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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

304『伝播のG』:2020/07/14(火) 12:12:52
>>302(林檎)

「いやいや、別にそんな事はありませんがね。
 ただ、ちょっと気になっただけで。
 私は言ってなかったと思うので、誰から聞いたのかなと」

「まぁ、それだけですよ」

鍋島は軽く笑いながら答えた。
その様子からは、
林檎の問い掛けに対する苛立ちは窺えない。
弥生との言い争いについて尋ねられた時と同じだ。
ここまでのやり取りを合わせると、
彼は澤井と正反対のタイプだと感じられる。
どこか飄々としていて、感情が顔色に表れにくい。

「おっと、話の腰を折ってすみませんね。
 『本物の探偵』と喋る機会なんて滅多にないもんで、
 ついつい余計な話をしたくなってしまって」

「――――で、他には何か?」

>>303(空織)

「――――――ええと………………」

長い時間が流れた。
最初に澤井の口から絞り出された言葉は、
意味のない呟きだった。
その目は泳ぎ、表情には『焦り』の色が浮かんでいる。
『エラッタ・スティグマ』で観察するまでもない。
彼が『動揺』している事は明らかだ。

「その…………空織さん」

「すみませんでした…………。
 本当は、さっき階段で顔を合わせた時に、
 お話するつもりだったんですが…………」

「いざ言うとなると迷ってしまって…………」

意を決したように、澤井が話し始める。
表情には、深い『苦悩』が見て取れる。
あの時、空織は澤井に『何か伝えたい事がある』と解釈した。
その考えは間違ってはいなかった。
彼には、確かに『メッセージ』があったようだ。

「『聞いた後の判断』は任せます。
 少し長くなりますが………………構いませんか?」


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