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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

298『伝播のG』:2020/07/13(月) 12:24:32
>>296(林檎)

曽我は立ち去っていき、鍋島は林檎に向き直った。
彼の手には『台本』らしきものが握られている。
表紙を見る限り、『I Love Me』の台本のようだ。

「――あぁ、構いませんよ。何です?」

『ミキシングコンソール』の不調。
林檎達が考えたように、
それは『グレムリン』と無関係ではないだろう。
『この事件』とも、何らかの繋がりがある可能性が高い。

>>297(空織)

ライブラリーには監視カメラがあった。
しかし、角度的に部屋の全域は映らないようだ。
また、細かい部分は、
モニター越しでも見落とす可能性はある。

    ガチャッ

「フフ…………お邪魔だったみたいねぇ?
 ねえ、探偵さん。こんな所で何してんの?」

皮肉めいた笑いを浮かべながら、
弥生が空織に近付いてくる。
相変わらず『ダウナー気質』を窺わせる表情だった。
澤井を見ても、彼女は特に何とも思わないようだ。

「あんまり『楽しそうな雰囲気』だったから入りづらかった。
 待ってれば出てくるかなと思ったけど、
 キリがなさそうだし…………」

        「フフフ…………」

           ――――スイッ

至近距離から空織の顔を見つめていた弥生が、
急に身を引いた。
そして、手近の棚から一枚のCDを引っ張り出す。
歌のない『インストゥルメンタル』系のアルバムだ。

「――――私の目的は『これ』。じゃ、ごゆっくり…………」

         「フフッ…………」

                      パタン

自嘲的な笑いを残して、弥生は帰っていった。
室内には、再び空織と澤井だけが残される。
澤井はノックの音がした時から顔を伏せており、
表情は読み取れなかった。


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