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【ミ】『撃的』
594
:
『その拳はデルタを描く』
:2021/05/29(土) 22:01:20
>>593
(東雲)
>「ははァ…エラい手間ァかけさせちまったようで、すいません」
「手間はあったが、仕上がりは十分だ。
――――ナイスファイト、期待してるぞ」
『黒服』は確りとした声色で『東雲』にエールを送る。
『高所作業車』に乗った『黒服』は緩やかなスピードで、
『東雲』の脇を通り過ぎていく。
>「あァ、お疲れ様です。
>よう知らんのですが、『じゃじゃ馬』の相手たぁ大変ですなぁ」
「ハッ、ハハッ、やっぱり『ファイター』さんは違いますねぇ。
肝が据わっているというか、僕じゃあそんな風には、とてもとても」
「『東雲』選手は『知り合い』のようだからな。
――――ああ、『東雲』選手から入場する運びになっている。
『セカイ』の合図に従って、入場してくれるか?」
乾いた笑い声を浮かべる若い『黒服』と、何やら察している案内役の『黒服』。
彼の指示通り、扉の向こうから『セカイ』の電子ボイスが響き渡った。
≪さあ、皆様お待たせしましたぁー!
両名が揃い、いよいよ『試合』の開催となりまぁーす!≫
≪まずは『東雲』選手。現在の戦績は『一戦一勝』!
身長183cm! 巨木もかくやの見事な体躯でありますが、
鉄の茨が張り巡らされたステージで、その拳腕は輝けるのかぁ!?≫
≪さぁ、『入場』してくださぁーい!≫
今日は『スモークマシーン』による出迎えはないようだ。
『セカイ』が入場を指示すると、『黒服』がスッと身を引いた。
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