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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

176『伝播のG』:2020/06/26(金) 00:10:08
>>174(林檎)

謎が深まる中、
林檎は『探偵』として冷静に考えを積み重ねていく。
推理に明らかな矛盾点はない。
しかし、『証拠』がなければ可能性の域を出ないのは事実だ。
残り時間の間に『犯人』を絞るか、
それとも現れるであろう『スタンド』の対処を優先するか。
あるいは、その両方を出来る限り平行して進める道も可能だ。

「ええ、今は時間があるの。調査の話もしておきたかったし」

「それに、私もお腹ペコペコだから」

          ニコッ

くるみは明るい笑顔で林檎に答える。
そして二人は歩き出した。
吹き抜けの階段を下りて、一階へ向かう。

「そうそう。
 空織さんの分も用意してあるんだけど……。
 今どこにいるか分かる?」

    ガチャッ

くるみが『会議室』のドアを開け、中に入った。
ミーティング用のテーブルセットがあり、
正面にホワイトボードが置かれている。
テーブルの上には漆塗りの『重箱』が二つ並んでいた。
蓋を取れば、『牛カツ重』である事が分かるだろう。
出前のようだが、それなりに『いいもの』らしい。

「私からの奢りよ。元気をつけて貰おうと思って。
 よく言うでしょ?勝負に『勝つ!』――――ってね」

           フフッ

そう言いながら、くるみは拳を突き出す真似をする。
重箱の隣には小箱があり、こちらは『カツサンド』だ。
くるみが『自分用』に買ったものだろう。

>>175(空織)

    ゴソ

トレイから『キャンディー』を掴み、ポケットに入れる。
普通に取っても平気そうだったが、特に問題はない。
何かの役に立つだろうか。

「『無線機』――――ですか?」

少々驚かれたものの、申し出は許可された。
警備員は丁寧に使い方を教えてくれた。
手に持った無線機を握り締め、空織は『警備室』を後にした。

    ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ
                  ――――――ダッ

急いで駐車場に駆けつけたが、『橋田』の姿は消えていた。
おそらく、林檎が目を離していた間にいなくなったのだろう。
戻ってきた露木は、
『一階の何処か』に向かった事は確認している。


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