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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

200『伝播のG』:2020/06/28(日) 23:28:44
>>198(林檎)

『残り時間』は半分。
ちょうど『折り返し地点』だ。
林檎だけではなく、相棒の空織にとっても。

「どうも。空織さんは局の外にいらっしゃいますよ。
 ついさっき急いで出て行かれまして」

林檎の『和ゴス』的な格好を見ても、
高屋敷の態度は落ち着いていた。
やはりベテランだからだろうか。
彼の話によると、空織は『何か』を追っていたらしい。

「『資料室』の鍵は…………今日は使っていませんね。
 そのカメラでしたら、『これ』になります」

高屋敷がモニターの一角を指で指し示す。
そこには『グレムリン』を見失った辺りの映像が映っていた。
三つの部屋が全て見えているようだ。

>>199(空織)

「君が『探偵』で、既に弥生から話を聞いているなら、
 大体の事情は知っているだろうから、
 詳細は省かせてもらう」

「放送中にマイクが不調を起こし、
 代わりを用意するまでの間、音楽を流して対応した。
 その時、私は副調整室にいたが、
 『トラブル以外の何か』は起きなかった」

曽我の証言は、これまで何度も聞いてきた内容と同じだ。
事件発生当時、現場で目立つような事は起きていなかった。
その点は間違いない。
『グレムリン』――――『原因不明の故障』を引き起こす妖精。
犯人のスタンドが『それ』を由来にしているならば、
明らかな『細工の跡』を残しているとは考えにくい。

「君にも仕事があるだろうが、
 弥生の事はあまり刺激しないでやってくれ。
 せっかく『怪我』が治ったというのに、
 またトラブルに見舞われてしまった」

曽我は、弥生の心情を気遣っているようだ。
弥生の評価は、おそらく正当なものなのだろう。
同時に、『今まで聞いた事のない単語』が、
彼の口から発せられた。


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