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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

295『伝播のG』:2020/07/12(日) 22:58:21
>>(両者)

仮に『橋田』が入り込んでいたとして、
そう簡単には侵入出来ず、
目的も定かではないという空織の言葉は正しい。
そして、やろうと思えば出来なくもないし、
別の目的の可能性を指摘する林檎の考えもまた正しい。
いずれにしても、
彼が『事件』を『より複雑』にしている事だけは、
間違いないと思われた。

>>293(空織)

「…………そうかもしれません」

空織が電話を切るのを待って、澤井が口を開いた。
理路整然とした説得を受けて、彼も納得したようだ。
もし糾弾する道を選んでいれば、
『別の結果』になっていたかもしれない。
美作の名前を挙げた事も効果があったのだろう。

「誤解を招く行動を取った事はお詫びします」

        コン
           コン
              コン

不意に、ノックの音がした。
ドアのガラス越しに、弥生の姿が見える。
どうやら、入れそうなタイミングを待っていたようだ。

>>294(林檎)

「――――じゃ、行きましょうか」

電話が切れたタイミングで、くるみが告げた。
そして、二人は一階に移動する。
階段の下に鍋島の姿が見えた。
彼はグレーのスーツを着た『年配の男性』と喋っている。
そちらの方は見覚えがなかった。

         ソッ

「……『放送作家』の曽我さんね。
 ちょっと気難しい所はあるけど、気配りの出来る人よ」

くるみが林檎に耳打ちした。
二人は話を終え、別々の方向に歩いていこうとしている。


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