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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

94『伝播のG』:2020/06/14(日) 01:48:10
>>(両者)

    …………ズズッ

自身の精神の像――『エラッタ・スティグマ』を発現し、
空織は露木の反応を窺う。
『見える人間』であれば、
何らかの反応が得られるかもしれない。
もっとも、『慣れた人間』であれば、
隠す事は不可能ではないだろう。

「――――…………」

くるみにも、空織の『意図』は読み取れているようだ。
彼女にとっては気心の知れた相手であるため、
複雑な思いがあるらしい事は表情で分かる。
しかし、『今の状況』を考え、
くるみは空織の行動を黙認していた。

「――あぁ、そうですか……」

ほんの少しだけ困った表情で、露木が空織の方を向く。
彼の方も、『今回の件』で、
色々と対応しなければならない事があるのだろう。
『打ち合わせ』というのは、それも含んでいるのかもしれない。
そして、発現した『エラッタ・スティグマ』に対して、
『目立った反応』は見えなかった。
だが、『意図的に反応しなかった可能性』が、
ないとは言い切れない。

「分かりました。『調査』の方、よろしくお願いします」

僅かな逡巡の後、彼は二人に頭を下げた。
彼の様子から判断すると、多少の迷いはあったようだ。
ただ、『協力する』と言った手前、
無下に断る事は出来なかったらしい。

「すみません、後で私の方から行きますから。
 それまで待ってて下さい」

別れ際、くるみが露木に声を掛け、
林檎と空織は『Bスタジオ』に向かう。
その手前まで来た時、
ドアのガラス越に『副調整室』の様子が見えた。
中には二人の『男女』がいるようだ。
何やら『言い合っている』ように見える。
険悪とまではいかないが、
あまり和やかな雰囲気でもなさそうだった。

            ボソッ

「…………『I Love Me』のパーソナリティーの『雛形』さんと、
 ディレクターの『鍋島』さんですね」

声のトーンを落として、くるみが二人に言った。
女の方が『雛形』で、男の方が『鍋島』のようだ。
何を喋っているかまでは、部屋の外からは聞こえない。


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