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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

83『伝播のG』:2020/06/13(土) 05:49:58
>>81(空織)

「ええ、私からお話する事は以上です。
 また何かあったら、その時はお知らせしますよ」

「『I Love Me』の放送は『十五時』からですね。
 現場は『Bスタジオ』で、今日も同じです」

「ちょうど今は体が空いてますし、ご案内しますよ」

現在時刻は『午前十時』を少し回った所だ。
『I Love Me』の放送開始までは、残り『約五時間』。
『調査』に割ける時間に不足はないだろう。

「また『事故』が起こるとすれば、
 『同じ番組中』の可能性も高いですから」

『第一の放送事故』は、『I Love Me』の放送中に起きている。
そして、犯人は『I Love Me』の放送枠縮小を要求してきた。
それらを考慮すると、『第二の放送事故』も、
同番組中に起こる可能性が高い。
空織がそのように考えたと思ったらしく、
くるみが同意するように言った。
ともかく、まずは現場に向かう事になる。

>>82(林檎)

「そうね、私も林檎さんと同じ事を考えたわ。
 例えばだけど、私のスタンドは『120m』の射程距離があるの。
 もし同じくらいの射程を持った『スタンド』なら、
 遠くからでも細工が出来る可能性はあるでしょうね」

「――と言っても、『私の』は少し意味が違うんだけど……」

射程距離の長いスタンドなら、
必ずしも本体が近くにいる必要はない。
むしろ、そういったスタンドの本領は、
『遠隔操作』にあると言える。
林檎の考えた通り、考慮に入れておくべき要素だ。
そういえば、『喫茶店』を出る時に『毛のない猫』を見かけた。
もっとも、それは今回の件とは関係なさそうだが。

「どこへ向かったかは――ちょっと分からないわね……。
 もしかしたら空いている部屋に入ったのかもしれないし……」
 
「お役に立てなくて、ごめんね」

くるみは申し訳なさそうに言った。
『罪を被せるため』――十分に考えられる線だろう。
犯人が『アンチ』なら、それは有り得る。

>>(両者)

「あ、言い忘れてました。
 今回お二人は、
 『探偵事務所の所員』という事にさせて頂いてますので、
 なるべく、その体裁でお願いしますね」

「それと――――最後に『もう一つ』だけ。
 これは、『私のスマホ』なんですけど」

          ズキュンッ

スマホを持ったくるみの肩に、一羽の『小鳥』が現れた。
マイクとスピーカーを内臓した『機械仕掛けの小鳥』だ。
二人には、それが『スタンド』だと分かる。

「――――『あなたの電話番号は?』」

《ハイ 『×××‐××××‐××××』デス。
 ワタシ アナタノ『ファン』ナノデ ナンデモ オシエチャイマス》

『小鳥』のスピーカーから、『機械的な音声』が流れる。
喋っているのは、
今くるみが手にしているスマホの『電話番号』だろう。
簡単なデモンストレーションを終えると、
くるみはスタンドとスマホを収めた。

「『プラン9・チャンネル7』――
 他のスマホやパソコンにも『同じ事』が出来ます。
 あんまり『乱用』しちゃいけない能力ですけど、
 もし必要な時は言って下さい」

「それじゃ、ご案内しますよ。
 さっき言った『電話番号』は、
 くれぐれも『秘密』でお願いしますね」

    クスッ

軽いジョークを飛ばしつつ、くるみが階段に向かって歩き出す。
『Bスタジオ』は二階にあるようだ。
林檎から他の提案がなければ、このまま現場へ行く事になる。


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