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【ミ】『ワックワーク・フィールドワーク』【場】

630夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』@大通り:2021/10/24(日) 11:08:53
>>629

[ヨルになっちゃうまえにイズミンのおへやいくね。
 ソコでまちあわせしよ!!]

(ジャンプする白ウサギのスタンプ×5)

[いま、ユメミンはハンドベルならしてるトコでさぁ〜〜〜]

(鈴を鳴らすウサギのスタンプ×5)

[じゃ、またあとで!!]

(手を振る白ウサギのスタンプ×5)

―――――――――――――――――――――――――

『夢見ヶ崎明日美の世界』に『光』はなかった。
多くの人間が当たり前に持っている『視力』を持たず、
生まれた時から『闇』の中で生きていた。
『トマト』が『赤い色』をしている事も分からないし、
『赤い色』が『どんな色か』も分からない。
そもそも、『色』というのが何なのかさえ定かではなかった。
しかし、今は違う。

世界には『沢山の色』が溢れている事が、
『自分自身の目』で分かる。
だが、もし『視力』を得る事がなかったとしたら、
世界にあるのは『闇』だけだと信じただろう。
『光』など『夢物語』に過ぎないと考え、
冷めた態度で世界と向き合っていたかもしれない。
有りもしない幻想、存在しない妄想の産物。
『闇しか知らない人間』にとっては、
そう思えても不思議ではない。

『ウサギ』を追いかけた『アリス』は、
『不思議の国』に落ちていった。
『角膜移植手術』によって『視力』を得た夢見ヶ崎は、
『闇の世界』から『光の世界』に足を踏み入れた。
包帯を外して目を開けた時、
そこはまさしく『不思議の国』そのものだった。
『見える人間』にとっては、
『平凡』で『退屈』で『つまらないもの』でも、
その全てが『面白く』、『楽しく』、『美しかった』。
だからこそ『夢見ヶ崎明日美』は『光の国のアリス』なのだ。

―――――――――――――――――――――――――

「――――――よし!!」

イズミンにメッセージを送信し、ベンチから立ち上がる。

      リン リン リン ♪

                 リン リン リン ♪

再びハンドベルを手に取り、
街中に『クリスマスの音色』を響かせながら歩いていった。


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