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【ミ】『撃的』
448
:
『最悪の相性』
:2021/04/22(木) 22:17:51
>>447
(氷山)
少年を背にし、『氷山』はスクールバスに乗り込んだ。
その去り際に『約束』を告げて。
> 駅前の『こぜにくろう像前(カップルの待ち合わせ場所として有名)』で待っていてください
> それならあなたに『付き合って』あげてもいいですよ」
「ウソ……だろ……?」
ポンッ
オラついた『宝木』の威勢がピタリと鳴り止み、わなわなと震える。
思案顔を作っていた少年が、同情するかのように肩に手を置いた。
「地を這うアリンコにとっては、
プランターの花も『高嶺の華』ってことだな」
「『ラギちゃん』! 深く息を吸え!」
「まだ間に合う、まだ間に合うって!」
何を騒いでいるか『氷山』には検討も付かないが、
何はともあれ、スクールバスは定刻通りに発進する。
付近のバス停に留まる市営バスの発進は、確か『20分後』だ。
『氷山』は一度、スクールバスを逃した後、時間を潰して市営バスを待った記憶がある。
わざわざタクシーでも呼ばない限り、少年が『氷山』に追い付く手段はないだろう。
ブロロロロロロォォォ〜〜〜〜〜〜ッッ
・
・
・
駅前の『バス停』から『映画館』まで、すぐ近くだった。
鑑賞券を手にした『氷山』は、指定された座席へと腰掛ける。
『映画泥棒』のCMや鑑賞マナーを喚起する動画が流れ、
もうすぐにでも『本編』が始まろうとするところだ。
・
・
・
一言で言えば『超大作映画』だった。
役者の演技は鋭く、観客の感情を揺り動かして止まない。
ディティールに凝った小道具の数々、脚本の筆力は運命を描いたように、
史実の壮大さとキャラクターの心情を絡ませ、見事なラストシーンを演出する。
この映画を見てどう思うかは『氷山』の心情次第ではあるが、
席から立ち上がる観客達は、いずれも満足そうに吐息を漏らしていた。
「あのタイミングで『坂本龍馬』とバッティングしなくね?」
「史実じゃあ、十年は先の話なんじゃあねぇーの?」
一人一人、観客達が座席から去っていく。
エンドロールも終わり、既に『映画』の役目は終わったはずだ。
「デカい事件に絡ませたかったから、整合性は無視したんだろうけど」
「気付いちまうと、こーいうのは興醒めするんだよな」
ズゾゾゾゾゾゾ ・ ・ ・
『氷山』の背後の座席から、聞き覚えのある声がする。
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