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【ミ】『星屑のサラウンド』

1『朝山』:2019/02/11(月) 18:55:27
―――私としては確かなことは何も知らないが
星の光景は私を夢見させてくれる。
                       『ゴッホ』

―――――――――――――――――――――――――――――

★ここは『朝山』がGMのミッションを行うスレです。

748黒羽 灯世『インク』:2020/03/27(金) 16:58:44
>>744

袖を口元に当て、得られた情報を頭の中で整える。

「……………………『自殺』」

「『フラジール』というのはこの人の『スタンド』かしら。
 それは今となっては分からないし……文章もよく分からない。
 『集合体』『偽たる私達』……きっとスタンドに関わる言葉」

「この人はスタンドで自殺をした。それ以上は分からない」

遊部の文章の意図は完全には分からない。
彼女の人格も、前提となる知識も無いのだから。

「分かるのは『スマイリー・スマイル』がこれを消そうとした事。
 つまり、ここには不都合な事実が書かれているという事だわ」

全員の顔を見回す。

「……『一番みすぼらしく、みじめな私』。
 『もっとも弱き原型の一つ』……『泣きじゃくる』?
 『悲しみ』……いえ、『泣くこと』が『笑うこと』を中和する?」

「…………泣くのが得意な人はいる?」

『インク』を取り出し、その筆先で自分の『左目』を撫でる。
涙を出すためだ。『反応』に過ぎない、感情を伴わない涙だが。

749『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/27(金) 23:35:11
>>746(斑鳩PC)

 ……う     ……う!

 「翔(しょう)っ! 寝ぼけてんのかぇっ!!」 パシンッッ

何かしらの理由で、斑鳩 翔は彼方を見遣りつつ意識に空白があった。
 後頭部に鋭い衝撃と僅かな痛みが生じる。反射的に振り向いた先には
幾らか興奮と、そして何度声を掛けても無反応だった孫に対する苛立ちと心配が
入り混じった怒りと言う複雑な表情を浮かべる祖母の顔が目に映った。

祖母の手には、何時かの日に貴方が買ったであろう宝くじが握られてる。

「ほらっ、見な! 当たってたんだよ三等がね!
100万だ100万っ! がははっ! 流石はうちの孫だよ! 金運も
大したもんだねぇ! ……どしたんだい、ぼーっとして」

しゃっきりせんかい! 当たった金はあんたのものなんだから大事に使うんだよ! と
肩を強めに叩きつつ宝くじを貴方に押し付けて、食事なりの用意へと場を離れた。

此処は貴方が今住まう祖父母の家。少し目線を別のほうに向ければ、寝そべりつつ
テレビを見遣る祖父の姿もある、何時もの日常。

ただ……。

 ――貴方(斑鳩)には、今この瞬間。その数十分後には忘れてしまう感情だが。

 ――とても、何故だか切ないような 
 ――とても、何か大切なものを喪失したような 堪らない気分だった。

  斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』⇒『100万』get!

750『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/28(土) 00:01:55
>>747(成田PC)

眩暈がする、意識が段々と下がり呼吸や脈に乱れが起きてきた。
 恐らくは自から死を決心した刑事の吉岡。救急隊員なども
魂が引き抜かれる最中には、これを感じていたのだろう。
前者はもしかすれば奴等に啜られる前に、その魂は無事何処かへと
旅立つ事に成功したかも知れないが、今や周囲全てが奴等に包囲されてる
貴方の状況では、救命士と同じ末路が否でも想定される。

斑鳩が車内から飛び出すと同時に、矢を発現したスタンド
『モノディ』に突き刺した。

 ――キィーン……。

一瞬耳鳴りが、生じ。全てが無音と化した 斑鳩の咆哮 
後方から猛スピードのトラック 無数の周囲から迫る奴等の歩行音 全てが。

それと同時に、貴方の目に別のものが映っていた。
車内 窓から見える無数の人間に建物。それ等が透明化していき
赤黒や茶黒が入り混じったような濁った色合いで構成された波が貴方の鼻から
下までを覆うように揺れている。その視覚内では貴方は既に溺れかける程だが
実際にその波で息苦しさは感じられない。
 感覚的、直感で貴方は悟る。これは『音波』だ
人間や動物の可聴周波数である空中を伝播する弾性波と言われるもの
『超音波』を貴方は認識しているのだ。矢によって高次の場所へ昇華され
貴方は奴等の本質的なものを視ている。
 そして、その中で唯一薄汚さのない光の点の塊で構成されたものがある。
そう…… ――車から飛び出した斑鳩だ。

人としての視点では、無数の人垣で斑鳩に一番近い者達が人差し指を向けるのと
斑鳩がロスト・アイデンティティを広げるのは、ほぼ同時であり。

レクイエムに至る『モノディ』と同期した視点では、薄汚い色合いの大波が
轟轟と人型の煌きを、その奔流で飲み込むのも また同時だった。

貴方が、彼へ向けて制止の声や危険を告げる間もなく……。


――斑鳩の『ロスト・アイデンティティ』は貴方の視界の中で消滅し。
……無数におぞましい笑みの人波へ突撃せんと言う姿勢だった彼はスタンドを
振るおうとしたポーズで一瞬硬直し、体を弛緩させ腕を下ろして。
ゆっくりと……貴方へ向けた顔には『笑顔』が張り付いていた。

レクイエム・モノディの視覚内には既に。
光は消失し、その汚れ切った血か糞尿のような色合いの音と同色の
波で出来た塊が、その光のあった時点に在るのを認めた。



      斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』⇒『消滅』

751『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/28(土) 00:15:20
>>748(黒羽PC)

芦田「俺は、別にそんな泣くのは得意じゃねぇが……
ウィゴーちゃんが泣いてくれって言うなら1ガロンでも泣くぜ」

『てめぇの泣きっ面なんて誰も見たくないし、私も期待しないから安心して。
そして頭に刻め込め! 
マイネーム・イズ・ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトっっ!!』

彼等の漫才に慣れてきたアリゼは、黒羽が肉体的な反応で片方の目から
涙を流すのを見ながら首を捻りつつ告げる。

アリゼ「んー……もうちょい何か悲しい事でも想像するか、鼻毛でも
引っこ抜くなりすれば流すのは出来るけど。
 って言うかさ。
庭のほうで滅茶苦茶今でも涙流しっぱなしの奴がいるじゃん」

風邪かアレルギーなのか知らんけどさ。とアリゼが告げる。

確かに、貴方と出会い常に涙を流し続けている人物と言えば『ヤジ』だ。
とは言え、彼は何の力もない一般人であり。奴等の音も浴びていたが
貴方達と違い、頻繁に奴等と遭遇していた訳でない。症状が何処まで
進行してるのか不明だし、中和出来ているのかも正直不明だ。

 医者は告げていた。改善した症例は未だかつて発見出来ていない……と。

この世に既に存在してないが、遊部は確かに奴等の毒とも言える攻撃を
完全とは言えないが中和は出来ていたのだ。
 その方法を解明出来れば……この地獄を脱出する事も出来るのかも。

752黒羽 灯世『インク』:2020/03/28(土) 03:10:04
>>751

芦田コンビに関してはあしらいつつ、アリゼの言葉にうなずく。

「アリゼさん、鋭いわね。私も負けちゃいないつもりだけど。
 そう言われてみればヤジさんはずっと『泣きっぱなし』だわ。
 でも……分からない。それが彼が『無事』なのと関係あるのか、
 どう確かめればいいのかしら…… そこも『分からない』……」

「『自覚症状』が無いのが、厄介なのだわ。
 それがあるころには多分もう手遅れだもの。
 …………私が今こうして涙を流しても、
 意味があるのか無いのか判断できないのよね」

念のため右目からも涙は流しておく。
意味は無いかもしれないが、あるかもしれない。
ただ泣けばいいだけなら改善した症例も出そうなものだが、
『ただじゃない泣き方』というのがどういう物かは知らない。

「この遊部という人が特別なだけ……って可能性もあるのだわ。
 どうにも、どこにでもいる普通の人ではなさそうな感じだし。
 日記帳……日記を普段からつけてるなら、昔の分も無いかしら?」

不可解な少女の『事実』を探らねばならない。
日記帳は、普段から日記を付けない人間は持たない物だ。
部屋を探索し、私物を漁ってみる事にする。

「彼女の、『人となり』を知りたい。
 ……『一番みすぼらしく、みじめな私』の意味を。
 そんな形容を自分にするなんて、ただことではなさそうだけど」

黒羽には分からない感情だ。それを抜きにしても、単純な卑下ではなさそうだが。

753成田 静也『モノディ』:2020/03/28(土) 19:00:04
>>750

斑鳩さん・・・!

もはや音は聞こえない。『奴ら』も見えない。代わりに纏わりつく『波』のようなモノ。

これは…『音波』か?

しかしこの混沌とした状況で確実にわかることが一つある。

『オレのミスで、オレのせいでたった今、斑鳩さんは死んだ』。

『「スマイリー・スマイル」共に精神をすりつぶされて、殺された』。

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

自分でも声が出ているかはわからない。

『怒り・悲しみ・後悔』、それらが入り混じった、文字通り声にならない叫びだった。

それと同時に頭には一つの仮説が浮かんだ。

『コイツらの発する気色の悪い「波」、これをオレが作る「逆位相の音の波」をぶつけてやれば消えるのではないだろうか?』

『音に音を重ねると音が消える』というものだったか。

奴らの音と『逆位相』の音をぶつけると対消滅して音が消えるというものだ。

まだこの『レクイエム』が何ができるかはよく分からないが、『スマイリー・スマイル』を消滅させる第一歩として試してみよう。

切り抜けるために、『スマイリー・スマイル』の放つ『音』と『その源』を完全に消しされ…!

『レクイエム』に命令を下す。

754『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/28(土) 23:08:00
>>752(黒羽PC)

貴方は日記を捲り、重要な部分が無いか吟味する。
 書かれている内容は、至って普段何があったかを記録するものだが
気になる事と言えば、何ページか毎に文字の特徴が異なってるものがある事。
 誰か別人が記入してるような独特の筆跡である事は記者として様々な文面を
見てきた貴方なら間違えない。だが、プライベートらしい日記に
そんなに様々な人間が交換日記でも無い普通の個人の日記に記入するのかと言う
疑問が貴方には持てた。他に気になる私物と言えば、演劇部などに関わってたのか
数種類の鬘(かつら)に男装用の衣装。書籍などは哲学から児童用絵本など関連性が無い。
 まるで、この一つの部屋に大多数の人間が居住してたような……そんな錯覚を受ける。

アリゼ「一先ず、この子は適当にシーツなり包んで部屋の隅に安置させておくよ。
とりあえず、あんた達の言ってる笑顔の化け物共って奴? 
 私は実際に対峙してないから実感沸かないけど、あの鼻風邪小僧は
あんた達と一緒に遭遇してる身なんだから、直接何か無事な心当たりとか
この死んだ子についてとか聞けばいいんじゃない?」

同じ学校の子なんだろ、とアリゼは呟きつつ部屋にあるシーツなど引っ張り出し
遺体の遊部を簡易的な包装をして隅に移動させようとし始めた。

確かに、この遊部と言う少女は貴方と同じ清月学園の生徒だ。
そしてヤジは自称情報通と謳っていた記憶もある。もしかすれば、この少女について
何かしら知っている事は有り得るかも知れない……。

755『星の女』:2020/03/28(土) 23:31:26


 ギィ クルクルクル・・・    ギィ   
         …………クルクル

私は再度壊れた地球を押した。
 力が消失した母なる惑星は、当然そのままに止まるだろうと思えたが
どう言う訳か、ほんの少しだけ再び回転が行われた。
 気紛れか、気の所為と思える程に弱く緩やかだが……確かに回ったのだ。

 「ほぉ」

「やはり、この星に生きとし生ける者達は面白い」

 「日陰のままに咲き、終ぞ誰の目にも止まらぬままと思えていたものが
私でも思わぬ程に……」

「『彼』は、もしかすれば濁流に飲み干される一つの砂利ではなく」

「もしかすれば 或いは 荒れ狂う大河が生じる風に跨るままに
新たなる新天地に降り立ち、命を繋げる種子なのかも知れない」

756『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/28(土) 23:47:13
>>753(成田PC)

貴方の中に様々な事が去来していた。

斑鳩 翔。普段は温和で気さくな青年でありつつも
いざ危機的状況では冷徹に事態を卸す事も可能な側面を担う存在。

彼との付き合いは決して長くは無かった。
されど、数えられる程の時の中で貴方達は褪せぬ程の体験を共に分かち合った。

そんな『仲間が死んだ』 今まさに目の前で。

その想いのままに『慟哭』する。幾ら張り叫んでも足りないと言わんばかりの
貴方は咆哮した。


     『「――――――――ッッッッ゛!!!!!」』


 ――瞬間、貴方のレクイエムの視点にて変化が生じた。
自身の体から、口からエメラルドグリーン色にも見える輝きの粒子が放散される。
 奴等に捕食され、つい今しがた奴等に成り果てた斑鳩であったモノが貴方も
同化せんと車へ張り付こうとしており、他のスマイリー・スマイル達の包囲網も
狭まろうとした瞬間だった。

 強烈なラップ音のようにも聞こえた。その音を聞く中で、車窓に伸ばそうとした
斑鳩の姿形に成り代わった存在が数メートル程後方に吹き飛び。
 また、包囲網を狭めていた奴等が。ほんの僅かではあるか確かに後退り進行を止めた。

  ・・・・・
――効いている。


 原理は未だ完全に貴方の中で解明出来ていない。本能のままに行ったゆえに
どのような力が、奴等を退けるに至ったかは未だ不確かだが……。

貴方自身の、その『咆哮』は確かに奴等を押しのける力を証明した――!


       ――ヲヲヲォォ――ッッ゛!

人垣の包囲網を形成するスマイリー・スマイル達は、貴方に接近するのを
止めて、警戒するように十数メートルの位置を維持しつつ笑顔のままに
貴方の次の行動に備えている。
 斑鳩であったモノは、吹き飛ばされた影響か。余り体が上手く動かないのか
ぎこちない様子で立ち上がろうとするのを試みている。

757黒羽 灯世『インク』:2020/03/29(日) 00:08:24
>>754

(……これは何? 『書いてること』はごく普通のことばかり。
 なのに、何もかもがおかしい。『複数人』……『私達』?
 …………荒唐無稽だけど、『あのページ』のことを考えると)

「…………違和感はある。それもかなり。
 でも確信が出来ないのだわ。
 ……そうね、彼に話を聞いてくる。
 申し訳ないけど、遺体のことは任せたのだわ」

特にアリゼの考えに異論はない。
ヤジの元に行く。日記帳は、持っていくことにしておこう。

758成田 静也『モノディ』:2020/03/30(月) 01:43:36
>>756

―――!?

何をしたのかは分からないが、効いている?やはり『レクイエム』ならば『スマイリー・スマイル』にも効果があるのか?

しかし今、オレのやるべきことは車に乗せている「モノリス」を然るべき場所へと運ぶことだ。

「―――――――――!!!」

もう一度、叫び声を轟かせる。

そのためにもこの場を切り抜けて『学寮』へ戻らねば…コイツらが今は様子見なのも『レクイエム』が長く続かないのが
分かっているからの可能性も十分にある。

周囲の音の波の様子も探る。不審な動きをする『波』が無いかを警戒する。

759<削除>:<削除>
<削除>

760『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/30(月) 23:04:32
>>757(黒羽PC)

貴方はアリゼに返答して、芦田達の間を抜けて庭に移動する。
 芦田はちゃっかり貴方に続いてホールのほうへ戻ろうとしたが
アリゼの手伝いをしろとスタンドに引き留められ、しぶしぶと遊部の部屋へ戻った。

ヤジ「おっ? 黒羽ちゃん、疲れてんだし少しでも横になったほうがいいぜ。
もう二時過ぎて夜明けまで数時間程度なんだし」

庭に出ると、案の定だが武器の工作を続けてた二人。声を掛けると作業を中断しつつ
遊部についての話を不良コンビは黙って耳を傾けた。

ヤジ「遊部……もしかして、あの子かな。
いや期待させられても困るんだけど、学校では何か他のクラスメイトから
パシリさせられてたりして、なんか虐められてんのかなーって
お節介で声かけた事あるんだけどさ。俺がこんなナリしてるからかだけど
直ぐ泣き出して謝罪一辺倒でさ……だから、かなり気弱そうな子って言う印象以外
俺は特にその子の人となりは知らないんだよな」

ヤジの話を聞くと、スクールカーストでは随分低い位置にいるような子だったようだ。
 だが、次に口を開いた小林は。また違った見解を示した。

小林「……一度、図書室なりでチラッと。その方の特徴に似た人物を見かけた事が
ありますけど、私には意志薄弱な方には見えませんでしたね。
 どちらかと言えば、冷淡な印象を抱きましたが」

ヤジ「えー? ジョー、それ誰かと見間違えてんじゃねぇの」

小林「かも知れませんけどね。ただ、黒羽さんの言う目立つ特徴の
髪型や容姿の人物が学園にそうそう何人もいるとは思えないんですよね」

遊部について聞く際、特徴的な桃色の髪の毛なり背格好など情報を開示するだろう。
頻繁に染色してるとかならともかく、普段からそう言う恰好ならばヤジと小林も
別人を間違える可能性は低い。『雰囲気が真逆』であったらしい遊部。
 
……貴方がつい先ほどまでの修羅場で、共に戦ってた仲間の一人も確か
そう言った部分が垣間見えてた気がする。

ヤジ「……つうか、その子も学生寮で。奴等の攻撃を受けて、結果的に死んでんだよな。
…………畜生、俺にもっと力があれば気が付いて助けてやれたんだろうけどよぉ」

口惜しいぜ、と呟きつつ。彼は残り少ない風邪用の市販薬を口に放り込んで
泣きながら水筒の水を飲みこむ。

小林「そう言えば。残る、お二人とも今どちらにいるんです?」

黒羽に、小林は斑鳩と成田の所在は気になったようで尋ねてきた。

761『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/30(月) 23:28:40
(※>745以降で斑鳩PCが車から飛び出した時の、二人が乗ってる車の
時速だが、植林などがスピードを軽減して人が早歩きする程度でしか
走行してない状態と受け取る。でなければ、斑鳩PCが車を飛び出した時が
時速30か40kmならば車外に飛び出た瞬間に慣性で盛大につんのめって
転倒するような非常に酷い事になりかねないので)

>>758(成田PC)

貴方は再度、取り囲もうとする地獄からの軍勢を退けようと腹に力を込めた。

音の波……それはあった。死が既に背後以外にもチラついてる故か
意識から抜け落ちていた、背後から迫る巨大な音波。
 そう――『貴方達の後ろから迫る大型トラック』の走行音。

    ――ド―――zノッオ゛ッッッッ―――!

背後からのけたたましい衝撃音、腹にくる肺の空気が無理やり吐き出される苦しみ。
 前に体の重心が傾く。座ってた助手席のダッシュボードに運悪ければ
頭か額を打ち付け、目から火花のように衝撃が走っただろう。
 銃弾も防ぐ頑丈な装甲に改造しているお蔭か、かなりのスピードで
後ろから激突されたものの完全に乗用車は大破してない。
 また、シートベルトも外してなかった事と不幸中の幸いか今の勢いで
トラックに押されつつ貴方達がモノリスを運んでたスポーツカーのある
地点まで目の鼻の先の距離へと到達した。

 とは言え、現状は『悪い』

今の衝撃の所為か、貴方達の乗るセダンの防弾車は動かぬ置物へ変わった。
 車から何とか降りる事は出来そうだが、周囲には奴等が取り囲んでいる。

貴方が先程した『叫び』を警戒してか、多勢で迫り攻撃は未だ起こさないが
遠巻きの動かぬ笑みを模した顔は、決して穏便に現状を解決する気は無い。

  ドクドクドク……。

追突した時だろう。ガソリンが漏れる音が超聴覚で捉えられた。
 更に、こちらへ迫る歩行音……斑鳩がいた地点から一人。

それと、頭上から何かが飛行するような翼の音もだが辛うじて聞こえた……。

762成田 静也『モノディ』:2020/04/01(水) 13:23:20
>>761

「トラック…音で止まったわけじゃ…なかったのか…。」

何とか手早く体制を整える。

状況は最悪だな。

周りの『ラフティング』はまだ周囲を囲んでいるし、『斑鳩さんだったモノ』の方から聞こえる音は恐らく『ソレ』が立ち上がって向かってきているんだろうな。

それにガソリンが漏れている…最悪爆発でコイツらの手で無くとも死ねるな。

しかし死ぬならやれること全て試みた上で死ぬべきだ。

まずは後ろのトラックは停止したのかと歩き始めた奴以外のラフティングの同行を確認する。

トラックが停止しておらず2度轢きなんてご免被るぜ。

次に潰れたトランクから「モノリス」を取り出せるかだな。取り出せるなら取り出すが、無理なら諦めるほか無いな…。

最後に上の飛翔音、鳥だろうか?いや、こんな状況で近くを飛ぶ鳥はいないだろう。

ならば『誰かのスタンド』かもしれない。目の前の藁にすがってみるか。

「そこで見てる人、ちょっと助けてくれないですかね?かなりピンチなんですよ。」

我ながらアホらしい姿だ。

もし駄目なら最期の手としてガソリンに火をつけて爆風に紛れることに賭けるしかない。

運が良ければその後に音波で怯ませて強行突破してやる。

763黒羽 灯世『インク』:2020/04/01(水) 18:00:35
>>760

「心配はいらないのだわ。
 話が終わったら一休みするから。
 貴方たちも根を詰めすぎないように」

出来る状況なら、だが。
それより、気になるのは話の内容だ。

「………………………『多重人格』! 」

思わず零した言葉は斑鳩を思い出させる。
しかし……彼でさえ『笑い』への『特効薬』にはなっていない。
知能、戦力ともに『上等』で、自分達と組んでいる彼でさえだ。
『多重人格だから』は理由ではないし、解決の糸口とも思えない。

「一人の人間にいろんな面があるのは普通だけど、
 日記の内容、部屋、その話からして、
 先天的か、それとも『そう振舞ってたのか』知らないけど、
 遊部さんには……『人格』が複数あったと考えられるのだわ!」

「多重人格……『解離性障害』はファンタジーでもメルヘンでもない!
 身近にいても、なにもおかしくはない……偶然彼女が『そう』だった」

「そして、その中の『泣き虫な人格』だけが『長く生き延びた』。
 あなたが会った『気弱そうな』彼女がそれである可能性は高いわね」

「でも……・『魂』ってものが、人格ごとに1つあるとは思えない。
 そうなると……魂が、人格ごとに細かく分かれていた?
 それで最後の一かけらとして啜り遺された? ……謎は尽きないのだわ。
 新聞記者じゃなくって『探偵』……いえ『オカルティスト』の気分ね、これは」

                          ルール
         「能力である以上、何かの法則でそうなったはずだけど……」

遊部の『人格の特質』がそれを引き起こしたのか?
魂という概念の『性質』か? 敵の『能力』のルールか?
いずれにせよ、ここで話していて答えが出る気が起きない。

それより・・・

「……そうだわ、そういえばあの二人はどこに行ったんだったかしら?」

さきほど彼らを残してヤジらの様子を見に来て……それから見かけていない。
彼らの動向を誰かから聞いた覚えもない。『敷地内』にいるなら、見かけそうなものだが。

764『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/01(水) 21:41:19
>>762(成田PC)
(スタコンも開催してますし、ゆっくり熟考しての返レスで構いません)

貴方は現状をレクイエム及び肉眼の視点で状況を探る。
 まず、第一に激突した後ろのトラックは今現在動いてない。運転してたと
思われるラフィングの運転手は、貴方達の車を大破する事さえ出来れば自分の
肉体がどうなろうと構わなかったらしく、フロントガラスに一人分の罅と流血らしき
形跡が見られた事から、運転席にいた奴はまともに動く事は出来ないだろう。

円状に貴方を囲むラフィング達は、その笑顔のまま微動だにせず傍観している。
そして、斑鳩だったモノであるラフィングが貴方に近寄るでもなく
ガソリンが零れ出ている場所で立ち止まるのが聞こえた。

スポーツカーのトランクは、奴等が調べた為か開かれている。窓ガラス越しに
『モノリス』は問題なく、開かれたトランクの中に収納されてる無事を確認出来た。

頭上を確認する。アレは……『コンドル』のような大型の鳥が旋回するように飛行してた。
然し、本来そのような鳥獣がこんな異常な状況で。ましてや、この日本に居る筈もない。

……And so I ran Away from there
And right behind Me was that bear…♫

死の極限が迫る中、『森のくまさん』がコンドルの口から謳われるのが聞こえた。


それと肝心の貴方の体の調子だが、トラックの衝撃による為か奴等の能力が深刻化してるのか
『上手く声が出せない』 叫ぼうとしても、口から出す前に其の力強さが失われていく。
先程のような咆哮を繰り出すのは難しいようだ……。

(※今、現在の立ち位置は自由に決めて構わないが。トラックの荷台の上など
余りにも不自然なのは却下。乗ってたセダンの車周辺か、モノリスのある
トランク付近など細かい指定をお願いする)

765『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/01(水) 22:02:06
>>763(黒羽PC)

『多重人格』 思わずと言った調子で、少し面を食らったヤジを差し置き
大き目に呟いた貴方には、遊部の正体が斑鳩の既視感と重なり自然と納得が出来た。

だが、貴方も想定している通り。斑鳩は貴方と同じようにスマイリー・スマイルの
能力の影響を受けていた。奴等の笑い声を認識出来なくなっていたようであったし
それは人格が切り替わっていても同じようだったように思える。

ヤジ「俺には、黒羽ちゃんの話は唐突でちょっと理解が追い付かないけど。
えっと……遊部って娘も俺見たいにずっと泣いていたから、奴等の攻撃を
何とか凌げたって事を言いたいんだよな?
 でも、奴等が笑ってからって。だから怖いーって泣いたら無効化される??」

そりゃ、ちょいと安直過ぎるんじゃないの。とヤジは首を捻る。
 小林は少し考えてた様子だったが、彼の感想の後に口開いた。

小林「生きてさえいれてくれれば、真相にも辿り着けたでしょうが。
無いもの強請りをしても仕方がないです。
 ……魂の溶解、ですか。
私は一度、ほぼ0距離で味わった時。アレの音が頭の中の大部分を占め
非常に深刻な孤独感を味わいましたが……あの感覚が魂を溶かされると
言うものなのでしょうね」


『……あのお二人ですか? 確かアリーナへ向かうとか言ってましたけど。
モノリスとか、情報源を確保とか呟いてたような』

二人と会話を終え庭からホールへ戻る。すると、遺体安置の作業を終えたらしく
欠伸をする芦田と、手を軽く拭うスタンドが居た。
 そして、ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトから彼等の行き先を聞いた。

どうやら、貴方に告げる事なく。再びアリーナへ舞い戻ったようだ……。

766黒羽 灯世『インク』:2020/04/03(金) 12:56:40
>>765

「私の中では唐突でもないの。それらしい状況証拠はいくらかあるのだわ。
 ただ……そう、そこに違和感がある。泣くだけで良いならこんなに広がらない。
 こんな恐ろしい状況、泣かない私が『強い』というだけなんだから……」

「あるいは小林先輩の言う『孤独感』に慣れてる、耐えられるのが重要……?
 可能性の話しか出来ないわね。実際に試せるわけでもないし……本人にだって、
 どういう理屈で『持ち堪えてたのか』は、日記を見る限り分かってなかったんだし」

ヤジと小林の懸念意見は、正論……ごもっともという他無いだろう。
わずかな情報から全ての答えを得られるとは思わないべきだと、考えを改める。
もちろん、覚えてはおく……『泣く人格』が生きながらえていた、その結果だけは。

「アリーナに……!? 情報源……? 確か『モノリス』っていうのは、
 斑鳩さんが言ってた気がするのだわ。私は詳しく知らないけど」

「……まずいわね。二人だけじゃ危険すぎる」

何か意図がある……のだろう。が、危険性は甚大だ。
二人は『無事』ではないかもしれない。

「今から……『追いかける』にしても、私一人で行った所では犬死にだわ。
 二人だけじゃ危険すぎるけど、二人は私より『戦闘力』は上……
 一応聞いておくけれど、『ハガネ』さんは今も正門前にいたかしら?」

767成田 静也『モノディ』:2020/04/04(土) 16:33:43
>>764

!?声が…出ない…やはりソイルやグレイシャと同じく、『レクイエム』は完全なコントロールはできていなかったか…!

それに音波を出すにもダメージか、レクイエムの限界か、弱くなってきている。

引き続き、音波の動きに注目しながらトランクへと近寄る。

とりあえずトランク内のモノリスが無事でよかった。

トランクのモノリスを入れていたケースがあるならそこに詰めてから、なければそのまま取り出す。
そのついでに発煙筒も詰んであればそれも取り出し、トラックの方へ隠れやすいようにと少しだけ離れる。

乗っていた車が爆発してもトラックを盾に爆風を多少は凌げるはず。

そして上の鳥はやはりスタンドか操作された鳥かのどちらかだろう。

しかもあの歌…助けの神がよりにもよってあの『エクリプス』のオペラだとはな…。

弱っていく『レクイエム』に音波のモールス信号で『SOS、取引しよう。』となるように鳥に当てる命令をする。

これで気づいてくれればいいのだが、気づいてくれず何のアクションもなければ
予定通りトラックの下に隠れて、発煙筒を使ってガソリンに火をつけて爆破する。

もしガスが漏れているのがバスの方だったら?その時は諦めるほかあるまい。

768『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/04(土) 22:20:25
>>766(黒羽PC)

>あるいは小林先輩の言う『孤独感』に慣れてる、耐えられるのが重要……?

貴方の推測に対し、彼はゆっくりと横に首を振った。

小林「いえ……別に私は孤独に慣れてるわけでも無いです。
…………こんな状況ですし、別に隠し立てする事もないので告白しますが。
私は多分、少々変わった経歴と言うか過去がありましてね。多分人よりも
『魂が希薄』なんだと思います。どうなって、そうなったかと言うのは
今の出来事には無関係だと思いますし省きますよ。
 ですから、スタンド越しの音でも私は皆さんより影響を受けましたでしょうし。
……正直、コンビニのほうまで逃げ延びてる間も脈は乱れて喉は痛み手足は震え。
こうして皆さんと落ち着いて過ごしてられるのは正直不思議だと思ってます」

ヤジ「おいおい、んな事一言も言ってくれなかったじゃねぇかジョー」

話てくれないと。と少し怒った口調の相棒に、心配を余りかけたくなかったですからと
小林が穏やかに返すやりとりを貴方は見た……。

ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは、確か居る筈だと呟き。少し遅れてから
参上したアリゼは。貴方たちの会話を拾い、正門で今も立っているから
用事があるなら直ぐに会えるし、何なら呼ぶけど? と告げた。

少し移動すれば、玄関口より向こうの外で。施錠されてる門に不動で佇む
ハガネの後ろ姿が見えた。
 彼はどうやら、二人に付いて行く事はしなかったようだ……。尤も
この砦(学生寮)を守るよう告げてたし、アリーナへ舞い戻った彼等も
此処が襲われる事を懸念して未だ戦う姿は見た事ないものの最高戦力だろう
ハガネを連れて行く事は得策じゃないと判断したのだろうが。

769『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/04(土) 22:38:06
>>767(成田PC)

貴方の中に焦燥が産まれる。確かに肉体のダメージは些か存在するのは否定出来ない。
 だが、貴方のモノディは『レクイエム』の影響を確かに今も持続して帯びているのは
実感が出来る。声が上手く大きく出せないのは、トラックの激突によるダメージが起因と
言うよりは、レクイエム前に受けたスマイリー・スマイル達の多勢による音波の影響が
大きく関わっているほうが可能性ありそうだ。現に、何とか力を籠めれば大声を
発せれそうな気がするのだが、口からソレを吐き出す前に形を成さず溜息に似た残骸に
至ってしまう。今のままでは、どうやっても先程のような退ける力は発揮されない。

開けっ放しのトランクには、同じく開かれたケースに入っている人間大サイズの
傷一つないモノリスがアリーナに決行する前のままに収められている。
(※既にスタンドなりに携行させていても構わない。モノディのスペックならば
辿り着いた瞬間に、素早く持ち抱える事も可能であろうから)
 発煙筒を探したり、上空で貴方や奴等の様子を伺っているであろうオペラが従える
スタンドコンドルに合図をなす前に、だ。

     ――カチ カチ……     ボッ

……貴方が下りたセダンの防弾車より、少し後ろのトラックのある付近。
 恐らく、いや十中八九。数分、いや数十秒前は貴方と死出に足を並べていた
斑鳩だったモノが何かを取り出して、点火させた音。

 そう言えば   彼は 

   確か……  使い捨てライターを

      ――ジジッッッ゛゛!!!

770黒羽 灯世『インク』:2020/04/04(土) 23:48:40
>>768

「あら……そうだったのね。
 無神経な言い方だったようだわ、
 小林先輩。……………?」

(小林先輩……待って。そういえば小林さんは、
 進行状態からの『回復例』なんじゃあ…………?
 少なくとも一瞬は『ほぼ取り込まれかけていた』所から、
 今、こうして『通常通り会話できる』所まで戻っている)

「でも……そうね、確かに『不思議』かもしれないのだわ。
 『いい意味で』……小林先輩の状態は例外的な気がする」

(……小林先輩の『行動』『精神性』に、『意味』がある?)

とはいえ、考えていても答えは出てこないだろう。
実際には単なる『小康状態』に過ぎないのかもしれないし、

『自分達』も笑いの悪影響を受けながら今、『平常』を保ってはいる。
それほど大きな『例外』という訳では無い可能性も、十分に高い。

いずれにせよ移動し、ハガネの姿を見た。
つまり『連れて行かなかった』という事。

「……」

(斑鳩さんは、ハガネさんを残していくべきだと考えたんだわ。
 彼は上等な人。『完璧』とは限らない。けど、常に『考えて動ける』人。
 もし……『間違った判断』だとしても、『意味のある判断』なのでしょう)

             (成田君も、その判断を支持したようだし)

「ハガネさん、お疲れ様。……二人は随分前に出て行ってしまったのかしら?」
  
この問いには……『価値』があるかは分からない。だが、彼と話しておく『意味』はある。

771成田 静也『モノディ』:2020/04/07(火) 16:20:57
>>769

・・・オレはやっぱり斑鳩さんたちみたいに、上手くはいかねえな。

オレは頭が悪いんだろうな…。

そう思いつつ、急いでトラックの下へと駆け込み、耳を塞ぐ。

これで爆発してもトラックに誘爆しない限り、多少のダメージを防ぐことができるはず。

まさか考えていたことを先にやられるとはな。

ついでに焼け石に水だろうが、モノディに音の壁を作れるだけ作らせて爆風に備える。

もしこれで生きていたら爆風で囲んでいる『奴ら』にも多少の『穴』が生じるはず。

それに乗じて包囲網からの脱出を図る。その最中で発煙筒を使って上空の『鳥』とコンタクトを取ればいい。

無論、生きていればの話だが。

772『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/07(火) 21:33:59
>>770(黒羽PC)

貴方は小林を注視する。顔色は依然と変わらず普通の人間と同じ血色は通っており
スタンドは、先程の武器作成でガソリンを移し替えるなりで使用してたので
既に奴等化してる可能性は無い。
 彼は、医者が言っていた症例の中で。今まで貴方が目撃した中では確かに唯一の
『回復例』であろう。暗がりの通路で、貴方が奴等から遁走する最中は彼の顔色は
青白く、コンビニのほうまで辿り着く先まで呼吸に乱れがあった事は思い出される。
 そこで小休止をとった後は、うろ覚えではあるが彼の顔色は元に戻っていたが……。

ハガネに声を掛けると、彼はチラッと腕につけられた時計を一瞥してから
出発して十五分程度は経っているなと簡潔に告げた。

十五分……決して短い時間とは言えない。この学生寮から車をフル稼働して
アリーナのある総合体育館まで向かうとすれば、もう辿り着いて可笑しくない。

ハガネ「……日が昇るまで待つが。それでも帰って来なけいか連絡が無ければ
もう手遅れだと思ったほうがいい」

 少しは体を休めとけと彼は告げ、再度体を正門に向ける。
コーラの影響で眠気はないものの動き続ければ体は確実に消耗する。
彼の意見も正しいが……。



――丁度その時、貴方がふと何の気なしに夜空を見ると。
雲の切れ間から一筋の流れ星が通過するのを見届けた。

773『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/07(火) 21:59:00
>>771(成田PC)

 ドォンッッ!!

    「あっ! すみませーんっ!」

鋭い爆音にも似たような音を聞いて、貴方は飛び起きた。
 此処は何処だ? ……銀行だ。
意識が半覚醒な貴方は混乱しつつ、音のほうを見ると清掃員らしい
人物が倒れた幾つかのボトル等を慌ててバケツに戻しているのが見える。
 先程の落下音はこれが原因だ。

体は汗ばみ、長い事悪夢を見ていたような気がした。 
 まるで、ついさっきまで死と隣り合わせの場所に居合わせていたような……。
無意識に咄嗟で警戒態勢で発現させたのであろう『モノディ』も心なし
普段よりも研ぎ澄まさった表情で、一回り大きいような気さえした。
 そんな不思議な高揚と緊張感で汗ばんた手には、『150万』相当の宝くじが
握りしめられている。そうだ、貴方はつい数日前に高額の当選番号が数枚当たり
換金の為に宝くじへと来ていた事を思い出した。

受付へと赴き、金額が金額の為に色々な手続きをする為に少々の待ち時間で
転寝をしたのだろう。先程までの、思い出せないが多分悪夢だった内容も
きっと急な大金を手に入れた不安や興奮が見せた幻影だ……。

       コツ  コツ   コツ   ピタ……。

    ……ギシッ。


そんな折、貴方は自分の隣から歩き。少し間隔を空けて座る音を捉えた。
 そちらへ顔を向ければ、革ジャンに赤い手作りのような少々古びた感じのする
スカーフかマフラーのようなものを首に巻き付けた。貴方と大体同年齢らしい人物

彼の手にも、奇妙な偶然だが宝くじがあるように見えた。

 そして……これも奇妙な事だが。

 ――彼の顔を見ると。
 
赤の他人のはずなのに関わらず。泣きたくなるような 安堵の笑みを浮かべたくなるような
 まるで死別した旧友に再会したかのような、切ない音が貴方の胸を横切るのだった。

 成田 静也『モノディ』 ⇒『150万』get!
 危難BC相当の経験値 get!

774『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/07(火) 22:12:01
>>771


 コンドル(オペラ)は目撃した。その顛末を

上空を優雅に舞うスタンドの鳥は、地上にてサバトよりもおぞましい存在達が
跋扈する中で、一人奮戦する存在がトラックの中に滑り込むようにスタンドと
共に逃げ込むのを目撃した。

 そして、それに劇場支配人は 憐れな、と冷笑をビッグ・クランチで浮かべた。


爆音と、轟音。高度を上げた空からの視界では小さく見えるが周囲にいる
スマイリー・スマイル達の包囲網が幾らか弾けて一瞬亀裂が起きる程の
衝撃が外界にて起きたのが雄弁に物語っている。
 アレではまず助からないであろう。
『レクイエム』は魂の次元を昇華すると言えど、人の肉体までトラックや車を
燃料とした爆発に耐えうる程の強度には至らない。
 ……もし、その爆発を凌げるとすれば。彼の伝説の傭兵の担う鋼のスタンドか。

 『……あら、あの燃える中でも全く傷一つないは あの箱は』

大型車両と、追突された車も含めた爆発地点の業火の中で。何事もないかのように
地面に放り捨てられた形ながら、焼け焦げ一つないモノリスが見えた。

 『……アレ達には開く事は無理でしょう。回収する気も起きないわ』

砂糖に群がる無数の蟻のように、黒い点が轟轟とオレンジや赤の火柱に集う。
 あの箱を何処かに持っていって、それで扱えないとわかれば誰にもわからない
場所に埋めるなりして二度と見つからないようにするのだろう。
 役に立たないようなら、結局用無し。そう言う結末しか起こせない下等な存在だ。


……燃え広がる場所に、既に炭化して倒れ伏す人影が三つあった。
 その正体は凡そ知れるものの、何も言わずコンドルは反転し主の居る場所へと
霞む月を背にして翼を再度はためかすのだった。

 成田 静也『モノディ』 ⇒『死亡』

775黒羽 灯世『インク』:2020/04/07(火) 23:14:55
>>772

小林の事例は『謎』だ――――『あの時』。
特別な何かがあったとは、思えない。
『ヤジ』と『自分』と『小林』三人の行動は、
ごく普通だった。小林に特殊な働きかけもしていない。
あるいは……『小林とヤジは常に行動を共にしていて』
ヤジは常に『泣いている』……そこにヒントがあるのか。

いずれにせよ、今はハガネに応える。

「……そうね。『今から追いかけたい』とも思えない」

「明日に備えるのだわ。
 釈迦に説法も承知だけど、
 あなたもちゃんと休んでね」

ハガネの『戦局眼』は自分より『上等』だろう。
経験が違う。新聞を書くのは自分の方が上手いと思うが。

「……『流れ星』」

「『私達』が負ければ、あれに『願いを託す』
 そんな『文化』もこの世から消えるのでしょうね」

            「…………そうはさせないのだわ」

ひとまず屋内に戻る。
状況が動いている、という期待は流石にしていないが、戻らない理由は無い。
感傷に駆られて独断専行をすれば、『戦えない』黒羽には『何もない』のだ。

776『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/08(水) 23:02:53
>>775(黒羽PC)

……それから、約三時間程が経過した。

私室で手持無沙汰な貴方は、自室なり寮に置いてあるPCを使うなり
テレビを見るなりしても構わない。少なくとも、その間には敵の襲撃は
全くなかったし、その兆しも見当たらなかった。
 ……斑鳩と成田は、結局連絡は無く帰還する事は終ぞ無かった。

アリゼ「気休めな事は言わない質だからね。もう、二人の生還は絶望的だと思う。
……あと、もし仮に二人が。その例の化け物見たいなものに変貌してるとして
そうなっても此処を襲って来ないのはハガネの事を少しなれども知識にあるから
じゃないかな。自慢じゃないけど、ハガネは本当に強いから」

二人の安否に関し、諦めるほうが賢明だと告げつつ。彼女は此処が襲われないのは
一重に、アイアン・セイヴィアーが存在するのを脅威と見てではないかと予想する。
 何でも、彼の戦場での功績は大多数の軍隊にも一人でほぼ無傷で圧倒させた事が
あるとの事だった。それが本当ならば、奴等の中に彼を目撃したものが居るなら
警戒するのも当然であるとは考えられる。

 数時間程度、仮眠した残りの者達が食堂に集う。
小林・ヤジ・アリゼ・ハガネ・芦田……貴方を含めて今六名が、世界を覆いつくす
スマイリー・スマイルの脅威を大小あれど認識し対抗しようとする勢力だ。

小林「一先ず、これからどう動くかは難しいところですね。倒すにしても、能力の
根幹や弱点も今のところ見いだせない。物理的な火力で圧倒するにしても、黒羽さん達の
話から察するに世界規模で十数億が私達を襲える存在に成り代わっている」

ヤジ「完全に、多勢に無勢…………だよな。
アリーナは壊滅したらしいし……エクリプスには、頼りたくねぇな。
お二人さん、傭兵なんだっけ? じゃあ上の者とか頼れない?」

アリゼ「ハガネは、今はフリーランスなんだ。多少は知り合いに組織的な幹部とか
顧客はいるけど、信用出来るに値するかと言われると素直にYESと言えないし。
 ……どうなの、ハガネ?」

ハガネ「……余り芳しい予感がしなくてな。幾らかの者には援助は要請したが
期待はもたないほうが良い。……他の者達も、自分の身を守るのに手一杯だろう」

スマイリー・スマイルを倒すかどうか。何処ぞの組織に今からでも避難が可能か
 議論は進まない。そんな者達を芦田は欠伸交じりに尻目で眺め、貴方に顔を向ける。

芦田「とりあえずよー。こん中で、その化け物共と一番多くて間近で衝突したのって
その学生二人(小林・ヤジ)を除けば、嬢ちゃんだけなんだろ?
 敵の内情を一番知ってんのは、あんたなんだからよー。
とりあえず、方針とか語ってくれよ」

 面倒くせーから、俺はあんたに従うぜ。尤も、一番はウィゴーちゃんの意見だがな。
それに対し、スタンドは慣れた調子で自分の正式名称を名乗り。少し本体と同じ意見なのが
不承不承とばかりな様子を見せつつ、自分も黒羽の意見を一番として行動すると明言した。

四人も、その言葉を少し考えてから異論ないと首を縦に振った。
 ……今この場で一番の発言力は貴方だ。

777黒羽 灯世『インク』:2020/04/08(水) 23:45:46
>>776

「…………………『確かめていない』のだわ」

「だから、『偲ばない』……非情だからじゃあないのだわ」

内心ではほぼ、確信している。

聡明な斑鳩が。
理性的な成田が。
何も言わず戻らないなら、それは『戻れない』のだ。
だが、あえてそれを受け入れない。『仲間』の『死』は重過ぎる。

それ以上、彼らのことは口に出さない。

「……『レクイエムの矢』がある。
 そして『アハガル山地』というキーワードもある。
 逆に言えば、『それだけ』しか得られなかったけど」

「この『矢』は、解決のためのカードになると思うのだわ」

矢については全員に知っていることを共有しておく。

「『アハガル山地でレクイエムの矢を使う』……これが『プランA』。
 つまり一番『浅慮』で『すぐ動ける』パターンだけど、問題は山積み」

飛行機が無い。
現地からアハガル山地への交通手段も無い。
そこで使って解決する確信すらない。

「『プランB』は……『まだ多少は私たちより知識がある者に頼る』かしら。
 『エクリプスのオペラ』は完全に信用できるような存在ではない。頼りたくはない。
 でも知ってる事は私たちより多い。……これの問題は『悠長』なのと、『教えてくれるとは限らない』」

「一応聞くけど、『プランC』……いえ、AやBの補強でもいい。『何か意見』がある人は?」

778<削除>:<削除>
<削除>

779『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/10(金) 00:15:23
>>777(黒羽PC)

『アハガル山地』に関し、ハガネやアリゼも特に芳しい反応は無かった。
 ただ、そう言う地名は確かあると言った普通のリアクション。
ヤジは多少深く考え込んでいたものの、彼もそれ以上そのワードに言及してない。

『レクイエムの矢』に関し、噂で聞いた事あるが実物をこの目で見る事になるとはなと
ヤジは少々驚き、かなりのお宝じゃんとアリゼも少し目の色を変えた。知る人ぞ知る
貴重な価値ある存在である事が二人の反応からも改めて理解出来る。

ハガネ「……最初のプランは『危険すぎる』
俺やアリゼは普通の旅客機でこの町に来た……プライベートジェットは、やろうと思えば
チャーターは出来るが。ほぼそれを誰にも悟られずには不可能だ。
 その『奴等』が一般的な知識を有してるなら、俺達が乗り込む事は遅かれ早かれ必ず
知られるのは間違いない。……アルジェリアの上空を通過する際に撃墜されない保証も無い」

ヤジ「オペラってのは、アリーナの下働きの俺でも聞いた事あるぜ。
エクリプスからも半ば厄介者扱いされてる、独りよがりでめちゃ気分屋の女王様気どりの
やべー奴だって話だからさ……真面目に頼み込んでも、おちょくられて最悪終わりって事も」

アリゼ「んな事一々くよくよ考えても仕方がないんじゃない?
ハガネも居るし、この大所帯で行けば。無理くり聞きたい事全部ゲロさせるのも意外と
簡単かも知れないし。Bプラン、悪くないと思うけどな」

話し合いの感じでは、AよりはBを全体が推す感じだ。
 そんな中、空気読まない感じで芦田が片手を上げ告げた。

芦田「じゃあCプラン。『さっさと矢を使ってみる』
……おいおい、おりゃあマジだぜ?
襲ってくるかも知れん、その奴等が世界規模って事以外は
攻撃に関する詳細や、その対抗策もまったく整ってねぇ。んでもって嬢ちゃんは
その攻撃の毒で、随分と手痛いダメージ負ってるときたもんだ。
それなら、ワンチャン イチかバチか狙ってレクイエムの矢ってぇので
打開する力が引き出せるのを期待するのも悪くねぇだろ?」

……完全には無視し辛い意見だ。
レクイエムの矢。精神を高みへ至らせる神秘の産物……これに頼り
スマイリー・スマイル突破の鍵が手元へ手繰り寄せられる可能性も少なくないのだ。

780黒羽 灯世『インク』:2020/04/10(金) 02:41:23
>>779

(アハガル山地に私の知らない『事情』がある、
 そういう線は薄そうだわ。もしあるとしても、
 彼らさえ知らないなら調べるのは至難か……)

この中でも『手練れ』はハガネとアリゼだ。
彼らの知らない線は、『今から知る』のは難しいだろう。
取っ掛かりがあったり、向こうからきてくれるならともかく。

「そうね、『プランA』は私も見込みは薄いと思う。
 危険すぎるし時間もかかるわりに、『結実するとは限らない』。
 しかもそこで解決しなければ、時間的にもリソース的にも次はない」

「『オペラ』を尋ねるのは空路を行くほどは危険じゃないし、
 『彼女』も『世界滅亡』を積極的に望んではいないはず。
 おちょくられて終わっても、『そこでおしまい』にはならないのだわ」

大方の『流れ』はそちらにあるようだし、
黒羽としても『怪しいから』といった感情論で、
オペラという巨大な力を避ける局面ではないと感じる。

――――それよりも。

「……なるほど、考えてもみなかった『C』なのだわ」

『矢』を見つめる。

「私の『インク』は『空間に文字を書く』のが大元の能力。
 仮に『スマイリー・スマイル』の根源にたどりついて、
 首尾よくそこで『レクイエム化』したとして……
 能力が、即座に『解決』出来る手段に進化するとは限らない」

「それなら『根源を見つける』までの『力』にするのも、悪くないか。
 あなた、なかなか『発想力』があるじゃない。……検討の余地はあるわね」

「一応確認するけど、私以外に『矢を使いたい』人はいるかしら?
 『インク』より、あなたたちの能力の方が『期待値』が高いという事もあるかも」

781『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/10(金) 22:52:26
>>780

貴方の『矢』の使用に対し、ヤジは『一般人だし、聞きかじった噂では
スタンド使いでないものが刺せば、スタンド使いになるらしいが
適正がなければ即死、なれても数日は高熱などになるから無理』と告げ。
小林・アリゼ・芦田は能力が戦闘向きでなし、またスマイリー・スマイル達の
魂を融解する声を止めるのに適したような力でも無いから止めておくと言う
内容で貴方に拒否の回答を下した。

ハガネ「……俺は、既に自身の力を認めている。これ以上の力を望まないし
過ぎたるものは身を亡ぼす」

例え、世界が破滅に繋がっていたとしても。と、彼なりの持論があるらしく
矢を使おうとする意志は無い。
 この中でレクイエムとなるグレイシャーの矢の使用権は貴方のみだ……。

芦田「とりあえず、そのオペラって奴に会うんならキャンピングカーの
点検だけ済ませておくぜ」

ヤジ「なら、おっさん。用意した特製爆弾なり積むから俺も手伝うよ」

小林「同じく」

Bプランがほぼ確定の空気でもあった為、芦田がそう声を上げると
不良コンビも外の駐車されてるほうに向かう為に立ち上がった。

ハガネは外で引き続き見張りを行い。アリゼは冷蔵庫の食糧をあるだけ
寮にあった段ボールで詰めるようだ。

アリゼ「此処も、どれ程安全かわからないからね。必要だと思えるものが
あれば私室から持ってきたほうがいいよ」

最低限の物資を車に詰めて出発する気なようだ……。
貴方は他にも良い案があるなら、方針を撤回するのも構わないし
有言実行で矢を使用してみるのも良いだろう。

782黒羽 灯世『インク』:2020/04/11(土) 23:06:19
>>781

(……私の能力も、別に戦闘向けではないのだけど。
 でも、矢は『意志』に応えてくれるように『推測』出来る。
 『グレイシャーの炎』も『ソイルの構造』も、単なる強化じゃない。
 『あの場でスマイリー・スマイルの好きにさせない』為の能力)

(『止めておく』人間に矢を使っても、効果は薄そうだわ)

考察もそこそこに、『グレイシャーの矢』を掲げる。

「なら、残るのは私だけね。
 『適任』だったと、後で言わせて見せましょう。
 念のため少し開けた場所で『使って』来るのだわ」

「使わずにいれば、選択肢は増える。
 例えば、『協力の対価』として提示するとか。
 でも……『オペラ』にこれを渡す選択は、
 この戦いの『後』を考えればありえない。
 なら、彼女の元に持っていく自体がリスクを生む」

「逆に……今ここで私が使っておけば、
 私も彼女に対する『抑止力』になれるかもしれない」

向かう先は『中庭』なり『外』なりで、
他の誰かに干渉しない場所にする。
発動時に『爆発』でも起きないとは限らない。
 
「どういう力を得たかは後で教えるのだわ。車に乗ってからでも」

他の面々にはその間に準備をしておいてもらう。持ち出す私物は、自分には特にない。

783『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/11(土) 23:35:49
>>782(黒羽PC)

貴方は庭へ出た。 
 ……静かだ。当たり前ながら周囲には人気が無く、まだ夜が明けたばかり故か
辺りからは車が走ったり等の環境音も聞こえない。冷たい風が頬を撫でる。
 ふと、冷たい空気を肺に満たして『矢』を刺す心構えを作っていると
静寂ゆえに研ぎ澄まされた感覚が、横から何かを通過する気配を感じ取り
目線をそこに向ければ、赤い蝶々が一羽空を飛んでいた。ヒメアカタテハと
呼ばれる蝶のようだ……特に危険は見受けられない。

 意を決し、貴方は(※特に要望は無ければ、一番傷が少ない手の甲等を刺す
描写で進行する。これで何かしら不利益は発生しない)その鏃の先端を皮膚に刺した。




 ――痛みを覚悟して、一瞬瞑った瞼の裏に光が過ったと感じた直後真っ暗な闇も感じた。
開いた視界には、先程まで居た庭と異なる別の風景があった。
 黒板 机 椅子……横には窓と、そこから見えるグラウンド。
此処は……清月学園? まさか、転移の能力でも得たのかと考えた矢先 背後から声がする。

      「――黒羽 お前に尋ねておく。これからの歩む先に覚悟があるか」

   「……そして今此処で柄じゃないが詫びておくよ。最後の別れ台詞が悪態だったのをな」

 背後から 女性の声が聞こえた。

 貴方と出会った時間は、かなり短くも……未だ色褪せない声だった。

784黒羽 灯世『インク』:2020/04/13(月) 00:59:39
>>783

『ヒメアカタテハ』――――見かけない蝶ではない。
だが、そんなもの一つにも『意味』を探してしまう。
自分は『追い詰められている』側だと、再確認する。


「……………」


意を決するまでに、逡巡する思いが無かったとは言えない。
己に記者の道をくれた『彼』のことを思い出す。
あるいは、そう、『彼女』の――――――


「…………っ」


『彼女』の声が聞こえた。
周囲の風景が『変わった』事に気付いた。
ここは、『分岐点』――――そう思った。

「私は……『常に覚悟してる』のだわ。
 『日常』は簡単に崩れて『取り返しがつかなくなる』って。
 でも、『崩す覚悟』は、今までできていなかったかもしれない。
 『矢』を使って、『スマイリー・スマイル』を滅ぼす……
 その先にあるのが『元通り』の世界じゃないという覚悟は」

矢を刺した手の甲を見る。
『覚悟』――――『元通り』じゃあないのは、『自分自身』だろう。

「……今、声を掛けられなければ、曖昧なままだった。
 『ありがとう』……私も、貴女のように『気高い』道を行きたい」

         「貴女は私の人生で、『最上』の『仲間』の一人よ」

785『星の瞬きに 世界が終わる日に:2020/04/13(月) 23:31:55
>>784(黒羽PC)

「…………そうか。無粋な問いだったな」

「『ありがとう』は、私の台詞さ。
本来、途絶えていた筈だったんだ。私の道は、あの店で……」

振り向いた先には、教室の椅子に腰かける女性が居た。朱色のコート
耳には幾つかのピアス。ケープに壁に圧し潰された『ベリル』の生前が。
 ……少しだけ、忘れがたい其の人物の容姿に微妙な差異はあった。周囲の
教室や外の風景もだが、色が付いてない……全て『モノクロ』だ。
 真っ白な世界を、インクの黒のみで構成しているような世界に貴方とベリルは
二人っきりで向かい合っている。

少しだけ、沈黙を守った後に彼女は貴方を見詰めて口を開いた。

「此処は、黒羽。お前の心象風景……お前が生き抜いた精神の断片。矢によって引き起こされた
内側の現象の中で微睡んでいる……。
 私は、死んだ。だが、お前は『忘れない』と告げた。だから、私は此処に居られる」

そう長くはいられないが、と。彼女と短い同行の中では決して浮かべなかった悲しそうな微笑を
貴方に見せながら話は続く。

「単刀直入に告げよう。奴等を倒す術を、奴等の能力に抗う術を知りたい筈だ。
……私は、神様でないからな。ソレの答えを持ち合わせてない。
だが私の能力は、確か教えたよな? 嘘を見抜き、裁く……。
 つまり、謂わばソレは  ――『真実の看破』だ」

              ――ドクンッ

空間に揺らぎが生じた。すると、教室の中の机や椅子等の備品……いや、『インク』で描かれてた
であろう黒い構成物は取り払われ、全てが白に染まったかと、思うと空間全体に文字が浮き出た。

……これは、どうやら貴方達の今までの体験談を記した文章のようだ。
斑鳩・成田・そして貴方(黒羽)が奴等と遭遇し、ここまで歩んできた記録。
(※メタ的に言えば>177から星の女やPL・GМの質疑などを抜かせたレス内容を抜かせたもの)

「……私のシンプリー・レッド、第二の能力 通称『RRoD(レッドリングオブデス)』 」

ベリルは血に濡れたような深紅のスタンドを傍らに発現させ、そして鉄輪が
両腕に二つずつ嵌められた両腕を地面に埋め込むように振り下ろした。

 ……すると、無数の記録の中から四つの文が浮き上がる……

・[It is not in the stars to hold our destiny but in ourselves.]
(私たちの運命を握っているのは星の中ではなく、私たち自身の中だ。)

・>332[The Show Must Go On]

・>753[逆位相]

・>770[精神性]

この、四つの文字が紅のように眩しく輝いていた。

 
           ――カツ  カツ   カツ

……気づけば、ベリルは貴方に背を向け遠くへと歩いている。
 その先には目を凝らすと、教室の引き戸のような扉が見える……。

786黒羽 灯世『インク』:2020/04/15(水) 07:04:08
>>785

「…………私は『未練』深いのよ、こう見えてもね」

「諦めが悪い、とも言い換えられるかしら?」

モノクロを見る必要はない。
朱色だけでいい。

モノクロは本質的に『己の力』だと理解できる――――

「これは……私達に起きた、『事実』……なら、あの二人は……」

浮かび上がる文字は、自分自身すら知らない『事実』の列挙。

「…………『私たち自身の中』」
「『ショーは終わらない』……『逆位相』『精神性』」

そして謎めいた四つの言葉。
それも、『意味』は分からない。
『それらしさ』を求める事は出来ても、それは答えではないだろう。

「……行くのね、ベリルさん」


             ザッ

「あなたのくれた『真実』も、私はこの先に持っていく。
 それがどこに辿り着くかは分からないけど……私は『強い』わ。『無駄にはしない』」

『笑いの逆位相』は『悲しみ』――――『それだけ』とは思えない。
斑鳩は『涙を流していた』 成田は『悲しみに叫んだ』――――『それ』を繋がなければならない。

787『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/15(水) 23:00:08
>>786(黒羽PC)

ベリルは引き戸のある場所まで辿り着いた。
 天国か、または別の何処かなのか……それは通過したものにしか解らない。
ただ、彼女の魂は無事に、奴等の手に届かない向こう側へ旅立てるのだろう。

ベリル「黒羽……覚えてるか? 斑鳩と成田、あの二人と別れて通路を散策してた時の事」

戸に手をかけた彼女は、ふと気が変わったかのように振り向き、そんな事を呟いた。

ベリル「あの時、一緒にコーラを飲んだよな。真っ黒で、お前の翳す力と同じ色合いの」

ベリル「……美味かったよ。本当、可笑しみを感じる位に美味かったんだ。
また、別の形で。何時か何処か違う場所で、また飲み合えたら良いな……」

ベリル「お前は『強い』さ……でもな黒羽。たまには弱さを見せたって良いんだ。
強さ、弱さの意味を履き違えるな」

        「――忘れるな。私は何時だって、お前が名を記してくれれば……」



  ・   ・   ・

視界が暗転する。貴方は立ち尽くした状態で、少し手の甲に切り傷が見える片手と
少し神々しい色が淡く見えるが、次第に弱まっていく矢を握っていた。

『ヒメアカタテハ』と思える小さな影は、強く羽ばたき寮の壁を越え
空の彼方へと飛び去って行った……。

ヤジ「おぉーーーい! 黒羽ちゃんっ、こっちは準備完了だ!
 何時でもオペラのほうへ突撃出来るぜ!」

呼びかけがホールから聞こえた。彼等の準備は完了したようだ。

788黒羽 灯世『インク』:2020/04/15(水) 23:31:34
>>787

『強くあれ』――――それを『学んだ』日があった。
黒羽一族の寵児ではなく、『黒羽灯世』として。

「…………あなたは私の最上の仲間。
 そして、『二人目』の『先生』だったのかも、しれない」

                「……行ってきます」

その考えが消える事は無い。
『弱さを見せることは記者にとって致死を意味する』

だが――――『弱さを見せられない』事も『弱み』ならば。

「…………!」

「ここは……」

周囲を見渡す。
矢は、『役目』を終えた――――それが分かる。
『インク』がどのように変わったのかは未知数だが。

「ええ、私も準備は出来た、のだわ。すぐそっちに行く」

……『ヒメアカタテハ』を目で追う事はしない。

ホールに向かう。『インク』を確かめるのに時間を割く余裕はあるまい。

789『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/16(木) 23:17:35
>>788(黒羽PC)

 ブロロォ……。

キャンピングカーは芦田を運転手として発進した。後部には段ボールに詰められた
密封してても可燃性特有の匂いがする瓶なり空き缶爆弾なりが詰められている。
中央には、貴方達五人が少し息苦しさを感じつつも自分なりのスペースを確保して
道なりを曲がる時の揺れを自力で支えつつビッグ・クランチ向けて走っていた。
 もう少し走れば、総合体育館 アリーナ地下拠点のある場所を通過するだろう。

ヤジ「……出来れば、緊急性高い時の連絡網なりのリストを回収したかったが」

小林「無い袖は振れませんよ、親友。
……黒羽さん、そのオペラ氏に情報を求めるとして。恐らく高い可能性で
取引などの交渉が求められると思いますが……どうします?」

ヤジは、少々名残惜しく自分が勤務していたアリーナのある場所を窓越しに
眺めつつ呟き。それを小林は諫めつつ貴方に到着次第の方針を振った。

確かに、大食堂の場所で従者たちに囲まれていた彼女が素直に貴方達へと
情報を出すとは思わない。ザ・カード・チートが裏社会の上級層である事を
仄めかしてたのを考えれば、大体のものは自分の力で保持してると考えられる。

若しくは、強硬手段で戦力未知数の彼女に戦いを仕掛け脅迫するなり
他の方法もあるだろうが……。

790黒羽 灯世『インク』:2020/04/16(木) 23:51:18
>>789

「確実な『世界滅亡』の瀬戸際に、ゲームに興じるような手合だものね。
 素直にハイ、じゃあ話しますとは行かない。かといって差し出せるものもほぼ無い」

「『アドリブ』で行くしかないでしょうね。『これを出します』なんて、
 決め打ちできる『正解のカード』は、少なくとも私には思いつかない……」

いずれにしても『強硬策』は『最後の手段』でしかない。
レクイエム化した『インク』も、無敵ではないだろう。
そもそも問答無用で殺すような力があったとして、
それを発動してしまえば『吐かせられない』なら無意味。

「偶然あるとしても、『私たち自身がそれの価値を知らない』カードは提示出来ないしね」

珍しいものといえば『使い終えた矢』くらいのものだろう。
いずれにせよ、今から足掻いてもモノは増えない。到着を待つ。

791『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/18(土) 00:10:56
>>790(黒羽PC)

   ブロロロォ……キキィ。

キャンピングカーは、特に障害なくビック・クランチへ辿り着く。
 スマイリー・スマイルの奇襲は懸念にあったが。今のところその兆候は見られない。
奴等に斑鳩や成田が取り込まれているなら、この車の情報なりもある筈。まだ、それが
全体に行き届いてないだけかも知れないし、別の理由も考えられるが……。

アリゼは、ある程度の食物を自分のスタンド ピンククリーム・69へ摂取させ車内で
成人男性程度の大きさのピンクスライムの大きさへ変貌させ食堂玄関口へ堂々と降り立つ。

アリゼ「私のスタンドなら、矢でも鉄砲でも受けきれるしね。先頭は任せろって」

無言で、そんな彼女をそれとなく庇える位置で人サイズの規格外な黒い包丁のような
鉄板のヴィジョンを背負うハガネが続き、貴方の隣に爆弾なり忍ばせたヤジと小林。
貴方達の後ろを芦田がやる気なさそうに続き、そんな挙動に何時も通りと言った感じで
スタンドが小言を本体に呈じしている。

黒羽御一行が大食堂の入り口となる階段を上がろうとした束の間、その玄関は開け放たれ
数人の油断ならない目をした若者たちが出迎える。

アリゼ「あらあら、1日振りねぇ小鼠ちゃん達。顔ぶれを変えて、今日はどんな御用事?」

従者達の列の後ろから、そう陽気な声でゴスロリの少女……『オペラ』は
何もかも知りぬいたような笑みと瞳で黒羽達を見下ろした。

アリゼ「まぁ、要件は大体わかるけどね。
――何を貴方は差し出せるの?」

黒羽だけを見詰め、オペラはそう訊いた。

792黒羽 灯世『インク』:2020/04/18(土) 02:44:54
>>791

まず自分以外の全員を手で制する。
彼らはここまで自分に『選択権をゆだねて来た』のだ。
ここでも自分の『選択』を損なわせてほしくは無い。

「『何が欲しいのか』――――それが分からないとどうにもね。
 『サンタクロース』だって『お手紙』がなきゃプレゼントを決められない」

「――――けど、『記者』っていうのは結構『贈り物』が得意なのよ」

               スゥ

『矢』を見せる。
もちろん『使った後の』だが、『無価値』ではないだろう。

「『レクイエムの矢』」

「これはあげられない。『私自身に使った』
 貴女は『何でも持っていそう』だけど、
 ……『スタンド』は『替えが効かない』。
 まして、『レクイエム化』したスタンドはね」

が、価値を知らないカードを提示はしない。
提示するのは、己がよく理解する価値。

「それを使う本体……『私の価値』は、既に、少しは示したわね」

すなわち。己の『強さ』だ。

『オペラ』には一つだけ間違いのない『事実』がある。
それは、彼女が『人間』を協力者にしている事だ。
自分が動くのが面倒なのか、人を使うのが好きなのか、
それとも純粋に必要なのか、理由は無いのかは知らないが、
彼女は常に『他者』を動員している。『自力だけに頼らない』。

推論でしかないが、『道理』だ。

「貴女に『身を捨ててでも、全身全霊で私の目的を助けろ』なんて、
 そこまでお願いしに来たわけじゃない、それは分かってくれてるはず。
 今『手を貸して』欲しい……その分、私は『この後で手を貸しましょう』」

「『スマイリー・スマイル』……これが『終わった後』にあるのは『平穏』じゃないわよね。
 『表社会』もだけど……あなたの遊び場、『裏社会』にこそ、『動乱』が待ってるんじゃない?」

「貴女は既に戦力を持っているかもしれない。
 でも、『私という大戦力を確保するアテ』はまだ無い……」

――――『スマイリー・スマイルを倒したので世界は平和になりました』。
そんな甘い話は無い。最低でも『アリーナ』の消えた『空席』は『火種』になるし、
『エクリプス残党』の有力者も、『解決できた事態から逃げた』という事実は『立場を崩す』。
動乱は必ず来る。それは今回のような『災害』ではなく、『スタンド使いの戦争』という形のはず。
武力行使をしあうのか、テーブルの上で行うのかは知らないが、『戦い』はやまないだろう。

無論だが、単に今手を借りるために未来を安売りしているのではない。むしろ『先も見ていた』。
黒羽は、『この事件を終わらせた後』――――『素知らぬ顔』で日常に戻れるとは考えていない。
自分は知りすぎた。背負いすぎている。恐らくは、望まずとも来たる『動乱期』の『当事者』になってしまう。
『弱さを自覚する』……抗っても恐らく『オペラ』には勝てない。だが、『近付いておけば、監視する事は可能』だろう。
また、少なくとも事件を解決した直後にいきなりオペラによる奇襲を受けるとか、そう言う心配も減らせる。

――懸念は『ヤジらの反発』など幾つかあるが、彼らに『代案』は無いだろう。あるなら話は別だが、まずは惜しまず、このカードを切る。
日和って『安全・安心そうな無難で安いカードから切っていく』のでは、このオペラという狂気の女王をテーブルにさえつかせられまい。

793『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/18(土) 19:54:57
>>792(黒羽PC)

「…………」

オペラは、貴方の話に茶々を入れるとか口を挟むなどするでもなく静かに耳傾ける。
 『未来』……この世界が変革する規模の能力。スマイリー・スマイルの終末を
押し留められると言う自信を暗に秘めての交渉。隣にいるヤジなどは、何か
言いたげな顔をするものの貴方の邪魔をする事は無かった。

 「――ハッ」

「あは……あっはっはっはっはっはっはっはっ!!!
 ははは……あー、可笑しい。って、ストップストップ
なに問答無用で攻撃仕掛けようとしてるのよ」

目を瞑り、黙り込み貴方の言葉を吟味していたオペラは。
数秒後に眉間を震わせたと共に哄笑を放った。
 すかさず、笑い声にトラウマのある面子である小林やヤジ
情報のみだが危険性を理解してるセイヴィアー達も臨戦態勢に移るが
アリゼは笑いを抑えると、軽く手を振って自分が正気? であると告げる。

一息つくとばかりに、控えさせてる者達の一人から適温の紅茶が入ったカップを
受け取って一口味わうと、冷笑と共に貴方の交渉に感想を述べた。

「……不確定で 不確実で 不安定で 不慥かな話ねぇ。
まるで、この終息が貴方の中では既に決定事項みたいな話し振りじゃない?
『記者』なんて辞めて作家におなりなさいよ、貴方。その頭の中の絵空事を
文章にして出版すれば、きっと大ベストセラー間違いなしよ」

まぁ、もうベストセラーになる程に読者となる人類がこの世界には居ないでしょうけど
と、彼女は自分のブラックジョークに先程よりも小さいが再度笑い声をあげる。

「……まっ、いいわ。『貴方の知りたい事、聞きたい事』
教えてあげるわよ」

笑い声を収めた彼女は、唐突にそう答えた。
 
「どう言う風の吹き回し、って思ってそうね?
あのね、私には正直『どちらでもいいのよ』
世界が終ろうとも、このまま続こうとも。
 終わるなら終わるで、最後の最後は派手に周りが壊れるまで
遊びまわるだけだし。終わらないなら、終わらないで、その後の
誰かさん達が作る枠組みの中を突っついて嘲笑って生きてくだけよ」

お判り? 敏いと自分で思ってる野鼠ちゃん。そう彼女は謡いつつ告げる。

「ずっと……何でも求めたら大体手に入る、そんな飽きがくるこんな世界に退屈してたわ。
貴方達には判らないでしょう。でも、当たり前よね。自分の心を理解してくれるのなんて
自分以外に存在しないわ、私は一人例外を知っているけれど。
 そんな飽き飽きした世界が、どう言う形とて終わる。こんな素敵な事ってそうそう無いでしょう?」

ヤジ「……いかれてるぜ、あんた」

思わずと言った拍子に、小さく貴方の隣で不良青年が涙と流れる鼻水を拭き取りつつ呟く。
 目敏く、オペラはそんな彼を鼻で笑いつつ返答した。

「どう思われても構わないけどね。……それでね、野鼠ちゃん
つかぬ事を聞くけど、どうやって貴方。件の崩壊を終わらせようと思ってるの?」

大小判を押したからには、何かしら確証あってのプランなのでしょうね。と
呟き、貴方の答えを待つ。

 オペラは、何であれ知りたい事を彼女が知る範囲で情報を開示してくれる
気分なようだ……この機は逃せない。

794黒羽 灯世『インク』:2020/04/20(月) 02:22:19
>>793

「あなた……『推理小説』の追い詰められた犯人みたいな事を言うのね。
 まあ、私の文才は『フィクション』にだって、もちろん対応してるはずだけど」

黒羽は己の知性に自信を持っている。
そして、『前進』『上昇』の志向にもだ。
根拠など必要ない。『才が無い』と断じる事は出来ない。
進もうと……上ろうとしようとする限りは。

「……『感染拡大の防止』は『必須』。
 今無事な人間は、一人でも多く生存すべき。
 それから『敵の減少』は『必要』ね。
 こっちに伝染はしなくても、世界が奴らに
 埋め尽くされていたら『生活』が立ち行かない。
 その減少方法としては……『能力の除去』が理想」

「拡大防止の条件については……多少のあたりはついているわ。
 実験なんてしてる暇はなかったから、本当に『あたり』だけだけど。
 『涙』……『泣く』『慟哭』……『笑うの逆位相』の『精神』に鍵がある」

「それを解き明かせば、まず『問答無用の全滅』は避けられる……はずよ」

795『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/20(月) 22:49:26
>>794(黒羽PC)

>それを解き明かせば、まず『問答無用の全滅』は避けられる……はずよ

オペラ「なーんだ……結局、全部貴方の中の推論で たら ればの域を出ないって事ね?」

肩透かしをくらった、と言う顔付きにオペラはなる。

オペラ「能書きは良いのよ。証明をしてみなさいな
貴方達の中の一人が、能力で変貌する前に回復したって言うのが偶然で無く
誰か見聞きしても納得できる説明を」

アリゼ「あん? どうやって、その情報知ってんのさ
私達の誰も、んな事話さなかった筈だけど」

オペラ「私は全知全能なのよ、子猫ちゃん。……冗談はさておき
野鼠ちゃん、私が無償でコートを上げるような慈善家では無いって事よ」

小林の回復例……それに関して、どうやら貴方のコートに盗聴器が
取り付けてあったのであろう事が伺える旨を彼女は告げる。

オペラ「それと、こんな寒空の下で長話する程に私は気が長くないの。
慈悲深い私はもう一度だけ言ってあげるわ。
『貴方の知りたい事、聞きたい事教えてあげる』」

そう告げて、彼女は紅茶を啜る。
……これ以上は、オペラは貴方達の話に対し関心を向け
良い方向へと行動を取ろうとする気紛れは起きなさそうだ。

796黒羽 灯世『インク』:2020/04/21(火) 00:36:12
>>795

「『結論』が分かるなら、もう行動してる。
 裏どりなんてしている場合じゃないもの。
 『推論』しかないから、『聞きに来てる』の。
 『知りたいこと』『聞きたいこと』をね」

「単刀直入に聞く。『笑いの感染』を防ぐ手段、貴女は知っているの?
 あるいは『回復できる手段』。もしくは『根絶』……『解決策』」

回りくどい言葉のやり取りは『勝ち目』は無いだろう。
盗聴器を調べる手段は存在しないし、
それ以外の情報力も相手のそれは不明だ。

ならば遜って見下され続けるより、ストレートに聞いた方が早いだろう。

797『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/21(火) 22:39:45
>>796(黒羽PC)

>『笑いの感染』を防ぐ手段、貴女は知っているの?

アリゼは、頬杖をつきつつ。若干呆れ声で返答する。

オペラ「しーらない。と言うより、知っていたら他の皆が
海のほうに避難なんてしない筈だって、分からないかしら?
 まぁ、特定の攻撃をシャットダウンするとか。そう言った
防御系の能力者はエクリプス内に居た筈だけど」

私、そこまで組織の者に深く関わらないし。と彼女は区切る。

>『回復できる手段』。もしくは『根絶』……『解決策』

オペラ「それこそ、そっち側が理解してるんじゃないの
『回復できる手段』の前例が、そっちの控えてる誰かでしょ?」

彼女は、黒羽の傍にいる者達をズラッと見つつ、話しを続ける。

オペラ「少しも興味が無い、とは言わないわ。
もし、その回復手段が解明されるなら。私も悪魔じゃないんだし
助ける取引は可能よ。とは言っても、世界中がスマイリー・スマイルに
侵されるタイムリミットも……残り一日あるかどうかって感じだし。

『根絶』? 私のほうが聞きたいところだけど。
『解決策』だって全くないから、こんな場所を占領して気ままに
遊び耽ってるって言うの見て分からないのかしら?」

オペラは段々と表情と声につまらなさと不機嫌さが見え隠れしてきた。
 貴方(黒羽)との会話に、楽しみが持ち得なくなってきている……。

798黒羽 灯世『インク』:2020/04/21(火) 23:34:54
>>797

「成る程、確かに『全知全能』じゃあないのね」

『小林は、なぜ回復したのか』――――
それが分からないゆえに聞きに来たわけだが、
それが分からない限りは助力を求められないという事か。

                チラ

……背後に控える人間たちに、何らかの期待をする気は湧かない。
『戦力』は頼りになるだろうが、『状況』がそれを許すまい。
『斑鳩』『成田』の喪失は大きい……彼らも『判断ができる人間』だった。
が、悔やみは無用。この空間で唯一『上』を向く自分が。やらねばならない。

(……『小林先輩自身』にも『心当たり』が無い。
 『ヤジさん』のように『仲のいい人間』でも同じ。
 『インク』の新たな力……その片鱗でわかったのは、
 4つの単語……[The Show Must Go On][逆位相][精神性]
 そして[It is not in the stars to hold our destiny but in ourselves.])

(『私たち自身の中』……
 『自分の中で、笑いと逆位相の感情を止めどなく保つ?』
 『笑いとは逆の感情』……私たちは『常に』そうだった……)

(『確証』……そう言えるものがそこから導き出せる?
 導き出せたとして、『証明手段』がどこにあるかしら……)

自分がどの程度『進行している』のかが分からない。
他に進行している可能性があるのは『小林』だが、
それもやはり、進行度が分からない以上『治療の実感』が無い。

「……」

         ス

可能性があるとすれば――――『インク』の中にあるのではないか。
『墨の量が増える』『造形が出来る』が、あの光景が『全て』と断定はできない。

スタンドを発現する。『インク・レクイエム』は――――『何が出来る能力』だったろうか?

799『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/22(水) 23:45:31
>>798(黒羽PC)

貴方は『インク』を発現する。『矢』に刺す以前と、そのヴィジョンは
特別に形が変わっているようには見られない。
 スタンドを発現した事に、少しだけオペラに従属する者達は警戒の色を
空気に濃くしたが、直ぐにリーダーである彼女が手で何もしないように
示唆した為に動く事はない。

オペラ「ふぅん? それがレクイエム化したって言うスタンド……ね」

目で彼女は語っている。『豪語したからには、実際にその力量を示せ』……と。

(※いま黒羽PCの能力は、詳細にも記されている基本的なスペックは変わっておらず
『ゴースト・ストーリーズ』も変わらず使用は出来ると感覚的に理解してる。

『レクイエム』としての能力を引き出すとして、『明確に何を望む』か『何を再現』
するかをスレ内で記入して頂ければ、GМがそれを見た上での行動処理を行う。

※:他にも引き出せるものは存在する。ベリルとの最後の台詞がヒント    )

800黒羽 灯世『インク』:2020/04/24(金) 02:07:40
>>799

『インク・レクイエム』――――『何が出来る』のかが分かった。

「……」

            シャッ

『ゴースト・ストーリーズ』は変わらず使えるようだ。
が……『インク』は『スタンド能力』を再現できない。
『ゴースト・ストーリーズ』で『小林の快復』を再現しても、
それは『スマイリー・スマイル』の影響を省いたもの。
つまり無意味に近いのは、『変わらない』だろう。

そもそも『あの快復は見た目には何の変化もなかった』。
あの様子を見せる事が仮に『偶然そういう成長で』出来たとして、
『なぜなのか』は分からないまま。それでは『納得』は得られない。
『出来るかも分からないし意味も恐らく無い事』を今する時間は無い。

(つまり……その先。『レクイエム』の領域に『踏み込む』必要がある)

    (『スタンド能力の再現』は……出来ても意味がない。
     『スマイリー・スマイルの能力という事実』は、
     この世界の誰もが知らない可能性が高いのだから。
     あるいは斑鳩さんや成田君、ベリルさん……
     彼らのスタンドにも『答えを出す』効果は無いし、
     治療に使えても『効き目を証明する手段』は無い……)

         (なら例えば……私があの時見た『光景』。
          『私が知るはずのない光景』。
          『斑鳩さんや成田君の心情』まで読めた)

            (……でもアレは『各々の主観』。
             『状態』は各々には分からない。
             『ゴースト・ストーリーズ』は『1度に1つ』。
             小林先輩を出して、それで終わりにしかならない)

(それなら、あるいは……『小林先輩のそれ』とは違って、
  極めてハッキリ『精神を向上させる』効果があるものなら?)

(『知らないし答案の無い方程式』を追い続けるより、
 ……強力な『精神作用』を持つ、『アレ』を『再現』出来ない?)

ハッキリ言って――――『逆位相』も『精神性』も『主観性』の強い概念だ。
意味するところは立ち位置次第で大きく変わるし、『証明』の手段に乏しい。
運よく『治療に使える効果』を帯びた『何か』を再現したとして、
それが小林や自分に効いたとして……それも『主観』の範疇だ。
感染していないであろうオペラ自身に『客観的に証明して見せられない』。

それに対し黒羽は戦いの中、唯一、『精神に効くことが誰にでもわかる』ものを知った。

                         ――――『コーラ』。
                               ベリルと飲んだ『アレ』を、出せないか?

801『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/25(土) 21:02:48
>>800(レス遅れ失礼しました)

『スマイリー・スマイルの能力という事実』
貴方はそれの再現を考えるものの、直ぐに思い直す。
 『レクイエム』化した『インク』は、スタンド能力も再現出来るかも知れない。
然し、仮に再現したところで。今この場で、その能力が自分達に影響を齎すのか?
 そしてオペラを『納得』させられるのか? 様々な不確定要素が山積みにされている。

そこで貴方は『コーラ』を思い至った……。

   シャララ

             キィィ――zノイン・・・!

インクによって、宙に書かれた『コーラ』と言う字は、収束されて
一つの硝子瓶とキャップ。その中に黒い液体が並々と詰まっている。

あの時のコーラ……ベリルと一緒に飲んだ精神の活性化のコーラだ。

オペラ「……ふぅん」

そのコーラは『実体化』されていた。ヤジも行き成り現れた物体に
目を瞬いてる事がソレを証明している。
 おもむろに、オペラは階段を降りると無造作に貴方が発現された
コーラを周りの従者が制止の声を上げる間もなく口にした。

 ゴクゴク…… プハッ

オペラ「…………ふぅん」

数秒の沈黙、そしてコーラを冷ややかに向ける視線は貴方のほうにも向けられる。

オペラ「……『再現』か。『再現』ねぇ……野鼠ちゃんの詰まっている
脳味噌の中に、この迫りくる終焉を止める『真実』を『再現』出来る可能性は
あるって言う訳? …………ふぅん」

 オペラは、余り面白くなさそうな表情で貴方を見遣る。
その纏う空気は面白くなさそうで刺々しさがあり、周囲が口出し出来ない高圧さがある。

オペラ「……『アハガル山地』には、『入ってはいけない洞窟』があるって言う話があるわ」

数秒、睨むような半眼を向けてた彼女は。そう、ぼやくように階段を上がり同じ位置に
戻りながら貴方へ告げた。

オペラ「『入ってはいけない洞窟』に入ると、どうなると思う?
ま、誰も戻ってこないのだから確かめようがないけどね。
 けど、サン族の言い伝えではこう言われてるらしいわ。
その洞窟には、人一人分の割れ目があって『地獄』へと通じている」

まぁ、少数民族の良くあるありふれた言い伝えだけど、と彼女は区切りつつ
貴方に対して、嘲るような口調で告げた。

オペラ「仮に、あのスマイリー・スマイル達の本体がアハガル山地の
『入ってはいけない洞窟』に落ちた何者かで、その落ちた最中に
発現したのがスマイリー・スマイルだった……って言うのなら」

この今も、世界を地獄絵図に水面下で広げてるのも、何だか納得出来そうじゃない?
 と、オペラは妙に説得力のあるような仮説を立てた。

802黒羽 灯世『インク』:2020/04/26(日) 00:22:34
>>801

『ぶっつけ本番』――――『アドリブ』というほどきれいでもない。
『インク・レクイエム』が『偶然』これを可能にしていた『だけ』。

だが、それで『負けない』なら悪くは無い。

「『可能性はある』――――わ。
 『インク』は『私の想像』を超える『事実の力』がある」

「『何もできずには終わらない』……」

今の『インク』は、黒羽の『記者の信念』さえ超えた能力だ。
己の確かめていない真実を『確かに知っていた』。
それこそ、『レクイエム』足る力なのだろう。

「……『入ってはならない洞窟』?」

僅かに気圧されながらも、謎めいた言葉を反芻する。
『地獄』に繋がる洞窟……『眉唾』だ。

だが、この『災害』もまた『眉唾』……『妙な説得力』だ。

「成る程…………『それ』を探すことは、『解決』に繋がるかもしれない」

「『地獄』は、『人間の心』が生んだ概念だけど……
 もしあるとすれば、まさにすべての『人間の心』と繋がるもの。
 心を通じて『全世界』に拡散されるだけの謂れはある」

「何の情報もナシで『アハガル山地』に行くよりは、よほど指針になりそうだわ」

803『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/26(日) 22:17:09
>>802(黒羽PC)

>何の情報もナシで『アハガル山地』に行くよりは、よほど指針になりそうだわ

オペラ「何しに?」

 彼女は、差し出された紅茶のカップを軽く回しつつ貴方へ訊いた。

オペラ「その地獄へ繋がる場所を岩か何かで塞ぎに?
それとも、其処へ飛び込んで貴方のその筆で本体を倒しにでも?
 冗談は休み休み言いなさいな、野鼠ちゃん。

貴方や、その御仲間たちで。どう其処まで無事に辿り着いて
どうやって能力を解除するおつもり?
 レクイエムのパワーで、なんでもかんでも解決出来ると思ってるの?」

皮肉気な笑みを向けつつ、彼女は嘯く。

オペラ「まさか、私がそこまで連れてってあげるとか期待してるのなら
先に言うけど拒否するし無駄よ。
 貴方のヒーローショーに付き合う気は毛頭ないわ。
もう知りたい事は全て教えたと思うけどね?」

くるりと、彼女はゆっくり背を向けてビック・クランチに戻ろうとする。

アリゼ「おい、まだ……」

ハガネ「やめておけ……呼び止める権利があるのは、その娘(黒羽)だけだ」

控えてる勝気な彼女は、話は終わってないと告げようとするが。そこで
一段とオペラを中心に空気が終わるのを最強の傭兵が感じ取り、制止する。

これ以上はオペラも話に付き合う気が無いようだ。
 何か関心を向けられる要素が、最後に2、3 交渉の場に表立った貴方が
乞えば何かしら聞けるかも知れない……。

804黒羽 灯世『インク』:2020/04/27(月) 20:38:13
>>803

「『何もしない』なんて事はあり得ない……それだけ。
 貴女に理解してほしいとも、してもらう必要もないわ」

「貴女は『情報』をくれた。『知った』ことは『動く』理由になる」

オペラは『神』ではない。
結局は『スマイリー・スマイル』の『被害者』の一人でしかない。
彼女の『意向』に沿わない事は『意味がない』……そんなわけはない。

ここでの話は『終わった』……彼女は『これ以上知らない』。
少なくとも『スマイリー・スマイル』攻略に直結するような、
大きなヒントなどは持っていないか、『言おうとしない』だろう。

「いえ……いいわ、呼び止める理由は私には思いつかない」

それ以外の『彼女について』や『彼女の所感』等を聴いても、
そもそものスタンスが違いすぎる事、そして現状への意味を考えて、
『妙な地雷を踏んで彼女から妨害を受ける』リスクとの天秤には乗らない。

必要なのは『確度のある情報』だ。
彼女自身言っていたように、『解決につながる情報』は無いのだろうから、
これ以上の干渉は余計なリスクを増やすだけだろう。呼び止めない。

805『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/28(火) 00:29:36
>>804

He looked at me I looked at him〜♬
He sized up me I sized up him〜♪

 ……ゾロゾロ バタンッ

ヤジ「……はーっ 生きた心地があんましなかったな
こっから、どうすんの黒羽ちゃん? 学生寮に戻るかい」

オペラは、森のくまさんを口ずさみつつ貴方達の視界から消えた。
不良青年は、オペラと従者たちが全員大食堂の中に戻るのを見届けると
大きく溜息をついて、貴方にそう声を掛けた。

アリゼ「唯一、なんか知ってそうな奴から聞いた情報は
価値があるのかないのか、いまいち不明だったが……その、アハガル山地に
本気で行くって言うのなら、何とか飛行機を手に入れる伝手を探すしかない。
となると、空港まで直行で行ってみる?」

ハガネ「……実力行使で飛行機を略奪出来たとして、運転はどうする気だ?」

アリゼ「ぅ゛ ま、ちょ ちょっと誰かしら脅せば何とかならない、かなぁ……」

控えてる他の者は、各々と自分の考えは口にするが。この現況では指針が無いゆえに
進むべき目標が出来ていない……。

小林「一先ず、何処へ向かうべきか……ですね。話から察するに総合グラウンドの
アリーナは、行くのが余りに危険すぎる。
 ……親友、他にアリーナの支部がある場所は?」

ヤジ「倉庫街とかにも、ある筈だが……あそこら辺は俺もほぼ出入りしてないから
場所こそ大体検討つけていても、安全なのかどうかわかんねぇよ。
 ただ、まぁアリーナの機能が生きてんなら自家用ジェット機とか手配出来る
可能性は、今の状況を話せばワンチャン借用可能……かねぇ」

そう言った話を不良コンビは伝える。ただ、その情報源が期待出来るかは
未知数である事は言うまでもない……。

806黒羽 灯世『インク』:2020/04/28(火) 02:22:30
>>805

「『貴方たちも皆来なさい』とは言わないけど、
 『何もせずに終わりを待って遊ぶ』よりは、
 『死地に飛び込む』方が私は『上』だと思うわ」

座して死を待つつもりは無い。
無意味に暴れ回る気も無いが、
意味があるかもしれないなら動かない理由は無い。
『時間の無駄』かもしれないが、動かない時間にも意味は無い。

「……『アハガル山地』に謎を追いに行くか、
 それとも『治療法』の実験でもやってみるか。
 あの場で『オペラ』を納得させられる根拠が無かったのは、
 『インク』の挙動を完全に理解できていないから、というのも大きかった。
 それと、どれだけ試しても『確たる証拠』にはならない、っていうのもね」

繰り返すようになるが、『スマイリー・スマイル』の症状は無自覚。
『治ったという証拠』などというものは、『存在しない』可能性が高い。
外から見ても『わかる』状態の患者を用意できるならば別だが、
あの場では調達できない(『インク』次第だ。試す余裕は無かった)

――――時間を取れるなら、幾つかの前提は覆る。

「もしくは、例の『地獄への裂け目』みたいな話が、
 『国内にも無いか』でも調べるか……っててところかしら。
 『地獄』とやらに通じる穴が、世界に一つだけとは限らないのだし……
 これをやるなら、今言った『治療法の実験』と並行してもいいかもしれない」

『何もしない』ことは停滞だ。『可能性』がある限りは『動く』ことが、『上等』なやり方だろう。

807『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/28(火) 22:55:47
>>806

ヤジ「となれば、だ。どちらにしろオペラ女王様の話の信憑を高めるのと
移動手段を確保する為に『倉庫街』へ行くのが一番ベスト……だな」

貴方の話を聞いて、方針は決まった。行き先は、アリーナの他の支部があると言う
『倉庫街』へとだ……。

車を走らせる道中、何の気なしに芦田は備え付けてるキャンピングカーのラジオを付ける。
 そこからは、幾分興奮した声でこう話し声がなされていた。

『……皆さんっ 今日は世界中にとって大きな記念日になるのかも知れません
世界中への平和が、人類の夢が叶う一歩を私達は目にして……』

芦田「んぁ? なに言ってんだ、この司会者」

アリゼ「……おいおいおいおいっ、なんだこのニュース?
おい、あんた達。スマホ見てみろっ」

彼女は、手持無沙汰なのを埋める為に取り出したスマホのニュースを
見た瞬間に顔付きを引きつらせつつ、黒羽含む全員に促した。

そこには、大々的にこう表示されている。

『……北〇〇 アメリカが和平の為に会談を動き出す』

『中東テロ 〇〇の指導者降伏を宣言』

『北方領土返還の意をロシアが示す』

……世界各国で起きている対立が解消されようとする動きがされている。
 全体未聞の朗報だが、これが劇的な奇跡などと日和見な感想を今この瞬間
このキャンピングカーの全員誰も抱きはしなかった。

小林「……もう、一刻の猶予も無いんでしょうね」

既に、『奴等(スマイリー・スマイル)』に国家の大部分は支配されたのだろう。

暗い呟きが車の中を満たす。依然 倉庫街を目指して街並みをキャンピングカーは駆ける……。

(※特に何かアクションを起こさないのなら、次レスで目的地の描写へ移る)

808黒羽 灯世『インク』:2020/04/29(水) 23:29:17
>>807

「…………『世界平和』……『そのための能力』だとでも?」

『日本人』である自分にも『分かりやすい』道筋。
或いは、この現象の最初の本体も、
近い文化圏に生きる人間だったのだろうか。

(平和な世界を望むのはそこで『生きる』ため……
 この能力の行き着く先は『無』であって『平和』じゃあない)

           (…………)

               ギリ

何もできる事は無い。『目的地』に到着する事を、待つ。

809『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/30(木) 23:26:57
>>808

ヤジ「世界平和……な。黒羽ちゃん あん時、俺達死に物狂いで
あの笑顔の奴等から逃げたじゃん? あいつ等がそんなん1パーでも
叶えようって言うのが真実なら、俺は剃髪して坊主にでもなるよ」

小林「親友の軽口はともかく……まず、そんな目的ではないでしょうね。
大きなイベントで、まだ非感染な人物を集合させ。あの声の能力で一斉包囲し
感染を増幅させる……と言うのが狙いでしょうね」

貴方の言葉に、不良コンビがそう仮定を繰り出すと。運転していた芦田が
振り向いて、呟いた。

芦田「なんかめんどーな事を世界規模でやってんだな。テレビなり何なりで
その能力使用すればいいだけの話だろーに」

ヤジ「それが出来ないから集めてんだ…………あっ そうか!」

芦田の言葉に、ヤジは膝を叩いた。

ヤジ「て事は、あいつ等。まだ機械とか通して能力を拡散するの
出来ないんじゃねぇか!?」

ハガネ「……有り得なくはないな」

そう、推論を重ねたところでキャンピングカーは倉庫街に到着した。

参考画像↓
(ttps://www.photolibrary.jp/img87/24691_291501.html)

車は数台置かれている……輸送用のトラックや乗用車などもある。
 まだ早朝だからか? 人気は無く、随分と静かだ……。

ヤジ「此処ら辺の支部については、言った通り、俺は初めてだからな……
手あたり次第に散策するか?」

芦田「めんどくせー。どの倉庫入ればいいんだよ?」

全員が一先ず車から降りた……肌寒い風が貴方達の顔を叩く。

目的地まで辿り着いたが、肝心の倉庫の場所は把握出来ない。
適当に歩き回れば、それらしい出入口を発見出来るかも知れないが……。

810黒羽 灯世『インク』:2020/05/01(金) 00:29:06
>>809

「ええ。あんなものが『世界平和』を詠う世界は、
 『真実』なんてない『欺瞞』だけの世界……だわ。
 これもおおかた、小林先輩のいう通りの『策謀』でしょう」

努めて『重く』なりすぎないように、口を開く。
黒羽灯世は無敵ではないが、『上』を取り続ける。

「……つまり『放送』とかまでは警戒しなくていい、という事ね」

『機械を通しての感染』は懸念事項だった。
それがつぶれた――――と思われるのは意義が大きい。

そして倉庫街。町でも『治安の悪さ』をよく聞く地域。
だが、今となってはそんな『噂』に意味は無いだろう。

「いつどこで『敵』が奇襲をかけてくるとも分からないわ。
 とはいえ……常に『警戒』し続けていても探索が進まない。
 悩ましい所ね。……でもとりあえず、ここで考えていても始まらないか」

『アリーナ』の施設そのものは見つからずとも、何かしらの痕跡などはあるかもしれない。
無意味に歩き回る、と言えば気は進まないが、『意味』を見つけるにもまず『動く』事が必要だ。

811『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/01(金) 22:45:48
>>810

ヤジ「……あれ、でも確か黒羽ちゃん あの笑い声って奴聞こえないんだっけ?
機械で録音とか出来ても、聞こえるのかな」

小林「私達にも鸚鵡返しで言える事柄です。あの一件以来、此処に居る方達を除き
他者と接触してませんからね。あの声がもう聞こえなくても不思議じゃないですよ」

そんな会話を背後に聞きつつ、貴方(黒羽)は倉庫街に足を運ばせる。
 一番前にある倉庫を一番倉庫と呼称して……二番、三番と当たり前であるかも
知れないが施錠されており中を伺うのには、曇りガラスが邪魔で中の様子も不明だ。
 強いて目立ったものを挙げるとすれば、二番倉庫の南京錠は比較的新しめと
言ったところだが……それ以外で倉庫の外観に不審な点は無い。

芦田「おっと、俺の出番かぁ〜? いっちょ窓ぶっ壊すか」

『なんで強行突破の発想に移るのっ。それなら私の能力でドアが開放した状態の
過去に改変しますよ』

芦田「つってもウィゴーちゃん、中で訳わかんねぇ化け物がうじゃうじゃいたら
こえぇ〜よぉ〜」

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトだってーの。さりげなく抱き着いて
こようとこようと近寄ってくんな! ……然しながら、ゴミ本体の意見も一理あるか。
黒羽さん、闇雲に倉庫の中を改めるのも確かに危険です。既に敵の手中と思って
行動するのが妥当でしょうからね』

そう芦田のスタンドが警告する傍ら、傭兵のハガネやアリゼは十メートル程離れた
地点で警戒をしている。黒羽の死角からの襲撃は、彼等が阻止してくれるだろう……。

812黒羽 灯世『インク』:2020/05/02(土) 17:49:08
>>811

「『聴こえない』……はずよ。『録音』ならどうでしょうね。
 『試してみる』のは、あんまり気が進まないけれど」

倉庫の中は伺えないようだ。
『透視』のような能力は自分には無いし、
扉なり、穴なり『開ける』必要はあるだろう。

「そうね、何があってもおかしくはない。
 目についた扉から開けていくわけにはいかない」

「『生き残ってる』なら、籠城しているはずだし……
 何か『人の残っている痕跡』が、あればいいんだけどね。
 後は何か、特徴? 例えばこの『南京錠』とか……」

比較的新しく見える。
『最近買い替えた』と見てもいいだろう。
つまり『使われていない倉庫』では無い。

「……開けるなら、ここからが良い気がするわ」

もっとも、プロが素人目にも分かる『不自然』を残すか?という疑問はある。
入っているのはアリーナの手とは限らない、最悪は『スマイリー・スマイル』だろう。

813『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/03(日) 22:23:09
>>812(レス遅れ失礼しました)

ヤジ「ま……虎穴に入らずば って言うしな」

芦田「よっしゃ、そんじゃあいっちょ俺がぶっ壊
『だから鉄板ネタみたいにすんな!』」


アリゼ「……あんた達もうちょい警戒心もちなよ。
いいよ、私が開けるよ」

呆れた面持ち、騒がしい男とスタンドを押し退けてアリゼは
『ピンク・クリーム69』を南京錠の鍵穴へと差し込む。少し
ピンク色のスライムの色が濃くなると、カチッ……と言う音と共に外れた。

キキィ……。

ヤジ「……資材が沢山あるな。建築用の倉庫か」

重く鈍い音と共に開かれた中には。土嚢や鉄筋 木材に鉄パイプなどが
山高に積まれているのが見える。建物の広さは100m程あるので
資材の少し入り組んだほうにも未だ奥があるのは安易に予想出来る。

 扉から覗き込んだ限りでは、人気は全くなさそうに見えるが……。

小林「何か手掛かりがあるかも知れません。私のスタンドで先行させましょう」

 フワッ……。

小林が、携行していた水筒の中からビー玉状のスタンドを浮遊させて
建物の天井を飛行させる。上から建物内を偵察出来る位置まで飛行を
終えると、軽く眉を顰めて彼は呟いた。

小林「……何でしょう? 時計のようなものが鎮座しています。
それと黒電話……?」

他にも小物のようなものが置いてるようですが、と言葉を終える。
 それと共に、誰も建物内には潜んでない事だけは確かだと貴方に
報告を告げた……。

814黒羽 灯世『インク』:2020/05/03(日) 22:54:29
>>813

「……? 妙な取り合わせだわ。
 『資材置き場』に『時計』はともかく『電話』?
 人が常駐してるなら『置き電話』も便利でしょうけど、
 多少広いとはいえ『仕事場』って雰囲気じゃあない。
 こんなところに置く理由は……『何かありそう』ね」

「それに、時計も……」

ここに荷物を取りに行かせた誰かと連絡が取りたいなら、
どう考えても携帯電話を持たせておいた方が良いだろう。
時計も同じだ。ここに来た人間が時間を確認したいなら、
腕時計でもあれば問題ない。あえて鎮座させる理由は無い。

「普通に考えれば、『普段は誰かが常駐している』か、
 もしくは……『誰かが必ず来る、と想定している』か」

「少なくとも……『スマイリー・スマイル』が即席で仕組んだ罠にしては、
 引っかける気が見えない。それなら扉の中に待ち構えるだけで十分でしょうし」

『斥候』は小林のスタンドに逆立ちをしても勝てまい。
彼の報告は信じるに値する。『足を踏み入れる』事にする。『脚を動かしてこそ』だ。

815『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/04(月) 20:54:08
>>814

ヤジ「罠の可能性は極めて低いんじゃね? 待ち伏せしているようなら
少なくとも俺達が車から降りた時で何かアクションあって可笑しくないしな。
 それでも、気は抜かないほうがいいし……おい、おっさん
俺達は入り口で待機しようぜ。ジョーとブロンドのねーさん含めた三人だけで
中を調べるのは十分だ」

アリゼ「わたし? まっ、いいけどね。そんな5、6人塊りで入るような場所
でもないし、ハガネが外で見てくれれば問題ないよ」

入り組んだ通路の横幅は人が一人か二人ぎりぎり並んで通れるほどの手狭だ。
 小林が頭上に浮遊させたスタンドでルートを確保しつつ、アリゼが緊急時に
ピンク色のスライムで防衛できるようマフラーのように自身のスタンドを
待機させるのを尻目に貴方達はその不思議な物体が設置していた場所に辿り着く。

『黒電話』 そして 『時計』 どちらも資材を積むためのコンテナボックスの
上に置かれていた。

『時計』は11:45分頃を指している、大きさフリスビー程度で装飾も特にない
極ありふれたもののように見受けられる……が、壊れているのかどうなのか
黒羽が見る中で、約二分ほど一気に長針が12のほう目掛け進んだ。

一方『黒電話』は、これも至って普通の形状だが。ダイヤルの回す数字部分の
代わりに干支の字が刻まれている。旧式のままに、コードがあるが
何処かにコンセントなどあるわけでもなく、黒い線はボックスに重力に逆らわず
垂れさがっているのが見受けられた。

小林「他に目立つものは特にないですね……使い古された安全靴やケースなど
転がってますが、何か役に立つものが残されてません」

アリゼ「うーん、何だかいかにもっ て感じに存在感放ってるけど
どうにも役立つように思えないし、外れじゃ」

   ジリリリリリッッ!!

アリゼ「って、わぁΣ 
……ぇ、これ黒電話の形してるだけか? ってか、警報機か!?」

特に誰かが触れたわけでもなかった。だが、その黒電話は鳴った。
アリゼは、壊す事も選択肢に含めてスタンドを攻撃態勢に移り
小林は、警報装置の類なら外で何か起きてるかと首を出入口に向けて
仲間へと声をかける。

小林「親友! そっちで何か異常はー!?」

ヤジ「いやっ! 特に何も起きてねぇが……何かあったかのか!」

小林「……いえ! 因みに電話の音は聞こえてます!?」

ヤジ「あーんっ!? 携帯鳴らしてんのか!?? 聞こえないぞー!」


小林「……彼には聞こえない。では、この電話は……」

 ジリリリリッッ!
  ジリリリリッッッ!!

……依然、喧しく黒電話は音を鳴らしている。

816黒羽 灯世『インク』:2020/05/05(火) 13:17:56
>>815

ヤジの言っていることは全面的に賛同出来る。
罠を張るには、あまりにも『回りくどい』。
それはそれとして、『危険』が無いとは言えない。
手元の『インク』を、意識には留めておく……

「…………!!」

「この音……ヤジさんには『聞こえない』?
 スタンドだわ。この電話そのものか、音だけか……!
 少なくとも『ただの黒電話』なんかじゃあないっ」

鳴り響いたタイミングも、あまりに『丁度』すぎる。
偶然デザインと音の変わった電話が置いてあり、
偶然自分たちが来た今、鳴った……とは思い難い。

「これを……『取らない』手はないわ。
 トラップの可能性もゼロじゃないけど、
 スタンドである以上『スマイリーS』は無関係。
 『救い』とは限らないけど、『意味』はあるはず」

鳴り響く電話を、取る。
時計も気になるが、今は目の前の出来事を優先する。

817『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/05(火) 23:15:00
>>816

ジリリリリッッ! ガチャ

?『あっ やっと繋がった! ハロー ハローッ! 聞こえる!?
いま電話に出てるのは【僕】だよねっ! そうだよね!?』

電話の主は、聞き覚えのない中性的な感じの声だった。
 取ると同時に、焦り声の早口で貴方に対し決めつけ話しかけるが
その内容も初っ端から意味が不明だ。自然に、貴方が
どう言う事なのか、と返答すると。電話の主は軽く呻き声を上げた。

?『あー、そっちも【僕】が居ないのかっ。
いいっ、よく聞いてね! 多分この通話も長くは保たないから。
この電話は【別の平行世界から掛けている】!
 意味がよくわからないかも知れないけど、それが僕のスタンド能力!
其処は多分アリーナ支部だろうけど、周りはどんな感じ!?
 資材だけなんだね! って事は既に襲撃があった世界線か……っ』

電話の主は、と言う事は既に襲撃に対し事前に察知出来たか失敗したんだと
早口で独り言のように呟きつつ、貴方に対し会話を続行する。

?『君が何者なのかどうかとは省くよっ。代わりに僕が何者なのかとか
余計な事は省くよっ。史上最悪といって良い規模の笑いの能力!
 こう言えば伝わるよね!? うんっ、僕のいる場所って言うか世界も
いま、その脅威に晒されている! それで、まだ何とか保っているけど
こっちは籠城して何時奴等に突破されるかどうかと切羽詰まってる!
 ――君の持ってる情報を僕に教えてくれ! その代わり、この僕が
見聞きした情報を君に授ける!』
 
 ……緊迫した謎の中性的な声の主は、貴方に対しスマイリーSに対しての
情報の提供を求めてきた。
 その対価として、謎の人物が持つという情報を教えてくれると言うらしい。

彼女? 彼? 曰く、その世界では奴等から籠城してるが崩壊寸前で
この電話も、この世界線の通話の主が生死不明な事から何時まで通話出来るか
わからないようだが、多分 そう長くは保たない……。

818黒羽 灯世『インク』:2020/05/06(水) 23:39:52
>>817

「……!? 『良く分からない』……でも『分かった』わ。
 少なくとも、あなたに話す事が『不利益』にはならない」

「知っていることを話すわ。
 あいにくあなたが何を知りたいのか、
 そこは分からない……だから『全て話す』」

『スマイリー・スマイル』について知ることを全て話す。
自分の言葉で話す必要は、特に無いだろう。
世界中に散らばる寄生型のスタンドであること。
そして『ソイル』が語った(>>656)情報を伝える。
つまり『奴らのみに通じるネットワーク』があり、
『声という消化液で魂を溶かして食らう怪物』であること。
また、『遊部』という少女の『末路』に関わる推論――
あるいは『インク』で得た『真実』から導ける推論――
すなわち、『逆位相』の『精神性』についても、
真に受けすぎないように、とは付け加えて話しておく。
話す順番も今挙げた順だ。『途中で切れる』可能性も高い。

そう。『時間がない』のはなんとなく『分かる』。
逐一『何を知ってるか』を聞いての一問一答より、
『とにかく知り得る情報を話す』事が重要な状況だろう。

819『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/07(木) 20:52:12
>>818

?『有難うっ! 話が早くて助かるよ。
……よし! それじゃあ早速だけど僕が他の僕や違う相手が
応じてくれた情報を統合したものを君にあげるよ!』

謎の黒電話なスタンドの本体である主は、早口で礼を告げつつ
貴方に対し回答を繰り出す。

?『僕のスタンドは簡潔に告げると、君と少し違う道筋を辿った
場所の世界。そう大きく異なった結果では無いから、君が欲しい
奴等を倒す解決策は僕にもわからない!

けど、推測なら出来る!
 まず、奴等の本体を倒すか能力の消滅。
【これは不可能に近い】と考えて良い!
 他の僕達で、そのアハガル山地へ向かうといった僕とは既に
繋がらないから、その世界は失敗してる……!

 最有力は【能力の中和及び無効化を見出す】事!

奴等の笑顔、笑い声、同調。それによる侵攻を喰いとめるんだ!
 あの怪物達について追加で僕や僕達が知ってる事だけど。
【奴等は感情が無い】! 吸収し傀儡となった奴等には生前の
視覚的な情報は残っていても、感情に基づいたものは残ってない!
それと、【逆位相】に、…く事がきっと鍵だ!
 君がくれた情報、凄く価値があった! 何とかこっちも頑張る!

――それと、気を付けて。その電話の場所に僕が居なくて電話のみ
残ってると言う事は。僕は消えてる可能性が高い。
 多分 もう    奴等になって――ザザ』


 
ヤジ「……ありゃ何だ!!!!??」

 電話が途切れかける、そして出入口を見張ってるヤジが
緊張を伴った、こちらまで聞こえる叫び声を放った。

外で何かが起きたか、起きようとしている。

820黒羽 灯世『インク』:2020/05/08(金) 14:34:22
>>819

アハガル山地への『決死行』は意味がない。
それが『はっきりした』のは大きい事だ。

「『中和』による食い止め……『逆位相』……」

逆位相。

『難しい言葉』だと黒羽は考える。
成田がそれを使ったのは『音』についてだ。
逆位相の音をぶつけると、『消音』が起きる。
だから『笑いの逆位相』を想定していた。

しかし……『敵には感情が無い』以上、
それは『感情の逆』ではないのだろう。
『なんの逆位相なのか』……それが分からない。

「あなたの話も役に立ったわ。……気を付けて」

いずれにせよ。

「……!! 『何か』来ているの!?」

『インク』で文字を書く――――『モノディが殴った(>>447)』

連打とは分解すれば『無数の一撃』。
一撃単位で『再現』すれば、大量の『手札』になる。

821『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/08(金) 23:30:31
>>820

?『ザザ ……僕の世界では 『遠州灘』   ザザ 『天文台』……』

      プツッ

謎の黒電話のスタンド使いとの通話はそこで途切れる。どのような示唆で
その地名と場所を告げたか考える間もなく、ヤジの危機感溢れる声に反応して
出入口に向かうと、彼の声に同様に駆けて手の届く範囲で黒い鋼のスタンドを
背負うハガネは不良青年と同じ少し向こうの上空を睨みつけていた。

アリゼ「おいっ、何だってんだよ坊主にハガネ……も」

倉庫より出た中で彼女は開口一番に尋ねたが、その方向を見れば
回答は不要だった。

 ――『鳥』だ。

カラス それにトンビなど、だろうか? 細かい種類について
今は問題でない、重要なのはその数だ……『万は優に超えている』  

それは黒い影の塊で、大河の如く空をうねっている。数万の塊の
空を横切る異常な鳥の大群はどう考えても自然では起こり得ない現象であり……。

ヤジ「き……聞こえる あの『笑い声』が」

アリゼ「……嘘だろ。人間にしか引き起こさない能力なんじゃ」

ハガネ「…………俺にも聞こえる」

小林「……私もです」

驚愕、慄きを大小あれど含めた声で四人は空を泳ぐ鳥獣の『奴等』を見て呟く。
 黒羽は『聞こえてない』が、彼等には聞こえてるようだ。

そして、一番問題なのが……『その群れは着実にこちらへ接近している』事だ。
未だソレは遠方を飛行しているものの見続けてる最中にも像は肥大化している。

 ――キキィ。
上空の危機を、ヤジと同時に察知した芦田は迅速に車に乗り込み貴方達の
いる場所に停車させて窓を少しだけ開き、声をかける。

芦田「おっしゃあ、とりあえず逃げるかよ」

ヤジ「いや、車じゃあ無理だ……! 相手は鳥なんだぜ!?
キャンピングカーじゃ、どうやったって追いついちまう!
 つうか、ありゃあ完全に街の非感染者纏めて同化させようって魂胆だぜ!」

小林「此処は倉庫街……隠れられる場所は多いですが、アレの
声を完全に塞げるような都合の良い部屋を今から見つけるのは
流石に難しい……この倉庫に逃げても、壁は幾らか老朽して
どうやっても外からの音は聞こえる」

ハガネ「……あの質量では、俺の能力では迎撃は難しいな」

アリゼ「っそうだ! ピンク・クリーム69なら、密封した空間にして
疑似的に無響室みたいに出来るかも……っ
 あぁっ……でも、今の質量じゃ私を含めて二人ぐらいしか入れられない!
今から栄養を摂取させて大きくさせようたって時間が……!」

全員が口々に、上空から迫る逃れられないスタンドの攻撃に対応しようと
口にするものの良い案が浮かばない。

 ……どうする?

822黒羽 灯世『インク』:2020/05/09(土) 20:00:53
>>821

「『遠州灘』…………見た記憶がある。
 成田君の経験した『事実』の中に…………!」

「……!? 『鳥』!? 哺乳類ですらないじゃない!」

その意味を知るには、ここを切り抜けねばならない。
鳥の大群。あまりにも『想定外』だ。
これでは『船』でさえ避難場所どころか棺桶だろう。

「『インク』で『爆弾』なら出せるはず……だけど、
 指向性のある地雷じゃあの数には対応出来ない。
 『栄養』の塊みたいな『コーラ』も出せるけど、
 飲ませる時間が足りないって事の解決にはならない。
 …………『一か八か』の策が、あるとすれば」

『インク』は元々『人型スタンド』を再現出来る。
スタンド能力は再現出来ないのが欠点だったが、
先ほど明らかにスタンド由来の『コーラ』を出せた。

ならば。

「『逆位相』……成田君の力を借りれば……『あるいは』」

『スマイリー・スマイル』の足を、唯一止められた力。
つまり、『モノディ・レクイエム』の『咆哮』もまた、
再現出来る可能性は、十分にあるのではないだろうか?

「時間を稼げるかもしれないわ。可能性は高くない賭けだけどね」

書く文字は『モノディは、成田君は叫んだ』……『出来るだろうか』?

823『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/09(土) 22:37:06
>>822

 シャッ   シャシャッ!

本来ならば、『レクイエム』の状態のスタンドを発現する事など
まず間違いなく不可能だ。そう、本来の貴方の力ならば。

だが……高次元の域へと矢を使用し足を踏み入れている黒羽ならば……。

――モノディ  成田君

      キイイイイィ

 『……ぁ? えっ オレ……』


――『成田』が、あの時のベリルと心象風景の中の時と同様
インクによって象られたような形ながらも確かに意思を伴った
成田 静也が傍へ降り立った。
 周囲の小さな驚きを他所に、本人は少し困惑した様子だ。
確か爆発に巻き込まれて……と言った感じで。彼には少なからず
意思があり、死亡するまでの記憶が残っているような状態のようだ。

 成田『黒羽さん? ……っ! あの鳥達の笑い声は……。
つまり、そう言う事なんですね……』 ズンッッ

インクで描かれた成田はスタンドを発現させる。険しい目で
高速で空を舞って接近する空を制する奴等となった鳥獣を睨む。

既に1km圏内を空の大群達は迫ってきている……。
 記録が正しければ、レクイエム・モノディはその逆位相の
音波で毒となる笑い声を相殺は可能な筈だが……。

――一つ貴方の心の中に疑問が生じた。
『相殺した後に……どう奴等(鳥達)は動くだろう?』

(※799で告げてた『レクイエム・インク』の伏せていた能力。
貴方が邂逅した中の人物であれば、その名をインクに記載すれば
生死の有無、スマイリー・スマイルの捕食など関わらず発現可能。
 ただし、記録の中での性格など投影されるので。ケープのような
自我が無い存在などは命令をきかず無差別に暴走する状態で再現
される危険性がある。またレクイエム状態の為、本体である黒羽が
気絶・死亡するか。発現した生物が行動継続不能になる程のダメージを
負わない限り、任意で解除しない限りは自動で解除されない)

824黒羽 灯世『インク』:2020/05/10(日) 20:07:58
>>823

「!? これ、は………………これが、『レクイエム』」

「『死者』を働かせる『鎮魂歌』だなんて……『上等』な皮肉ね」

これは。そうだ。成田本人ではない。
その事は何となく察せられた。
彼は己の『主観』の中の仲間でしかない。
『記者』としては、失格の能力だろう。
だが……黒羽自身には自嘲の色を帯びた納得がある。

「私の心から蘇った貴方に『指示』はいるのかしら。
 いるのなら……お願いするわ、『あれら』を止めて」

納得を超えなければならないとも思う。
だがそれは、『全てが終わってから』で良い。

(……問題は。問題は『その先』にある。
 成田君の攻撃は『足止め』にはなるけどそれだけ。
 世界の鳥類を絶滅させられるとは、とても思えない。
 そもそも、笑いを止めても『鳥自体はどうなるの?』)

少なくとも……『ここにいる数万』は、何とかせねば。
そのためには『殲滅』か、『中和』が必要なのだろう。
中和……言うは易し。だが、『道筋』が未だ見えない。

(…………『斑鳩さん』の力を借りる?
 彼のスタンドの鎖は広範囲を薙ぎ払うことも出来る。
 でも、それでも足りない。『万単位』……)

「…………今から成田君が音波で笑いを相殺する!
 『笑いが効かない』と見たら『襲ってくる』可能性が高い……
 屋外で全方位から攻められるよりは、屋内の方がマシだわ!」

全ての正解をすぐには出せない。
違う結果もあり得る。まず『動く』事にする。
『モノディ』の『レクイエム』で起きる現象を、
戦力に長けるであろうハガネを始め全員に共有しておく。

その上で、可能性としては鳥の『特攻』を想定し、
屋内……あるいは車内に駆け込めるよう、位置関係を確かめておく。
少なくとも、そうなった場合の迎撃に即応出来る手札は思いつかない。
斑鳩やベリルを呼び出し『数』を増やす程度か……それも確実性に欠ける。

825『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/10(日) 23:46:13
>>824

貴方の言葉に対し、力強く応じ『インク』によって召喚された成田は
同色のモノクロなスタンドである彼のモノディを発現し、大きく叫ぶ

咆哮、慟哭とも言ってよい叫び声。迫って来た鳥達の羽ばたき以外に
黒羽の耳には不快な音は拾わぬものの。他の者達の顔付きが未だ
問題ない事から『相殺』は成功したと感じられる。

倉庫へ避難し、十数秒後……予想されていた攻撃が開始された。

 ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴッッッ゛

ヤジ「うぉぉ゛っっ だ、大丈夫か……!?」

小林「多少は老朽化しても、元々は資材を守る倉庫だ。
高速で急降下してくる鳥獣の体当たりとは言え、突き抜ける事は難しいですよ」

ハガネ「……突き抜けられても 迎撃には問題ない」

倉庫の屋根は大きく全体的に陥没がなされた。間違いなく貴方達の肉体を
殺傷する目的での自爆に対する躊躇のない特攻だ。
 然し、元々が只の鳥である事も踏まえ屋根を貫通して威力を保ったまま
貴方達を傷つけられる程のパワーは宿していない。

暫く心休まらない激突音が続いたものの、十数秒してから
インクの成田が呟いた。

成田『オレの耳に、大きく遠ざかっていく羽ばたきが聞こえます。
どうやら、街の中心に去っていったようです』

……どうやら、一先ず危機は去ったようだ。

小林「街へ……となると防御手段のない星見街の住人の殆どは
壊滅されると判断して良い」

ヤジ「黒羽ちゃん、どうするよ?
一刻の猶予もねぇ感じだぜ。そろそろ奴等に対する打開策思いつかねぇと。
 そっちのスタンドで蘇った成田が幾ら、あの化け物共の声を防げるって言う
アドバンテージあってもよ。あいつ等が本気で兵器とか運用してきたら
そっちの伝説の傭兵とかが居てくれてもよぉ……勝ち目は無いんじゃないか?」

貴方達の危機は一先ず回避した。だが、街の命運は絶望的だ。
 
このままでは、奴等の浸食を指くわえ見守るのみだ。

 カチ カチ カチ ――チッ

あの『時計』のほうを何の気なしに視線をやると
『11時54分』に針が動いていた。当然ながら、今の時刻は
午前中ながらも、この時計の表示とは異なっている。

……『黒電話』は、既に消失していた。

826黒羽 灯世『インク』:2020/05/11(月) 22:24:39
>>825

小林の言葉には少なからず心は痛む。
だが、そうだとして、そうするしかなかったのだ。
自分達が死んだとしても結果は同じだった。
町内放送で成田に吼え続けて貰いでもすれば別か?
……意味がない仮定だろう。

「……どうする、って」

(『打開策』……この状況。認めなきゃいけない)

         (『思いつかない』という事を)

ヤジの言葉はいかにも他力本願だが、
スタンド使いではない彼に求めるのは酷だろう。

「電話で聞いた……『遠州灘の天文台』にでも、行ってみる?」

自分にも、『逆位相』の意味が、いくら考えても分からない。
『逆位相』――――『感情の無い』連中に働きかける以上、
それは例えば『感情の乗った声』なんかじゃあないのだろう。
小林の治療についても、そのような経緯は一切なかった。
ただ単に、彼が『自分で壁に頭をぶつけた』というだけだ。
位相も何もあるまい。そして『再現性』があるかも怪しい。
その後の寛解にこそ『経緯』があるのだとすれば、
それは小林自身には分かっても自分には分からない。

・・・『手詰まり』の文字が頭に浮かぶ。『認めたくはない』。

「これは――――――『終末時計』 ってところかしら」

思わず零す。弱みは、見せたくないのだが。
謎めいた時計は、安直に考えればそんな『暗示』を感じた。
無論、そんなものが置かれている意味は無いだろうから、
『時計のずれ』をそう考えてもしまうほど『弱気』になっている、と自覚する。

827『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/11(月) 23:01:07
>>826

>『遠州灘の天文台』にでも、行ってみる?

ヤジ「天文台と遠州灘? ……ちょい待ってくれ。
天文台はH湖近辺だったよな、なぁ?」

小林「えぇ、天文台はH湖の方面です。……電話で、そう言ってたのですか?」

貴方は先程の平行世界の電話の主の言葉を思い出す。
途切れ途切れに『天文台』と『遠州灘』と発していた。切羽詰まった状況で
報せたからには、間違いなくその地名には大切な事柄が秘めてるとは思える。

ヤジ「遠州灘は……つまり、海岸って事だろ?
天文台は、天体観測で何回か足を運んだ事あるが。いま行く程に
重要な場所なのか?」

小林「少なくとも、電話の主は私達よりも情報を多く持っていた。
ならば行くべきでしょう……残された時間は少ないのだから」

ハガネ「……この倉庫街から向かうとすれば。街を突き抜けるか
その遠州灘に近い海沿い。どちらか二つの道から天文台に向かうべきだな」

アリゼ「そんなん、人が余り居ないだろう海沿いを車で走らせるのが当然っしょ」

ハガネ「……既に街が変貌しているのなら、どう奴等が動くかで海沿いであろうと
街中であろうと地獄には変わらないだろう」

遠州灘は、謂わば海岸沿いだが。特徴のある建造物かあるでもないし
何かしら手掛かりを探すのなら『天文台』だろう。
 ただし、今から向かうのであればだ。怪物と化した鳥達の攻撃を受け
ほぼスマイリー・S化した星見町の住民、いや 生物と対峙するのは避けられない。

街を突き抜けるルートも、迂回して向かうルートにするにしても
危険はつき纏う……。

828黒羽 灯世『インク』:2020/05/13(水) 01:25:12
>>827

「……そうね? 言われてみたら『天文台』なんて、湖畔にしか無い。
 でも、遠州灘……『どういうつもり』でその地名を出したのかしら……」

無意味なノイズだった、とは考えない。
あるいは『誤解』を伝えられた、とも。
……可能性はもちろんあるが『最悪の可能性』だ。

「……電話先の人間が、あの状況で『謎掛け』をしたとも思えないわ。
 よほどじゃなきゃ『何かがある』地名だからこそ口に出した、はず。
 あの時電話が切れかけているのは向こうも理解していたんだから、
 最後の最後に滑り込みで伝えたい、その程度の『意味』はあるはず…………」

はず。はず。……はずだ。
なにもかも可能性でしかない。
ヤジの懸念は分かるが『じゃあ何をするのか』だ。
考え続ければ急に全てが分かる段階とも、思えない。

「……町中は確実にもう汚染されてる。私も海岸沿いの方が賢明だとは思うわ」

「敵に読まれてる可能性はあるけど……町中は、読まれようがなかろうが危険だもの」

座して、頭で考えて、或いは遊んで滅びを待つよりはずっと『納得』出来る道だ。
上等であると信じる道を行く。上には、向かい続けなければならない。

829『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/13(水) 19:57:57
>>828

芦田「海岸沿いから、天文台かい? 
おっしゃあ、ウィゴーちゃん。かっ飛ばすぜぇ〜!
なんか襲撃あって車が大破しかけたら、よろちくびー」

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトだってぇの。
未曾有の危機が町中、いや世界で蔓延ってんのに何時も通りに
頭可笑しい胆力だけは尊敬してやるわ』

ヤジ「……おっさんはすげぇな そのマイペース振り、尊敬しねぇけどよ。
へ へーくしゅっ!!
……くそっ、ちょいと気が抜きかけたら。まーたくしゃみと鼻水に涙が
出てきたぜ。ジョー、残りの薬いくつあるよ?」

小林「10錠あるかないかですね……」

ヤジ「くっそ、昨日やっぱ買い溜めしとくべきだったな」

不良青年の片割れは、鼻水をティッシュでかみつつ小林から
受け取った薬を一粒、涙を水筒の蓋を受け口に落としながら水と
一緒に飲み込んで車へと乗りこむ。

 ――ブロロロォ……。

車は走らせ始めた。少ししてから水平線が見渡せる海沿いの道沿いを
キャンピングカーは走行する。

ヤジ「……そう言えばよ、クシュン。
星見町には自衛隊の駐屯地とか、あったっけ? ……ないよな」

小林「あるとして、せいぜい銃砲店か警察署ぐらいですよ。
この街で行き成り襲撃されるとして、想定される危険は」

走りつつ、不良一組は想定される これからの危険を空の鳥達は
除外して話し合う。

ヤジ「まぁ、だよな。行き成りミサイルぶっ放されるとかは
心配しなくて良いわけだ。さっきの、化け物鳥達も脅威は脅威だけど
成田が居てくれりゃ、心配はしなくて良いわけだろ?
 最強の傭兵もいてくれる訳だし……」

そう会話する口振りは途中で途絶えられる。窓から見える風景に
異常さが見えていたからだ。

狐 イタチ……野犬などの森に生息しているであろう生物達が
貴方たちの走る道路の横沿いの森林のある周辺から数えるのが億劫な程に
ジッ……とこちらへ視線を向けているようで、動く事なく貴方達の乗る
車に対し体を向けて動かないでいる。

小林「……襲い掛かってはきなさそうですが」

アリゼ「気に入らないね……まるで私達が感染してないのを理解しながら
黙認して素通りしてるようだ」

動物達も感染化しているのは明白……然しながら、彼等も黒羽達の戦力を
理解してる故に、考えなしに特攻を仕掛けようとはしてない。
 ただ、自分達(スマイリー・スマイル)にとっての不純物の動きだけは
捕捉しておこうとしているかのように、車窓から小さくなっていく物陰の
視線は何時までもこちらを追っていた……。


そのまま貴方達を乗せた車は海岸 『遠州灘』の方面に辿り着いた。
時節は寒い時期だからか、人気は幸い殆ど無い。
 沖へ向かう為のものか、小さなモータボートが数台鎮座している……。

アリゼ「なんも無さそうだね、ボートも車から見る限り異常なし。
電話じゃ何かあるって言ってたようだけど、この辺とにかく一通り
何かあるか探してみる?」

幾らか減速して、海岸の周りをゆっくり見渡しているが各々
異常は発見出来なかったようだ……くまなく調査すれば、もしかすれば
別の結果もあり得るかも知れないが。

830黒羽 灯世『インク』:2020/05/15(金) 02:08:22
>>829

ふと、水筒に落ちた『それ』が気になった。

「……『涙』が薬なんていうのは、洒落すぎるかしら」

泣くことにとって、涙は『象徴的』だ。
唯一の治療例である『小林』は、
『感情は関係ない』のだとしても――
むしろ奴等にも存在しない『感情』とは無関係に、
常に泣き続け、文字通り『涙を飲む』ヤジと行動を共にしている。
何も確証はない事だが、『小林の飲料にも混入していておかしくはない』。

(試す甲斐くらいは、あるわね)

          シュッ   ペロ

己の左目を擦り、涙を筆先に付け、
それを経口摂取する。ほんの試しだ。
『自覚出来る作用』は無いかもしれない。

「……『成田君のレクイエム』については、
 すでに共有されていると見ていいんでしょーね。
 上等だわ、襲ってこないならそれはそれで好都合」

遠州灘に到着するまでは、少なくとも安全という事だ。
だからこそ、先に挙げたような『試し』が出来るわけでもある。

「そうね……今の所は、『ゴール』も無い。
 『何かある可能性があるところ』は、『寄り道』じゃなく『目的地』」

「とはいえ、『見てわかる範囲』以上を調べるのは意味が無いでしょうけどね」

見て分からない物は調べても分からないだろう。『見える範囲を探る』くらいは、しておく。

831『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/15(金) 22:54:31
>>830

『涙』……そうだ、確か貴方とヤジに小林。あの裏路地で命からがら
逃走し終えた後、ヤジは嗚咽まじりに薬と水を飲み干し。そして小林も
その水筒を回し飲みしていた……。

それからだったのではないか? 確か、彼(小林)の体調が改善に
至ったのは……。

然し、今のところ貴方は奴等の声は鳥の襲撃の時は聞こえてなかった。
 次の襲撃によっては、今の行動が正解か否かわかるかも知れないが
今の生理的な反応によって摂取した涙は、各段に気分が良くなるような
自覚症状を感じはしなかった……。

芦田「りょ〜うかい。そんじゃー、適当に海岸調べっかー
真夏なら、ウィゴーちゃんと海水浴楽しめんのになぁー
ウィゴーちゃんの水着とか、すげー綺麗なんだろうなー」

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトです。
もう、何もその馬鹿馬鹿しい内容についてはコメントしねぇわ』

キキ……ッ。

ハガネ「ボートは調べておこう」

アリゼ「二、三艘しか無いし。あと他に特筆として目立つもん無いし
直ぐに済むよ」

ヤジ「……ちょいと小休止がてら、腹ごなししておくか。天文台に
辿り着いた途端、行き成り四方八方から襲い掛かられても不思議じゃねぇ」

気を張り詰め過ぎても仕方がないとばかりにヤジは軽食、小林も軽く水分
補給を行い。ハガネとアリゼが率先して二人でボートを調べる。
モータボートは大体三名程乗れるボートが三台程度鎮座していた。


芦田「……なぁ、黒羽ちゃん」

休憩がてら、一本煙草に火を点し紫煙を揺らす男性は
何時になくおちゃらけた雰囲気を少なくした声色で、貴方に声をかけた。

芦田「おめーさん、『矢』っての刺したじゃん?
んでさ、今はそいつ。効力失ってんだよな?
 ちょいと、俺達に渡してくれてもいいかい?」

……何か意図があるのか、芦田は貴方から『矢』を貸して欲しいらしい。

832黒羽 灯世『インク』:2020/05/17(日) 01:33:22
>>831

(『自覚症状』が無い以上、『治った自覚』も……か)

今は、考えない。
他の全てと同じだ――――『確証』は無い。
正しかったかどうかわかるのは、その時が来てからだ。

「そうね。その間はここで待っておく。
 ……『休める』時に休むのも、良い事だわ」

「……」

     ス

芦田にだけ見えるように、『矢』を示す。

「『ふざけている』ようではあるけど、
 なんだかんだで『協力』してくれてる」

「『他意』は無いと思うけど……『意図』は、何?」

無理やり奪ってでも使う『確信』があるなら、かまわない。
だが、『説明』を彼が望むのであれば、それを聴く時間はあるだろう。

833『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/18(月) 00:06:01
>>832

芦田「……どうよ? ウィゴーちゃん」

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトですって。
そうですね、無理だと思いますよ。効力を取り戻すのは』

芦田「そうかい、まぁ女神も万能じゃねーってか。
いやさ、『矢』の力が失われてんなら。ウィゴーちゃんの能力で
元の力が戻せれるのなら、まだ何かしら出来るかも知れないからよ」

どうやら、彼(芦田)は矢を強奪して何かしら悪用と言うよりは
自身の片割れで使用可能な状態に戻せるか知りたかったようだ。
 ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトに名前の訂正と女神の呼称を
文句と罵りに何時ものふざけた笑みで対応しつつ話を続けた。

芦田「実感なかったけどさ。あの化け物鳥達と あの声を直接目と耳にしてよ。
俺らしくねぇけど……こりゃ、駄目なのかもなぁって思わず納得しかけてなぁ。
でも、黒羽ちゃんは諦めてねぇんだし。ウィゴーちゃんも最後の最後まで希望を
捨てるとは何事だって言ってからさぁ……やれると思える事は全部やるしかねぇんだろうな」

本当、俺らしくねぇんだがと芦田は嘯きつつ煙草を吸い終える前に告げた。

「――あんたの力なら『矢』も呼び起こせるかもな」

……そこで、ハガネとアリゼがボートに異常はなし。海に出る事になれば
問題無く使用出来ると報告して車へと戻った。

 
        ブロロォロロロ……

ヤジ「H湖近くに差し掛かったな……周り一面木々だらけだ。
さっきの山犬なり野生の動物も気にかかるし、より一層気を付けようぜ」

 既に舗装道路でない自然の道路をキャンピングカーは走る度に幾らか
ガタガタと揺れつつ走っている。もう後少しで天文台に辿り着くと言う所だが。

   ――キキィ……!!

アリゼ「うぉ……っ!? なにっ! 敵襲っ!?」

芦田「……いや、こっから先はもう車は使っちゃいけねぇとさ」

……車窓から見ると、多くの木が打ち倒され道を塞いでいる。
遠目だが、木々のバリケートの向こうも、似たりよったりの障害物が垣間見えた。

芦田「ウィゴーちゃん、過去改変でどうにか出来そう?」

『やろうと思えば……しかし、向こうも明らかに塞がれてますし。
一々降りて時間をかけるよりは密集して徒歩で向かうのもありかと』

一応やろうと思えば、障害物を貴方達の力で強引突破して車で
目的地まで辿り着けるだろう。徒歩で向かうにしても……この様子なら
明らかに先で何か待ち伏せがありえそうだが。

834黒羽 灯世『インク』:2020/05/18(月) 01:11:03
>>833

「『矢』――――そうね、出来るかもしれない。
 私の『インク』は、とびきり『上等』だもの」

理屈で言えば『可能』には思えた。
なにせ、『成田』が呼び出せるし、
そのスタンドさえ行使できるのだ。

「……『乱用』する気には、あまりなれないけどね。
 やるなら『誰が使うか』決めて、『使うときに出す』。
 出しっぱなしで持ち歩いて、連中に奪われでもしたら終わりよ」

「でも、選択肢には入れておく。『やれることは全部やる』
 ――――あなた、思っていたより、けっこう『上等』だわ」

―――――『なんでもできる』とさえ、思える。
それが全能感に結びつかないのは、ひとえにそれ以上の『脅威』ゆえだ。

もっとも、最終的には『上』に立つつもりではいる。『折れてはいない』。

「『クレイモア地雷』を出しましょうか。……出せるかしら?
 成田君に、『逆位相』の音で『消音』を頼めればいいんだけど」

「『レクイエム』とはいえ、2つ以上のものを再現できるかは、まだ試してないわね」

なので試そう。『ここでは使わない』としても、今の内に試しておこう。
成田は今も出ているのだと思う(自動解除されないため)が、『クレイモア地雷』(>>483)を出せるか?

835『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/18(月) 21:03:17
>>834


 シュッ ――シャッッ シャッ    キィーンッ……!

『クレイモア地雷』……直視した訳ではなかったが、貴方や貴方の仲間が
あわや体中蜂の巣より酷い事になりかけた指向性の地雷。
問題無く発現された。ただ、感覚的に半自立と言う感じで貴方に付きそう
成田を除き、指向性の地雷は解除か役目を遂げない限りは次の『再現』は
出来ないような気がした……。

ヤジ「うぉ、おっかねぇの出したな。……この車の近辺に設置して
何か来たら発動させる感じ?」

小林「こちらも、一応持てる限りの武器は携行していきますが。
ソレなら天文台まで辿り着いても明瞭に音が出るし、良い方法とは思いますよ」

芦田「上手く嵌ってくれるかは神頼みだけどな『茶化すな!』 うぇーい
『まったく……とりあえず、車付近の木々ぐらいは撤去しときましょうよ』
そうだねぇ、ウィゴーちゃんの奉公精神にゃあ頭が下がるよ
『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』だっ!」

芦田とスタンドは、ひとまずバリケート化してる木々を撤去しようと近寄る。
その周辺は酷く木々が埋もれ、腐敗した木屑が地面を覆っている。

ハガネ「地雷の知識ならある。設置する場所に悩むなら手伝うぞ」

アリゼ「ピンク・クリーム69。食い溜めだっ こっから先は何か起きても
迅速に対処出来るように一杯食べな」

傭兵は貴方に近寄り、アリゼは車に詰め込んでいた食事をスタンドに摂取させ
何時でも攻防可能な準備をしてる。小林とヤジも車の中で携行する武器を
選別してる最中だ。

836黒羽 灯世『インク』:2020/05/18(月) 21:24:05
>>835

「……これを起爆するか解除しないと、
 別の物とかは『再現』出来ないようね」

一応口に出して言っておく。
味方にも共有しておくべき情報に感じた。

「バリケードの除去に使うつもりだったけど……
 そうね、対人地雷にさせる役割じゃないかしら。
 ハガネさん、『軍事』の知識で張り合う気は無いわ。
 あなたの考える最良のポイントを教えてちょうだい」

流石に、本職に知識でマウントは取れないだろう。
地雷自体詳しくないのだ……いわんや設置の基準をや。

「それと……一応、奇襲だけは気を付けましょう。
 まあ、改めて言うことでも無いとは思うけど」

周囲の木屑には注意を払う。
まだ『虫』までは支配されていないと思いたいが、
毒を持つそれらが飛び出てこないとも、限らないからだ。

837『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/19(火) 19:28:25
>>836

ハガネ「ああ。この地形ならば……」

キャンピングカーの後部にある地面を指し、角度を教える傭兵と
それを見る貴方。傍らにはレクイエムで発現されてる成田も周囲を
見渡しつつ、ぽつりと呟く。

成田『……嫌なぐらい静かだ。生き物の音が殆どしない』

 カツ カツ カツ カツ

成田『まるで、この森そのものが。オレ達を狙って
息を潜めてるような……』


    ズボォォ―――!

芦田「ぁ?」『へっ』


           ―――ゴォォッン――zノッドギャッ゛ッ゛!!

……芦田が、そのバリケートとなる木々の周辺の木屑に足を踏み込んだ
瞬間だった。地面の崩落する音、彼とスタンドが間の抜けた声を上げた束の間
その大人一人とスタンドの姿は地上から消え、そして重く鈍く耳障りな
幾らか柔らかいものが固いものに叩きつけられる音を聴いた。

急変に、顔色を変えて車内の面子も貴方へ指導していたハガネもその
穴へと駆け付ける。見下ろせば、約3,4m程の真下で彼は居た。


芦田「……ァ゛……ゴフッ……ッ゛ こ……りゃ゛……っ」

口から血の泡を吹きつつ、痙攣しつつ胸部から鋭い岩を生やしつつ
彼は仰向けで自分の体に突き刺さっている岩肌を無駄な抵抗と
知らずか知りながらか触れている。その傍らには、DFを受け同じく
痙攣しつつウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトも穴の壁面に
寄りかかるようにして呻いていた。

『……ワナ……ワナ…………気付……け……なかっ』

芦田「う……うぃ……ごー……ちゃん、しゃべ……喋っちゃ……いけ ね」

口を動かすたびに、彼の顔からは血の気が引きチアノーゼが見え始めてる。

ヤジ「っ早く助けねぇと!」

成田『っ! 待ってくれ……聞こえる。無数の何か小さな音が一斉に
森全体で動いている……凄い数だ!!』

  ――もう直ぐこちらへ迫ってくる!!

芦田は、人為か地上に潜む生物によってか作成された落とし穴で
瀕死の負傷を受けた。
 そして、超感覚を担うレクイエムの成田は森全体で彼が罠にかかったのを
受けて一斉に何かがこちらへ向かおうとしている事を感知した……。

838黒羽 灯世『インク』:2020/05/19(火) 20:09:27
>>837

「…………!?!? 『落とし穴』ッ……!!」

          「……………!」

(こ、このサイズ! 明らかに『事前準備』している!
 私たちが来ることを読んでたのは間違いないとして、
 数十分で済む作業とは思えない……『ここに何かある』)

(けど、それより!)

芦田は、『死ぬ』。
それがわかる。

だが…………『分かった』から何もしないのか?
それは『スマイリー・スマイル』に降伏するのと同じだ。
クレイモア地雷を、『任意解除』して消し去る。

「『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』は過去を変えられる。
 …………『そのレクイエムなら』ッ! 間違いなく『今がその時』だわ……!!」

再現するのは、『レクイエムの矢』。
意味があるかどうかを考えている時間など無い。
それを『スタンド側』に、躊躇いなく投げ、突き刺す!

恐るべき大群が迫るより早く、『戦力』を……『仲間』を取り戻す。

839『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/19(火) 22:36:22
>>838

 ――シュンッッ  シャッ シャシャッ――zノッシャァッ!

『クレイモア地雷』解除 そして、貴方がインクで呼び出したのは
黒でほぼ構成されつつも、淀みない輝きが目にされる『矢』だ。
 それを躊躇なく……『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』へ刺す。

    ドシュッッ   パ   ァァア ・ ・ ・ !

幻視かも知れないが、突き刺さると同時に芦田のスタンドが一瞬輝いたようだった。

それと同時に、モノクルのスタンドの胸部にぽっかり空いてた穴は塞がり
光の粒子をスタンド像の周りに舞わせつつウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは
壁に寄りかかり硬直してた状態から浮き上がり、半覚醒といった様子でまじまじと
自分自身も再起不能状態だった部分をまじまじと見る。

『これが…… 矢 の効果……? 
――繋がりが  切れて、る? それでも 動け てる? ……はっ!?』

…………『芦田』は未だ設置されていた自然の鋭い岩に貫かれている。
血の泡を吐き、既に瞳孔は焦点をあっておらず全身に痙攣が周っている。
 その様子を認めると、急ぎ駆け寄りスタンドはその華奢な手を体に伸ばす。
DFが共有されない、そして発言を鵜呑みにすれば そう言う事なのだろう。

『――ッ! 駄目っ 駄目っ! 駄目っ!!
大丈夫、大丈夫だよ……いま、無かった事にするから。私の力で、助けるから!』

 ズギュン……フッ  ズギュンッ……フッッ  ズギュンッッッ――フゥ――

貴方は、必死に何度も愚かしく十数秒すれば死ぬ芦田にフィルムを引き出そうと
試みるも出来ないスタンドの姿を見て無意識に悟る。
 恐らく、あの様子では『過去改変』は無機物のみに適用とされる能力なのだろう。
生物を治療するといった前提で使用出来る能力をスタンドは備えてないのだ。
それを理解してか、してないのか何度も今やレクイエムの影響で自立可能となった
スタンドは元本体へ能力の適用化を無駄に試みている。

ズギュンッ フッ―! ズギュンッッッッ フッッ――!!

『発現してよフィルム……頼むからっ 頼むから発現してよぉおおおおおお!!』

  ……ウィゴー……チャン

絶叫するスタンドに対し、芦田はか細い声で名を唱えた。それに対して反応した
ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトが顔を寄せるとボソボソと芦田はスタンドの
耳付近に最後の力を振り絞ってか顔を寄せて何かを囁いた。

           ……カクン

そして、彼は僅かに自分のスタンドに笑いかけると。そのまま瞳から光をなくし
首の筋肉は解けて重力のままに首は下へと折れ曲がっていった。

840『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/19(火) 22:53:41
>>839

ヤジ「何がだよっ! 何が近づいてくるって!?」

成田『もう直ぐ来る……ッ 30m……20mっ!』

小林「―リヴィング・イン・モーメントッ」

落とし穴周辺で、成田の声に呼応しつつヤジは手製の爆弾。
小林は可燃性の液体水槽を四体程を付近に浮遊させる。
アリゼやハガネも手持ちのスタンドを構え、迎撃態勢へ移った時だった。


 
 ――ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ
ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ
ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ
ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ

それは大量の『鼠』だった。
野鼠やドブ鼠など種類関係なく。その大群は貴方達目掛け洪水よろしく
接近する。対し、貴方達の仲間も案山子ではない。

   ボゴォ――zノッ!!    パリンッ  ボオオオオォ!!

迫る茶や黒の大河に対して爆弾や手製の焼夷液を振りまき
大火の防波堤を即席で結成する。幾らかは、その炎の前に貴方達に
辿り着く前に死に絶えるが、しつこく全身火達磨になりつつも接近してくる
幾つかはハガネのアイアン・セイヴィアー 
アリゼのピンク・クリーム69が薙ぎ払っていくが……終わりが見えない!

ヤジ「くそったれ!! このまんまじゃ、こいつ等の餌食にされるか
笑いの音波吐かれて、お仲間になるかだ! まだならねーのは成田が
いるのをあっちが知ってるからかぁ!?」

アリゼ「ちっ……キリないね! こいつらジワジワと嬲り殺すつもりだっ」

彼等も手持ちの力や武器で果敢に応戦するがジリ貧だ。
 どうにかして、突破口を開かなくてはいけない……!

841黒羽 灯世『インク』:2020/05/20(水) 22:33:33
>>839-840

「……………………………………やるしか、ない」

「それでもやるしかない……『やらない』よりはずっと上」

『レクイエム』は都合の良い『神』ではない。
それは理解している……それでも『するべき』と思った。

芦田は『死んだ』。……『事実』だ。
彼のスタンドの行動、それが無意味なのも『事実』。
それでも、彼女は『そうしなくてはならない』。
死んで消えるべきだったとも考えない。

「『インク』…………まだ、やれるのだわ」

レクイエムの矢は『使った』。
役割を果たしたなら『枠が空く』。

(生きていても死んでいても『筆法』は『再現』する。
 生きていてもなら、『この場にいても』出来るはず。
 筆法は元々、その場で見た事実を再現する技……!)

「…………『最強の傭兵』を、『もう一人』!
 『ゴースト・ストーリーズ』……これで戦況を打開する!」

『ハガネ』――彼を『再現』する。
彼がどういう人間なのかはよく知らないが、『最強の傭兵』だ。

半端な火力を増やすより……現状の『最大火力』を、二倍にする。

842『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/20(水) 23:47:18
>>841

貴方は筆を振り翳し 『ハガネ』と名を描く。

 シャッ――zノッシャッッ……ッ   ヴォオ゛ン゛

全身が黒で構成される寡黙ながらも姿形は今も貴方達に終わりを
与えんと押し寄せる存在に応戦する傭兵の姿が降り立つ。

だが、この瞬間貴方には成田を招来した時と異なる手応えを感じた。
新鮮な再来と言うよりも、普段の用途で使用していたゴースト・ストリーズ
ソレと同様の能力を使用した時のような……。
(※『レクイエム・インク』による記録の中の人物の投影だが、いま現在
一人召喚してる為、更にもう一人の召喚を長時間発現するのは困難。
事前に、能力説明をしてなかった為今レスでは行動を通すが
次レスからは記録の人物の投影に関しては、解除しない限り新たに
人物の投影は出来ないとする)

ハガネ「っ俺か……なら、少し荒業も出来るな……全員下がっていてくれ」

 キィン   ググッ

傭兵の呼びかけで貴方達が引き下がると同時に、その黒い鋼の剣のヴィジョンは
物干し竿か定規のように細く、とても長い形状へと変わる。
 彼は、二の腕に血管を浮き上がらせつつ体を捻り其のヴィジョンに手を添え
大きく大きく振りかぶり……。

 ハガネ「――おおおぉ゛ッッ!!!!」

     ドォォォォ゛ォ゛ッッ゛ ゴォ゛オ゛ッッッ゛ンン゛ッッ!!!!

一瞬残像で、その変化したスタンドを振りぬく姿を視認したと同時に
爆発音のような轟音と共に傭兵の前の地面が浅くも抉れて、スタンドの剣が
走ったと思われる部分に亀裂が走り夥しい小さな死骸が散乱していた。
 それは、反対側に立つレクイエム・インクで投影されたハガネも鏡合わせの
ようにまったく同じ動きをした為、半円形状に貴方達へ押し寄せていた鼠の集団の
半数が死滅した。だが、まだ向こう側では衝撃によって著しく変形した大地を
乗り越えつつ其の集団が蠢いているのが見える。

ヤジ「……は、はは  す、すげぇ! よっしゃあもう一発今のをやれば
あいつ等全滅させられるぜ!」

ハガネ「無理をすれば可能だろうが……見ろ」

 ……ジジッ

傭兵が一瞥した視線の先には、レクイエムで投影された傭兵自身のヴィジョンが
霞んで今にも消失しようとしている。『時間切れ』らしい
 これ以降は、成田を解除しなければ傭兵を呼び出すのは難しいだろう。
更に、敵の動きにも変化が起きている……。

 ゾゾ      ゾゾゾゾ     ゾゾ
   ゾゾゾゾ       ゾゾ

小林「どうやら……分散している?」

アリゼ「今のハガネの攻撃で、一塊で馬鹿見たいに突っ込むのは
自殺行為って気づいたんだろうさ。ちっ! 学習能力は高いらしい」

ヤジ「だけどチャンスでもあるんじゃねぇか?
今なら無暗やらたに攻撃して来ないから天文台へも行けるだろうし」

このまま目前のリスクを潰す為に、無軌道で遠目に見える鼠を潰すか。
それとも無視して天文台へ向かうかは貴方の判断が決め手となる。

尚、今までの一部始終が終わった所で。芦田の元半自立スタンドは
顔を伏せた様子で落とし穴から上がり、無言で貴方達の近くへ降り立った。

843黒羽 灯世『インク』:2020/05/22(金) 00:14:13
>>842

「『スマイリー・スマイル』は『集合意識』なら、
 ここにいる個体を仮に『全滅』させられても、
 いえ、全世界のネズミを『絶滅』させたとしても、
 天文台を調べている内に『別の生き物』が来る。
 少なくとも、『鳥』はもう掌握されてるのだから」

「――――行きましょう、天文台に」

ネズミを潰す事には『意味』を見出せない。
むしろ一刻も早く目的を果たすべきと考える。

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』には声は掛けない。
――――何を言っても『虚飾』にしかならないだろう。

844『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/22(金) 23:55:06
>>843

ヤジ「鳥の大群、んで今は鼠。
お次は野犬か冬眠中なのを無理やり起こされた熊か……。
まぁ何か出ても、今みてぇなので追っ払えるし。大丈夫だよな?」

小林「楽観視はいけませんよ。それと、芦田さんを罠に陥れたように
また落とし穴があるとも限らない……慎重に。
 ……成田さんを先導に進んで頂くのが得策では?」

アリゼ「まぁ確かに。状況が状況だし、肉盾にするようで申し訳ないけど」

芦田を死に追いやったような罠が道先に突如あっても可笑しくない。
ロストしても、レクイエム・インクなら再度召喚出来るであろう事と
行き成りスマイリー・スマイルの音波攻撃が襲来する事も考えて成田を
先頭に進む事を提案する。彼も異論ないと返答し、その形で進み始めた。

キャンピングカーのあった場所から、天文台まで目測で5、600m。
その半分まで、遮る倒壊した木々をハガネのスタンドで撤去及び
芦田を死なせたのと同様の落とし穴も2,3発見しつつも貴方達は回避出来た。
慎重を期す為、歩みは若干遅いものの半分程の距離まで無事に道なり進んでいる。

ヤジ「落とし穴とか以外だと、拍子抜けな程に何も仕掛けてこない……不気味だぜ」

アリゼ「息つかせずノンストップで延々と攻撃されるよりはマシ
……って言いたかったが」

 また、何か出てきたよ。と嫌そうな顔で彼女は前方の一つの木々を指す。

  ……キッ   キーッ

小林「猿、ですね……何か背負ってる?」

彼はスタンドを浮遊させ、少し先を観察した所。猿は何かリュックのような
ものを背負ってるとの事だ。

成田『あの方角以外からも聞こえる、オレ達を取り囲むように
 ……鳴き声は約40匹程だと思います』

ソレ以外は今のところ生き物の音は聞こえないと彼は報告した……。

      カサカサカサッ! パッ!!

成田『っ! オレ達の歩いてる道の両脇の茂みの直ぐ近くまで
猿達が歩いている音がします』

アリゼ「ケッ! 笑い声が脅威だってのは百も承知だが、肉体まで
変質してないなら、ただの猿さっ。返り討ちにしてやる」

一人、彼女は息巻くが。他の面子でヤジは貴方と最初に奴等に
遭遇した時に撃った水鉄砲らしきものを構えたり、また別の者達は
スタンドを構え警戒をしている。

  ――カサカサ

845黒羽 灯世『インク』:2020/05/24(日) 03:38:52
>>844

「リュック……………あるとすれば、『武器』?
 人間用の武器を動物に使わせるなら、 
 サルほど適任はいない、でしょうけど」

(――――『ネズミの大群』を対処された後よ?
 ただのサルなんて、こちらの攻撃傾向からして、
 的が大きいし数は少ない……有効と思えない)

「…………」

             スッ

『インク』により、『水鉄砲』を再現して自分も持つ。
分かりやすく使いやすく、そして『強い』武器だからだ。
単発の弾丸しか撃てない『実銃』以上だろう。

(……『音』の対策をしていない? 『なぜ?』

  ……『諦めて人海戦術』……削るなら、アリか。

   ……『音』……私たちは判断を音に頼っている?)

        バッ


『上』を見る。
『茂み』を警戒するなら『下』と『横』は皆が見ているはず。

『樹上』――――は樹が無いとしても、『上空』はあり得るだろう。
敵には鳥がいる。飛行機も恐らくある。『何でもあり得る』なら全方位警戒がいる。

846『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/05/24(日) 22:06:52
>>845

シャッ――キィン!

貴方は『水鉄砲』を発現する。ヤジは捕捉として説明を早口で行う

「そいつは、アリーナ製の特注品さ! 5〜6m位なら、大の男が
ふらつく程度の威力の水弾丸が出るし。肉薄してりゃ、前見た事あると
思うけど、力士の渾身の掌底をぶち当てられた程度にゃあ威力があると
考えていいぜ!」

彼が言うには、残弾は水がある限りと言う制限付きだが。幾らか連射も効き
威力は実銃よりは劣るものの相手の動きを牽制する程度のダメージは期待
出来ると言う。猿にどの程度効くかは未知数だが……


 バッ!!  キキィ――ッ!!

そうこうしている内に猿達は躍り出てきた。
 貴方の認識される中では、3匹程度が獣並みの速度で迫る(スB)

そして、片方の手に握ってるのは鉄串? のようなものだ。先端に部分は
何か布で包まれてるようだが、先は尖っているし直撃すれば痛いのは間違いない。
指に挟みつつ、貴方に向け突進する……。

(※要約すれば、何かしら武器をもった猿三匹に対処せよ。
NPC一人程度なら、声掛けすれば自分に対処してくれるし。成田も
ほぼ間違いなく貴方の盾になってくれる)

847黒羽 灯世『インク』:2020/05/25(月) 14:13:38
>>846(GM・質問)
質問です。

> 貴方の認識される中では、3匹程度が獣並みの速度で迫る(スB)

・三匹の猿との距離は?

・三匹の猿が黒羽に向かってきているようだが、黒羽以外に向かって来る別の猿はいる?

・一応の確認だが、『上方向』には現時点で何ら異常はなかった?


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