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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

496『伝播のG』:2020/09/06(日) 21:12:40
>>494(空織)

「正直に申し上げますと、分かりません」

「『内部の可能性もある』とは考えました。
 しかし、憶測です。
 間違っている恐れもあります」

そこで、露木は言葉を切った。
彼は、真っ直ぐに空織の目を見つめる。
露木の表情には、
密かに探りを入れている空織の内心を、
見透かしているような色があった。

「空織さん――――
 あなたにはあなたの考えがおありだとは分かっています」

「そして、私にも私の考えがあります」

「私は不確かな仮説を口にして、
 事態を混乱させる事は出来ません」

くるみは情報の取り扱いには慎重だ。
おそらくは、露木も同じなのだろう。
『誤った情報』を流して、
取り返しがつかなくなる事を危惧している。

「新しい企画の構想です。
 恐縮ですが、その内容についてお話する事は出来ません」

「『気付いた事』というのも、
 これといって思い付くような事は何も…………」

>>495(林檎)

くるみを仲介役にするというのは悪くない手だろう。
だが、やはり『確実』ではない。
誰に頼むにしても、相手を納得させる事は『必須』だ。

「『三週間前』…………ですか?」

「ええ、確かに聞いた覚えはあります。
 Aスタジオの方は何の異常もありませんでした」

思い出しているような様子はあった。
客観的には自然に見える範囲だ。
その時、林檎には隣に立つ『空織の腕時計』が見えた。
放送開始まで残り『二十分』。
仮に『防火シャッターの利用』が却下された場合、
『代替案』を用意する時間は、あまりない。


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