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【ミ】『撃的』

574『その拳はデルタを描く』:2021/05/25(火) 00:34:01
>>573(東雲)
>「ありがとうございます。
>わしらが躊躇なく全力で闘えるんは、吉田さん達のおかげですけぇ」

     「いやいや、お礼を言うのは、私の方ですよ」

     「貴方達が全力で闘うからこそ、
      私達も、全力でサポートできるんです」

『吉田』は口元を綻ばせ、年甲斐のない喜色を浮かべる。
根や葉がなければ花は咲かない。彼等のような『裏方』あって、
『アリーナ』は成り立っているのだろう。

――――そして、『タダヒト』という男。
『死』を眼前にしての異様なまでの冷静さ。
結果的に『氷山』の奮闘によって『明智』は生還したものの、
一連の試合に『作為』を感じるのは、『東雲』だけではなかった。

そう、この場に現れた三人はいずれも、
『観客席』で『タダヒト』に反旗を翻そうとした者。
いずれも『闘志』を秘めたファイター達だ。

>「繁盛しとりますなぁ、吉田サン」

    「……ええ。嬉しいですよ。
     唯、試合は『一対一』ですので、
     他のお二人は譲ってもらうか――――」

    「つれないなぁ、『吉田』はん。
     地元背負って、ここまで来たんやぁ。
     土産の一つくらい、用意したってええやないかぁ」

    「『東雲』君言うたなぁ? 『観客席』はワイもおったでぇ。
     アンタも解るやろ? あのアツーイ試合を見てもうたらなぁ、
     男の拳が疼くんやぁ! それに、西の男は気が短いねん!」

    「ああ、いや。『マサ』さん。
     ちょっと、同時に来るのは想定してなくて――――」

『マサ』と呼ばれた『関西弁』の男は、
『吉田』の両肩を馴れ馴れしく揉み始める。
軽妙な言葉尻の所々に、土地柄の『粗暴さ』が滲み出ている。

    「下手な芝居は『劇場』に置いてきたらどうだ?
     ――――『ザイオン・トレイン』の『東雲』。
     かのデビュー戦、対戦相手にケチが付いたのが惜しかったな」

    「俺も、お前と同じく『肉弾戦』を得意とするスタンド使い。
     『Tボーンズ』の『湯河原』だ。相手にとって不足はない」

     ゴキキッ
              グググググ――――

『湯河原』は頭が辛うじて入る『小窓』から身体を押し込み、
その身から奇怪な音を立てながら、『ラクアクア』へと忍び込む。

    「勝手に話を進めるんじゃねぇっつうの!」

    「ヤジの為なら『ドーム』から『巌流島』まで馳せ飛んだッ!
     ぶっ放したヤジが、そろそろ俺に戻ってきたくて仕方ねぇらしい!」

    「『オープン・ハンド』の『菅谷』だぜェ。
     このデカい掌、『勝利』を掴みに来たんだっつうの!」

       バァンッ!

勝手口の扉を叩くのは、『菅谷』の掌だ。
三者いずれも闘志は十分。その視線が『東雲』を射抜く。

          「 「 「 さあ、誰にする!? 」 」 」

    「あ、その、試合を決めるのは、我々で……」

         じぃぃぃぃ...

    「い、いえ、『東雲』さんの意向で、はい……」


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