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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

31エヴァレット・ローレンス『ファーレンハイト451』:2020/05/29(金) 18:14:33
>>30

 『象徴』は『福笑い』。
 『動機』は『母の手伝い』。

 そして、残るは『条件』だが……

「『Fくん』の意思は関係なくて、特定の条件を満たした時に発動する、ということね」

 門倉の説明を、ある程度かみ砕いて理解する。
 それにしても、確かに厄介な事態だ。
 分からないまま放ってはおけないだろうし、母親の心配する様子が目に浮かぶ。

「……つまり、その『超能力』のトリガーになっているのが、
 何かを『見た』とか、何かに『触れた』のではなくて。
 誰かが何かを『言った』、もしくはそれを『Fくん』が『聞いた』んじゃないか、ということね」

「……その『美容外科』と『Fくん』のいた場所って、結構近くだったのかしら。
 それとも、『Fくんの聴力』とその『超能力』の効果の範囲って、分けて考えるべき?」

 『言った』のか、それとも『聞いた』のか。
 これは、結構大きな違いだ。……いや、そんな気がする、というだけだが。

 というのも、もし『聞いた』ことで発動するというのなら、対処が簡単だからだ。
 母親には、「『Fくん』が職場の会話が聞いてしまわないように工夫してください」、と言えばいい。
 万が一、謎が解けなかったとしても、一先ずの処方にはなる。

 ……まあ、その辺りは自分には関わりのあることではなく、門倉の領分となってしまうだろうか。
 男の人の仕事に、あまり口を挟みすぎてもはしたない。
 謎解きに意識を戻す。

 『超能力』とやらが、本人の『精神の発露』というならば。
 たとえ、その発動自体は、『Fくん』本人の意思に寄らないものであったとしても、
 そのトリガーは、彼の精神と深くかかわりのあるものかもしれない。

「……その、『話している内容』。いったい、どんなことを話している最中に『崩れた』のかしら」

 門倉の返答を待つ。


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