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【ミ】『ギャザリング・ガーデン』

1 『誰かさん』:2016/04/03(日) 23:51:15



散ればこそいとど桜はめでたけれ憂き世になにか久しかるべき

751『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/12(日) 00:08:29
>>749 (小石川)
>>750 (遊部)

クリス:「はぁ����」

サン:「すいませェん」

ため息をつくクリスと謝罪をするサン。
シャーリーは教室の外を見ている。
そのまま全員が下がる。
距離を取りつつ様子を見ている。
外に射出した羽のために霧が払われポッカリと向こうが見える穴が空いていた。

横目で窓を確認する。
しっかり人ひとり通れるサイズだ。
目線による視線誘導により親指末節の切断は成功。
扉を開けに行く。
その時だった

誰かが入ってきている。
遊部達だ。
敵の視線が遊部に向けられる。

クリス:「増えたぞ」

ドゥーエ:「確かに」

そして自らのスタンドの腕にペンを刺す遊部。
そして指示を出す様子を静かに見ている。

サン:「どうしますか?」

クリス:「どうするかねぇ」

豹変するスタンド。
ネオン。その人格を演じる。

ネオン:「痛いなぁ痛い痛い痛い痛い」

「でも、もっともっともっとぉ、欲しい」

「あんたが相手になってくれるの? それとも別の誰か?」

渡されたペンを手でくるくると回す。
そして視線はバトンを持った人型へ。

ネオン:「あれを刺せばいいの? お前があたしに痛みを与えてくれるの? ねぇねぇねぇねぇ」

シャーリー:「ドクターに見せます?」

クリス:「����はぁ」

ドゥーエ:「おい、見えんくなったぞ」

サン:「さっきのランスさんと同じ状況では?」

クリス:「����だろうなぁ」

クリスが窓を開け、指笛を吹くと上から降りてくる縄。
窓の外から垂れ下がる縄が見えた。

クリス:「シャーリー」

シャーリー:「ええ、もちろん。『ホワイト・クイーン』」

霧が教室に満ちる。
敵の姿が消えた。誰もここにはいない。
自分以外はこの部屋にはいないのではないかとすら思わせる。

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■□刃□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

刃:小石川
遊:遊部
◎:机
◆◆:窓。閉じられているが鍵は開いている。

752小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/12(日) 07:52:41
>>751

  「――『レミ』さん……!」

教室に入ってくる遊部に気付き、視線を向ける。
彼女の傍らに立つ『ネオン』となった『フラジール・デイズ』。
傷付けられることを至上の悦びとする歪んだ人格の一端を垣間見る。

  ――もしかしたら、私も狂っているのかもしれない。

その狂気に彩られた姿に少しだけ自分との相似点を感じ、複雑な思いが胸を掠めた。
もっとも、自分にとっての自傷行為は、あくまで自殺衝動を抑えるための手段。
彼女のように傷付くこと自体を目的とはしていないし、快楽を感じてもいない。

一瞬の後、心に生じた思いは、すぐに打ち消された。
今は目の前の闘いに集中しなければならない。
垂れ下がる縄が見え、霧が教室内に満ちてくる。

  ――消えてしまった……?

立ち込める白い霧の中で目を凝らす。
彼らの姿が消える前、窓の外には縄があった。
あれを使って逃げたのかもしれない。
窓のある場所へ行って、窓の外を覗いてみれば答えが分かる。
けれど、本当にそうだろうか?

縄で逃げたと思わせて、まだ霧の中に留まっている可能性もある。
窓に近付いた時を狙って背後から攻撃されるということも十分に有り得る。
それを考えると下手に動けない。

できるなら、『目』を切り離して窓の外を確認してみたい。
でも、片目しかない今の状態で『目』を切り離すのは危険すぎる。
本体である自身が襲われた時に対応できなくなる。

  「……『レミ』さん、どうしますか?一旦、外に出ますか?」

迷いを含んだ口調で問い掛ける。
少なくとも、外に出れば不意打ちされることは避けられる。
その代わり、彼らの行方を見失ってしまうことになるだろう。

彼らは、ドクターの居場所を知っているはず。
彼らが立ち去ったとするなら、ドクターの所へ行ったのかもしれない。
その後を追えば、ドクターまで辿り着けるかもしれないという思いもあった。

窓の所にいる『指先』は、そのまま待機させておく。
窓は開けない。
身体の再生が完了するまで、あとどれくらいかかりそうだろうか?
文字通り身を削るのが『スーサイド・ライフ』の能力。

        パーツ
使用可能な『部位』を欠いた今の状態は、とても不安だった。

753遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/12(日) 22:19:32
>>751-752

 「ちっ、またか……」

思わず舌も打ちたくなる。物理的な干渉は相互は出来なくなるだろうが
 不利だと感じた瞬間に、あの態勢を立て直せるようになる能力は厄介だ。

 (やはり、霧を払う手段が必須だな……恐らく、開放的な空間では
あの能力も効果が薄い気はするが)

 学舎と言う、霧が充満しやすい中だからこと適用される。
外でも能力は使用出来るかも知れないが。それに関しては少し試して見よう。

 ゴッ……

『ネオン(フラジール・デイズ)』の後頭部を殴りつけつつ、命令する。
一々痛みを与えないと、従順にならないのは。そう言う人格である事を
踏まえても正直気分は良くない。とは言って演技を甘くするのも、元々
そう言う生き方だった、こいつを否定する気がする。ジレンマと言うのを感じた。

「ネオン、とりあえず窓を全部開いてみろ。そうすりゃ、痛めつけてくれる
相手が見えるかも知れんぞ? まぁ、居なくなってたとしても、安心しろ。
ちゃんと俺が代わりにしてやる」

この教室の窓を全部開放して、霧の能力が無効化するか試して見る。
 敵が現れるようでも。盾持ちなら通用しないし、奇襲してもネオンなら
嬉々として受けつつ、迎撃するだろう。

 「一先ず、そちらは三人の元に戻って構わんよ。
俺はあいつ(ネオン)を見てなくちゃならん。あと、悪い知らせが一つ
防人は、あの羽根を受けて引き抜いてスタンドって概念を忘れちまった。
 他の治験を受けた奴らの原因も、あのクジャクが関わってるかもな」

小石川へ、防人の状態を告げておく。
 肉体の分離がまだ再生しないのは、能力のデメリットか?
まぁ、時間がたてば戻るのなら三人のほうに戻っても良いだろう。

754『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/15(水) 01:31:58
>>752 (小石川)

変化したフラジール・デイズ。
姿かたちは変わらずともその内面は確かに変化している。

しかしその思いを打ち消した。
まだこの空間に敵がいるのかもしれないのだから。
白い霧は濃く、遠くの位置が見えにくい。
教室自体が暗いのもあるだろうが、視界良好とはいかない。

目を切り離し、縄の見えた窓の方へと移動させる。
これで小石川は両目を失うこととなった。
くぼみとなった部分からでは何も見えないが、進む部位が周囲の状況を教えてくれる。
白い霧を押しのけつつ進む。視界の端に何かが見えた。
黒い影だ。それは確かに動いている。
視界が開ける。霧が払われてぽっかりと穴が開いているのだ。
窓の外には縄に掴まるクリスの姿。他には誰もいない。
目と目が合う。クリスは小石川の目を攻撃せずに、指を一本立てて口に当てて見せた。
彼が上に移動する。誰かが縄を引っ張り上げているのだろう。

そして遊部たちに声をかけた。
開けないことを決めた窓であったがそれは開かれた。
それは小石川の意志によるものではない。
フラジールだ。
彼女が進んできてであろう道に霧はない。
白い霧をきりとったように向こう側が見える。

ネオン:「あんた。いいもん持ってんなあぁ……あんたがそれで、よくしてくれんのか?」

にやにや笑いながら教室の中を移動するフラジール。
そして遊部からの返事も帰ってくる。

>>753 (遊部)

ネオン:「あぁ? いってえなぁ……まぁ、あたしはそっちのがいいんだけど」

病的な瞳が遊部を見つめる。
鏡に映ったような顔なのに違っている目つき、口元。
少なくとも今は従順でいてくれている。
痛みを与えられることでその凶暴性が静かになる。
霧をかき分けて進んでいく。
霧の中にのまれて見えなくなるということがない。
そして勢いよく窓を開いていく。霧は動かない。
今度は教室の奥の窓を開けに行く。
小石川が見える。
その顔に目はない。もう片方の目も切り離しているようだ。

>>ALL

それは突然のことだった。
白い霧を突き破るようにバトンが現れた。
それは遊部に向けられている。
バトン全体が霧から現れれば今度は腕が見え、確実に近づいてきている。

(あいつら、ランスを挟み撃ちしようとした。近距離型じゃあない)

(遠距離型の弱点は俺やフローでも知っている。近距離戦が苦手ということだ)

(そしてもう一つ。本体から離れれば本体は自分で自分の身を守る羽目になる)

(ランスが干渉できなくなったのは脅威だが、それが使えない状況にしてやればいい

(まぁ、お前からそうなったんだがね。これがお前への処方だよ)

(まずはお前からだ。一つ一つこの場から摘出してやる)

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■フ□刃□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□棒□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

刃:小石川
遊:遊部
フ:フラジール
◎:机
◆◆:窓。閉じられているが鍵は開いている。

755『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/15(水) 01:57:35
>>754

窓は開いている

756小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/15(水) 23:14:58
>>753-754

  「『レミ』さん……孔雀は、この場から離れたようです――」

『自殺衝動』を持つ自分の精神の象徴である『スーサイド・ライフ』――
そのヴィジョンである『ナイフ』を見て、歪な悦びを露にするネオンに対し、
複雑な感情を抱きながらも、遊部に呼び掛けてクリスが消えたことを伝える。
その時、バトンが見えた。
続いて腕が伸びてくるのが見える。

  「!!」

霧の中から現れて、遊部に襲い掛かろうとしているドゥーエ。
その光景を見て、すぐに彼女を助けに行きたい衝動に駆られる。
でも――『行かない』。

お互いに力を奮い合う争いの中で、学んだことが一つある。
それは、その場しのぎの対応ではいけないということ。
後手に回ると、結局は追い込まれてしまうことになるから。

常に一歩先を考えて行動しなければならない。
そうすることが遊部を助けることに繋がるはずだ。
だからこそ、自分はそう行動する――。

     タタッ

急いで『目』を自分の下へ戻す(『指先』は自分のコートのポケット内に移動させる)
同時に、自分自身も『目』に向かって駆け寄る。
こうすることで少しでも早く双方の距離を縮める。
『目』と接触でき次第、『目』を自身と接合し、本体の視力を回復する。
これが第一の目的。

第二の目的は、『ドゥーエの死角の位置に陣取る』こと。
ここから更に移動をする必要はない。
なぜなら、直線状に存在していたであろう自分と『目』が同時に直進したならば、
両者の接触する位置――つまり、今自分の立っている位置は、
ドゥーエの側面か斜め後方辺りになるはず。
だから、『ドゥーエの死角になる位置に移動する』という目的は、
この時点で自然に達成されることになる。
しかし、ドゥーエを攻撃することが狙いではない。

本当の目的は、『隠れていると思われるサンを誘き出す』こと。
ドゥーエは姿を見せたものの、サンはまだ姿を見せていない。
けれど、ドゥーエが残っているのなら、サンも残っているのはまず間違いない。

こうして自分が移動してみせることで、
『もしかするとドゥーエが攻撃されるかもしれない』とサンに思わせたい。
成功したなら、サンはドゥーエを援護するために姿を見せるはず。
そして、サンが姿を見せたのなら、『ナイフ』を構えて牽制することで、
その行動を妨害してドゥーエと合流できなくしたい。

この局面を乗り切るために何よりも必要なのは、彼らの連携を崩すこと。
身を持って彼らの連携を受けたからこそ、それがよく分かる。
だからこそ、ドゥーエの対処は遊部と『ネオン』に任せ、
自分はサンを抑えることに専念したい。



(※お手数ですが、部位の残り再生時間を逐次表記していただけるとありがたいです)

757遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/16(木) 17:15:34
>>754-756(レス遅れ失礼しました)

 「……」

 霧から突き破るように、生みだされたバトン。

さっきの棒持ち(ドゥーエ)である事は分かる。

 (こちらの武器は、モップの柄。そして、ネオンの距離……)

今から『フラジール・デイズ(ネオン)』に助けを呼び掛けても
距離からして、こちらは間に合わない。立ち位置からしても
教室の出入り口に……間に合うと思うが。そうなると、またお嬢さん(小石川)
が一人っきりになる。文字通り身を削って動いてるらしいし、形成は不利だ。

 (……バトン、この形状は)

 棒持ち(ドゥーエ)の武器を注視する。それと共に、思い描く。
俺に 

――『ライ』に出来る事を。

カランッ

 ・・・ガシッ

 「……既然把我痛快淋漓地骂了一番(啖呵をきったからには)
    就请做好心理准备吧(覚悟をしろよ)」

  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!

  ……モップの柄を落とす。と、同時に。
『バトン』、それとソレを握る奴(ドゥーエ)の腕を両手で掴む。

 (この棒の形状は……『スタンロッド』に似てる。
ならば、俺のとるべき最適手は。……奴の武器を握りしめ、そして
同時に奴の手首も握る事。これによって、奴の武器の真価が電撃でも
発動する事は困難になる……スタンドの特性。
何かに捕まった際、解除は出来ない。それは生身の肉体でも有効な筈だ。
 そして、奴が電撃を放つのであれば。握られてる箇所は当然俺の体を通して感電する。
リスク・リターンを考えれば。俺のリスクは重くも……けれども)

 「ネオン、掴んだぞ……やれ!」

 (フラジール・デイズは、必ず倒す事をやり遂げる。
それが、可能なスタンドだ)

758『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/16(木) 18:50:36
>>756 (小石川)
>>757 (遊部)

小石川は指先をポケットに戻し、目を自分のもとに戻しに行く。
小石川自身は両目がない。
自分に接近する目に向かっての接近。
目の位置は正確にわかる。ゆえに少しおぼつかない足取りであったがなんとかその行動は成功する。

一方の遊部はそのバトンを掴む。
同時に敵自身の腕も。
ネオンは主人のもとに近づいてくる。
感電のリスクを負いながらも遊部は行動した。
誤算がそこにあったのかは遊部の心次第だ。

電撃が遊部の体を流れる。
小石川はドゥーエのいるらしい位置の死角に入った。
その時、白い霧が揺らぐ。
黒い影が見える。黒く大きな影。サンの盾だろう。
そしてネオンがドゥーエを迎撃すればすべてが滞りなく終わる、はずであった。

スタンドのスタンバトン。その威力は通常のスタンバトンとそん色がないものだっただろう。
もしかすればそれよりももっと強いものだったかもしれない。
ただ一つ間違いないのは、それを素手で触ってしまったことだ。

電撃が遊部の体を流れる。血が沸騰するような感覚。痛み、苦しみ、電気椅子の受刑者はこれの何倍もの痛みを味わっていたのだろうか。
痛みから逃げず、覚悟を決めた行動はとても尊いものだ。
だが、現実は非常である。
ヒーローの姿が薄れる。普通ならばヒーローとしてあることが難しかったであろうネオンの姿が揺らぐ。
視界も揺らぐ。
護身具たるスタンガンなどに言えることだが相手が厚着をしていてもその電気を体に流してしまう威力を持つ。
それを生身で食らうことは危険なのだ。一瞬なら痛みで済んだかもしれない。しかし、掴んだのならば話は別だ。
肉体が反射的にそれを拒んでも、ドゥーエは追ってくるのだから。

ごとりと音がする。
白い霧が揺らぎ、消える。
それと同時に遊部の意識もまた、消えた。

シャーリー:「いまのは何と言ったのでしょう」

サン:「スゥの方が詳しいでしょう。私の得意な言語ではなかったのですから……」

シャーリー:「ドゥーエは?」

サン:「消えました。彼も彼の電撃には耐えられなかったということでしょう」

シャーリー:「なるほど」

759『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/16(木) 19:10:54
シャーリー:「取引をしませんか?」

白い霧の中、シャーリーの声が聞こえる。
彼女はあまり大きく移動していなかったらしい。
姿こそ見えないが先ほどいた位置からあまり変わっていないようだ。

シャーリー:「あなたには今二つ、道があります。『諦めるか』『このまま進むか』」

       「現実、いまこうしてあなたのお友達が倒れられ、恐らく戦闘力の高かったであろう男性もスタンドを忘れ使用不能」

       「残りの二人は戦いに参加していなかったことを考えると、補助系の能力の方でしょう」

       「まともに闘えそうなのはあなただけです」

静かな声であった。
特に取り乱した様子もなく、落ち着いた言葉だ。

シャーリー:「どちらも道を選んでいただいても構いません。私たちはどちらも道も推奨せず、禁止もしません」

        「選ぶのはあなたです」

霧が晴れる。
何も視界を遮るものはない。
盾を背中に回し、遊部の傍に座り込むサン。
そして、ただ立っているシャーリー。

シャーリー:「対価は必要ですが、どちらの道も悪いものではないでしょう」

       「お好きなように」 

『部位』の修復時間→90秒
(書き洩らし、申し訳ございませんでした。今後は逐次報告させていただきます)

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□盾シ□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

刃:小石川
遊:遊部
盾:サン
シ:シャーリー
◎:机
◆◆:窓。開いている

760『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/16(木) 19:29:31
>>759

以後、意識が飛んだものとし回復するまで小石川のレスのみを反映する。

761遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/16(木) 20:13:48
>>758-760
ペナルティ享受。
 そして、『許可』をGMに望みます。
小石川PLには、ご負担おかけする事を。このレス内で謝罪いたします。

ミッション以前に他人格に対して所持品の『スマホ』または
筆記用具に含まれてるであろうメモ帳類に『メッセージ』を
事前に緊急時に記している。と言う設定がある事を許して頂ければと思います。
 
ミッション進行時に阻害になる程にはならないと思いますが。
この先の途中で覚醒する際に、いま現在行動していた人格が再起する可能性が
PCの設定上、フレーバーな要素ですが困難になると思うからです。
 PL的な目線や意見からすれば面倒な行動を起こさず
今の人格、いわゆるミッションを遂行する上で簡潔に出来るレスが望ましいと思います。
ですが私情ながら、出来る限りPCの要素を引き出せる行動をしたい願望があります故
勝手ながら、このような許可を申請します。

勿論、却下であるなら。その旨で覚醒可能時に今の出来る限りの
行動をしたいと思います。長文失礼しました

762遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/16(木) 20:15:27
>>761
一部訂正。
 緊急時におけるメッセージ、でした。

763小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/16(木) 21:45:16
>>759

白い霧の中から現れた黒い影。
その白と黒のコントラストを視界に捉える。
ドゥーエを援護するために現れたサン。

けれど、それは予想していた行動。
彼らの連携を考えると、ドゥーエを攻撃する素振りを見せれば、
サンが出てくる可能性が高いことは分かっていた。
その時――何かが倒れる音が聞こえ、そちらに視線を向ける。

  「――『レミ』さんッ!」

意識を失った遊部の姿を目撃して、思わず叫ぶ。
ドゥーエも姿が消えている。
どうやら、彼女が自らを犠牲にした結果らしい。
自分が傷付くこと、痛みを受けることを恐れない覚悟の行動。
それを無駄にはしたくない。
けれども、状況は良くない――とても。

  「取引――ですか……」

この場において、シャーリーの言葉は的確だった。
確かに、彼女の言う通りだ。
事実、自分も同じようなことを考えていたのだから。

それに、唯一闘える自分のコンディションも万全ではない。
身体の再生には、まだ時間がかかる。
今の状態では『スーサイド・ライフ』の力を十分に発揮することはできない。

  「……『今は』退きます」

考えた結果、選んだのは教室からの撤退だった。
シャーリーに自らの意思を告げ、『ナイフ』を持っている腕を下ろし、
倒れている遊部に近付いていく。
命に別状はないと信じたいけれど、具合が心配だ。

シャーリーは、推奨も禁止もしないと言った。
それは、少なくとも今は干渉しないという意味だろう。
彼女がそう言ったのなら、残っているサンも手出しはしてこないと思いたい。

764『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/16(木) 23:44:11
>>761 (遊部)
メモ帳によるメッセージを許可します。

>>793 (小石川)

シャーリー:「少々きついことを言いますが、はっきりしろよ日本人」

「〇か��か、そう聞いたら答えは〇か��かだけ、△はありません」

遊部の元へと進む小石川。
眠るように意識を失っている遊部がそこにはいた。
サンが遊部を転がし、持ち上げ肩に担ぐ。

シャーリー:「彼女は人質にして差し上げましょう。安心してください、殺しはしません」

にっこりと微笑みシャーリーは言う。

「『諦める』なら少しの償いに帰りの足を『進む』なら少しの償いと闘いをプレゼント」

「あなたの先ほどのお答えに変わりはありませんね?」

「今は、というのならまた闘いに来るのでしょう?」

「私はそう受け取りました」

『部位』の修復時間→80秒

765小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/17(金) 00:40:58
>>764

眠るように倒れている遊部を見て、少しだけ安心する。
無事で良かった、と心から思った。
しかし、彼女がサンに担がれたのを見て、すぐに表情を引き締める。

  「一つだけ――教えて下さい」

  「もし『諦める』と答えれば……彼女を解放していただけるのですか……?」

自分は偶然から紛れ込んだ部外者に過ぎない。
けれど、真実を――彼らの真意を知りたいという思いはある。
彼らの行っていること、彼らの目的を知り、その善悪を見極めたい。
しかし、今は遊部の身が危ない。
シャーリーは殺さないと言ったが、人質にすると明言している以上、
何をされるか分からない。

  「彼女を解放すると約束していただけるなら――」

  「『諦めます』」

それと同時に――『ナイフ』を解除する。
『スーサイド・ライフ』の完全解除。
それが意味するのは、争いを放棄するという意思表示。

真実を知ることよりも、遊部の――『レミ』の身の安全の方が遥かに重要。
彼女とは知り合ったばかりで、決して親しい間柄ではない。
けれど、捕らわれた彼女を無視することなどできない。

そのためなら、真実を知るという意思を曲げることも、少しも惜しくはない。
けれど、シャーリーが『諦める』と答えても『レミ』を返さないと言うかもしれない。
万が一そうなったら、また答えは違ってくることになる。

その場合は、『ナイフ』は解除せず、『進む』と答える。
闘って奪い返す。
それが『レミ』を助けることになると思うから。

766『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/17(金) 01:48:17
>>765 (小石川)

遊部の開放。
それを問う。シャーリーは耳を押えた。
それから数度頷くと耳からイヤホンを外した。

シャーリー:「えぇ、勿論。ただし、先ほども言ったように償いはいただきますわ」

       「クリスさんは足を負傷、ランスさんも足を負傷ついでに首も絞められて危険な状態」

       「我々はそういう損害を出している。それに加えてあなた方の帰る足の分も出す」

       「私たちばかりが損をしていますわ。少しばかり損をしてもらわないとね」

       「償いは十秒もしないうちに終わること。今後の人生に影響があるほどの重傷は与えません」

シャーリーの白いドレスが消える。
サンはいったん遊部を床に寝かせて両手を後ろで組む。
こちらも武装解除。
お互いに戦闘の意志がないことを証明した。

シャーリー:「あなたの望み通り解放しましょう。そしたら私たちの望みを聞いてください」

        「そうすればあなた方のおいたを水に流し、許します」

        「私たちを許す必要はありません。ただ決着はまたいつか、ということになりますけれどね」

767『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/17(金) 01:48:49
>>766

『部位』の修復時間→70秒

768小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/17(金) 22:24:36
>>766

  ――ごめんなさい……。

解放された『レミ』を見つめ、心の中で彼女に謝罪する。
彼女はどう思うだろうか。
自分のことは気にせず先へ進み、真実を突き止めて欲しいと思うかもしれない。

けれど――自分には出来ない。
目の前で仲間が捕らわれながらも、なお先へ行くという選択は『心』が拒否する。
それでも、『レミ』が解放されたことに軽く安堵した。

  「――……」

イヤホンをしていた所を見ると、今も誰かと会話をしていたようだ。
おそらくどうするか相談していたのだろう。
その向こう側にいるのはクリスか、それともフローか。
あるいは、自分が話を聞きたかったドクターだろうか。
気にはなるが――今となっては関係のないことかもしれない。

  「……寛大な対応に感謝します」

そう言って、軽く頭を下げる。
皮肉ではない。
本気で刃を交えた人間に対する対応としては相当に良心的だ。

やはり彼らのことを心から悪い人間とは思えない。
けれど、善い人間かどうかも同じように分からない。
今は、それを判断することができない。

玉子なしでスクランブルエッグを作れないのと同じこと。
判断するための材料が不足している状態で、真偽や善悪の区別は出来ない。
そして、その材料を得る機会も失われようとしている。

  「分かりました――」

取引というのなら、お互いに平等であるべきだろう。
日常的に行っている自傷行為で、身体が傷付くことに躊躇いはない。
けれど、今考えているのは別のことだった。

  「償いを受ける覚悟は出来ています」

今夜、私は人を傷付けた。
これは、その罪に対する罰なのかもしれない。
ふと――そんなことを思っていた。

769『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/18(土) 00:16:46
>>768 (小石川)

進行と退避の天秤。
小石川は進行を選び取らなかった。
天秤は傾く。

シャーリー:「いえ、寛大というのはこの場合我々が言うべきこと」

      「正直、これで抵抗されたら困ってしまったことですしね」

そういうシャーリーの言葉にどこまで真実があるのかは分からない。
ただ、シャーリーは大きく息を吐き出して天上を見つめていた。

こつこつと足音が聞こえる。
窓の外には一本の縄。
入ってきたのはリンゴとクリス、そしてフロー。

リンゴ:「おしまい、ですね」

クリス:「ドクター。本気でやるのか」

リンゴ:「えぇ、私だって心が痛みます。ですがそうすると決めました」

クリス:「……」

クリスは小石川に一礼すると教室を出る。
廊下から話し声が聞こえる。クリスの開放を訴える。

リンゴ:「選んでください。右腕、左腕、右足、左足。それで手打ち、です」

『部位』の修復時間→50秒

770<削除>:<削除>
<削除>

771小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/18(土) 08:33:33
>>769

続々と集まってくるシャーリーの仲間達。
少し前なら、大きな危機感を感じていただろう。
それも、今は感じない。

諦めたから、ではない。
問題の解決には、確かに力が必要なこともある。
けれど、そうではないこともある。

彼らとも分かり合えるのではないかという淡い可能性。
そんな儚い期待を抱いたからだ。
気持ちは分からないでもないが甘い考えだ――
『レミ』……いや、『彼』なら、そう返したかもしれない。

  「……左腕を……お願いします……」

ランスとクリスを傷付けたのは自分の『ナイフ』。
そして、その『ナイフ』は自身の利き腕である左腕と連動している。
だからこそ――左腕を選ぶのが自分なりの誠意。

  「ドクター……。確か『カウンセラーもできる』と、そう仰っていましたね」

      「――私には……愛する人がいました。
       彼も私を愛してくれました。
       けれど、事故が起きて……彼は……私を置いて行ってしまいました……」

顔を上げ、おもむろにドクターに語り始める。
その姿は、まるでカウンセラーと向かい合う患者のようだった。
しかし、その話し方は落ち着いていて、そこに焦りや動揺は見えない。

      「彼がこの世を去った時、すぐに私も後を追うつもりでいました」

      「ですが、彼は『自分の分も生きて欲しい』と言い残しました」

      「だから――私は今、彼のために生きているのです」

      「けれど、彼の後を追いたいという想いは私の中から消えず、
       今も発作的な衝動に駆られることがあります」

      「それでも、私は生きるつもりです――これからも」

そこまで言ってから、言葉を切る。
そして、再び口を開く。

  「……お話したのは、治療をしていただきたいから……ではありません……。
  人の身の上を尋ねる時は、まず自分のことを話すのが礼儀だからです。
   だから――私の身の上をお話しました」

また言葉が途切れる。
躊躇いを含んだ口調で、また話し始める。

  「これは……身勝手な我侭かもしれません」

  「ですが――もし許しが得られるなら、あなた達のことを聞かせて下さい。
   勿論、教えていただける範囲で結構です」

  「……お願いします、ドクター……いえ――リンゴ・ナイチンゲールさん」

最後に、そうドクターに問い掛ける。
そして、彼の顔を見つめる。
彼が話してくれなくても構わない。
自分にそれを強制する権利はないのだから。
だけど――せめて彼の思いだけは、しっかりと汲み取りたい。

772『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/18(土) 23:46:30
>>771 (小石川)

「左腕、ですね。失礼」

小石川の左手を取るリンゴ。
誠意をもって選ばれた左腕。その腕を見つめるリンゴの目は暗いものであった。

「お話、感謝します。治療を望まれない。だから、一人の人間として一言いいます」

「あなたはいいパートナーに恵まれました。素晴らしいことです。そして、急ぎ過ぎないでください」

「発作はこれから多くの時間、付きまとうかもですが。ゆっくりと付き合ってください」

左手を握る手に力がこもる。
ほんの少し湿った感触。リンゴの手に汗がにじむ。

「では、お話ししましょう。私の話を」

かつてリンゴ・ナイチンゲールは若さあふれる医者であった。
人の心を癒し、人生をより良いものにする手伝いこそが自分の使命だと感じていた。
しかし現実はそうではなかった。
彼は理想論者ではないが、人間というものは複雑で案外単純であった。
彼のもとに来る患者の悩みは重く悲しい。
リンゴ・ナイチンゲールは真面目であったがゆえに、真面目すぎたがゆえに患者に入れ込み過ぎ、その心が圧迫されていった。
縁あって友人に日本で勤務しないかと問われた時に彼が飛びついたのは無意識の逃避であったのかもしれない。
ただ、日本で待っていたのは明るい生活ではない。
変わらない景色がそこにはあったのだから。
イギリスで目にした人種差別は生まれや育ちの差別に変わったくらいで、集団生活で人が人を苦しめる構図は一切変わっていなかった。

彼が深く絶望した転機は一人の日本人女性の存在だ。
一ノ瀬仁美。彼女は彼が日本で出会った患者の一人であった。
人間関係に悩み、嫌がらせに悩み、上司のハラスメントに悩み、両親の今後に悩み、彼女は心を病んでいた。
患者と医者という関係であったが、彼らはお互いの良き理解者となった。
苦しみ続けた二人はお互いに依存する様に道を歩いた。
しかし、限界が来たのだ。
彼が親族の葬儀でイギリスに戻っているときのことだ。
仁美が飛び降りたと電話が入った。

773『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/18(土) 23:58:41
悲しみに包まれたリンゴ。
すぐさま日本に戻ればベッドの上で静かに眠る彼女がいた。
たまたま木がクッションになり、全身打撲やそれに伴う体のいたるところで骨折。
一命をとりとめていた。
主治医でありながらなぜ気づかなかったと仁美の家族に糾弾され彼女の意識が戻るまでイギリスに戻った。

どこで間違ったのかと彼は自分を責めた。
しかし生活には金が要る。
彼はそんな状態になってもまだ人を救うという可能性を信じていた。
寒村に赴き患者と出会う。赤い髪の大きな男だった。
彼は家族を不幸な事故で亡くしたらしい。
それまでは孤児で養親との折り合いが悪く、妹と彼の友人だけを信じる札付きのワルだった。
実際に会ってみれば患者は浮浪者のような姿で座っていた。
患者はリンゴの言葉に答えずランタンを見せた。
ランタンの中で燃える光。その中に彼は笑い合う人々の姿を見た。
そして、自分と自分の傍に立つ謎のヴィジョン。
男はただ一言だけ言った。
『光を追え』と。

「世界は病んでいる。それが私の結論。だから、世界を癒す薬、作りたかった」

「クリスさんやフローさんに出会ったとはまた別の時。でも赤毛の彼と出会い、自分の人生の道を見つけたのは同じ」

リンゴは語り終えると笑った。物悲しそうに笑って見せた。

「『チェンジ・ザ・ワールド』それが製薬する私のスタンド」

「薬で人の心と体をドーピングし、弱い人を強くする。私の薬が皆が平等に意見しあえる世界を作ると思っていました」

「ただ、それだけです」

774小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/19(日) 01:44:04
>>773

リンゴが語ってくれた彼の過去。
その話を黙って聴き続けた。
興味を引かれる要素は幾つもあった。

一ノ瀬仁美という名前には覚えがある。
彼女は、この施設の職員の一人だったはずだ。
しかし、彼女からはリンゴが語ってくれたような印象は全く感じられなかった。

そして、彼が診察に訪れたという赤毛の男性。
その何者かがリンゴのスタンドを目覚めさせたのだろうか。
現在のリンゴにとっての転機となったのが、その経験だったのかもしれない。

しかし――今はそれらのことを気にはしていなかった。
気にすることはできなかった。
彼の過去から伝わってきた深い悲しみが、心を覆い尽くしていたから。
悲しい話だった。
あまりにも悲し過ぎる話だった。

自分の境遇との共通点が、より一層その思いを強くしていた。
一ノ瀬仁美――リンゴという唯一の支えがいなくなったことで、
彼女は身投げをしてしまったのだろう。
それは、どこか自分とも似ていると感じられた。

私も、『彼』の遺言という支えがなければ、すぐさま自ら命を絶ってしまうだろうから。
私と彼女に違いがあるとすれば、死を求める動機だろう。
彼女は『愛する人がいなくなった絶望』から逃れるために死を選び、
私は『愛する人に会える希望』を得たいという思いから死に惹かれている。

  「……ありがとう……ございます……」

話をしてくれたことに対して感謝の言葉を告げる。
その時だった。
リンゴに握られた左手。
結婚指輪がはめられているその手の甲に一滴の雫が落ちる。
それは涙の雫だった。

自分でも気付かない内に、涙の雫が頬を伝っていた。
潤んだ瞳でリンゴを見つめる。
彼の姿がぼやけていた。

  「――謝って許してもらえるとは思いません……。
   謝罪の言葉なんて、あなたも聴きたくないかもしれません」

  「でも――私の気持ちとして言わせて下さい」

  「ごめんなさい……。そんなあなたを傷付けてしまって……ごめんなさい……」

泣く声もなく、ただ涙だけが流れていく。
慰めの言葉だけで本当に心が救われることはない。
自分も、そうなのだから。
それでも、言わずにはいられなかった。
たとえ意味がないことだったとしても、そうしたかったから。

  「あの……一ノ瀬さんは――彼女は……」

やや落ち着きを取り戻し、そう呟く。
『あなたのスタンドで治られたのですか?』と言うつもりだった。
けれど、心に生じた躊躇いがそれを遮り、言葉を途切れさせた。

  「――『世界を癒す薬』……その薬は完成できそうなのですか……?」

今後の見通しをリンゴに問う。
この施設で彼が行っている行為。
それは、コハル達にとっては阻止すべきもの。

自分も、そう思っていたから、彼らに手を貸していた。
確かに、ある側面から見れば、リンゴの行いは許されないことだろう。
しかし一方で、別の側面から見れば、それは必要なこととも言えるのかもしれない。

自分は、リンゴの行動に積極的に賛同しようという意思はない。
けれど、彼の真意を知った今となっては、
積極的に止めたいという意思も湧いてこなかった。
ただ、ここで見た事実、ここで知ったことから目を背けないようにしようと、そう思った。

775『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/19(日) 22:53:35
>>774 (小石川)

リンゴの言葉に涙を流す。
絶望し死を選び取った女性と希望を求めて死に惹かれる自身。
口から出たのは感謝の言葉。そして続けて出る謝罪の言葉。
リンゴは慌てたようにポケットからハンカチを取り出し、その涙をぬぐった。
涙で歪む景色が少しだけマシになる。
思えば能力によって欠けていた目も元通りだ。
他の部位も問題なく回復している。

リンゴ:「大丈夫です。仁美も元気に生きています。私は私の思うようにしています」

     「世界を癒す薬。世界への処方箋。まだ道は遠いです」

     「スタンドの理解をするのがもう少し早ければよかったのかも……彼はスタンドを知りませんでしたから」

困ったように笑ったリンゴ。
心のドーピングのバランスや肉体への影響など彼は自身で問題だと思っていることを口にする。
その行いは人の体を使うものだ。
非人道的人体実験。しかしそれも彼の信念に基づく行動であった。

クリス:「ドクター。いつまで昔話してる。こっちは終わった。情が生まれる前に終わらせるぞ」

     「やろうと思えばなんでもやるけど、人を傷つけることに慣れてるのは兄貴くらいのもんだ」

リンゴ:「すいません。では、いいですね。これで今夜のことは全て水に流し、日が昇ればいつもと同じ」

     「始めましょう」

リンゴの傍らに現れる看護師の人型ヴィジョン。
スタンドがリンゴの手に何か手渡す。
錠剤だ。その錠剤をリンゴが飲み込む。
彼の指から伝わる力が変わる。とても力強い。

サン:「ドクターこの人は?」

リンゴ:「お好きなように。右腕とかでいいでしょう」

サン:「わかりました……」

小石川の左腕にリンゴの指の力が加わる。
償いが始まる。
それは一瞬のうちに終わるだろう。

776小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/20(月) 00:20:26
>>775

仁美が元気に生きていること。
それは何よりも素晴らしいことだ。
一度は死を選んだ彼女が、今は希望と共に生きている。
それを聴いて、私も生きなければならないと改めて思う。
同時に、愛する者と共にいられる彼女が少し羨ましくも思えた。

世界を癒す薬の完成も、道は遠くとも、リンゴの意思がある限り可能性は有り続ける。
それが世界にとって、どういうものになるかは分からない。
本当に救いとなるのか、それとも――。
けれど、リンゴの心から生まれたものが世界に害を為すとは自分には思えなかった。
いずれにしても――彼が諦めない限り、いつかはその薬も出来るのだろうと思う……。

  「――分かりました」

会話を終えて、リンゴに向き直る。
彼を見つめる表情に迷いはない。
表情と同じように、心の中も穏やかだった。

自分の目的を果たすことが出来たからだ。
リンゴ達の真意を知り、それに対する自身の判断を定めること。
それが、この事件における自分自身の、個人としての目的だった。

私は彼らの真意を知った。
そして、心から納得した。

その結果、彼らに対して『もう何もしない』という結論に達した。

だからといって、人体実験を肯定し、賛同した訳ではない。
けれど、彼らの切実な思いを妨げようという意思も、また無い。

もしかすると――いつか彼らを止める者が現れるのかもしれない。
けれど、それは私じゃない。
私には、それは出来ないことだから。

  「こんなことを言うのは、おかしなことかもしれません」

きっと、彼らはこれまで通りなのだろう。
そして、私達もこれまで通りに時を過ごす。
今まで通り、何も変わらない――。

  「でも……あなたに会えて良かった。こうして、お話できて良かった」

それでいい。
心残りはない。悔いはない。
今この瞬間、不思議と満たされた思いを感じていた。

  「どうか――どうか、お元気で……」

そう言って、静かに目を閉じる。
リンゴの手で施される償いの処方。
ただ、それにこの身を預けるために――。

777『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/20(月) 00:52:35
>>776 (小石川)

穏やかにリンゴを見つめれば、それを返すようにリンゴもまた見つめる。
賛同こそしないものの小石川の心には納得がある。
彼らと共に歩くことはなく、そして立ちはだかることもない。
リンゴ達と小石川達の道はこの一夜のみ交わる。

リンゴ:「……あなたは不思議な人ですね。お元気で、は言えないのでこの言葉を差し上げます」

     「あなたの人生に幸あれ」

鈍い音がした。
鼓膜から聞いた音ではない。
体の内部に響く音。
骨が折れた音だ。リンゴの手によって小石川の肘は本来とは違う方向に曲げられた。
しばらくの無痛の後、鈍い痛みが押し寄せる。

リンゴ:「車の準備はどうですか? できていないなら早く。痛みは短い方がいい」

しばらくすれば帰りの車を用意できるだろう。

>>遊部

体中に流れる電流を味わい、意識を飛ばした遊部。
深い眠りについていたがその眠りは荒々しく破られることとなる。
鈍い音がして目が覚める。
なにかが変だ。右腕の感覚が少しおかしい。
ないわけではない。だが、普通ではない。
痛み。ずきずきと内側から痛む。
それが徐々に増していき眠気も吹き飛ぶ痛みが走り続ける。
右腕が折れている。

サン:「はじめてにしてはうまくいきましたね」

感覚の薄い右手首を掴んでいる人型のヴィジョン。
肘であった部分には彼の膝。
うつぶせに寝かされている体。
それが現在視覚から得られる情報だ。

778小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/20(月) 22:54:15
>>777

  ――……?

そっと目蓋を閉じた直後、身体の内側から響いた奇妙な音。
最初は何が起きたか分からなかった。
ごく普通の日常生活を送る中では聞く機会のない音だったから。

  「……ッ!」

そして――痛みがじわじわと押し寄せてくる。
先程までの争いの中で受けた鈍痛と似た痛み。
しかし、それとは比較にならない程に大きな苦痛。

  「……うッ……あッ……くぅッ……!!」

そこで、ようやく左腕の骨が折れていることに気が付いた。
両脚から力が抜け、がっくりと膝をつき、うなだれるように頭を垂れる。
ぐっと目を閉じたまま、唇を強く噛み締めて、苦悶の声を押し殺す。

  ――ランスさん、クリスさん……。
     今夜、あなた達を傷付けてしまったことを、どうか許して下さい……。

心の中で懺悔しながら、この身を責め苛む苦痛に身を震わせ、ただ耐える。
きっと彼らも、同じような痛みを味わっていたはず。
だからこそ、その報いとして、私も同じ苦しみを受けなければならない――。

やがて――目を開くと同時に、ゆっくりと頭を持ち上げる。
そして、視線の先にあるリンゴの顔を見上げる。
その表情には、弱々しい微笑みがあった。

未だ苦痛に歪んではいるが、それでもその口元は確かに笑っていた。
無理に強がっている訳ではなく、本当に心からの微笑みだった。
その微笑からは、腕を折ったリンゴに対する『感謝の念』が見て取れた。

  「……ありがとう……ござい……ます……」

注意していなければ聞き取れないような小さな声で、静かに呟くように言う。
なぜなら、これで『心』が救われるから。
自分が人に与えてしまった痛みと同じような苦痛をこの身に受けることで、
私の心は罪悪感から解放される。

このまま無傷のままで帰る方が、腕が折られた痛みなどよりも、
よほど大きな『心の痛み』を感じていたはずだ。
そちらの方が、自分にとっては遥かに耐え難いことだった。
だからこそ、たった今リンゴの施してくれた『償いの処方』は、
罪悪感の苦しみから自分を救ってくれるものだった。

身体が苦痛を受けることによって、逆に心は落ち着き、安らぎを得る。
その点では、自分自身が自殺衝動を抑えるために行っている自傷行為と似ている。
今、私は間違いなく彼の『治療』を受け、心を癒してもらったのだと思えた。

  「――シャーリーさん……。お手数ですが……あなたに、お願いがあります」

  「『着替え』を……手伝っていただけないでしょうか……?
   ……左腕が……使えないもので……」

少しだけ痛みに慣れてきた時、シャーリーの方に顔を向け、彼女に話しかける。
今の自分は、寝巻きの上にコートという格好のまま。
最後の別れは、このような服装ではなく、きちんとした格好で迎えなければならない。

そんな風に、幼い頃から両親に教えられ、躾けられてきた。
そういった習慣は今も抜けていない。
普段の日常生活の中だけでなく、今のような状況でも、それは変わりなかった。

シャーリーが承諾してくれるなら、宿泊していた部屋に戻って、
ここに来た時に着ていた『喪服』に着替えたい。
それから荷物をまとめて帰り支度をする。
着替えを入れたバッグと、手荷物を入れたバッグの二つを持って、
車が用意されるのを待つ。

779遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/21(火) 07:39:07
覚醒してのロールを行っていいと解釈しつつ、行動前に質問行います

・いま現在、霧は晴れてる? 継続して覆われている?

・小石川PCと、こちらのPCの位置関係。また
遊部PCの傍にいるのは『サン』のみ?

・この質問は、PLとしての質問ともなり 内容として
答えて頂かなくても結構ですが。
状況的にエピローグに向かいそうな状況なんですが
ミッション遂行をする上では、失敗として終わるだろうなぁと
考えており。出来る限り、PLとしては、やれる事をやって
終わろうと考えてるので。ミッション成功を目指して目覚めてから
行動しても大丈夫でしょうか?

780『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/21(火) 12:54:53
>>779 (遊部)

・霧は晴れている

・位置関係。傍にいるのはサンのみ

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□盾□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□ク□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□刃□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□リ□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

遊:遊部
盾:サン
ク:クリス
刃:小石川
リ:リンゴ

・まもなく数レスでプロローグに移行する予定です。
なにをもって成功、失敗とするかは人それぞれなのでそのように考えてレスして行動していただいても構いません。
が、現在の進行状況は変わりません。
行動によっては高い確率で失敗になったり、さらなる負傷を得ることがあります。

781遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/21(火) 16:06:03
>>780(回答感謝)



 ――いつも、『わたし』は眠りにつく前に、お祈りをするように、こう思っている。

次に目覚めた時も、変わりない、普段の場所で何もなく目覚めますように と……。

 ……わたしは病気のようだ。病院でも、先生にそう告げる。
先生は、わたしの話を真摯に聞いて。精神的なものだろうと言う事。
 根気よく、投薬治療などせず自然のままに過ごすほうが良い事。難しい事も
沢山あるけど、自然のままのほうがわたしには良いらしい。

 最近は、目が覚めて二日か三日気づけば休みの日が飛んでた事にも気づいた。
けど、それ以外では何もなかった。長い日数記憶が飛ぶのは、とても不安な事だけど
 特に怪我も何もない。きっと、一日中家で過ごしていただけだ。
そう、思えた。思い込めた だから……。



  ―――――――――――――――――――――――――――


 ボ    キッ゛・・・


 
 (……ぅ …?……っ)

 わたしは、何か体に違和感を覚えた。特に、腕の片方に。
寝違えたんだろうか……? それにしては 痛い。

 痛い

 痛い痛い


 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


 「いっ……ぁ」


 ぇ     何?????


 何か、が居た。半透明に見える何か。わたしは横たわっていた。
景色も  周囲の音も  普段過ごしている場所と何一つ合致しない。


 瞬間、本能的な不快感と  奥底からにじみ出るような僅かな諦観と共に

 わたし は

 「ぃ」


 ―――きゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!


   腹の底から    そう声を迸っていた。



 「ひぃ   っ゛   ひぃ ひぃ  ひぃいいいぃぃぃぃ!!??!!!?!!」


 「あ  あな   あなっ た
だ  誰 ですかっっ???!!?  こ 此処  ど、どどどどどこ??!!!!?」



 可能なら、体を反らさせ出来る限り目の前の存在から後ずろうと『ベソ』はする。

782『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/21(火) 18:02:51
>>778 (小石川)
>>781 (遊部)

痛みを伴う償い。
それを受け、痛みを感じながらも微笑む。
罪悪感からの解放。
荒々しいまでの荒治療。

リンゴ:「����いえ、私は何も」

無傷のはずのリンゴの方がかえって辛そうな顔をしている。

シャーリー:「えぇ、もちろん」

シャーリーは着替えを承諾する。
共に部屋に行こうとした時だ。
サンが自分の仕事を終えた。

切り裂くような悲鳴。
痛みで遊部が目を覚ます。

クリス:「ドクター」

リンゴ:「ええ、彼女がどういう人間なのか、私は理解しています。いつも通りに」

遊部は体をそらす。
右手首を掴まれているのであまり離れることは出来ない。

サン:「どうしましょう����」

シャーリー:「こちらのセリフですよ。行きましょう。サンさん達が何とかしますわ」


室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□盾□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□ク□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□刃□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□リ□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

遊:遊部
盾:サン
ク:クリス
刃:小石川
リ:リンゴ、シャーリー

783<削除>:<削除>
<削除>

784小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/21(火) 22:38:55
>>781-782

  「『レミ』さ――」

意識を取り戻した遊部を見て、彼女に呼び掛けようとした。
自分の選択した道は、彼女の意に反するものだったかもしれない。
許してもらえるかどうかは別としても、せめてそのことについて謝りたかったから。

彼女達とは違い、私は偶然紛れ込んだだけの人間に過ぎない。
それでも、一度でも手を貸した以上は彼女達に対する責任がある。
けれど、それは遮られることになった。

  ――……

自らの置かれた状況に混乱し、絶叫する遊部――『ベソ』を見て、
思わず言葉を失ってしまう。
覚醒した彼女は『レミ』ではなく、先程まで行動を共にしていた『ライ』でもなかった。
今の彼女の姿は、平均的な人間よりも脆くか弱い一人の少女に見える。

彼女が多重人格であるということは、これまでの経緯で察していた。
おそらく、今の彼女もその人格の一人なのだろう。
どう接するべきか迷いながらも、『ベソ』に歩み寄ろうとした。

けれど、シャーリーに声を掛けられて、その足が止まる。
心配そうな表情で『ベソ』とシャーリーを交互に見比べ、しばし逡巡する。
そして、躊躇いながらも、シャーリーに共に行くことにした。

  「ドクター……。どうか……『レミ』さんを――
   いえ……。『彼女』を落ち着かせてあげて下さい……」

恐怖と困惑に襲われ、怯える『ベソ』を落ち着かせることを、リンゴに頼む。
『レミ』や『ライ』のような強さを持たず、
恐慌状態に陥っている彼女のことは心配だった。
けれど、リンゴには何か考えがあるようだ。

彼は医者であり、カウンセリングの心得もある。
医学的な知識や経験など何もない自分が何かしようとしても、
かえって逆効果になってしまうかもしれない。
だから、この場は彼の判断に任せることにした。

少し前まで本気で争っていた相手に任せるというのは奇妙なことだった。
けれど、これ以上彼らが『ベソ』に危害を加えることはないと信じたい。
なぜなら、闘いは終わったと思えたから。
今は眠りについているであろう『レミ』や『ライ』がどう思うかは分からない。
少なくとも――私自身の闘いは終わった。

       コクリ……

シャーリーに小さく頷き、共に教室を出るために入口の扉へ向かう。
部屋を出て行く間際、最後にもう一度、慰めるような表情で『ベソ』の方を見る。
そして、そのまま部屋を出て、着替えをするために宿泊していた部屋に向かう。

785遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/22(水) 19:55:55
>>782(レス遅れ大変失礼)

 「なななな あ、ああああ 貴方なに 何なになにナに何なにっっ!?!!」


 混乱 恐怖 不安 危機感 生理的な不快感、鈍痛 激痛 熱に更に恐怖。

 普段なら『ベソ』は泣き出すことも選択の内にあった。だが、何が
わからずも本能的に、いつものように泣いてもどうしようもない。


       ・・・・・・・・・
このままでは『取り返しのつかない事になる』。それだけは感じられた。

 「ふ、『フラジール・デイズ』っ!!」

 ブゥンッッ!

 傍らに発現する『フラジール・デイズ』。無表情で、その一部分は
今の玲実の怪我も再現している。それでも、『ベソ』は本能のまま小さく
叫ぶようにして懇願する。

 「たっ 助けてっ。助けてフラジールっっ!!!」

右手は掴まれてる。華奢なベソ子では振り払う事も至難であり
それに異様な状態なのは感じ取れる。
 
 フラジールが掴んでる相手(サン)が手を離したなら、直ぐに
脇目も振らず後ろへと我武者羅に彼女は走ろうとするだろう。

786『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/23(木) 00:02:02
>>784 (小石川)

今の遊部の姿は小石川がまだ会っていない姿だ。
リンゴは小石川の言葉に静かにうなずいた。
そしてシャーリーと共に歩いていく。
廊下に出ると拘束から解放されたランス。
首にはくっきりと痕が残る。
そして座り込むコハルたち。
彼らもまた償いを受けたらしく足や手の甲を骨折しているらしい。

コハル:「あたた……」

葛西:「あぁ、無事だったか。よかったな。いやこの場合腕一本折れているから無事ではないか」

そう皮肉っぽくいってみせる。

宿の部屋に戻れば同室の面々が眠っている。
シャーリーはその都度聞きながら着替えを手伝う。

シャーリー:「喪服、でしょうか。私の白いドレスとは対照的なまでの黒……」

>>785 (遊部)

クリス:「ドクター」

リンゴ:「全て、終わりました。だから、優先すべきことも変わっている」

「一に彼女が戻るまでに彼女を落ち着かせるか、寝かしつける。二に宿泊客を誰も起こさない」

「一応、あなたのスタンドの準備を」

クリスが動く。静かにドアを閉めた。そして傍に孔雀のヴィジョン。
『フラジール・デイズ』は遊部に忠実に従う。
右腕は使い物にならない。
だが従う、助けるために主を縛る男に攻撃を仕掛ける。

サン:「おっと」

リンゴ:「手を離して」

フラジールは蹴りを放った。
それはサンの顔面を捉えることはなかった。
もう片方の手によって防がれる。
リンゴの指示でサンが手を離す。
後ろに走りこもうとするがドアは既に閉じられている。

リンゴ:「紹介が遅れました。私はリンゴ・ナイチンゲール。二人も自己紹介を」

クリス:「?」

リンゴ:「紹介を」

クリス:「クリスだ」

サン:「サン。太陽ではなく、三番目のサン」

クリス:「ドクター。会話が通じそうにないぞ」

リンゴ:「ないならないでいいです。話す気がない人と無理に話すことは無い」

「この世はアルカトラズのようですが、我々が看守になる必要は無いのです」

「あなたの名前を聞かせてもらえませんか? あなたの質問には出来得る限り答えましょう」

室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
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│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
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└───────────────────────┘

遊:遊部、フラジール
盾:サン
ク:クリス
リ:リンゴ

787小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/23(木) 23:23:36
>>786

『ベソ』のことをリンゴに任せ、教室の外に出る。
すると、そこにはコハル達がいた。
彼らの姿を見て、その状態を察した。

  「いえ。無事ですよ。腕一本で済んだのですから」

葛西の皮肉に、そう言って笑い返す。
命があることが何よりも大事なこと。
無傷ではないとはいえ、コハル達も無事で良かったと思う。

  「……償いを受け入れることを選んだのは私です。
   ですから、皆さんが怪我をしたのは、私の責任でもあります」

  「私の選んだ道は皆さんの意に反するものだったかもしれません。
   私の一存で決めることになってしまったことと重ねて、お詫びします。
   
  「本当に……申し訳ありませんでした……」

そう言って、深々と頭を下げる。
命があったとはいえ、骨を折られた彼らの姿は痛ましいものがあった。
彼らがそうなったのは、自分の選択が原因なのだから。

  「あの――防人さんのスタンドはどうなったのでしょう?」

『ライ』が、防人が羽を抜いてスタンドを忘れたと言っていた。
おそらくクリスのスタンド能力なのだろうが……。
それは元に戻してもらえたのだろうか。

  ――元通りの部屋……。まるで、さっきまでの光景が夢のようね……。

自分が出て行った時のままの部屋を見て、ふと思う。
けれど、それは夢ではない。
左腕に感じる痛みが、それを証明している。
ここで眠っている他の宿泊客は、この施設で何が起きていたのか知ることはない。
それを知っているのは自分達だけ。

  「ええ……。愚かな女と思われるかもしれませんが――私の、ささやかな執着です」

  「あなたの白と私の黒――
   二つがここに揃ったのは何かの運命だったのかもしれませんね……」

  「あの――もし間違っていたらごめんなさい。あなたとクリスさんは……?」

シャーリーと会話を交わしながら、喪服に着替える。
先程までの争いが嘘のようだった。
実際、もし今誰かが起きてこの光景を見たとしても、闘いの後だとは思わないだろう。

788遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/24(金) 09:09:29
>>786

 周囲には馴染みのものが存在しない。
清月学園に、少しだけ周囲は似ているように見える。だが、取り巻く
匂いや感覚は、何時もの学園と合致しない。直感で此処は全く別の何処かの
校舎であり、そして わたしはきっと場違いなのだろうとぼんやりと少しだけ
感覚が麻痺して、冷静に近い意識が薄っすらと考えていた。

 「ひ ひぃ ひぃ……ぃ ひぃ」

嗚咽お漏らしながら、フラジール・デイズの背後に隠れるようにして
肩を上下に小刻みに揺らしつつ精一杯息を整えようとする。

 見知らぬ人、見知らぬスタンド、見知らぬ場所、そして 痛み。

分からない事ばかりだ。

 「こ 此処 此処で、何が 起きてるんですか。
あ、貴方 だ、だだだ誰なん、です?
 い、一体全体何が、何が……ぅ えぐっ ひぐっ……」

 痛みが脳をかき乱す。それだけ告げて、フラジール・デイズに
精一杯藁をも掴む思いと言う感じでしがみつく。

789『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/24(金) 12:43:56
>>787 (小石川)

葛西:「ふっ……骨折り損にならずに済んだのなら私は満足だ」

   「謝罪はいい。私たちも覚悟の上だ」

   「遊部にもすまないことをした。戦闘向きの癖にスタンドを忘れる阿呆。鉄火場に飛び込む非戦闘員ではお荷物だったろう」

防人:「ん? スタンドねぇ。帰る時に返してくれるってよ」

スタンド自体はまだ返してもらってはいないが返してもらう約束はしているらしい。
返して暴れられても困るということだろう。

シャーリー:「そうですね。黒だけならフローさんですけど、白と黒のコントラストもきれいです」

皆が寝静まった部屋に布が擦れる音だけが聞こえる。
小石川の質問にシャーリーはこともなげに答えた。

シャーリー:「婚約者ですわ。元々は使用人でしたけどね」

      「フローさんはランスさんと婚約を。姉妹で兄弟と婚約してるというのも変な感じですけど」

二人の会話に刃のような鋭さはなく。
霧のようなはぐらかしもない。
穏やかな時間。穏やかな会話だ。
着替えが終わる。荷物は大きなものであればシャーリーが持ってくれるだろう。

>>788 (遊部)

自分のよく知る学園とは違う空間。
似てはいても合致はしない。
ある種、学園の偽物の空間である。
フラジールの背後に隠れる。それによって彼らが何かをするということはなかった。

リンゴ:「一つずつ、落ち着いて聞いてください。そして忘れていただいても聞かなくても結構です」

    「私はリンゴ・ナイチンゲール。そこの彼がクリス。そしてもう一人がサン」

    「ここで起きたことは全て終わりました。ここには戦いがありましたがもう終わったことです」

    「我々はあなたに危害を加えるつもりはない。じきに帰りの車を出しましょう」

    「それに乗って帰ればまた明日からいつもの生活が始まります」

リンゴは落ち着いた口調で一つ一つ確かめる様に発していく。

室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
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└───────────────────────┘

遊:遊部、フラジール
盾:サン
ク:クリス
リ:リンゴ

790小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/24(金) 19:23:28
>>789

  「そう――ですか……」

シャーリーの口から語られた人間関係を聞いて、感慨深げに答える。
頭に浮かぶのは、自分が愛した人のこと。
意識せずとも、つい自分自身の過去と重ね合わせてしまう。
表情が僅かに複雑な色を帯びる。
それは痛みのせいではない。

  「……お幸せに。ランスさんとフローさんも……」

自分も幸せになるはずだった。
けれど、その幸せは失われてしまった。
だからこそ、彼らには幸せになって欲しいと、心から思った。

  「――手伝って下さってありがとうございます。
   すみませんが、こちらの大きいバッグを持っていただけませんか?
   『彼女』の様子が気になるので、少し戻ってみたいのですが……」

小さいバッグの方は自分で持ち、教室に戻って中の様子を覗いてみたい。
先程の『彼女』の状態は、傍目から見ても相当ひどい取り乱し方だった。
少しは落ち着いていてくれるといいのだけど――。
おそらく彼女にとっては、全く知らない場所に突然放り出されたようなものなのだろう。
それを考えると、落ち着けと言われても無理な話かもしれないけれど……。

791遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/24(金) 23:20:20
>>789

>私はリンゴ・ナイチンゲール。そこの彼がクリス。そしてもう一人がサン
ここで起きたことは全て終わりました。ここには戦いがありましたがもう終わったことです

 「った たた、かいっ!!?!!??
お、お終わり??? な、 何がっ  どっ  う 言うっ!!?!」

 理解不能 理解不能 理解不能。

『ベソ』には分からない。当然だ 目覚めたばかりの彼女には
何も察する事が出来る筈がない。『レミ』であるならば、状況を見極めて
会話もなせるだろうし、『ライ』なら戦闘可能が判断をして無理と知れば
潔く降伏を呑む事もする。けど、『ベソ』には出来ない
 まだ、単純に誘拐して貴方は身代金の人質だと言われれば
恐怖は身を縛っても納得は出来たかも知れない。然し、リンゴの言葉は
彼女には複雑であり、望むような回答でなかった。
 
ガタガタガタガタ

蒼褪め、歯はカチカチと鳴る。
 
(わ、わかんないわかんない 何が起きたの? 何でわたし怪我してるの??
 な、何もわかんない。わ、わたしが悪いの?? 此処が何処かも
何で居るのかも、何が正しいのかも、何が
 何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が
何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何
何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何
何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何


           ――塔   が…                    )


  
「――   …」   フッ…

 狼狽えていた遊部は、唐突に沈黙して頭を下げてフラジールの
肩の死角へ俯くようになる。

 そして、数秒後 顔を上げた。



   「……」


                   ――ニコッ

カツカツ        スッ…

 「――こんばんわ    初めまして、ドクター」

 「お会い出来て、光栄です」

 流暢に、この空間には不釣り合いな穏やかな音声。
芝居かかった片腕を緩やかに上から下に振るようにして足を軽く組み
頭を下げると共に、上げられた顔には微笑が遊部から放たれる。

 フラジール・デイズの前に歩き、リンゴに距離が近づく。
攻撃する素振りはない、右腕の激痛は未だ続いてる筈だが。
 今の彼女? には、その素振りは欠片ほど感じられない。

「彼女が醜態をなした事、わたくしが代わって詫びを申します。
 えぇ、そして……僭越ながら、わたくしの名を告げるとすれば――」

「――絶対なる牢獄から抜けた囚人の三名の一人。(※アルカトラズからは三名が脱走した事件がある)
貴方のアンリ……と」
    (↑※赤十字の創始者でありフローレンス・ナイチンゲールの相談相手)

 「えぇ、ドクター。では、もう少しだけ、真に勝手ながら、この身から貴方に対して……えぇ、そうですね。
我々は、お互いの事を全く何一つとして 存じ上げていない 
 ただ、何一つとして。貴方がお医者様であり、わくたくしは、見ての通り頭の中と腕に怪我をしている哀れな道化。
それしか知り得ていません。それはいけない、まことにいけない……無知は罪、互いを知らぬからこそ人は平気で
他者を傷つけ、戦場では兵士が兵士を冷酷で惨殺する。無知は罪ですよ、先生。
まずは、そうですね……そちらの過去について、そしてこの学び舎で
どのような事が起きたのかを、お聞かせ願いたい。わたくしは、少し特殊な身でして
普段は殆ど、このように外に出ないのですよ。ははははは、先生 これは、わたくしと先生だけの秘密
そう、先生とわたくしだけの秘密、ですよ? ふふっ。
 あぁ、そうだ先生。立ったまま話すのも酷でしょう。宜しければ、フラジールが椅子を運びます。
それとも、先生はフラジールが椅子の代わりになるほうが良いですかね? ねぇ ――先生」

>>772-773の話を、良ければもう一度聞く。

 彼女? は、きっと先生の話を穏やかに受け入れて耳を傾ける。
話が終わったあと、そして、 彼女? はこう告げるだろう。

 「有難う御座います先生。まことに、お辛い胸の内を曝け出した痛み。
無礼と存知つつ述べれば、まことに感じ入る思いです。
 そして、あえて。もう一つわたくしから言わせて頂ければ。
許されるならば……こう言わせて頂きます。


     ――何故    何時まで嘘をつくのですか?   ――先生」

792『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/25(土) 00:19:25
>>790 (小石川)

無意識のうちに浮かぶのはかつてのパートナーのことだ。
その表情と言葉にシャーリーは静かに微笑む。

シャーリー:「いえ、あなたはあなたの幸せを願いなさいませ」

シャーリーが大きなバッグを持ち、小石川自身は小さいバッグを持つ。
元の教室に戻ろう。
かつかつと響く自分の足音を聞きながら廊下を進む。
部屋のドアは閉まっていた。聞こえる会話。
遊部の姿は先ほどとはまた様子が違う。

シャーリー:「これは?」

ランス:「さあね。フュンフは?」

フロー:「解除しちゃってねえ」

シャーリー:「あらドクター丸腰?」

ランス:「サンも兄貴もいるよ」

>>791 (遊部)

理解が追い付かない。
知らないこと、分からないことだけが耳に入る。
混乱と沈黙ののち、入れ替わる。

クリス:「ドクター」

リンゴ:「いちいち私に伺いたてなくても大丈夫ですよ」

クリス:「了解」

>>ALL

リンゴはふぅと息を吐いた。
そしてもう一度彼の過去について話した。
それに対しての遊部の返答を聞き、もう一度今度は先ほどのような浅い息ではなく、深いため息だ。
手を上げればその手の上に『チェンジ・ザ・ワールド』が錠剤を置き、それをリンゴは口の中に放る。

リンゴ:「嘘? 嘘とおっしゃいましたか? そうですか。ならばいうことはドクターではなく個人としての言葉」

    「ふざけろ。お前は自分の頭の中でお前の思うように世界が回っていると思っているのかもしれないが現実はそうではない」

    「お前がしたことは冒涜だ。何か格好をつけて芝居がけてなんとする」

    「さて、その言葉の理由を問おう。返答をしたくないなら必要なし」

遊部の発言は彼の逆鱗に触れたらしい。
声を荒げはしなかったが確かに怒りの感情が込められている。

793『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/25(土) 00:20:04
>>792

室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□ク□□□□│
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└───────────────────────┘

遊:遊部、フラジール
盾:サン
ク:クリス
リ:リンゴ

794小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/25(土) 10:28:01
>>792

  ――……?

教室に戻ると、そこに待っていたのは意外な光景だった。
予想とは違い、遊部は随分と落ち着いている。
いや――あまりにも落ち着き過ぎている。
先程までの取り乱し方と比べると、不自然な程の落ち着きようだ。
そこから、自分が席を外している間に再び別人と入れ替わったのだろうと察した。

今の彼女が誰なのかは、もちろん知らない。
ただ、まるで道化を思わせるような捕らえ所のない性格の持ち主らしい。
彼女が何を考えているのかは、自分には分からなかった。
考えてみれば、とても奇妙なことかもしれない。
この場で最も真意が読めないのが、今まで対立していたリンゴ達の方ではなく、
ここまで共に行動していたはずの遊部の方なのだから。

  ――ドクター……。

リンゴに視線を移すと、彼の姿からは強い憤りが感じられた。
これまで冷静だっただけに、彼の中にある感情の激しさが目に見えて分かった。
このままでは、遊部との間に何かしら良くないことが起こるのは明らかだ。

二人の間に割って入りたい衝動に駆られるが、その思いを抑えて事態を静観する。
自分は中立であることを望んだのだし、遊部自身がリンゴ達とどう関わるかは、
彼女自身が決めるべきことだと思うからだ。
とはいえ――もし本当に危ない状況になれば、それを止めるつもりでいる……。

795遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/25(土) 17:42:37
>>792
 (『布石』内容は『暗号スレッド エニグマ』にて
passは『塔は影に呑まれ暁に消える』)

 >ふざけろ。お前は自分の頭の中でお前の思うように世界が回っていると
>思っているのかもしれないが現実はそうではない
 >お前がしたことは冒涜だ。何か格好をつけて芝居がけてなんとする
 >さて、その言葉の理由を問おう

冷静な言葉遣いながらも、膨れ上がるような節々から感じる憤りを匂わす音色は
遊部の体にも伝わる。
 だが、尚も彼女? は微笑んでいた。柔らかく 尚も穏やかに場違いに

「……お怒りはごもっともです、ドクター。ですが、わたくしは何も
単なる推察、悪戯な挑発で妄言を下したのではありません。
 順を追って、お話致します。どうか、今しばらくそのままで。
拳を振り上げるのは、もう少し後にしましょう……」

まぁ   『そうでなくても』『そうであっても』 どちらであっても、『都合が良い』のですが……。

「……では、話を戻すようですが。貴方の過去を今一度わたくしは反復いたします。
若きカウンセラーであったリンゴ・ナイチンゲール。夢と希望、光る正義を宿す貴方は
日々心に疾患を負う患者を助けるべく奮闘していた。ここまでは良いですね?
 家族間での不和、虐待、愛の亀裂。尽きぬ差別や虐め、精神的な暴虐
先生はご立派です、本当に……ご立派だと思います。
 ……ですが、貴方は『見捨てた』」

……

「……次に、リンゴ・ナイチンゲール。貴方は故郷を離れ、この国で最愛の人物と出会った。
とても、感動的な話です。一ノ瀬さんとの邂逅、そしてアクシデント
わたくしはね、先生。貴方に責は無い、貴方を許しますよ
 どうしようもなく、暗い闇の中を互いに行きかう男女。人は不完全な生き物です
心を専門とするお医者様だからと言って、愛する人の自殺未遂を救えなかった咎人と
糾弾するなんて事、それこそ告げるほうが無責任ですよ。
 話を戻しますが、先生。貴方はそして心を鉄のようにして使命を遂行し
神の啓示を受けるに等しく、スタンドに目覚める切っ掛けを得た。
 非常に……えぇ、とても非常に感動的な話です。
 ……ですが、貴方は『見捨て』ている」

    「――何が言いたいんだ? そうですね……『貴方自身』の事ですよ 先生」

「リンゴ・ナイチンゲール。貴方は故郷に未だ自分が診察するべく人間は沢山いる事を知りながらも
此処へ来た。逃げなければ貴方自身が『押し潰される』から
 この国に訪れ、最愛の人と出会いスタンドに目覚め。世界を癒す為、と言う大義の為に幾つかの治験で
罪のなき一般市民が悶え苦しむ事も、これは 必要なのだからと必死に自分に言い聞かせ処方箋を
作ろうと躍起になっている。そうでなければ『圧し潰される』から
 ……ねぇ 先生。 本当はご自分でもお気づきなのでしょう?
   ――世界を癒す前に、本当に癒さなければならないのは『ご自分』である事を。
   ――世界が病んでる、と告げるのは。本当に病んでるのが『ご自分』である事を。」

 ただ 遊部の顔には微笑みだけが保たれていた。 屈託のない、静かな微笑が

 「リンゴ・ナイチンゲール。貴方は今も傷つき倒れそうな自分の精神をないがしろにしている。
他者と向かい合う事が出来ても、己と向き合えば崩れてしまいそうな自分自身を、あえて無視している。
 それでもね、先生……わたくしは  貴方のその罪を  赦します」

796『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/26(日) 00:13:43
>>794 (小石川)
>>795 (遊部)

小石川の側からは声こそ閉じられた扉で聞こえにくいがつけられている窓から中の様子が分かる。

静かながらも確かに怒りの火を燃やしていたリンゴ。
だが時間が経つにつれ段々と張り詰めた雰囲気は収まっていく。
リラックス。落ち着いたリンゴは先ほどまでと同じような表情でいる。
呼吸に乱れなく、穏やかに欠伸をする。

リンゴ:「そうですか。そうですね。そうかもしれません」

「教えてくれてありがとう。それに許してまでくれるだなんて光栄です」

二三度頭をかいている最中にピアノのメロディが響いた。
リンゴがポケットに突っ込んでいたスマホの着信音らしい。
彼は失礼と一言いってから通話を始めた。
体を横に向ける。
警戒しているようすも特に見えない。

リンゴ:「えぇ、えぇそうですか。頭を低く、参じましょう」

「車が来たようです。どうです? お乗りになられますか?」

リンゴが通話を終了する。
その時、リンゴの片足が浮き上がった。
ランスの拳、小石川のナイフさばき、それらに劣らないスピードでリンゴの足裏が遊部に向かう(スB)
それに反応するようにサンが姿勢を低くしてタックルを仕掛けた(スC)


室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
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└───────────────────────┘

遊:遊部、フラジール
盾:サン
ク:クリス
リ:リンゴ

797小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/26(日) 23:40:48
>>796

遊部とリンゴ。
声は聞き取りにくいが、二人の間に流れる空気が変わったことは分かった。
きっと彼女も自分の決着を着けようとしているのだろう。
私は手を引くことを望んだ。
けれど、彼女は別の道を進もうとしているようだった。

私が選び取らなかった道。
彼女は意思と力を持って、その道に臨んでいる。
リンゴとクリスとサンを前にしても、決して怯んではいない。
今、彼女の身体から力強い輝きが放たれているように見えた。
その姿に眩しいものを感じ、目を細める。

サンとリンゴが動くのが見えた。
止めるべきかもしれない。
けれど、止めた。

今、割り込むことは失礼なように思えたから。
彼女に対しても、リンゴに対しても。
私の闘いはもう終わっている。

その代わり、彼女と『フラジール・デイズ』の闘いを見届けよう。
ふと、コートのポケットに手を差し入れる。
指先で触れて、その中にあるものの感触を確かめるために。

798遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/27(月) 09:42:11
>>796

  ――ありがとう ドクター。

遊部は、リンゴ・ナイチンゲールが自身の発言によって激怒するでもなく
穏やかな表情に移り変わる異常さに対し反応しなかった。

ピアノの着信音、自分に対する声かけ。それに対しても反応はしなかった。

ただ『待っていた』 彼が 自分に対して絶対に起こすであろう『攻撃(リアクション)』

 それこそが、『わたくし』が待ち望んでいた事であり、悲願だから。

 自分に向かって接近してくるリンゴ。それに対し長く話す事はない。
ただ、少し残念だと思える事はある。だが、それは想像する事で楽しもう。

   ……自分が『誰を攻撃』したかと言う事で、彼が後で苛む事なんて……。

でも、こう一言だけ投げかけておこう。 それが、誰に対してかなんて告げないけれど

 「   ――貴方に   幸あれ」


    ズ   ンッ゛

  蹴りが、遊部の体に吸い込まれる直前。


 『…………えっ??』

 遊部は    『ベソ』に戻った。何が起きてるのか分からない
無垢で一時呆然とした顔つきに。


 

 >>795『布石』内容

わたくしは攻撃を察知すると同時に『ベソ』の人格を表に出す。
『ベソ』は人格達を表に出す為の『門』である。
彼女が精神を完全に破壊される一撃を受ける事により
人格達の基点は崩壊し一時的に保たれていた秩序は消失する。
抑制されている他人格達は復活し、再び『遊部 玲実』の主導権を
握る権利はすべての人格達に舞い戻る。



――――――――――――――――――――――――――――――――

 酷い 悪夢を見た。

現実のような 腕の痛み。少しばかり褪せた自分が通う場所とは異なる校舎
 謎のスタンド、そして少し怖くて悲しそうなお医者さんと名乗る男の人。
何もよく分からない場所。あぁ、これはきっと悪い夢。

 少しノイズが入る。景色が暗くなり、そして場面は同じようになる。
でも、きっとこれは現実ではないから。

 だって……。


   「な゛    ん゛   ぇ゛  」


 カエルの体が一気に潰れるような音が、凄く場違いに聞こえた。
能面のような男の人   玲実の名を叫ぶ男の人
天井が見える    キレイなソラが見える
わたしは落ちている   ワタシは落ちている
 ひどく馴染みのある塔が見える  
わたしは手を伸ばそうとするけど、どんどん離れていく。
 いや、塔が遠ざかってるんじゃない。わたしが  塔から落ちているんだ。

 
 そう、これはきっと とても悪いゆめ。

きっと、次に目が覚めたとき    何もかもおわって 普通の 日常  が――……

799『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/27(月) 23:38:28
>>797 (小石川)

遊部は小石川と違う道を進む。
戦い、そしてその先にあるものを掴みに行く。
小石川はその姿を見届ける。
闘争の舞台に上がっているのはこの教室にいる者たち。
扉一枚が演者と観客を切り取る線である。

コートのポケットに手を入れれば触れる指輪。
右手薬指についていたものだ。
肌から離れてはいたがそれは確かに小石川の傍にあったものだ。

>>798 (遊部)

遊部が待っていたのはリアクションだ。
そしてそれは予定通り実行された。
ベソの人格が戻る。周囲におびえるその人格が攻撃を受ける。
するとどうなる? 秩序が崩壊する。
ただ待っていればいい。攻撃が自身に到達するのは一瞬だ。

鈍い音がする。先ほど聞いた音に近いが当たった場所は顎、幾分耳に近い。
その膂力はスピード同様人間のものではない。
ハンマーで武装した人間の一撃であり大型動物の一撃に匹敵するレベルのものだ。
それを受けて人体が無事なはずもなく、顎が砕ける。
脳が揺れる。塔が倒れる。
サンはドリフトでもするかのように床を進み、たどり着いたのは遊部の背後。腰に両腕を巻き付いた。
蹴られた勢いそのままに体が浮き上がりそうなその体を捕らえた。
サンが倒れる。遊部に押しつぶされるのではない。自発的に後ろに倒れ込みブリッジの体勢になったのだ。
遊部の視界はジェットコースターのようであった。
前方に見えていたものが足元に移動し、視界は天井へ
そのまま背後にあったはずの壁が見えてきて、最後には視界が逆さまになった。
顎への衝撃、そして後頭部への衝撃。人格の入れ替わりを確認しないうちに遊部の視界が歪み、溶ける。
腰の拘束がなくなり、ゆっくりと体が横に倒れた。
微睡むようにぼんやりとした意識。定まらない視界。

リンゴ:「……はぁ」

クリス:「記憶は」

リンゴ:「奪わなくていいです。必要ありません。覚えていてもいなくても変わらなかったらショックです」

ベソにとって今夜は悪夢だっただろう。
もしも目覚めることがあったのならば、きっといつも通りの日常が待っているだろう。

800『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/28(火) 00:07:17
>>ALL

リンゴが咳をするとその口から赤い塊が飛び出す。
手に着いたその赤をリンゴはポケットから出したハンカチで拭う。

リンゴ:「終わりましたよ」

クリスは扉を開けた。
ランスはフローに肩を貸され立ち上がる。

リンゴ:「サンはそこの女性を運んでください」

    「あの足が折れている二人は私が運びます」

サンは遊部の傍に近寄る。
目の前で手を振っている。
ぼんやりと視界ではそれは影にしか見えなかった。
目を閉じれば深い眠りに落ちてしまいそうだ。
意識を保とうと努力をすればそれはなされる。
しかし何か大きなことが出来るかといえばそれも微妙だ。
声を発することはできるだろう。

リンゴ:「……車までご案内しましょう。私が運転します」

801小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/28(火) 09:49:34
>>800

目の前で繰り広げられる闘争の舞台。
それを客席である室外から見届ける。
そう、自分の闘いは既に終わっている――。

そして彼女の闘いも今、終わったのだろう。
これで、今夜の闘いの全てに幕が下ろされたことになる。
心の中で舞台の終幕を感じ取っていた。

   スゥゥゥッ……

闘争の中で紛失してしまわないように、闘いの前に外しておいた指輪。
それを慈しむように左手で取り、元通り右手の薬指にはめ直す。
なぜなら、もう外しておく必要がないから。

折れている左腕を動かすことは大きな痛みを伴った。
もし、自分でやらずに誰かにはめてもらったなら、その痛みを味わうこともない。
けれど――それはできなかった。

たとえ腕が折れていようとも、この指輪だけは他人の手に委ねることはできない。
これは愛する者の形見であり、決して消えることのない絆の証。
自分にとって、命の次に大切なものなのだから。

  「分かりました……」

リンゴの案内に従い、用意された車の下へ向かう。
サンの横に並ぶようにして歩き、彼に抱えられている遊部を見つめる。
その怪我が自分以上に重いことは、医学の心得がない自分でも分かる。

彼女の意思を汲み取った結果、止めることはしなかった。
それでも、こうして傷付いてしまった姿を目の当たりにすると胸が痛む。
自分を含めた怪我人達の中で最も負傷が重い彼女には、
特に一刻も早い治療を受けさせてあげたい……。

  「――ドクター……。あなたの身体は……?」

歩きながらリンゴの方に顔を向け、先程の吐血について問い掛ける。
瞬間的とはいえ、あれほどの膂力と速度を、彼は生身で発揮していた。
リンゴ自身の身体にも相応の負担がかかっていたと考えるのは、
それほど突飛な考えではない。

もしかすると、それは薬によるドーピングの副作用なのかもしれない。
それを考えると、遊部と同様にリンゴの具合も気にかかった。
遊部自身が半ば受け入れていたとはいえ、
リンゴの手で重症を負った彼女に申し訳ないという思いもありながらも、
同時にリンゴを心配する気持ちも胸の内に存在していた。

802遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/28(火) 19:06:16
>>799-800

我々はあなたに危害を加えるつもりは

 こちら  クリス  サン  リンゴ・ナイチンゲール

        光を追っているのさ  

ネオン 掴んだ……やれ!

                    私は自分と他者の天秤に、他者を傾けるでしょう
               
                         はじめまして。私は小石川という者です

  

 幾つもの記憶の濁流。
わたし は   落ちている。

  わたしの 知っている   知らない  映像が  声が  映っていく。

どんどんと  わたしは   落ちていく。

 そして  ワタシは


                      ――何処へ   行きつくのだろう


      「      ひ   か  り……。    」


――――――――――――――――――――――――――
(※以下、ミッションには ほぼ干渉しえない一人劇)

   ……何処とも違う、深い 奈落の意識の底で。


   パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!

数十人から盛大なる拍手を、大統領のように受ける人物がいる。
 ゆったりと、片手を鷹揚にあげて、その人物は周囲で賛辞の拍子を鳴らす人達に
微笑みを浮かべて会釈を何度か行う。男女の性は不明だ。

?「やってくれますねぇ! 見事、やってくれました!
 これで、おいら達も自由に動けるってもんですよっ。よっ、大統領っ!」

調子のついた、よいしょを行う若者らしき者に。ゆったりと、告げる。

「大した事はしてません。正直、あぁ言う遊戯(ゲーム)は、わたくしの
得意とする所ですから。それに、彼は凡夫である事は話を聞き反応から直ぐ
察せられたものでして……人となりが分かれば、簡単な事ですよ」

?「凡夫? 世界を癒すと言う使命感に燃える医者が、ですか……?」

平凡な、普通の人物。そうリンゴ・ナイチンゲールを称する事に疑問を
覚える幾つかの周りの人間に。優しく、その人物は述べる。

803遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/28(火) 19:07:11
>>799-800


「世界を癒す、処方箋を創る、人々が平等に意見を言い合える世界
 光を目指す。わたくしは、その目的を否定するつもりありません。
それどころか、素晴らしい夢だと思っておりますとも。
 ……ですが、主旨と目的が彼の場合異なるでしょう?
 十を救う為に1の犠牲に目を瞑る。大多数の人間が癒せる薬を作るなら
その過程で、その大多数の何割かの何も知らぬ一般人を苛める事も厭わない。
 ははは、滑稽すぎますね。
苦しんだ過程は、スタンドでアフターケアをしますから問題ありません。
 我々はクリーンな人体実験をしてますので正義です。だなんて
その理屈が通るのなら、人体を完全に元通りに出来るスタンドがあれば
どんなにメスで刺しても、医学の為なら問題ないって事でしょう?
 本当に、その道を突き通したかったら。彼が清貧であり本当に善なる
人間を目指すのなら、大多数の自分の同僚や、スタンドに通ずる人達を
頼っていき自分の理念を正当に行う基盤を作り団体を設立すれば良かった。
 隠れてネズミのようにコソコソやるから、今日のような事が起きる。でしょう?
 彼は、医者でありながら其の理念を破綻してます。だから凡夫なんです
他にも理由がありますが、」

 そんな風な説明が一通りなされた時だ、傷だらけの体ながらも
下卑な病的な笑みの女性が口を挟んできた。『ネオン』だ

 ネオン「ヒヒッ♡ でもでもぉ〜、あのドクターめっちゃ切れてたよね。
殺されそうなぐらい、超やばッ💛て感じで。
 あの泣きべそちゃんじゃなくて、うちが受けたかったなぁー。
で……最後、なんであんな事言ったのぉ〜ん? 
 たしか ひかり、あれ??」

 「幸あれ、ですよ。まぁ……気紛れ、ですかね。まぁ、彼が
その真意に気づくかどうかは分かりませんけど。わたくしとしては
気づいてくれた方が、愉しい、と言う。ちょっとした呪(まじな)いですよ」

よく分からない、と言う表情のネオンの傍らで、シャドーボクシングを行う
ような動作で若者が語り掛ける。

ウー「けど、悔しいなぁーえぇぇ!!? 格闘で、良いようにボコボコに
されちまってよぉぉぉおいっ!
 俺が出れば、目ん玉に指つきぬけでのアッパーぐらいやってやったのによぉぉ」

苛立つウー。だが、それに対して意味深な笑みで其の人は返す。

「そう、完膚なきまでの敗北ではありませんよ?
 彼(リンゴ)には『毒』を埋め込みました。いずれ、その毒で落ちるかも知れません。
まぁ、これも当たるも当たらぬも八卦なんですがね」

ウー「あぁぁぁんっ!!?? 毒ぅぅうっ??」

 シャドーボクシングを止め怪訝そうに振り向く。他の人物達も
興味を浮かべ、注視する。

 彼ら彼女らに対し、ゆっくりと首を回してから。
また、その静かながらも周りに良く通る声は響き始めた……。

 「では、冒頭から語っていきましょう」

804遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/28(火) 19:08:28
>>799-800

「御存知の通り。わたくしと、リンゴ・ナイチンゲールの問答の末
彼は、わたくし……ベソを攻撃しました。
 これにより、今や基点は崩壊して、わたくし達、抑圧されていた者達も含め
全て表で行動出来ます(この部分で、再度盛大に歓声が起きる)
 静粛に……静粛に、騒いでも結構ですので話しの続きを行う許可を。
ゴホンッ
 彼は、前提で遊部 玲実を攻撃しない事を条件に、わたくしの話を
聞き入れた後に攻撃を行った。衝動を消し去れず……その内容を
否定できず『肯定』して『真実』と受け取ってしまった事に。
 ゆくゆく気づくでしょう。彼がベソと言う何も知らない少女に対し
殺しかねない攻撃をした事を。そして、告げた出来事を否定出来ずに
自分が最初に掲げた、平等に意見しあえる場。それを自分から破壊してる事を。
 全ての結果は彼を圧し潰す要因として苛む事でしょう。
さぁ、それ彼はどうするのか?
 また、起きた出来事を。仕方がない出来事だったと逃避して大義の為に活動するのか。
わたくしの話を後に回想して、自責の念に苛まれ。それすらもスタンドの薬で押し殺すのか。
 いずれにせよ、わたくしの簡単な問診の結果。彼はね、とても弱い人物です。
遅かれ早かれ自滅する、取るに足らぬ病人なんです。それが、わたくしの言葉でどう作用するのか……
 望むとすれば、何か違う切っ掛けで裏返り。わたくしの言葉を肯定か論破する人間になれる事を望みますがね。
若しくは、実はスタンドで世界を混沌に陥れる為の実験が今回の治験であった。先ほどの昔話も全て嘘
とかの方がよっぽど愉快なんですが。一杯食わされたと、そうなると悔しいしもっと楽しめるんですけど。
 まぁ、どうであれ。いずれ破滅するような、か弱く 壊れ切った存在。
壊れてる玩具には興味ないんです。壊れるか壊れないかの瀬戸際がね」

 話に対し、羨望の目、若干引いたり感心など十人十色の中。
一人の声が口を挟む。

?「因みに。先ほど起きた出来事も、単なる妄言だと切り捨てて忘れる。
ベソも疾患の一部、そんな風に受け取るドクターだったと言う可能性はないんですか?」

 その言葉に、少しだけ真顔になった思案するように頬に手を当てる
ジェスチャーを答弁者は行った。その後、特に変わった様子なく答えた。

「ふむ……そう言う人物かも知れません。わたくしの言葉を病巣の世迷い事だと、ね。
でも、そう考えるなら。突発的に攻撃なんてしないものですよ。
 わたくしの予期していた最悪のパターンは、彼がわたくしの言葉に対し憤りを浮かべつつも
貴方は病んでいる、私の手に負えない程。だが、世界を癒す目的の為に貴方の言葉も受け取ろう。
……とか、何とか正義を振りかざして暴力を振るわずライやレミに。わたくしの存在を教える。
 そう言う想定も覚悟してたんですよ。そうなると、今後わたくし達が出られる機会も殆ど無くなる。
まぁ、相手が愚かで本当に良かったです。杞憂でしたから
で、彼が。わたくしの言葉を否定出来ず衝動的に攻撃する且つ、後で病理の言葉ゆえ切り捨てる。
矛盾しながら世界を癒して光を追うと言う向こう見ずな人間だった場合、ですね。それこそ……」

 そして、肩を竦め 言い切った。


             「―――馬鹿につける薬なんて この世に存在しませんとも」


                  ――――――┣¨ッ!!!


 嘲笑、冷笑、爆笑。
様々な負の笑いが、巻き起こるなか両手を掲げて中心の者は謳う。

 「さぁ、些細な事なんて捨て置き わたくし達の旋律を奏でましょう。
『光を追え』 そう小鳥たちが歌うならば。
 光を見れぬ我らは囀りましょう、『闇を産め』と」

 クスクス

「世界は病んでいる? そうでしょうとも。けど語弊がある
『病理』こそ、『混沌』こそ。世界の一角であり、真実であり無くてはならないもの。
 
この、なだらかな平和と思える底では。超常な現象と悪意が混ざり合い静かに蔓延する。
 本当に『世界』が『変革』出来るのか? 
盲目的に、深く深く抜けれない泥の道に埋まっていく彼に、わくたしから向けれるのはたった一つの言葉のみ
   ――幸 あれ」

805『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/28(火) 23:43:22
>>801 (小石川)
>>802 (遊部)

痛みに耐えながら小石川の指に指輪が通る。
絆の証は元いた場所へと戻った。

夜の冷たさの満ちる校舎を歩いていく。
階段を下りている時にリンゴは質問に答えた。

リンゴ:「連続した服薬はどうも体に悪いようでして」

柔らかく笑う。
口から見える歯は血で少し赤くなっていた。
能力の反動なのだろう。

校庭に出るとそこには車が一台止まっていた。
大きめの車でこの人数でも席が余りそうだ。

リンゴ:「お乗りください」

扉を開け、コハルと葛西を後ろに座らせる。
サンはその近くの席に遊部を座らせた。
後は小石川だけだ。

806小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/29(水) 16:18:56
>>805

         ザッ……

車に乗る前に、もう一度だけ今夜の舞台となった遠島高校を振り返る。
昼間に到着してから今まで、まだ半日程度しか経っていないはず。
それなのに、ずいぶん長い時間を過ごしたような気がする。

ここに来る前は、こんな事件に遭遇することなど想像もしていなかった。
改めて思い返すと、心の中に感慨深いものを感じる。
達成感とも虚脱感ともつかない不思議な思いが、胸の内に存在した。

そのまま少しの間立ち止まり、夜の闇に浮かぶ校舎を見つめ続ける。
気のせいか、物言わぬ校舎も、こちらを見つめ返しているような気がした。
少しの間、校舎との無言の見つめ合いが続く。

          クルッ

  「はい――」

リンゴに声を掛けられて振り向き、車の方へ歩いていく。

  ――さようなら……。

心の中で別れの言葉を告げる。
それは遠島高校に対するものでもあり、またリンゴ達に対するものでもあり、
この事件自体に対するものでもあった。
心なしか、一抹の寂しさが胸をよぎる。
    
        ザッ ザッ ザッ

    ガチャ

     そして、私は……この舞台から去るために、用意された車に乗り込んだ――。

807遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/29(水) 19:18:58
>>805(お疲れ様です。長きに渡り、お付き合い有難う御座いました)


(※精神内)




             ―――オォォォォ……


 「……ベソが、倒れた」   ギリッ…

 長身の、筋肉質な男が。何処でもない風が強く吹きすさぶ場所の中
傅いて、握りしめた拳は。その憤りと悔恨からか血が一筋流れていた。

 「枷が……外れた。囚人達は開放され、制御が、出来なくなった。
混沌が、咲き返る。もう、元の生活には至れない。俺が、いながら……」

 「御免なさい……っ。御免なさい……っベソ。
私がっ、私が向かう事を決めなければ……嗚呼っ、ベソ ベソっ……ぅぅ」

両手で顔を覆い、体を崩れて泣き付す20後半程の女性も見える。
 彼女は何度も一人の名前を呟き、謝罪を口にする。

 「レミ、お前だけじゃない……責任は、俺に。いや、全員にある……
直接的な原因は、外にも内にもあった。……目に見えない闇が、俺達の
追っていた光を遮った……けど、諦めたら そこで終わりだ」

 「まだ、最悪では、ない。ベソは倒れた、だが……まだ目覚められるだろう。
負の感情を受け持つ、あの娘は簡単には倒れられない運命(さだめ)だ。
 傷つき、瀕死でも玲実の外に出るだろう。混沌を、引き連れながら……」

「それでも……『光を追わなければ』『星を目指さなければ』
玲実を、本当の意味で救うには。ベソは、あの娘は鍵なんだ……
 悪かったよ、レミ……今回の事で良い意味でも悪い意味でも気づかされた。
変わる時は、今であり。これから、始まらなくちゃいけない
 ――光を追え……そうだ」

 「……そう、そうよ。私達全員で、変わらなくては、始めなくては。
例え大海の程のミルクピースの山に埋もれ、息が出来ないとしても……。
 私は、私はそれでも……ピースを嵌めてみせる。
それが、私の……あの子に出来るたった一つの償いなのだから」

 

                        オオオォォォ-ォォオオォ

 「……今は安らかに眠れ ベソ」

「暫し安息の時を お前に……そして、俺達全てに、光が宿らん事を」

808<削除>:<削除>
<削除>

809『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/29(水) 23:29:36
>>806 (小石川)
>>807 (遊部)

遠島高校は変わらずそこにあった。
ここに来た時に見た太陽の光を受けた校舎とは違う雰囲気だ。
闇を飲み込む校舎がこちらを見つめている。

心で別れを告げ、小石川は車に乗りこんだ。
エンジンがかかる。発進する車が整備されていない道で揺れる。

校舎が遠のいていく。
終わりだ。全てが終わった。
日がのぼればまた一日が始まる。
幕が降りた舞台に演者はいない。
この演目の終わりに拍手を送る者はいない。
誰も知らぬまま幕が降りるのだ。

後日、二人には謝礼という形で送金があった。

小石川文子『スーサイド・ライフ』→『左腕骨折』全治一か月
                      『15万』獲得

遊部『フラジール・デイズ』→『右腕骨折』
                  『下顎骨骨折』
                  『頚椎捻挫』
                  『後頭部打撲』
                  『脳震盪』全治四か月
                  『15万』獲得

※完全なクリアではないものの失敗という結果でもないため本来の報酬の半額を差し上げます。

コハル・トランプ『ブラインド・アンチェイン・マイ・ハート』→『右足骨折』
葛西 百合江『スティール・ユア・ハート』→『左足骨折』
防人 修治『ボーン・トゥ・キル』→『両手骨折』

リンゴ・ナイチンゲール『チェンジ・ザ・ワールド』→無傷
シャーロット・レヴァイン『ホワイト・クイーン』→無傷
フローレンス・レヴァイン『マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン』→無傷
クリス・ジャクソン『シェイク・ア・テイル・フェザー』→『右足刺傷』
ランス・ジャクソン『スティング』→『両足刺傷』

『アルカトラズから連れ出して』→終了

810『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/29(水) 23:35:37
【世界への処方箋】リンゴ・ナイチンゲールのスタンド。
看護師の格好をした女性的な人型のヴィジョン。
ビタミン剤などの薬を生み出すことが可能。
生み出した薬による『ドーピング』を行うのを得意とする。

○薬○
全て錠剤の形で生成する。薬は『1km』の射程を持つ。
一般的に市販されている薬であれば錠剤の形で再現できる。
生成した薬にドーピングの特性を付与することができる。

○ドーピング○
肉体面と精神面をスタンドの生み出す薬でドーピングが可能。
肉体面へのドーピングを行えば、筋肉量は見る見るうちに膨らみ運動能力を向上させる。
精神面へのドーピングを行えば、人の心の中にある思考や感情を強めることが出来る。
ドーピングする部位や強さはある程度制御可能。
ドーピングの効果は『3分間程度』

○副作用○
ドーピングを行うと、対象には副作用も同時に現れる。
肉体面なら疲労と筋断裂などを含む負傷。
精神面なら情緒不安定、パラノイア。また精神に引かれる形で行動の変化が現れる。
ドーピングの効果時間が過ぎてから『12時間』の休養が必要。
それを待たずに再度ドーピングを行ったり効果時間中に行うと副作用がより重篤なものになる。

『チェンジ・ザ・ワールド』
破壊力:D スピード:C 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:D 成長性:D

★氏名―リンゴ・ナイチンゲール
★スタンド―『チェンジ・ザ・ワールド』
★性別―男 ★年齢―48歳 ★血液型―AB
★イギリス生まれ ★髪の色―ブロンド ★瞳の色―青っぽい灰色
★趣味―格闘技観戦 ★身長―178cm
★好きな映画―300 ★好きな色―緑
★性格―陽気で楽観主義的な人間を装っている。本心では悲観的で常に不安でいる。
★外見―短くきった清潔感のある髪型。シャツにスラックス、ネクタイ。白衣を羽織っている。
★備考―医者。精神関係らしい。
       レヴァイン姉妹やジャクソン兄弟は患者でなく個人的な友人とのこと。
      人の心から悩みがなくならず、力関係によって苦しめられる人間に悲しみ悩んでいたが
      赤毛の男と出会い、人が平等になる薬を作り出す道を見出す。

811『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/29(水) 23:36:28
【ミス・ファビュラス】フローレンス・レヴァインのスタンド。
純白のイブニングドレスのヴィジョン。
ドレスから霧を生み出し、それによって光の屈折を変化させる。

◇霧◇
霧はドレスからドライアイスのように発せられている。
本体の意志で5mまでの範囲に広げることが出来る。
実体化したスタンド物質で周りのものが大きく動くことで散ってしまう。

◇屈折変化◇
霧が満たされた場所の光の屈折率を変化させることが出来る。
蜃気楼を発生させたり、レンズの要領で距離感を崩したり、姿を見えなくもできる。
ただし対象となるものの周りの霧が薄ければ屈折変化を使用しても十分な効果を得られない。

『ホワイト・クイーン』
破壊力:C スピード:C 射程距離:E
持続力:C 精密動作性:C 成長性:D

★氏名―シャーロット・レヴァイン
★スタンド―『ホワイト・クイーン』
★性別―女 ★年齢―26歳 ★血液型―B
★イギリス生まれ ★髪の色―茶 ★瞳の色―茶
★趣味―ショッピング ★身長―164cm
★好きな映画―ローマの休日 ★好きな色―薄紅色
★性格―優雅でマイペース。ちょっとぽやぽやしている。
★外見―豊満な肉体とすらりとした手足を持つ。泣き黒子がある。
★備考―イギリスのセレブ。シャーロットとは姉妹の関係。愛称はフロー。
      姉としてしっかりと思い、妹に少し厳しいが妹に頼って生きている部分がある。
      あまり刺激のない人生に悩んでいたが
      赤毛の男と出会い、我慢しない生き方を見出す。

812『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/29(水) 23:38:14
【ミス・ゴージャス】シャーロット・レヴァインのスタンド。
スーツ姿の人型のヴィジョン。群体型でそれぞれが自分の意志を持ち行動する。
彼らは本体が指定することで他人を『警護』することが出来る。

◆人型◆
呼び出せるのは全部で『五人』
DFは原則的にないが、人型が撃破され強制解除されると本体にDFが発生する返ってくる。
視聴覚の共有はない。普段は本体が指定した任務をこなす。
指定した任務をこなすまで新たな指令を出すことはできない。

◆警護◆
人型に対して『警護対象』を指定することが出来る(口語かつ警護対象の顔などが確認できる状態にする必要がある)
また『警護対象』が確定した段階で『警護対象』からの『10m』が射程距離となる。

◆装備◆
『警護任務』につくさいに限り、人型は装備品を持つことが出来る。
それ以外は常に丸腰である。『警護対象』に危害が加えようとした相手にのみ使用できる。

◆性格◆
No.1 アン:美意識を重視する頑固者。人を見下したところがある。
No.2 ドゥーエ:マイペースでのんびり屋。
No.3 サン:控えめで周りの様子をよく見ている。付和雷同なところがある。
No.4 スゥ:鷹揚で細かいことは気にしない。少し強引。
No.5 フュンフ:堅物で完璧主義者。神経質。

『マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン』
破壊力:C スピード:C 射程距離:A(警護時C)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:B

★氏名―フローレンス・レヴァイン
★スタンド―『マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン』
★性別―女 ★年齢―24歳 ★血液型―B
★イギリス生まれ ★髪の色―茶 ★瞳の色―黒
★趣味―コーディネート ★身長―164cm
★好きな映画―ローマの休日 ★好きな色―銀色
★性格―姉に比べ常識人。根の部分は勝気。
★外見―豊満な肉体とすらりとした手足を持つ。長い髪をウェーブさせている。またアクセサリーを好む。
★備考―イギリスのセレブ。シャーロットとは姉妹。愛称はフロー。
      自由奔放な姉に振り回されながらも、姉に好意と尊敬の心を持っており姉妹仲は悪くない。
      姉と比べられること嫌気がさしていたが
      赤毛の男と出会い、自分も姉に負けない個性を得ることを見出す。

813『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/29(水) 23:39:57
【鳴けない鳥】クリス・ジャクソンのスタンド。
孔雀のヴィジョン。その羽を広げれば美しい模様が浮かび上がる。
羽を飛ばし、刺さった人間を『鳥頭』にする能力。

▽羽▽
緑と青で彩られた美しい羽。羽の真ん中あたりに円の模様がある。
このスタンドはそれをスBで撃ちだすことが出来る。
着弾時に痛みは感じないが、羽が刺さった場合『鳥頭』にする。

▽鳥頭▽
羽が刺さった生物がなる状態。見た目の変化は特にない。
ただし、羽が抜け落ちることで『記憶が抜け落ちる』。
抜け落ちる記憶は射出時に本体が指定したもの。
記憶が抜け落ちてしまった場合、その記憶は思い出せない。
そしてそこで得た経験や技能も忘れ去り、今までそんな経験をせずに生きてきたと錯覚してしまう。
記憶を取り込んだ羽は『三枚』までストックできる。

再度抜けた羽を刺しなおすか、本体が能力解除時に指定することで記憶を取り戻すことが出来る。

『シェイク・ア・テイル・フェザー』
破壊力:D スピード:C 射程距離:D
持続力:B 精密動作性:C 成長性:D

『羽』
破壊力:E スピード:B 射程距離:C
持続力:C 精密動作性:C 成長性:―

★氏名―クリス・ジャクソン
★スタンド―『シェイク・ア・テイル・フェザー』
★性別―男 ★年齢―20歳 ★血液型―A
★イギリス生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―黒
★趣味―野鳥観察 ハイキング ★身長―160cm
★好きな映画―ライフ ★好きな色―ピーコックブルー
★性格―動物好きで自然好き。人間はあまり好きでない。気難しい。
★外見―長い髪を縛っており、爬虫類のような眼をしている。
★備考―ランス・ジャクソンの双子。
      レヴァイン姉妹とは使用人とは異なる関係らしい。
      特にフローレンスに気に入られ彼女と共にいることが多い。
      彼らの中で唯一赤毛の男と出会い何も見出さなかった。

814『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/29(水) 23:41:00
【蜂の一刺し】ランス・ジャクソンのスタンド。
本体の手に発現する蝶の意匠を持ったボクシンググローブとボクシングシューズのヴィジョン。
普段は蝶のように素早く動き回るが、素早さを犠牲に蜂の毒を生み出す。

▼蜂の毒▼
グローブとシューズに『3秒間』で毒を貯めることが出来る。
この毒を貯めきるまでその部位での攻撃は出来ない。
また毒を貯め終わったグローブやシューズは蜂の意匠を持つものに変化する。

▼毒▼
毒が発現した部位での攻撃はより正確になるが、その代わりにスピードを失う。
攻撃が命中すると当たった場所には蜂の印が浮かぶ。
毒を発現した部位で蜂の印を叩くと、相手を『1秒間』だけ止められる。
印をつけられるのは『二か所』だけ。印の持続時間は『15秒』
印をつけた毒が発現した個所は蜂の印が消えるまで毒の発現が出来ない。
一度の攻撃で毒を出し切るので外れるともう一度溜める必要がある。

『スティング』
破壊力:C スピード:B 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:C 成長性:D

『毒による攻撃』
破壊力:C スピード:C 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:B 成長性:D

★氏名―ランス・ジャクソン
★スタンド―『スティング』
★性別―男 ★年齢―20歳 ★血液型―A
★イギリス生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―黒
★趣味―ボクシング ★身長―180cm
★好きな映画―シャーロック・ホームズ ★好きな色―ピーコックグリーン
★性格―粗暴な面が強く、面子を気にしたり舐められることを嫌う。
★外見―剃り込みの入ったオールバック。
★備考―兄のクリス・ジャクソンと共にレヴァイン姉妹の寵愛らしきものを受ける。
      シャーロットと共にいることが多く、仲もいい。
      元ボクサーでスタンド使いのボクサーとの勝負に負け失意の中にいたが
      赤毛の男と出会い、確実な一撃を狙う戦法に目覚める。

815『オープンチャレンジin星見町』:2017/04/25(火) 01:28:04
ようこそ皆さま。
私(わたくし)はラブクラフト。ペンネーム、ロックキー(Lock key)・ラブクラフト……
いえ、ロッキー(Lockey)・ラブクラフトと言います。えぇえぇ。
ま、私の友人達は私のことをミスターと呼びますがね。

私共は自由にこの街で生きております。
ですので何分ご迷惑をおかけするかもしれないですが、そこはご愛敬。
巻き込まれるのも悪くはないでしょう。多分。
良い子悪い子普通の子。幸せな人そうでもない人。
全世代の紳士淑女、そして子供達も
一度きりの人生、楽しく生きようじゃありませんか。

あなたと私の出会いが楽しいものになることを祈っていますよ。
それでは煌めく今を……

816『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/25(火) 01:46:25


――――鍵が落ちている。

それはある日の昼下がりの駅前である。
人通りが少なく天気もいい。
昼寝にも散歩にもちょうど良い感じだ。

ただ目を引くものがあるとすればなにやら外国人の集団が駅までどたばたと暴れているらしいことだ。

「あーダメダメダメ。ジョー! 遅いんだよ反応が! オクトはもっと背筋伸ばす!」

                                            「じゃあミスターがやれよ……」

「私のはこの映画に向かないって言うんだよ」

                                            「誰が言うんだよ」

「監督がだよ」

                 「バルバロ。おいバルバロ、起きてるか? グラサンで表情が見えないんだよ、タコ野郎」

「……タコはお前だ。オクト」

                 「そいつぁイワナいって話だよな? こっちはお前にハタハタ……
                                        いや、ほとほと愛想が尽きてるんだぜ」

二人組のグループが三つ出来ている。
一つ目はイライラとした様子で声を出しているもの。
二つ目は落ち着いた様子でイライラした男に対応するもの。
そして三つ目は。

「いえー! バルバロ・ベイベー!」

「ベイベー!」

テンション高く路上で踊っている達だ。
彼らはなぜかその二組の間を行ったり来たりしながら踊っていた。
その集団は目立っているが野次馬がいないのは人が少ないからだろうか。

鍵を拾うか否かは自由だ。
そして通り過ぎようとするのもまた自由だ。

817薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/04/30(日) 00:00:15
>>816(GM)

「……ん?」

駅から出て当たりを見渡すと、
ちょうどその奇妙な風景を目にした。

それから、『鍵』も。
近くに落ちていたそれを、反射的に拾う。
これは幸か不幸か――

(うーん、なんか胸騒ぎはするけど)

    (拾っちゃったものはしょうがない)

謎の外人集団は気にかかるが、
落とし物の鍵なら駅員にでも届けよう。

何もなければ駅の構内へ戻り、駅員を探す。

818『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 00:34:39
>>817 (0時40分までにレスされた方がいればその方も参加者として認められます)

駅から出た薬師丸は鍵を拾う。
古めかしいデザインのものでスケルトンキーと呼ばれる形のものだ。
銀の色の鍵である。

「ん、んー。もう一回シーン確認するか……バルバロ、協力するように」

ミスターと呼ばれていた男性は手に持っているステッキをくるりと回した。
それに応じたバルバロが手をニ三度頭の上で振ればなにかが空中で動く。
ドローンの形をしている。
カメラがついているようだ。
ミスターは何度か頷き振り返って歩き出す。
その目は薬師丸をしっかりと見つめている。

「ウェルウェル。あなた、鍵をお持ちでしょう……あぁ、いえ。ご返却は結構。差し上げます」

「代わりといっては何ですが、少し遊んでいきませんか?」

「お時間あまり取らせません。えぇえぇ、うまくいけばご報酬もお渡ししますよ」

笑いかけるミスター。
その背後では先ほどの集団が何か言葉を発し始める。
その時だ。オクトと呼ばれていた男の周囲に巨大なタコのヴィジョンが現れた。
しかしそのタコに通行人は何の反応も示さない。スタンドだ。

「そうこれはオープンチャレンジ。資格さえあれば誰だってチャンスがあります」

「あなた、映画スターになりませんか?」

819薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/04/30(日) 00:56:40
>>818(GM)

(んん、でもこれ、何のカギだろ?
 家とか自転車って雰囲気じゃ――)
 
        「……ん」

謎の鍵を見ていたが、
笑いかけてきた男に顔を挙げる。

「……映画スターねぇ。
 ま、ギャラ次第ってとこかな」

       「安い女じゃなくてね」

隠してもいい場面だったが、
攻撃されないという保証もない。

薬師丸は余裕ぶった笑みを浮かべた。

「具体的に何をしろって話なのさ」

「遊びなんて言って、乱暴する気なら――
 こっちも何もできないってわけじゃないけど」

      リ  ィン――

『タコのスタンド』に呼応するように、
薬師丸の背後に彼女の『女神』が立つ。

悪意は感じないが、『無防備』で良いとも思えないから。

820『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 01:15:09
>>819

「ギャラ……ギャラときましたか。何分ポケットマネーですので」

「出来高制で5万円。どうでしょう?」

笑いながらくるりくるりと何度かステッキを回す。
薬師丸のスタンドにひるんだ様子もない。

「映画スターというは少し言い過ぎたかもしれませんが……あちらをご覧ください」

ミスターのステッキが集団とは少し離れた位置にいるバルバロを指す。
黒いスーツに黒いハット、黒いサングラスをしている。
腕組みをして、時折手を動かしている。
それに合わせてドローンが動く。

「彼の名前はバルバロ・ベイ。映画監督を夢見る純朴な青年です。ただ少し恥ずかしがり屋ですがね」

「彼はスタンドを撮影できるスタンドを持っていまして、スタンドをCG代わりにショートムービーを撮りたいとのこと」

「しかしいくらやっても監督の満足する画は撮れません。はっきり言って手詰まり、マンネリでございます」

頭を抱えるようなジェスチャーをするミスター。

「それで私(わたくし)考えました。新たな風を吹かせることがこの現状を打破するのではないか、とね」

「だからあなたに映画の出演者になっていただきたい」

「お客様。何も難しいことはありません。大筋の流れは決まっていますから、それにそっていただければ」

「むしろ、あなたの思うように演じていただいても構いません」

いかがです? とミスターは笑う。
ひと段落着いたのかタコのスタンドは消えた。

821薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/04/30(日) 01:30:04
>>820(GM)

「うーん、悪くない額ではあるね。
 危険はないんでしょうし……ねえ?」

       「どれどれ」

   チラ

あちらの方を見てみよう。
あのドローン――あれもスタンドか。

「ふ〜ん」

話を聞いて、薬師丸は微笑する。
悪い話でもない、気がする。

「ま、スタンドの映像ってのは
 経験がないわけでもないし――」

「撮られちゃまずい身分でもない。
 運が良かったわね、私ゃ役に立てる」

思えばこの鍵から『仕込み』なのだろう。

ともかく目立っちゃ困る生き方はしていない。
自分のスタンドが知れ渡るのが危険だが。

「で。どれくらい出回るのさ。
 そのフィルム……地上波って事はないでしょ」

        「あんたらの身内用?」

いちおう、その辺は確認しておきたい。
役に立つのは嫌いじゃないが、ビジネスの線は引くべきだ。

822『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 01:36:48
>>821

「勿論。私共大体クリーンにやっております」

ドローンは四基だ。
集団を取り囲むように飛んでいる。

「役立てる。ウェルウェル。実に結構。大いに結構でございます」

「フィルムはもちろん身内用ですよ。素人が豪華なCG設備を持っているなど誰が信じましょう」

「よろしければDVDにしてあなたに差し上げるのも大丈夫ですよ」

823薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/04/30(日) 01:43:43
>>822(GM)

「そりゃいいね。
 クリーンで安全が一番」

「DVDは……ま、出来次第かな」

      フ

これでもう乗り気になった。

スマホを取り出し、連絡を確認。
特に着信はない――電源をオフ。

「カッコ悪いと見られたくないし。
 持って帰って……家族とかに、さ。」

      「なんちゃってね」

スタンドの発言を保ったまま、歩み寄る。
ドローンに囲まれた空間の、目前まで。

「撮影はここでしちゃうわけ?
 大丈夫でしょーね、警察とかは」

     「私ゃお縄につくのはごめんだよ」

まあ、撮影している事は認識されないだろうが。
とはいえ駅の前で大騒ぎはちょっと、良くない気はする。

824『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 02:10:27
>>823

「えぇ撮影はここで」

「警察に関しても問題はありません。そういう風に彼のスタンドは出来ていますから」

全く人が気にしていないのはそういう理由らしかった。

「皆さん! 私、連れてまいりました。新たな風を」

ミスターは彼らを集めると高らかにそう宣言した。
男たちが三角座りで薬師丸を見上げている。

「彼女は……あ、お客様。名前をお聞かせ願えますか?」

「……」

ミスターの言葉が終わるか終わらないかの内にバルバロが手を挙げる。
挙げたが何も話さない。オクトが横から突くと、オクトに何かを耳打ちした。

「あーそこのイカしたお嬢さん。こいつが……監督が聞きたがってるんだが」

「あんた、悪役とヒーローどっちがいいってな」

825薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/04/30(日) 02:24:42
>>824(GM)

「そりゃ〜便利ねえ。
 映画撮るには最適じゃん」

至れり尽くせりの能力――
感心しながら、男たちの前に出る。

「私は幸(さち)」

「薬師丸 幸(やくしまる さち)だよ。
 今日はよろしく、ええと……
 なんて集団なんだっけ、あんた達」

逆に呼び名に困っていると、
『バルバロ』からの要望に余計困る。

小さな顎に指を添えて、少し考える素振り。

「うーん、悪役かヒーローねぇ〜え」

馴染みの薄いカテゴリーだった。
薬師丸は商売人で、善意はあるが英雄じゃない。

「そういうはっきりしたの、
 私のガラってわけでもないけど」

        「ヒーローのが良いかな」

とはいえ、これはビジネス。
まあここで悩んでいるより、近い方を選ぼう。

826『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 22:58:06
>>825

「私達……我々なんの集団なんでしょう?」

「まぁとりあえずはベストフレンズと呼びましょうか」

「よろしいですな。ミス・ヤクシマル」

悪役とヒーロー。
その二択を前に薬師丸はヒーローを選んだ。
バルバロは静かに頷くと薬師丸にサムズアップした。

「それでは、全体の流れを説明してもよろしいですかな?」

827『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 22:58:26
>>826
メ欄ミス。

828薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/04/30(日) 23:15:15
>>826(GM)

「ベストフレンズね。
 そうなれる事を祈っとこう」

薬師丸は微笑む。
半分、リップサービスだ。


      「説明よろしく」

  カチャ

かばんから手鏡を取り出して、
スタンドの手櫛で少し髪を整える。

       グイ
   
それから、恐らく動く。
ゴムひもで後ろ髪を縛ろう。

そういった準備をしながら、説明を待つ。

829『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 23:28:05
>>828

「ウェルウェル。私共もそう願っておりますよ」

そういって笑う。
それから全員が立ち上がり映画についての説明が始まった。
説明するのはミスターだ。

「バルバロの能力の範囲内にあなたを入れます。そう、あなたはそのままです……どうです?」

目の前に広がっているのはいかにも特撮の撮影場所という感じの廃れた工場だ。
そしてどこか遠くから音楽が流れているのも感じられる。
これもバルバロの能力なのだろう。

「あなたに課されたミッションは三つ。それをご紹介しましょう」

830『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 23:55:16
バルバロ・ベイのアクション映画。
あなたはそれの参加者です。しかもヒーロー、主役です。
おっと、ヒロインと言った方がよろしいですか?
それでは三つのミッションについて説明しましょう。

#1 ヒーロー登場

あなたはヒーローです。
戦う理由は世界を守るためでも家族を守るためでも雇われたからでも構いません。
そして場面は最終決戦。まさにクライマックスでございます。
そんな時、ヒーローに求められるものは何かご存知ですかな?
エンタメ的にはド派手な登場です。
ほこりが舞う中、あなたがエントリー。そこで『決め』をお願いします。
画になるようなポージングや台詞で魅せてください。
必要であれば蹴とばす用のガベージ缶や工場の爆破もいたします。
……あくまでヒーローとしての範囲で、ですよ?

#2 ヒーローの強さ

敵のボスとの一戦、と行きたいところですがボスの配下が邪魔をします。
ここに二人、構成員役の男がいます。
彼らがあなたに飛び掛かる!
それを撃退するのです。しかし注文があります。
『あなたのスタンドの能力を使う』のです。それを勝利の鍵にして欲しいのです。
スタンドのスペックだけで勝つことは出来るかもしれませんが、出来れば使っていただきたいですな。

#3 最終決戦

敵を倒せばあなたはボスとの一騎打ち。
相手はオクト。そう、タコのスタンド使いでございます。
オクト・フィッシュのスタンド能力は巨大なタコ。敵に吸盤を付ける能力を持ちます。
しかしご安心を。今回この能力は使われないですから。
さてあなたが何をするか、ですがね。
タコの足は八本ございます。オクトのスタンドも同様です。
八本の足による波状攻撃。それをかいくぐってオクトに接近。
そして必殺の攻撃。ラッシュでもキレのある一撃でも構いませんよ。
さてご注文です。『先ほどとは違う方法でタコの足を対処してください』
先ほどが基本編とすればこちらは応用編ですな。
それと、一つ覚えておいてください。『タコの足同士がぶつかり合うと吸盤でくっつき合う』
それで足を一塊にして手も足も出ない状態にしてただいても構いませんよ。
オクトを倒す攻撃はなんでも構いませんよ。
あ……倒した後も出来ればポーズや言葉、表情で『決め』ていただきたいですがね。

これがあなたに課せられたミッション。
さて、ここまででご質問はございますか?

831薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/01(月) 00:23:04
>>829(GM)

「範囲内――わかっ」

     「と。これは……」

         キョロ

    キョロ

「凄い能力ねぇ〜え」

思わず、周囲を見渡す。
撮影現場を作り出す――『天才』か。

と、続く説明に感心顔のまま振り向く。

「三つね、了解」

三つのミッション。
映画的にも重要なのだろう、
活躍が出来を左右するはず。

(ま、やるからにはがんばろう)

「だいたいわかったし、
 善は急げって言うからね」

       「質問とかはないよ」

課せられる試練を重いとは思わない。
『レディ・リン』は――薬師丸の『女神』だ。出来る。

832『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/01(月) 00:35:12
>>831

「はっはっは。そんな事を言うとバルバロが照れてしまいますよ」

くるりとステッキを回すミスター。
バルバロはというとミスターの後ろに隠れて小さくなっている。

「本当に照れてるんじゃないよバルバロ!」

「んんっ! それでは始めましょうか」

「お楽しみください、煌めく今を……」

撮影が始まる。

833『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/01(月) 00:42:06
さぁ映画の撮影開始です。
あなたの目の前には大きな工場。
廃工場ですな。あたりは砂が風に舞い、車などのスクラップが山のようになっています。
あなたは工場に近づいていく。
胸には使命かそれとも指令か。とにかくここが戦いの場所になるとあなたは知っている。
劇の都合上そうなっているから?
いいえ。あなたはいまヒーローなのです。

#1 ヒーロー登場

あなたは今工場内に足を踏み入れました。
何やら大きな機械がありますが当然動いていません。
機械の上には憎き敵のボス、オクト・フィッシュが座っている。
そして二人の構成員があなたをにらみつける。

「んだテメェよぉ……」

さぁあなたのエントリーです。
あなたの言葉が戦いのゴング。合図、きっかけです。
しっかりと決めてくださいね?
何事もはじめが肝心ですよ。

(能力詳細の提示をお願いします)

834薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/01(月) 00:58:26
>>832-833(GM)

頭の中に台詞を受かべて、整える。
演じるのは苦手じゃない。よくやること。

      ザ

                 リ

「名乗るほどの名前じゃあないけど」

        「あんたたちに用がある」

  リ  リン

両耳に『ビー玉』程の金鈴を一つずつ、
さらに『レディ・リン』の右の手首にも一つ。

「あんたたちは『不幸の元』」

鳴り響く儚い音――


「私は……」

「『幸せ売り』」

             リン

  リン


鈴の音と共に、黒衣の少女が踏み出す。
兎のような赤い目を光らせ、口元に微笑を浮かべ。

「この先――あんたたちに運命の女神は微笑まない」

あくまでゆっくり、二人の構成員へと歩を進める。

♪能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/49-50

835『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/01(月) 01:21:45
>>834

#1 ヒーロー登場→great!

あなたの登場。そして口上。
……決まった! 実にグッド。演技に物怖じせず見事なキメ台詞でございますお客様。

美しくも儚い鈴の調べと共にあなたは現れた。
決して激しく燃える炎のようではなくとも静かに牙をむく清流のようであります。
凄んだ相手であるあなたのその態度に構成員は少したじろいでいる様子です。

#2 ヒーローの強さ

オクト:「おい」

構成員1:「は、はい……」

構成員2:「ようお嬢ちゃんよぉ……俺達が不幸の元だあ? その通りだよ」

「お前も不幸にしてやるよ。人生の違反切符もくれてやるぜ」

ゆっくりと近づくあなたと同じようにゆっくりと立ち上がり近づく構成員たち。
その顔は真剣そのものです。
ただし、少し恐怖心も感じます。それは誰に関する恐怖でしょうか。

構成員1:「俺の美しさを味わいな『ワンス・アポン・ア・ドリーム』」

構成員2:「『エルクンバンチェロ』!」

構成員の一人が取り出したのは手鏡。
そこに手を突っ込んで彼は何か取り出しました。それは……鉄パイプ。床にも同じようなものが落ちていますがこれは一体……
もう一方は人型のスタンド。
二人と一体があなたに近づき……呼吸を合わせて飛び掛かる。
このままではあなたは彼らの攻撃を受け入れることとなります。
出来れば二人一気に倒したいところですが……
あなたはどう立ち回りますか?

836薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/01(月) 14:08:31
>>835(GM)

「――『レディ・リン』」

(どういう能力かは分からないけど、
 これは『撮影』……見える事だけでいい)

認識外の攻撃はないものと思っていいはず。
それならば、薬師丸の行動は極めて単純だ。

          リ

   ィ
       ン

「なにも貰う物なんてない。
 あんた達には……『与える』だけ」

          シュ

    バ

             「んじゃ、行くよ」

両耳の鈴を鳴らし、『二つ分の幸福』を呼び込みながら――
スタンドを前に出し、襲い掛かる二人の『悪漢』を迎撃する。

 「……ぃぃぃる」

     その手段は極めて単純だ。

               「ぃるいるいる」

                バ
   ババッ

        「いるいるILIL」


両手を使ったラッシュによる――『突きの弾幕』。
『レディ・リン』の速度と精密性ならば『撃ち落とせる』。   

      ババババ  バババ

             「ILILILILILッ!」

――もし普通は不可能だとしても、自分には『運命』が味方しているから。

837『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/01(月) 23:47:56
>>836

鳴る鈴。それはあなたに幸運を呼び起こす音。
運命があなたの背中を押します。
行く未来は幸か不幸か……

#2 ヒーローの強さ→great!

当然! 幸福でございます!

構成員:「ぐああああああああ!」

哀れ、構成員は地面に倒れ伏しました。
起き上がろうとする彼らですが突如として彼らの眼前には巨大な物体が現れます。
それは彼らを押しつぶし、どこかへ吹き飛ばしてしまいました。
舞った埃が流れていき異形の物体があなたの前に姿を現す。

オクト:「アラアラアラ、これはオオボラ吹きかと思ったらマジかよぉ」

気だるげに話す敵、オクト。
その割にはくねくねと動いておりますが。
彼の後ろには機械に覆いかぶさる巨大なタコ。
その足がうねうねとあなたを狙う。

#3 最終決戦

オクト:「教えておいてやろう。『エイト・デイズ・ア・ウィーク』」

「お前みたいなタコ野郎を打ちのめすんだぜぇ」

八本の足があなたに迫る(スC)
八本の足による波状攻撃は荒れ狂う波の如く。
これを崩すのは至難の業ですがいかがか。
先ほどの連撃でも対処できなくはないかもしれませんが、この数や大きさが相手なら押しつぶされかねません。
……あなたの両耳の鈴。錆びておりますよ。

838薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/02(火) 00:11:59
>>837(GM)

     「……ふう」

  リ”
       リン

「……おっと――」

眼の前に表れた異形を見上げる。
そしてその本体、『オクト』を。

――恐れはない。

(今の私は、ヒロイン。
 本気で戦うなら不味い相手だけど)

      (『動きを封じる』だけなら)

死闘を演じるならば不足の手かもしれない。
両耳の鈴も、大きな不安要素になる。

だが、今は撮影だ。
それに甘えるのではなく、
それだからこそ有効な手を打つ。

     それは。


「タコ野郎……ってのは、自虐でいい?
 ああ、私ゃ『脱兎』みたく逃げたりはしない」

         「『レディ・リン』」


先ほどと同じ突きの連打――いや、違う。
精密動作性と速度の優位を最大限に活かし、
8本の脚それぞれに全力の殴打を打ち込めばいい。
足同士をぶつけるよう打ちたいが、これは『出来れば』だ。

   ヒュ
           バババババ

延々と撃ち合い続ければ、いずれ物量で負けるだろう。
だが、一撃ごとに設置されていく『最大鈴』が動きを縛る。

>オクト・フィッシュのスタンド能力は巨大なタコ。敵に吸盤を付ける能力を持ちます。

『脚が8本ある』事が能力ではない以上、
操作とスペックの相関には限界があるはず。

(規格外、って事もありえるけど……
 そんな不幸まで考えてちゃあキリがない)

       (今は見えてる事だけでいいでしょ)

8本の脚に本体との繋がりがあるなら、なおさら――
『物量を保ち操作し続ける事』自体が、困難になるはずだ。

839『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/02(火) 01:35:25
>>838

現れた異形。
見るも恐ろしきタコの形。
しかしあなたは恐れない。ヒロインとしてこの使命を全うするのです。

オクト:「俺がタコ野郎だと……それはキンメ……いや、禁句だろうが」

「潰すぞ。『エイト・デイズ・ア・ウィーク』」

巨大なたこ足があなたに迫る。
ラッシュでの応戦。しかしそれはただのラッシュではありません。
あなたの攻撃がタコ足を弾くたびにその足には巨大な鈴がついているのですから。
ダンベルを持ったまま走り回れるものが果たしてこの世にいるでしょうか。

オクト:「んあ……?」

答えは、いるにはいるでしょうが少なくともオクトと彼のスタンドは違うということです。
多数の鈴が彼のたこ足の動きを鈍らせ、鈍れば鈍るほど叩くのは容易。
見事。あなたは彼を手も足も出ない状態にしました。

……さて、どう〆ましょうか。
敵を倒す最後の一撃はお好きな方法でどうぞ。
それと、キメの言葉も忘れずに。

840薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/02(火) 01:49:57
>>839(GM)

薬師丸は笑みを浮かべ、
ゆうゆうとたこ足の間を抜ける。

「言ったでしょ?
 運命はあんた達に味方しない」

    「『運』が、悪かったわねぇ〜え」

              ニコ

『レディ・リン』の、蹴り。
鈴を設置しない――見栄えを優先した回し蹴り。

『オクト』の顔を狙って放つ。

     ヒュ

         ン

「――あんたの来世に、幸あれ」

もちろん殺す気で放ってなんかないし、
鈴を付けながら殴り飛ばす方が威力は上だろう。

しかし、鈴と殴打はもう十分魅せた。
これは撮影だ。薬師丸はギャラを貰うのだ。

           ――リン

蹴り脚を下ろした時、『レディ・リン』の手の鈴が鳴る。

                ――それで、終幕だ。

841『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/02(火) 23:24:20
>>840

「運河……運が悪かっただとぉ……」

「お前……」

オクトの言葉を遮るように、居合切りの如くオクトに蹴りが叩き込まれる。
あなたの言葉も彼には届かないでしょう。
すでに意識の深い海の底に落ちて言っているのですから。
鈴が鳴り、舞台に幕が下りました。
あなたの戦いはこれで終わり。
そしてこの撮影もこれで終わり、です。

#3 最終決戦→great!

842『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/02(火) 23:34:35
「グッド!」

撮影が終わり、ミスターはそんな言葉と共に賞賛の拍手を送る。
倒れていたオクト達も起き上がり集まる。
監督のバルバロは腕組みをしている。

バルバロ:「……実によかった」

「お?」

バルバロ:「初めに鈴をつける能力を見せたね。敵地に入るシーンでそれはより印象深いものになったね」

「構成員との戦闘シーンはラッシュっていう単純ながらスタンドの強力さを見せつけるにはぴったりだ」

「タコとの戦いではそのラッシュと鈴をつけるっていう今まで見せた技の組み合わせ」

「それに大きな鈴っていう新しい面も見れて実によかった」

饒舌に語るバルバロ。
その表情は読みづらいが君のことを賞賛しているのは確かだ。

843薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/03(水) 00:19:14
>>841-842(GM)

「…………ふう」

      シュン

『レディ・リン』を解除する。
両耳の錆び鈴は消えないが――
まあ、それはおいおい処理すればいい。

「いやー、ありがと。
 けっこう面白いね、こーいうのも」

      ニコ

拍手に小さく手を振って応えつつ、
監督――『バルバロ』の方に振り向く。

「そりゃよかったよ。
 こっちもギャラもらってるし」

      「お気に召したならさ」

『レディ・リン』の手札はまだまだある。
『不都合』も、ほとんどない。

まあ、打算抜きでも、
喜ばれるのは悪い気はしない。

「それで、これで全部おしまい?」

「別に急いでるってほどでもないけど……」

844『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/03(水) 00:49:35
>>843

ミスター:「楽しんでいけたのならなにより」

「いい映画が出来たようですし、ギャラも満額払いますよ。えぇえぇ」

ミスターも満足そうに笑っている。
映画の撮影は成功だ。

ミスター:「えぇ、これでおしまいです」

「ですがこれで終わりというのも少し寂しいですかな」

「ちょうどいい天気ですし。青空の下肉でも焼きますかな?」

食事の誘いのようだ。
別に裏はないだろう。
ベストフレンズを名乗る。

845薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/03(水) 01:47:05
>>844(GM)

「ありがたいねそりゃ。
 楽しいだけじゃあ困るしね」

     フ

頷いて、薬師丸は時計を見た。
魅力的な誘いを受けたから。

「悪くないかな」

そして、そう決めた。

「お腹もすいてるし……
 次の仕事まで、時間もあるし」

       「場所はとってるの?」

問題ないならば、同席を願おう。
このまま帰るのは、確かにちょっと惜しい気分。

846『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/03(水) 23:17:07
>>845

ミスター:「決まりですな」

頷くミスター。
歩き出す一行。
足取りは軽く冗談を誰かが飛ばす。

ミスター:「場所。えぇ、大丈夫ですとも。我々、いつも飯の心配はしなくていいようにしておりますので」

胡散臭げに笑いステッキを回す。
同席も大丈夫だろう。

847薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/03(水) 23:48:50
>>846(GM)

「んじゃ、善は急げって事で」

        「よろしく」

胡散臭いようにも見えるが、
少なくとも、今は味方だろう。

それは――お互いに言える事か。

(『ベストフレンド』)

(スタンド使いの集団なんて、
 いかにも厄ネタではあるけど)

『少なくとも今は問題ない』。

それならば薬師丸は、望んで食卓を囲む。

848『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/04(木) 00:27:04
>>847

彼らの素性は明らかではない。
彼らが善人であることを証明するものはない。
しかし彼らが悪人であることを証明するものもない。
『少なくとも今は問題ない』
その判断はきっと正しいものだろう。

「ミスター。A5の肉が食いたい」

「A3が一番ちょうどいいんだよ」

「俺はゲソを食いたい」

オープンチャレンジはひそかに幕を閉じる。

薬師丸 幸『レディ・リン』→『5万円』獲得

849『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/04(木) 00:40:55
主役 スネークマン・ジョー『クローイング・キング・スネイク』×
     →薬師丸 幸『レディ・リン』○

構成員1 タイ"GPA"ミラー『ワンス・アポン・ア・ドリーム』
構成員2 サルサ『エルクンバンチェロ』

ボス オクト・フィッシュ『エイト・デイズ・ア・ウィーク』

監督 バルバロ・ベイ『ウィー・キャン・ドゥ・イット』

『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』

劇終

850『一彩合彩』:2017/08/19(土) 00:52:18
『俺ってヤツは時にクールだったり、クソ野郎だったりする。
                          でも、誰だってそうだろ。』

                                    ―――――エミネム




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