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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

716『伝播のG』:2020/11/14(土) 20:48:13
>>714(空織)

「ええ、そうよ…………」

   「私は彼が『犯人』じゃないと信じてる」

             スッ

     「――――それが『私の答え』」

弥生が空織に向き直り、言葉を返す。
その声には微塵の躊躇いもない。
真剣な眼差しが、空織を正面から見つめている。

        「…………もう行くわ」

弥生が空織の前を横切った。
彼女の後姿が、徐々に遠ざかる。
不意に、弥生が足を止めて振り返った。

           「付き合ってくれてありがとう」

最後の言葉を言い終えると、弥生は再び歩き出した。
やがて、その背中が制作室に消える。
弥生は立ち去った。
くるみとの合流までには時間がある。
何か、他にしておくべき事はあるだろうか。

>>715(林檎)

「なるほど――――」

「彼が犯人じゃないという話は有り得るでしょうね。
 そういう『可能性』としては」

一度だけ深く頷き、鍋島が答えた。
林檎は鍋島を見上げ、鍋島は林檎を見下ろす。
言葉のやり取りと共に、二人の視線が交差する。

「その場合、まだ何とも言えないのが正直な所です。
 ただ、私には最終的な決定権はありませんからね。
 『上が決めた事』には従わざるを得ないでしょう」

「無論、私も林檎さん達と同じように、
 出来る限りの事はするつもりですよ」
 
                「当然ね」

それだけ言って、鍋島はCDの棚に向き直った。
自然と会話の流れも途切れる。
話を切り上げるには丁度いいタイミングだろう。


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