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【ミ】『ワックワーク・フィールドワーク』【場】
593
:
高見盛 炸盤『デイヴ・エドモンズ』@商店街
:2021/10/21(木) 22:20:17
>>565
「──フフッ」
額の汗を腕で拭い、ここへ来て初めて明確な笑みを浮かべる。
「『彼女』が約束を守ってくれるタチで、良かったよ。
それに『セララちゃん』に『面白い』と言ってもらえるのも、重ねて『良いこと』だ。
今日の俺はひょっとしたら『ツイてる』という奴なのかも知れないね」
『不幸中の幸い』という語彙が、咄嗟には出てこなかった。
『冬』の到来は高見盛にとって間違いなく『不幸』であって、
『円谷世良楽』との邂逅が『幸い』であったのも、同じくらい間違いないのだけれど。
「しかしそれでも、『季節感』が無いと思っているのが俺だけじゃあなくって、安心したよ。
きっとこれは『例外的』で『突発的』な『なにがし』といったところなのかな。
あくまで今は『夏』で……変な、そう、『変な夏』なんだろうね」
言いながら、一重瞼を僅かに下ろし目を細める。強い光に当てられた時のように。
「そう思えば──今日が『夏』だッていうのなら、確かに楽しまないのは『損』ッてものだね。
それが二度と得難い経験だというのなら尚更で、うん。
俺もたまには、『羽目を外す』というのも面白いかもしれない」
『後輩の女子』から『クリスマスパーティ』に誘われる──しかもその娘の『自宅』へだ。
『その娘』というのは他でもない、高見盛炸盤が『一目惚れ』をした相手であって、
一介の『高校二年生』であれば、思わず宗旨変えをして乗り気になってしまうのも、無理からぬことであろう。
「ええとこういう時は……『ありがとう』だな。
俺なんかをパーティに誘ってくれて、とても嬉しい。
だから『ありがとう』だ」
本当に擬似的で一時的な『クリスマス』であるのならば、『冬眠』も何も知ったことか。
楽しまない理由が、『高見盛炸盤』には、既に無いのだ。
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