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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4
310
:
『伝播のG』
:2020/07/15(水) 15:25:22
>>308
(林檎)
「ははぁ、『内部犯』って奴ですか。
その線は私も考えてはいましたよ。
何かを仕込むんなら、『外部の人間』よりも、
『内部の人間』の方がやりやすいでしょうから――――」
「いや、『素人』が生意気に口を挟むもんじゃあないですね」
林檎の笑顔に、鍋島も笑みを返す。
その表情からは、内心を窺い知る事は出来ない。
林檎が彼に本音の全てを明かしていないのと同じように。
「――――あぁ、あの前ですか?」
「何だったかな…………ちょっと思い出せませんねえ。
前にも話した通り、今は色々と忙しいものでして」
「お役に立てなくて、どうもすみません」
鍋島は苦笑いを浮かべ、申し訳なさそうに頭を下げた。
他に聞く事がなければ、彼は立ち去っていくだろう。
林檎も、次の行動に移る事になる。
>>309
(空織)
「………………ありがとうございます」
空織の言葉に、澤井は深い感謝を示した。
『山場』を一つ越えたという直感は、おそらく正しいだろう。
一方で、この事件の『真相』を覆う『謎』が、
まだ解明されていない事も確かだ。
「ええ、解決の役に立てるのなら何でも。
ただ…………事故当時の記憶は、
あまり鮮明とは言えません」
「夜中でしたし、
特に周りに注意していた訳でもありませんから……。
それに、事故直後は、
何かを考えるような余裕がなくなっていたもので……。
もし何かがあったとしても、
おそらく見えてなかったと思います」
「『ブレーキ』についてですが……後で調べてみても、
特に『異常』は見当たりませんでした。
その前日に点検を済ませたばかりだったので、
自分でも変だとは思ったのですが……」
証拠を残さない『原因不明の不具合』。
澤井の言葉からは、『グレムリン』の特徴が窺えた。
『マイク』や『ミキシングコンソール』と同じだ。
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