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【ミ】『撃的』

1 『運営者』 :2016/01/25(月) 22:45:32


        血 脈 の 物 語
この物語は『BLOOD's HISTORY』ではなく、

         血 気 盛 ん
       『BLOOD THIRSTY』なのである。

【過】『武闘列伝』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453728318/

391 『迫真 -Reality- 』 :2020/06/12(金) 00:08:04
東雲『ザイオン・トレイン』
太田垣『ザ・サードマン』
春夏秋『メメント・モリ』          →    『100万円』を獲得。

※いずれも『アリーナ』からの『正規報酬』として。

吉田『カナディアン・スウィート・ハート』
山本『オフィサー・キックス』
長堀『ア・パーフェクト・サークル』
佐上『キリング・オフィーリア』      →    いずれも『入院中』。

黒服『一般人』               →    それぞれの『職務』に復帰。

八坂『ザ・フラテリス』           →    『損害保険請負業』に復帰。

森田『ダーティ・プロジェクターズ』   →    『再起不能』

エミカ『サーカ・サヴァイヴ』         →    『(どちらの病院も)退院』。

ニコン『グリズリー・ベア』
キム『デ・ラ・ソウル』           →    『無傷』、『出番なし』

タダヒト『スパイロ・ジャイラ』      →    『無傷』

慧観『エンプティ・エステート』      →    『昏睡』、『再起不能』……?

尾藤『一般人』
鏡花水月『カレッジ・ドロップアウト』  →    『100万円』を獲得。
                            『修行』の旅で出発した。

392 『迫真 -Reality- 』 :2020/06/12(金) 00:24:39
ヴィジョンで接触した『二点』により、『描円』を行う。
『支点』からはヴィジョンを固定する『杭』が突き出し、
もう一点を『一周』させることで、超高速の『描円』が行われる。

ヴィジョンを『コンパス』にするスタンド能力だが、
本体は解りやすさを犠牲にし、頑なに『描円』と言い続けている。

『ア・パーフェクト・サークル』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E
持続力:E 精密動作性:C 成長性:A

393 『迫真 -Reality- 』 :2020/06/12(金) 00:25:21
痩せこけた『濡れ女』のヴィジョン。
触れた物体の『可能性』を断つ。

『木材』や『粘土』のように、
『形状』や『性質』が変動する物質であれば、
『可能性』はエネルギーの『奔流』となって『破砕』する。

歪なスタンド能力ではあるが、
『夢』から生まれた『力』であればそういうものだと、
本体は納得した上で『噛ませ犬』を演じている。

『キリング・オフィーリア』
破壊力:C スピード:A 射程距離:E
持続力:E 精密動作性:B 成長性:E

394 『迫真 -Reality- 』 :2020/06/12(金) 00:25:33

騎馬兵を模した『埴輪』のヴィジョン。
髪の毛を移植した人間を『損害』から守る。

あくまでも『肉体的』な欠損、損傷に限られる。
『アリーナ』の黒服が一般人でありながら、
危険な任務に挑む時は、このスタンドの能力下にある。

『ザ・フラテリス』と『被保険者』はスタンドエネルギーで繋がっており、
ヴィジョンが破壊されてしまえば、毛根ごと『意識』を奪われる。

『ザ・フラテリス』
破壊力:D スピード:D 射程距離:C
持続力:B 精密動作性:D 成長性:C

395 『迫真 -Reality- 』 :2020/06/12(金) 00:30:31
皮膚を剥がれた人型のヴィジョン。
自らの『感覚』を焼き付ける。

一度見たモノは、視界を外れても見逃さず。
一度聞いた声は、雑音の中でも正確に聞き分ける。
『痛み』を受けた部位に、それを上回る『圧迫』を焼き付け、
『ゲートコントロール』による疑似的な『無痛化』を得意とする。

近距離戦では強力無比なスタンド能力ではあるが、
人よりも優れた『視聴覚』は『低周波音』に過敏な反応をし、
重度の不安に苛まれた本体を、『森田』は容易く洗脳してのけた。

『サーカ・サヴァイヴ』
破壊力:B スピード:A 射程距離:E
持続力:C 精密動作性:C 成長性:D

396 『迫真 -Reality- 』 :2020/06/12(金) 00:35:44
全13体の『オオコウモリ』のヴィジョン。
ヴィジョンは『超音波』を発し、エコロケーションの感覚を有する。

ヴィジョンは触れた『音源』の『スピーカー』となって潜行し、
『音源』から発される『音』を『超音波』に変える。

圧縮された『音』は『衝撃波』となって周囲を襲い、
その威力は『音量』に比例する。

『ダーティ・プロジェクターズ』
破壊力:D スピード:B 射程距離:B
持続力:D 精密動作性:D 成長性:E

397 『迫真 -Reality- 』 :2020/06/12(金) 00:41:07

----------------------------------------------
本体の周囲に『オクタゴン』を展開する。

『グリズリー・ベア』
破壊力:B スピード:B 射程距離:E
持続力:? 精密動作性:? 成長性:?
----------------------------------------------

左手首から『極針』の突き出した人型のヴィジョン。

『デ・ラ・ソウル』
破壊力:B スピード:B 射程距離:E
持続力:? 精密動作性:? 成長性:?
----------------------------------------------

その能力は不明。

『スパイロ・ジャイラ』
破壊力:C スピード:C 射程距離:C
持続力:C 精密動作性:C 成長性:C
----------------------------------------------

398 <削除> :<削除>
<削除>

399 『マジナイの声』 :2021/02/28(日) 22:31:28
大通りから小路に入った先、建売住宅の並ぶ一角。
『飲料水宅配業』を営む『ラクアクア』の事務所に、『鈴音』はいた。

事務所には『海洋深層水』の効能や、
ウォーターサーバーのコスパを謳う『広告』が貼られている。
無論、『鈴音』は『ウォーターサーバー』を導入しに来たわけではない。

    「『アリーナ』のルールは三つ。
     『一つ』は『観客』や『実況解説者』への攻撃をしないこと。
     『一つ』は『殺害』を行わないこと、まあ……この辺りは常識ですねぇ」

セルロイドフレームのメガネに作業着を着た中年男性。
『吉田松太郎』から『ルール』に関する説明を受ける。

    「そして、『一対一』の試合であること。
     ステージにはスタンド能力の使用に適するなら、
     道具を持ち込んだり、ギミックを用意できますが、
     大がかりな『舞台装置』は難しいでしょうねぇ」

『鈴音』は『アリーナ』での『試合』に参加する、
『ファイター』として、この『ラクアクア』に出場登録をしていた。
外見が『ホームレス』の『鈴音』に対し、『吉田』は顔を顰めていたが、
そこまで匂わないと解れば、『鈴音』の出場登録を進めていった。

400 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/02/28(日) 22:33:14
>>399

人型、襤褸を纏ったロボットが如きヴィジョン。
風を噴射し、『ゴミ』に限り質量を無視して『風に乗せる』事を可能とする。
その『ゴミ』には『社会のゴミ』である風歌自身も含まれる。
また、風を一点に噴射し続ける事で一定期間持続する『渦』を作る事が可能であり、『渦』もまた『風』と同様の性質を持つ。

『ダストデビル・ドライヴ』
破壊力:C スピード:B 射程距離:D(5m)
持続力:D 精密動作性:B 成長性:A

【能力詳細】

ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463235536/362

【服装】
厚手のダウンジャケット、デニム。鉄板敷きの安全靴。
【持ち物】
ジッポライター、カップ酒。

【プロフィール】
諦観の消えきらない抵抗主義者の『ホームレス』
人生のハズレくじに当たり続けた挙げ句に自殺ではなくホームレスを選んだ自分を『社会のゴミ』と定義しており、自分を卑下している。
のだが、ほ〜し〜み〜ランドの一軒以降、多少は前を向こうと思い始め、一歩ずつではあるが最低から『上』に向かう階段を登ろうとしている。
とはいえ、自己認識はそう変わっておらず、やはり自認はゴミである。

401 『マジナイの声』 :2021/02/28(日) 22:52:25
>>400(鈴音)
『鈴音』は『アリーナ』の説明を聞いている。
『ルール』自体に複雑な要素は感じられない。

    「『実況者』の合図が在り次第、
     『スタンド』を発現し、戦闘を開始してください」

    「……あー、でも、具体的な『合図』はどうだったかな……。
     『始め!』とか、『開始!』とか言うと思いますので、
     それが『合図』だと思って頂ければ……」

『吉田』は視線を彷徨わせてから、煮え切らない補足を入れた。
いや、と言葉を濁したかと思えば、困ったように『鈴音』を見る。

    「いえ、実は長く『実況者』を続けていた方が、
     突如、『引退』されてしまいましてね……」

    「『後任』を聞かされていないんです、私も。
     無論、『実況』のいろはは知っているはずですが……」

『吉田』は一枚の『紙』を取り出し、『鈴音』の前に広げた。
入場口の書かれた『試合会場』の略図が書かれている。

    「先程言った中で、必要な『道具』は用意できます。
     何かあれば、今のうちに言ってくださいね」

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。
■:『2m』の高さの壁。その上は『金網』が張られ、会場と観客席を隔てる。
∴:観客席。会場を見下ろす形となる。

402 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/02/28(日) 23:02:51
>>401
「道具の持ち込みねぇ」

風歌はしばし、考える。
神社での訓練での思考した『武器』、釘やら画鋲を用意するのは簡単だろう。
それに、ギミック……例えば、砂地とか、水辺とか、言えば用意してもらえるのだろうか?
『ダストデビル・ドライヴ』の性質上、地面に置いてある大半の物は武器になる。だが……

「欲しいもんはあるが、使いこなせるかも解らねえ……持ち込むのは、今、アタシの手持ちだけでいいよ」

風歌はそう言うと、ジッポライターと中身入りの『カップ酒』を取り出して、吉田に見せる。

「別に、飲食物の持ち込みが禁止されてる訳じゃねえんだろ?」

403 『マジナイの声』 :2021/03/01(月) 21:34:15
>>402(鈴音)
様々な『武器』や『環境』が脳裏を巡るが、
結局のところ、『鈴音』は何も用意をしなかった。

>「欲しいもんはあるが、使いこなせるかも解らねえ……
>持ち込むのは、今、アタシの手持ちだけでいいよ」

    「ああ、これくらいでしたら大丈夫ですよ。
     では、此方は何も用意しない、ということで――――」

『吉田』はライターとカップ酒に視線を走らせるが、
問題ないと解れば、特に調べるでもなく『許可』を出した。

    「『試合』は『三日後』になります。
     ――――『鈴音』さん、ご武運を」

404 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/01(月) 21:57:56
>>403
「武運ね……」

風歌は下を向いてけたりと笑った。
ホームレスに、『運』とは! 中々に痛烈な皮肉である。
しかし、ホームレスとして生き延びてこれたのは、『悪運』の為せる技であろうし、スタンドを得たのも『運』であろう。
そして、ライターとカップ酒の持ち込みが許されたのも、また。

「3日間、神の御加護がある事を祈って寝ることにするよ――それじゃあな」

405 『マジナイの声』 :2021/03/01(月) 22:20:17
>>404(鈴音)
己の『境遇』を卑下しながら、
『鈴音』は『ラクアクア』を去り、寝床へと戻る。

------------------------------------------

    『ァォォォオオオ――――ンン!!』

遠くから『野良犬』の遠吠えが聞こえる。
先程まで『ラクアクア』にいた『挑戦者』の姿を連想し、
『吉田』はおかしそうに目を細め、電話を取った。

  プルルルルルゥ♪


    「『タダヒト』さん。『選手登録』は完了しました。
     ……ですが、未だに『実況者』の名前も顔も解らないのは」

落ち着かない様子で『吉田』は『タダヒト』へと電話を掛けた。
会場設営や選手登録を役割とする『吉田』は『裏方』であるが、
『実況者』の詳細は聞かされておらず、それが『吉田』を不安に駆らせた。

    「『アリーナ』の戦闘において、『実況』や『解説』が重要だと、
     闘わない私であっても、十分に理解しているつもりですよ……」

    「基本的に『未知』である『スタンド能力』の攻防を言語化し、
     ともすれば戦闘の『素人』同士にもなるマッチングを、
     『興行』として演出できるのは、『実況』だけです――――」

    「『森田』さんは、あのような形になってしまいましたが、
     『表』でも名を馳せた『スポーツ実況』のプロフェッショナル!

     『タダヒト』さんを疑うわけじゃあないのですが、
     何も聞かされていないというのは……」

『試合』がグダグダに停滞した挙句、決着が不完全燃焼に終われば、
血気盛んな『アリーナ』の観客達が暴れ、秩序が保てないのは明らかだ。
それを懸念した『吉田』が言葉を重ねるが、『タダヒト』の声が返ってくる。

    「『吉田』さん。――――その詳細を話せないのには理由がある。
     一つは、貴方にとって、理解を超えた『未知』の領域だということだ」

    「そしてもう一つ。『実況者』の実力は保証する。
     『解説』にも私が立ち、『実況』のサポートに奮迅しよう」

    「だが、その詳細を語れないのは、唯一つ」

『タダヒト』は静かに声を落とし、重々しく言葉を発した。

    「私は、その実況者の『顔』も『名前』も知らない」

    「それだけだ。――――例のものは?」

『吉田』は言葉を詰まらせ、諦めたように呟いた。

    「用意しました。
     単純な設備ですので、設営は『黒服』の方でもできるでしょう」

普段の通り、会場設営の打合せが続き、電話が切られる。
顔を上げた時、一人の男が立っていた。

    「ああ。貴方が……。
     まずは、そこに」      『ァォォォオオオ――――ンン!!』

『吉田』が電話を取り、短縮ダイヤルを押す。
数回のコール音が鳴り、『タダヒト』が電話に出る。

    「えっ、『タダヒト』さん?

     ―――――……えっ?」

    「いいえ、私から掛けました。
     ええ、……何故? 私は、何故電話を……」

    バシッ

    「どーもー、『タダヒト』さん。
     あっ! それ! この前の空港の話!」

    「……あぁー、違ったの。
     まあいいや、選手登録に来たよー」

人懐っこそうなヒゲの濃い、アラブ系の男が笑みを浮かべた。

406 『マジナイの声』 :2021/03/01(月) 22:47:13
>>404-405(鈴音)
三日後、港に並ぶ『倉庫』の一角。
鉄扉の左右を『黒服』が並び、物々しい雰囲気を醸し出す。
『鈴音』が近付けば、その出で立ちに『黒服』は眉を顰めるが、
『参加者』の一人と解れば、重い鉄扉を引き開け、『鈴音』を出迎える。

    「対戦相手は『ナビール・オラービー』。
     『エジプト』は『ルクソール』出身の『遺跡探検家』だ」

    「……という肩書だが、実際は『観光ツアー』の案内人。
     枯れた遺跡をツアーガイドしては、観光客相手に小金を稼ぐ」

    「だが、……怪しげな『スタンド能力』を使って来るぞ。
     『アリーナ』を沸かせる、素晴らしい『闘い』を願っている」

『鉄扉』を開ける間、『黒服』の二人は『対戦相手』の詳細を伝える。
やがて、完全に開いた『倉庫』の中へと『黒服』に案内され、
『鈴音』は後付けの『階段』を下り、地下へと下っていく。

    「この先を進めば、『アリーナ』の会場だ」

薄暗い廊下の奥から、『コンクリートパネル』の敷かれた、
『アリーナ』の会場が見える。天井から下がる『投光照明』は眩しく、
天井から鉄骨で吊り下がる二畳ほどの『実況解説席』には、
スーツの男が一人で座っている。

    「――――皆様。ようこそ、『アリーナ』へ。
     今宵、催されるは『生』と『生』の真っ向勝負」

    「かたや、コンクリートの冷たさに身を預け、
     明日をも知れぬ『薄幸』を生きる、一人の少女!」

    「かたや、失われた『歴史』の残骸に群がり、
     好奇の目を射抜く『冒険者』が一人!」

朗々とした声が『マイク』を通じて響き渡る。
一方、微かに見える『観客席』の様子は尋常ではない。

    「いいからさっさと『実況』出して来いよ!」

    「『タダヒト』ォ! テメェーがマイク持ってどーすんだよ!」

    「なんで席にいねぇーんだよ!」

    「テレビの設営、さっさと終わらせろや!」

ぶちキレた『観客』の怒号は止まらず、やんややんやとブーイングが飛ぶ。
『実況席』が空席なのは明らかだ。

407 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/01(月) 22:59:59
>>406
(まるで、マンガの中の世界だな……)

大量の観客が見守る中、超能力者が戦う闘技場。現実とは思えないような現実にが、歩を勧める風歌を待ち受けている。
そして、その先には『敵』をも。

(遺跡探検家、ねぇ。実態はツアーコンダクターみてーだが)

つまりは、人様の墓を他人に見せびらかして金を得る類。
立派な仕事なのだろう――少なくとも、ホームレスよりは真っ当だ。
そして、勝っている――社会的には。
だが……スタンドの戦いでは、どうだろうか?

「まぁ、ゴミの五分を見せてやるだけだ……!!」

戦いに挑む決意を完成させた風歌は、『アリーナ』の会場へと踏み出した。

408 『マジナイの声』 :2021/03/02(火) 20:50:46
>>407(鈴音)
『職業』そのものに揶揄めいた感情を宿しながらも、
『職』を持って『社会』に関わる以上、その立ち位置は『鈴音』より上。
『鈴音』は結論付ける。――――無論、『試合』では解らない。

一つ言えるのは、『観客』の前で闘いを繰り広げる『鈴音』もまた、
一時的とはいえ、『地下社会』への参加を果たしたということだ。

    ザリッ

    「今、『鈴音』選手が入場します。
     そして、――――『実況』の準備も、
     只今を以って、『完了』したと報告します」

薄汚れた衣服を纏った少女の登場に、
観客達は言葉を失うも、瞬く間に『歓声』が響き始める。

    「『アリーナ』に参加した以上、女子供も関係ねぇー!」

    「這い上がって見ろやぁ、『鈴音』ェェ―――!!」

観客達の野太い『声援』が響き渡り、『鈴音』を出迎える。
『アリーナ』に足を踏み入れた『鈴音』は、会場の全貌を目の当たりにした。
東西の『壁』に『茨』の如く巡るのは、切っ先も鋭い『有刺鉄線』。

             ――――――パッ!

一方、ステージ中央の『4m』上に位置する『実況解説席』には、
巨大な『液晶パネル』が設営されていた。
画面が点滅し、周囲の『壁』に埋まった『スピーカー』から『実況』の声が響く。

    ≪ただいま『入場』しました『風歌鈴音』選手ッ!
      身長は163cm! 見た目通りの『ホームレス』!≫

    ≪風に吹かれる根無し草は、このアリーナで花開くか!
      底辺から這い上がるシンデレラストーリー、こう期待です!≫

『液晶パネル』に映し出されるのは、長いラッパ袖の白衣を纏った少女だ。
跳ねの目立つ紫色のショートヘア、金銀に光り輝くオッドアイ、泣きほくろに五芒星。
現実味のない風貌。それもそのはずだ。――――映されるのは『実写』ではない。

    ≪さあ、『ナビール』選手の登場の前に、
      申し遅れました! 『アリーナ』の皆さん、ハローボンボン!!≫

    ≪彼方の『電脳空間』から、貴方の心にインストール!
     『アリーナ』の実況担当、『六連セカイ』です!≫

    「はっ? おいおい、なんだこれ――――」

    「俺達、何を見せられてんだよ……」

    「ざけんなおい! 『Vtuber』じゃねぇーか!」

不意打ちを喰らった観客達のどよめきと野次が飛び交う中、
加工された『電子ボイス』の自己紹介が、会場内に響き始める。

    ≪今日は、解説の『タダちゃん』と一緒に、
      二人の『試合』の見どころ! スゴイとこ! カッコイーとこ!
      いっぱいしゃべってくから、会場のみんなも一緒にもりあがろー!≫

    ≪さぁーて、登場するのは『ナビール・オラービー』選手!
      『熱砂』と『大河』、歴史を誇る遺跡の数々、――――『エジプト』!≫

   ザッ!

現れたのは人懐っこそうな顔立ちをしたアラブ系の男だ。
両頬まで豊かに蓄えた『髭』の奥から、愉しそうな笑みを浮かべている。

    ≪身長175cm! 遥々『エジプト』からやってきた『遺跡探検家』!
      柔らかい表情に隠された『呪術』は、何をみせてくれるのかぁー!?≫

    ≪更なる『スリル』を求め、『ナビール』選手のリクエストは、
      チクチク攻撃じゃあすまない『有刺鉄線』! ついでに『電流』付き!≫

    ≪バッチバチの『電流デスマッチ』! いよいよスタートです!
     さぁ、お互い見合って、準備はオーケー? 深呼吸する?≫

『セカイ』はテンションの高いトークを捲し立てながら、
二人の様子を伺っている。――――間もなく、『ゴング』が鳴るだろう。
『ナビール』は会場に手を振り、身に付けた『サバイバルジャケット』のポケットに手を入れる。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□□□ナ□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□鈴□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

409 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/02(火) 22:09:21
>>408
(リクエストしたら、ここまでやってもらえんのかよ……)

唖然としながら、もはや癖になりつつある悔いを風歌は覚える。
電流付きの有刺鉄線――ギミックのリクエストは有りとは聞いていたが、ここまでとは。
こんなのアリかとも思いつつも、聞かなかったのは己のミス。潔く受け入れて、戦うしか無い。すでに準備は出来ているのだ――準備するものがないという形ではあるが。

(初手は……)

風歌は、ポケットの中の『カップ酒』の感触を確かめた。
相手の『対応』と牽制と布石として投げつけたい所だが、『人並み』である『ダストデビル・ドライヴ』の腕力では、10mは届かないだろう。
と、なれば……

(『ゴング』が鳴り次第、まずは距離詰めだな)

スタンドを出しながら駆け寄る――ただし、最高でも『5m』の距離は保つ。

(まずは、様子見も兼ねて行くしかねえな)

風歌は一つの腹をくくって、ゴングの時を待つ。

410 『マジナイの声』 :2021/03/02(火) 23:33:26
>>409(鈴音)
東西を挟む『有刺鉄線』の禍々しさに、『鈴音』は言葉を失う。
『アリーナ』とは『お遊び』ではない。この場に参加する誰もが、
『本気』の試合を臨んでいる。その権化ともいえる『ギミック』。

    ≪いざ尋常に、『勝負開始』ぃぃ――――!!≫

    ダッ!

『セカイ』の電子ボイスが響き渡り、『試合』が始まった。
『鈴音』は発現した『ダストデビル・ドライヴ』と共に前方に駆け、
『ナビール』との距離を一気に詰める。

    ズギャッ

           『アォォォ――――ンンッ!!』

一方、『ナビール』はその身から『ヴィジョン』を発現する。
『咆哮』と共に現れたのは『犬頭人身』のスタンドだ。
『三つ首』の『犬頭』の一つが、高らかな遠吠えを上げる。

    ≪さぁ、両者共に『スタンドヴィジョン』を発現しましたぁ!
      ボロボロのマントを羽織った『ダストデビル・ドライブ』!
      『風来坊』然とした立ち姿、ここから何を見せてくれるのかぁ!?≫

    ≪一方、三つ首のスタンドは『イル・ニーニョ』!
      雄叫びと共に姿を現した。――――おっと、『ナビール』選手……≫

    チャリリンッ

『ナビール』がポケットから放り投げたのは、十数枚の『小銭』だ。
見慣れない貨幣であるが、『スタンド物質』ではなさそうだ。

    「『喜捨』、いたしまーす。
     『スズネ』さーん。『今日の財産は神の恵み』」

    「そして、『今日の勝利も神の恵み』。
     遥々遠い地からご苦労さんだと言って欲しいですが、
     一緒に『勝利』と『30万円』ももらっていきまーす」

にこやかな『笑み』を浮かべたまま、
『ナビール』は突っ込んでくる『鈴音』を突っ立ったまま見守っている。

    ≪おおっと、まさかの『お恵み』だぁぁ――――!!

      『ナビール』選手、相手の境遇を見ての『挑発』でしょうか!?≫

    「『喜捨』は『五行』の一つ。
     『エジプト』では『コジキ』も立派な職業になっている」

    「……だが、この状況下で行うべきかは、疑問が残るな。
     何かある、と考えた方が懸命だとは思うが――――」

『タダヒト』はその視線を『貨幣』に向け、考え込んでいる。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□□□ナ□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□銭□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□鈴□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

411 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/03(水) 18:56:57
>>410
自分の背景に由来する挑発――それを兼ねてもいるのだろうが、それだけでは無いだろうと風歌は思う。
敢えての『無駄』でこちらを縛りに来た可能性もあるが、まずは悪い方からか投げる。

(罠か、布石か……)

既に『スタンド能力』が仕込まれていて、『触る』事で何かが起きる罠。
それとも、『金を撒く』『与える』過程を生むことで、何かを起こす戦闘の布石。
あるいは――『無い』ものを恐れさせる為の完全なハッタリか。

(とりあえず、触りたくはねぇな……)

風歌はまず、『ダストデビル・ドライヴ』の風で吹き散らす事を考えるが……

(それをやると、突風はともかく、『ゴミの質量無視』がバレる)

自分から手の内を晒す――愚かである。
だが……何も出来ない、『動かない』のは最悪だ。
オムレツを作るには、卵を割らなければならない。結果として出来るのがスクランブルエッグになるとしても、卵は割らなければならないのだ。
だから

「わりーな、おっさん」

風歌は、『ダストデビル・ドライヴ』の左手を、地面に落ちた『貨幣』に向ける。

「もっとでっかい銭が手に入るって分かってる時に、『拾い食い』はしねーんだわ――返すぜ!」

そして――噴射距離を『3m』に指定した突風(パCスB)を、貨幣に向けて放つ!

(石橋を叩いて渡るが、杖の長さは隠させて貰うぜ)

最大射程、5m。この距離の隠蔽はイザというときの『飛翔距離』を見誤らせる『仕込み』である。機能する状況に至らなければ良いのが、一番ではあるが
そして、『普通』の貨幣であれば、散らばって飛び散るだろうが――風歌は貨幣の成り行きを見守った。

412 『マジナイの声』 :2021/03/04(木) 22:12:19
>>411(鈴音)
『鈴音』は間合いを詰めながら、
『ダストデビル・ドライヴ』の掌を翳し、『突風』を放つ。

『何もしない』という選択肢もあったが、明らかな『布石』を前に、
『ナビール』の初手を挫こうと、『ダストデビル・ドライヴ』を動かす。

     ブシュォォ!!

>「もっとでっかい銭が手に入るって分かってる時に、
>『拾い食い』はしねーんだわ――返すぜ!」

    ≪『ダストデビル・ドライヴ』、翳した掌がはためくッ!
      いや、違いますッ! あれは、――――『風』ッ!≫

    ≪はした金は『不要』とばかりに、コインを蹴散らしましたッ!
      ぶっとい万札の束を掴むため、尚も『ナビール』選手へ駆けるッ!≫

『ナビール』は『西側』へと移動するも、
触れもせずにバラけた『貨幣』を見遣り、
逡巡するように『ダストデビル・ドライヴ』に視線を向ける。
『貨幣』は照明を反射して鈍く輝くが、特段の『変化』は見られない。

    「おーう、勿体なんじゃないですかー?」

    「でも、……もう貴方は『呪術』のトリコ。
     ――――『イル・ニーニョ』はもう、
     貴方の傍から離れはしないのです」

   ≪『ナビール選手』、宣戦布告ゥ!
     既に『スタンド能力』を発動させた様子です!≫

    「ゴタゴタ言ってねぇでさっさとやれやぁ!」

    「壁際でまったりしてんじゃねぇ!」

    「『鈴音』来てっぞ! イキってる場合かよ!」

『ナビール』は既に『5m』の間合いに入っている。
前方へと駆ける『鈴音』を泰然と待ち構える『ナビール』に対し、
苛立った観客の罵声が飛び交う。

   ザリッ
          ――――ダッ!

『ナビール』が姿勢を低くする。
間合いに入った『鈴音』に対し、『逆時計』に回るように、
地面を蹴って『全力疾走』を始めた。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□ナ□□※□□□棘∴∴
∴棘□□□□※□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□鈴□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

413 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/04(木) 22:55:35
>>412

――全てがハッタリである。その可能性は無いだろうと風歌は思考した。

(アタシがそうであるように、向こうだって勝つためにやってるんだ。つまり、アタシはアイツの『能力』に嵌った)

それは、間違いないのだろう。そうでなければ向こうは勝てないし――勝つためには攻めなくてはならないのだから。
状況は、確実に不利――ならば、どうするか。

(何をされてるかも解らねえなら、『待ち』は無しだ。リスク覚悟で――突っ込む!)

だが、その前に――風歌は、『カップ酒』を取り出し――『ダストデビル・ドライヴ』で――『全力疾走』中のナビールに投げつける!(パCスB精密B)

(距離、は確実に射程内! 速度に関しても『全速力』なら急には止まれねえ――移動先は読める!)

それで、『スタンド』で防ぐなら『速度』は判断できるし、『能力』で防ぐならヒントは得られる。『外した』なら最悪だが、そうでなければ地面に『落ちる』ことになるので――『破片』は生まれるだろう。
そして、明らかに風歌を上回る『速度』でなければ――あるいは、外したのなら――

(そのまま――突っ込んで――風を顔に浴びせながら――殴りにいく!)

仮に、風歌を『上回る』なら、一歩引かねばならないが……今は、往く時だ。

「オラァッ! 逃げてんじゃねー!!」

風歌は、叫びながら自らの思考を行動に変え始めた。

414 『マジナイの声』 :2021/03/04(木) 23:42:58
>>413(鈴音)
『間合い』を詰めた今が『好機』だ。
『鈴音』は足を止め、間髪入れずに『ダストデビル・ドライヴ』が、
その右手を振るい、手にした『カップ酒』を投げ付ける。

    ヒュバッ!

    ≪取り出したのは『カップ酒』ッ!≫

    「うおおっ!」

『ナビール』は咄嗟に『イル・ニーニョ』の腕を振るうが、
そのスピードは遅く、何よりも腕の軌道は『雑』だ。パス精CCD

    バキィ!

   ≪直撃ぃぃ!!

     『ナビール』選手の『側頭部』に、『ホームレス』の洗礼です!
     安酒の一撃は頭に回るぞぉ! 『ナビール』選手はフラフラだぁ!≫

    「なまぬりぃんだよ、エジプト人!」

    「すっとれぇスタンド振り回しやがって!」

    「テメェのケツにピラミッドぶっ刺すぞ!」

      ドサァ――――

『酒瓶』は『ナビール』の『側頭部』に命中し、
『ナビール』は身体をグラつかせ、転がるように地面へ倒れる。
『鈴音』は身体を半回転させ、勢いもそのままに、
『スピード差』も如実な『イル・ニーニョ』に追撃を――――

>「オラァッ! 逃げてんじゃねー!!」

           『アォォォ――――ンンッ!!』

    「逃げるのは、――――どっちでしょーねぇ?」

    「私、今日はもう『無一文』なんですよ……」

地面に倒れ伏したまま、『ナビール』はニヤリと笑った。
『イル・ニーニョ』の遠吠えが響き、……その『犬頭』の一つが『消失』する。

     ググッ
           ―――ダッ!!

    ≪流石は『鈴音』選手ッ! 倒れただけじゃあ『終わり』じゃあない!
      そのまま真っすぐ駆け、――――ええっ!?  あれれぇ!?≫

『鈴音』は地面を駆けるも、向かう先は『ナビール』の下ではない。
まっすぐ『前方』へ走り出し、――――『鈴音』の『意思』を無視したまま、
競技場の『壁』目掛けて、全力疾走を始める。

    ≪『タダちゃん』! 解説の『タダちゃん』!
      あれどうなってるの!? ――――ちょっと、何で黙ってるんですか!?

      あのままじゃあ、『鈴音』選手の前には――――≫

『セカイ』も『鈴音』の様子に気付き、『タダヒト』への解説を求める。
しかし、『タダヒト』は黙したままだ。身体を動かさず、だんまりを決め込んでいる。

    「おい、どーなってるんだよ!?」

    「あれが、『呪術』か――――!?」

『ナビール』は倒れたまま、『鈴音』はそれを尻目に『北西』へ駆け抜ける。
『減速』は起きない。『鈴音』の意思を無視したまま、
『有刺鉄線』はその鋭い棘を『鈴音』へと向けている。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘_□□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□|\□□□※□□□棘∴∴
∴棘□□□.\※□□□□□□棘∴
∴棘□ナ□□.鈴□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

※矢印付近に『カップ酒』の破片や酒が飛んでいる。

415 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/05(金) 18:10:04
>>414
「チィッ!」

敗北に向かって走らされながら、風歌は唸る。
何をされている? ――違う

(アタシが何をしたからこうなった!?)

スタンド能力とは、それがどれほど余人には納得し難いものであろうとも、因果の法則には則っている。
何かをしたから=されたから、起きる。向こうの『スタンドヴィジョン』は一部消えたが――消すための引き金を引いたのは向こうでも、引き金を引くための条件を満たしたのは『こちら』だろう。

(『金を吹き飛ばし』、そして『カップ酒を投げつけた……』。少し違う。野郎は、まず『金を恵んでアタシに何かをさせようとした』)

それが何かは解らない――しかし、今の、散ったガラスの――風歌が『投げ捨てた』ものへ走らされている状況を見る限り。

(アタシが仮に金を掴んで投げ返しててたら、今みてぇな事になってたんだろうな!)

その上で――今、どうするか。
ガラス片が『どこまで』飛んだかは見えないが、このままだとぶつかって負ける。
『突風』で『飛ぶ』を使うしか無いが……どこに?

(――当然、野郎の所へだ。他に逃げても、走らされるのが止まる保証はねえ、射程外に逃げ切られたら、『詰み』だ)

問題は――どの様に?

(単に『アタシだけ』飛ばしたら……野郎の真上で止まれたとしても、スタンドで迎撃される。つまり、『スタンド』と飛ぶ必要がある。だが、突風で飛べるのはアタシだけ……まてよ?)

――手は、ある

(まず、野郎に『ダストデビル・ドライヴ』の『背を向ける』形でアタシに『ダストデビル』・ドライヴを、『掌を内側に向けて』抱きつかせる……そして、ゼロ距離の『突風』でアタシごと飛ばす!)

当然、突風の威力(パス:CB)をゼロ距離で受ける事にはなるが、一撃で致命傷になるほどの威力はない――耐えきれるだろう。
『ダストデビル・ドライヴ』自身に『重量』は無く、『スタンドの接触干渉部位』は任意である。地面に固定するのではなく、『微浮遊』の状態であれば、飛べる可能性はある。

(飛べねーにしても、『飛べねー』が分かれば糧にはなるし……『飛べなかったら』とりあえずリングの内側に急いでアタシを5m突風でぶっ飛ばす)

そして――それだけでは、足りない。

(野郎の『真上』に来たら、急いで(ス:B)アタシを突風(パス:CB)で――リングの内側に5mぶっ飛ばす! 『風の射程距離とアタシのスタンドの射程距離はイコール!』当然、アタシのスタンドはヤツの間近にいるまま――そっから先は)

――兎にも角にもぶん殴り続ける(パス精:CBB)。
そして、風歌が同じルートで再疾走を始めたら、突風(パス:CB)で内側にまた吹き飛ばす。
違う位置に走り始めたら、あるいは『突風を向けた先に棘があり、その距離が2mを切ったなら』全速力(ス:B)でスタンドを戻して『リングの中心』に向けて風歌を飛ばす。。

(残り二つの頭にビビってる余裕はねえ! 今は攻めだ!)

思案をまとめた風歌は、大急ぎで策を実行に移した。

416 『マジナイの声』 :2021/03/05(金) 22:41:38
>>415(鈴音)
奇怪なる『スタンド能力』のトリガーが自身の『行動』にあると推察し、
『鈴音』は『ダストデビル・ドライヴ』を自身に抱き着かせ、

    ピタァァァ……

『抱き着かせられない』。
『ダストデビル・ドライヴ』の操作が利かず、
『鈴音』に追従するように『停止』したままだ。

だが、たまたま掌が『鈴音』の方を向いており、
そこから『風』を飛ばすことは出来た。

    ブバシュゥゥ――――

    ≪『鈴音』選手、自らを吹っ飛ばしたぁぁ!!
      電流への『デッド・ラン』を打ち切らせ、横転するぅ――――!!≫

『突風』を間近から喰らい、『鈴音』はその場に倒れ転げた。
『全力疾走』のパワーに対し、真正面から『風』を受けたため、
『吹っ飛ぶ』ことはなく、その場での『転倒』に終わる。

    「『衝動』を引き起こす、それが『イル・ニーニョ』の『呪術』でーす。

     『鈴音』さん。――――貴方のスタンドは、とっても強いですねぇー。
     『エジプト人もビックリ』。なんならちょっと、頭がズキズキする……」

    「でも、『衝動』の前には『無力』なのでーす」

『ナビール』が先に立ち上がり、『イル・ニーニョ』を構えさせる。
地面に倒れた時、『鈴音』の視界に映るのは、真上の『解説席』。

    ≪『タダちゃん』! サボってないで、解説解説ッ!≫

    「おい、あれは『サボってる』んじゃあねぇ……」

    「『タダヒト』の肩、――――『イル・ニーニョ』が!」

観客の声に気付いた『セカイ』が、掌を空中でスワイプする。
何処かの『カメラ』に切り替えたのだろう。

    『ァォォォ……ォォォ……』

微動だにしない『タダヒト』の肩には、『イル・ニーニョ』の『犬首』が乗っている。
ヴィジョンの時よりも一回り小さい、ハンドバッグサイズの『犬首』。
そして、『地面』を転がった時、『鈴音』もまた己の肩口に視線が移り、

    『ォ……ォォォ……ンン』

反響するように微弱な吠え声。
『犬首』は『鈴音』の肩にも憑依し、悩まし気な遠吠えを上げる。

    「おーう、これは不幸な『事故』。
     『Vの方』には『射程外』のようですが、
     『タダヒト』さんにはバッチリ、ハマっちゃいましたねー」

    ダッ

『ナビール』が『鈴音』へと駆ける。
倒れたままの今、立ち上がって走り出そうとする『衝動』は起きない。
だが、『ダストデビル・ドライヴ』は指一本動かせない――――

※『鈴音』は仰向けに転倒。
  『ダストデビル・ドライヴ』は、その傍に立ち尽くしている。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□□□□※□□□棘∴∴
∴棘□□□鈴※□□□□□□棘∴
∴棘□ナ□□.□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

417 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/05(金) 23:51:11
>>416

(何をされている?)

倒れた風歌の思考は、この問いに集約される。
そして、立ち上がろうとしながら、思考を纏める。

(アタシが何をされているのか、どうすれば『スタンド』を動かせるのか――)

それを解かない限り、『次』で詰みだ。

(野郎の能力は、『衝動』――そして、『無気力』だろうな……)

相反する感情の暴走――問題は『発動条件』、あるいは『回避条件』である。

(まず、アタシと同じ目にあってるのは、解説役だ)

解説役と社会のゴミの共通点――無い。
次は、自分と敵の相違点――『ある』

> 「私、今日はもう『無一文』なんですよ……」

(持つものは『動く必要がない』持たざる物は、『突き動かされる』。金持ちが自堕落になるように、ゴミが、藻掻くように)

と、なれば――風歌は、ポケットの中にある『最後』の財産――『ジッポライター』を意識する。

(こいつを捨てる――いや『恵む』か?)

『無一文』になれば、『同条件』しかし、『衝動』の発動条件を満たす――『お互いに』

(野郎が『伏せた』のは、自分にも能力が引っかかるだろうしな)

ならば――風歌のすべきことは/できる事は只一つ。

(どうにかして立ち上がる、最悪でも『ジッポライター』を投げれる体勢になって、アタシの腕力で『ジッポライター』が届く距離になったら――『貧乏人に恵んでやるよ! これでアタシも無一文だ!』って言って、ジッポライターを投げつける!)

まずは、スタンドを動かせなければどうにもならない――風歌は、行動方針を確定させた。

418 『マジナイの声』 :2021/03/06(土) 21:41:49
>>417(鈴音)
『鈴音』はポケットの『ジッポライター』を意識する。
『ダストデビル・ドライヴ』の操作は敵わないが、
ポケットの『ジッポライター』を手に取ることは出来る。

そして、既に『ナビール』は投擲の射程に入っている。
(※距離『2m』。前レスのMAP参照。距離はそこから測ること)

    ≪『鈴音』選手、立ち上がれませんっ!
      『ナビール』選手は、すぐ傍まで来ていますぅ!≫

    「さっさと立てやぁ、『鈴音』!」

    「寝たきゃあ公園のベンチで寝てろや!」

倒れたままの『鈴音』に観客からの罵声が飛ぶ。
『ナビール』は『鈴音』の傍まで接近し、
『イル・ニーニョ』が『咆哮』を放つ。

     『ウォォォォ――――ンン!!』

    「日本の皆さん、マジメで立派な人ばかりでーす。

     ――――ですが、私の国に来れば『豹変』する。
     興味のない『遺跡』、高くて口に合わない『料理』、
     ニセモノだと解って買い漁る『ブランド品』――――」

    「まるで『衝動』に取り憑かれたみたいに、
     みんながみんな、少しでも『お土産話』を増やそうと、
     私みたいなアヤシー『ツアーコンダクター』にも耳を貸す。

     ――――それと同じ。ごちそーさまでーす」

    ドゴォ!

    ≪立て、立てぇー! 『鈴音』選手!
      このままじゃあ『サンドバッグ』です!≫

『ナビール』は喋りながら『イル・ニーニョ』の右腕を振り翳し、
棒立ちとなった『ダストデビル・ドライヴ』の腹部を殴りつける。パス精CCD
ノーガードの『鈴音』の腹部に重い衝撃が走り、意識が吹っ飛びそうになる。

    「――――やられたな。
     どうやら、『喋り続けた』方がいいように見える」

    「単純な『格闘戦』であれば『ダストデビル・ドライヴ』の方が有利。
     だが、スタンドのパワーに劣るからこそ、『有刺鉄線』を用意した」

    「『行動』の操作という能力下で、最大限の『ダメージ』を与える為に。
     闘いの『組み立て』において、『ナビール』の方が上回っている――――」

スタンド能力から復帰したのか、『タダヒト』が解説に入った。
棒立ちとなった『ダストデビル・ドライヴ』を前に、
『三つ首』に戻った『イル・ニーニョ』は左の拳を振るい、『追撃』を放つ。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□□□□※□□□棘∴∴
∴棘□□□鈴※□□□□□□棘∴
∴棘□□ナ□.□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

419 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/06(土) 22:26:05
>>418
「ゲホッ!」

風歌は痛みに悶える、苦しむ――だが、ホームレスつねに悶え苦しみ生きるもの。
その日常故か――無抵抗な腹を殴られながらも、風歌は意識を保てている。
そして――最後の賭けに挑むチャンスは、生まれている。
だが、その前に、一つ。思考が生まれる。

――喋り続ける。

(くそったれ、沈黙は『金』とでも言うつもりかよ。だんまりは『金持ち』か怠け者ってか?)

あるいは、『仕事』か。
だが、何れにしても――今、出来ることは、二つ。
痛みに悶えながら、風歌は口を開く。

「ごちそーさま? そいつはな、何かを食い終わってから言う台詞だろ?」

そして、手の中の『ジッポライター』をナビール目掛けて――投げつける!

「せっかくだ、そいつでも食っとけよ――アタシの最後の財産をお恵み、だ」

これがどうしょうもない無駄に終わるなら、『負け』だろう。
だが、『それで終わらない』=『ダストデビル・ドライヴ』が動くなら。いや、足りない。
今この瞬間から――『ダストデビル・ドライヴ』に、とかく『イル・ニーニョ』の腹を殴らせようとする。そうでなければ、『間に合わない』だろう。
後は、『ダストデビル・ドライヴ』が動くかどうか、『それだけ』だ。

420 『マジナイの声』 :2021/03/06(土) 23:19:07
>>419(鈴音)
地面に倒れたまま、『鈴音』は『ジッポライター』を取り出し、
『手投げ』によって、『ナビール』目掛けて『投擲』を行う。

>「せっかくだ、そいつでも食っとけよ――アタシの最後の財産をお恵み、だ」   

     ビュッ
              パシッ!

    「こりゃあどーも、後で返しますねぇー」

『ナビール』の身体に『ジッポライター』が当たるも、
倒れたままでは『パワー』は伝わらず、『攻撃』にはならない。
そして、『ナビール』にも『鈴音』にも、このやり取りを経ての『変化』は発生しない。

    バキィ!

    ≪『イル・ニーニョ』の二撃目、またしても『腹部』を殴るっ!

      『ジッポライター』の抵抗もむなしいばかりっ!
      最早、『鈴音』選手に『勝ち目』はないのかぁぁ――――!?≫

    「スタンドでハメたらリンチし放題だぁ!?
     『アリーナ』にそーいう展開求めてねぇーんだよ!」

    「鎬の削り合い、火花の散り合いを見せろやボケェ!」

    「クソみてぇな試合しやがって! 裏でボコるぞザコがぁ!」

     ガシャガシャガシャガシャッ!!

あまりにも一方的な展開に、フラストレーションの溜まった『観客』がキレ始め、
会場と観客席を仕切る『金網』をガシャガシャと揺らし、怒りを露わにしている。

    「おーう、ここの『ツアー客』の皆さん、民度低いですねぇー」

『ナビール』も驚きを隠せず、肩を竦めている。
そして、『イル・ニーニョ』が三発目を入れようとした時、

       バキィッ!!

    ≪入ったァ――――ッ!!  『鈴音選手』の反撃ぃ!≫

『ダストデビル・ドライヴ』の拳が、『イル・ニーニョ』に命中する。
攻撃を喰らった直後と言うこともあり、辛うじて『当てた』という程度だが、
『ナビール』はよろめきながら背後へと下がり、攻撃を止める。

    「私が喋り出した時点で、既にスタンドは動けたようだが、
     ――――その『解除』が体感できない。『イル・ニーニョ』の恐ろしい点だ」

    「それが恐らく、『呪術』の正体に関連しているのだろう。
     ……『ナビール』選手。確認しておくが、『観客』への攻撃は厳禁だ」

『イル・ニーニョ』の首が戻った時点で、『鈴音』と『ダストデビル・ドライヴ』に宿る、
『呪術』と呼ばれる『スタンド能力』は解除されたのだろう。
故に、『タダヒト』は解説を再開することが出来た。

    「だが、スタンド能力に『巻き込んで』しまった場合は、
     それが『攻撃』の域を出ない限り、『不問』とする」

    「―――――ッ!
     ……おーう、これはどうもご親切に」

    「ガタガタうるせぇ! なんだろうとブッ放して来いやぁ!」

    「最前列に陣取った時点で、病院行きは覚悟の上だっつーの!」

『タダヒト』の口添えに対し、『ナビール』は皮肉げに笑った。
『観客達』も高いボルテージのまま、『ナビール』からの『呪術』に腹を括る。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□□□□※□□□棘∴∴
∴棘□□□鈴※□□□□□□棘∴
∴棘□□□□.□□□□□□□棘∴
∴棘□ナ□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

421 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/07(日) 01:21:21
>>420

「ハァッ、ハァッ……クソが」

『無駄打ちに』は終わった様だが、少なくともスタンドの制御は取り戻した。
少なくとも、『最悪』は『脱した』。だが、あくまでも『一時的』だ。

(種を見抜かねえと、勝てねえな……)

立ち上がった風歌は思考する――まずは、『何が出来るスタンド』なのか?

(『発動条件』は考えねえ、まずは何が出来るかだ!)

1つ、『風歌を一定方向に走らせた』
2つ、『ダストデビル・ドライヴと解説者の動きを封じた』
そして、3つ、『観客の行動が熱狂的』

(これら全部を『1つ』の能力と定義するなら――『行動の固着』か?)

『走れば』『走り続ける』『解説をしたら』『解説をし続ける』『何もしなければ』『何もできなくなる』『怒れば』『怒り続ける』
そして、『首』……

(フツーに考えりゃあ、『能力を叩き込める対象の数』なんだろうが、観客どもが『引っかかってる』所を見ると。他にあり得るとしたら……)

――的。

(『行動の定着』事態は全方位の無差別だけど、完全に『意思を無視する』レベルの強制力を与えるには、『首』を植え付ける必要がある)

……そして、解説役は、なんと言った?
――喋り続ける。
『この戦いの最初に、奴は何をした?』

――『遠吠え』

(声か……)

風歌は、唸った。

(『能力の発現対象はスタンドの声を浴びた全員』『声の届いた範囲を射程内として『首』を植え付けて衝動の操作を行える』――違う! もう一歩!)

――声は、何をした?

(唸った……)

ならば、つまり。

(『定着』の条件はスタンドの声を聞くことで、『定着』出来る数が『首の数』。それで、アタシを仕留めきれなかった事を考えると――『定着に時間制限』はある)

そして――能力の超え方。
『自分』と『解説役』の共通点。近くに、『声』を発するものがいない。
そして、観客を巻き込む可能性があるのは――観客に『声』が届くからだろう。
つまりは『3つ目の首』が誰かに飛んでいく可能性がある。だが、『喋り続ける』事でどうにか出来る可能性があるのなら。

(声は、声で掻き消せる――けれど、『機械音声』じゃあダメなんだろうな。生身の声で掻き消さにゃ)

しかし、解説と風歌とでは『声を聞く位置』が違う、向こうは『遠吠え』を出せるのだ。

(『鼓膜』をぶっ潰すって手もあるが、声を『聞く』じゃなくて『浴びる』が条件だったら意味ねーしな)

ならば――どうすべきか? 
『一撃必殺』を望めぬ風歌は、『マジナイの声』を掻き消さなければ勝てはせぬ、どうすればいいか?

(前はしくじったが、今回は、どうだろうな)

立ち上がった風歌は――『ダストデビル・ドライヴ』の拳を『全速でメチャクチャに』(パス:CB)ぶんまわしながら、声を張り上げた。

「さっきからガタガタうるせぇんだよ! このクソボケ共が!」

両手を広げて周囲を見渡し――『観客たち』に向けて大きく叫ぶ。
ナビールがどう動くかにもよるが 後は、どこまで『言えるか』だ。

「黙って聞いてやってりゃくだらねぇ雑音撒き散らしやがって、うるっせぇんだよ、ゴミ共が!」

そして、間髪をいれずに『「最前列に陣取った時点で、病院行きは覚悟の上だっつーの!」』のヤジが飛んだ方向に指を刺して、喉張り裂けんばかりに叫び続ける。

「病院行きは覚悟の上だ!? 何勘違いしてやがる社会不適合者どもが! 『最前列』でこういうショー見るような悪趣味は病院に行ってるべきだろうが! 当然、こんな所でストレス発散出来ちまう惨めな性根を治すココロの病院へなぁ!」

更に、風歌は『解説席』を向いて、声を貼る。

「おい、解説のあんちゃんよ! 観客への攻撃は禁止ってことだがまさかこれで反則負けになったりしねえよな! アタシは単に本当の事を言っただけだぜ!」

当然――答えなど待たずに、風歌は肩をすくめて叫ぶ

「あーそーだ、反則負けになっちまうかもな! ココにいる全員そろいも揃ってアタシ以下の『ゴミ』だって事実を突きつけちまったんだ、真実を超える暴力はねえからなぁ! てめぇらがゴミなのはしょうがねえからよぉ、せめて邪魔しないように黙っとけや!」

後は――自身の読みが正しいか――そして――『オーディエンス』の反応が期待通りの結果を生むかどうかである。

422 『マジナイの声』 :2021/03/08(月) 22:08:11
>>421(鈴音)
地べたから立ち上がり、『鈴音』は『イル・ニーニョ』を推察する。
己が駆けだした時に響いた『遠吠え』、繰り返される『行動』。
そして、黙したままの『タダヒト』は、『鈴音』が走らされる間、
己の意思とは無関係に『沈黙』を保っていた。

    ≪会場のボルテージは最高潮です!
      『鈴音』選手も立ち上がったぁ!≫

    ≪『イル・ニーニョ』の『呪術』は破られるのかぁ!?
      この闘い、これからが『本番』と言えるでしょう――――≫

推察の過程で『鈴音』は『イル・ニーニョ』の犬首に注目する。
先程まで消えていた『左』の犬首には、『口輪』がハメられている。

       ブォンブォンブォンブォンッ!!!

『鈴音』は『ダストデビル・ドライヴ』の拳を振り回す。
距離が離れている為、『ナビール』に命中するわけではない。
だが、その『手数』を前に、スタンドパワーに劣る『ナビール』は近付けない。

    スゥゥ

    「これちょっと借りますねぇ」

『ナビール』は距離を保ったまま、『ジッポライター』を拾い上げた。
そして、『鈴音』が口撃を加えるのは、『観客』に対してだ。

>「さっきからガタガタうるせぇんだよ! このクソボケ共が!」
>「黙って聞いてやってりゃくだらねぇ雑音撒き散らしやがって、うるっせぇんだよ、ゴミ共が!」

    「うるせー、相手は『ナビール』だろーがぁ!」

    「ダダこねてねぇで『ナビール』殴れやぁ!」

>「おい、解説のあんちゃんよ!
>観客への攻撃は禁止ってことだがまさかこれで反則負けになったりしねえよな! 

    「――――別に『反則』ではないが、
     選手の『攻撃』に集中した方がいいだろう」

それほど気にした様子もなく、『タダヒト』は回答した。
無論、『観客』にとって『鈴音』の罵倒は全く心に響いていない。

>てめぇらがゴミなのはしょうがねえからよぉ、せめて邪魔しないように黙っとけや!」

    「試合放棄かぁ!?  クソみてぇなおしゃべりしてんじゃねぇぞ!」

    「楽して金が欲しけりゃあ、『ビッグイシュー』でも配ってろやぁ!」

『鈴音』がどのような『期待』を以て、『観客』を罵倒したかは解らない。
だが、『観客』達は『鈴音』の罵倒に応え、

      ビュッ
                  カァンッ!

    「ナメてんじゃねぇぞ、こんなん『試合』じゃねぇよ!」

    「『タダヒト』ぉ! テメェー、とんでもねぇザコ連れてきたがったなぁ!」

    「『Vtuber』に、んほってる場合じゃねぇぞ!  落ちぶれたかクソがぁ!」

    「ソイツとエジプト人まとめて、コンテナ突っ込んで送り返せやぁ!」

          バサァ!
                     バンッ!

    ≪ああー、ついに『観客』の皆さんがプッツンしましたぁー!
      やめて! やめて、モノは投げないでください!  こ、こらぁ!≫

    ≪し、試合は続行です! お二人とも、頑張ってください!≫

    「おーう、それ本当?
     ここまで大荒れするなんて、『イル・ニーニョ』もビックリでーす」

会場中の『観客』から投げ付けられる、空き缶空き瓶新聞紙に文庫本。
怒りに任せて真っ二つに折れたフォークや、ポップコーンのバスケット。
『観客』達は手にしていた『ゴミ』の数々を、『鈴音』目掛けてぶん投げる。

『セカイ』は注意喚起しているが、ブチ切れた『観客』に通じる気配はない。
『タダヒト』は放り投げられた『空き缶』をキャッチし、呆れたように溜息を吐いた。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□回□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□回回□※□回□棘∴∴
∴棘□回回鈴※□□□□□□棘∴
∴棘□□回□.□回□回回□□棘∴
∴棘□ナ回□回□□回□□□棘∴
∴棘□回回□□□回回回□□棘∴
∴棘□回回回□回□□回□□棘∴
∴棘□回回□□□□回回□□棘∴
∴∴棘□回□□回□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

回……『ゴミ』。

423 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/08(月) 23:09:47
>>422
「ハッハー! 喚け喚けボケ共が! いい練習が出来たじゃねえか! アタシはこっから大勝ちで大穴狙い以外は泣き喚く羽目になっからよぉ!」

観客を煽り通しながら、風歌は目的の一つを達した事に内心でほくそ笑む。
一つは、無論『ゴミ』の投擲だ。観客と選手の距離が近く、興行としての側面を持つこの試合――観客も一種の参加者である。煽られればノる事で応えるだろうと踏んでいた。
……その形が『乱入』という形であることも覚悟したが、『電流』に突っ込んでくる間抜けは、流石にいなかったようである。

(問題は、もう一つ……)

果たして、この歓声で『スタンドの声』を掻き消せるか否か、である。
『口輪』は単純に考えれば、『今は声を出せない』と見るべきで、最大声量は減少しているだろうが――

(それで打つ手が消えた訳じゃねえだろう?)

手にしたライターがそうだ、あれで『何か』をするのだろう。
その、『何か』が向こうの突破口を開くのだろう。そして、それが何かを判断する材料は、今の風歌にはない。
ならば――どうするか。

「それじゃあ――おい、さっきの小銭の礼をさせてもらうぜぇ!」

攻めるしか無い。
風歌は。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□回□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□回回□※□回□棘∴∴
∴棘□回回鈴※□□□□□□棘∴
∴棘□□○□.□回□回回□□棘∴
∴棘□ナ○□回□□回□□□棘∴
∴棘□回回□□□回回回□□棘∴
∴棘□回回回□回□□回□□棘∴
∴棘□回回□□□□回回□□棘∴
∴∴棘□回□□回□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

回……『ゴミ』。

――○の位置に『一呼吸の突風』を巻き起こし。『渦』を発生させ『ゴミ』を『高さ2m』巻き上げ――ゴミが頂点に達した瞬間に、解除する!

「『恵みの雨』だ! たんと浴びろや!」

424 『マジナイの声』 :2021/03/10(水) 21:46:37
>>422(鈴音)
飛び交う罵声とヤジ、会場に投げ込まれるゴミの数々。
マトモなファイターであれば、心が折れてもおかしくない非道なる洗礼。

>「ハッハー! 喚け喚けボケ共が! 

しかし、その最中、『鈴音』はほくそ笑んだ。
『ダストデビル・ドライヴ』は両掌を翳し、

      ドヒュォォォォ――――z_____ッッ!!

    ≪鈴音選手、ヤジに負けじと『風』を巻き起こ――――≫

    「な、なんだあれ……?」

    「デカくねェか……?」

    ≪風、いいえ、そんな『規模』ではすみませんっ!
      な、なんだぁぁ〜〜〜〜〜っ!?  この『渦風』はぁ!?≫

『つむじ風』が『ゴミ』を巻き込み、『渦』を形成して滞留する。
眼前の光景に驚いた観客達がどよめき始め、ゴミを投げる手を止める。

    バキッ
                ボキャァッ

    「えっ?」

             「ぐ、ぁぁ―――――ッッ!!」

    「――――まずは『五人』。
     これ以上、『ゴミ』の投棄を続けるようであれば、
     次は『十人』の『指』を折る。……『静粛』に、な」

    「『タダヒト』の『スパイロ・ジャイラ』ッ!?」

    「ヤベェ、流石にキレてやがる――――」

最前列の『観客』の内、『五人』が手の指を折られ、曇った悲鳴を上げる。
これ以上、『ゴミ』の追加は見込めないようだ。

    ドバァァ!!

         バァンッ!    バチチチッ!!

そして、舞い上がった『ゴミ』は『渦風』の解除と共に四散し、
『金網』にぶつかり、『有刺鉄線』にぶつかる『スチール缶』が火花を散らせる。
そのほとんどは『ナビール』の身を守る『イル・ニーニョ』に命中するが、
その威力は『目くらまし』程度だ。――――『ゴミ』の質量が乏しいからだ。

    「なるほど、差し詰めて言うなら『ゴミ』の砂嵐……。
     驚きはしましたが、故郷に比べれば、なんてことありませーん」

    『ウオォォォォ――――ンンッ!!』

『渦風』の解除を待ち、『ナビール』は『鈴音』へと駆け出した。
『イル・ニーニョ』が『咆哮』を発し、『中央』の犬首が消える。

    「走ってんじゃあねぇーぞ、エジプト人!」

    「『ヒゲ』が濃いんだよ、剃れやぁ!」

脈絡のない『野次』を飛ばす観客達。
彼等の傍にもまた、先程より小さな『犬首』が宿っている。
『ナビール』は駆ける。『鈴音』は――――『動けない』。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□回□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□回回□※□回□棘∴∴
∴棘回回回鈴※□□□□□□棘∴
∴棘回□ナ□.□回□回回□□棘∴
∴棘回回□□回□□回□□□棘∴
∴棘回回回□□□回回回□□棘∴
∴棘□回回回□回□□回□□棘∴
∴棘□回回□□□□回回□□棘∴
∴∴棘□回□□回□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

425 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/10(水) 22:13:02
>>424
GMに質問です
動けないのは『本体』のみで『スタンド』を動かすことは可能と考えてよろしいでしょうか?

426 『マジナイの声』 :2021/03/10(水) 22:21:28
>>425(回答)
>動けないのは『本体』のみで
>『スタンド』を動かすことは可能と考えてよろしいでしょうか?

実際に『ダストデビル・ドライヴ』を動かしてみなければ解りません。

427 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/10(水) 22:56:48
返答ありがとうございます。返信になります

>>424

風歌鈴音は動けない――ゴミの雨も、功を奏したとは言えない状況だ。
また、先程の再演が如くに殴られるのか――分からないと、風歌は思う。

(さっきとは違うんだよ……!!)

口が動けばそう口にしたくなる程に、状況は『再演』ではなく、『再演』になろうとも確かめられる事はある。
状況の、違い――まず1つ、敵スタンドの『首の数』――先程『止められた』時は、揃っていたが、今は『減っている』
そして――ちらと見えた観客達に『犬の首が生えていた』

(首を生やす絶対条件は『声を浴びせること』なのはまず間違いねーだろうが、『衝動を止まらなくする』と『何もさせなくする』の条件は、また別の筈だ……)

残念な事にそれらの条件は解らない。だが、解った事は――ある。
先程、殴られている時、『スタンドの首は戻っていた』
そして――解説役はこう言った。
――『能力解除のタイミングを掛けられた側は把握できない』
把握は、可能だ。

(『能力を発動させている時は『首が無い』『解除している時は生えている』』……なら、今はスタンドも動かせねぇか?)

無論――試す。風歌はその意志力を振り絞ってスタンドを動かそうとする。『ダストデビル・ドライヴ』を起動させ――『一分間の持続渦』を真下に放って2mを浮いて時間を稼ぎ、『首』が戻り次第に『解除』して殴りに行く。。
――叶わずとも、良い。どうせ何も出来ないのだから、ひたすらに意識を根性で保つことだけに全てを注ぐ。向こうも長距離攻撃は出来ないのだから『拳の距離』にはとどまる。

(狙いは決めた……できるなら『浮く!』できねーなら、『待つ!』『動けねぇなら動けねぇで!どれだけボコられようと、向こうの首が揃った瞬間だけは見逃さねぇ!』)

――風歌は覚悟を決めた。

428 『マジナイの声』 :2021/03/12(金) 23:39:51
>>427(鈴音)
『能力解除のタイミングを掛けられた側は把握できない』。
『鈴音』はそう推察するが、解説の『タダヒト』の言葉はやや異なる。

┌─────────────────────────────────
│「私が喋り出した時点で、既にスタンドは動けたようだが、
│ ――――その『解除』が体感できない。『イル・ニーニョ』の恐ろしい点だ」
└─────────────────────────────────

『体感』。即ち、『イル・ニーニョ』の目視によって『タイミング』を測ることは可能だ。
そして、>>415で『強制力』が働いている時と同様、『ダストデビル・ドライヴ』で、
『風』を発生させることは可能だ。

      ブシュォォォ―――――ッッ!!

    ≪『鈴音』選手、『風』を利用し――――≫

        ブワァァァァァ!!

    ≪跳んだぁぁ!!!  身体が動けなくとも、
      風に身を任せ、『木の葉』のように宙を飛んだぁ!!≫

『ダストデビル・ドライヴ』の起こした『上昇気流』に乗って、
『鈴音』はその身を上空へと飛ばす。

     バスッ!

    「跳ばれてるじゃねぇーか、『ナビール』!」

    「マジメにやれやぁ!」

『イル・ニーニョ』の拳を飛び越え、『鈴音』は上空からアリーナを見下ろした。
『観客席』には犬首の付いた観客が、相変わらず脈絡のない野次を飛ばしている。

    「野次ればいいってもんじゃねぇだろ!」

    「プライドねぇのか!?」

    「―――――いや、コイツらも……まさか!」

空気を読まない『野次』を諫める観客達の中には、
この『野次』が『イル・ニーニョ』の影響だと気付く者が現れる。
そして、『観客』に付いた『犬首』が解除される。――――『イル・ニーニョ』の首も戻る。
一度目の『強制力』よりも、『解除』が速い。

    ≪ここで『イル・ニーニョ』の力が消えましたっ!
      先程より『速い』ように感じられますが――――≫

    「……なるほど。『有刺鉄線』は『攻撃力』の増加の他に、
     『イル・ニーニョ』の『弱点』を保護する役割もあったということか」

    「おーう、タネがバレたらしょーがありませんねぇ」

    「『イル・ニーニョ』は『犬』になぞらえた『スタンド』の力。
     私はずっと、『観光客』のドキドキを、飯のタネにしてきまーした」

    「『ピラミッド』、『スフィンクス』、『ナイル川』に屋台に水タバコ、
     みんなみんな、終わった歴史や、雑なアジアン文化に目の色を変える」

    「そんなものは何の得にもならないというのに、
     ……『エサ』を貰えると勘違いした『犬』みたいに、目の色を変える」

二つの『口輪』を付けた『イル・ニーニョ』の傍、『ナビール』は皮肉気に笑った。
その言葉を肯定するように、『イル・ニーニョ』は再び、雄叫びを上げる。

    『オオオオオォォォォォ――――ンンン!!』

       ドヒュヒュヒュヒュヒュッ!!

空中にいる『鈴音』に対し、『イル・ニーニョ』が雑なラッシュを放つ。
風に舞って『上空』にいる以上、まだ『鈴音』に『命中』することはない。


∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□回□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□回回□※□回□棘∴∴
∴棘回回鈴風※□□□□□□棘∴
∴棘回□ナ□.□回□回回□□棘∴
∴棘回回□□回□□回□□□棘∴
∴棘回回回□□□回回回□□棘∴
∴棘□回回回□回□□回□□棘∴
∴棘□回回□□□□回回□□棘∴
∴∴棘□回□□回□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

         鈴音
        〇―<
         |
    〇
    ノ ̄
   /\ナビール (高低差は『2m』)

429 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/13(土) 00:29:16
>>428
とりあえず、『現状』は凌げている――少なくとも、後一分は。
問題は、『その後』であり、また、『それまで』何をするべきかだ。

(少なくとも、今『スタンド』は動かせる……)

そうでなければ、風歌は先の再演の如くに棒立ちになってしまえもせぬスタンドを甚振られていただろう。少なくとも、『出して』『動かせる』。

(そうでなきゃ、何もせずに浮いていて『ジ・エンド』だよな。『今』アタシの動きを封じられたら受け身も取れずに『2m』落ちて、アウトだ。『落ちる』なら、せめて足から落ちてぇもんだが……)

その為にやれるだけは藻掻くと決めつつ、風歌は次の手を模索する。

(今、動かせる以上は『待ち』の意味はねぇ。つーか、馬鹿したな……逃げた癖して追い込まれたのは『アタシ』だ。今、動きを封じられたらアタシは着地にスタンドを使わなきゃならねーし、そうなったらアタシを抱えた『ダストデビル・ドライヴ』に野郎はかましてくるだろう)

それで――ならば、どうするか。

(スタンドの射程は『5m』この距離なら問題なく『動かせる』――そして、どう動かすか)

無論、攻撃だ。
だが、『ダストデビル・ドライヴ』のパワーではどうやっても『必殺』は望めない。

(ダメージの重ね合い……アタシが次に『落ちる』事を考えると、アタシは下手したらココで『終わる』ここいらでデカイのを叩き込むか、キメるぐらいの一発をかまさねぇと、勝てねえな)

『ダストデビル・ドライヴ』で為し得る「最大火力」とはなんだろうか。
ラッシュである、全速全霊の連打――人を越えた速度で放たれる人並みの拳の嵐は、下回る相手を容易く叩きのめすだろう。
だが、今、この状況では足りない、『人並み』は電流まで『殴り飛ばせない』。『根性を決めて耐え抜く』は、自分だけの特権ではない。向こうも当然、攻撃を『覚悟』しているだろうし再発動に時間が掛かるにしても、逆に言えばそれまでに仕留められなければ意味がない。
それこそ、伏せて身を竦められては『ダストデビル・ドライヴ』の暴力では仕留めきれないし、殴られてながら『叫ぶ』ことが出来ないというのは甘い考えだろう。
そして、『次』は恐らく無い。
ならば。

(一撃、必殺)

それに類する威力を、『次』の局面を生み出せるダメージを風歌は叩き込まなければならない――そうしなければ、負ける。
突風では足りぬ、ゴミの散弾では足りぬ、拳の乱打では間に合わぬ――さぁ、どうするか?
風歌には、一つの思索があった。

(耳)

『思い切り鼓膜を突き破って三半規管をぶっ壊す 』――鼓膜の時点でまず『無事』ではすまないだろうし、三半規管をイカレさせれば立ち歩きも危うかろう。
無論、『全速のビンタを耳に叩き込む』という真似はしない。それでは『運』が悪ければ鼓膜が無事で終わるビンタで終わってしまう。
偶然に頼るやり方では、勝てない。『絶対に鼓膜を破って奥にダメージを送る攻撃』でなくては。
風歌には、それが可能だ。

(まず、手の孔のサイズを『最小(10円玉)』にして……野郎のラッシュを止めるか鈍らせる為に腹パン一発。それで、確か、挟み込む一発は『合掌撃ち』か……それで野郎の頭を『手の孔が耳の穴に当たるように』挟み込む。それで『最大』の突風を『両耳の奥』に流し込む)

突風の威力(パス:CB)を耳に流し込む――いや、『刺し込め』ば、確実に鼓膜は潰せて奥にも届くだろう。『頭蓋をぶち抜く』威力はないので、命には関わるまい。
手の穴と耳の穴が合うように挟み込めるかどうかは、『ダストデビル・ドライヴ』の精密さ(精:B)ならば問題あるまい――今のダメージを考えれば精密さの維持は賭けだが、賭けなければならない状態だ。

「キャンキャン下から吠えるんじゃねーよ!」

風歌は、『ダストデビル・ドライヴ』を出現させ――まず、『イル・ニーニョ』の腹部に打撃を撃ち込み、『ラッシュ』を止めるか鈍らせる。
そのどちらかが起きたなら――起きずとも。
『両耳に手の孔が重なる様に合掌撃ちを放ち、挟み込んだ瞬間に最大の突風を耳に刺し込む』(パス精:CBB)――賭けに出た!

「そんなにうるせぇのが好きなら――静寂の有り難みを恵んでやらァ!」

430 『マジナイの声』 :2021/03/13(土) 21:18:08
>>429(鈴音)
>風歌は、『ダストデビル・ドライヴ』を出現させ
>――まず、『イル・ニーニョ』の腹部に打撃を撃ち込み、『ラッシュ』を止めるか鈍らせる。

『ダストデビル・ドライヴ』は既に『発現』している。
空中で移動する『機能』を『ダストデビル・ドライヴ』が持たない為、
『ダストデビル・ドライヴ』を『イル・ニーニョ』の傍に移動させるには、
『渦風』を解除し、『鈴音』と共に地上へと降りるしかない。

(※解除時、再発現は『鈴音』の傍に現れる。)

    ≪上空から睨む『鈴音』選手、落下を待ち構える『ナビール』選手。
      両者睨み合いのまま、吹き荒れる『風』だけが事態を待ちますっ!≫

『遠吠え』が鳴り止んだ後、『イル・ニーニョ』はラッシュを終える。
『鈴音』の推察通りならば、『遠吠え』が再び響いた時、
『鈴音』も『ダストデビル・ドライヴ』も、その動きは再び止まる――――

431 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/13(土) 22:18:00
>>430

(つまるところ、『打つ手』は付きた)

風歌は淡々と自らの判断ミスを受け入れた。風歌の推測が当たっていれば、そも『動けない』しスタンドも『動かせなく』なっている。
今の自分は『まな板の鯉』であり、落ちたが最後、トドメを刺される身である。
それでも、耐えきろうとはするだろうが――期待は出来ない。

(後、『出来る』事は――捨てることか)

……風歌には、風歌にしか理解できない、本当に無意味なプライドを示す事を決めた。

(自分で、渦を解く)

渦の限度は一分間であるが『その間』に渦を解けない訳ではない。
そして、風歌のゴミたる矜持の根幹は、自らで『選んだ』事にある。
どれほどに最悪の道であろうとも、『選んで落ちる』――かつてがそうであるのなら、今もそう出来る。
かつてとは違い、『試せるだけは』試した上で、落ちる。

(……何もせずには、墜ちねぇぞ)

『渦を消した』瞬間、『傍に在る』。『ダストデビル・ドライヴ』の突風で『風歌自身』を『敵スタンドョ』及び『敵本体に』『最大風速(パス:CB)、最長射程(5m)』で狙って(精:B)『撃ち込む』
『それが出来たのならば、今、スタンドを動かせる証明になる』
後は、ぶん殴られながらだろうと『ダストデビル・ドライヴ』を追従させ。

(――『ありったけに野郎とスタンドをぶん殴る、殴り続ける』(パス精:CBB)。)

耳を狙いに行く間すら、もはや『無い』
上手く行けば良し――それで、ダメなら。

(堕ちるだけさ、昔みたいに。自分から――だがなぁ!)

自分で自分を放り捨てる『自殺』はしない。サイコロの様に『投げる』のだ。
そして、『地べた』に堕ちるではない、『流れ星』の様に飛んで行くのだ

(畜生め、楽しくなってきやがった!)

絶体絶命の、ヤケにも似た策の中で、風歌は歓喜を覚えた。
自分をゴミと思いながらも、その自分を『意味ある賭け』に擲つことが出来る状況――勝とうが負けようが、極上のスリル!
『笑えたのなら』、風歌は笑い――『渦を消す』
そして『ダストデビル・ドライヴ』を動かせたならば――『己自身』を打ち出し――即座にダストデビル・ドライヴを追従させた。

432 『マジナイの声』 :2021/03/13(土) 23:02:10
>>431(鈴音)
『鈴音』は『渦風』を解除し、床へと自由落下する。
否、『ダストデビル・ドライヴ』の『風』をその身に噴出させ、

     ドヒュォォォォ!!!

    ≪ああっ! 『鈴音』選手、自らを吹っ飛ばしたぁ!≫

『鈴音』は自らを風に乗せ、『ナビール』目掛けて『体当たり』を敢行する。
『ナビール』は『イル・ニーニョ』を構えさせ、

    「マズい……『吹っ飛んだ』のであれば」

    「『条件反射』では、制御できな――――」

     ゴッ!

『鈴音』の身を挺した体当たりが、『ナビール』の懐に命中した。
『ナビール』は『イル・ニーニョ』の両拳を打ち、『鈴音』を引き剥がそうとする。

    「やりやがった!  ありゃあ、一か八かじゃあねぇーか!」

    「『有刺鉄線』が傍にあるのに、
     捨て身のタックルなんて予想できるわけねぇー!」

    「こうなったら、どっちが立ち上がるまでだっつーの!」


決死の一撃に『観客』達も盛り上がりを隠せない。

      ドガッ
                ゴロロロッ!!

互いが地面に縺れ込む中、『ダストデビル・ドライヴ』が両掌を翳す。
風の出力を窄め、『イヤーカップ』による『鼓膜』の打撃を狙う。

      ジッ!

『鈴音』の喉元から『激痛』が走る。
『ナビール』が拾い上げた『ジッポライター』が点火し、
『鈴音』の喉を焼いている。『引火』はしないが、『火傷』の激痛は相当だ。

    「大した『ハングリー精神』ですね。
     日本にも、こーいうファイターがいるとは、
     私も全然知りませんでした……。素晴らしいでーす」

    「『鈴』を鳴らせば涎を垂らす。
     まるで『パブロフの犬』のような、観光客達――――」

    「まさか、パスポートも持ってなさそうな『むすめっこ』に、
     こうまでしてやられるとは、思いませんでしたぁー」

『ナビール』は滔々と語りながら、『イル・ニーニョ』の口が開く。

433 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/13(土) 23:36:26
>>432

喉を焼かれる――激痛である。痛い、熱い。
だが――それでも尚、痛みに苦しみながら風歌は笑みを作った。

「そっちの国じゃ知らねぇがよぉ……日本の冬場のホームレスは、『焚き火』で暖を取ってんだよ!」

常人なれば『不慣れ』な痛みであるが、ホームレスである風歌にとって『火に炙られる』は茶飯事の一つ。野外生活での冬の生存に置いて、着火と風に煽られての火傷は茶飯事。
だから、反射的に飛び退く事もなく――

「ホッカイロ買う小銭もねぇとき火に当たるどころか『炙られながら』手ぇかじかませて死に損なってたアタシが、大金かかった勝負で――ライターのちょろ火如きに怯むかぁ!!!」

吠えながら、『吠えられる前に仕留めんと』――『ダストデビル・ドライヴ』で『本体の耳の中に風を流し込む!』(パス精:CBB)
そして、その結果が『どう』出ようと――

全力で(パ:C)
全速で(ス:B)
本体の顔面狙って(ス:B)

『スタンドの両手で抑えた敵本体の頭に』頭突き一発かました後で――拳のラッシュを叩き込む!

434 『マジナイの声』 :2021/03/14(日) 22:47:52
>>433(鈴音)

      ジュォォォォ―――――

『鈴音』は喉を焼かれながらも、絶好の機会を逃さない。
追い付いた『ダストデビル・ドライヴ』の両掌が平手打ちを振るい、
それは『ナビール』の両耳を覆い、

        パァンッ!

     ≪は、入ったぁぁぁ〜〜〜〜〜っっ!!≫

     ≪『イル・ニーニョ』の遠吠えが飛ぶ間もなく――――≫

     ≪『ナビール』選手の鼓膜が、吹っ飛ばされたぁぁぁ!!!≫

    グラァ...

『ナビール』の両目に宿る焦点が揺らぐ。
三半規管が狂わされ、その追い討ちを掛けるように、

       ゴガッ!

『ダストデビル・ドライヴ』の頭突きが突き刺さる。
『ナビール』の後頭部が床上に打ち付けられ、
その頭部が跳ね返る間もなく、

      ズドドドドドドドド――――――

     「決まったぜェェ!!  拳のラッシュッ!」

     「『ナビール』も抵抗できねぇ〜〜〜ッッ!!」

『ダストデビル・ドライヴ』のラッシュが『イル・ニーニョ』に突き刺さる。
その拳が止まり、――――突如現れたスタンドヴィジョンに掴まれている。

     「そこまで。――――素晴らしい闘いだった。
      『ステージギミック』を用意できなかった時は、
      一見して『不利』だと思ったが……」

     「まさか、あのような形で用意するとはな。
      観客の『民度』が有利に作用した、いや……」

     「そこまで見抜いた上で行ったか……」

解説席の『タダヒト』が試合の終了を告げる。
その言葉通り、『ダストデビル・ドライヴ』の両手首を掴んでいるのは、
彼のスタンドなのだろう。

     ≪『タダ』ちゃんのストップが掛かりましたぁ!
       不可解な『呪術』にも負けず、最後まで闘い抜き、
       己の策略で『勝利』を得たのはぁぁぁ〜〜〜〜〜っっ!!≫

     ≪『鈴音』選手!  『スズ』ちゃん、お疲れ様ぁぁ!!
       『有刺鉄線』の電流デスマッチ! 容赦ない『呪術』!
       だで、最初はどーなるかハラハラしたけど――――≫

     ≪空中からの体当たり! イヤーカップの一撃ッ!
       最後の最後、『イル・ニーニョ』の届かない攻撃が、
       ズバズバッ! と、次々に命中しましたぁぁ〜〜〜ッッ≫

     ウォォォォ―――――!!

『イル・ニーニョ』の遠吠えにも勝る、会場中に響き渡る『歓声』。
『セカイ』の実況が試合を総括し、闘いの終わりを告げる――――

435 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/14(日) 23:10:19
>>434
勝った――その事実を、風歌は直ぐには受け止められなかった。
全てを賭した最後の最後の大博打……功を奏した。
そして、風歌の意識は在り、敵はブッ倒れている。

「はっ、ははは……」

喉も痛い、体も痛い。それでも、風歌はどうにかなった。
勝った、『勝った』
ならば――『すべき事、がある』。それは、『スタンドに抑えられていては』できない事だ。
『本体』だけでも出来るかも知れないが、可能ならば『スタンド』と共にやりたい事だ。
――手を、掲げる。一回、やってみたかったことだ。

「おい、アタシの勝ちは解ったよ。アタシのスタンドを、解いてくれねぇか?」

それとも――と、風歌は前置いて、自分を抑えているだろう『解説役』を見た。

「アンタに『挙げてもらう』必要は、ねぇからよ」

436 『マジナイの声』 :2021/03/15(月) 22:41:47
>>435(鈴音)
>「おい、アタシの勝ちは解ったよ。アタシのスタンドを、解いてくれねぇか?」

    スゥ

『スパイロ・ジャイラ』は『ダストデビル・ドライヴ』の両腕を離し、
それによって、『鈴音』は自由の身となる。

    オオオオォォォォ―――――

飛び交う『野次』は歓声に変わり、『鈴音』を取り囲んでいく。
『ナビール』は倒れ伏したまま動かない。立つのは『鈴音』だけだ。

    ≪さぁ! 『スズ』ちゃん!≫

    ≪最っ高の笑顔で、この闘いに幕を下ろしてくださぁい!≫

スクリーンに映る『セカイ』が長い袖口を振り回しながら、
キンキンの電子ボイスを響かせて、勝者である『鈴音』を称える。

437 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/15(月) 22:49:11
>>436
「ありがとうよ――さて」

風歌は、『ダストデビル・ドライヴ』で『真下』に渦生成――『2m』、上昇。
観客席のどこからでも見える、目立つ場所に、昇る。
そして、『ダストデビル・ドライヴ』と共に――右手を掲げ。

「五分以下の、ゴミの魂――とくと見たか!! アタシの勝ちだ!」

痛む喉をこらえながら、風歌はリクエスト通りのありったけの笑顔で――おもいっきり、勝利を吠えた。

438 『マジナイの声』 :2021/03/20(土) 00:34:01
>>437(鈴音)

      ドヒュォォォ――――

起こした『渦風』に己の身を飛ばし、
『鈴音』は観客達と同じ目線へと昇り、勝利を宣言した。

    ウォォォォォ―――――

    ≪『スズ』ちゃん、ありがとぉー!≫

    「テメェの魂、見せてもらったっつーの!」

    「久々にうめぇ酒が飲めたぜ!」

観客達も惜しみないエールを送る。
『タダヒト』は倒れ伏した『ナビール』を見下ろし、言葉を紡ぐ。

    「『ナビール』選手も、『罠』の張り方は見事だった。
     恐らく、『もう一手』あったようにも見えるが……」

    「最後の一撃が『不幸』を呼んだ、そう思えてならないな」

    ウォォォォォ―――――

風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 → 『腹部への打撲』、『全治一週間』、『三十万円獲得』。

ナビール『イル・ニーニョ』 → この後、しばらくしてエジプトに帰国。

『マジナイの声』 → 『終了』

439 『マジナイの声』 :2021/03/20(土) 00:43:10

三つの『犬首』を持つ人型のスタンド。
それぞれの『犬首』は異なる『吠え声』を発する。

『パブロフの犬』の能力。
『吠え声』を耳にした時に行った『行動』が焼き付き、
もう一度同じ『吠え声』を聞いた時、その行動を『繰り返す』。
能力の対象となる間、その肩には『犬首』が憑依する。

初回の『吠え声』にはある程度の『指向性』が存在しており、
核となる対象から『半径10m』の範囲の者もまた、能力の対象となる。
そして、能力の対象となる者が多ければ多い程、
『犬首』は小さくなり、能力の持続力もまた短くなっていく。

よって、『観客』の存在は『イル・ニーニョ』にとって邪魔な存在だった為、
『ナビール』は『観客』の傍に寄られないよう、『有刺鉄線』を手配していた。

『聴覚』を共有、若しくは独立した『聴覚』を持つ場合、『スタンド』も対象となる。
本体も『対象』となり、『条件反射』の『強制力』を利用した『攻撃』も存在したが、
両耳の鼓膜を破壊され、その力を発揮することは敵わなかった。

『イル・ニーニョ』
破壊力:C スピード:C 射程距離:E(能力射程:C)
持続力:D 精密動作性:D 成長性:D

440 『最悪の相性』 :2021/04/14(水) 22:07:20

    「それで、次の『対戦相手』は決まったのかよ?」

『ラクアクア』のカウンターに両足を乗せ、背凭れに身を仰け反らせた少年。
『吉田』はマグカップを手にしたまま、冷や汗を浮かべていた。

    「『東雲』と『太田垣』、俺の活躍中に『入院』とか、残念だったなぁ。
     ――――いいや、向こうさんはホッとしてるかもなぁ」

    「この前の『ナビール』は、ソッコー死んでたけどさぁ」

    「――――『吉田』さん。アンタ、やる気あるのかよ?」

ズケズケとモノを言う『少年』を前に、『吉田』は静かに『マグカップ』を置いた。
コーヒーに波紋が立つ。手の震えを示している。

    「いいんだぜ。あの『タダヒト』ってのを呼んでも」

    「外人で回りを囲って、『Aランク』に挑ませないようにしてるんだろ?」

    「便利なシステムだよなぁぁ〜〜〜〜ッッ
     『格』ってやつを守るのには、サイコーじゃぁん!」

『吉田』は、この『少年』を恐れている。
勝つためにはなんでもやる。――――その一点のみに畏敬を持っていた。

    「まあ、いいんだけどさぁ。アンタに1mm足りとて『期待』していない」

    「今日は『対戦相手』をアンタに紹介しにきたってわけだ」

    「『夢』の中でお願いしたんだよ。――――あっ、ロマンチックな話じゃないぜ」

    「『需要』と『供給』がマッチする。
     ――――俺が『Bランク』に格上げするために」

『アリーナ』において、『八百長』の疑いがある以上、
『対戦相手』が『対戦相手』を連れて来ることは認められない。
それを解っている。解った上で、この話を持ち掛けている。

    「アンタらも知っているんだろ。『仲介人』の『曳舟』。
     俺が『Bランク』に挑む為に、わざわざ『噛ませ犬』を用意したってわけだ」

    「『需要』は俺。『供給』はソイツ」

    「――――いいでしょう。『曳舟』さんの名前を出されては、
     私も、決して無下にすることはできませんから」

『吉田』は頷いた。この少年に試合をさせたくなかったわけがある。
だが、『曳舟』の仲介を袖には出来ない。彼は『吉田』の命を救った恩がある。

    「それに、貴方は『アナーキー・イン・ザ・UK』をナメている……」

    「『運命』は決して、都合よく傾くものじゃあないんです」

    「だからどーした。俺ならそれが出来るってことじゃあねぇの?」

    「くだらねぇー説教してねぇで、さっさとセッティングだよ」

    ドンッ!   ドンッ!

踵が二度、カウンターに打ち付けられる。
『吉田』は立ち上がる。飲みかけのコーヒーを置いて、電話を掛ける。

    「(くだらねぇー、どうせ前半はヤジぶっこんで、後半で大団円だろ?
      『〇〇君強かった!』  『××君頑張った!』ってか――――)」

    「(10-0でぶっ殺してやるよ。二度と、スタンドも出せねぇくらいに)」

その『対戦相手』は、果たして――――



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