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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

511『伝播のG』:2020/09/11(金) 22:06:20
>>509(林檎)

「いや…………」

「まだ――だけど……」

林檎の問い掛けに対し、橋田は首を横に振った。
そして、彼は再びモニターを見つめる。
相変わらず何かを隠しているような雰囲気は残っているが、
協力しようという気はあるようだ。
その大部分は彼自身のためだろう。
申し訳なさそうな所を見ると、
彼なりに罪滅ぼしの意味も含まれているのかもしれない。

「何ですか?改まって」

二人に向き直った澤井が、
空織の呼び掛けに応じて近付いてきた。
それから空織は事情説明を始め、
澤井は真剣な表情で耳を傾ける。
やがて、澤井は申し出を了承した。
露木の時とは違い、スムーズに話を進める事が出来た。
その時、モニターを見ていた橋田の表情が変わった。

「あ…………」

「『あの人』だ…………」

橋田が腕を上げ、モニターの一転を指差した。
彼が指し示した先には、通路を歩く露木が映っている。
『橋田が見た男』というのは『露木』の事だったらしい。
彼の姿は、すぐにモニターから消えてしまった。
監視カメラの範囲外に入ったのだろう。

>>510(空織)

「――――分かりました。それが必要な事なら協力します」

「高屋敷さんは見回りです。
 今の話は、私から伝えておきますよ。
 その方が手間が省けますから」

事情を聞いた澤井は、『了承』の意を示した。
高屋敷に対する説明も、彼に任せておけば問題あるまい。
これで作戦に関する『根回し』は、概ね完了した事になる。
後は、露木が『上役』と話をつけられるかどうかだ。
もし『上』から『却下』された場合、
『下』の人間である露木と澤井も従わざるを得ない。

「あ…………」

「『あの人』だ…………」

その時、橋田が腕を上げて、モニターの方向を指し示した。
林檎が橋田を取り調べた時に聞いていた、
『件の男』を見つけたらしい。
だが、モニターが澤井の陰になっていたせいで、
空織からは確認出来なかった。


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