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【個】『烏兎ヶ池神社』【場】

1『星見町案内板』:2019/02/02(土) 00:04:12

             〜ご由緒〜

星見町の『鵺鳴川』沿いに存在する『パワースポット神社』。
インターネットで『S県 パワースポット』と検索してみれば、
まず『20番目』までには間違いなく表示される程度の知名度である。
ご利益は主に旅の安全、学業成就、病気平癒、安産祈願など。

境内池が『霊池』として名高い。神社名も池に由来する(池が先にあったのだ)
霊験の由緒は諸説あり『京で討たれた鵺の一部が、この池にも落ちたのだ』とか、
『転落し、水を飲んだ人間が御利益を得たのだ』といったものが比較的多く見られる。

現在は厳重に柵で囲っており、出入りが許されるのは社家をはじめ関係者のみ。
一般の参拝客に向けては、柵の前までのみを開放している。撮影などは自由。
専用のボトルに詰めての授与(300円)も行っているが、飲用の際は『煮沸』推奨。

社務所では他に御守りや、おみくじ、絵馬、御札、御朱印帳などを頒布しており、
特に『御守り』については半ばアクセサリーのようなデザインの物も多く、
神社(池)の名にちなみ『カラスとウサギ』を戯画化したストラップ型のものが人気。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││  
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
     ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││ #
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
#:『烏兎ヶ池神社』
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348喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/05/15(土) 14:30:01
『場所』が環境で決まるというのならば、『時刻』はこの私が決めさせてもらおう。

さまよい歩いて辿り着いたのは『9時01分』。
私は、ここ―――『烏兎々池神社』に居た。
せっぱづまった思いで、神社の由来をしっかり熟読する。
『霊池』があるのか。『お祓い』などはしてもらえるのだろうか。

社務所が空いているのなら何はなくても『お守り』を買っておこう。
『参拝』もしておこうか―――鳥居は端をとおらないといけないんだったか?
私は自分が納得できるまではここに居ようと誓った。

349『烏兎ヶ池神社』:2021/05/16(日) 03:54:25
>>348

「ようこそお参りです、こちらの『お守り』ですね」

社務所には『巫女』がいた。
金色の瞳と、アシンメトリーの髪は神社には珍しいが、
普通に手慣れた様子で『お守り』は売ってもらえた。
――なお、彼女曰く『売る』ではなく『授与』らしい――
なお、祈祷やお祓いも社務所で受け付け出来るが、
それなりの初穂料がかかり、時間もかかるようだ。

社務所には他の参拝客は少しいるので、
彼女はそこからは離れられないようだ。
少ししたら話はまた別かもしれないが、
しばらくは彼女から干渉はしてこないだろう。

参拝なり池を見に行くなりするとすれば、
>>350のような『誰か』に遭遇する事もあり得るだろう。

350ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2021/05/16(日) 15:58:46
>>348

『幸せに生きる事』。
それが彼の生涯における最大の目的である。
とはいっても、
特に『信念』だとか『決意』だとかがある訳ではない。
強いて言うなら『本能』だろうか?
食べ物に不自由せず、外敵に襲われる事もなく、
のんびりと平和に暮らしていきたいと思っている。

だが、時には気分転換をしたくなる事もある。
気の向くままに散歩したくなったりもするのだ。
そんな時、彼は別の場所まで足を伸ばす。
どうやって?
それは誰にも『分からない』。

              ガサッ

不意に、『烏兎ヶ池』に通じる林の中から物音がした。

          ヒョコッ

そして、草陰から『哺乳類』が顔を覗かせる。
犬猫の類ではない。
近い動物を挙げるとするなら『イタチ』や『カワウソ』だ。
しかし、それはイタチでもカワウソではなかった。
海に暮らす海獣――――『ラッコ』である。

      他の人間達は、まだ誰も気付いていない。

351喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/05/16(日) 17:24:33
>>349
金色の瞳の『巫女』はすこし印象的だ。おそらくは『カラーコンタクト』?
いや、アジア系以外の血がまざっているだけかもしれない。

いま購入した『カラスとウサギ』の模様の『お守り』というのは、ここのオリジナルらしい。
ただの地名由来のものかと思ったが、手持ちの『スマホ』で調べてみると
『烏兎(うと)』は、『太陽と月』をしめすようだ。

『太陽と月』―――
今が『朝』だったり『昼』だったり『夜』だったりすることを明確に教えてくれる存在。
彼らあるいは彼女らを肌身はなさず持ち歩く事は、私に加護を与えてくれるような気をした。

『お祓い』については、説明をきき、今回は『見あわせる』こととした。
時間や金銭的なこともそうだが、自分のような一見の参拝者がうけても
効果があるのか疑問に感じてしまったからだ。
(そもそもふだんは、こんなこと自体、信じていないのにね)。

 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ●
>>350

さて、『お祓い』をしないのであれば、
私はどうやって『明け方の幽霊』の呪縛をとりのぞくべきか?
『お守り』だけで効果はあるのか………などと思案していると。

              ガサッ

不意に、『烏兎ヶ池』に通じる林の中から物音がした。

          ヒョコッ


私は見なれない『哺乳類』の『顔だけ』を、草陰の隙間に発見した。
それ以外の身体部分は私の位置からは確認する事ができず、正体は不明。


                        「――――――――『鵺』?」

                私の口から、思わずそんな言葉がこぼれる。

『鵺』。
この神社の由来を看板で読んだときに知った『妖怪』。
『体の部位ごとに姿が違う、得体のしれない存在』。
あいまいな『変わり目』に心を揺らしてしまう私にとっては『天敵』。
ただ、いまどき、『そんなものに出逢うはずもない』という
現代人としての『楽観』もあったのだが―――

『明け方の怪異』をなんとかしようとすがるように
辿りついた『神社』でさらなる『怪異』と遭う………
私の日常がすこしずつ綻びはじめているのは、もしかして『あの日』から?
勢いにまかせ、『心の声』なんていわなきゃあよかった?

352ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2021/05/16(日) 18:01:59
>>351

もし、ここが『海』であったなら、
そこにラッコがいるのは自然な事だ。
厳密には、『野生のラッコ』と遭遇する機会は、
普通ほとんどないだろう。
たとえそうであったとしても、『海にラッコがいる』のは、
自然界の法則には反していない。
だが、ここは『神社』である。
常識的に考えて、神社にラッコはいない。

『鵺』――この神社の由来に深く関わる存在。
林の中には『鵺が落ちた』と称される『霊池』がある。
頭だけを出した『奇妙な生物』は、
果たして伝説の『妖怪』なのだろうか?
『場所柄』を考えれば、
決して有り得ない事ではない……かもしれない。
木立や草葉に遮られ、その全体像は窺えない。

      「ミャー」

ふと、『鵺らしきもの』が鳴き声を発した。
『鵺』という言葉に反応を示したようにも思える。
あまり馴染みのない鳴き声だったが、
威嚇しているとか警戒している感じはしない。

                   「ミャー」

その表情からは、何を考えているかは読み取れない。
あるいは、何も考えていないのかもしれないが。
『鵺かもしれない存在』が目の前にいる。

――――――どうしよう?

353喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/05/16(日) 20:29:47
>>352

      「ミャー」

私がどうすべきか熟考していると、眼前の『不明な存在』が突然鳴いた。
確かに看板にも『鵺は鳴く』と書かれていた。ただ、書かれてはいたが、
それが『ミャー』なのかまでは書かれていなかったように思う。書いておいてほしかった。
しかしそもそも『ミャー』は私が感じた声であって本当は『ピャー』だったかもしれない。
そうなるともう、仮に書いてあったとしても、『八方ふさがり』ではないか―――

『スマホ』で悠長に『鵺』について調べている余裕は、ない。
もし向こうが害をなす存在なのであれば、
その隙にザクリとやられても文句は言えない。

――――――どうしよう?


  ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨  ┣¨ ┣¨  ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨

        『心の声』・・・・・・  『覚醒』・・・・・・ 『未知なる能力』・・・・・・

そうだ、『この場面』だ。
おいそれと使ってはいけないと思っていたが、
いま使わなくて、いつ使うというのだ?

私は軽い深呼吸ののち、いのり、ねんじて、自分の『分身』―――
『ビトウィーン・2・エンズ』を傍らに発現させる。

『魔法使い』のようなローブをまとった人型の『それ』。
『スタンド』というらしい『これ』に対し、未だにどこか違和感を覚える。
それでも、自らの意思で自由に操作可能な
この『魔法使い』の存在は、眼前の『未知』と対峙する勇気を私に与えてくれた。

『謎の存在』に、『ビトウィーン・2・エンズ』をゆっくりと近づけていく。
聞いた話だと『一般生物』は『これ』を認識できないという。
よって、これに反応するようであれば、
眼前の存在は『一般ではない』………つまりは、『鵺』だ。

                   「ミャー」

のんきに鳴いていられるのも今のうちだ。

354ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2021/05/16(日) 21:09:27
>>353

接近する『ビトウィーン・2・エンズ』に対し、
『鵺らしきもの』は大きな反応を示さない。
やはり『鵺』ではないのか?
その時――――――。

        「ミャッ」

                 ガサリッ

草陰から『鵺らしきもの』が飛び出してきた!
同時に、その全貌が露になる。
体長は『130cm』程で、全身は『毛皮』で覆われており、
短い『尻尾』が生えているようだ。

           「ミャー」

『鵺らしきもの』の姿は、
『鵺』として広く知られている姿とは大きく異なっていた。
だが、『ビトウィーン・2・エンズ』が見えているらしく、
その動きを目で追っている。
いわゆる『一般生物』には不可能な芸当だ。

突如として『烏兎ヶ池』近辺に出現した『怪生物』――
その『正体』の解釈は、相対した者の判断に委ねられる。

355喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/05/16(日) 21:44:03
>>354

 出てきた―――ッ

  見えている―――ッ

   見えているなら―――ッ

     こいつッ! 『鵺』かァ―――――ッ!?

『鵺』『鵺』『鵺』『鵺』『鵺』『鵺』『鵺』『鵺』『鵺』『鴎』『鵺』『鵺』………

脳みそをフルスロットルで回転させて、看板に書かれた『鵺』について思い出す。
たしか、『体の部位』がそれぞれ別の動物になっていると書いてあったが………
駄目だ。その具体的な『内訳』はまるで思い出せない。

落ち着け。『冷静』。そう、今の私に足りないのは『冷静さ』だ。
情報はあるのだ。『体の部位ごとに違う動物』。
つまりそうでないのなら、『これは鵺でない』事になる―――

観察してみよう。

『顔』―――これは『ラッコ』そっくりじゃあないか。
『手』―――これは『イタチ』に似ている気がする。
『体』―――これは『ビーバー』と共通点がある。
『尾』―――これは『カワウソ』みたいにみえるな。

           「ミャー」

結論は出た。

    これは伝承どおりの―――『鵺』。

私は『ビトウィーン・2・エンズ』を自らの方にすばやく戻し、
ソロリソロリと後ずさりでその場から撤退する。
ただでさえひとつ『怪異』を抱えているのだ。
これ以上の『怪異』を抱える必要は微塵もないだろう。

356ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2021/05/16(日) 22:11:56
>>355

眼前の生物は、疑う余地もなく『鵺』である。
そう結論付けられた『鵺らしきもの』は、
ただ『ビトウィーン・2・エンズ』を見つめていた。
つぶらな瞳の奥に、
何かしらの『思惑』を秘めているかのように。

    ――――――もしくは、何も考えていないかのように。

           「ミャー」

                  ガサガサ

『鵺らしきもの』は、最後に一声鳴き声を上げると、
林の奥に引っ込んでいった。
『住処』に帰ったのだろうか?
その後、『烏兎ヶ池近辺で鵺を見た』という噂が、
星見町の一部であったとかなかったとか。
『鵺』という言葉には、
『正体のハッキリしないもの』という意味もある。
このささやかな一幕の結末は、
まさしく『鵺的』であった……のかもしれない。

357喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/05/16(日) 22:27:32
>>356

           「ミャー」

                  ガサガサ

見苦しいかもしれないが私は逃げた。
『鵺』の方も引っ込んでくれたようだ。

『魔法使い』を得ても、私の心がついていっていない。
怪異と分かって、立ちむかうほどの勇気は持てない。

 『魔法使い』―――そうだ、『魔法使い』。

私は『明け方の幽霊』の事を思い出した。
あの『時間帯』だったら私の『魔法』で『確かめる』事ができるではないか。
『幽霊』じゃあなければ、次に『変わり目』が来るまで私は安心していられるはずだ。


                            喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』
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