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【ミ】『ワックワーク・フィールドワーク』【場】

562高見盛 炸盤『デイヴ・エドモンズ』@商店街:2021/10/21(木) 00:33:44
>>556

「や」
 
掛けられた声に、軽く右手を挙げながら応じる。
 
「『セララちゃん』……じゃあ、ないか。
 確かに随分と久しい気がするね。俺が君のことを、ええと」
 
そこで一度言葉を区切り、『世良楽』の姿を改めて見遣る。
『サンタ帽』に『ケーキ』の袋。高見盛の日常ではまずあり得ないその姿を、見る。
 
「うん。確かに。俺は好きな人の話をするのが好きだから、君の話をしたこともあったけれど。
 ただ、そうだね……そこまで踏み込んで話した相手は実のところそんなにいないから、
 だから大体、そうだね、うん」

徐々に小さくなる声はやはり、目の前の少女に聞こえることはないのかも知れない。
 
「悪く言っていないでくれたら、良いのだけれど」
 
明確に人物を思い浮かべながら、しかしあくまで小さく呟く。
それよりも。
 
「しかし『セララちゃん』──『それ』は、どうなんだい?
 確かに俺はものを知らない方だけれど、いくらなんでもその『格好』、
 それに君だけじゃあなくこの『商店街』自体、いくらなんでも季節外れじゃないかって、
 『冬』を『先取り』してやしないかって、思わないかな」
 
『高校2年生』の夏は、一度切りだ。同じく秋も冬も一度きりで、春が来たら3年生だ。
『冬眠』のハンデを抱える高見盛にとって、それはどうあっても無視できない分野であったのだ。


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