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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

604『伝播のG』:2020/10/11(日) 19:37:39
>>602(空織)

    ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ

               ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ

バッグに『刺繍』を施しながら、
先行するくるみを追って走り出す。
彼女が何に気付いたのか。
何にせよ、それが『急を要するもの』である事は確かだ。

「あら、あなたも踊れるのね?それなら楽しみましょうか」

        《キキィ…………》

前方では、『光のドレス』を纏う林檎と、
『グレムリンB』が睨み合いを続けている。
その時、敵が新たな動きを見せた。
急に体の力を抜いたかのように、全身を弛緩させる。
それは、何らかの『予備動作』を思わせた。
そして、次の瞬間――――。

  《キッ――――》

           バンッ!!

『空織の予感』は的中した。
空織が叫ぶのと同じタイミングで、
壁を蹴り付けた反動を利用し、『グレムリン』が跳躍する。
弾丸のような速度で飛んでいく先にいるのは、
『空織』でも『林檎』でもなく、
『Bスタジオ』に向かう『くるみ』だった。

                   《――――キキィッ!》

  ドッシュゥゥゥゥゥ――――――ッ!!

            バ ッ

       「――――――ッ!?」

両手の『爪』を振り翳して襲い掛かる『グレムリンB』に対し、
くるみは両腕を上げて防御の姿勢を取る。
おそらくは反射的な行動だ。
彼女に出来るのは、それが限界だった。
くるみのスタンドである『プラン9・チャンネル7』は、
戦闘能力を全く持たない。
空織の呼び掛けがなければ、
咄嗟の防御さえも間に合わなかっただろう。


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