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【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』 その2

40円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】:2021/04/25(日) 02:03:27
>>39

「わかるわかる! あーあ、あたしも味わってみたいなー」

……と。笑い声に一瞬だけ首を傾げたが、すぐに気付いた。

「……あれあれ!? 本当だ! サクバン先輩って、
 『タカミサカリサクバン先輩』じゃないですかーっ!」

『マジ』だ。
 
「わー! なんであたし『モリ』だって思ったんだろ!?
 どーしよどーしよ、ビタミン足りてないのかな……!
 お魚の目玉もちゃんと食べとけばよかったー!」

……どうやら『センス』ではなく、
どこからか湧いた誤解だったらしい。

「それとも、こーゆーのが『センス』なのかなー!?
 センスって無意識だーって美術の先生も言ってたし」

真相としては頭の中で名前を浮かべた時――
その『漢字』の『読み方』を間違えた、のだろうか?
セララも流石にこれには『驚き』を見せたが、
すぐに、何か納得したような顔で笑った。

「……でもでも、逆に運命っぽいですよ!
 だって先輩も言ってますけどー、
 あたしじゃなきゃそうは名付けなかったもんネ!」

         「それに、ミサカリーより、
           ミモリーのがかわいーし」

開き直っているのか、
そもそも閉じるほど引きずらないだけか?

セララ自身、その誤解からの数奇な響きを気に入った。

「呼びますよ、せーの。ミモリー!!
 …………ねえねえどうどう? 呼ばれてみてどーですー?」

だから照れることもなく、満面の笑みで『そう』呼んだ。


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