや歓楽街と比べると緑が多い。
ちょうど自然と文明の境目辺りと言えるだろう。

       バァァァァァ――――――ッ

「――――あの道ですよ」

ややスピードを落としながら美作が告げたのは、
国道の並木道だった。
幅が広くて見通しも良好の、長い直線の一本道。
今は走行している車もおらず、
まさに絶好のツーリングスポットだった。

  バァァァァァ――――――ッ

そして、その先に『星見FM放送』は位置していた。

45眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/03(木) 19:56:40
>>44

 初夏の日差しの中、並木道の木々が青々とした葉で道に蔭を落としていた。
 長い直線を風を切っていく。バイク乗りの楽しさを詰め込んだような道だ。

「ここ、ですかぁ。
 すごく気持ちよく走れる道ですねぇ!」

 彼女の言う『穴場』。
 車の少なさも道の楽しさも、先達である彼女の言葉も納得だ。

「あの建物ぉ、なんだか珍しいですねぇ。
 なんでしょう。『パラボラアンテナ』…?」

46美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/06/03(木) 20:31:16
>>45

「フフ、いい場所でしょう?
 実は、近くに『仕事場』があるんです。
 それで知ったんですよ」

    バァァァァァァァァァァ――――――ッ

初夏の通りを、二台の二輪車が颯爽と駆け抜ける。
先に見えるのはモダンな造りの建物だった。
特に目を引くのは、やはり『パラボラアンテナ』だ。

「あれは『ラジオ局』ですよ。
 『星見FM放送』っていうんですけどね」

「駐車場がありますから、
 あそこまで行ったら停めて休憩しましょうか。
 お休みの日なんかは、
 そこを散歩してる人も結構いらっしゃいますね」

  バァァァァァ――――…………ッ

                  ――――――キィッ

           「ふぅっ」

並木道を抜け、来客用の駐車場にスクーターを停める。
『星見FM放送』の周りは、ちょっとした庭園のようだった。
広い敷地内には芝生が敷かれており、
多くの木々や花々が効果的に配されている。

47眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/03(木) 21:10:15
>>46

「『仕事場』…ですか?
 ……誰とも知らない相手に仕事場とか教えちゃ危ないですよぉ?」

 互いに女性であるから、そうそう問題にはならないだろう。
 信頼の証だと考えると少しこそばゆいが、それ以上に眠目は心配になった。

「『星見FM』…?
 あぁ、流れていたのを聞いたことがあるかもしれません」

「駐車場、自由に使える感じですかぁ?」

 眠目はヘルメットを外しバイクに下げ、手袋を鞄に片付けながら会話を続ける。
 手袋に隠されていた手にはビタミンカラーの柑橘類をモチーフにしたネイルが見える。夏仕様だろうか。

 片付けが終わり、庭園のようなそこを楽しそうに眺める。
 緑は目玉の色でなくても綺麗なものだ。

48美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/06/03(木) 21:36:19
>>47

「あはは……そうですね」

    ――――スッ

「でも、まぁ『お仲間』ですから」

大して気にした様子もなく、シートから降りる。
ここが仕事場というのは、
『番組公式サイト』にも載っている情報だ。
自分にとっては周知の事実であるため、
意識から抜けてしまっていた。

            ザッ

「大丈夫ですよ。何日も停めてるとかじゃなければ」

            ザッ

「そういえば、まだ挨拶もしてませんでしたね。
 私、『美作くるみ』って言います。
 お姉さんのお名前は?」

声を掛けつつ、軽い足取りで敷地を闊歩する。
近くには、彩り鮮やかなツツジの花々が咲き誇っている。
その時に、手袋の下からネイルが見えた。

「綺麗なネイルですねぇ。
 『ビタミンカラー』って好きなんです。
 明るくて元気が出る色ですよね」

明るい印象のビタミンカラーは自分の好きな色であり、
服装や持ち物にも多い色だった。
今、羽織っている『スタジャン』もビタミンカラー。
愛車である『ヴェスパ』も『カナリアイエロー』だ。

49眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/03(木) 22:04:58
>>48

「ふふ、『お仲間』だからですかぁ。
 なんだか嬉しいですねぇ」

「『美作くるみ』さん…。
 『みまさか』って珍しい名字ですねぇ、名字の珍しさも『お仲間』かもしれません」
「私は『眠目倫(サッカリン)』と言いますぅ。
 ね? 珍しさも『お仲間』ですよねぇ」

 美作について歩きながら、庭園のようなここを満喫する。
 ツツジ前線はだいぶ北に上がった時期とはいえ、まだ花は元気なようだ。眠目の故郷でもツツジが見られる季節だ。

「ふふ、女の人は『ネイル』に気付いてくださる方が多くてぇ、なんだか嬉しいです。
 男の方だと指先って、あんまり気付かないんですよねぇ」
「『ビタミンカラー』は明るくて楽しくて、オフに外に出かけるときにはよくするんですぅ。
 実はこれ、セルフネイルなんですよぉ」

 プロの仕事に見えるネイルを見せながら微笑む眠目はどことなく自信を滲ませていた。

「もしよければぁ、今度『お仲間』さんな美作さんにもネイルしちゃいますかぁ?」

 特に強い理由はない。
 せっかくできた『お仲間』と、施術という時間を通してツーリングの話ができたらなぁといった程度のものだ。
 仕事というよりも、オフとして。
 友達にネイルをちょこっとして遊びたいと思う眠目だった。

50美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/06/03(木) 22:33:42
>>49

「『サッカリン』――――眠目さんですね。
 確かに珍しい苗字で、そこも『お仲間』ですね」

『サッカリン』というのは、どこかで聞いた覚えがある。
何だったかすぐには思い出せないが、
『甘味料』の一種だっただろうか?
変わった名前だと思ったが、失礼に当たると考え、
表情には出さなかった。

「へえ!スゴイですね。全然そうは見えないですよ。
 とってもお上手なんですねぇ〜」

「いいんですか?
 それじゃ、またいつか『オフ』の時にお願いしちゃいます。
 楽しみにしてますね!」

同性で同じ趣味を持ち、年齢も近く、話も合う。
こういった出会いは大いに『引き出し』を増やしてくれる。
そういった意味でも、とても良い出会いだと思った。

          ――――ザッ

「あれが『オープンスタジオ』ですよ。
 ここから『番組』を放送して、
 この街の色んな場所に届けているんです。
 今は準備中ですけど」

美作が指し示した先には、
ガラス張りの『オープンスタジオ』があった。
その向こう側で、スタッフ達が働いている姿が見える。
制作の舞台裏といった雰囲気だ。

51眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/03(木) 22:53:38
>>50

「『オフ』が合えば、是非ぃ」

 もしこれが『お仲間』ではなく『営業』相手であれば、財布に入れてある予備の名刺を渡すところだったが、
『ネイリスト』ではなく眠目個人として付き合うのであれば今は渡す必要はないだろう。
 学校を卒業してしまえば、そうそう新しい友人は増えない。
 せっかくの出会いを、今は楽しみたかった。

「これが『オープンスタジオ』…!
 私、こういうところに来るの初めてですぅ。こんなところまで見せちゃうなんて、このラジオ局って太っ腹ですねぇ」

 スタッフが動き回るようなところが見られる場所はどれくらいあるのだろう。
 メディアは裏方を見せたがらないイメージがあった眠目はあちこちを楽しんで見ている。

「それにしてもぉ、美作さんはここのことすっごくよく知ってらっしゃるんですね…?」

52美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/06/03(木) 23:26:36
>>51

「実際に番組が放送されてる所を見てもらえれば、
 『ラジオ』がもっと身近に感じられるんじゃないかと。
 リスナーとの距離を縮めようっていう意図ですね」

「それだけじゃなくて、『宣伝』にも丁度いいですから。
 時々『ゲスト』が来る事もありますし」

「あっちが『ブース』で、その向こう側が『サブ』です。
 大体の説明になりますけど、
 ブースはパーソナリティーが喋る所で、
 サブは音の調整をする所ですね」

『オープンスタジオ』は、
大きく分けて二つのエリアから成っているようだ。
一つは『ブース』で、もう片方は『サブ』。
ブース内のテーブルには、
重厚な『コンデンサーマイク』が置かれている。
一方のサブには、多彩な音響機器が並んでいた。
ディレクターらしき人物が指示を出している様子も窺える。

「ええ、もう何度も来てますから」

「実を言いますと、私の職場っていうのが『ここ』なんです。
 あの場所に座って『声』を届けるのが私の仕事です」

       ――――スッ

片手を上げて、ブースを指差す。
『パーソナリティー』が座る席だ。
今は、まだ誰も座っていない。

53眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/03(木) 23:43:40
>>52

「ラジオ局の、顧客獲得戦略だったんですねぇ。
 接触回数を増やすことがぁ、好感に繋がりますし、納得です」

「『ブース』に『サブ』、ふむふむ。
 お話に作業音とか混ざったら困りますもんねぇ。
 分けておかないといけないのはとても納得ですぅ」

 まるで学生時代に行った社会科見学のような気持ちで眠目は美作の言葉を聞く。
 ネイルをしているときの話のタネにしようと考えているようだった。

 そして続く美作の言葉に、考えていたことは8割方すっ飛んで行った。

「ええ!? 美作さんはもしかして、そのぉ……『パーソナリティー』さん、だったんですかぁ???
 『パーソナリティー』さんって、『アナウンサー』みたいなぁ…番組の顔ですよね…?」

 眠目は普段あまり見開かれることのない目が大きく開き、驚いた。
 なかなか芸能人…というのだろうか、メディア関係の人とは本来遭遇することができないものだ。
 とても嬉しく、同時に驚愕だった。

54美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/06/04(金) 00:01:46
>>53

「あはは…………まだまだ未熟者なので、
 あんまり大きな事は言えないですけど、、
 『パーソナリティー』のはしくれをやらせてもらってます」

照れたように笑い、軽く頭を下げた。
いわゆる『芸能人』というジャンルとは少々異なるが、
トークという『芸』を仕事にしているという意味では、
似た部分もあるのかもしれない。
大きく違う点といえば、
『顔』よりも『声』の方が知られている事だろうか。

「そうそう――――良かったら休憩がてら、
 眠目さんも『聴いて』いって下さい」

           スィッ

オープンスタジオの一角に視線を向ける。
そこには『スピーカー』が設置されており、
放送の内容は建物の外に向けて流される。
オープンスタジオの前にいれば、
実際に放送される風景を眺めながら、
番組を聴く事が出来るようになっている。

「これから『私の出番』もありますからね」

         ニコリ

少々おどけたように言って、茶目っ気たっぷりに明るく笑う。

55眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/04(金) 02:14:17
>>54

「えぇ、いいんですかぁ?
 ……え、もしかしてぇ、出番があるって急がなきゃなんじゃぁ?」

 眠目は先程まで美作がスクーターがご機嫌斜めで困っていたことを考える。
 あのようなトラブルを想定して行動していた可能性もあるが、
そうでない場合、予定が押しているかもしれない。

「私はぁ、ここで聴いていますからぁ。
 楽しみですぅ。」

 そう言って、眠目はいそいそとスピーカーの近くで放送がよく見える場所に移動した。

56美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/06/04(金) 02:32:00
>>55

「その辺は大丈夫です。
 職業柄、『時間』にはキッチリしてますから」

「それじゃ、もう少しだけ待っていて下さいね」

       ――――スッ

軽く手を振り、『星見FM放送』に入っていく。
それから少しの間を置いて、
『オープンスタジオ』に美作が姿を現した。
スタッフ達と言葉を交わして席に座り、
ヘッドホンを装着してマイクのスイッチを入れる。

「――――今日も、あなたの隣に『電気カナリア』の囀りを」

          〜〜〜〜〜♪♪♪

「『Electric Canary Garden』――
 パーソナリティー『美作くるみ』がお送りします!」

そして――――ギャラリーの『眠目』に見守られながら、
『Electric Canary Garden』の放送はスタートしたのだった。

57眠目倫『ノワール・デジール』:2021/06/04(金) 06:12:25
>>56

「ここで、楽しみに聴かせていただきますぅ」

 眠目は美作を見送ると彼女の明るく楽しい放送に聞き入った。

 『電気カナリヤ』という名も納得のよく響く、耳に心地よい声が『スピーカー』を通して周囲に響く。
 彼女の身につけていた『ビタミンカラー』によく似た、元気がもらえる声だと眠目は思った。

――カナリヤの絵をぉ、ネイルできるように練習しなきゃねぇ。

 次オフで会ったときに美作に施すネイルを考えながら、時間は過ぎていった。

58『エド・サンズ』:2021/09/08(水) 23:10:05


『本体ガイナイ俺ダカラコソ出来ル事ッテノハヨォ・・・・
 結局ノ所、コウイウ仕事ナンダロウゼ
 コソコソトヤルッテノハ気ガ進マネーガ、「夏の魔物」ヲ倒スニハ人手ガ必要ダカラヨォ・・・』

『ソレモ「スタンド使い」ノ人手ガアレバナオイイゼ!』

ここは星見町郊外に存在する『ラジオ局』
その中でも一階にある『オープンスタジオ』はこの町に流れるローカル放送の収録を行う事で有名だ

そこに『和風の意匠を持つ人型のスタンド』が佇んでいた

『町内ノ「スタンド使い」達ニ呼ビカケルナラヨォォ〜〜〜
 コウイウノを使ッタ方ガ格段ニ便利ダゼ〜〜〜〜ッ!』

一般人に知覚される事のない自身のスタンドとしての特性を利用してこの場所に入り込んだのだ
『エド・サンズ』の目の前では、スタンドを知覚する術のない一般人のスタッフが忙しそうに歩き回っている
それもそのはず、これからまさに『ラジオ放送』を始めようというタイミングだからだ

    「放送入りま〜〜〜す」
      「3」
          「2」

              「1」
                  「・・・・・・!」

そして始まる生放送
『エド・サンズ』の目の前ではパーソナリティが軽快な口調でトークをしている

     ズズイ・・・

そんなパーソナリティの真後ろに『エド・サンズ』は立つ
偶然にも、今回の放送にスタンド使いのスタッフはいないようで、誰もその姿に気付かない
『エド・サンズ』はスタンド使いにしか聞こえない『声』をマイクに乗せる

『ヨ〜〜〜ウ、星見町ノスタンド使い達・・・元気カ?
 今、俺ハ「スタンド使い」ニシカ聞コエナイ声デお前ラニ話シカケテルゼェ』

『知ッテル奴モイルカモシレネエガ、コノ町ニハ「夏の魔物」ッツーヤバイスタンドが存在スル
 一夏ニ一人カ二人クライ・・・・無差別ニ攻撃シテ、ソイツノ存在ヲ消すヤベー奴ダ』

『今マデハスタンドを使エネー一般人ガ攻撃サレテ、人知れず姿ヲ消シテイタガ・・・・
 今回は「スタンド使い」ガ襲ワレタ・・・・オカゲデ発見スル事ガ出来タンダケドナァ』

『コイツの弱点ハ「冬の風物詩」ダ
 ダカラ俺達ノ仲間ガこの町ニ「冬の風物詩」・・・・「クリスマス」ヲ広メルタメニ動イテイル
 ハッ・・・・季節外れの「夏のクリスマス」ッテ奴ダゼ!』

『オイ! ソコノお前! 「夏のクリスマス」ナンテ馬鹿ラシイ、ドウセ俺ニハ関係ナイナンテ思ウナヨ?
「夏の魔物」が生キテイル限り・・・・次に標的にナルノハお前カモシレナインダカラヨォ!
 ダカラ・・・・・コノ放送ヲ聞イテイル「お前」・・・・「星見町のスタンド使い」デアル「お前」ニモ協力シテモライテェンダ!』

『俺達ノ仲間ハ「駅前の掲示板」ヲ使ッテ情報ヲヤリトリシテイル
 ・・・・この町ニ潜む悪意・・・・「夏の魔物」ヲ打ち倒すタメニモ、是非協力シテ欲シイ』

『以上ダ 頼ムゼ、「星見町のスタンド使い」』

59『エド・サンズ』:2021/09/08(水) 23:10:56
>>58

まるでスタンド使いにしか聞こえない『副音声』のように
『エド・サンズ』はラジオ放送をジャックして、伝えるべき事を伝えた

そして、それに満足したようにひっそりとこの場を去って行った

60一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/09(木) 00:16:49
>>58-59
(それが『日記』に書かれた答えですね。『さんずさん』
良いことを知りました。私も星見町のスタンド使い)

(実現可能とは思えませんが『雰囲気』が変わった場合、
私もやる事をやらせていただきましょう)

あちらには中心となる『リーダー』格が居ないらしい。
こんなにも足並みの揃わない活動など恐れるに足りない。
なぁなぁでやっている間は見逃してあげよう。

「いざというときは氷山先輩でも食べに行きましょうか。
 人質にするも良し、食べるも良し…」

61美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/20(月) 19:23:32

「これ、何だか調子悪いみたいで。
 倉庫に予備があったでしょ?
 そっちと交換しておいて欲しいの」

「あぁ、こっちは私が持って行くから。
 ええ、よろしくお願いします」

―――――――――――――――――――――――――

「――――さてと…………」

       コトッ

『星見FM放送』内の静かな休憩スペース。
ソファーに座り、テーブルの上に『マイク』を置く。
『不法侵入スタンド』が使った『コンデンサーマイク』だ。

「『ちょっといいかしら?』」

肩の上に『機械仕掛けの小鳥』を発現する。
『プラン9・チャンネル7』。
その『能力』は、
本体の声を聞いた音響機器を『ファン』にして、
『情報』を貢がせる事。

《ハイ!私ハ貴女ノ『ファン』デス!
 ドンナ事デモ全部オ答エシ致シマス!》

「少し前の放送中に、
 あなたの前で『人型スタンド』が喋ったと思うんだけど、
 その内容を教えてくれる?」

《イエッサー!!》

『ファンの言葉』を聞きながら、ソファーに身を沈める。
『ファン』は嘘をつかない。
本体の『支持者』になった『マイク』は、
二つ返事で『情報』を貢ぎ始めた。

《ヨ〜〜〜ウ、
 星見町ノスタンド使い達・・・元気カ?
 今、俺ハ「スタンド使い」ニシカ聞コエナイ声デ
 お前ラニ話シカケテルゼェ》

《知ッテル奴モイルカモシレネエガ、
 コノ町ニハ「夏の魔物」ッツーヤバイスタンドが存在スル
 一夏ニ一人カ二人クライ・・・・
 無差別ニ攻撃シテ、ソイツノ存在ヲ消すヤベー奴ダ》

《今マデハスタンドを使エネー一般人ガ攻撃サレテ、
 人知れず姿ヲ消シテイタガ・・・・
 今回は「スタンド使い」ガ襲ワレタ・・・・
 オカゲデ発見スル事ガ出来タンダケドナァ》

《コイツの弱点ハ「冬の風物詩」ダ
 ダカラ俺達ノ仲間ガこの町ニ「冬の風物詩」・・・・
 「クリスマス」ヲ広メルタメニ動イテイル
 ハッ・・・・季節外れの「夏のクリスマス」ッテ奴ダゼ!》

《オイ! ソコノお前! 
 「夏のクリスマス」ナンテ馬鹿ラシイ、
 ドウセ俺ニハ関係ナイナンテ思ウナヨ?
 「夏の魔物」が生キテイル限り・・・・
 次に標的にナルノハお前カモシレナインダカラヨォ!
 ダカラ・・・・・コノ放送ヲ聞イテイル「お前」・・・・
 「星見町のスタンド使い」デアル「お前」ニモ協力シテモライテェンダ!》

《俺達ノ仲間ハ「駅前の掲示板」ヲ使ッテ情報ヲヤリトリシテイル
 ・・・・この町ニ潜む悪意・・・・
 「夏の魔物」ヲ打ち倒すタメニモ、是非協力シテ欲シイ》

《以上ダ 頼ムゼ、「星見町のスタンド使い」》

ラジオ局内は、基本的に一般立ち入り禁止だが、
例外もあった。
『入館許可証』を首から下げた『見学者』であれば、
中に立ち入る事が出来る。
それがスタンド使いなら、
『プラン9』から発せられた『スタンド音声』を聞く事も可能だ。

62美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/20(月) 19:41:29
>>61

「――――…………」

(大体は『彼女から聞いた話』と同じみたいね)

(とりあえず『連絡』しておきましょうか)

        ゴソ

スタジャンのポケットからスマホを取り出し、
『眠目倫』にメッセージを送った。

「…………『駅前の掲示板』」

生憎、『スタンドの正体』を特定する情報は見当たらなかった。
だが、一つ気になる単語がある。
『駅前の掲示板』というワード。
そこに行けば、新しい手掛かりが得られるかもしれない。
確かめる価値はあるだろう。

(ふぅん…………)

胸の前で腕を組み、人差し指を頬に添えて思案を巡らせる。

63大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』@自室:2021/09/21(火) 00:03:04
>>58-59(のラジオを聞いての反応なので、大神さんはこの場にはいない。寮の自室で聞いた)

「なんだい、これ?副音声?同時通訳?」(↑びっくりボイス↑)

「どうにも紛らわしいと言うか面妖だ。
ボクのラジオの故障かい?
それともラジオ局の故障かい?」(↓ハスキーボイス↓)

   〜しばらくお待ち下さい〜

「ふむふむ、スマホのラジオアプリでも、ラジオ単機でも聞こえるところからして、ボクのラジオの故障ではないね、これはラジオ局の問題だ」(↓ハスキーボイス↓)

「いやはやなんともおかしな事をおかしな人が言ってるけども
どうにも、これは七篠クンの言ってた魔法の話と似ているではないか?」(↓ハスキーボイス↓)

「まさか、この面妖な放送も、七篠クンの魔法の話も、本当のことを言っているというのか?
うーむ、なにやらこれは摩訶不思議の匂いがする」(↓ハスキーボイス↓)

「後で七篠クンにでも聞いてみるか」(↓ハスキーボイス↓)

〜〜〜閑話休題〜〜〜

聞きながらアプリで録音シタゾッ……!と言いたいところだけど
スタンド会話って録音できるのかな……?
そのへんはこう……もうマイクで拾われて電波に乗ってるし……?
でも、録音できると動画サイトで『怪奇!ラジオで聞こえた未だ成仏できない江戸っ子霊の怨嗟の声!この声が聞こえたら貴方の後ろには……』とかなりそう。

64美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/21(火) 17:52:26
>>62

返ってきたメッセージを確認してから、スマホをポケットに戻す。
彼女は貴重な相談相手だ。
スタンド使いには『少年少女』が少なくない。
彼や彼女が話しにくいとは思わないが、
同じ『大人』だと会話も自然とスムーズに進む。
『眠目倫』のような『自分と近いスタンド使い』とのコネは、
これからも大事にしておきたい。

「何にしても、まずは『現地』に行くしかないでしょうね」

方針を決めてソファーから立ち上がり、
『コンデンサーマイク』に片手を添える。

「――――『お疲れ様』」

         フ ッ

『プラン9・チャンネル7』を解除し、
マイクを手にして局の廊下を歩いていった。

65美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/10/08(金) 06:54:51

『オープンスタジオ』から番組を放送している。
今は『クリスマスソング』を流している所だ。
この時間に『ラジオ』を聞いていたなら、
その後に続く『パーソナリティーの話』も耳にしているだろう。

「――――――はい!ただ今お聞きいただいた曲は、
 『マライア・キャリー』の『All I Want for Christmas Is You』でしたぁ!
 日本では『恋人たちのクリスマス』として知られている曲です」

「私も、ぼちぼち『いい人』を捕まえたい所ですねぇ。
 こんなに魅力的なのに、どうして放っておくんでしょう?
 世の中には、本当に不思議な事が多いですよねぇ〜。
 あはははは…………」

「さてさて、私のプライベートは棚に上げまして…………。
 『不思議な事』と言いますと、
 リスナーの皆さんも『不思議』に思われているんじゃあないでしょうか?
 どうして今の時期に『クリスマスソング』を流すのか!?
 決して目隠しして選曲した訳じゃありませんよ。
 これには『深ぁ〜い理由』がありまして」

「今、若者達の間で『プチブーム』が起きているそうなんです。
 『夏のクリスマスブーム』っていうんでしょうか?
 ここ最近、『クリスマスグッズ』を求めてお店にやってくる人が、
 じわじわと増えてるっていう話なんですよ」

「私もお休みの日に街を歩いてたら、
 『クリスマスの飾り付け』がしてあったり、
 『クリスマスキャンペーン』をやってるお店も見かけました」

「『サンタの格好をした女性』も何人かいましたねぇ。
 私もやってみようかしら?
 それがきっかけになって、『素敵な出会い』が見つかるかもしれませんね!」

「残念ながら、まだ『出会い』は見つかっていないんですが、
 代わりに『別のもの』が見つかったんです。
 『クリスマスブームの発端かもしれないもの』を」

「コホン――――――『ラッコ』です」

「もう一度言います。『ラッコ』なんです」

「私もビックリしちゃったんですけど、
 この町に『野生のラッコ』が現れたんですよ!
 スゴい事じゃないですか!?」

「それがどう『クリスマスブーム』に繋がるのか?
 実は、そのラッコが『クリスマスを感じさせる姿』だった所から、
 『クリスマスブーム』が始まったみたいなんですねぇ〜」

「どうやら、『クリスマスグッズの詰まった袋』と一緒に見つかったみたいなんです。
 その中に入っていたらしいサンタの帽子を被って、
 クリスマスグッズで遊んでいる所を目撃されたのが、
 『クリスマスブーム』の始まりだとか。
 気に入ったんでしょうかねぇ?
 ひょっとして同じ場所から流されてきたのかも?
 ほら、ラッコも寒〜い所に住む生き物ですし」

「もしかすると『サンタの国』からやって来たのかもしれませんねぇ。
 遠い北の海からやって来た『あわてんぼうのサンタさん』。
 ふふ、そんな風に考えると癒されますよね」

「さて、なんと…………ウチの番組で『クリスマスラッコ』を『取材』してきました!
 もうご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
 『番組公式サイト』に写真を掲載してありますので、まだの方は是非ご確認を!
 本当に抱きしめたくなっちゃうくらい可愛いですよ!」

「そして!次週からの『Electric Canary Garden』はスペシャル企画!
 題して『冬を先取り!ちょっと早めのクリスマス特集』!!」

「『あわてんぼうのサンタさん』にあやかって、残暑を吹き飛ばしちゃいましょう!
 私くるみがチョイスした『クリスマスソングセレクション』をお届けしながら、
 『SNS連動クリスマスラッコ大喜利』を開催します!!」

「『公式アカウント』にアップされる『クリスマスラッコ』の写真を見て、
 それに関係したコメントを投稿して下さい!
 画像から感じた事や、写真のタイトル、
 『クリスマスラッコ』の台詞などなど何でもOK!
 リスナーの皆様からの投稿をお待ちしていまぁす!!」

「そんな所で、お別れの時間が来てしまいました!
 この次も、貴方の隣に『電気カナリア』の囀りを。
 『Electric Canary Garden』――――お相手は『美作くるみ』でお送りいたしました」

  「『Thank you』――――」

             「『and』」

              「――――『See you again』!!」

放送と平行して、
『Electric Canary Garden』の『番組公式サイト』に、
『あわてんぼうのサンタクロース』と題して、
『クリスマスラッコ』の写真が掲載された。
放送終了後、
SNSの『公式アカウント』にも別の写真がアップされ、
『SNS連動クリスマスラッコ大喜利』の告知が出された。
さらに、動画サイトの『公式チャンネル』にも、
『クリスマスラッコ』の動画がアップロードされた。

66眠目倫『ノワール・デジール』:2021/10/09(土) 07:34:09
 眠目は『Electric Canary Garden』のSNSにアップされた『ラッコ』の写真を確認した。

 写真に写っているのは可愛らしいラッコが海辺で過ごしている姿だ。
 ラッコは『サンタクロースの帽子』に『サンタの上着』を着崩して羽織り、首には『銀で出来た星のペンダント』を掛けている。
 横には漂流してきたのであろう、『白い袋』が口から『プレゼント』を零して横たわっている。

 また、『Electric Canary Garden』の動画サイトの公式チャンネルも確認すると、
 同じラッコがプレゼント袋の中を覗き込み、クリスマスグッズと戯れる動画がアップされていた。

 眠目は個人のアカウントで写真を以下のように引用する。

[うわぁん! プレゼントおとしちゃったよー…。
 たりなーい! どこいっちゃったのー]

 そして更に店舗アカウントで拡散し、こうコメントをつけた。

[可愛らしいサンタさんですね!��
 『Quince Nail』では現在冬����ネイルを割引中!
 ラッコ����とサンタ��モチーフなんて素敵かも?��]

 これを見た人が更に拡散してくれることを祈りながら眠目は次の放送を楽しみにしているようだ。

67眠目倫『ノワール・デジール』:2021/10/09(土) 07:36:53
[可愛らしいサンタさんですね!(キラキラしてる絵文字)
 『Quince Nail』では現在冬(雪だるまの絵文字)ネイルを割引中!
 ラッコ(ラッコと足跡の絵文字)とサンタ(サンタの絵文字)モチーフなんて素敵かも?(ネイルの絵文字)]

68合歓垣 瑛『ブラス・コンストラクション』:2021/10/10(日) 10:50:22
 父親が流しているラジオから流れてくる『クリスマスソング』に『あわてんぼうのサンタクロース』の手伝いをするつもりの合歓垣はなんとなしに親近感を覚えながら聞いていた。
 マライア・キャリーという名は知らなくとも、この曲は以前のクリスマスでも聞いたことがあるようだ。

「ねぇ、パパー。
 サンタのラッコさんなんて本当にいるのかなー?」

 言外にヤラセじゃないか、嘘じゃないかと匂わせながら合歓垣はスマートフォンを操作し、『えれくとりっく・かなりあ・がーでん』を調べた。
 『ラッコ』に『サンタ帽』、『プレゼント袋』。その可愛らしい見た目に疑心など飛んでいったかのように合歓垣はぴょんこぴょんこと跳ねながら笑った。

「すっごくかわいい! ねぇパパみてみて!!
 あ、そうだ、パパもかくさん?しよっ!」

 そう言いながら合歓垣は写真を引用し、こんな文章を書いていた。

[ほしみまくろうとぼく、どっちがかわいいかなっ?]

 ご丁寧にアンケート機能付きだ。
 対立軸はいつの時代も広がりやすく、話題を呼ぶ。
 その書き込みはクラスメートによって広げられ、清月の低学年ではキモカワvs季節外れという謎の話になった…かもしれない。

69『Electric Canary Garden』:2022/08/11(木) 20:39:34

『Electric Canary Garden』公式サイトでは、
過去に放送した内容を『アーカイヴ』でお聴きいただけます。

―――――――――――――――――――――――――――――――

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/339-351】
リスナー:鈴元 涼『ザ・ギャザリング』。
『ドキッとした事』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/352-364】
リスナー:溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』。
『失敗した事』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/365-376】
リスナー:城生 乗『一般人』。
『最近の趣味』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/379-391】
『納涼企画』の『怖い話』。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/443-444】
『幻のクリームパン』の『食レポ』。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/464-468】
リスナー:稲崎 充希『ショッカー・イン・グルームタウン』。
『マイブーム』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/469-483】
リスナー:今泉『コール・イット・ラヴ』。
『休みの過ごし方』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/490-491】
『夏にまつわる話題』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/533-547】
リスナー:蝶名林ルロイ紗英『ボブモ』。
『秋の話題』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/562-563】
『バレンタインの話題』について。

【ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/578-579】
リスナー:シルク『トワイライト・トーン』&『トワイライト・ゾーン』
『部活動』について。

【ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/934-943】
リスナー:小翠『タキシードムーン』。
『理想の自分』に関する相談。

【ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1619194604/26-30】
リスナー:りん『フューネラル・リース』。
『鈴蘭料理を食べさせたい』という相談。

【ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1619194604/33-42】
リスナー:三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』。
『オススメの漫画』について。

―――――――――――――――――――――――――――――――

(※上記の一覧は『PC単位の知識』として活用可能です)

70『Electric Canary Garden』:2022/08/28(日) 08:03:28

『星見FM放送』では、随時『広告主』を募集しております。
『公序良俗』に反しない限り、『宣伝内容』は『自由』です。
具体的な形式につきましては、以下をご参照下さい。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

・『Electric Canary Garden』の枠内で『ラジオCM』が放送される。
・基本的には『20秒間』の『スポットCM』。
・『制作費』と『放送料』を合わせて『一本』につき『二万円』。
・大きな問題がない限り『内容』は『自由』だが、『規定の尺に収まる程度』を推奨。
・『CM』を希望される方は、『放送内容の原稿』を持参の上、『美作くるみ』まで。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

*実働に際しての大まかな流れ*

①『CM希望』の旨を添えて、『星見FM放送』スレッドに書き込んで下さい。

               ↓

②『美作くるみ』が応対し、『放送したい原稿』を確認させていただきます。

               ↓

③『内容』や『長さ』に問題がなければ、そのまま『放送』されます。

(※放送された内容は『PL単位の知識』として利用可能です)

71美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2023/06/26(月) 00:15:12

ラジオ局――――『星見FM放送』。
『電波』に乗った声が、星見町に『伝播』する。
町の何処かで流れる『ラジオ』を誰かが聴いている。

「――――――今日も貴方の隣に『電気カナリア』の囀りを」

    〜〜〜〜〜〜♪

「『Electric Canary Garden』!!
 パーソナリティー『美作くるみ』がお送りしまぁす!」

「いよいよ『夏』ですねぇ〜。
 私、夏って大好きなんですよ。
 もちろん四季折々の楽しみはあると思うんですけど、
 その中でも夏はエネルギーに満ち溢れているというか。
 この時期はイベントなんかも多いですし、
 自然とテンションが上がってきちゃいます!」

「くるみは久し振りに『海』へ行きたいですねぇ。
 やっぱり『スタイルの維持』には『見られる事』が大事ですから。
 『ビーチの視線を独り占め』…………とまではいかなくても、
 『三分の一占め』くらいは欲しい所ですね!」

「あはは…………ちょっと欲張り過ぎたかもしれません…………」

「さてさて、本日のテーマはズバリ『夏』!!
 夏にまつわるアレやコレやを、
 リスナーの皆さんと一緒に思う存分語っていきましょう!」

「早速リスナーの方(>>72)と『電話』が繋がったようです。
 もしもし?こちらは美作くるみです!
 『お名前』か『ラジオネーム』をどうぞ〜!」

72美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2023/07/01(土) 04:38:56
>>71

「――――ラジオネーム『ハルちゃん二号』さんからでしたぁ!
 お電話ありがとうございます!」

「夏のイベントには色々ありますけど、皆さん何か忘れてません?
 ほら、『七月七日』といえば…………」

「名残惜しいですが、そろそろ時間が来てしまいました。
 また明日、このチャンネルでお会い致しましょう」

  「『Thank you』――――」

          「『and』」

             「――――『See you again』!!」

73美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/02/11(日) 05:28:36

それを聴いているのが誰なのかは分からない。
今どこにいるのか、どうやって聴いているのかも。
ただ一つ確実なのは、この瞬間に『ラジオを聴いている』という事だ。

「今日も貴方の隣に『電気カナリア』の囀りを」

       〜〜〜〜〜〜〜〜♪

「『Electric Canary Garden』!!
 パーソナリティー『美作くるみ』がお送りしまぁす!」

「私は『電波』を通して皆さんにお話ししていますが、
 技術の進歩は著しいものがありますよねぇ。
 誰もが使っている『スマートフォン』なんかは、一番身近な例ですよね。
 多分、それで聴いているリスナーの方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?」

「『スマートウォッチ』に『スマートホーム』などなど、
 世の中には色々な『スマート』が登場してきました。
 そんな『スマート化』の時代に、こんな変わり種もお目見えしています」

「その名も『スマート街路灯』!
 『スマートポール』と呼ばれる事もあるようですね。
 これは何かと申しますと、私くるみがバッチリご説明いたします!」

「一言で表現するなら『スマート化した街路灯』です。
 説明になってない?あはははは…………」

「いえいえ、きちんと説明させていただきますよ。
 要するに『多機能な街路灯』なんですね。
 街灯として使われるだけじゃなく、
 ネットワークカメラやデジタルサイネージ、
 スピーカーなんかの機能を持たせて、
 街の安全や賑わいを支援する為に使われるんです」

「このカメラが凄いんです!
 『AI』と連動していて、そこを通る人の性別や年齢や移動先を割り出した上で、
 『オススメのお店』を教えてくれたりする訳なんですねぇ〜」

「そんな『スマート街路灯』が『星見町』にもあるんです。
 この前、私も行ってきて、雰囲気のいい『カフェ』を紹介してもらいました。
 気軽に『近未来』を感じられるスポットなので、
 一度は足を運んでみてもいいかもしれませんねぇ」

「もっともっと進歩したら、
 『理想の恋人』も探してくれたりするんでしょうか?
 なるべくなら、私があんまりお年を召さない内に、
 実用化されて欲しい所ですが…………あはははは」

「さてさて、今回のテーマは『未来』です!!
 明日の予定、いつか叶えたい目標、これから先の世界に纏わるエトセトラ。
 くるみが『あなたの未来』を全力で応援しちゃいます!」

「――――リスナー(>>74)の方と『電話』が繋がったようですね。
 もしもし?こちらは美作くるみです!
 まずは『お名前』か『ラジオネーム』をどうぞ〜」

74谷『フォビドゥン・エンチャントメント』:2024/02/12(月) 12:43:50
>>73

「お、おぉ、繋がった。
 あー もしもーし。ラジオネーム 『やみやみ♰ひめたん』です。
美作さん、何時もラジオお疲れさまでーす。楽しく聞かせてもらってますー」

 少女っぽい細く、少し低い声が電話より流れてくる。

「えーっと、『未来』 応援してくれるって聞いて。
あの、実はめっちゃ悩んでる事あるんですよー。
 『バレンタイン』 もう、明日じゃないですか? 
実はー、うちクラスではだいぶモテるんですよー。
 それで、この前アパレルショップで同性のクラスメイトに壁ドンまがいに
好きだって言われて。そこまで熱っぽく迫られたら悪い気はしないって言うかー。
 へ、へへ/// あっ、べ、別にこっちはマジでラブになってるとかじゃないです!
 で、でもバレンタインだし、せめてチョコぐらいは上げないと悪いと思ったり??」

「と、言うわけで美作さんにアドバイスして貰いたいんです。
どうにかこうにか、こう、上手い具合に成就……いや、成就って言うか
バレンタインを良い日にする為の秘策って言うのを」

75美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/02/13(火) 06:13:19
>>74

「『やみやみ♰ひめたん』さん、お電話ありがとうございます!
 『バレンタインデー』といえば、『恋の駆け引き』が繰り広げられる一日。
 渡す側も渡される側も、ドキドキしちゃうイベントですよねぇ」

「最近は『友チョコ』も流行ってますからね。
 『特別な友チョコ』を差し上げるのも、
 ステキなプレゼントになると思いますよぉ」

「ちなみに私はですねぇ…………ディレクターにミキサーに構成作家に…………」

「あはは、やっぱり今年も『義理』だけになっちゃいそうです!
 実は『特別な義理』をあげようかなと思う人はいますけどね。
 仕事上の付き合いで、プライベートな交流はないんですけど」

「まぁ、そんな私の話は置いといて、くるみに任せて下さい!
 しっかり応援しちゃいますからね!」

「たとえば、さりげなく手紙を忍ばせるとか、
 渡すタイミングや場所を工夫するとか、色々ありますよ。
 でも、『敵を知り己を知れば百戦殆うからず』です」

「やっぱり相手に合わせたアプローチをするのが大事ですね。
 人によって何が琴線に触れるかは違いますし。
 よかったら、お相手の方について、もう少し教えてくれますか?
 きっと『やみやみ♰ひめたん』さんにピッタリなアドバイスが出来ると思いますよ」

76谷『フォビドゥン・エンチャントメント』:2024/02/13(火) 09:45:21
>>75

>相手に合わせたアプローチをするのが大事ですね
>お相手の方について、もう少し教えてくれますか?

「うーん、あか……相手の性格は『一匹狼』って感じですね。
なんて言うか周りとは違う、って言う言動とオーラを何時も放ってるて言うか。
 んでもって軟弱な男とかよりも男って感じのスタイリッシュです。
 声や顔も良いですね。あと初対面の相手を子猫ちゃんって言う感じに
惑わせるような魔性さも備えています」

 「それと、学年は同じでクラスも一緒ですけどー。そんなに
普段あんまり話をしないから、あんまりグイグイこっちから迫っても
ちょっと困惑されるかなーって思うんですよね。だから、さりげなく
チョコを上げれる且つ、あんまり噂にならない感じの方向性で……。
 色々注文つけ加えて、すいません」

77美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/02/14(水) 06:06:44
>>76

「いえいえ!大丈夫ですよ〜。
 色々お話してくれたお陰で、よぉく分かりましたから。
 これで『プラン』が纏まりました!」

「英語の諺に『You are what you eat』というのがあります。
 『あなたはあなたの食べた物から出来ている』という意味なんです。
 それを踏まえた上で、こんなアイディアはいかがでしょう?」

「『猫と狼』がキーワードですね。
 くるみがプロデュースするテーマは、ズバリ『二面性』です!」

「溶かしたチョコレートに『ジンジャー』や『ブラックペッパー』を混ぜ込むんです。
 味のアクセントなので、ほんの少しだけにしておきましょう。
 『甘味と辛味』のコントラストは、大人っぽい方には気に入って頂けると思いますよ!」

「それから、中身だけじゃなくて、包装にも一工夫してみるといいかもしれません。
 そうですね――――『折り紙の手紙』なんていいんじゃないでしょうか?
 パッと見は『折り紙』ですけど、
 開くと『手紙』になるっていう『二面性』のある仕掛けですよ」

「チョコの包装紙に、折り紙で作ったワンポイントの飾りを添えておくんです。
 どういう形にするかは『やみやみ♰ひめたん』さんのセンスでいいと思いますけど、
 『ハートの形』なんかは初めての人でも簡単に折れてオススメですねぇ」

「渡し方は…………面と向かって渡しにくいなら、
 例えば『机の中に入れておく』というのもアリだと思います。
 『言葉では伝えられない事を伝える』というのも、贈り物の大切な役割ですからね」

78谷『フォビドゥン・エンチャントメント』:2024/02/15(木) 18:57:24
>>77(レス遅れ失礼しました。次レスぐらいで
宜しければ〆させて頂きます)

「な、なるほど。やっぱり余り話もしてないし、机の中が無難か。
! 折り紙の手紙! 良いですねー、うんっ。それなら難しくないし
相手にそんな引かれる事ないし」

 ( めぐみ……この前は手紙有難うな、嬉しかったよ。
これを機に、君ともっと友情を深めようって言う気になれたよ 

 フッ それにしても中々大胆だね、君と言う子猫ちゃんに対して
私が内なる獣を曝け出さないとでも思ったのかい?

 とか言われたりして! へ へへへへっ///// 
って危ねぇ!Σ ラジオじゃ実名出せねぇから!)

 一瞬人に見せられないニヤケ顔をしたものの、頭をぶんぶん振って気を収める。

   ゴツンッッ☆

「ふんぎゃぁ!!

……あ゛ 有難うございばびた、くるみ さん。
そのプラン通りに、とりあえず当日はやってみたいと思います。
成功するように応援お願いします」

 一瞬なにか机にぶつかるような凄い音が電話から聞こえたが
『やみやみ♰ひめたん』は少し震えた声で礼を告げた。

79美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/02/16(金) 05:37:28
>>78

「おっとっと、何だかスゴい音が聞こえましたけど大丈夫ですか?
 でも、『気合い十分』みたいですねぇ。
 そうそう!その意気ですよ!」

「大切なのは『気持ち』ですからね。
 でも、熱くなりすぎないように注意しましょう
 ハートは熱く、頭脳はクールに!
 それが成功の鍵です!」

「さてさて!では、最後に私くるみから『応援のメッセージ』を送りますね!!」

美作が喋るブースの外には、ディレクターとミキサーと構成作家がいる。
そして、ディレクターの指示を受けたミキサーが、
手元のミキシングコンソールを操作した。
マイクに『エフェクト』を加える為だ。

「『やみやみ♰ひめたん』さん。
 あなたは『心』を撃ち抜く一発の『弾丸』です。
 冷静に『狙い』を定めたら、あとは『一直線』に突き進むのみ」

『エコー』が掛かって反響する声が、『女神の天啓』さながらに降り注ぐ。

「はい!ご清聴ありがとうございましたぁ!
 良かったら、またお電話して下さいね。
 番組のSNSアカウントもよろしくお願いしまぁ〜す!」

「SNSでもお知らせしてるんですが、
 最近『Electric Canary Garden』のリスナーさんが増えて下さっているという、
 嬉しいお知らせがありまして――――」

大きな理由として挙げられるのは『夏の魔物事件』。
あれには多くのスタンド使いが協力したが、
『夏のクリスマス』が一般人にまで浸透したのは、
美作がラジオや動画サイトを使って町中に広めたからだ。
結果的に、『Electric Canary Garden』にとっても、かなりの宣伝効果になった。

「今回の放送から、お電話を下さったリスナーさんには、
 お好きな『番組オリジナルグッズ』をプレゼントする事になりました!!
 ちなみに『番組特製クオカード』は『前回まで』です!
 もし持ってらっしゃる方は大事にしてあげて下さいね?」

「現在のラインナップは『ステッカー』と『キーホルダー』と『クリアファイル』。
 それから『アクリルスマホスタンド』に『スマホリング』です!
 『やみやみ♰ひめたん』さんは、どれがお好みですか?」

80谷『フォビドゥン・エンチャントメント』:2024/02/18(日) 12:40:47
>>79(遅くなって申し訳ありません! こちらこそありがとうございました!)

>現在のラインナップは『ステッカー』と『キーホルダー』と『クリアファイル』。
 それから『アクリルスマホスタンド』に『スマホリング』です!

 「へ へへへへ、お 応援よろしくおねがいしみゃす(小声)
 おぉ〜、オリジナルグッズ!
あ、あの……」

(お、お揃いにする為にペアで二つ欲しい……とかは流石に欲張りだよなぁ〜。
 う、うーん、それじゃあ)

 「す、ステッカーで。お、お願いします。
『Electric Canary Garden』に今日は相談出来て良かったです。
こ、これからも応援してますんで!」

 (ステッカーなら、流石に複数……一枚だけって事は無いよな?
へへ、えへへ。手紙と一緒にステッカーも貼り付けるんだ。お揃いにするんだ)

81美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/02/18(日) 15:32:28
>>80

ラジオ番組がステッカーを配り始めたのは1970年代頃まで遡る。
アマチュアバンドの演奏コーナーを設けていた番組が、
オーディションに参加したバンドにオリジナルのステッカーを渡していたらしい。
こうしたステッカー文化の大元を辿ると、行き着く先はアメリカだ。
日本とは比べ物にならないくらい放送局の数が多く、
各局が趣向を凝らしたデザインのステッカーを考え出し、宣伝の手段として活用した。
ラジオにおけるステッカーは、歴史の長い由緒正しきオリジナルグッズと言える。

「はぁ〜い、『ステッカー』ですねぇ〜。
 一週間以内にお手元に届くと思いますから、楽しみにしていて下さい!」

「『Electric Canary Garden』は、リスナーの方々に楽しい時間をお届けする為に、
 これからもフルスロットルで駆け抜けていきますよ。
 『やみやみ♰ひめたん』さんも、しっかりとついてきて下さいね?」
 
「お電話ありがとうございました!
 改めまして、今回のお相手は『やみやみ♰ひめたん』さんでしたぁ〜!」

  「『Thank you』――――」

             「『and』」

                  「――――『See you again』!!」

後日、谷の家に『郵便物』が届いた。
中身は『番組ロゴ』と『電気カナリア』をあしらった『オリジナルステッカーセット』。
さほどコストが掛からないので、たくさん作れるのだろう。
全体的にポップなデザインで、なかなか洒落ている。
また、美作の一言コメントが書かれた『メッセージカード』が添えられていた。

    【HeartをShoot!!もし成功したら結果を教えてね!】



谷『フォビドゥン・エンチャントメント』⇒『オリジナルステッカーセット』Get!!


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板