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【ミ】『撃的』

340東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2016/04/08(金) 23:10:01
>>337>>338>>339

「ちぃっ、つなぎ目を折りゃあいけるかと思ったんじゃがなぁ」「ぶち硬ぇのぉ」

思ったよりも頑丈だった。
さて、流石にベニヤ板をコーティングするだけでは心許ないが他には何かないだろうか。
そう思っていた所に、『春夏秋』から声がかけられる。

「春夏秋サン、その提案はありがたいですが・・・わしがそいつをもらったら
 あんたは動き辛くなってしまうんじゃないでしょうか」

他に台車があれば良いが、近くにはなさそうだ。
どちらにしろ、片足を負傷した春夏秋は森田へと接近するのは難しいのかもしれないが。
とにかく、春夏秋にこちらに来てもらえると助かるのは事実。
『メメント・モリ』の能力で、『ザイオン・トレイン』を強化できると先ほど彼は口にしたのだから。

トラックの影から頭を出し、『森田』の様子を伺う。今は弾込め中だろうか?
この行動には、接近する春夏秋や、その背後にいる太田垣や慧観より、こちらに狙いを定めさせる意図もある。
そのために、森田に隙があればベルトから奪った『警棒』を取り出し、『噴塩化』をさせながら投げつける。
それなりの重さがあれば、ある程度はこの膂力で遠くまで飛ばせるだろう。
万が一狙いが甘く頭上を越えても、能力射程ギリギリだが、
常に塩を噴き続ける警棒は、多少は視界の妨げとなってくれることを期待する。

341太田垣良『ザ・サードマン』:2016/04/08(金) 23:30:41
>>338
「 ニィ 」
「成る程、やりましょ」

いい提案だと思った。
…まさか『仏像』の怪力が頼もしくなる日が来るとは。

 「じゃあ、自分は『ベニヤ』の確保をやってくるんで」
 「作業台についてはお願いッス」

『格納』解除、床から脱出しよう。
自分は北に転がり、資材が積まれている場所に行きたい。
慧観には、『作業台』を持ち上げセッティングする作業をやってもらおう。


もし資材置き場に到着できたら、
まず板を3枚取り出し、2枚は床に寝かせたい。

342『迫真 -Reality- 』:2016/04/09(土) 00:31:25
>>339(冬樹)

        ゾゾゾゾ...

合流した『東雲』の左手に触れ、『麦角』に変える。
末端部である『五指』は鋭く尖り、H.G.ヴェルズの『猿の手』を連想させる。

>「こいつは、さっき『エミカ』を無力化したものと同じ『牙』……
>奴の顔に、どんな小さな傷でもいいから付けてやれば、そいつで『決着』だ」

そして、『牙』に秘められた『呪い』について囁いた。

>>340(東雲)
他の『台車』は破壊されてしまっている。
何か別の『移動手段』がない限り、『冬樹』は接近出来ないだろう。
……それは、『東雲』も同様かも知れない。
彼の武装は『銃』だけではない。『ダーティー・プロジェクターズ』もまた、大きな障害だ。

       スゥゥ

カーウィンドウ越しに『森田』の様子を伺う。
ちょうど、『森田』はリロードを終え、再び『サブマシンガン』を向ける。
それを見計らい、塔より見下ろす『森田』目掛け、『警棒』を投擲する。

              ズガガッッ  キュキュンッ!!

『銃撃』によって弾き飛ばされるが、『弾除け』には十分な効果を発揮した。
どの道、この距離では命中は期待出来なかっただろう。

>>341(太田垣)

         ダッ

ボロボロの足を引きずり、『板』を取り出そうとする。
機動力を大きく欠いた今、『移動』自体が大きく時間を割く。
――――『10分』という時間は、決して長くはないのだ。

『太田垣』の視界の端で投擲された『警棒』が銃撃によってバラバラにされた。
――――これが『ベニヤ板』であれば、果たしてどうなっているだろうか。

      ≪有象無象がッ テメェらが『混戦』で何が出来る?≫

                 ダダッ

『慧観』はボロボロになりながら、『作業台』へと身体を引きずる。
右手を『森田』へ掲げながら、だ。何か『仏具』による『防御』があるのだろう。

343春夏秋 冬樹『メメント・モリ』:2016/04/09(土) 18:53:37
>>342
「移動の策は……あっちの兄ちゃんが立ててるんだろ?
どっちみち、この足じゃああっしは大して役には立たないし、
この台車を持って、向こうに行って作業を手伝って欲しいねえ。
あの兄ちゃんは『足』をやられてる。時間を取られるのは、
あっしらにとって望ましい展開じゃないだろう」
「アンタの『鎧』と台車の『盾』なら、ちょっとやそっとの『銃撃』には耐えられるはずさ。
もし重荷でなければ、台車ごとあっしも運んで欲しいけど、
キツそうなら置いてっとくれ、この位置ならトラックや柱……『遮蔽物』は豊富にあるからねえ」

 そう『東雲』に伝える。『纏うタイプ』である彼が、
恐らく『作業』には最も適しているはずだ。

 東雲に台車を渡せ、彼が作業台に向かうようなら、
トラックの陰か地図上左手の柱、近い方の『遮蔽物』に身を隠す。
『牙』は、渡した。春夏秋の仕事は、その牙が届く瞬間まで
『死なずにいる』ことだ。そうしなければ『麦角』は『消える』のだから。

 もちろん、東雲に違う考えがある可能性もある。
その場合は、基本的に彼の方針に従うつもりだ。
こちらは足をやられている……敵に近付いて叩く必要のある現状では、
戦力として重要とは言い難い。唯一、万全に機動力を使える東雲を
極力『サポート』する必要があるはずだ。

344太田垣良『ザ・サードマン』:2016/04/09(土) 19:35:20
>>342
「………」
ううむ…『ダミーの作成』は…時間が余ったらでいいな

「『本命』から行こう」


「東雲君!名前わかんないホームレスの人!尾藤のおじ!
 森田ん所に『ぶッ飛びたい』奴はこっちきて『屈む』ッスよ
 この場で作戦の相談と準備、同時にやるッ」

「ホームレスの人はアレだったら台車に乗ってくるッス」


スタンドと自分の声両方で呼びかける。
『サードマン』で、ベニヤ板を床に落としながら。

仲間が集まったら、3.3m×3.3m、格納どんでん返しの設置。
『ベニヤ板複数(せめて3枚以上地面)』『住職以外の仲間3人と自分』『台車』
範囲内に入ったこれらを、まとめて『床』に格納したい。

あ、尾藤は来ても来なくてもいい。
ホームレスの人は、いなくてもそこまで困りはしないが…台車は有ると助かるかも。
まあ出来れば来てほしい
東雲君は絶対来い。
 
 「住職、頑張れッ  こっちは3分以内で済ませる …!」

345東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2016/04/09(土) 22:07:17
>>343>>344

「任せんさい」

二人の声に、深く頷く。
まずは『噴塩化』を施した台車の取っ手を首にかける。板の面が背中になるように。
そして準備として手刀の形にした左手で、春夏秋の体を抱え込む。
『台車』と『春夏秋』を所持した状態で、『太田垣』の元へと走りたい。
万が一途中で『春夏秋』を落としてしまいそうならば、安全なここで待機してもらうしかないが、
『春夏秋』にこちらへとしがみついて貰えば、何とかなると思いたい。

「もしまだ必要なことがあるんなら、先に『春夏秋』サンだけしまっといてくれ」

太田垣に訊ねる。
ベニヤ板の確保など、他にすべき事があるならばそちらを優先。
なければ『春夏秋』を床に降ろし、その前に『台車』を構えて屈む。
森田からの銃撃対策だ。また、『ダーティ・プロジェクターズ』が再発現されているかどうかも確認しておく。

346太田垣良『ザ・サードマン』:2016/04/09(土) 23:24:06
>>345
「最低でも、ベニヤ3、4枚確保できればOKッス」

『格納』よりはこっちを優先したい。

347東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2016/04/10(日) 00:00:26
>>346

「了解じゃ」

森田からの『銃撃』を警戒しながら、『台車』を盾にしつつベニヤ板を
手で弾くなり、蹴るなりして『太田垣』の方へと集めたい。

348『迫真 -Reality- 』:2016/04/10(日) 22:00:15
>>343(冬樹)
自身の役割を『生存』と切り替え、『東雲』の支援に徹する。
『冬樹』は足を引きずり、柱の影へと移動しようとする。

>>344(太田垣)
『東雲』の右腕が真っ黒に変色している。
鋭く尖った『手甲』、『冬樹』はその能力を維持する為に注力するようだ。
少なくとも、『太田垣』の呼びかけに応じるかは、怪しい。


           バシッ
                   バシシッ


『1m×1m』のベニヤ板が数枚、『東雲』の蹴り足によって飛ばされた。
そして、『冬樹』を抱えた『東雲』が『太田垣』の下へやってくる。

>>345(東雲)

          バシッ

                     バシシッ

その辺に転がっていた『ベニヤ板』を蹴り飛ばし、
『太田垣』へと渡した。そのまま、『冬樹』を抱えて『太田垣』の下へ移動する。

>ALL

            ドパララララッ!

                         「ゥゥンッ!!!」

             ズァァァァッ!!!

『森田』の銃撃に対し、『慧観』は巨大な何かを発現する。
それが『寝仏』であると、三人が気付いたのは同時だった。

        ≪仏様の影に隠れるだけか、坊主らしいなッ≫

        「お前ももうすぐ世話になる身だ。敬っておくんだな」


                 グッ
                        ァァァアアアッ!!!

『エンプティ・エステート』がその巨躯を存分に発揮し、
『太田垣』が倒すのさえやっとだった『作業台』を持ち上げる。
巨大な『盾』を用意した今、『銃弾』は恐れるに足らないのだ――――

『残り時間:7分』

┃┌──┐□□冬□□太□□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃│F.lift.│箱箱□東□□□□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃└──┘箱箱□□□□□□□□□□□慧□□□□棚棚┃
┃□□□□□□□□□□□□□□□□台台台□□□棚棚┃
┃┌──┐□□□□□□□□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃│F.lift.│□□□□□□□□□□佐□□□□□□□棚棚┃
┃└──┘□□□□□□□□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃□□□□柱柱□□□□□□□□□□□□柱柱━━━━┃
┃□□□□柱柱□□□□□□□□□□□□柱柱棚棚棚冷┃
┃□□□□□□□□□□□□□□□□□□扉□□□□□┃
┃□┌───────┐□□□□□□□□扉□□□□□┃
┃□│    トラック→  │□□□□□□台車┃□椅机椅□┃
┃□└───────┘□□□□□□台車┃□椅机椅□┃
┗━━━━━━━□□□□□□□□□□□━━━━━━┛

349太田垣良『ザ・サードマン』:2016/04/10(日) 22:12:39
>>348
「サンキュッ住職っ!」

なんと頼もしい!防御は任せてしまおう。
こっちは相談だ。


「では皆さん寄って寄って」
「東雲君、ベニヤ板2枚をコーティングしながら聞いといて」


「自分の『平面にどんでん返しを作る能力』…まず簡易的な説明なんスけど」


  「【応用してカタパルト(投石器)を作れる  威力はパスBC、パスCBの選択式】 」
  「【ベニヤ板などある程度の大きさの板に物や人を仕舞える】 」
  「【平面が壊れたとき、内容物は垂直に放出される(パスBC)】」

  「あとアリーナでも使った事ない企業秘密スけど、実は、 
   ベニヤ板の入ったベニヤ板をベニヤ板に入れられる…『マトリョーシカ』みたいに
   
     【『平面』の中に『平面入り平面』を入れられる】   …て事ス やばいっしょ? 」
 


「覚えた? じゃ、森田までの距離20mを稼ぐ作戦案の説明ッス 
    自分には2つの案が有るんスけど」


  「ひとつ目」
   「10mの長さのカタパルトを作って、住職の怪力と合わせて、
    『東雲君』が大跳躍。 これで15mは稼げると思うッス   」
  
  「東雲君には、攻撃チーム入り台車入りベニヤ(乙)入りベニヤ(甲)…
   ようするに色々入ったベニヤ板を持ってて貰うッス
   その持ってるベニヤ板の面をクレーンに向けたうえで、板を銃やパンチで壊せば、
   内容物、人がクレーンに向けて飛び出すって寸法ッス

  「この作戦の欠点:東雲君が危ない 宙で放り出されて下は海ッス しかも銃弾に晒される
         中間調整役として東雲君の責任が重大 できる?
         あと森田への攻撃を誰がやるか ホームレスさんも俺も足やっちゃってますけど…
         要するに…作戦終了後の不安が多い」

  
  「ふたつ目」
   「カタパルトを作って、住職の怪力と合わせて、
    『コーティング』されたベニヤ(1)、出来ればダミーのベニヤも…10数メートル飛ばす

     空中で、ベニヤ(1)は、軌道が反れたり、向きが乱れたり壊れたりするはずなんで、 
    なので、板の中には、調整役として『太田垣』が入っときます。 
    途中でベニヤ板から出た『太田垣』が、空中にてベニヤ板(2)をクレーンに向けて、
    板(3)内部に入っていた台車をブッ飛ばし…さらに台車の中から東雲君、
    お望みならホームレスの人も飛び出すって寸法ッス」


「この作戦の欠点:俺が危ない  
         (1)の飛距離が不安定、、それによて作戦成功率は激下がるかも  
         …要するに、たどり着くまでが不安 
         ただ、失敗しても、俺がうまくやれば東雲君を『クレーンの下』には送り込めるッス」
           

「俺としては…森田に殴りこむのは、攻守優れた東雲君が適任ッスし…二つ目推しかなァ」
「東雲君の意見次第では一つ目に変えるッス」

「とりあえず意見聞かせてください」
「質問や、思いつき、別の案があったらドーゾ」

350東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2016/04/10(日) 22:50:47
>>349

「その二でええじゃろう」「失敗したらどちらにしろ死ぬんじゃ」
「共に命かけたろうや、太田垣」

ベニヤ板を『噴塩化』しながら、太田垣の提案、その後者に頷く。
一の案も悪くはないと思うし、この身を矢面に晒すのも全く抵抗はないが、
片腕しか使えない現状で、中身を飛び出させるには『森田』に攻撃してもらう他はない。
それよりは、やはり『太田垣』を信頼したい。

「にしても良い作戦じゃのぉ、助かったわ」

おぼろげに、『どんでん返し』で飛ばしてくれと伝えただけで
ここまで具体的な策を示してくれた太田垣には感謝だ。後は全力を尽くすのみ。
さて、やはり『ダーティ・プロジェクターズ』は数を増しているかどうか。

351春夏秋 冬樹『メメント・モリ』:2016/04/10(日) 23:47:03
>>348-350
「ふむ……いや、おっかない――もとい、頼もしい能力だねえ。
それなら『第二案』だ。攻撃役は『東雲』さんに任したいからねえ、
そのための武器も託したことだし……と、そうだ」

 持ってきた『フランスパン』を指し示す。

「こいつも、その『台車』に入れといてくれないかい?
あっしがやられると、せっかく託した『牙』が消えるから
出来ればここに残っていたいが、何もしないってのも気が引ける」
「東雲さんの接近の足しになるか分からないが、
『台車』から一緒に射出すれば、少なくとも質量の軽いこいつは
『森田』に届くはず。手か足か、どこかに突き刺されば、それだけで十分な
『傷』を与えられる……」

 黒く染まったその『麦角』は、十分な強度を持つ凶器だ。
『平面の破壊』による『射出』の勢いが合わされば、
仮に『服』の上からでも、人体に傷を負わせるに十分な速度と威力を得るだろう。

「ヤツは、さっき『エミカ』を『戦闘不能』に追い込んだ経緯を
『ダーティ・プロジェクターズ』を通して見ている。としたら、
その『パン』には『警戒』せざるを得ないだろうさ」

352太田垣良『ザ・サードマン』:2016/04/11(月) 01:02:42
>>350ー351
 「っし、なら2の案で…」
 「『フランスパン』… じゃ台車に仕込んどきますね」

スタンドで『フランスパン』を拾い、台車にポンと載せておきたい。


 「…相談すんなり終わったッスね
  …東雲君、その『コーティング』…何?白い岩?数秒で出来るみたいッスけど」
 「もう2枚出来る?『ダミー』は多い方がいいんで」

 「東雲君の作業が終わったら、森田の所行く人は台車に乗ってッス」

353東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2016/04/11(月) 21:28:38
>>352

「こいつは『塩』じゃ」

「わしの『ザイオン・トレイン』は『塩』を纏わせ、やがて固まり『岩塩』と化す能力じゃけぇの」
「こんな薄い板っきれなら、あっという間に固められるわ」

頷き、他にも二枚の板に能力を行使する。

354『迫真 -Reality- 』:2016/04/12(火) 23:16:18
>>349(太田垣)
『太田垣』は作戦を立案し、全員に話す。
『東雲』は『2』を選択し、『退路』を断つ構えのようだ。

『太田垣』は『フランスパン』を手に取り、『台車』に乗せた。
『東雲』からは『岩塩』によってコーティングした『ベニヤ板』を手渡される。

>>351(冬樹)
『太田垣』に麦角を宿した『フランスパン』を託す。
その脅威を間近で目撃した『森田』であれば、
『警戒』を抱くには十分だと考えた始末だ。

>>350(東雲)

          スゥゥ. . .

『塔』の周囲に散らばった『ダーティー・プロジェクターズ』は『1体』だ。
ガントリークレーンには『4つ』の『スピーカー』が設置されており、
『ダーティー・プロジェクターズ』が塔に触れた瞬間、『スピーカー』が1つ増える。
まだ、『轟音』が響く気配はない。『再発現』には時間が掛かるのだろう。

355東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2016/04/13(水) 21:07:03
>>354

「一体だけとは言えのぉ・・・あるかないかで『脅威』は変わる」
「じゃけぇ、この策なら悪くねぇわ」

銃の引き金を引く、つまり『銃声』を鳴らすだけでその音を用いて同時に攻撃ができる。
本来ならば、その二種類の攻撃に同時に対応しなければならない。
だが、同時に多方面から襲いかかる一の策ではなく、角度を調整しながら
どんどん分裂して接近する二の策ならば。もし『音』の発生と同時にしか
攻撃できないのであれば、常に狙える対象は一つのみだ。
その分、狙われた対象に攻撃も集中してしまうが。

「わしの準備は整っとる」「いつでも収納してもらって構わんけぇの」

身体を動かし、関節をある程度固定されないようにしながら、太田垣の合図を待つ。

356太田垣良『ザ・サードマン』:2016/04/13(水) 22:04:44
>>354
『射出用ダミー2枚』『射出用本命1枚』『手持ち用1枚』…

 「塩でコーティング済みの板は『4枚』揃った…」
 「あとコーティング無しのベニヤを一枚拾えれば……それで材料ほんとに万全、パーフェクト」


俺のスタンドで『岩塩』は壊しにくいから、『東雲入り台車』は未加工ベニヤに格納して、
それが森田にたやすく壊されないように、岩塩加工済みベニヤを重ねガード、という感じにしたいの。



「それでは…東雲君」
 「どんでん返しの中からでも、外の様子はちょっぴり分かるかもッスけど」
 「おそらく、合図無しで、突然空中に放り出される感じになると思うんで……」

「 …気ぃ張っといてくださいよ 」


 …では『タネ』の仕込みの開始。
 手始めに東雲、フランスパン(もし居るなら尾藤も)、『台車』に『格納』する。

 その後の手順としては、
 『台車』に、岩塩ベニヤ3枚、岩塩ベニヤ1枚の上に未加工ベニヤ一枚、を別々に載せ、
  その上に太田垣が乗って、『サードマン』で台車を押し、または手で漕ぎ、 
 『慧観の作業台の盾』の陰まで移動する…
  というような事を妨害、会話等の発生が無ければやりたい。

357春夏秋 冬樹『メメント・モリ』:2016/04/13(水) 23:06:11
>>354
「……『射出』するなら、今のうちだねえ。
『クレーン』を動かしてくるかも知れないよ」

 この策が決まれば、良し。
だが、それを信じて待つだけ……というわけにもいくまい。

 『キャンディ』を一つ麦角化し、飲み込む。
自らに『共感覚』を与え、音を『見る』。
敵がこちらの策に気付いているなら、必ず『妨害』に出る。
そのサインは『無音』だ……音が色に変わって溢れる視界の中で、
『無色』の瞬間を探す。『射出』の準備が完了するまで警戒を続け、
異変を察知したら素早く『太田垣』と『慧観』に伝えたい。

358『迫真 -Reality- 』:2016/04/19(火) 00:00:04
>>355(東雲)

    トンッ
            トンッ

『岩塩鎧』の作成は完了した。
『太田垣』の合図を待つ。

>>356(太田垣)
『太田垣』が台車に乗ったまま、『ザ・サードマン』で動かすことは出来ない。
『スタンド』のパワーによって、『本体』を移動させることは出来ないのだ。
『台車』にベニヤ板を重ねるが、『太田垣』は動けない。

          ズズッ

                  ――――ジャララッ

     「これを、掴みなさい」

『太田垣』の近くに投げられたのは『鎖』だ。
鉄扉を施錠していた『鎖』が、『慧観』のベルト止めに括られている。
作業台の盾を構えた『エンプティ・エステート』と共に前進する度、
台車に乗った『太田垣』もまた、前方へ進むことが出来る算段だ。

>>357(冬樹)

               ィ
                      ィ

                  イ.

                     ・

『見える』。『慧観』の声が聞こえた時、視界が『焦茶』に染まった。
年の若い『太田垣』の声は、『スカイブルー』の点滅に見える。
先ほどから身体を動かす『東雲』の肉体は、『モノクロ』のマーブル模様だ。
さながら『ドラッグビデオ』を視聴するかのような『異彩』に囚われながら、
『冬樹』の視界は、決して『聞こえる』はずのない、『電流』を見た。


           ジジッ

                        ジジジッ


『塔』を視界に収めた瞬間、視界の端がチラチラと『点滅』を始める。
これが波長を捉えながらも『理解』の及ばないはずの『超音波』だと、
『冬樹』は瞬間的に感じ取った。また一つ、『コウモリ』が『スピーカー』に変わる。

                 ジジッ

         バチッ!
                            ――――チチッ

その瞬間、『塔』から発せられる『電流』が一段と強くなった。
後、数体で『落雷』が起きる。その『イメージ』がクッキリと脳裏に浮かんだ。

359『迫真 -Reality- 』:2016/04/19(火) 00:12:56
┃┌──┐□□冬□□□太□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃│F.lift.│箱箱□東□□│□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃└──┘箱箱□□□□慧□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃□□□□□□□□□台台台□□□□□□□□□□棚棚┃
┃┌──┐□□□□□□□□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃│F.lift.│□□□□□□□□□□佐□□□□□□□棚棚┃
┃└──┘□□□□□□□□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃□□□□柱柱□□□□□□□□□□□□柱柱━━━━┃
┃□□□□柱柱□□□□□□□□□□□□柱柱棚棚棚冷┃
┃□□□□□□□□□□□□□□□□□□扉□□□□□┃
┃□┌───────┐□□□□□□□□扉□□□□□┃
┃□│    トラック→  │□□□□□□台車┃□椅机椅□┃
┃□└───────┘□□□□□□台車┃□椅机椅□┃
┗━━━━━━━□□□□□□□□□□□━━━━━━┛

360東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2016/04/19(火) 22:23:10
>>356>>359

>「それでは…東雲君」
> 「どんでん返しの中からでも、外の様子はちょっぴり分かるかもッスけど」
> 「おそらく、合図無しで、突然空中に放り出される感じになると思うんで……」

>「 …気ぃ張っといてくださいよ 」

「任せとけ」「いつでもアイツを殴る準備は出来とるけぇの」

太田垣の声に応じ、頷く。
作戦通りに行かないことも十分あり得る、足場のない状況でどこまで冷静に判断できるか。
覚悟を決め、発射のタイミングを待つ。

361太田垣良『ザ・サードマン』:2016/04/19(火) 23:20:28
>>358-359
この鎖も仏具の一種だろう、ありがたく手繰らせていただく。
…『蜘蛛の糸』を思い出してしまった。ブチ切れないよな、これ?

「…助かった! すぐ行くよッ」

移動が終わったら、手に持ったベニヤ(未加工)に台車を格納したい。
そして、台車入り未加工ベニヤon岩塩加工済みベニヤを持った本体は、
別の岩塩加工済ベニヤに身体を接しておく。
そして『ザ・サードマン』で作業台の盾に触れたい

「住職、頼ってばっかで済まない」
「俺が作業台に『どんでん返しカタパルト』を設置したら」
「俺は『このなんか塩っぽいベニヤ板3枚のどれか1枚』に入る」
「住職はベニヤ板3枚を『シャッフル』して、3枚ぜんぶカタパルトに載せてくれ」

「そうしたら、『射出準備』は完了ッス」
「『発射カウントダウン』は白岡慧観、あんたに任せる、俺は合わせる」
「OK?」

362春夏秋 冬樹『メメント・モリ』:2016/04/20(水) 18:27:52
>>358-359
「こいつは……電流、いや、やつの溜めている『音』かい」

 意図したものとは違ったが、結果的には相手の狙いを
『共感覚』で捉えることができた、ということか。

「発射を――急いだほうがいいねえ。
やっこさんも準備をしているみたいだよ……特大の『一撃』だ、
あと数体で『来る』。先んじなきゃ危ないねえ」

 作業中の面々にそう伝え、引き続き観察する。
音を『超音波』に変えている……ということは音の『源』があるはずだが、
現在位置からそれを捉えることはできるだろうか?

363『迫真 -Reality- 』:2016/04/21(木) 23:51:52
>>360(東雲)
『太田垣』は『エンプティ・エステート』に引っ張られ、前進する。
それに合わせ、『東雲』はトラックの陰に隠れように前進した。
『岩塩鎧』は完成し、血塗れの『左腕』以外を覆っている。

>>361(太田垣)
ベニヤ板に対し、『台車』は明らかに大きすぎる。
『格納』は出来なかった。

      「ああ、――――『健闘』を祈ります」

>>362(冬樹)
その目に映る確かな『幻覚』を全員に警告する。
『音源』は解らないが、『コウモリ』は常に『超音波』を発している。
それが目に映ったと考える方が自然だろう。


┃┌──┐□□冬□□□□□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃│F.lift.│箱箱□□□□□□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃└──┘箱箱□□□□□□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃┌──┐□□□□□□□□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃│F.lift.│□□□□□□□□□□佐□□□□□□□棚棚┃
┃└──┘□□□□□東□□□□□□□□□□□□棚棚┃
┃□□□□柱柱□□□□□□□□□□□□柱柱━━━━┃
┃□□□□柱柱□□□□□□□□□□□□柱柱棚棚棚冷┃
┃□□□□□□□□□□□□太□□□□□扉□□□□□┃
┃□┌───────┐□□│□□□□□扉□□□□□┃
┃□│    トラック→  │□□慧□□□台車┃□椅机椅□┃
┃□└───────┘□台台台□□台車┃□椅机椅□┃
┗━━━━━━━□□□□□□□□□□□━━━━━━┛

364東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2016/04/22(金) 00:53:00
>>363

すみません、一応確認いたします。
・血まみれなのは『裂傷』を負った『右腕』で、『麦角岩塩化』した
 『左腕』には、鎧はあるという認識で大丈夫でしょうか?

365『迫真 -Reality- 』:2016/04/22(金) 00:54:35
>>364
描写間違え失礼しました。
そちらの認識でお願いします。

366春夏秋 冬樹『メメント・モリ』:2016/04/22(金) 21:39:47
>>363
「……この脚が不甲斐ないねえ……と、そうだ」

 東雲の方を向き、声をかける。
『森田』に筒抜けになりそうなものだが、
どうも向こうは向こうで『大技』の準備に掛かりきりに見える。
今更足を負傷した『老いぼれ』の言葉になど、構うまい。

「さっき渡した『飴』、飲み込んでおいてくれないかい。
ちょっとした『合図』に使いたいんだけど……
『攻撃』のタイミングを知らせたいんだ」

 飲み込んでもらえたら『夜目』を与える。
光が差し込んで来ている今、『夜目』は不要――
だが同時に、現状では最も影響の小さい効果、故に『サイン』に使える。
もし『超音波』の急激な増大を感じたら、即座に『夜目』を解除し、
東雲に『サイン』を送る。『音』が聞こえてから対処するより、
『一瞬』先んじることが出来るはずだ。

367東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2016/04/22(金) 22:47:54
>>363>>366

「細工は流々ってぇとこかの」「ん、了解ですけえ」

自身の『岩塩鎧』が完成したのを見て、頷く。
と、そこで春夏秋に声をかけられる。言葉に従い、先ほどもらった『アメ』を口に含みたい。
どうにも手が動かなければ、太田垣に食わせてもらう。どちらにしろ、彼の元へと近付く必要はある。

「そうじゃ。格納の前に、ついでにその『パン』を少し千切って持たせてくれんか」

『麦角』が解除されない程度に、パンの一部を渡してもらうように依頼したい。
その一部は胸元に左手で置いておく。万が一飛距離が足りなかったり、空中で攻撃を喰らいそうな時の『保険』だ。

368太田垣良『ザ・サードマン』:2016/04/22(金) 23:19:46
>>363
(……サイズ合わないじゃん…)(やっちまった…じゃあ台車はやめよう…)

「東雲君、アメ食べれるッス?」
「じゃ…食べさせてあげちゃうッ! ホラお口あーンして!」

 「食べたらベニヤ板の上でしゃがんでッス」


台車ではなく手持ちのベニヤ板(未コーティング)に東雲を格納する作業を行いつつ、
東雲の口にアメを放り込んであげよう。

東雲格納終了後、作業台に
『確保できる最大のタテ幅 × ベニヤ板を安定して載せられる横幅』
『カタパルトの端が床に接触するまで角度をつけて』
『反転どんでん返し』
『つまりカタパルト』、設置したい。

この作業が終われば、
あとは『太田垣がベニヤに入る』『発射台にセッティング』『発射』を残すのみ

369『迫真 -Reality- 』:2016/04/24(日) 23:46:37
>>366(冬樹)
麦角を宿した『飴』を利用し、『サイン』を画策する。
『東雲』は『太田垣』の手を借り、『飴』を噛み砕いた。

>>368(太田垣)
『ザ・サードマン』の技巧を活かし、『飴』を放り込ませる。
接近した『東雲』をベニヤ板の『どんでん返し』に格納した。

       グルンッ

『6m×3m』の『反転どんでん返し』を『作業台』に設置する。
そこに全ての『ベニヤ板』を入れ、『太田垣』自身も『ベニヤ板』に侵入する。
――――後は、『発射』を待つのみだ。

>>367(東雲)
『東雲』は『飴』を飲み込もうとしていたが、
『飴』はポケットの中、鎧の下にある。

     ヒュパッ

だが、『ザ・サードマン』によって放られた『飴』が、
『東雲』の口内に入り、そのまま噛み砕いた。
――――先ほどと同じように、『夜目』が効き始める。
もっとも、『街灯』の灯りが生きている今は、その恩恵は乏しい。

『太田垣』にパンを要求するが、既に『格納』してしまったようだ。
この状況で『解除』によって放り出すのが望ましいか、
――――それは『一長一短』だろう。

      グルンッ

事前に伝えられた策通り、『ベニヤ板』の中に格納される。
中に『空気』は存在しないが。『どんでん返し』を多少持ち上げることで『空気』は入る。
最も、これは『接近』するまでの話だ。至近では隙間はバレてしまうだろう。

370東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2016/04/25(月) 00:40:50
>>369

「ん・・・まぁええか」

パンは諦めよう、いざとなれば別の手段を考える。
まずは隙間から、外の様子を伺う。とはいえ、それも発射まで。
その後は『太田垣』を信じて、空中で放り出された瞬間の備えをしておく他はない。

「『尾藤』サンも紛れとるんか、それとも他の手を考えとるんかは分からんがの」

どちらにせよ、あの人なら何らかの策は考えているだろう。声でそのサポートをして、発射の時を待つ。

371太田垣良『ザ・サードマン』:2016/04/25(月) 00:51:05
>>369
他のメンバーから何か要求が無い限り、
和尚が『ベニヤ』を並べ、発射OKと伝えてくるのを待つ。

サインがあったら『台車に設置した反転どんでん返し』解除、
つまりカタパルト射出…。


 ブル ブル ブル

「 ゴ クリ 」
「ふゥ―ッ  フゥ―――っ」
「………スウウウウ」
「フゥ――― ……」

  ガチ  ガチ ガチ

372春夏秋 冬樹『メメント・モリ』:2016/04/25(月) 19:45:11
>>369
「……さて、どう転ぶかねえ」

 引き続き、『塔』の動向を注視する。
やれるだけの手は打ったと思いたいが、『森田』は周到な男のようだ。
何か『塔』の様子が急変したなら、それを外にいる『太田垣』と『慧観』に伝える。
『東雲』へのサインは混乱を防ぐために『攻撃対処』一本に絞る。

373『迫真 -Reality- 』:2019/01/05(土) 23:16:42
>>173

      ガシャッ    ズシャンッ!

    「チッ、もう『オトした』と思ったんだがなぁ、

     黒飴みてぇなのを噛み砕いて、
     意識を回復させやがった……」

            オクタゴン
二人を囲んでいた『 金 網 』が解除され、
『ニコン』は傍に倒れ伏した『長堀』を不服そうに見下ろした。


    「コイツのせいで、大分時間を喰ったな。
     ……おい、キム! こっちでいいのか?」


『闇』こと『森田』の暗躍によって、
『襲撃者』の『殲滅』が決定付けられたが、
――――当然、『アリーナ』は一枚岩ではない。

『秩序』を重んじるが『穏健派』とも見える『桜島派閥』や、
『エンターティメント』をモットーとする『セクションX』は、
『森田』の弁舌を以てしても、動かすことは敵わないと悟っていた。


         「ああ、『ガントリークレーン』の方だよ。
          とりあえず、何が起きてるか確認しようぜ」

         「『慧観』さんや『太田垣』くんが、
          大それた『反乱』を企むなんて、
          ボクにはどーしても、しっくり来ないけどなぁ」


ストールを巻いた優男、『キム・クァンガン』が首を傾げる。
『B級ファイター』である二人、『長堀』と『佐上』を含めるC級ファイター、
そして、武装した『黒服』による『混成チーム』。

         P r r r r r r r . . .


         「ああ、アンタか。
          ――――ウソだろ、アンタまで出るのかよ」

         「『A級ファイター』、自らお出ましってかい!

          よっぽど、『吉田』さんがヤられたのが、ご立腹みたいだね」

つまらないな、と『ニコン』は率直に呟いた。
唯一の『敗北』を認め、その軍門に下ったファイターの実力を、
彼自身が十分に理解していたからだ。

彼が動けば、『慧観』だけではない。
他のスタンド使い達もまた、――――『終わる』のだ。

374『迫真 -Reality- 』:2019/01/05(土) 23:17:21
>>370(東雲)
>>371(太田垣)
>>372(春夏秋)

『ベニヤ板』に『どんでん返し』を設置し、
その中にそれぞれ『格納』される二人。

二人は発射の時を待ち、
『慧観』は『作業台』を持たせた『エンプティ・エステート』と共に、
『倉庫』を抜けて『港』へと降り立った。

     ≪ほう、住職が一人、か≫

          ≪ガキ共と雇われは、付き合いきれなくなったか?≫

       ―――――
                         .  . .   ヂュイン!
                                          ヂュイン!

『射撃音』を響かせぬ『銃撃』が『慧観』を襲う。
遠距離故に当たらないが、何発かは『作業台』を掠め、

           ―――――  パスゥゥ!!
                                   「グァ、ウッ!」
巨躯の『エンプティ・エステート』の肌を、
『衝撃波』が切り刻み、次々に裂傷を与えていく。

この作戦に『最大』の欠点があるとすれば、
『作業台』を手にした『慧観』を守る者が存在しないことだ。
『盾』となった『作業台』は『カタパルト』として作戦の要となる。
早々、『破壊』されるようなことはあってはならない。積極的に『盾』に出来ない。

増してや、『寝仏』の発現により、『慧観』はしばらく『仏具』を発現できない。
そして、『春夏秋』は『共感覚』によって、『衝撃』の蓄積を理解する。

――――次に、巨大な一撃が襲ってくる。

                                    ブロロロォォォ――――

背にした『倉庫』から『エンジン音』が聞こえてくる。


海海┃  ┃└───────┘┃  ┃  現在位置の倉庫  ┃  ┃└───────┘┃  ┃
海海┃  ┗━━━      ━━━┛  ┗━━━      ━━━┛  ┗━━━      ━━━┛  ┃
海海┃                                        慧                    ┃
海海┃                      ┌──┐         台台台                 ┃
海海┗━━━━━━━━━━━━━━│    │━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   .┃
海海海海海海海海海海海海海海海海海│    │海海海海海海海海海海海海海海海海海海┃   .┃
海海海海海海海海海海海海海海海海海│    │海海海海海海海海海海海海海海海海海海┃   .┃
海海海海海海海海海海海海海海海海海│    │海海海海海海海海海海海海海海海海海海┃   .┃
━━━━━━━━━━━━━━━━━│    │━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛   .┃
                            │    │                                ┃
                            │    │                                ┃
                            ■■■■                                ┃
                            ■■■■                                ┃
                            │    │                                ┃
                            │    │                                ┃
━━━━━━━━━━━━━━━━━│    │━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   .┃
海海海海海海海海海海海海海海海海海│    │海海海海海海海海海海海海海海海海海海┃   .┃
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

・『ガントリークレーン』の高さは『20m』ほど
 ■部分の操縦室に『森田』はいる。

375東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2019/01/06(日) 23:39:29
>>373-374

(慧観サン・・・・・ッ!)

攻撃にのみ全てを賭けたこの策、慧観が倒れてしまえば全てが崩れる危険なものだ。
だが、そうまでしなくてはこの『20m』という距離を詰めることはできない。
故に頼るしかない。慧観の『ファイター』としての技能と、アリーナの『闇』を暴くという気概に。

>                                    ブロロロォォォ――――

>背にした『倉庫』から『エンジン音』が聞こえてくる。

(・・・なんじゃあ?)

まだ隙間から背後が見られそうなら、確認したい。
もし利用可能な乗り物であれば、距離を詰めるのに役立つかもしれない。
もっとも、時間が許せばの話だが。

376<削除>:<削除>
<削除>

377太田垣良『ザ・サードマン』:2019/01/08(火) 01:06:18
>>373-374

 「(クソッ…これは住職に負担をかけまくる作戦だった)」
 「(だが、駄目だ…待機だ!)」


おもわず飛び出したくなる衝動を抑える。
『どんでん返し』内部の空間で丸まっている間にも、さまざまな事を考えてしまう。

 俺の能力を起点にしたこのカタパルト作戦は成功するのか?
 そもそもなんだよこの作戦。住職が半端なくダメージ追ってるじゃん。欠陥アリじゃねーか。
 この無謀かもしれない作戦が、成功するのか?だめなんじゃあないか?
 この鉄火場が終わった後、慧観はどうするのだ?
 この闘いのあと、彼は五体満足でいられるのか?もうこれ、死んじゃうんじゃないか?
 森田はどうして『闇』となりて狂った?
 なぜ俺はこんな所でこんな事を?分相応じゃないか?
 むかしから馬鹿だ馬鹿だといわれていたが、ほんとうに馬鹿じゃあないか?


 >ブロロロォォォ――――

 なにが来た?まだ状況が動くのか?敵か?味方か?
 この事件のあとアリーナはどうなるのか?
 俺たちはこれからどうなるのだ?俺はこれからどうするのだ?


  「 ハァ …ハァ… 」


永遠にも感じられるような時間が過ぎていく。
いまの状況を口に出す。作戦を復唱する。

378太田垣良『ザ・サードマン』:2019/01/08(火) 01:09:04
  「自分たちは、今、何メートルもの先の『クレーン』にいる『森田』とかいうクソヤローをブン殴りたい…」
  「でもヤツの『銃』『スタンド能力』のせいで迂闊には近づけない…だからとある作戦を実行中なんだ…」

  「俺の名前は太田垣…  平面…つまり板とかを自在にあやつる能力を持っているッス」

  「そんな俺たちは、森田をブン殴るため、 『東雲君』を森田の元まで確実にブッ飛ばすため、とある作戦を実行中ッス…」
  「ちなみに東雲君は『塩を纏う』ことで防御を上げられる近距離ファイター…だから彼が攻撃役なんス…」

  「作戦はこう……『怪力の大仏』の能力を持った住職が『作業用の台車』を運ぶ 
   …台車は、俺の能力で『カタパルト』として使うことができる。
   『カタパルト』からは、『ベニヤ板』が飛ぶ…一見ふつうの板に見えるが、
   …この板には『俺』が『格納』されている。ふしぎなことだがこれは亜空間の力」

  「…そしてこの俺も『ベニヤ板』を持っている
   …この中には『東雲君(塩属性 即死毒エンチャント)』『フランスパン(即死毒エンチャント)』が入っている…」
  「即死毒はホームレスみたいなおっちゃん(東雲)がやってくれたんだ…ありがたい…」

  「『台車』のカタパルトから『ベニヤ板』が発射され、空中にあるベニヤ板から俺が出てくる…
  俺の持ってる『ベニヤ板』から『フランスパン』と『東雲君』を射出し、
  それは『森田』ん所に到達する…そういう、作戦」
 
疲労とか痛みとか緊張とかいろんなことが頭のなかでぐるぐるとしている。
発射を待つ。ちょっと泣きそうになる。

379『迫真 -Reality- 』:2019/01/08(火) 22:07:01
>>375(東雲)


    ブツブツ
          「....」
                  ブツブツ

『慧観』は『念仏』を唱え、無心となって歩を進める。
ヴィジョンには大小様々な『裂傷』が刻まれ、鮮血の香りが周囲に広がる。

揺るがぬ『闘志』とアリーナを勝ち抜いた『技量』、
間近で目撃した『勝算』を信じ、『東雲』は時を待つ。

>>376(太田垣)
暗闇の中、『太田垣』は己が『策』へ逡巡する。
脳裏を巡る『疑問』への答えは出ないが、明らかなことはある。

殺人さえ戸惑わない『闇』に対し、『慧観』は矢面に立つことを決めた。
その『結末』を決められるのは、この場に立つ者だけだ。

>ALL

       ブロロロロロロロロロ―――――

先程まで戦場となっていた『五番倉庫』から、
無人の『2トントラック』が飛び出してきた。

              「掴まれッ!」

『エンプティ・エステート』の片腕が『アルミボディ』を掴み、
『慧観』は『トラック』に追従するかのように、移動する。

   ≪『刀』に頼ったカスみてェな『凡人』が、
     良くもまあ、コソコソとジャマをしてくれる――――≫

     ス    「『力』で劣るのなら、
      ゥ    武器を持ち、策を練る」
      ・
      ..・    「お前の言った、強さの条件だったなァ、『東雲』ェ」

『ベニヤ板』の隙間から垣間見えた、『サイドミラー』に映るのは、
『安全ヘルメット』を被り、不敵な笑みを浮かべ、姿を現した『尾藤』。

      「『尾藤』殿、かたじけない!」

狙いを定め直そうと、『ガントリークレーン』が『無音』で駆動するが、
『トラック』の『機動力』が勝る。危なげない運転で『カーブ』に突入し、

              グァ
                   ァ   「一気に突っ込むぞッ!」

                    ア      「あの『浮浪者』が言っていた、
                 _/
               /            ――――『デカい』のが来るッ!」


『ガントリークレーン』から突き出された六台の『スピーカー』が、
さながら『砲門』のように爆走する『トラック』を射定めた。

             ィ ィ ン . . .

『ガントリークレーン』まで『直線距離』にて『20m』。
『大鐘』や『コンクリート壁』をぶち抜いた『波動砲』が『直撃』すれば、
用意した『策』も『武器』も全て、灰燼と化すだろう。

海海┃  ┃└───────┘┃  ┃  現在位置の倉庫  ┃  ┃└───────┘┃  ┃
海海┃  ┗━━━      ━━━┛  ┗━━━      ━━━┛  ┗━━━      ━━━┛  ┃
海海┃                                                     慧       ┃
海海┃                      ┌──┐                         [トラック]、 .┃
海海┗━━━━━━━━━━━━━━│    │━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ \.┃
海海海海海海海海海海海海海海海海海│    │海海海海海海海海海海海海海海海海海海┃ ...|┃
海海海海海海海海海海海海海海海海海│    │海海海海海海海海海海海海海海海海海海┃ . /.┃
海海海海海海海海海海海海海海海海海│    │海海海海海海海海海海海海海海海海海海┃ / ┃
━━━━━━━━━━━━━━━━━│    │━━━━━━━━━━━━━━━━━━./   ┃
                            │    │                             |/     ┃
                            │    │                          ̄     ┃
                            ■■■■                                ┃
                            ■■■■                                ┃
                            │    │                                ┃
                            │    │                                ┃
━━━━━━━━━━━━━━━━━│    │━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   .┃
海海海海海海海海海海海海海海海海海│    │海海海海海海海海海海海海海海海海海海┃   .┃

380太田垣良『ザ・サードマン』:2019/01/09(水) 02:04:19
質問です。
・2tトラックの寸法は、2tトラックの寸法は『1.9mm前後×5m前後』『高さ2〜3m』ということでよろしいでしょうか
・トラックの側面のアルミボディは、箱型?平型『どんでん返し』を設置できる程度の面積(5平方メートル)を有した平面ですか?
  一般的なバン型の2tトラックのバン側面は『縦2m、横3mくらい』はありそうですが。
・『エンプティ・ステートと慧観と台車』は『縦2m、横3m』の平面で『格納』可能な大きさでしょうか?
・トラックのバン内部が空っぽかどうかは分かりますか?
・カーブを終えるまでには『波動砲』が来そうな感じでしょうか?

381『迫真 -Reality- 』:2019/01/09(水) 21:05:53
>>380(太田垣)

>・2tトラックの寸法は『1.9mm前後×5m前後』『高さ2〜3m』ということでよろしいでしょうか

その認識で大丈夫です。

>・トラックの側面のアルミボディは、箱型?
> 平型『どんでん返し』を設置できる程度の面積(5平方メートル)を有した平面ですか?
> 一般的なバン型の2tトラックのバン側面は『縦2m、横3mくらい』はありそうですが。

『箱型』。他はその認識で大丈夫です。

>・『エンプティ・ステートと慧観と台車』は
> 『縦2m、横3m』の平面で『格納』可能な大きさでしょうか?

(『台車』を『作業台』と解釈)

『エンプティ・エステート』は『身長4m』。
身体を丸めるなど、無理をすれば可能。
但し、『作業台』を掴んだままでは不可能。

>・トラックのバン内部が空っぽかどうかは分かりますか?

『不明』。

>・カーブを終えるまでには『波動砲』が来そうな感じでしょうか?

どのタイミングで来るかは、『不明』。
車体は既に『カーブ』を曲がり終えようとしています。

382東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2019/01/10(木) 22:47:03
>>379

「ッ!」

『無人』の2tトラック。だが自動運転などというハイテクな機能ではないだろう。つまりは───。

「『鏡花水月』ッ!『尾藤』サン、流石じゃのぉ!」

言葉を用いて姿を消す『鏡花水月』と、その担い手である『尾藤』だ。
『スタンド使い』でこそないが、だからこそ機転が利く。この状況で、最も頼りになる物を持ってきてくれた。
また言及をすることで、再度能力を発動させておこう。
あちらから運転席は見えているのだろうが、姿が消えるというのが大事だ。
『99%』そこにいるだろうが、ひょっとして他の『スタンド使い』がスタンドで車を操作しているのでは?
消えた瞬間に車から移動して、暗殺の機会を狙っているのでは?『1%』でもそう思わせられればいい。
少しでも迷わせる時間を稼ぎたい。

>   ≪『刀』に頼ったカスみてェな『凡人』が、
>     良くもまあ、コソコソとジャマをしてくれる――――≫

『ギリッ』

コソコソと立ち回っていたのはお前こそだろうと言い返してやりたいが、
あの『森田』は太田垣のこの技を知らないが故に、こちらは隠れたか逃げたかと思っている。
今は侮辱に耐え、このツケは拳で返してやろう。
手足を軽く動かし、関節の固定を避けておく。格納されている自分にできることは少ない、ただ今は待つ。

383『迫真 -Reality- 』:2020/06/11(木) 23:31:58









                    ┌──────────────────┐
                    │  そして、全ては『決着』する――――― │
                    └──────────────────┘








.

384『迫真 -Reality- 』:2020/06/11(木) 23:32:50


   ブ             <ドバッ!>
 
      ロ                       <ドバッ!>
    
         囗
              ┌┐             ┌─────────────────────────┐
              └┘             │不可視の『2tトラック』に、弾丸は当たらない。             │
                   ート、         |大きくカーブした車体が、フルスロットルで突っ込む―――― i
                   ノ|           .└─────────────────────────┘
                       才
                         ォ、
                         /           「行けッ! 『慧観』!」
                         \
                           \ /          「『東雲』殿、『太田垣』殿、
                            ・                    後は、よしなにッ!」


中空に伸びる『橋梁』、ガントリークレーンの真下。
姿を露わにした『エンプティ・エステート』の巨躯が、       <ピンッ>
『森田』の籠城する『操縦室』の真下へと聳え立つ。

               デ ク                        ヒ
        「こ、の、『人形』どもがァ――――――ッッ!!」    ュ
                                         オ
                                             ォ

硬球大の何かが、『操縦室』から投げ落とされる。
数にして5〜6個。それが、『手りゅう弾』だと目撃する。
爆弾に取り憑いた『スピーカー』も、同じく。

       「『ビリー』から買い付けた『手榴弾』。

        二重で証拠隠滅だ。まとめてバーゲンしてやるッ!」


           ドバッ!

                l |          ボッ!
                 ┼                     「クソがァ!
             ノ|\  オ
                                     音の『衝撃波』ァ!!」
                  ッ  /
                    ・




.

385『迫真 -Reality- 』:2020/06/11(木) 23:34:52


         <バスッ!>

                    <バシュゥッ!>

                                   i |
    「ンン、  ン                     ノ \
                 i |                    才
               力 ァ ァ  !!!」           オ/
                                          ・

『慧観』が吠える。
『エンプティ・エステート』は、その太腕を振るい、
『東雲』と『太田垣』の格納された『板』を投げ放った。

その一身に『爆撃』と『衝撃波』を受け止めて―――――


         パァンッ!
                    バキャァッ!!


衝撃波の掠めた『板』は割れ、『東雲』と『太田垣』が飛び出す。
砲丸のように上昇する二人。だが、その勢いが徐々に失速する。

         「とど、くかよ」

            「アリーナでも、ここでも、
             テメェらは、天の声には届かねぇ!」

反応が早かったのは、『太田垣』だった。
ガントリークレーンの壁面に掠めた指先、瞬く間に『どんでん返し』。
生まれた足場の尖端、『ザイオン・トレイン』を纏った『東雲』が、

|
              ┌──────────┐  ギ
              │ ――――――蹴るッ │   ャ
              └──────────┘  ン /
                                   ・

         「終わらせろ、『太田垣』、『東雲』」


             「『闇』の妄執を、闘わぬ者の傲慢を――――」


                              「終わらせろォォ!!」


            キィィィィ―――――ーz______


                                   ドォォンッッ!!!!


クレーンの支柱に衝突する車体。
その轟音を真下に、『東雲』の『黒腕』は、闇夜に溶けた。




.

386『迫真 -Reality- 』:2020/06/11(木) 23:36:55

                                     i |
┌────────────────────── ,ノ \ ────┐
│「遠くからバンバン撃ってきやがってのぉ」                  .│
│                                           .│
│腹立たしいが、向こう側は『時間稼ぎ』にだけ集中すれば良い。    .│
│こちらは接近し、あの『塔』を登って一撃叩き込む必要がある。   ......│
└───────────────────────────ツ,,─┘

                            !/
┌────────────────  キ ───────┐
│>「 …気ぃ張っといてくださいよ 」                ..│
│                                     ...│
│「任せとけ」「いつでもアイツを殴る準備は出来とるけぇの」  ....│
└─────────────────────── ャ .─┘


┌───────────────────── オ  ────┐
│>   ≪『刀』に頼ったカスみてェな『凡人』が、
│>     良くもまあ、コソコソとジャマをしてくれる――――≫    .オ

│『ギリッ』                                    ..│
└─────────────────────────オ ─┘


            | ! /
            ト   
               ゴ       「ぶ、ぁ 」

               ア           「ぁ、  ぐゥゥ」
              ァ
             


その『拳骨』は、重く、鋭く、
そして確実に、『森田』の頬骨を砕き、
『操縦室』の壁面に、背広姿を叩き付けた。


         ズルッ            「ぉ、レ、お……」

                ズ          「コ 口 し ナこ
                 ル
                  ル             と、ご ぉ  へぇぇ・ ・・・」
                   ゥ
                    :


      「うぇ、へぁ」
                      「ぁ、ぁぁ」


頬から夥しい鮮血を垂れ流しながら、
『森田』は呂律の回らない舌で、虚空に視線を彷徨わせる。
打撃による『脳震盪』とは異なる。まるで『薬物』に蝕まれたかのように。


その『舌』は、『声』は、決して『真』に迫ることはないだろう―――――


.

387『迫真 -Reality- 』:2020/06/11(木) 23:38:06


       ヒュ            「降りてきたぞッ!」
          夕
           ッ/          「全員、構えろッ!」
           ・


廃人と化した『森田』を片手に、塔から降り立った二人。
その出迎えは、警棒を手にした『黒服』が十数人。
そして、『長堀』の首根っこを掴んだ、スラブ系の大男だった。

             チョールヌィ
            「『 黒 服 』、全員離れな」

            「テメェらじゃあ、束になっても敵わねェ」

掌足に『獣皮』を纏った大男は、その掌を翳した。
『長堀』を投げ棄て、二人目掛けて歩み寄り――――

            「待ちなよ、『ニコン』。
             ―――――『タダヒト』さん、危なかったですよ」

血塗れになって倒れ伏す『慧観』の傍に、膝を付く優男。
彼と重なる『ヴィジョン』の手首から伸びる『極針』が、『慧観』の背筋に突き刺さる。

そして、『2tトラック』のひしゃげたドアをこじ開け、
『尾藤』を引きずり出したのは、『向日葵』のバッチを身に付けた、スーツの男だ。
その手には、激戦の最中に放出された『タブレット』が掴まれている。


           「『闘い』に真摯に挑んだ、君達に」

           「『闘い』から逃げなかった、君達に」

           「『闇討ち』なんて選択肢が、あるはずがなかった」


『黒服』に囲まれた二人に、柔らかな微笑みを浮かべる。
その視線は研がれたまま、倒れ伏す『森田』の錯乱を見届ける。


           「頭の堅いご老人を説得するより、
            現場に来た方が、よっぽど早かった」

           「見てくれ、サブマシンガンに手榴弾。
            『アリーナ』を逸脱した武装の数々、そして『タブレット』。

            ――――『森田』、裁かれるのは、彼だったということだ」


        <ピンッ!> 
                      バサッ
                                バササッ

『男』の指が弾かれ、『黒服』の警棒が一斉に地面へと放り出される。
痺れを切らした『ニコン』が二人へと飛び掛かろうと、


            グ       「まずは、彼らを『病院』へ。
             イ
              ィ      『ニコン』、君の暴れる理由は失くなった。
              ・       これ以上は、『アリーナ』で魅せてくれ――――」
             ・
                           「チッ、やめろやめろ
                            戻るぜ、『キム』ッ」


見えない何かに腕を引っ張られたように、『ニコン』がつんのめった。
悪態を吐き、肩を竦めた『キム』と共に、二人は去っていき――――


         ピーポー
                     ピーポー


間の抜けたサイレンを鳴らした『救急車』が、二人の前に停まった。


.

388『迫真 -Reality- 』:2020/06/11(木) 23:38:31


       サラッ
               サララッ



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『タダヒト』さん。『慧観』さん護衛のため、お力を貸して頂き、本当にありがとうございました。
まずはこうして、お礼の手紙を出すので、私は精一杯です。

『東雲』君と『太田垣』君は、先日無事に退院しました。
私と『長堀』君、『山本』君、『佐上』さんは、しばらく休養が必要ですが……。
『エミカ』ちゃんは、二つの意味で、『退院』出来ました。
彼女のことはずっと気掛かりでしたが、こんな形で解決するとは――――

貴方の言う通り、『緒方』さんだけに『アリーナ』の業務を押し付けるわけにもいきません。
しばらくは『タダヒト派』は活動休止として、『ラクアクア』も休業中にしました。

結局、『森田』の『悪行』は『証拠不十分』で認められないまま、でしたね。
それでも、当の本人が『再起不能』となっては、どちらにしても同じですよね。
貴方の命を受けた『曳舟』さんの手配した『スタンド使い』、恐ろしい能力でした……。

『慧観』さんは、未だに目を覚ましません。
全身の大火傷、裂傷による大出血、即死でおかしくない怪我の数々。
何が彼の『生命』を繋ぎ止めているのか、不思議でなりません。

『桜島派』、『セクションX』が『アリーナ』を盛り上げている最中、
水を差されることはなさそうですが、――――本音を言うと残念な気持ちです。
理由はどうあれ、彼が『ヒール』として『アリーナ』を盛り上げていたのは事実ですから。

彼には闘う理由が失くなりました。
今後は『大晦日』と『葬祭』以外で顔を合わせることはないでしょう。
不謹慎だとしても、彼は……『アリーナ』を好きになってくれると、思ってましたが。

ああ、それと、『尾藤』さんはさっさと退院して、『旅』に出ると言っていました。
『今の俺には足りないモノがある』、と言い残して。……足りないモノ、それは。
――――『スタンド』、それ以外にはないと思うんですけどね。

『尾藤』さんといえば、一つ気がかりなことがあります。
私と『山本』さんは、『ダーティ・プロジェクターズ』の仕掛けられた『ラジオ』で、
『超音波』による『衝撃派』によって、ズダズダに切り裂かれました。

見えない攻撃、そこに血塗られた『鏡花水月』を持った『尾藤』さんが現れ、
『アリーナ』は彼を『実行犯』だと誤解して、彼を取り囲みました。
幸い、『東雲』さんの協力で、『尾藤』さんは脱出できましたが……。

            . . . .
        誰が『鏡花水月』に血を塗ったのでしょう?

『森田』が何かしらの『スタンド』の応用で、行ったのでしょうか?
『報告書』を見る限りでは、『血液』の運搬自体が難しいスタンドです。
そして、何の目的でわざわざ『尾藤』さんをスケープゴートにしたのでしょう?
―――――今となっては、『森田』に聞くわけにもいきませんが……。

そろそろ、右腕が痛くなってきました。
復帰したら、今まで以上に『アリーナ』は盛り上がります。
貴方の望んでいた、『虹の闘い』が見られる日も、遠くありません。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




.

389『迫真 -Reality- 』:2020/06/11(木) 23:40:25

    ―――――
                 ┌────────────┐
                 │ここは『六道』――――    │
                 └────────────┘


                                       ―――――


    「待ち侘びたぜ、クソ住職」

    「死人の机を勝手に漁って、
     余ったチケット、パクりやがって」

                 ┌───────────―┐
                 │交わる『道』は――――    .!
                 └───────────―┘

         ア リ ー ナ
    「人の『鉄火場』を、随分と荒らしてくれたじゃあねェーか」

    「そーゆー、土足でズガズガ上がって父親面するところ、
     前から気に食わなかったんだよ、おい、聞いてンのかァ!?」

                 ┌───────────―┐
                 │『修羅道』なり――――    |
                 └───────────―┘  シャランッ


    「……やはり、『幻覚』か」

    「『輪廻』は常に移り変わる。
     『修羅道』から『修羅道』へ、歩むことはなし」

『短ラン』の少年は、血気盛んな有様を見せている。
『慧観』は笑った。手には『錫杖』、石突を床に落とす。

    「―――――あ゙ぁ゙?  どーいう意味だよ?」

      アリーナ
    「『修羅道』も悪くはなかった、そういう話だ。

     来い、『知空』。お前の流儀で、話をしよう」


              ブォ!
                      ―――――ガキィン!!


    「ケッ、随分と話が解るようになったじゃあねェか!
     最初から、――――そうやって、


                     俺をぶん殴って見ろよォォ!!!!」


振るった『錫杖』は、屈強な『ヴィジョン』に受け止められる。
『錫杖』を捨てた『慧観』が、手にした『燭台』を振り落とす。


               ドガァッ!!!!


    「来いよ、クソ住職!          ス デ ゴ ロ
                     ―――――『親子喧嘩』しようじゃねェか!」

    「この世は全て『空』、形も心も、すべて消えていく。

     だから、『知空』。私は、お前をここに置いていくッ!」


『燭台』を弾かれ、空の手が残った。
それを握り締め、ヴィジョンを突き抜けた真正面。


      ―z、i |
       /            「やってみろやァァァ!!!!」
        ア
         ァ /
          ・          「クソオヤジィ――――――――ッッ!!」



堅く握られた『拳骨』が二つ、闇の中で火花を散らせる。

390『迫真 -Reality- 』:2020/06/11(木) 23:53:22

                 ┌─────────────────┐
                 │『アリーナ』は終わらない――――     .│
                 └─────────────────┘

      ヴィィィーン

真新しい自動ドアを抜ける。例年にない暖冬。冬空は明るかった。
『東雲』と『太田垣』、二人は揃って『アポロン・クリニックセンター』を後にした。

     カツ カツ カツ カツッ


『港』の一件は報道されることはなかった。
物流会社での『トラック』の盗難が紙面の端を小さく飾り、
地元の名士から新車が『寄贈』され、補填されたと後で知った。


                 ┌─────────────────┐
                 │『アリーナ』は終わらない――――     .│
                 └─────────────────┘


『太田垣』は『アリーナ』の裏側を知った。
繰り広げられるのは、腕自慢達の力比べだけではない。
闘いに掛ける想いがあり、想いに惹かれて協力する者がいて、
―――――それらを私情で踏み躙る『悪』もまた、潜んでいたのだ。


『東雲』は己の『強さ』を知った。
唯、敵を『打倒』するだけの『力』ではない。
拳の想いを汲み、血と汗に寄り添う、『闘い』を愛する力。
『アリーナ』に巣喰う『悪』を斃し、その輝きを見せたのだ。


                 ┌─────────────────┐
                 │『アリーナ』は終わらない――――     .│
                 └─────────────────┘


この町には『スタンド』と呼ばれる『力』が眠っている。
『悪意』ある者が振るえば、人に仇成す『凶器』となる『力』を、
『己』を成すために振るい、人を熱狂させる者達がいる。

彼等が集うその場所を、彼等は『アリーナ』と呼んでいる。
そして、


                 ┌─────────────────┐
                 │『アリーナ』は終わらない――――     .│
                 └─────────────────┘


.

391『迫真 -Reality- 』:2020/06/12(金) 00:08:04
東雲『ザイオン・トレイン』
太田垣『ザ・サードマン』
春夏秋『メメント・モリ』          →    『100万円』を獲得。

※いずれも『アリーナ』からの『正規報酬』として。

吉田『カナディアン・スウィート・ハート』
山本『オフィサー・キックス』
長堀『ア・パーフェクト・サークル』
佐上『キリング・オフィーリア』      →    いずれも『入院中』。

黒服『一般人』               →    それぞれの『職務』に復帰。

八坂『ザ・フラテリス』           →    『損害保険請負業』に復帰。

森田『ダーティ・プロジェクターズ』   →    『再起不能』

エミカ『サーカ・サヴァイヴ』         →    『(どちらの病院も)退院』。

ニコン『グリズリー・ベア』
キム『デ・ラ・ソウル』           →    『無傷』、『出番なし』

タダヒト『スパイロ・ジャイラ』      →    『無傷』

慧観『エンプティ・エステート』      →    『昏睡』、『再起不能』……?

尾藤『一般人』
鏡花水月『カレッジ・ドロップアウト』  →    『100万円』を獲得。
                            『修行』の旅で出発した。

392『迫真 -Reality- 』:2020/06/12(金) 00:24:39
ヴィジョンで接触した『二点』により、『描円』を行う。
『支点』からはヴィジョンを固定する『杭』が突き出し、
もう一点を『一周』させることで、超高速の『描円』が行われる。

ヴィジョンを『コンパス』にするスタンド能力だが、
本体は解りやすさを犠牲にし、頑なに『描円』と言い続けている。

『ア・パーフェクト・サークル』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E
持続力:E 精密動作性:C 成長性:A

393『迫真 -Reality- 』:2020/06/12(金) 00:25:21
痩せこけた『濡れ女』のヴィジョン。
触れた物体の『可能性』を断つ。

『木材』や『粘土』のように、
『形状』や『性質』が変動する物質であれば、
『可能性』はエネルギーの『奔流』となって『破砕』する。

歪なスタンド能力ではあるが、
『夢』から生まれた『力』であればそういうものだと、
本体は納得した上で『噛ませ犬』を演じている。

『キリング・オフィーリア』
破壊力:C スピード:A 射程距離:E
持続力:E 精密動作性:B 成長性:E

394『迫真 -Reality- 』:2020/06/12(金) 00:25:33

騎馬兵を模した『埴輪』のヴィジョン。
髪の毛を移植した人間を『損害』から守る。

あくまでも『肉体的』な欠損、損傷に限られる。
『アリーナ』の黒服が一般人でありながら、
危険な任務に挑む時は、このスタンドの能力下にある。

『ザ・フラテリス』と『被保険者』はスタンドエネルギーで繋がっており、
ヴィジョンが破壊されてしまえば、毛根ごと『意識』を奪われる。

『ザ・フラテリス』
破壊力:D スピード:D 射程距離:C
持続力:B 精密動作性:D 成長性:C

395『迫真 -Reality- 』:2020/06/12(金) 00:30:31
皮膚を剥がれた人型のヴィジョン。
自らの『感覚』を焼き付ける。

一度見たモノは、視界を外れても見逃さず。
一度聞いた声は、雑音の中でも正確に聞き分ける。
『痛み』を受けた部位に、それを上回る『圧迫』を焼き付け、
『ゲートコントロール』による疑似的な『無痛化』を得意とする。

近距離戦では強力無比なスタンド能力ではあるが、
人よりも優れた『視聴覚』は『低周波音』に過敏な反応をし、
重度の不安に苛まれた本体を、『森田』は容易く洗脳してのけた。

『サーカ・サヴァイヴ』
破壊力:B スピード:A 射程距離:E
持続力:C 精密動作性:C 成長性:D

396『迫真 -Reality- 』:2020/06/12(金) 00:35:44
全13体の『オオコウモリ』のヴィジョン。
ヴィジョンは『超音波』を発し、エコロケーションの感覚を有する。

ヴィジョンは触れた『音源』の『スピーカー』となって潜行し、
『音源』から発される『音』を『超音波』に変える。

圧縮された『音』は『衝撃波』となって周囲を襲い、
その威力は『音量』に比例する。

『ダーティ・プロジェクターズ』
破壊力:D スピード:B 射程距離:B
持続力:D 精密動作性:D 成長性:E

397『迫真 -Reality- 』:2020/06/12(金) 00:41:07

----------------------------------------------
本体の周囲に『オクタゴン』を展開する。

『グリズリー・ベア』
破壊力:B スピード:B 射程距離:E
持続力:? 精密動作性:? 成長性:?
----------------------------------------------

左手首から『極針』の突き出した人型のヴィジョン。

『デ・ラ・ソウル』
破壊力:B スピード:B 射程距離:E
持続力:? 精密動作性:? 成長性:?
----------------------------------------------

その能力は不明。

『スパイロ・ジャイラ』
破壊力:C スピード:C 射程距離:C
持続力:C 精密動作性:C 成長性:C
----------------------------------------------

398<削除>:<削除>
<削除>

399『マジナイの声』:2021/02/28(日) 22:31:28
大通りから小路に入った先、建売住宅の並ぶ一角。
『飲料水宅配業』を営む『ラクアクア』の事務所に、『鈴音』はいた。

事務所には『海洋深層水』の効能や、
ウォーターサーバーのコスパを謳う『広告』が貼られている。
無論、『鈴音』は『ウォーターサーバー』を導入しに来たわけではない。

    「『アリーナ』のルールは三つ。
     『一つ』は『観客』や『実況解説者』への攻撃をしないこと。
     『一つ』は『殺害』を行わないこと、まあ……この辺りは常識ですねぇ」

セルロイドフレームのメガネに作業着を着た中年男性。
『吉田松太郎』から『ルール』に関する説明を受ける。

    「そして、『一対一』の試合であること。
     ステージにはスタンド能力の使用に適するなら、
     道具を持ち込んだり、ギミックを用意できますが、
     大がかりな『舞台装置』は難しいでしょうねぇ」

『鈴音』は『アリーナ』での『試合』に参加する、
『ファイター』として、この『ラクアクア』に出場登録をしていた。
外見が『ホームレス』の『鈴音』に対し、『吉田』は顔を顰めていたが、
そこまで匂わないと解れば、『鈴音』の出場登録を進めていった。

400風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/02/28(日) 22:33:14
>>399

人型、襤褸を纏ったロボットが如きヴィジョン。
風を噴射し、『ゴミ』に限り質量を無視して『風に乗せる』事を可能とする。
その『ゴミ』には『社会のゴミ』である風歌自身も含まれる。
また、風を一点に噴射し続ける事で一定期間持続する『渦』を作る事が可能であり、『渦』もまた『風』と同様の性質を持つ。

『ダストデビル・ドライヴ』
破壊力:C スピード:B 射程距離:D(5m)
持続力:D 精密動作性:B 成長性:A

【能力詳細】

ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463235536/362

【服装】
厚手のダウンジャケット、デニム。鉄板敷きの安全靴。
【持ち物】
ジッポライター、カップ酒。

【プロフィール】
諦観の消えきらない抵抗主義者の『ホームレス』
人生のハズレくじに当たり続けた挙げ句に自殺ではなくホームレスを選んだ自分を『社会のゴミ』と定義しており、自分を卑下している。
のだが、ほ〜し〜み〜ランドの一軒以降、多少は前を向こうと思い始め、一歩ずつではあるが最低から『上』に向かう階段を登ろうとしている。
とはいえ、自己認識はそう変わっておらず、やはり自認はゴミである。

401『マジナイの声』:2021/02/28(日) 22:52:25
>>400(鈴音)
『鈴音』は『アリーナ』の説明を聞いている。
『ルール』自体に複雑な要素は感じられない。

    「『実況者』の合図が在り次第、
     『スタンド』を発現し、戦闘を開始してください」

    「……あー、でも、具体的な『合図』はどうだったかな……。
     『始め!』とか、『開始!』とか言うと思いますので、
     それが『合図』だと思って頂ければ……」

『吉田』は視線を彷徨わせてから、煮え切らない補足を入れた。
いや、と言葉を濁したかと思えば、困ったように『鈴音』を見る。

    「いえ、実は長く『実況者』を続けていた方が、
     突如、『引退』されてしまいましてね……」

    「『後任』を聞かされていないんです、私も。
     無論、『実況』のいろはは知っているはずですが……」

『吉田』は一枚の『紙』を取り出し、『鈴音』の前に広げた。
入場口の書かれた『試合会場』の略図が書かれている。

    「先程言った中で、必要な『道具』は用意できます。
     何かあれば、今のうちに言ってくださいね」

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。
■:『2m』の高さの壁。その上は『金網』が張られ、会場と観客席を隔てる。
∴:観客席。会場を見下ろす形となる。

402風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/02/28(日) 23:02:51
>>401
「道具の持ち込みねぇ」

風歌はしばし、考える。
神社での訓練での思考した『武器』、釘やら画鋲を用意するのは簡単だろう。
それに、ギミック……例えば、砂地とか、水辺とか、言えば用意してもらえるのだろうか?
『ダストデビル・ドライヴ』の性質上、地面に置いてある大半の物は武器になる。だが……

「欲しいもんはあるが、使いこなせるかも解らねえ……持ち込むのは、今、アタシの手持ちだけでいいよ」

風歌はそう言うと、ジッポライターと中身入りの『カップ酒』を取り出して、吉田に見せる。

「別に、飲食物の持ち込みが禁止されてる訳じゃねえんだろ?」

403『マジナイの声』:2021/03/01(月) 21:34:15
>>402(鈴音)
様々な『武器』や『環境』が脳裏を巡るが、
結局のところ、『鈴音』は何も用意をしなかった。

>「欲しいもんはあるが、使いこなせるかも解らねえ……
>持ち込むのは、今、アタシの手持ちだけでいいよ」

    「ああ、これくらいでしたら大丈夫ですよ。
     では、此方は何も用意しない、ということで――――」

『吉田』はライターとカップ酒に視線を走らせるが、
問題ないと解れば、特に調べるでもなく『許可』を出した。

    「『試合』は『三日後』になります。
     ――――『鈴音』さん、ご武運を」

404風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/01(月) 21:57:56
>>403
「武運ね……」

風歌は下を向いてけたりと笑った。
ホームレスに、『運』とは! 中々に痛烈な皮肉である。
しかし、ホームレスとして生き延びてこれたのは、『悪運』の為せる技であろうし、スタンドを得たのも『運』であろう。
そして、ライターとカップ酒の持ち込みが許されたのも、また。

「3日間、神の御加護がある事を祈って寝ることにするよ――それじゃあな」

405『マジナイの声』:2021/03/01(月) 22:20:17
>>404(鈴音)
己の『境遇』を卑下しながら、
『鈴音』は『ラクアクア』を去り、寝床へと戻る。

------------------------------------------

    『ァォォォオオオ――――ンン!!』

遠くから『野良犬』の遠吠えが聞こえる。
先程まで『ラクアクア』にいた『挑戦者』の姿を連想し、
『吉田』はおかしそうに目を細め、電話を取った。

  プルルルルルゥ♪


    「『タダヒト』さん。『選手登録』は完了しました。
     ……ですが、未だに『実況者』の名前も顔も解らないのは」

落ち着かない様子で『吉田』は『タダヒト』へと電話を掛けた。
会場設営や選手登録を役割とする『吉田』は『裏方』であるが、
『実況者』の詳細は聞かされておらず、それが『吉田』を不安に駆らせた。

    「『アリーナ』の戦闘において、『実況』や『解説』が重要だと、
     闘わない私であっても、十分に理解しているつもりですよ……」

    「基本的に『未知』である『スタンド能力』の攻防を言語化し、
     ともすれば戦闘の『素人』同士にもなるマッチングを、
     『興行』として演出できるのは、『実況』だけです――――」

    「『森田』さんは、あのような形になってしまいましたが、
     『表』でも名を馳せた『スポーツ実況』のプロフェッショナル!

     『タダヒト』さんを疑うわけじゃあないのですが、
     何も聞かされていないというのは……」

『試合』がグダグダに停滞した挙句、決着が不完全燃焼に終われば、
血気盛んな『アリーナ』の観客達が暴れ、秩序が保てないのは明らかだ。
それを懸念した『吉田』が言葉を重ねるが、『タダヒト』の声が返ってくる。

    「『吉田』さん。――――その詳細を話せないのには理由がある。
     一つは、貴方にとって、理解を超えた『未知』の領域だということだ」

    「そしてもう一つ。『実況者』の実力は保証する。
     『解説』にも私が立ち、『実況』のサポートに奮迅しよう」

    「だが、その詳細を語れないのは、唯一つ」

『タダヒト』は静かに声を落とし、重々しく言葉を発した。

    「私は、その実況者の『顔』も『名前』も知らない」

    「それだけだ。――――例のものは?」

『吉田』は言葉を詰まらせ、諦めたように呟いた。

    「用意しました。
     単純な設備ですので、設営は『黒服』の方でもできるでしょう」

普段の通り、会場設営の打合せが続き、電話が切られる。
顔を上げた時、一人の男が立っていた。

    「ああ。貴方が……。
     まずは、そこに」      『ァォォォオオオ――――ンン!!』

『吉田』が電話を取り、短縮ダイヤルを押す。
数回のコール音が鳴り、『タダヒト』が電話に出る。

    「えっ、『タダヒト』さん?

     ―――――……えっ?」

    「いいえ、私から掛けました。
     ええ、……何故? 私は、何故電話を……」

    バシッ

    「どーもー、『タダヒト』さん。
     あっ! それ! この前の空港の話!」

    「……あぁー、違ったの。
     まあいいや、選手登録に来たよー」

人懐っこそうなヒゲの濃い、アラブ系の男が笑みを浮かべた。

406『マジナイの声』:2021/03/01(月) 22:47:13
>>404-405(鈴音)
三日後、港に並ぶ『倉庫』の一角。
鉄扉の左右を『黒服』が並び、物々しい雰囲気を醸し出す。
『鈴音』が近付けば、その出で立ちに『黒服』は眉を顰めるが、
『参加者』の一人と解れば、重い鉄扉を引き開け、『鈴音』を出迎える。

    「対戦相手は『ナビール・オラービー』。
     『エジプト』は『ルクソール』出身の『遺跡探検家』だ」

    「……という肩書だが、実際は『観光ツアー』の案内人。
     枯れた遺跡をツアーガイドしては、観光客相手に小金を稼ぐ」

    「だが、……怪しげな『スタンド能力』を使って来るぞ。
     『アリーナ』を沸かせる、素晴らしい『闘い』を願っている」

『鉄扉』を開ける間、『黒服』の二人は『対戦相手』の詳細を伝える。
やがて、完全に開いた『倉庫』の中へと『黒服』に案内され、
『鈴音』は後付けの『階段』を下り、地下へと下っていく。

    「この先を進めば、『アリーナ』の会場だ」

薄暗い廊下の奥から、『コンクリートパネル』の敷かれた、
『アリーナ』の会場が見える。天井から下がる『投光照明』は眩しく、
天井から鉄骨で吊り下がる二畳ほどの『実況解説席』には、
スーツの男が一人で座っている。

    「――――皆様。ようこそ、『アリーナ』へ。
     今宵、催されるは『生』と『生』の真っ向勝負」

    「かたや、コンクリートの冷たさに身を預け、
     明日をも知れぬ『薄幸』を生きる、一人の少女!」

    「かたや、失われた『歴史』の残骸に群がり、
     好奇の目を射抜く『冒険者』が一人!」

朗々とした声が『マイク』を通じて響き渡る。
一方、微かに見える『観客席』の様子は尋常ではない。

    「いいからさっさと『実況』出して来いよ!」

    「『タダヒト』ォ! テメェーがマイク持ってどーすんだよ!」

    「なんで席にいねぇーんだよ!」

    「テレビの設営、さっさと終わらせろや!」

ぶちキレた『観客』の怒号は止まらず、やんややんやとブーイングが飛ぶ。
『実況席』が空席なのは明らかだ。

407風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/01(月) 22:59:59
>>406
(まるで、マンガの中の世界だな……)

大量の観客が見守る中、超能力者が戦う闘技場。現実とは思えないような現実にが、歩を勧める風歌を待ち受けている。
そして、その先には『敵』をも。

(遺跡探検家、ねぇ。実態はツアーコンダクターみてーだが)

つまりは、人様の墓を他人に見せびらかして金を得る類。
立派な仕事なのだろう――少なくとも、ホームレスよりは真っ当だ。
そして、勝っている――社会的には。
だが……スタンドの戦いでは、どうだろうか?

「まぁ、ゴミの五分を見せてやるだけだ……!!」

戦いに挑む決意を完成させた風歌は、『アリーナ』の会場へと踏み出した。

408『マジナイの声』:2021/03/02(火) 20:50:46
>>407(鈴音)
『職業』そのものに揶揄めいた感情を宿しながらも、
『職』を持って『社会』に関わる以上、その立ち位置は『鈴音』より上。
『鈴音』は結論付ける。――――無論、『試合』では解らない。

一つ言えるのは、『観客』の前で闘いを繰り広げる『鈴音』もまた、
一時的とはいえ、『地下社会』への参加を果たしたということだ。

    ザリッ

    「今、『鈴音』選手が入場します。
     そして、――――『実況』の準備も、
     只今を以って、『完了』したと報告します」

薄汚れた衣服を纏った少女の登場に、
観客達は言葉を失うも、瞬く間に『歓声』が響き始める。

    「『アリーナ』に参加した以上、女子供も関係ねぇー!」

    「這い上がって見ろやぁ、『鈴音』ェェ―――!!」

観客達の野太い『声援』が響き渡り、『鈴音』を出迎える。
『アリーナ』に足を踏み入れた『鈴音』は、会場の全貌を目の当たりにした。
東西の『壁』に『茨』の如く巡るのは、切っ先も鋭い『有刺鉄線』。

             ――――――パッ!

一方、ステージ中央の『4m』上に位置する『実況解説席』には、
巨大な『液晶パネル』が設営されていた。
画面が点滅し、周囲の『壁』に埋まった『スピーカー』から『実況』の声が響く。

    ≪ただいま『入場』しました『風歌鈴音』選手ッ!
      身長は163cm! 見た目通りの『ホームレス』!≫

    ≪風に吹かれる根無し草は、このアリーナで花開くか!
      底辺から這い上がるシンデレラストーリー、こう期待です!≫

『液晶パネル』に映し出されるのは、長いラッパ袖の白衣を纏った少女だ。
跳ねの目立つ紫色のショートヘア、金銀に光り輝くオッドアイ、泣きほくろに五芒星。
現実味のない風貌。それもそのはずだ。――――映されるのは『実写』ではない。

    ≪さあ、『ナビール』選手の登場の前に、
      申し遅れました! 『アリーナ』の皆さん、ハローボンボン!!≫

    ≪彼方の『電脳空間』から、貴方の心にインストール!
     『アリーナ』の実況担当、『六連セカイ』です!≫

    「はっ? おいおい、なんだこれ――――」

    「俺達、何を見せられてんだよ……」

    「ざけんなおい! 『Vtuber』じゃねぇーか!」

不意打ちを喰らった観客達のどよめきと野次が飛び交う中、
加工された『電子ボイス』の自己紹介が、会場内に響き始める。

    ≪今日は、解説の『タダちゃん』と一緒に、
      二人の『試合』の見どころ! スゴイとこ! カッコイーとこ!
      いっぱいしゃべってくから、会場のみんなも一緒にもりあがろー!≫

    ≪さぁーて、登場するのは『ナビール・オラービー』選手!
      『熱砂』と『大河』、歴史を誇る遺跡の数々、――――『エジプト』!≫

   ザッ!

現れたのは人懐っこそうな顔立ちをしたアラブ系の男だ。
両頬まで豊かに蓄えた『髭』の奥から、愉しそうな笑みを浮かべている。

    ≪身長175cm! 遥々『エジプト』からやってきた『遺跡探検家』!
      柔らかい表情に隠された『呪術』は、何をみせてくれるのかぁー!?≫

    ≪更なる『スリル』を求め、『ナビール』選手のリクエストは、
      チクチク攻撃じゃあすまない『有刺鉄線』! ついでに『電流』付き!≫

    ≪バッチバチの『電流デスマッチ』! いよいよスタートです!
     さぁ、お互い見合って、準備はオーケー? 深呼吸する?≫

『セカイ』はテンションの高いトークを捲し立てながら、
二人の様子を伺っている。――――間もなく、『ゴング』が鳴るだろう。
『ナビール』は会場に手を振り、身に付けた『サバイバルジャケット』のポケットに手を入れる。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□□□ナ□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□鈴□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

409風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/02(火) 22:09:21
>>408
(リクエストしたら、ここまでやってもらえんのかよ……)

唖然としながら、もはや癖になりつつある悔いを風歌は覚える。
電流付きの有刺鉄線――ギミックのリクエストは有りとは聞いていたが、ここまでとは。
こんなのアリかとも思いつつも、聞かなかったのは己のミス。潔く受け入れて、戦うしか無い。すでに準備は出来ているのだ――準備するものがないという形ではあるが。

(初手は……)

風歌は、ポケットの中の『カップ酒』の感触を確かめた。
相手の『対応』と牽制と布石として投げつけたい所だが、『人並み』である『ダストデビル・ドライヴ』の腕力では、10mは届かないだろう。
と、なれば……

(『ゴング』が鳴り次第、まずは距離詰めだな)

スタンドを出しながら駆け寄る――ただし、最高でも『5m』の距離は保つ。

(まずは、様子見も兼ねて行くしかねえな)

風歌は一つの腹をくくって、ゴングの時を待つ。

410『マジナイの声』:2021/03/02(火) 23:33:26
>>409(鈴音)
東西を挟む『有刺鉄線』の禍々しさに、『鈴音』は言葉を失う。
『アリーナ』とは『お遊び』ではない。この場に参加する誰もが、
『本気』の試合を臨んでいる。その権化ともいえる『ギミック』。

    ≪いざ尋常に、『勝負開始』ぃぃ――――!!≫

    ダッ!

『セカイ』の電子ボイスが響き渡り、『試合』が始まった。
『鈴音』は発現した『ダストデビル・ドライヴ』と共に前方に駆け、
『ナビール』との距離を一気に詰める。

    ズギャッ

           『アォォォ――――ンンッ!!』

一方、『ナビール』はその身から『ヴィジョン』を発現する。
『咆哮』と共に現れたのは『犬頭人身』のスタンドだ。
『三つ首』の『犬頭』の一つが、高らかな遠吠えを上げる。

    ≪さぁ、両者共に『スタンドヴィジョン』を発現しましたぁ!
      ボロボロのマントを羽織った『ダストデビル・ドライブ』!
      『風来坊』然とした立ち姿、ここから何を見せてくれるのかぁ!?≫

    ≪一方、三つ首のスタンドは『イル・ニーニョ』!
      雄叫びと共に姿を現した。――――おっと、『ナビール』選手……≫

    チャリリンッ

『ナビール』がポケットから放り投げたのは、十数枚の『小銭』だ。
見慣れない貨幣であるが、『スタンド物質』ではなさそうだ。

    「『喜捨』、いたしまーす。
     『スズネ』さーん。『今日の財産は神の恵み』」

    「そして、『今日の勝利も神の恵み』。
     遥々遠い地からご苦労さんだと言って欲しいですが、
     一緒に『勝利』と『30万円』ももらっていきまーす」

にこやかな『笑み』を浮かべたまま、
『ナビール』は突っ込んでくる『鈴音』を突っ立ったまま見守っている。

    ≪おおっと、まさかの『お恵み』だぁぁ――――!!

      『ナビール』選手、相手の境遇を見ての『挑発』でしょうか!?≫

    「『喜捨』は『五行』の一つ。
     『エジプト』では『コジキ』も立派な職業になっている」

    「……だが、この状況下で行うべきかは、疑問が残るな。
     何かある、と考えた方が懸命だとは思うが――――」

『タダヒト』はその視線を『貨幣』に向け、考え込んでいる。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□□□ナ□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□銭□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□鈴□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

411風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/03(水) 18:56:57
>>410
自分の背景に由来する挑発――それを兼ねてもいるのだろうが、それだけでは無いだろうと風歌は思う。
敢えての『無駄』でこちらを縛りに来た可能性もあるが、まずは悪い方からか投げる。

(罠か、布石か……)

既に『スタンド能力』が仕込まれていて、『触る』事で何かが起きる罠。
それとも、『金を撒く』『与える』過程を生むことで、何かを起こす戦闘の布石。
あるいは――『無い』ものを恐れさせる為の完全なハッタリか。

(とりあえず、触りたくはねぇな……)

風歌はまず、『ダストデビル・ドライヴ』の風で吹き散らす事を考えるが……

(それをやると、突風はともかく、『ゴミの質量無視』がバレる)

自分から手の内を晒す――愚かである。
だが……何も出来ない、『動かない』のは最悪だ。
オムレツを作るには、卵を割らなければならない。結果として出来るのがスクランブルエッグになるとしても、卵は割らなければならないのだ。
だから

「わりーな、おっさん」

風歌は、『ダストデビル・ドライヴ』の左手を、地面に落ちた『貨幣』に向ける。

「もっとでっかい銭が手に入るって分かってる時に、『拾い食い』はしねーんだわ――返すぜ!」

そして――噴射距離を『3m』に指定した突風(パCスB)を、貨幣に向けて放つ!

(石橋を叩いて渡るが、杖の長さは隠させて貰うぜ)

最大射程、5m。この距離の隠蔽はイザというときの『飛翔距離』を見誤らせる『仕込み』である。機能する状況に至らなければ良いのが、一番ではあるが
そして、『普通』の貨幣であれば、散らばって飛び散るだろうが――風歌は貨幣の成り行きを見守った。

412『マジナイの声』:2021/03/04(木) 22:12:19
>>411(鈴音)
『鈴音』は間合いを詰めながら、
『ダストデビル・ドライヴ』の掌を翳し、『突風』を放つ。

『何もしない』という選択肢もあったが、明らかな『布石』を前に、
『ナビール』の初手を挫こうと、『ダストデビル・ドライヴ』を動かす。

     ブシュォォ!!

>「もっとでっかい銭が手に入るって分かってる時に、
>『拾い食い』はしねーんだわ――返すぜ!」

    ≪『ダストデビル・ドライヴ』、翳した掌がはためくッ!
      いや、違いますッ! あれは、――――『風』ッ!≫

    ≪はした金は『不要』とばかりに、コインを蹴散らしましたッ!
      ぶっとい万札の束を掴むため、尚も『ナビール』選手へ駆けるッ!≫

『ナビール』は『西側』へと移動するも、
触れもせずにバラけた『貨幣』を見遣り、
逡巡するように『ダストデビル・ドライヴ』に視線を向ける。
『貨幣』は照明を反射して鈍く輝くが、特段の『変化』は見られない。

    「おーう、勿体なんじゃないですかー?」

    「でも、……もう貴方は『呪術』のトリコ。
     ――――『イル・ニーニョ』はもう、
     貴方の傍から離れはしないのです」

   ≪『ナビール選手』、宣戦布告ゥ!
     既に『スタンド能力』を発動させた様子です!≫

    「ゴタゴタ言ってねぇでさっさとやれやぁ!」

    「壁際でまったりしてんじゃねぇ!」

    「『鈴音』来てっぞ! イキってる場合かよ!」

『ナビール』は既に『5m』の間合いに入っている。
前方へと駆ける『鈴音』を泰然と待ち構える『ナビール』に対し、
苛立った観客の罵声が飛び交う。

   ザリッ
          ――――ダッ!

『ナビール』が姿勢を低くする。
間合いに入った『鈴音』に対し、『逆時計』に回るように、
地面を蹴って『全力疾走』を始めた。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□ナ□□※□□□棘∴∴
∴棘□□□□※□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□鈴□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

413風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/04(木) 22:55:35
>>412

――全てがハッタリである。その可能性は無いだろうと風歌は思考した。

(アタシがそうであるように、向こうだって勝つためにやってるんだ。つまり、アタシはアイツの『能力』に嵌った)

それは、間違いないのだろう。そうでなければ向こうは勝てないし――勝つためには攻めなくてはならないのだから。
状況は、確実に不利――ならば、どうするか。

(何をされてるかも解らねえなら、『待ち』は無しだ。リスク覚悟で――突っ込む!)

だが、その前に――風歌は、『カップ酒』を取り出し――『ダストデビル・ドライヴ』で――『全力疾走』中のナビールに投げつける!(パCスB精密B)

(距離、は確実に射程内! 速度に関しても『全速力』なら急には止まれねえ――移動先は読める!)

それで、『スタンド』で防ぐなら『速度』は判断できるし、『能力』で防ぐならヒントは得られる。『外した』なら最悪だが、そうでなければ地面に『落ちる』ことになるので――『破片』は生まれるだろう。
そして、明らかに風歌を上回る『速度』でなければ――あるいは、外したのなら――

(そのまま――突っ込んで――風を顔に浴びせながら――殴りにいく!)

仮に、風歌を『上回る』なら、一歩引かねばならないが……今は、往く時だ。

「オラァッ! 逃げてんじゃねー!!」

風歌は、叫びながら自らの思考を行動に変え始めた。

414『マジナイの声』:2021/03/04(木) 23:42:58
>>413(鈴音)
『間合い』を詰めた今が『好機』だ。
『鈴音』は足を止め、間髪入れずに『ダストデビル・ドライヴ』が、
その右手を振るい、手にした『カップ酒』を投げ付ける。

    ヒュバッ!

    ≪取り出したのは『カップ酒』ッ!≫

    「うおおっ!」

『ナビール』は咄嗟に『イル・ニーニョ』の腕を振るうが、
そのスピードは遅く、何よりも腕の軌道は『雑』だ。パス精CCD

    バキィ!

   ≪直撃ぃぃ!!

     『ナビール』選手の『側頭部』に、『ホームレス』の洗礼です!
     安酒の一撃は頭に回るぞぉ! 『ナビール』選手はフラフラだぁ!≫

    「なまぬりぃんだよ、エジプト人!」

    「すっとれぇスタンド振り回しやがって!」

    「テメェのケツにピラミッドぶっ刺すぞ!」

      ドサァ――――

『酒瓶』は『ナビール』の『側頭部』に命中し、
『ナビール』は身体をグラつかせ、転がるように地面へ倒れる。
『鈴音』は身体を半回転させ、勢いもそのままに、
『スピード差』も如実な『イル・ニーニョ』に追撃を――――

>「オラァッ! 逃げてんじゃねー!!」

           『アォォォ――――ンンッ!!』

    「逃げるのは、――――どっちでしょーねぇ?」

    「私、今日はもう『無一文』なんですよ……」

地面に倒れ伏したまま、『ナビール』はニヤリと笑った。
『イル・ニーニョ』の遠吠えが響き、……その『犬頭』の一つが『消失』する。

     ググッ
           ―――ダッ!!

    ≪流石は『鈴音』選手ッ! 倒れただけじゃあ『終わり』じゃあない!
      そのまま真っすぐ駆け、――――ええっ!?  あれれぇ!?≫

『鈴音』は地面を駆けるも、向かう先は『ナビール』の下ではない。
まっすぐ『前方』へ走り出し、――――『鈴音』の『意思』を無視したまま、
競技場の『壁』目掛けて、全力疾走を始める。

    ≪『タダちゃん』! 解説の『タダちゃん』!
      あれどうなってるの!? ――――ちょっと、何で黙ってるんですか!?

      あのままじゃあ、『鈴音』選手の前には――――≫

『セカイ』も『鈴音』の様子に気付き、『タダヒト』への解説を求める。
しかし、『タダヒト』は黙したままだ。身体を動かさず、だんまりを決め込んでいる。

    「おい、どーなってるんだよ!?」

    「あれが、『呪術』か――――!?」

『ナビール』は倒れたまま、『鈴音』はそれを尻目に『北西』へ駆け抜ける。
『減速』は起きない。『鈴音』の意思を無視したまま、
『有刺鉄線』はその鋭い棘を『鈴音』へと向けている。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘_□□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□|\□□□※□□□棘∴∴
∴棘□□□.\※□□□□□□棘∴
∴棘□ナ□□.鈴□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

※矢印付近に『カップ酒』の破片や酒が飛んでいる。

415風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/05(金) 18:10:04
>>414
「チィッ!」

敗北に向かって走らされながら、風歌は唸る。
何をされている? ――違う

(アタシが何をしたからこうなった!?)

スタンド能力とは、それがどれほど余人には納得し難いものであろうとも、因果の法則には則っている。
何かをしたから=されたから、起きる。向こうの『スタンドヴィジョン』は一部消えたが――消すための引き金を引いたのは向こうでも、引き金を引くための条件を満たしたのは『こちら』だろう。

(『金を吹き飛ばし』、そして『カップ酒を投げつけた……』。少し違う。野郎は、まず『金を恵んでアタシに何かをさせようとした』)

それが何かは解らない――しかし、今の、散ったガラスの――風歌が『投げ捨てた』ものへ走らされている状況を見る限り。

(アタシが仮に金を掴んで投げ返しててたら、今みてぇな事になってたんだろうな!)

その上で――今、どうするか。
ガラス片が『どこまで』飛んだかは見えないが、このままだとぶつかって負ける。
『突風』で『飛ぶ』を使うしか無いが……どこに?

(――当然、野郎の所へだ。他に逃げても、走らされるのが止まる保証はねえ、射程外に逃げ切られたら、『詰み』だ)

問題は――どの様に?

(単に『アタシだけ』飛ばしたら……野郎の真上で止まれたとしても、スタンドで迎撃される。つまり、『スタンド』と飛ぶ必要がある。だが、突風で飛べるのはアタシだけ……まてよ?)

――手は、ある

(まず、野郎に『ダストデビル・ドライヴ』の『背を向ける』形でアタシに『ダストデビル』・ドライヴを、『掌を内側に向けて』抱きつかせる……そして、ゼロ距離の『突風』でアタシごと飛ばす!)

当然、突風の威力(パス:CB)をゼロ距離で受ける事にはなるが、一撃で致命傷になるほどの威力はない――耐えきれるだろう。
『ダストデビル・ドライヴ』自身に『重量』は無く、『スタンドの接触干渉部位』は任意である。地面に固定するのではなく、『微浮遊』の状態であれば、飛べる可能性はある。

(飛べねーにしても、『飛べねー』が分かれば糧にはなるし……『飛べなかったら』とりあえずリングの内側に急いでアタシを5m突風でぶっ飛ばす)

そして――それだけでは、足りない。

(野郎の『真上』に来たら、急いで(ス:B)アタシを突風(パス:CB)で――リングの内側に5mぶっ飛ばす! 『風の射程距離とアタシのスタンドの射程距離はイコール!』当然、アタシのスタンドはヤツの間近にいるまま――そっから先は)

――兎にも角にもぶん殴り続ける(パス精:CBB)。
そして、風歌が同じルートで再疾走を始めたら、突風(パス:CB)で内側にまた吹き飛ばす。
違う位置に走り始めたら、あるいは『突風を向けた先に棘があり、その距離が2mを切ったなら』全速力(ス:B)でスタンドを戻して『リングの中心』に向けて風歌を飛ばす。。

(残り二つの頭にビビってる余裕はねえ! 今は攻めだ!)

思案をまとめた風歌は、大急ぎで策を実行に移した。

416『マジナイの声』:2021/03/05(金) 22:41:38
>>415(鈴音)
奇怪なる『スタンド能力』のトリガーが自身の『行動』にあると推察し、
『鈴音』は『ダストデビル・ドライヴ』を自身に抱き着かせ、

    ピタァァァ……

『抱き着かせられない』。
『ダストデビル・ドライヴ』の操作が利かず、
『鈴音』に追従するように『停止』したままだ。

だが、たまたま掌が『鈴音』の方を向いており、
そこから『風』を飛ばすことは出来た。

    ブバシュゥゥ――――

    ≪『鈴音』選手、自らを吹っ飛ばしたぁぁ!!
      電流への『デッド・ラン』を打ち切らせ、横転するぅ――――!!≫

『突風』を間近から喰らい、『鈴音』はその場に倒れ転げた。
『全力疾走』のパワーに対し、真正面から『風』を受けたため、
『吹っ飛ぶ』ことはなく、その場での『転倒』に終わる。

    「『衝動』を引き起こす、それが『イル・ニーニョ』の『呪術』でーす。

     『鈴音』さん。――――貴方のスタンドは、とっても強いですねぇー。
     『エジプト人もビックリ』。なんならちょっと、頭がズキズキする……」

    「でも、『衝動』の前には『無力』なのでーす」

『ナビール』が先に立ち上がり、『イル・ニーニョ』を構えさせる。
地面に倒れた時、『鈴音』の視界に映るのは、真上の『解説席』。

    ≪『タダちゃん』! サボってないで、解説解説ッ!≫

    「おい、あれは『サボってる』んじゃあねぇ……」

    「『タダヒト』の肩、――――『イル・ニーニョ』が!」

観客の声に気付いた『セカイ』が、掌を空中でスワイプする。
何処かの『カメラ』に切り替えたのだろう。

    『ァォォォ……ォォォ……』

微動だにしない『タダヒト』の肩には、『イル・ニーニョ』の『犬首』が乗っている。
ヴィジョンの時よりも一回り小さい、ハンドバッグサイズの『犬首』。
そして、『地面』を転がった時、『鈴音』もまた己の肩口に視線が移り、

    『ォ……ォォォ……ンン』

反響するように微弱な吠え声。
『犬首』は『鈴音』の肩にも憑依し、悩まし気な遠吠えを上げる。

    「おーう、これは不幸な『事故』。
     『Vの方』には『射程外』のようですが、
     『タダヒト』さんにはバッチリ、ハマっちゃいましたねー」

    ダッ

『ナビール』が『鈴音』へと駆ける。
倒れたままの今、立ち上がって走り出そうとする『衝動』は起きない。
だが、『ダストデビル・ドライヴ』は指一本動かせない――――

※『鈴音』は仰向けに転倒。
  『ダストデビル・ドライヴ』は、その傍に立ち尽くしている。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□□□□※□□□棘∴∴
∴棘□□□鈴※□□□□□□棘∴
∴棘□ナ□□.□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

417風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/05(金) 23:51:11
>>416

(何をされている?)

倒れた風歌の思考は、この問いに集約される。
そして、立ち上がろうとしながら、思考を纏める。

(アタシが何をされているのか、どうすれば『スタンド』を動かせるのか――)

それを解かない限り、『次』で詰みだ。

(野郎の能力は、『衝動』――そして、『無気力』だろうな……)

相反する感情の暴走――問題は『発動条件』、あるいは『回避条件』である。

(まず、アタシと同じ目にあってるのは、解説役だ)

解説役と社会のゴミの共通点――無い。
次は、自分と敵の相違点――『ある』

> 「私、今日はもう『無一文』なんですよ……」

(持つものは『動く必要がない』持たざる物は、『突き動かされる』。金持ちが自堕落になるように、ゴミが、藻掻くように)

と、なれば――風歌は、ポケットの中にある『最後』の財産――『ジッポライター』を意識する。

(こいつを捨てる――いや『恵む』か?)

『無一文』になれば、『同条件』しかし、『衝動』の発動条件を満たす――『お互いに』

(野郎が『伏せた』のは、自分にも能力が引っかかるだろうしな)

ならば――風歌のすべきことは/できる事は只一つ。

(どうにかして立ち上がる、最悪でも『ジッポライター』を投げれる体勢になって、アタシの腕力で『ジッポライター』が届く距離になったら――『貧乏人に恵んでやるよ! これでアタシも無一文だ!』って言って、ジッポライターを投げつける!)

まずは、スタンドを動かせなければどうにもならない――風歌は、行動方針を確定させた。

418『マジナイの声』:2021/03/06(土) 21:41:49
>>417(鈴音)
『鈴音』はポケットの『ジッポライター』を意識する。
『ダストデビル・ドライヴ』の操作は敵わないが、
ポケットの『ジッポライター』を手に取ることは出来る。

そして、既に『ナビール』は投擲の射程に入っている。
(※距離『2m』。前レスのMAP参照。距離はそこから測ること)

    ≪『鈴音』選手、立ち上がれませんっ!
      『ナビール』選手は、すぐ傍まで来ていますぅ!≫

    「さっさと立てやぁ、『鈴音』!」

    「寝たきゃあ公園のベンチで寝てろや!」

倒れたままの『鈴音』に観客からの罵声が飛ぶ。
『ナビール』は『鈴音』の傍まで接近し、
『イル・ニーニョ』が『咆哮』を放つ。

     『ウォォォォ――――ンン!!』

    「日本の皆さん、マジメで立派な人ばかりでーす。

     ――――ですが、私の国に来れば『豹変』する。
     興味のない『遺跡』、高くて口に合わない『料理』、
     ニセモノだと解って買い漁る『ブランド品』――――」

    「まるで『衝動』に取り憑かれたみたいに、
     みんながみんな、少しでも『お土産話』を増やそうと、
     私みたいなアヤシー『ツアーコンダクター』にも耳を貸す。

     ――――それと同じ。ごちそーさまでーす」

    ドゴォ!

    ≪立て、立てぇー! 『鈴音』選手!
      このままじゃあ『サンドバッグ』です!≫

『ナビール』は喋りながら『イル・ニーニョ』の右腕を振り翳し、
棒立ちとなった『ダストデビル・ドライヴ』の腹部を殴りつける。パス精CCD
ノーガードの『鈴音』の腹部に重い衝撃が走り、意識が吹っ飛びそうになる。

    「――――やられたな。
     どうやら、『喋り続けた』方がいいように見える」

    「単純な『格闘戦』であれば『ダストデビル・ドライヴ』の方が有利。
     だが、スタンドのパワーに劣るからこそ、『有刺鉄線』を用意した」

    「『行動』の操作という能力下で、最大限の『ダメージ』を与える為に。
     闘いの『組み立て』において、『ナビール』の方が上回っている――――」

スタンド能力から復帰したのか、『タダヒト』が解説に入った。
棒立ちとなった『ダストデビル・ドライヴ』を前に、
『三つ首』に戻った『イル・ニーニョ』は左の拳を振るい、『追撃』を放つ。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□□□□※□□□棘∴∴
∴棘□□□鈴※□□□□□□棘∴
∴棘□□ナ□.□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

419風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/06(土) 22:26:05
>>418
「ゲホッ!」

風歌は痛みに悶える、苦しむ――だが、ホームレスつねに悶え苦しみ生きるもの。
その日常故か――無抵抗な腹を殴られながらも、風歌は意識を保てている。
そして――最後の賭けに挑むチャンスは、生まれている。
だが、その前に、一つ。思考が生まれる。

――喋り続ける。

(くそったれ、沈黙は『金』とでも言うつもりかよ。だんまりは『金持ち』か怠け者ってか?)

あるいは、『仕事』か。
だが、何れにしても――今、出来ることは、二つ。
痛みに悶えながら、風歌は口を開く。

「ごちそーさま? そいつはな、何かを食い終わってから言う台詞だろ?」

そして、手の中の『ジッポライター』をナビール目掛けて――投げつける!

「せっかくだ、そいつでも食っとけよ――アタシの最後の財産をお恵み、だ」

これがどうしょうもない無駄に終わるなら、『負け』だろう。
だが、『それで終わらない』=『ダストデビル・ドライヴ』が動くなら。いや、足りない。
今この瞬間から――『ダストデビル・ドライヴ』に、とかく『イル・ニーニョ』の腹を殴らせようとする。そうでなければ、『間に合わない』だろう。
後は、『ダストデビル・ドライヴ』が動くかどうか、『それだけ』だ。

420『マジナイの声』:2021/03/06(土) 23:19:07
>>419(鈴音)
地面に倒れたまま、『鈴音』は『ジッポライター』を取り出し、
『手投げ』によって、『ナビール』目掛けて『投擲』を行う。

>「せっかくだ、そいつでも食っとけよ――アタシの最後の財産をお恵み、だ」   

     ビュッ
              パシッ!

    「こりゃあどーも、後で返しますねぇー」

『ナビール』の身体に『ジッポライター』が当たるも、
倒れたままでは『パワー』は伝わらず、『攻撃』にはならない。
そして、『ナビール』にも『鈴音』にも、このやり取りを経ての『変化』は発生しない。

    バキィ!

    ≪『イル・ニーニョ』の二撃目、またしても『腹部』を殴るっ!

      『ジッポライター』の抵抗もむなしいばかりっ!
      最早、『鈴音』選手に『勝ち目』はないのかぁぁ――――!?≫

    「スタンドでハメたらリンチし放題だぁ!?
     『アリーナ』にそーいう展開求めてねぇーんだよ!」

    「鎬の削り合い、火花の散り合いを見せろやボケェ!」

    「クソみてぇな試合しやがって! 裏でボコるぞザコがぁ!」

     ガシャガシャガシャガシャッ!!

あまりにも一方的な展開に、フラストレーションの溜まった『観客』がキレ始め、
会場と観客席を仕切る『金網』をガシャガシャと揺らし、怒りを露わにしている。

    「おーう、ここの『ツアー客』の皆さん、民度低いですねぇー」

『ナビール』も驚きを隠せず、肩を竦めている。
そして、『イル・ニーニョ』が三発目を入れようとした時、

       バキィッ!!

    ≪入ったァ――――ッ!!  『鈴音選手』の反撃ぃ!≫

『ダストデビル・ドライヴ』の拳が、『イル・ニーニョ』に命中する。
攻撃を喰らった直後と言うこともあり、辛うじて『当てた』という程度だが、
『ナビール』はよろめきながら背後へと下がり、攻撃を止める。

    「私が喋り出した時点で、既にスタンドは動けたようだが、
     ――――その『解除』が体感できない。『イル・ニーニョ』の恐ろしい点だ」

    「それが恐らく、『呪術』の正体に関連しているのだろう。
     ……『ナビール』選手。確認しておくが、『観客』への攻撃は厳禁だ」

『イル・ニーニョ』の首が戻った時点で、『鈴音』と『ダストデビル・ドライヴ』に宿る、
『呪術』と呼ばれる『スタンド能力』は解除されたのだろう。
故に、『タダヒト』は解説を再開することが出来た。

    「だが、スタンド能力に『巻き込んで』しまった場合は、
     それが『攻撃』の域を出ない限り、『不問』とする」

    「―――――ッ!
     ……おーう、これはどうもご親切に」

    「ガタガタうるせぇ! なんだろうとブッ放して来いやぁ!」

    「最前列に陣取った時点で、病院行きは覚悟の上だっつーの!」

『タダヒト』の口添えに対し、『ナビール』は皮肉げに笑った。
『観客達』も高いボルテージのまま、『ナビール』からの『呪術』に腹を括る。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□□□□※□□□棘∴∴
∴棘□□□鈴※□□□□□□棘∴
∴棘□□□□.□□□□□□□棘∴
∴棘□ナ□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴棘□□□□□□□□□□□棘∴
∴∴棘□□□□□□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

421風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/07(日) 01:21:21
>>420

「ハァッ、ハァッ……クソが」

『無駄打ちに』は終わった様だが、少なくともスタンドの制御は取り戻した。
少なくとも、『最悪』は『脱した』。だが、あくまでも『一時的』だ。

(種を見抜かねえと、勝てねえな……)

立ち上がった風歌は思考する――まずは、『何が出来るスタンド』なのか?

(『発動条件』は考えねえ、まずは何が出来るかだ!)

1つ、『風歌を一定方向に走らせた』
2つ、『ダストデビル・ドライヴと解説者の動きを封じた』
そして、3つ、『観客の行動が熱狂的』

(これら全部を『1つ』の能力と定義するなら――『行動の固着』か?)

『走れば』『走り続ける』『解説をしたら』『解説をし続ける』『何もしなければ』『何もできなくなる』『怒れば』『怒り続ける』
そして、『首』……

(フツーに考えりゃあ、『能力を叩き込める対象の数』なんだろうが、観客どもが『引っかかってる』所を見ると。他にあり得るとしたら……)

――的。

(『行動の定着』事態は全方位の無差別だけど、完全に『意思を無視する』レベルの強制力を与えるには、『首』を植え付ける必要がある)

……そして、解説役は、なんと言った?
――喋り続ける。
『この戦いの最初に、奴は何をした?』

――『遠吠え』

(声か……)

風歌は、唸った。

(『能力の発現対象はスタンドの声を浴びた全員』『声の届いた範囲を射程内として『首』を植え付けて衝動の操作を行える』――違う! もう一歩!)

――声は、何をした?

(唸った……)

ならば、つまり。

(『定着』の条件はスタンドの声を聞くことで、『定着』出来る数が『首の数』。それで、アタシを仕留めきれなかった事を考えると――『定着に時間制限』はある)

そして――能力の超え方。
『自分』と『解説役』の共通点。近くに、『声』を発するものがいない。
そして、観客を巻き込む可能性があるのは――観客に『声』が届くからだろう。
つまりは『3つ目の首』が誰かに飛んでいく可能性がある。だが、『喋り続ける』事でどうにか出来る可能性があるのなら。

(声は、声で掻き消せる――けれど、『機械音声』じゃあダメなんだろうな。生身の声で掻き消さにゃ)

しかし、解説と風歌とでは『声を聞く位置』が違う、向こうは『遠吠え』を出せるのだ。

(『鼓膜』をぶっ潰すって手もあるが、声を『聞く』じゃなくて『浴びる』が条件だったら意味ねーしな)

ならば――どうすべきか? 
『一撃必殺』を望めぬ風歌は、『マジナイの声』を掻き消さなければ勝てはせぬ、どうすればいいか?

(前はしくじったが、今回は、どうだろうな)

立ち上がった風歌は――『ダストデビル・ドライヴ』の拳を『全速でメチャクチャに』(パス:CB)ぶんまわしながら、声を張り上げた。

「さっきからガタガタうるせぇんだよ! このクソボケ共が!」

両手を広げて周囲を見渡し――『観客たち』に向けて大きく叫ぶ。
ナビールがどう動くかにもよるが 後は、どこまで『言えるか』だ。

「黙って聞いてやってりゃくだらねぇ雑音撒き散らしやがって、うるっせぇんだよ、ゴミ共が!」

そして、間髪をいれずに『「最前列に陣取った時点で、病院行きは覚悟の上だっつーの!」』のヤジが飛んだ方向に指を刺して、喉張り裂けんばかりに叫び続ける。

「病院行きは覚悟の上だ!? 何勘違いしてやがる社会不適合者どもが! 『最前列』でこういうショー見るような悪趣味は病院に行ってるべきだろうが! 当然、こんな所でストレス発散出来ちまう惨めな性根を治すココロの病院へなぁ!」

更に、風歌は『解説席』を向いて、声を貼る。

「おい、解説のあんちゃんよ! 観客への攻撃は禁止ってことだがまさかこれで反則負けになったりしねえよな! アタシは単に本当の事を言っただけだぜ!」

当然――答えなど待たずに、風歌は肩をすくめて叫ぶ

「あーそーだ、反則負けになっちまうかもな! ココにいる全員そろいも揃ってアタシ以下の『ゴミ』だって事実を突きつけちまったんだ、真実を超える暴力はねえからなぁ! てめぇらがゴミなのはしょうがねえからよぉ、せめて邪魔しないように黙っとけや!」

後は――自身の読みが正しいか――そして――『オーディエンス』の反応が期待通りの結果を生むかどうかである。

422『マジナイの声』:2021/03/08(月) 22:08:11
>>421(鈴音)
地べたから立ち上がり、『鈴音』は『イル・ニーニョ』を推察する。
己が駆けだした時に響いた『遠吠え』、繰り返される『行動』。
そして、黙したままの『タダヒト』は、『鈴音』が走らされる間、
己の意思とは無関係に『沈黙』を保っていた。

    ≪会場のボルテージは最高潮です!
      『鈴音』選手も立ち上がったぁ!≫

    ≪『イル・ニーニョ』の『呪術』は破られるのかぁ!?
      この闘い、これからが『本番』と言えるでしょう――――≫

推察の過程で『鈴音』は『イル・ニーニョ』の犬首に注目する。
先程まで消えていた『左』の犬首には、『口輪』がハメられている。

       ブォンブォンブォンブォンッ!!!

『鈴音』は『ダストデビル・ドライヴ』の拳を振り回す。
距離が離れている為、『ナビール』に命中するわけではない。
だが、その『手数』を前に、スタンドパワーに劣る『ナビール』は近付けない。

    スゥゥ

    「これちょっと借りますねぇ」

『ナビール』は距離を保ったまま、『ジッポライター』を拾い上げた。
そして、『鈴音』が口撃を加えるのは、『観客』に対してだ。

>「さっきからガタガタうるせぇんだよ! このクソボケ共が!」
>「黙って聞いてやってりゃくだらねぇ雑音撒き散らしやがって、うるっせぇんだよ、ゴミ共が!」

    「うるせー、相手は『ナビール』だろーがぁ!」

    「ダダこねてねぇで『ナビール』殴れやぁ!」

>「おい、解説のあんちゃんよ!
>観客への攻撃は禁止ってことだがまさかこれで反則負けになったりしねえよな! 

    「――――別に『反則』ではないが、
     選手の『攻撃』に集中した方がいいだろう」

それほど気にした様子もなく、『タダヒト』は回答した。
無論、『観客』にとって『鈴音』の罵倒は全く心に響いていない。

>てめぇらがゴミなのはしょうがねえからよぉ、せめて邪魔しないように黙っとけや!」

    「試合放棄かぁ!?  クソみてぇなおしゃべりしてんじゃねぇぞ!」

    「楽して金が欲しけりゃあ、『ビッグイシュー』でも配ってろやぁ!」

『鈴音』がどのような『期待』を以て、『観客』を罵倒したかは解らない。
だが、『観客』達は『鈴音』の罵倒に応え、

      ビュッ
                  カァンッ!

    「ナメてんじゃねぇぞ、こんなん『試合』じゃねぇよ!」

    「『タダヒト』ぉ! テメェー、とんでもねぇザコ連れてきたがったなぁ!」

    「『Vtuber』に、んほってる場合じゃねぇぞ!  落ちぶれたかクソがぁ!」

    「ソイツとエジプト人まとめて、コンテナ突っ込んで送り返せやぁ!」

          バサァ!
                     バンッ!

    ≪ああー、ついに『観客』の皆さんがプッツンしましたぁー!
      やめて! やめて、モノは投げないでください!  こ、こらぁ!≫

    ≪し、試合は続行です! お二人とも、頑張ってください!≫

    「おーう、それ本当?
     ここまで大荒れするなんて、『イル・ニーニョ』もビックリでーす」

会場中の『観客』から投げ付けられる、空き缶空き瓶新聞紙に文庫本。
怒りに任せて真っ二つに折れたフォークや、ポップコーンのバスケット。
『観客』達は手にしていた『ゴミ』の数々を、『鈴音』目掛けてぶん投げる。

『セカイ』は注意喚起しているが、ブチ切れた『観客』に通じる気配はない。
『タダヒト』は放り投げられた『空き缶』をキャッチし、呆れたように溜息を吐いた。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□回□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□回回□※□回□棘∴∴
∴棘□回回鈴※□□□□□□棘∴
∴棘□□回□.□回□回回□□棘∴
∴棘□ナ回□回□□回□□□棘∴
∴棘□回回□□□回回回□□棘∴
∴棘□回回回□回□□回□□棘∴
∴棘□回回□□□□回回□□棘∴
∴∴棘□回□□回□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

回……『ゴミ』。

423風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/08(月) 23:09:47
>>422
「ハッハー! 喚け喚けボケ共が! いい練習が出来たじゃねえか! アタシはこっから大勝ちで大穴狙い以外は泣き喚く羽目になっからよぉ!」

観客を煽り通しながら、風歌は目的の一つを達した事に内心でほくそ笑む。
一つは、無論『ゴミ』の投擲だ。観客と選手の距離が近く、興行としての側面を持つこの試合――観客も一種の参加者である。煽られればノる事で応えるだろうと踏んでいた。
……その形が『乱入』という形であることも覚悟したが、『電流』に突っ込んでくる間抜けは、流石にいなかったようである。

(問題は、もう一つ……)

果たして、この歓声で『スタンドの声』を掻き消せるか否か、である。
『口輪』は単純に考えれば、『今は声を出せない』と見るべきで、最大声量は減少しているだろうが――

(それで打つ手が消えた訳じゃねえだろう?)

手にしたライターがそうだ、あれで『何か』をするのだろう。
その、『何か』が向こうの突破口を開くのだろう。そして、それが何かを判断する材料は、今の風歌にはない。
ならば――どうするか。

「それじゃあ――おい、さっきの小銭の礼をさせてもらうぜぇ!」

攻めるしか無い。
風歌は。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□回□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□回回□※□回□棘∴∴
∴棘□回回鈴※□□□□□□棘∴
∴棘□□○□.□回□回回□□棘∴
∴棘□ナ○□回□□回□□□棘∴
∴棘□回回□□□回回回□□棘∴
∴棘□回回回□回□□回□□棘∴
∴棘□回回□□□□回回□□棘∴
∴∴棘□回□□回□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

回……『ゴミ』。

――○の位置に『一呼吸の突風』を巻き起こし。『渦』を発生させ『ゴミ』を『高さ2m』巻き上げ――ゴミが頂点に達した瞬間に、解除する!

「『恵みの雨』だ! たんと浴びろや!」

424『マジナイの声』:2021/03/10(水) 21:46:37
>>422(鈴音)
飛び交う罵声とヤジ、会場に投げ込まれるゴミの数々。
マトモなファイターであれば、心が折れてもおかしくない非道なる洗礼。

>「ハッハー! 喚け喚けボケ共が! 

しかし、その最中、『鈴音』はほくそ笑んだ。
『ダストデビル・ドライヴ』は両掌を翳し、

      ドヒュォォォォ――――z_____ッッ!!

    ≪鈴音選手、ヤジに負けじと『風』を巻き起こ――――≫

    「な、なんだあれ……?」

    「デカくねェか……?」

    ≪風、いいえ、そんな『規模』ではすみませんっ!
      な、なんだぁぁ〜〜〜〜〜っ!?  この『渦風』はぁ!?≫

『つむじ風』が『ゴミ』を巻き込み、『渦』を形成して滞留する。
眼前の光景に驚いた観客達がどよめき始め、ゴミを投げる手を止める。

    バキッ
                ボキャァッ

    「えっ?」

             「ぐ、ぁぁ―――――ッッ!!」

    「――――まずは『五人』。
     これ以上、『ゴミ』の投棄を続けるようであれば、
     次は『十人』の『指』を折る。……『静粛』に、な」

    「『タダヒト』の『スパイロ・ジャイラ』ッ!?」

    「ヤベェ、流石にキレてやがる――――」

最前列の『観客』の内、『五人』が手の指を折られ、曇った悲鳴を上げる。
これ以上、『ゴミ』の追加は見込めないようだ。

    ドバァァ!!

         バァンッ!    バチチチッ!!

そして、舞い上がった『ゴミ』は『渦風』の解除と共に四散し、
『金網』にぶつかり、『有刺鉄線』にぶつかる『スチール缶』が火花を散らせる。
そのほとんどは『ナビール』の身を守る『イル・ニーニョ』に命中するが、
その威力は『目くらまし』程度だ。――――『ゴミ』の質量が乏しいからだ。

    「なるほど、差し詰めて言うなら『ゴミ』の砂嵐……。
     驚きはしましたが、故郷に比べれば、なんてことありませーん」

    『ウオォォォォ――――ンンッ!!』

『渦風』の解除を待ち、『ナビール』は『鈴音』へと駆け出した。
『イル・ニーニョ』が『咆哮』を発し、『中央』の犬首が消える。

    「走ってんじゃあねぇーぞ、エジプト人!」

    「『ヒゲ』が濃いんだよ、剃れやぁ!」

脈絡のない『野次』を飛ばす観客達。
彼等の傍にもまた、先程より小さな『犬首』が宿っている。
『ナビール』は駆ける。『鈴音』は――――『動けない』。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□回□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□回回□※□回□棘∴∴
∴棘回回回鈴※□□□□□□棘∴
∴棘回□ナ□.□回□回回□□棘∴
∴棘回回□□回□□回□□□棘∴
∴棘回回回□□□回回回□□棘∴
∴棘□回回回□回□□回□□棘∴
∴棘□回回□□□□回回□□棘∴
∴∴棘□回□□回□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

425風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/10(水) 22:13:02
>>424
GMに質問です
動けないのは『本体』のみで『スタンド』を動かすことは可能と考えてよろしいでしょうか?

426『マジナイの声』:2021/03/10(水) 22:21:28
>>425(回答)
>動けないのは『本体』のみで
>『スタンド』を動かすことは可能と考えてよろしいでしょうか?

実際に『ダストデビル・ドライヴ』を動かしてみなければ解りません。

427風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/10(水) 22:56:48
返答ありがとうございます。返信になります

>>424

風歌鈴音は動けない――ゴミの雨も、功を奏したとは言えない状況だ。
また、先程の再演が如くに殴られるのか――分からないと、風歌は思う。

(さっきとは違うんだよ……!!)

口が動けばそう口にしたくなる程に、状況は『再演』ではなく、『再演』になろうとも確かめられる事はある。
状況の、違い――まず1つ、敵スタンドの『首の数』――先程『止められた』時は、揃っていたが、今は『減っている』
そして――ちらと見えた観客達に『犬の首が生えていた』

(首を生やす絶対条件は『声を浴びせること』なのはまず間違いねーだろうが、『衝動を止まらなくする』と『何もさせなくする』の条件は、また別の筈だ……)

残念な事にそれらの条件は解らない。だが、解った事は――ある。
先程、殴られている時、『スタンドの首は戻っていた』
そして――解説役はこう言った。
――『能力解除のタイミングを掛けられた側は把握できない』
把握は、可能だ。

(『能力を発動させている時は『首が無い』『解除している時は生えている』』……なら、今はスタンドも動かせねぇか?)

無論――試す。風歌はその意志力を振り絞ってスタンドを動かそうとする。『ダストデビル・ドライヴ』を起動させ――『一分間の持続渦』を真下に放って2mを浮いて時間を稼ぎ、『首』が戻り次第に『解除』して殴りに行く。。
――叶わずとも、良い。どうせ何も出来ないのだから、ひたすらに意識を根性で保つことだけに全てを注ぐ。向こうも長距離攻撃は出来ないのだから『拳の距離』にはとどまる。

(狙いは決めた……できるなら『浮く!』できねーなら、『待つ!』『動けねぇなら動けねぇで!どれだけボコられようと、向こうの首が揃った瞬間だけは見逃さねぇ!』)

――風歌は覚悟を決めた。

428『マジナイの声』:2021/03/12(金) 23:39:51
>>427(鈴音)
『能力解除のタイミングを掛けられた側は把握できない』。
『鈴音』はそう推察するが、解説の『タダヒト』の言葉はやや異なる。

┌─────────────────────────────────
│「私が喋り出した時点で、既にスタンドは動けたようだが、
│ ――――その『解除』が体感できない。『イル・ニーニョ』の恐ろしい点だ」
└─────────────────────────────────

『体感』。即ち、『イル・ニーニョ』の目視によって『タイミング』を測ることは可能だ。
そして、>>415で『強制力』が働いている時と同様、『ダストデビル・ドライヴ』で、
『風』を発生させることは可能だ。

      ブシュォォォ―――――ッッ!!

    ≪『鈴音』選手、『風』を利用し――――≫

        ブワァァァァァ!!

    ≪跳んだぁぁ!!!  身体が動けなくとも、
      風に身を任せ、『木の葉』のように宙を飛んだぁ!!≫

『ダストデビル・ドライヴ』の起こした『上昇気流』に乗って、
『鈴音』はその身を上空へと飛ばす。

     バスッ!

    「跳ばれてるじゃねぇーか、『ナビール』!」

    「マジメにやれやぁ!」

『イル・ニーニョ』の拳を飛び越え、『鈴音』は上空からアリーナを見下ろした。
『観客席』には犬首の付いた観客が、相変わらず脈絡のない野次を飛ばしている。

    「野次ればいいってもんじゃねぇだろ!」

    「プライドねぇのか!?」

    「―――――いや、コイツらも……まさか!」

空気を読まない『野次』を諫める観客達の中には、
この『野次』が『イル・ニーニョ』の影響だと気付く者が現れる。
そして、『観客』に付いた『犬首』が解除される。――――『イル・ニーニョ』の首も戻る。
一度目の『強制力』よりも、『解除』が速い。

    ≪ここで『イル・ニーニョ』の力が消えましたっ!
      先程より『速い』ように感じられますが――――≫

    「……なるほど。『有刺鉄線』は『攻撃力』の増加の他に、
     『イル・ニーニョ』の『弱点』を保護する役割もあったということか」

    「おーう、タネがバレたらしょーがありませんねぇ」

    「『イル・ニーニョ』は『犬』になぞらえた『スタンド』の力。
     私はずっと、『観光客』のドキドキを、飯のタネにしてきまーした」

    「『ピラミッド』、『スフィンクス』、『ナイル川』に屋台に水タバコ、
     みんなみんな、終わった歴史や、雑なアジアン文化に目の色を変える」

    「そんなものは何の得にもならないというのに、
     ……『エサ』を貰えると勘違いした『犬』みたいに、目の色を変える」

二つの『口輪』を付けた『イル・ニーニョ』の傍、『ナビール』は皮肉気に笑った。
その言葉を肯定するように、『イル・ニーニョ』は再び、雄叫びを上げる。

    『オオオオオォォォォォ――――ンンン!!』

       ドヒュヒュヒュヒュヒュッ!!

空中にいる『鈴音』に対し、『イル・ニーニョ』が雑なラッシュを放つ。
風に舞って『上空』にいる以上、まだ『鈴音』に『命中』することはない。


∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴棘□回□□□□□棘∴∴∴
∴∴棘□□回回□※□回□棘∴∴
∴棘回回鈴風※□□□□□□棘∴
∴棘回□ナ□.□回□回回□□棘∴
∴棘回回□□回□□回□□□棘∴
∴棘回回回□□□回回回□□棘∴
∴棘□回回回□回□□回□□棘∴
∴棘□回回□□□□回回□□棘∴
∴∴棘□回□□回□□□□棘∴∴
∴∴∴棘□□□□□□□棘∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

         鈴音
        〇―<
         |
    〇
    ノ ̄
   /\ナビール (高低差は『2m』)

429風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/13(土) 00:29:16
>>428
とりあえず、『現状』は凌げている――少なくとも、後一分は。
問題は、『その後』であり、また、『それまで』何をするべきかだ。

(少なくとも、今『スタンド』は動かせる……)

そうでなければ、風歌は先の再演の如くに棒立ちになってしまえもせぬスタンドを甚振られていただろう。少なくとも、『出して』『動かせる』。

(そうでなきゃ、何もせずに浮いていて『ジ・エンド』だよな。『今』アタシの動きを封じられたら受け身も取れずに『2m』落ちて、アウトだ。『落ちる』なら、せめて足から落ちてぇもんだが……)

その為にやれるだけは藻掻くと決めつつ、風歌は次の手を模索する。

(今、動かせる以上は『待ち』の意味はねぇ。つーか、馬鹿したな……逃げた癖して追い込まれたのは『アタシ』だ。今、動きを封じられたらアタシは着地にスタンドを使わなきゃならねーし、そうなったらアタシを抱えた『ダストデビル・ドライヴ』に野郎はかましてくるだろう)

それで――ならば、どうするか。

(スタンドの射程は『5m』この距離なら問題なく『動かせる』――そして、どう動かすか)

無論、攻撃だ。
だが、『ダストデビル・ドライヴ』のパワーではどうやっても『必殺』は望めない。

(ダメージの重ね合い……アタシが次に『落ちる』事を考えると、アタシは下手したらココで『終わる』ここいらでデカイのを叩き込むか、キメるぐらいの一発をかまさねぇと、勝てねえな)

『ダストデビル・ドライヴ』で為し得る「最大火力」とはなんだろうか。
ラッシュである、全速全霊の連打――人を越えた速度で放たれる人並みの拳の嵐は、下回る相手を容易く叩きのめすだろう。
だが、今、この状況では足りない、『人並み』は電流まで『殴り飛ばせない』。『根性を決めて耐え抜く』は、自分だけの特権ではない。向こうも当然、攻撃を『覚悟』しているだろうし再発動に時間が掛かるにしても、逆に言えばそれまでに仕留められなければ意味がない。
それこそ、伏せて身を竦められては『ダストデビル・ドライヴ』の暴力では仕留めきれないし、殴られてながら『叫ぶ』ことが出来ないというのは甘い考えだろう。
そして、『次』は恐らく無い。
ならば。

(一撃、必殺)

それに類する威力を、『次』の局面を生み出せるダメージを風歌は叩き込まなければならない――そうしなければ、負ける。
突風では足りぬ、ゴミの散弾では足りぬ、拳の乱打では間に合わぬ――さぁ、どうするか?
風歌には、一つの思索があった。

(耳)

『思い切り鼓膜を突き破って三半規管をぶっ壊す 』――鼓膜の時点でまず『無事』ではすまないだろうし、三半規管をイカレさせれば立ち歩きも危うかろう。
無論、『全速のビンタを耳に叩き込む』という真似はしない。それでは『運』が悪ければ鼓膜が無事で終わるビンタで終わってしまう。
偶然に頼るやり方では、勝てない。『絶対に鼓膜を破って奥にダメージを送る攻撃』でなくては。
風歌には、それが可能だ。

(まず、手の孔のサイズを『最小(10円玉)』にして……野郎のラッシュを止めるか鈍らせる為に腹パン一発。それで、確か、挟み込む一発は『合掌撃ち』か……それで野郎の頭を『手の孔が耳の穴に当たるように』挟み込む。それで『最大』の突風を『両耳の奥』に流し込む)

突風の威力(パス:CB)を耳に流し込む――いや、『刺し込め』ば、確実に鼓膜は潰せて奥にも届くだろう。『頭蓋をぶち抜く』威力はないので、命には関わるまい。
手の穴と耳の穴が合うように挟み込めるかどうかは、『ダストデビル・ドライヴ』の精密さ(精:B)ならば問題あるまい――今のダメージを考えれば精密さの維持は賭けだが、賭けなければならない状態だ。

「キャンキャン下から吠えるんじゃねーよ!」

風歌は、『ダストデビル・ドライヴ』を出現させ――まず、『イル・ニーニョ』の腹部に打撃を撃ち込み、『ラッシュ』を止めるか鈍らせる。
そのどちらかが起きたなら――起きずとも。
『両耳に手の孔が重なる様に合掌撃ちを放ち、挟み込んだ瞬間に最大の突風を耳に刺し込む』(パス精:CBB)――賭けに出た!

「そんなにうるせぇのが好きなら――静寂の有り難みを恵んでやらァ!」

430『マジナイの声』:2021/03/13(土) 21:18:08
>>429(鈴音)
>風歌は、『ダストデビル・ドライヴ』を出現させ
>――まず、『イル・ニーニョ』の腹部に打撃を撃ち込み、『ラッシュ』を止めるか鈍らせる。

『ダストデビル・ドライヴ』は既に『発現』している。
空中で移動する『機能』を『ダストデビル・ドライヴ』が持たない為、
『ダストデビル・ドライヴ』を『イル・ニーニョ』の傍に移動させるには、
『渦風』を解除し、『鈴音』と共に地上へと降りるしかない。

(※解除時、再発現は『鈴音』の傍に現れる。)

    ≪上空から睨む『鈴音』選手、落下を待ち構える『ナビール』選手。
      両者睨み合いのまま、吹き荒れる『風』だけが事態を待ちますっ!≫

『遠吠え』が鳴り止んだ後、『イル・ニーニョ』はラッシュを終える。
『鈴音』の推察通りならば、『遠吠え』が再び響いた時、
『鈴音』も『ダストデビル・ドライヴ』も、その動きは再び止まる――――

431風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/13(土) 22:18:00
>>430

(つまるところ、『打つ手』は付きた)

風歌は淡々と自らの判断ミスを受け入れた。風歌の推測が当たっていれば、そも『動けない』しスタンドも『動かせなく』なっている。
今の自分は『まな板の鯉』であり、落ちたが最後、トドメを刺される身である。
それでも、耐えきろうとはするだろうが――期待は出来ない。

(後、『出来る』事は――捨てることか)

……風歌には、風歌にしか理解できない、本当に無意味なプライドを示す事を決めた。

(自分で、渦を解く)

渦の限度は一分間であるが『その間』に渦を解けない訳ではない。
そして、風歌のゴミたる矜持の根幹は、自らで『選んだ』事にある。
どれほどに最悪の道であろうとも、『選んで落ちる』――かつてがそうであるのなら、今もそう出来る。
かつてとは違い、『試せるだけは』試した上で、落ちる。

(……何もせずには、墜ちねぇぞ)

『渦を消した』瞬間、『傍に在る』。『ダストデビル・ドライヴ』の突風で『風歌自身』を『敵スタンドョ』及び『敵本体に』『最大風速(パス:CB)、最長射程(5m)』で狙って(精:B)『撃ち込む』
『それが出来たのならば、今、スタンドを動かせる証明になる』
後は、ぶん殴られながらだろうと『ダストデビル・ドライヴ』を追従させ。

(――『ありったけに野郎とスタンドをぶん殴る、殴り続ける』(パス精:CBB)。)

耳を狙いに行く間すら、もはや『無い』
上手く行けば良し――それで、ダメなら。

(堕ちるだけさ、昔みたいに。自分から――だがなぁ!)

自分で自分を放り捨てる『自殺』はしない。サイコロの様に『投げる』のだ。
そして、『地べた』に堕ちるではない、『流れ星』の様に飛んで行くのだ

(畜生め、楽しくなってきやがった!)

絶体絶命の、ヤケにも似た策の中で、風歌は歓喜を覚えた。
自分をゴミと思いながらも、その自分を『意味ある賭け』に擲つことが出来る状況――勝とうが負けようが、極上のスリル!
『笑えたのなら』、風歌は笑い――『渦を消す』
そして『ダストデビル・ドライヴ』を動かせたならば――『己自身』を打ち出し――即座にダストデビル・ドライヴを追従させた。

432『マジナイの声』:2021/03/13(土) 23:02:10
>>431(鈴音)
『鈴音』は『渦風』を解除し、床へと自由落下する。
否、『ダストデビル・ドライヴ』の『風』をその身に噴出させ、

     ドヒュォォォォ!!!

    ≪ああっ! 『鈴音』選手、自らを吹っ飛ばしたぁ!≫

『鈴音』は自らを風に乗せ、『ナビール』目掛けて『体当たり』を敢行する。
『ナビール』は『イル・ニーニョ』を構えさせ、

    「マズい……『吹っ飛んだ』のであれば」

    「『条件反射』では、制御できな――――」

     ゴッ!

『鈴音』の身を挺した体当たりが、『ナビール』の懐に命中した。
『ナビール』は『イル・ニーニョ』の両拳を打ち、『鈴音』を引き剥がそうとする。

    「やりやがった!  ありゃあ、一か八かじゃあねぇーか!」

    「『有刺鉄線』が傍にあるのに、
     捨て身のタックルなんて予想できるわけねぇー!」

    「こうなったら、どっちが立ち上がるまでだっつーの!」


決死の一撃に『観客』達も盛り上がりを隠せない。

      ドガッ
                ゴロロロッ!!

互いが地面に縺れ込む中、『ダストデビル・ドライヴ』が両掌を翳す。
風の出力を窄め、『イヤーカップ』による『鼓膜』の打撃を狙う。

      ジッ!

『鈴音』の喉元から『激痛』が走る。
『ナビール』が拾い上げた『ジッポライター』が点火し、
『鈴音』の喉を焼いている。『引火』はしないが、『火傷』の激痛は相当だ。

    「大した『ハングリー精神』ですね。
     日本にも、こーいうファイターがいるとは、
     私も全然知りませんでした……。素晴らしいでーす」

    「『鈴』を鳴らせば涎を垂らす。
     まるで『パブロフの犬』のような、観光客達――――」

    「まさか、パスポートも持ってなさそうな『むすめっこ』に、
     こうまでしてやられるとは、思いませんでしたぁー」

『ナビール』は滔々と語りながら、『イル・ニーニョ』の口が開く。

433風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/13(土) 23:36:26
>>432

喉を焼かれる――激痛である。痛い、熱い。
だが――それでも尚、痛みに苦しみながら風歌は笑みを作った。

「そっちの国じゃ知らねぇがよぉ……日本の冬場のホームレスは、『焚き火』で暖を取ってんだよ!」

常人なれば『不慣れ』な痛みであるが、ホームレスである風歌にとって『火に炙られる』は茶飯事の一つ。野外生活での冬の生存に置いて、着火と風に煽られての火傷は茶飯事。
だから、反射的に飛び退く事もなく――

「ホッカイロ買う小銭もねぇとき火に当たるどころか『炙られながら』手ぇかじかませて死に損なってたアタシが、大金かかった勝負で――ライターのちょろ火如きに怯むかぁ!!!」

吠えながら、『吠えられる前に仕留めんと』――『ダストデビル・ドライヴ』で『本体の耳の中に風を流し込む!』(パス精:CBB)
そして、その結果が『どう』出ようと――

全力で(パ:C)
全速で(ス:B)
本体の顔面狙って(ス:B)

『スタンドの両手で抑えた敵本体の頭に』頭突き一発かました後で――拳のラッシュを叩き込む!

434『マジナイの声』:2021/03/14(日) 22:47:52
>>433(鈴音)

      ジュォォォォ―――――

『鈴音』は喉を焼かれながらも、絶好の機会を逃さない。
追い付いた『ダストデビル・ドライヴ』の両掌が平手打ちを振るい、
それは『ナビール』の両耳を覆い、

        パァンッ!

     ≪は、入ったぁぁぁ〜〜〜〜〜っっ!!≫

     ≪『イル・ニーニョ』の遠吠えが飛ぶ間もなく――――≫

     ≪『ナビール』選手の鼓膜が、吹っ飛ばされたぁぁぁ!!!≫

    グラァ...

『ナビール』の両目に宿る焦点が揺らぐ。
三半規管が狂わされ、その追い討ちを掛けるように、

       ゴガッ!

『ダストデビル・ドライヴ』の頭突きが突き刺さる。
『ナビール』の後頭部が床上に打ち付けられ、
その頭部が跳ね返る間もなく、

      ズドドドドドドドド――――――

     「決まったぜェェ!!  拳のラッシュッ!」

     「『ナビール』も抵抗できねぇ〜〜〜ッッ!!」

『ダストデビル・ドライヴ』のラッシュが『イル・ニーニョ』に突き刺さる。
その拳が止まり、――――突如現れたスタンドヴィジョンに掴まれている。

     「そこまで。――――素晴らしい闘いだった。
      『ステージギミック』を用意できなかった時は、
      一見して『不利』だと思ったが……」

     「まさか、あのような形で用意するとはな。
      観客の『民度』が有利に作用した、いや……」

     「そこまで見抜いた上で行ったか……」

解説席の『タダヒト』が試合の終了を告げる。
その言葉通り、『ダストデビル・ドライヴ』の両手首を掴んでいるのは、
彼のスタンドなのだろう。

     ≪『タダ』ちゃんのストップが掛かりましたぁ!
       不可解な『呪術』にも負けず、最後まで闘い抜き、
       己の策略で『勝利』を得たのはぁぁぁ〜〜〜〜〜っっ!!≫

     ≪『鈴音』選手!  『スズ』ちゃん、お疲れ様ぁぁ!!
       『有刺鉄線』の電流デスマッチ! 容赦ない『呪術』!
       だで、最初はどーなるかハラハラしたけど――――≫

     ≪空中からの体当たり! イヤーカップの一撃ッ!
       最後の最後、『イル・ニーニョ』の届かない攻撃が、
       ズバズバッ! と、次々に命中しましたぁぁ〜〜〜ッッ≫

     ウォォォォ―――――!!

『イル・ニーニョ』の遠吠えにも勝る、会場中に響き渡る『歓声』。
『セカイ』の実況が試合を総括し、闘いの終わりを告げる――――

435風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/14(日) 23:10:19
>>434
勝った――その事実を、風歌は直ぐには受け止められなかった。
全てを賭した最後の最後の大博打……功を奏した。
そして、風歌の意識は在り、敵はブッ倒れている。

「はっ、ははは……」

喉も痛い、体も痛い。それでも、風歌はどうにかなった。
勝った、『勝った』
ならば――『すべき事、がある』。それは、『スタンドに抑えられていては』できない事だ。
『本体』だけでも出来るかも知れないが、可能ならば『スタンド』と共にやりたい事だ。
――手を、掲げる。一回、やってみたかったことだ。

「おい、アタシの勝ちは解ったよ。アタシのスタンドを、解いてくれねぇか?」

それとも――と、風歌は前置いて、自分を抑えているだろう『解説役』を見た。

「アンタに『挙げてもらう』必要は、ねぇからよ」

436『マジナイの声』:2021/03/15(月) 22:41:47
>>435(鈴音)
>「おい、アタシの勝ちは解ったよ。アタシのスタンドを、解いてくれねぇか?」

    スゥ

『スパイロ・ジャイラ』は『ダストデビル・ドライヴ』の両腕を離し、
それによって、『鈴音』は自由の身となる。

    オオオオォォォォ―――――

飛び交う『野次』は歓声に変わり、『鈴音』を取り囲んでいく。
『ナビール』は倒れ伏したまま動かない。立つのは『鈴音』だけだ。

    ≪さぁ! 『スズ』ちゃん!≫

    ≪最っ高の笑顔で、この闘いに幕を下ろしてくださぁい!≫

スクリーンに映る『セカイ』が長い袖口を振り回しながら、
キンキンの電子ボイスを響かせて、勝者である『鈴音』を称える。

437風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/03/15(月) 22:49:11
>>436
「ありがとうよ――さて」

風歌は、『ダストデビル・ドライヴ』で『真下』に渦生成――『2m』、上昇。
観客席のどこからでも見える、目立つ場所に、昇る。
そして、『ダストデビル・ドライヴ』と共に――右手を掲げ。

「五分以下の、ゴミの魂――とくと見たか!! アタシの勝ちだ!」

痛む喉をこらえながら、風歌はリクエスト通りのありったけの笑顔で――おもいっきり、勝利を吠えた。

438『マジナイの声』:2021/03/20(土) 00:34:01
>>437(鈴音)

      ドヒュォォォ――――

起こした『渦風』に己の身を飛ばし、
『鈴音』は観客達と同じ目線へと昇り、勝利を宣言した。

    ウォォォォォ―――――

    ≪『スズ』ちゃん、ありがとぉー!≫

    「テメェの魂、見せてもらったっつーの!」

    「久々にうめぇ酒が飲めたぜ!」

観客達も惜しみないエールを送る。
『タダヒト』は倒れ伏した『ナビール』を見下ろし、言葉を紡ぐ。

    「『ナビール』選手も、『罠』の張り方は見事だった。
     恐らく、『もう一手』あったようにも見えるが……」

    「最後の一撃が『不幸』を呼んだ、そう思えてならないな」

    ウォォォォォ―――――

風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 → 『腹部への打撲』、『全治一週間』、『三十万円獲得』。

ナビール『イル・ニーニョ』 → この後、しばらくしてエジプトに帰国。

『マジナイの声』 → 『終了』

439『マジナイの声』:2021/03/20(土) 00:43:10

三つの『犬首』を持つ人型のスタンド。
それぞれの『犬首』は異なる『吠え声』を発する。

『パブロフの犬』の能力。
『吠え声』を耳にした時に行った『行動』が焼き付き、
もう一度同じ『吠え声』を聞いた時、その行動を『繰り返す』。
能力の対象となる間、その肩には『犬首』が憑依する。

初回の『吠え声』にはある程度の『指向性』が存在しており、
核となる対象から『半径10m』の範囲の者もまた、能力の対象となる。
そして、能力の対象となる者が多ければ多い程、
『犬首』は小さくなり、能力の持続力もまた短くなっていく。

よって、『観客』の存在は『イル・ニーニョ』にとって邪魔な存在だった為、
『ナビール』は『観客』の傍に寄られないよう、『有刺鉄線』を手配していた。

『聴覚』を共有、若しくは独立した『聴覚』を持つ場合、『スタンド』も対象となる。
本体も『対象』となり、『条件反射』の『強制力』を利用した『攻撃』も存在したが、
両耳の鼓膜を破壊され、その力を発揮することは敵わなかった。

『イル・ニーニョ』
破壊力:C スピード:C 射程距離:E(能力射程:C)
持続力:D 精密動作性:D 成長性:D


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