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【場】『 歓楽街 ―星見横丁― 』

1『星見町案内板』:2016/01/25(月) 00:01:26
星見駅南口に降り立てば、星々よりも眩しいネオンの群れ。
パチンコ店やゲームセンター、紳士の社交場も少なくないが、
裏小路には上品なラウンジや、静かな小料理屋も散見出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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791夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/05/15(金) 20:01:20

  ――――ザッ

ソレは『なんのヘンテツもないイライ』のハズだった……。
わたしは『アリス』。
このマチで『タンテイ』をやっている。

          ザッ ザッ ザッ

イマからすうじつまえ、わたしはクライアントから、
『あるオトコのチョウサ』をたのまれた。
そのオトコのシンペンをさぐるウチにつよくなる『イワカン』……。
だが、それはまるでヤミのなかのカゲのようで、
なかなかシッポがつかめない。

               ザッ ザッ ザッ

『ナゾ』のコタエにつながる『テガカリ』をもとめ、
わたしは『カンラクガイ』にアシをふみいれた。
『れいのオトコ』が、
このあたりの『バー』にカオをみせているらしいというハナシを、
なじみの『ジョーホーヤ』をとおしててにいれたのだ。
わたしは、ぜんしんの『カンカク』をとぎすませながら、
『よるもねむらぬマチ』をあるきつづける……。

                        ザッ――――

昨日見た映画に影響されたせいで、『私立探偵』になりきって、
夕暮れの通りを歩いている。
ただし、『感覚を研ぎ澄ませている』というのは、
『ごっこ』ではない。
『ドクター・ブラインド』を発現し、
周囲の『声』や『音』に注意を払っている。
何か興味を引くようなものがあれば、
そちらに行ってみようという考えだ。
ちなみに、別に『バー』に寄る予定はない。

792黒羽 灯世『インク』:2020/05/17(日) 02:06:29
>>791

        ――――ザッ

「ちょっとちょっと。そこの貴女」

       「サングラスの貴女だわ!」

注意を払うまでもなく『そいつ』が、前から来た。

短いツインテールに、夕焼け色の瞳を灯す三白眼。
何より特徴的なのは、『振袖』状に改造された制服。

「貴女……『それ』!」

「……一体、『どういうつもり』でいるのかしら!」

――その目には、『ドクター・ブラインド』が映っているようだった。

793夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/05/17(日) 13:16:25
>>792

『みしらぬショウジョ』によびかけられ、わたしはアシをとめた。
カミソリのようにするどい『センス』が、
ただならぬフンイキをかんじとる。
もしや『れいのオトコ』のカンケイシャだろうか??
だとすると、これは『ケイコク』かもしれない。
これいじょうフカイリすると、『イノチ』にかかわるという……。

「ダイジョーブだ。『オオゴエ』をださなくても、よくきこえる」

「イマは『シゴトチュウ』でね。『チョウサ』のトチュウなのさ」

わたしは、いたってなにげないフウにヘントウするコトにした。
ヘタにシゲキせず、スキもみせない。
『タンテイ』としてのケイケンから、
ショタイメンのニンゲンとセッショクするときは、
こうするのがイチバンであるというケツロンにいたったからだ。
まず、カノジョがどのようなジンブツかをしるべきであろう。
あわよくば『ヤツ』のジョーホーを、
カノジョからえられるのではないかというキタイも、
ココロのかたすみにあったのだが……。

「――わたしは『アリス』。キミは??」

しつこく『探偵ごっこ』を続けながら、両手を軽く持ち上げた。
隣では、『ドクター・ブラインド』も同じ動きをする。
両手が上がったことで、『メス』のような『爪』がよく見えるだろう。
同時に、『超嗅覚』で少女の『匂い』を確かめる。
何か分かるかもしれないし、分からなくても別に構わない。

794黒羽 灯世『インク』:2020/05/17(日) 21:33:46
>>793

「『探偵』の『アリス』?
 ……聞いたことないのだわ。
 まあ、けっこう手慣れてるみたいだけど」

(……『学生の探偵』がいるとは噂に聞いた事がある。
 この子なのかしら……だとしたら『ネタ』に詳しい?
 それとも……『人型スタンド』、ひょっとしたら……)

黒羽は『ネタ探し』をしていた。
元々追っていた件が行き詰まりを見せたため、
新たなネタを仕入れて心機一転を図っていた。

「私は『黒羽』よ、黒羽 灯世(クロバネ トモヨ)。
 清月で『記者』をやっている者だわ。ご存知かしら?
 記事でいくつか賞も貰ってるし……フフッ!」

「知ってても、不思議はないと思うけどね」

『ドクター・ブラインド』であれば、
その手から僅かに『インク』の匂いを嗅ぎ取れる。
それ以外に強いて言えば……『タバコ臭い』くらいだろう。
口が、ではなく……うっすらと『服』から漂ってくる。

「私も『調査』の途中なのだわ。次の記事のためのね。
 それで……貴女、その『スタンド』は何のつもり?
 場合によっては、私の調査対象は貴女になるけれど」

黒羽は敵意というより、警戒を帯びる口調で問いただす。

795夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/05/17(日) 22:39:46
>>794

「フッ、しらなくてもムリはない。
 『タンテイ』は、ひとしれずコウドウしなきゃならないもんさ」

『ヤツ』のナカマではなかったか……。
しかし、『ジャーナリスト』だったとは。
もしかすると、このショウジョも、
『れいのオトコ』をおっているのでは??

「『クロバネ』――『クロバネトモヨ』」

「そのナマエはきいたコトがあるな、フフ。
 『ブンブリョウドウ』で『セイセキユウシュウ』だとか、フフフ」

いつだったか、校内で『声』を聞いていた時、
どこかで『小耳に挟んだ』覚えがある。
中等部の『新聞部』に所属しているとか。
その直後に、
『果樹園でUMAを見た』とかいう噂話が耳に入ってきたせいで、
今の今まで忘れてしまっていたが。

「なるほど、
 『シンブンブ』なら『インク』にエンがあってもフシギはないな。
 そして、チョウサのトチュウでダレかが『タバコ』ふかしてた」

「フフフフフ、イマわかるのはソレくらいだ」

ところで『シンブンシ』って、
ウエからよんでもシタからよんでも『シンブンシ』になるな。
コレはスゴいハッケンだ!!
『ミシュランみつぼし』もねらえるかもしれないぞ。

「『コレ』はわたしの『アイボウ』さ。
 ちょうど『ジョーホーシューシュー』のサイチュウなんでね。
 キミとイッショだよ」

そう言いながら、両手を下ろす。
好奇心の強そうなサングラス越しの両目が、
目の前の少女を見つめる。
『スタンド使い』と確定している以上、
こちらとしても黒羽は興味の対象だった。

796黒羽 灯世『インク』:2020/05/17(日) 23:08:47
>>795

「フフッ! 私を知ってるのね、あなた中々やるじゃない。
 動きが『手慣れてる』と思ったけど……情報網も上々ね」

「その通り、私、成績もいいの。内申もテストの点も高いのよ」

褒められて気をよくしたらしい。
警戒心は消えないものの、笑顔が灯った。

「それにしても……ずいぶん鼻が利くのね。
 タバコの匂い、するかしら? 消臭したのに」

          スン

袖を手に当て、鼻を小さく動かす。
黒羽には感じ取れない。『ドクター』には分かる。

「そのヒト、警察犬には見えないけど……」

「ま、『どういう能力か』を話してくれるとは思ってないのだわ。
 私だって話さない……お互い『話さない』ことでウィンウィンね」

黒羽は、そんな『ドクター』を見下ろす。
彼女が『スタンド使い』なのは、やはり間違いない。

「でも、どんな『情報』を集めてるのかは……
 話し合った方が、お互いに得になると思うの。
 探偵には『守秘義務』があるかもしれないけどね」

「どうかしら、名探偵アリスさん。私、『噂』には人一倍詳しいわよ!」
 
                スッ

胸元から『手帳』を出し、これ見よがしに無地の表紙を見せる。『ネタ帳』だろうか?

797夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/05/18(月) 00:10:45
>>796

「フフフ、なんといっても『メイタンテイ』だからな。
 『しらべる』のはトクイちゅうのトクイなのさ。
 『ミネラルウォーター』のしゅるいもあてられるね」

  ――――キラッ

自慢げに語っていたが、取り出された『手帳』を見て、
サングラスの奥の瞳が輝きを強めた。
『手帳』に合わせて視線も動いている。
あからさまに興味を持っている様子だ。

「…………フッ、たしかにキミのいうとおり。
 わたしも『てがかり』がほしいとおもっていたトコロだ。
 ココはオンビンに『トリヒキ』といこうじゃないか、フフフ」

「『ナニがしりたいか』――
 まずは、ソコらヘンからハナシをきかせてもらおうかな??」

            ザッ

「しかし、いつまでもタチバナシもなんだし、
 とりあえずすわろうじゃないか、クロバネくん」

                    ザッ ザッ ザッ

辺りを見渡すと、そのまま一軒の店に入っていく。
夜は『バー』だが、昼間は『カフェ』として運営しているようだ。
『ジョーホーヤ』のハナシがただしければ、
ココに『れいのオトコ』がひそんでいるかもしれないしな……。

798黒羽 灯世『インク』:2020/05/18(月) 00:52:50
>>797

「『ミネラルウォーター』を……!?
 へえ。や、やるじゃあないの……まあ。
 まあね、私も『利き茶』なら出来るけどね」

(あんな銘柄を見ながらでもよく分からないものを……
 『五感が鋭い能力』だわ! 少なくともその要素はあるはず!)

『上』を取らせ続けはしない。
すぐに取り返す……せめて並ぶ。
自分以外にも『上等』な人間はたくさんいる。
自分も、そうでなければ。それだけだ。

「……フフッ。『取引』……いい言葉ね。
 あなた、なかなか話が分かるじゃあないの」

        チラ

(『入りづらそう』な店に堂々と……まさか『行きつけ』?)

黒羽とて必要であれば『入りづらい』所にも入る。
が、『とりあえず座る』ためには選ばない類の店だ。

「……か。かまわないのだわ、座りましょう。座ろうじゃないの」

(私の方が……この『探偵』より『場慣れしていない』……!?)

とりあえず後に続いて、『夜はバーになる店』に入って行く・・・

799夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/05/18(月) 01:29:04
>>798

「なにをかくそう、ここのコーヒーは、なかなかのものだからな」
 
「だって『ニガかった』し」

  ガチャッ

迷わず入店し、適当に空いている席に向かう。
実の所、この店には一回しか来たことがなかった。
何かありそうだと思って、興味本位で入ったのだ。
生憎、その時は特に何も起こらなかった。
『れいのオトコ』もいなかったし。

        ――――トスッ

「すみませ〜〜〜ん!!チュウモンいいッスか??
 わたし『カフェモカ』で!!」

店員に声を掛けて、速やかに注文を済ませる。
これから『バー』になるとはいえ、まだ『カフェ』だ。
ゆえに、遠慮などしない。

「――さて、さっそく『トリヒキ』にはいりたいが……。
 まず、そっちの『ヨウキュウ』をきかせていただこうかね」

注文した品が来る前に、改めて話を切り出す。
キャクのナカに、『ヤツ』がまぎれこんでいるカノウセイもある。
チューイしておくヒツヨウがあるな!!

800黒羽 灯世『インク』:2020/05/18(月) 02:13:48
>>799

「苦いのが好きなの?
 フフッ、私も抹茶とか好きだわ。
 あなただけじゃあないのよ……!」

           ザッザッ

対抗意識を燃やしつつ、向かい(カウンターなら隣)の席に座る。

「……」

   キョロ…

(ああ……『バー』の雰囲気だわ。『いつ以来』かしら)

無論、一人で入れはしない。
『連れ回してくれた人』がいた……昔のことだ。

「私は『アイスコーヒー』が良いのだわ。ミルクはナシでね!」

やや感じ入る所もあるが、手短に注文する。
ここからは記者と探偵(ちがう)の真剣勝負だ。

「要求……」 (『ゲーセンの事件』……を直接聞くのは『安直』)

「私は記者……『事件そのもの』でも『うわさ』でも、
 皆が真実を知りたがってることなら、欲しいものだわ。
 『大衆受け』するのは……『スキャンダル』に『暴力沙汰』ってところかしら」

(関係のある話題……でも、いくらでも派生できる話題から入る。
 あの事件だけにこだわらない、『似たような事件』も引っかけに行く。
 もし何か知っているなら、どこかに尻尾が出るかも……どうかしら?)

「『探偵』としてのコネとか、秘密情報網とかで、何か『使えるネタ』が欲しいわね!」

801夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/05/18(月) 02:50:54
>>800

「『スキャンダル』に『ボウリョク』か……ムズカシイな!!」

今の所、『スキャンダル』らしいものは、これといってない。
『秘密』という意味ならなくはないが、
それは『スキャンダル』とは違うし、明かしていいかも微妙だ。
『暴力沙汰』なら、いくつかある。
しかし、それも『大衆』に出せるものではないだろう。
どれも『スタンド絡み』なのだから。

「あるにはあるけど『スタンド』のハナシがおおいからな〜〜〜。
 『つかえないネタ』ならだせそうだけど。どうよ??」

そうこうしている間に、
『カフェモカ』と『アイスコーヒー』が運ばれてきた。
自分の前に置かれたのは、もちろん『カフェモカ』。
エスプレッソに『チョコレート』と『ミルク』が入れられ、
たっぷりの『ホイップクリーム』が乗せられている。
『苦味』とは真逆の代物だ。
このまえのんだのは、わたしにはニガすぎたからな!!

「それとも『オモシロイざっかや』とかききたい??
 それか『トウフてづくりたいけんできるトウフや』とか??」

      ズズ

「うむ!!『チョコ』と『ミルク』と『クリーム』。
 このみっつは、あいしょうバツグンだ!!」

「あ――あと『コーヒー』も」

いかにも甘そうな『カフェモカ』を口にし、感想を述べる。
言い終わってから、向かいに置かれた『アイスコーヒー』を見て、
思い出したように付け加えた。
苦いのが好きなのかどうかは少々疑わしいかもしれない……。

802黒羽 灯世『インク』:2020/05/18(月) 03:16:47
>>801

「そうなの、そうなの。難しいのよ。私にでさえね!」

(……!! スタンド絡みの『ネタ』!
 そう、『使えない可能性は高い』のよ!
 『超能力で吹っ飛ばしました』なんて、
 三流もいいとこの『信憑性』のない記事になるから!)

(これはひょっとして、ひょっとするかもしれないのだわ)

大衆受け、という言葉は一種の方便だった。
それを望むのは事実だ。『動機』等は記事に出来る。
黒羽は『超能力事件』に――『惹かれてもいる』。
『ジャーナリズム』は『真相解明欲』でもある。

「『豆腐手づくり体験』も、紙面の色どりにはいいかしら……」

豆腐を作った事は、無かった。

「……ま、でも、『使えない』かどうかは記者の領分。
 もしよかったらその『ネタ』聞かせてくれないかしら?
 ――――っと、そうだわ、これは『取引』だった!」

「貴女のお望みは? 先に、そこを聞いておくのだわ。
 私は噂に詳しいけど……貴女、どんな事件を追ってるの?」

            クルン  クルン

「『浮気調査』? 『猫探し』?
 それとも……フフッ。『怪盗からの挑戦状』とか!」

(『抹茶』が好きなだけで、『コーヒーの苦さ』はそんなに……)

         (だけど悟られては『下に見られかねない』のだわ!)

笑いながらアイスコーヒーをストローで混ぜ、口に含む。……『飲める味』だ。

803夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/05/18(月) 21:31:58
>>802

「『ウサギ』――――」

「わたしは『ウサギ』をおってる。だって『アリス』だから」

さも当然のように言う。
『ウサギ』というのは動物のことではない。
好奇心を刺激されるような『興味ある対象』のことである。
『アリス』は『ウサギ』を追うもの。
だから、自分も日々『ウサギ』を追っているのだ。

「『イチバンおもしろそうなウワサ』――ソレをききたいなあ」

            ニヤッ

不適な笑みを浮かべ、黒羽の言葉に答えを返す。
『れいのオトコ』については、とりあえずあとまわしにしよう。
イマは、めのまえの『クロウサギ』にセンネンするコトにした。

「おしえてくれるんならコッチもはなすよ。
 それで『トリヒキセーリツ』ってコトで」

    ズズ――――ッ

話しながら、甘ったるい『カフェモカ』を啜る。
その口元に『ホイップクリーム』が付いていた。
表情は自信満々だが、今一つ締まらない顔だ。

804黒羽 灯世『インク』:2020/05/18(月) 23:27:15
>>803

「『不思議の国』への『案内人』……
 『事件の黒幕』じゃなくって、
 『事件そのもの』を追ってるってコト?」

「その例え、筋金入りの『アリス』好きだわ貴女」

黒羽なりの解釈だった。
アイスコーヒーの氷を崩しながら、
席に備えられた紙ナプキンを取る。

「それと、口……汚れてるのだわ。拭くといいわよ」

上を取るためだ。
そしてその『マウント』の笑みのまま・・・

「『一番面白そう』……そうね、わかったのだわ。
 出し惜しみをする理由も無い、『取引成立』」

「フフッ」

手帳を自分にだけ見えるように、開いた。

「――――『スタンドでの連続暴行事件』の噂、なんてどう?」

それは――――『黒羽が追っているネタ』に、密接に絡んでいる。

805夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/05/19(火) 00:21:21
>>804

「ええ、そのジョーケンでオーケーよ。
 おたがいにリエキがあるんだもの。
 ハナシがはやくてたすかるわ」

「きいていたとおり、さすがに『ユウシュウ』なだけはあるわね。
 もっとも、わたしもまけてないつもりだけど」

「フフッ」

      グシ グシ

紙ナプキンを手に取り、口に付いたクリームを拭き取る。
ちなみに、今のは黒羽の『物真似』だった。
『マウント』に対抗するため――ではない。
単なる『思い付き』の実行。
勝手なイメージなので、似ているかどうかは不明だ。

「ほうほう、それはイチダイジですな。
 ひさしぶりに『ヤバいニオイ』がプンプンしやがるぜ……!!
 『ホウコウザイ』おいとくヒツヨウがあるな〜〜〜」

少し前は『イカれた人殺し』と命懸けの『潰し合い』をやった。
その結果、危うく死ぬ所だった。
まあ、生きてたけど。
あれはマジでヤバかったな!!
イロんなイミで!!

「ん〜〜〜じゃあさぁ、『アリーナ』のハナシとかどう??
 ケッコーおもしろいトコでさぁ〜〜〜。
 そのハンニンも『アリーナ』でストレスはっさんすればイイのに。
 あ、『アリーナ』しってる??『アリーナ』」

とはいっても、『あの体験』はエキセントリック過ぎた。
『取引』である以上、なるべく同じくらいのを出すべきだろう。
『フレミッシュ・ジャイアント』級の、
超スゴい『ウサギ』が出てきた時のためにとっておこう。
『フレミッシュ・ジャイアント』っていうのは、
せかいいちデカい『ウサギ』のコトだ。
このまえネットでみたけど、『20kg』あるらしいぞ。

806黒羽 灯世『インク』:2020/05/19(火) 01:02:59
>>805

「……あっ! 貴女ちょっと!
 私の真似っこをしてるでしょう」

「いくら私が優秀で上等だからって、よしなさい……」

嫌というか、『気恥ずかしい』ものがあった。
嫌という訳では無い。

それより。

(暴行事件と聞いてもこの反応……
 『スタンド使い』として、私よりずっと『場慣れ』している?)

      (それに『アリーナ』って何……アリス、『何者』?)

  (……私しか知らない事もたくさんある。
   けど、彼女しか知らない事も多そうだわ。 
   ……認めざるを得ない。『上等』だと)

内心、目の前のエキセントリックな『アリス』に舌を巻く。

が、『全く聞いたことないです』とは、言わない。
記者にとっては『ナメられる』のが致命的と考えているのだ。

「……ふうん、アリーナ。いいわね、アリーナでしょ。
 ぜひ聞かせてほしい所だわ。『ちょうど知りたかったところ』」

「『興味』があるのだわ」

が、知ったかぶりも出来ない――――あいまいに促す。

「……私の方の話はあくまで『噂』にすぎないわ。
 ゲーセンのもめごとで、人が『なにもされてないのに吹き飛んだ』そう。
 でも、『SNS』でも『現地』でも情報はごくわずか。調査は難航してる」

「…………『その事件と同時期に、別の場所でも似た事件が起きてる』」

                      「そういう不確かな『噂』だけど」

黒羽の『ネタ探し』は停滞しているが――――『手がかり』は増えていた。
『別の事件に視野を広げた』のは、想像以上に功を奏した。
『まだ解けない謎』は増えたが、積み重なって『何か』に届きつつあった。

807夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/05/19(火) 01:44:08
>>806

「ふんふん、それは『アレ』だな『アレ』。まちがいなく『アレ』だ」

『アレ』というのは『スタンド』のコトだ。
何もしてないのに人が吹っ飛ぶ。
これが『スタンド』じゃなかったらビックリだ。

「おなじタイミングで、にたようなジケン……。
 おそらくは『ドウイツジンブツ』によるハンコウ……」

「これは『ナンジケン』のヨカンがするな……!!」

まさか『れいのオトコ』のハンコウか??
こんなトコロで『ヤツ』のテガカリがてにはいるとは……。
やがてジケンは、
イガイなてんかいをみせはじめるのだった……!!
そしておとずれるキョウガクのラストシーン。
ついに、『オトコ』のショウタイがあきらかになる……
そうか……『あなた』だったのか……。
『アリス:エピソードファイナル』きんじつ、せんこうじょうえい!!

「そうそう、『アリーナ』。
 『スタンド』で『いしゅかくとうぎせん』やってるトコ。
 そこだったらダレもこまんないし、むしろもりあがるのに。
 もったいないよな〜〜〜」

「しかも『ギャラ』までもらえて『いっせきにちょう』!!
 ケガしてもなおしてもらえるから、
 『アフターサービス』もばんぜん!!
 24ジカンうけつけておりますので、いますぐオデンワを!!」

「――――ってカンジのトコ」

主観的なイメージを織り交ぜた印象を語った。
少なくともウソは言ってないハズだ。
たぶん。

808黒羽 灯世『インク』:2020/05/19(火) 02:13:49
>>807

「そう、アレな難事件なの。『似た事件』は見つかっても、
 どれ一つとして『犯人はどういう人だったか』とか、
 犯人じゃなくても……『揉めてた人』とかが出てこない」

「『不自然』だわ。それに『不思議』よ!
 ……『アリス』なら、追いがいもあるんじゃないかしら?」

『黒羽』の『インク』に対し、
目の前の『ドクター』の方が、
調査に秀でる……『そう感じている』。

黒羽の目的は『真相を知る事』――――『解く事』ではない。

「……『異種格闘技』?」

「いや、そうよ、そうよね。『そういうのはある』に決まってる!
 現実で『能力バトル』が出来るなら……ノる人も見たい人もいる。
 私はそういうのは好きでもないけど、理に適ったビジネスだわ」

「そうね、『暴力』が振るいたいならそういうところでやればいいのに」

黒羽は暴力を嫌う。『野蛮』だし『有無を言わさない』から。
アイスコーヒーを飲み干す。氷が音なく割れて、崩れた。

(スタンド使いの『格闘団体』……『組織』だわ。
 やっぱり『スタンド使いも徒党を組む』……!
 規模は分からないけど、これを知れたのは大きい!)

「私としては……有意義な情報交換だったのだわ。あなたはどうだった?」

809夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/05/19(火) 14:02:19
>>808

「コウミョウにショウコがインペイされているな……。
 これはキョダイなインボウのイチブにちがいない。
 バックにおおきなチカラのソンザイをかんじる……!!」

「『アリスランク』は、『フレミッシュ・ジャイアント』と、
 『ネザーランド・ドワーフ』のあいだくらいだな〜〜〜。
 うんうん、わるくない!!」

『ネザーランド・ドワーフ』は『セカイイチちいさいウサギ』だ。
だいたい『1kg』くらいらしい。
『フレミッシュ・ジャイアント』とならべてシャシンとりたいぞ。

「クウキよめてないヤツってのは、
 どこでもメーワクだからな〜〜〜。
 『TPO』をわきまえろっつーの。ん??『PTA』だっけ??
 まぁ、どっちでもイイや。とにかくゆるせんヤツだな」

そういえば、『クロガネくん』もおなじようなコトをいってた。
『ハモノ』をつかう『トオリマ』のハナシ。
『テグチ』からして『ドウイツハンニン』ではなさそう。
こういうロクでもないヤツらは、
ホントどこにでもいやがるんだよな〜〜〜。
しまいには、『ユメのなか』にまででてくるシマツだし。

「イマはわかんないけど、まえでたトキは『30マン』もらえた。
 『ファイトマネ』ーってヤツ??
 ウデおれたけど、なおしてもらえたし」

「『アリス』もユウイギだったぞ!!
 おかげであたらしい『ウサギ』がみつかったしな!!」

     ズズズズズゥゥゥゥゥ〜〜〜〜〜ッ

残ったカフェモカを一気に流し込む。
この『取引』も、無事に終わりそうだ。
そうしたら、また次の『ウサギ』を探しに行くことにしよう。

「――――『クロガネくん』しってる??『ケンドーブ』の」

「ホンニンからきいたんだけど、
 『ふっとばしジケン』とはちがう『ジケン』をおってるんだって。
 『ハモノ』の『トオリマ』」

「カンケイないとはおもうけど、このジョーホーはオマケしとくよ。
 『しょかいサービス』ってコトで」

口止めされている訳でもなく、黒羽は『スタンド使い』だ。
だから、教えても問題ないと判断した。
『事件を追う者同士』という共通点もあることだし、
お互いに何か得るものが出てくるかもしれない。

810黒羽 灯世『インク』:2020/05/19(火) 22:10:29
>>809

「そう、考えなしに暴れてるとは思えないわ。
 『見えないからそのまま殴る』んじゃなく、
 自分は決して姿を見せずに『攻撃』をしている……
 卑劣だけど、『弱くない』相手。そう考えられるの」

(『アリスランク』?? ウサギの品種の名前かしら?)

エキセントリックな『ランク付』には戸惑うが……

「どうやら、満足いただけたみたいで何よりなのだわ。
 私の『優秀さ』……フフッ、ウワサ通りだったでしょ」

悪くない、という意味を察することは出来た。

「貴女の方も、『行動力』抜群なのが分かったのだわ。
 戦いにまで参加するなんて……探偵だけじゃなく、
 『潜入記者』なんかにも向いているんじゃないかしら」

「私、『戦い』だけはどうにも得意じゃないのよ。
 ま、適材適所……『戦わずして勝つ』のは得意だけど!」

飲み終えたアイスコーヒーに手を添えて、テーブルの端にずらす。
アリーナには興味がある。『参加する』気は流石に湧いてこないが……

「クロガネ? 剣道部の『鉄夕立』先輩のことかしら?」

情報交換を終えて席を立つべく財布を取り出した時、名前が耳に入る。
直接会ったことはないが、聞いた名前だ。連絡先も一方的に知っている。

「ええ。もちろん聞いたことはあるのだわ。
 取材してみようかと思ってたけど……
 どうやら想像以上の収穫がありそうね!」

(別口でも出た名前……想像以上に『渦中の人』と見て良さそうだわ)

「それじゃ……ありがとう、名探偵アリス。
 あなたは『上等』なビジネスパートナーよ。
 縁があったら、また情報を交換しましょう……フフッ」

思いがけぬ情報に口元を綻ばせつつ、今度こそ会計のため席を立つ。

811夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/05/20(水) 00:48:13
>>810

「うむうむ、じつにすばらしい『ティータイム』だったぞ。
 ジョートージョートー」

「フフフフフ、わたしは『めいたんてい』だからな!!
 サラバだ、クロバネくん!!フハハハッ!!」

      ――――――ガチャッ

ジケンをおう『ジャーナリスト』との『とりひき』をおえ、
わたしはみせをあとにした。
あいにく『ヤツ』のすがたをみつけるコトはかなわなかった……。
だが、『シッポ』はつかんだ。
みえざるモノのショウタイを、わたしはかならずあばいてみせる。
まっていろ!!『れいのオトコ』!!

812日下部『アット・セブンティーン』:2020/06/07(日) 02:14:34

            プ
                シュゥゥゥー

                         ッ


その日最後の路線バスから少女が下りる。

「…………」

真っ白な少女だった――――
大きなシルエットを作る、オーバーサイズの服も。それに髪も。肌も。

『子供』には見えないにせよ、夜の歓楽街には目立つ人間なのは間違いなかった。

813俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/06/07(日) 12:26:07
>>812
…『星空』を覆い隠さんとネオンが瞬く夜の歓楽街…
時間感覚を喪失するような人気と街並みが…自己と他者の線引きさえあいまいにするようで…
お尻に触れる『愛車』の外装の硬さだけが、確かな現実に思える…



(…………見ない顔だな)

まあ、知らん顔の新入りとか客なんて歓楽街にはゴマンといるが…
…夜の歓楽街に恐れを抱かぬ『派手な格好』と、『アシ(移動手段)』が気になった…


(『派手な格好』の嬢やセレブさんは珍しくは無いけど…)
(この時間に見る『こういう格好』の奴は、来る前に『ひと仕事』終えてる奴だ…)
(…しかしそういう奴はだいたい、セレブさんなら『タクシー』…)
(嬢なら『客のクルマ』に乗せてもらって来るもんだ…)


 「…………ヘイッお嬢さん」
              ザッ

とりあえず声掛けしてみっか。

「…どこの『店』のコ?」「『出勤』にしちゃちょっと遅いね…」

「…間違えて降りちゃったとかだったら、タクシーとか呼んで早く帰った方がいいよ…」


「あと君かわいいね(笑)いくつ?学生?どこ通ってるの?名前は?年いくつ?どこ住み?趣味は?てかLINEやってる?」
「バイトしてる?もしかして今暇?緊張してる?恥ずかしがらないでいいって(笑)てかLINEやってる?」

814日下部『アット・セブンティーン』:2020/06/08(月) 00:03:12
>>813

「んん〜?」

           クルッ

振り向いた少女は俵藤の顔を見上げる。

「んふふ」

「お兄さんね〜、ちょっとがっつきすぎ。
 心配してくれて優しいんだって、言おうとしたのにな〜」

       「一気に追い抜かれちゃった」

その緩やかなシルエットと同様に、
口から出る言葉もまた緩慢で、丸みを帯びている。

「でもね、追いついて全部答えるからね」

「私かわいい? ほんと。ありがと〜」「『17歳』〜。学校はひみつ」
「『17歳』でね〜」「お家もヒミツ」「趣味はね、ユーフォ―キャッチャーでぬいぐるみ取るの」
「LINEはやってる〜。でも、お兄さんにはまだ教えな〜い」

        「ちょっと休憩するね」

                     スゥー

大きな袖の両腕を広げる。『カイコガ』のような動き。

「それで、バイトはしてな〜い」「私ね、お金欲しい時だけ働くんだ」
「緊張しないよぉ。お兄さんよく『話しやすい』って言われるでしょ?」
「私もそう思うから〜」「で、LINEはやっててね〜」

「それでね〜。これは大事な事だから、後に取っといたんだ」

              「今、ヒマ。お兄さん……んふふ。遊びたい?」

815俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/06/08(月) 01:07:08
>>814

(……カワイイ!露骨にカワイイ!)

がっつき気味のクエスチョンにも答えてくれた……警戒心とか無いのか……?
…しかしますます怪しいな…キャバ嬢でも無い娘が独りで夜の歓楽街?しかも身元のガードが固い…
…本当は『毒蛾』の類いなんじゃないか…?この辺で早めにフェードアウトしたほうが良いか…?



>「今、ヒマ。お兄さん……んふふ。遊びたい?」

          トルルル…トルルル…
            …モシモシ?「あッ店長すいません俵藤ちょっと持ち場離れまッす」ピッ
         

「…奇遇だね!!俺も今とッッてもヒマしてるんだ!!」
「暇潰しがてらちょっとご一緒していい!?飲み物代持つよ!!」


黒い輪っか…『マイハンドル』を片手に携えお姫様にくっついて行こう…
…どこに向かってるんだこの子…?

「髪キレイだね…脱色?ホントにキレイだ…」
「いや俺もブリーチしてるんだけどすぐに髪荒れちゃってさァ…良い美容院探してるんだ…」
「服ともよく会ってるよ……オシャレしてるのは、どっかからの帰りに歓楽街に寄った感じ?」

816日下部『アット・セブンティーン』:2020/06/08(月) 01:49:57
>>815

「やった〜〜〜。私ね、人のお金で美味しい物食べるの大好き」
「しかも暇も潰せる。『マイナスゼロ』で『プラス2』だ〜」

            ニィィ

「お兄さんにもプラスな時間にしようね」
「人と一緒なら、その人も楽しい方が私も楽しいから」

あんまりと言えばあんまりな事を言い、少女は歩き出す。
歓楽街を照らすネオンが、その『白』を鮮明に照らし出す。

         スタッ

「んふふ、たくさん褒めてくれるね」
「これね〜。脱色。お兄さんも? お揃いだ〜って思ってたんだ」
「男の人もオッケーなお店だから、後で紹介したげる」
   
                    スタッ
 
「私、おしゃれ〜? ありがとね。嬉しい〜。
 見た目を褒められるの、好きなんだよう」

「けっこう頑張ってるからさあ。良いでしょ〜かわいいでしょ〜」

         クルッ

歩きながら、その場で『1回転』する。
バレエでもやっているのだろうか? とても『きれい』な動きだった。

「それでさ。お兄さん、あのね私からも質問ってしていいかな?」

                     「その『輪っか』ってなに?」

ふと、足を止めて『視線』を向けた先は――――もちろん『マイハンドル』だ。

817俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/06/08(月) 20:00:22
>>816
>「お兄さんにもプラスな時間にしようね」

グッ
(よっしゃ今夜は素敵なグッドナイトだ…)

彼女の斜め後方を、歩幅を狭めて付いていく…
うわっクルってした…近づきづらい…

(雰囲気はいい子だけど…)
(でも結局この子のパーソナリティーは謎だな…)
計算か天然か…ガードの固い女の子だ…独りでこんなとこ来るだけはある…

   ザッ ザッ
ヒョイ
「これ?これは『マイハンドル』…俺のクルマのハンドルを引っこ抜いてきたやつ…」

「…キミもスマホとか無くすと、ちょっと落ち着かないとかあるでしょ?」
「俺にとってはこの『ハンドル』がソレってワケ…」「『クルマ』好きだからさ…」


ザッ …グルリ

止まった彼女の前方に回り込み…

「…『キミ』じゃちょっとアレだな…」
 「何て呼べばいい?」「あッ俺は『俵藤』、ヨロシク」

ガード固いのは結構だけど…とりあえず名前ぐらいは聞いてみたい…

818日下部『アット・セブンティーン』:2020/06/08(月) 22:47:00
>>817

突然の回転にはひょっとすると、
『間合い』を保つ意味もあったのかもしれない。
ガードが堅い……『的を射ている』気がした。

「マイハンドル!! 面白いね〜〜〜」
「そういうの『安心毛布』って言うんだっけ〜」
「わかるよぉ、わかる」

「好きなものに全力なんだねえ、お兄さんは」

ハンドルには大いにウケた様子で、口を押えて笑う。
三つ編みにした髪を揺らし、回り込んだ俵藤を見上げる。

「んふ、『キミ』でも『オマエ』でも私はいーよ」
「なんちゃって〜。それは寂しいよね」

  クサカベ
「『日下部』」「お『日』さまの『下』で『部』活動〜の、日下部」
「日下部ちゃんでも、呼び捨てでも、な〜んでもいいよ。俵藤さぁん」

立ち止まったのは、意外か年相応か『ファミレス』だ。

「俵藤さん、ここでい〜い?」
「私ね、あんまり大人の人が行くお店って詳しくないからさ〜〜〜」

819俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/06/08(月) 23:53:37
>>818
脇によけ、女の子を先行させる…

「ハンドルがクルマの『鍵』も兼ねてるから持ち歩かざるを得なくて…」

  クルリ
「あッゴメンね『日下部ちゃん』、女の子を前に自分の話しちゃって」

 チリンチリーン

>「俵藤さん、ここでい〜い?」
>「私ね、あんまり大人の人が行くお店って詳しくないからさ〜〜〜」

「おっと年相応っぽいチョイス」
       「安心感あるよなファミレス…『人目』もあるし」アッスイマセン2メイデス


夜中のファミレス…歓楽街でわざわざここで夜を楽しむ者は、多くは無いのだろう…
待ち時間も無くテーブル席に通された…

「…ささ、何でも」
「…でも俺クルマだから、お酒は勘弁してね…」
「俺はまあ…『ピザ』で」

「…ホントにココで良かった?」
「あんまり『歓楽街』っぽくないチョイスだけど…」

今俵藤が日下部に行っている行為は、勿論『ナンパ』ではあるが…
それ以上に、この若干妙に妙な少女に、単純に興味があった…
身軽そうな彼女が『何』を求めているのか…彼女の中にある、『重さ』が何なのか…

820日下部『アット・セブンティーン』:2020/06/09(火) 00:10:16
>>819

「んふふふふ、面白い面白い。俵藤さんは面白いねえ」

    チリンチリーン

「私ね、面白いことが好き」
「面白いなら、私に、どんな風に話してもい〜よ」
「私もそうするからねえ」

入店し、テーブル席に座ると、すぐにメニューを開く。

「んふふ、17歳ですので〜」
「ファミレスいいよねえ。店員さんもうるさくないし」

メニューをひらひらとめくり、やがて『デザート』のページで止めた。

「私、『パフェ』にしようかな?」
「んふ、17歳って言ったでしょ〜。お酒なんて飲めないよう」

笑みを浮かべる・・・『軽い』笑みだ。だが『重さ』の無い人間は地上にいられない。

「私ね、お店を楽しむのもだけど、人とお話するのも好きだから」
「俵藤さんとは初めてお話するから、『お店は普通がいい』かな〜〜〜ってねえ」
「安心感。俵藤さんもそう思うよね」「お互い安心、ウィンウィン関係〜」

テーブルに両肘をつき、組んだ手に顎を乗せる。

「それでね、さっき『店長』って言ってたけど、俵藤さんは『何で稼いでる人』なの?」

821俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/06/09(火) 00:56:28
>>820

ピンポーン

とりあえずお冷やを頂く…日中に溜まった体の熱気と渇きが潤されていく…
意外と体がベト付いてんな…熱いシャワー浴びたい…

>「私、『パフェ』にしようかな?」
>「んふ、17歳って言ったでしょ〜。お酒なんて飲めないよう」

アッスイマセン マルゲリータピッツァ ト コノ…パフェ オネガイシマス

「キミが甘党で助かったぜ…」
「もうちょいこう…パーっとやりたい所だけど、今日はゴメンね…次の機会があればね」

(…何か…『動揺』しないな…?)
(普通知らん男に酒の話されたら…もうちょい堅く…か、逆に砕けないか?)
(…場所選びのセンスといい、強者のニオイがするぜ…)


>「それでね、さっき『店長』って言ってたけど、俵藤さんは『何で稼いでる人』なの?」
「あー……話が若干戻っちゃうんだケド…」
「『クルマ』でお金を貰っております…」

「…『タクシー』ってさ、呼ばなきゃ来ないし…お財布にめんどくさいし…
               …何より『法定速度』を守って走るじゃんさ」

「そういうの嫌だなーって『夜のお店』の人達に雇われ…じゃないや、『お友達になって』
 …タクシーの真似事…じゃねえや、『友達の送り迎え』をしてる訳です」

白々しい言い訳をしているが…要は『白タク』、『違法行為』だ。
あんまり普通ではない。

「今晩キミが帰る時には、俺がクルマで『個人的』に送り届けてもいいけど
         …帰りの『アシ』は要るかい?要るならLINE交換しない?」

 「…これだと『送り狼』みたいだな…いや他意はなかったんだって…」
              アッドウモ ピザハ オレッス

…届いたピザを齧る。薄っぺらい味だ。

822日下部『アット・セブンティーン』:2020/06/09(火) 01:16:42
>>821

「んふふ、パフェっていいよねえ」
「アイスクリームも、フルーツも、
 ゼリーも、後なんか……コーンフレーク?
 みたいなのも、一緒に美味しくなってるから」

「全部食べたいし、別々に食べるよりずっと美味しい〜」

メニューをスタンドに直す。
机の上には会話だけだ。

「次の機会は『焼肉』とかにする?」
「私ね、他人のお金でお肉食べるの好きだな〜」

         ンフフフ

冗談か本気か分からない……『偽り』は無さそうだが。

「へぇ〜〜〜。『運転手さん』やってるんだあ!」
「私、知り合いに今までいなかったかも〜。俵藤さん『レア』〜」
「分かるよ分かる。『お友達のお手伝い』で『お小遣い』だもんねえ」
「私、そういうのちゃんとわかるよ〜」

「それじゃあ……私とも『お友達』になろっか〜?」

              スゥ

パフェを食べるより先に、『スマートフォン』を出した。

「俵藤さんになら『LINE』教えてもいーよ」
「だってねえ、んふ……面白いもん」

「こういう言い方、勘違いさせちゃうかな〜。勘違いしちゃった?」

823俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/06/09(火) 01:56:00
>>822

「いやァどうも口が滑っちゃう」
「日下部ちゃんはアレだね…聞き上手!」

(ぐッうおおッ)
(…なんか弄ばれてる気がするッ!)

ムグムグ…

「…そーいやだいぶ食べて無いな、パフェ」
「…上に乗ってるサクランボが妙に好きだったな…味無いし、種も邪魔だったけど」

「ハハハ遂に俺も他人に焼き肉をおごる側か〜…」
(あんま食べて欲しくないような沢山食べて欲しいような…これが大人の味わいか…)



>「それじゃあ……私とも『お友達』になろっか〜?」

(えッお許しが出た流れ…?)

「…………じゃあ、日下部サンとのお近づきのシルシに…」

「ちょっとこりゃ嬉しいねェ………俺あんま『お友達』居ないからなー…」
「勘違いというか…舞い上がっちゃうぜ…………………パフェの他にもう一品いかが?」

ズル
 俵藤もポッケから『スマートフォン』を引っ張り出す…

824日下部『アット・セブンティーン』:2020/06/09(火) 02:25:57
>>823

「どんどん滑らせてこ〜。私結構口固いよ」
「聞き耳に使っていいよ〜」

本当にいいのだろうか……?

「んふふ、この『シロップ漬け』になってるやつねえ」

「色どりのために置いてるんだろうけど、
 食べないのはもったいないよねえ。
 別に好きじゃないけどあってほしい」

          「『彩り』って大事〜」

真っ白な装いにも、いくらかの彩りはある。
宝石か、パワーストーンらしき首飾りもそうだった。
『高級感』は年不相応なようではあったが…………

「やったぁ〜。『ウィンウィン関係』だ〜いすき」

             ススッ

手早く『LINE』の『友だち追加』画面を起動する日下部。

「『友達数』がまた増えた」

            ニマ

「いないの? お友達多そうなのに、意外〜。
 んふ〜。でも、『数』が全てじゃないよ俵藤さぁん。
 『量』がなければ、『質』で補っちゃお? 
 『量』に比べると、確かめにくいとこも多いけど」

       ニマッ
 
「ほら見て。私かわいいでしょ〜。これで加点1。 
 それに17歳! 若さ! これでさらに加点1〜!
 『確かめられる質』っていうのも結構あるからさ。
 それに私ね、それ以外でもけっこう『高品質』なのです〜」

「だから舞い上がって舞い上がって、私に『ティラミス』も食べさせて〜」

825俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/06/09(火) 20:59:33
>>824

  タタッ

「LINE『友達』はねえ…油断するとどんどん増えちゃうからねぇ…」
「増えちゃうとなんか…友達付き合いとかそういう重たいの面倒くさくて…」
「…その場のノリでLINE登録だけして、ほとぼりが冷めた頃にこっそり削除しちゃうんだ」


「…いや日下部ちゃんは特別だぜ?」
「こんなこと喋っちゃうのは…君が聞き上手…ってのもあるけど」
「俺だって日下部ちゃんに興味があるんだ…なんか『面白そう』な雰囲気がして…」
「この『友達登録』は…削除せずにとっとこうかな…って思ってるんだ」

この『関係』が今後何を起こすかは分からないが…何となく、『ロクなもの』ではない気がした…
上等だぜ…曲がりくねった厳しい道にほど『走り屋』は燃え上がるもんだ…


    カチャ カタ

日下部の前の、順調に容積を減らしているパフェ容器を見て…ふと。

「若いっていいねえ…いや俺だって相当な若造だけど…」
「…思春期すぎたら急に甘いものあんま食べられなくなっちゃってさァ…それとも男女の差かなぁ…」

ピンポーン
「俺も何か甘いの食べるか…」
「あっすいません…ティラミスと…あとこのチーズケーキください」

「…という訳でチーズケーキも一口ぐらいどう?」
「ブルーベリーが乗っかってるトコあげるよ」

826日下部『アット・セブンティーン』:2020/06/10(水) 00:40:25
>>825

「えぇ〜〜〜、俵藤さんったらミニマリスト〜〜〜」
「でも『いらないもの』を残しとく理由、ないもんね」
「んふふ……私のこと消さないなら、なんでもいーや」

「俵藤さぁん、私ね、期待は裏切らないからね」
「『芸人さん』のモノマネが上手いとか、
 『カラオケ』のレパートリーが広いとか、
 そういうわけじゃないけど〜。『特別な価値』アリ!」

「だからねぇ、お守り代わりに残しとこ〜」

何の狙いがあるのかは分からない……
『友達が増えること自体が狙い』なのかもしれない。
だが、ともかく利害は一致しているわけだ。

     カチャ
        カチャ

パフェを崩すスプーンが、アイスやゼリーより、
ガラスの容器に当たる事の方が増えてくる・・・

「チーズケーキも好きだよ。俵藤さんやさし〜〜〜」
「大統領〜〜〜〜〜」

       パチパチ

ゆっくりと手を打つ。

「甘いものって大人はみんなキツくなってくるらしいね」
「私、『子供のまま』でいた〜い」
「『子供のまま』なら何も『減らない』」

17歳、と名乗っていた。
大人と子供の『過渡期』にいる。

「んふふ、大人の方が良いこともあるんだろうけど〜」
「お酒が飲めるとか。俵藤さんもお酒好きなんでしょ」
「あ、でも運転手さんだし、飲むタイミングってあんまりないか〜」

取り留めのない話をしながら、次のメニューが来るのを待つ。
あるいは、この後はそんな時間がもうしばらく続くのかもしれない・・・

827俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/06/10(水) 01:29:56
>>826

思春期らしい悩みを抱えてるなぁ…
年相応なのか大人びてるのかイマイチ分からない女の子だ…

「俺が青春送ってた頃は『早く大人になりたいッ』って思ってたけどねェ」
「…『車』運転できないし……あとお酒買えないし」

「俺は日下部ちゃんが大人になるの楽しみだよ、二十歳なら一緒にお酒が飲めるし…」
「…メチャメチャ気の早い話だな…いま17歳だから…」
「『三年後』かぁ…日下部ちゃんもっともっと美人さんになってるんだろうね…」



「お酒は好きなんだけど…いややっぱり烏龍茶とかばっか飲んでるなぁ」
「だから飲みだと…嫌だねぇ自分だけ取り残されちゃってさ…」
                        トルル…トルル…

「チッ…」「電話来ちゃった…ちょっとゴメンね」
   ピッ
  (なーんすか店長…離れるって言っとい…)
   (……あーもうハイハイ分かりましたって…スイマセンスイマセン!)
   (嬢にゴメンねもう少し時間稼いどいで下さいって伝えといてッ)ピッ

「…重ねてゴメン日下部ちゃん!急用できちゃった!」

「お金渡しとくから、お会計はお願い!残りは好きに使っちゃっていいから!」
立ち上がり、テーブルの上に尻ポケから出した、畳まれた諭吉を放り出す
…今の食事代にしては高い金額だが……『お友達』の連絡先はプライスレス。

「短い間だけど楽しかった!」「何か用事あったり…別に用事なくてもLINE送って頂戴な!」

チリンチリーン

そうして俵藤は、『マイハンドル』を引っさげて慌ててファミレスを出て行った…



…お待たせしましたこちらティラミスとチーズケーキです〜
                           カタ コトン

今更届く二種のケーキ…普通の女の子だったらちょっとカロリーを気にしたい量だ…

828日下部『アット・セブンティーン』:2020/06/10(水) 02:21:23
>>827

「んふふ、大人になったら『増える』事もあるよね〜」
「大人と子供を行き来出来たらいいのに」
「間にいられたらいいのに〜〜〜」

「私ね、そういうのになりたいなあ」

日下部には『欲』がある。
『年相応』のものかどうかは、分からないが・・・

「取り残されるのは、寂しいよねえ。……んん、お電話?」
「いいよいいよ〜。必要な事だもんね」

             カチャ …

「急なお仕事? わ〜。やっぱり大人って大変〜」
「またねえ。面白かったよ俵藤さぁん」「このお金はぜ〜んぶ使っちゃう」

「何に使ったかは〜〜〜……ちゃんと『LINE』で送るからねえ」

             ヒラヒラ

俵藤の姿が見えるまで、手を振って……見えなくなったらすぐに止める。

それから・・・届いたケーキは、すべて食べる。
『太るかもしれない』……それより『美味しい』という確かなものが、『欲しい』。

829瀬野満男『フォーリング・マニアック』:2020/06/15(月) 20:29:14
缶ジュースを飲みながらブラブラしている、ただ散歩しているだけなんだが、物凄く久しぶりに出歩いている気がする。
先日スタンドに目覚めて、はしゃいで女の子のスカートをつまみ上げてみたりもしたんだが、なんでもできると思うと逆にテンション下がるよな
やり方を選ばなきゃあマジでなんでもできちゃうもんなぁ、とか考えながらウロウロするぞ。飢えた獣のようにな。

830瀬野満男『フォーリング・マニアック』:2020/06/15(月) 20:43:09
風のふいたタイミングで女のスカートをつまみあげたりしている。
(テンション下がるとか言ったけどまぁ見れるもんなら見ちゃうよね)
もちろんスタンドなので誰にもわからないぞ、完全犯罪だ。スムース・クリミナル

831瀬野満男『フォーリング・マニアック』:2020/06/15(月) 21:50:16
(薄い青か…あのデザインはこの後ヤるな)
堪能して帰った

832瀬野満男『フォーリング・マニック』:2020/06/15(月) 22:34:39
俺のスタンドは『フォーリング・マニック』だ

833氷山『エド・サンズ』:2020/06/29(月) 21:53:59
 ワー   ワー
         ガヤガヤガヤ・・・


「いくら治安の基本が『巡回』だからって・・・・
私みたいな子供がこんな夜の街を出歩いてたら『補導』されちゃいますよー・・・」

―――夜の歓楽街
仕事を終えた大人たちの雑踏に紛れて高校生くらいの女の子が一人道を歩いている
街には他にも同世代の『家出少女』たちが何人かいるが雰囲気が違う

化粧っ気があまりなく、何か目的を持って店に入ろうとしているわけでもない
それでいてしっかりと周囲を見回しながら歩いている

途中途中で何やら独り言のように言葉を呟いているが・・・?

834神藤 莉多『ミザリー・フィースト・デイ』:2020/06/29(月) 22:29:44
>>833
 
「や、だから未ッ成年だって──」
 
   「間に合ってる、ってか、ホント、結構です、ん、で──」
 
ラフなスウェットパーカーにジーンズ履き、顔の下半分を白いマスクで覆った、
しかし全体の雰囲気としては同じく高校生程度と見受けられる少女が独り、
『スーツを着崩した若い男性』に対し、何かしらの抗議の声を上げている。
恐らく水商売の、『スカウト』の類だろう……。
 
「しつっこいな……だから、私、その……」
 
そこで、向かいから歩いてくる『氷山』を視界に認め、

「ああ!『待ち合わせ』!『友達』と──ホラ!
 だから無理っていうか……ね!」
 
更にはそちらを指差し、何事か『スーツの男』を説得に掛かっているようだ。
男はいかにも腑に落ちないといった様子で食らいついているようだが、
少女は構わず『氷山』目指しずいずいと足を進めてくる──。

835氷山『エド・サンズ』:2020/06/29(月) 22:44:48
>>834
「あっ・・・」

同世代くらいの少女が何らかの『良からぬ大人』に絡まれている光景を目撃する
すわっ一大事か!? 頑張って頭を働かせて問題の解決手段を考えていると・・・・

>「ああ!『待ち合わせ』!『友達』と──ホラ!
> だから無理っていうか……ね!」

「ごめんごめん!待たせちゃったみたいですね!
あぁー・・・すいません、『お兄さんたち』 友達がなんだかご迷惑をおかけしたみたいで!」

直感が働く
氷山の頭の中で、どうやらこれは話を合わせた方がよさそうだ、と
神藤の言葉に口裏を合わせるように一息に話すとともに
神藤の袖のあたりを強く握って足早に駆けようとする、が・・・

836神藤 莉多『ミザリー・フィースト・デイ』:2020/06/29(月) 23:04:53
>>835
 
「えっ!?ああ、いや、全然!待ってない、し!
 じゃあまあ、そういうことなんで!
 そう、いう、ことッ!なんでッ!」
 
すかさず話を合わせてくれた氷山に一瞬困惑するも、
そのまま好意にあやかり『スカウト』を一括し、袖を引かれるままにその場を駆け去る。

流石に向こうも仕事でやっている以上、ここまで脈無しとなれば次を当たるのが合理的と考えたのか、
『スカウト』は舌打ちを残し恨めしげに去っていった。
 
 
 
「や、ごめんね。びっくりしたよね。助かっちゃった」

数十メートルも駆けたところで足を緩め、
マスクをぐいと人差し指で押し下げ、笑みと共に氷山へ告げる。
 
「あそこまでしつこいのって、あんまりいないんだけどね。しくったなあ。
 最近景気悪いのかな。みんな必死って感じで、嫌になるよね。
 この辺、よく来るの?」
 
氷山の容姿から同世代と判断したと思われる気安い口調で続ける。
あるいは、自身と同じく『バイト帰り』かなにかと判断したのかも知れない。

837氷山『エド・サンズ』:2020/06/29(月) 23:23:03
>>836
    タッタッタッタタタタタタ・・・・

「はぁ・・ はぁ・・ ここまで来れば大丈夫ですね!」

突然の駆け足に乱れた息を整えながら、ゆっくりと話かけ始める
普段あまり運動しているわけではないため、こういう時息がつらい

「大丈夫ですか? あの人たちに何かされてません?
いやー、それにしても、たまたま通りがかることが出来て良かったですよ」

あはは、と笑いながら神藤と話を続ける
神藤の口調からリラックスした雰囲気を感じて、ほっと安堵した

「あー・・・・ちょっとした事情でこの街の危ないトコロを見回りしてるんですよねー
人付き合いというか、武者修行というか、まあそんな感じで
大抵はただの散歩で終わるんですけど、今日はやってて良かったですねー」

「氷山(ひやま)あきはって言います、あなたは?」

838神藤 莉多『ミザリー・フィースト・デイ』:2020/06/29(月) 23:48:27
>>837
 
「へーきへーき。
 最近色々うるっさいからね、あいつら触ってはこれないんだよ。
 こっちは無敵の未成年様だからね」
 
馴れた風に嘯いてみせる。
似たような場面自体は、過去にもあったのだろうと思わせる気安さだ。

「私は神藤、神藤 莉多(シンドウ リタ)。一年。
 ……ええっと」

何かを思い出すように一瞬逡巡し、

「多分同い年くらいだし、タメ口でいいんじゃない?
 そっちが敬語が楽なら、それで、まあ、いいんだけど」
 
「みたいな」
 
そう付け足すと、改めて氷山へ向き直る。
 
「『見回り』で、『人付き合い』のー……『武者修行』?
 最後の『散歩』ってーのは分からなくもない、けどさ。
 
 それにしたって、私が言えるアレじゃあないにしたって、
 散歩するような場所でも時間でもないんじゃないって思っちゃうけどね。
 家、この辺ってことないよね?」 
 
氷山の言葉に引っかかる部分があるのか、これも何かの縁とばかりに疑問を投げる。

839氷山『エド・サンズ』:2020/06/30(火) 00:06:58
>>838
「はぁー、そういうものなんですねー」

自分よりもよっぽど『夜の街の流儀』に詳しい神藤の話に素直に感心する
こういった考え方は、自分の中にまったくなかったからだ

「高一なら私と同学年ですね! 私、清月の一年なんですよ!
ここで会ったのもちょっとした『縁』・・・・ですね? 神藤さん」

同世代だとは思っていたけど、まさか同学年だったとは!
驚きとともに、にこっと笑顔を浮かべる
ところで、この少女は敬語をやめる様子はなさそうだ

>『見回り』で、『人付き合い』のー……『武者修行』?

「ああぁぁぁ・・・全然意味がわからないってのは、わかってるんですよぉ・・・
確かに自分自身、全然要領を得ない説明だなーって気はしてたんです
なんていうか、『師匠』というか『兄貴分』っていうか『相棒』っていうか・・・そんな感じの人がいましてぇ

その人が言うんですよ
『おいおい、あきは! 平和を守る活動の基本は夜回りだ!
 ついでに、鉄火場の度胸とか火事場力とかそういうのも鍛えられるだろ』ってぇ」

少し低めの声色で、荒事馴れした兄ちゃんのような口調で語る
この少女の身内の物まねだろうか?

840神藤 莉多『ミザリー・フィースト・デイ』:2020/06/30(火) 00:30:07
>>839
 
「『縁』ってか、まあ、私が巻き込んじゃったんだけどね。
 まあそれも込みでそう言ってくれるなら嬉しいかな。っていうかホントにタメなんだ。
 『清月』ってあの、でっかい私立でしょ?オジョーサマじゃん、すっごいね」
 
口ぶりからするに『他校生』と思われる神藤はしかし、
氷山の依然とした敬語も意に介さず言葉を続ける。

「ええっと、その『師匠』で『兄貴分』な『相棒』の人に言われて、
 『平和を守る活動』──『夜回り』をして、くれてたってこと?で、いいのかな?」
 
疑問に疑問を掛け算される内容をなんとか整理しながら話しつつ、
ふと思いついたように、にかりと笑顔を作り告げる。
 
「ってーことは、つまりさ。
 私は夜回ってもらって、私の平和を、守ってもらったってことだよね?
 なんなら私のこと、『師匠』に自慢してくれたっていいんだぜー?」
 
氷山の言葉をどこまで信用しているのか、どこか冗談めかした調子で笑う。

841氷山『エド・サンズ』:2020/06/30(火) 00:54:20
>>840
「巻き込んじゃったなんてとんでもない!
それと、お嬢様ってわけじゃないですよー 凄い大きいってだけで普通の学校ですからね」

色々なあれこれにぶんぶんと顔を横に振り回しながら言う


「うーん・・・だいたいそんな感じです!
『夜回り』については私自身の『趣味』みたいな部分もあるんですけどね
こういうトコロを回ってると色々な人を見かけますから・・・結構面白いんですよ?」

物凄く疑問が残りそうな内容を理解してもらってほっとため息をつく


>なんなら私のこと、『師匠』に自慢してくれたっていいんだぜー?


「んー・・・・どうですかねー?
『あの人』って適当な割りに結構、厳しいところがあるから・・・

・・・・・でも、私は今日の事をすっごくうれしく思ってますよ!
こんな変な活動を続けてて、初めて人助けができましたから!」

842神藤 莉多『ミザリー・フィースト・デイ』:2020/06/30(火) 01:28:26
>>841
 
「普通の学校、かあ。
 外から見てるだけじゃ分かんないもんだね」 

「ただ、お嬢様でなくても普通でも、
 やっぱり、『趣味』で出歩くような場所でも時間でもないとは、思うけどね」
 
「『面白い』ってのは、まあ、分かるけど」
 
確かに、様々な人が行き交う場であることは間違いない。
先のような厄介事も中にはあるが、差し引き、やはり『面白い』ということに、なるのだろう。
 
「あらら、私じゃ役者が足りないか。
 でもまあ、アレだよね」
 
「『人助け』なんて、ないのが一番じゃないのかな。
 私が言えたことじゃないけど、誰も困らんのが一番いいよ。
 鉄火場も、火事場も、無いに越したことないんじゃないかって、私は思うんだけどね」
 
 
「私としては、その彼氏がそこんとこどう思ってるのか、気になるところではあるよね。」

843氷山『エド・サンズ』:2020/06/30(火) 12:32:30
>>842
「うーん・・・・確かに『人助け』なんてない方がいいんですけどねー
皆がみんな、何事もなく平穏に暮らせるのが良いとは思いますけど・・・
でもそれじゃあ『つまらな・・・・・・失言ですね!すいません」

しまった、というようなばつの悪そうな顔を浮かべる
こういう野次馬精神のような態度は『よくない』ことだ
そうだとわかっていてもやめることはできないのだが・・・

>「私としては、その彼氏がそこんとこどう思ってるのか、気になるところではあるよね。」
「・・・・いやいやいやいや、待ってください、まったく違いますよ、それ、いやマジで
いや本当にそういう勘違いはやめて欲しいですけど、はい    あっ・・・」

心底、嫌そうな表情を浮かべながら否定にかかる
照れ隠しとかそういうのではなく、本当に嫌がっているような様子だが・・・途中から何かに気づいたような表情を浮かべる
それとともに氷山の身に纏う『雰囲気』・・・のようなものが少し変わる

『マッタク・・・・本当ニソウイウノハ、止シテモライタイゼ・・・・
「俺」ハあきはノ精神ノ発露ミテーナモンダカラヨォォォ・・・
ソレジャアマルデ、あきはガ「自分大好き女」ミテーニナッチマウジャネーカ!』


      ゴゴゴゴゴ・・・・

氷山の近くから『男の声』が聞こえる        ヴィジョン
ふと見ると、いつの間にか『和風の意匠をもった人型の 像 』が出現していた・・・

844神藤 莉多『ミザリー・フィースト・デイ』:2020/07/02(木) 23:14:06
>>843
 
「まあ、楽しいに越したことってないからね。
 危なっかしいのは、まあ、どうかなって思うけど」 
 
トラブルを楽しんでいるとも捉えられる氷山の言葉を特に否定するでもなく、
曖昧に首肯する。そこまで踏み入るつもりがあるわけでも無いのだ。
 
「ひひひ……今の『彼氏』ってのはアレだぜ、
 ただの『三人称単数』──そういう意味じゃあないっていう、ま、引っ掛けみたいなもんなんだけど……」 
 
『あの女の人』を『彼女』と称するのと同様に、という意味なのだろう。
悪戯げに笑う神藤はしかし、『氷山』の雰囲気を見て取って──
 
「だ」 

   「誰」

 「ってか、『何』、なんだろうね──」

         「『それ』」
 
傍目にも明らかに狼狽し、冷や汗を浮かべ震える指で、
その、『像』を指差すのであった。

845氷山『エド・サンズ』:2020/07/02(木) 23:31:48
>>844
「あっ」 『アッ』

「『さんずさん』!この方、完全に見えてますよ!」
『ミテーダガ・・・コレハコレデ話ガ早イゼ!』

「あー・・・つまりそのー・・・神藤さんが持っているのと同じ『能力』、なんですよね
紹介させてください、『エド・サンズ』・・・私が持つスタンドの名前です
仰々しい名前なので、私は普段『さんずさん』って呼んでるんですけどねー」

『マッ 俺ミテーニ「意思」ヲ持ツタイプノ「スタンド」ハ稀ミテーダガナ』

狼狽し、冷や汗を浮かべる神藤と向き合う
『エド・サンズ』自身は両手掌を天に向けて敵意のないことをアピールしている

「それで・・・彼が私の『師匠』だったり『兄貴分』だったり『相棒』だったりする人です」
『ソレニ加エテ「能力」・・・・デモアルナ』

846神藤 莉多『ミザリー・フィースト・デイ』:2020/07/02(木) 23:47:28
>>845

「ええと、なんだ、その」

『エド・サンズ』を指し示す指を引っ込めるタイミングすら掴めず、
曖昧に腕を持ち上げたまま、たどたどしく言葉を紡ぐ。

「この『能力』が『スタンド』って奴で、
 その『スタンド』のなかでも、そっちの『彼』は『エド・サンズ』の、『さんずさん』で」
 
一度大きく息を吸いつつ腕を降ろし、改めて息を吐き出すと、
 
「『意思』があるのは、『まれ』なんだよね。
 大丈夫、とりあえず、分かった。っぽい、かな……」 
 
己以外に初めて出会う『スタンド使い』に対し、
驚きと困惑の入り混じったリアクションをしつつ、それでもなんとか状況の把握に努める。
次いで、自身の『スタンド』──『ミザリー・フィースト・デイ』の右腕を、
自身のそれと重なるように発現し、その掌を握って開いて見せる。
 
「これ、もしかしてこういう『これ』──『スタンド』?
 みんな持ってたりするの?
 こう、子供は知らないだけで、実はパチンコ屋さんは玉と現金を交換してるとか、
 そういう、マジでそういう奴?」

847氷山『エド・サンズ』:2020/07/03(金) 00:02:32
>>846

うんうん、うんうん、と深く頷く
思わず、だーっと情報量が多いことを言ってしまったが理解してくれたみたいだ

「そうなんですよ! まあ、みんなは持ってないと思いますが
学校の友達に聞いてみても『なにそれ?時代劇の見過ぎで頭おかしくなった?』とか言われましたし
でもなんとなーく危ない感じの場所には多い気がしますねー 『スタンド』が使える人
『賭け試合』とかやってる場所には能力を持っている人がいっぱいいましたから」

>次いで、自身の『スタンド』──『ミザリー・フィースト・デイ』の右腕を、
>自身のそれと重なるように発現し、その掌を握って開いて見せる。

「ほら、それです
色々と共通点が多いですね、私たち
学年も同じだし、同じような『能力』を持ってるし」

共通点がまた一つ増えたため人懐っこい笑顔を浮かべる

『マア、物騒ナ連中モ中ニハイルミテーダガナ、お嬢ちゃんはソウイウ類(たぐい)ジャネーダロ?』

848神藤 莉多『ミザリー・フィースト・デイ』:2020/07/03(金) 00:31:46
>>847

「あー……、『危ないところ』で『賭け試合』で『いっぱいいる』んだね。
 まあ、そうだよねー。
 私だけ特別な『なにがし』ってわけに、まあ、いかないよねー……」
 
>『マア、物騒ナ連中モ中ニハイルミテーダガナ、お嬢ちゃんはソウイウ類(たぐい)ジャネーダロ?』

「まあ、そうだねえ。
 ウチの子そもそも喋れんし、あんまし物騒なことできないし。
 むしろ、何に使っていこうかなって、いま考えてるとこなんだよね」
 
発現した自身の『スタンド』の掌をまじまじと見つめ、次いで『氷山』へと視線を戻す。
 
「でもまあ、そうだね。
 同学年で、『スタンド』?持ってて、こう、偶然知り合えちゃうって辺り、
 『良き出会い』って奴なのかなって、思ったりしてるんだけどね」
 
そこまでいって、小さく、はにかむように笑って見せる。 
 
「さっきの通りの角のさ、ラブホと花屋の間のコンビニ。
 あそこで10時まで、週三くらいでバイトしてるから」
 
夜の歓楽街に出入りしている理由を、そんな風に説明したりして、
更に付け足すように笑顔で続ける。

「また『見回り』か、『武者修行』の時にでも、
 私がヤバい目に遭ってたら、助けてくれたら嬉しいな。
 ウチの子そういうの、ホントさっぱりだからさあ」

849氷山『エド・サンズ』:2020/07/03(金) 00:52:39
>>848
「きっとそうですよ!『ここで会ったのも何かの縁』ってやつです!
『良き出会い』にしちゃいましょう!」

    『・・・・・・。』  ニヤリ

仲良さげに話し合う二人の姿を見て
にやりとした笑みを浮かべながら『エド・サンズ』の姿が消えていく


「えー・・・っと、花屋と、ら・・・・ホテルの間のコンビニですね!
この辺りは『見回り』の時のルートですからね、また来ますよ
私・・・・はともかく、『さんずさん』は頼りになりますから!
危ない目にあったらすぐに言ってください」

スマホで地図を見ながら位置を確認する

その後・・・・二人で他愛のない話をしたりしながら
夜も更けたあたりで別れ、帰っていった

850グレッグ・ワイルダー『ライノセラス』:2020/07/05(日) 20:07:29
     
      「『ケバブー』」

      「『ケバブ』アルワヨー!」

それなりに通行量の多い昼過ぎの歓楽街。
『毬藻』を連想させる丸く巨大な『アフロヘアー』の褐色肌の外国人が、
紙容器に包装された『ケバブサンド』を片手に通行人に声を掛けていた。


      「アタシのお店、今日は店仕舞。
       残ったケバブ、プレゼントーッ!」

      「そこのイケメンのオニーサン、食べる?
       ああっ、無視シナイデチョーダイ!」
      「ンモー!!」

851夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/07/06(月) 00:27:18
>>850

「おっ、『UMA』か??
 まさか、こんなマチナカにどうどうとあらわれるとは…………。
 モウテンだったな!!」

どうりで、ミズウミしゅうへんではみつからなかったワケだ。
ながねんにわたるチョウサのすえに、
ついにワレワレは『ミチのセイメイタイ』をハッケンした!!
これより、『ファーストコンタクト』をかいしする!!

    トッ トッ トッ トッ トッ

『巨大アフロ』の後ろから、『アリス風』の少女が歩いてきた。
ブルーの『サングラス』を掛けている。
遠くからでも目立つ格好だ。

                 ポ ン ッ

「――――『ケバブ』いっちょう!!」

背中を叩き、片手を差し出した。
カラフルな『ネイルアート』の施された爪が見える。
『受け取る体勢』だ。

852グレッグ・ワイルダー『ライノセラス』:2020/07/06(月) 13:30:47
>>851

「オネーサン」

「アリガットーッ!
 店長の『ギルガメ』チャンに貰ッタはイイけど、
 アタシ『ダイエット中』デ、オニクはNG〜。
 ドウシヨウカ、途方にクレテタノォ〜〜」


ぐっ

アフロ込みで『2m』を越す巨軀を屈め、包装された『ケバブ』を夢見ヶ崎に手渡す『外国人』。

『ケバブ』を持った男の両手には『革手袋』が嵌められており、
袖元がだらっと余る『長袖』を着ている。

「『ギルガメ』チャンノ『ケバブ』美味シイノよ。
 『ヨーグルトソース』デ甘酸ッパイ風味スルケド、
 腐ッテナイカラ、ダイジョーブ。さっ、オタベナサイ!」

853夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/07/06(月) 21:59:35
>>852

「ホントかぁ〜〜〜??
 いっとくけど、わたしはチョー『グルメ』だぜ??」

「チョーマジで」

『ギルガメ』ってダレだよ??
『カミツキガメ』の『シンセキ』か??
いや、『いきわかれたキョウダイ』かもしれないな……!!

「『アリス』の『センス』をマンゾクさせられるかどうか、
 たしかめてやろう」

               ――――ズ ギュンッ

           シ ュ バ ッ

少女の傍らに、『両目を閉じた人型スタンド』が現れる。
その十指には、『メスのような爪』が備わっていた。
スタンドが高速で腕を振るい、『爪の先』で本体に触れる。

    スン スン

「ふんふん、このニオイはたしかに『ヨーグルト』だ。
 くさってるニオイってのは、
 もっとハナのアタマにツンとくるカンジだもんな〜〜〜。
 これとはゼンゼンちがう」

            ムシャッ

「アジも『ヨーグルトソース』だな。
 『ヨーグルトっぽいナニカ』でもない。
 なかなかイイざいりょうつかってるじゃん。
 これがホンバのアジってヤツか??」

『ドクター・ブラインド』の能力――『五感の移植』。
自分自身に『超人的嗅覚』と『超人的味覚』を移植し、
『ケバブ』をチェックして感想を述べる。
別に疑ってるってワケじゃない。
でもまぁ、知らない相手からタダで貰ったモノだし、
そうでなくても気温の高い季節だ。
だから、『一応の確認』だけはしておいた。

854夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/07/10(金) 07:34:49
>>853

そのあとアレやコレやイロイロあった。
キンネンまれにみるスペクタクルなアドベンチャーだったな〜〜〜。
そのツヅキは、またこんどだ!!

855斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/07/18(土) 00:35:18
――なにかを殴るのがそんなに好きならサンドバッグを殴ればよろしいのに。


7月の蒸し暑い路地裏で 口火を切ったのは向こうだったし、言いがかりをつけてきたのも向こうだった
いや、言いがかりではないか 向こうの彼女が言いよってきたのは事実だったし、それを拒否したのも事実だ。
でも、僕の好みでは無かったんだ それは仕方ないじゃないか?

殴りかかってきた奴の拳を踊る様に躱し、懐に潜り込むと両腕を掴んで固定
影の脚が馬鹿みたいに柔らかい関節を駆使して顎をかちあげた

そのままそいつを振り回して2人目に投げ飛ばし、対応の遅れた三人目とタイマンに持ち込む
鳩尾を不可視の脚で蹴り飛ばし、呻きながら頭を下げたところを『大量の鎖』を巻き付けた左のフックで刈り取る 約8キロのダンベルを握り込んで殴るような物だ。

足元に転がった三人目を見て、4人目が前から闘牛みたいに突っ込んできたところを
4脚が常人にはあり得ない跳躍を実現させて上を取り、4人目の頭部を縄跳びを飛ぶみたいに踏み台にしつつ
左腕の鎖を解き 首に絡めて締め上げる ソイツが顔を青くしながら酸素を求めて倒れた時、残っているのは……

 『最初に仲間を投げられて下敷きになった2人目』……まあ、ようやく起き上がったわけだが
 コレは致し方ない事だろう 意識を失った人間は嫌に重い物だ。

 呆然としているそいつの前で僕が左腕を上げると
 頭上から『銀色の蛇』がその頭部を脳天に襲い掛かり――


 『――つまらんなぁ。』


 4人が倒れ伏した路地裏で、『俺』は1人呟いた もとより面白いからやってきたわけではない
 勘違いされては困るが 僕達は生まれてこのかた少なくとも、一度たりとも殴るのが楽しいとだけは言った覚えがない『殺す』に関しても同様だ。

 しかし一度強烈な物を見せられると、どうも人間という物は麻痺するようだ
 『俺』がチンピラ相手に喜々として殴り掛かるわけでもなく、的にするでもなく ……むしろ戦闘を回避しようとする辺りは。

 『それで戦ってりゃ世話ねぇが やってるのは大人と子供の喧嘩だな。つまらん。……ほんとうにつまらんよ。』

 それよりも何か飲もう、この季節にジャケット着込んで運動とか最悪だ。
 確か向こうに自販機があった、アレは『当たり付き』だけど基盤が古くて、コイン入れてから5秒後に押せば必ず当たるという代物だ。

 『コーラにすっかな?それともスプライト?』

 どっちでも。

856ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/07/18(土) 15:12:51
>>855

「……ぬう……むっ……くっ……」


自販機を見ると、地面との隙間を覗き込み、手をつっこんでいる子供がいた。
身長からすると小学校低学年くらいだろうか……


「もう少し……む?
 ……このジハンキに用かの?」


ごそごそやっていたが、背後からの人の気配を察したのか、立ち上がって自販機の前を譲る。
金髪の女の子だ。リュックを背負い、大人の服をダボダボにして着ている。手には木の棒を持っていた。


「!? 人が死んでおる!」


そして周囲の光景に驚きの声を出した。

857斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/07/18(土) 23:54:49
>>856

硬貨を入れて頭の中で5秒カウントし、スイッチを押す

 『ああ、用だよ。コイツとは昔馴染みだからな』

電子音が『当たり』の音を鳴らす中、缶を引っ張り出して開け、口に運ぶ
喉に炭酸の刺激が心地よい、今のような心持の時は余計にそうだ。

 『――ん?』

小学生の声に振り返る、ライダーズジャケットの襟元に赤いスカーフが揺れる。

 『なぁんだ。誰か死んでんのかぁ ……おっかねぇなあ。』

数秒前まで暴力を振るっていたとは思えない程のんびりとした声。
そんな事より当たりのドリンクを何を選ぶかの方が大事だと言わんばかりだった。

858ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/07/19(日) 00:12:05
>>857

「なんじゃ、そこの人、なんか……変じゃないかのう。
 声が……? オバケ……?
 人が死んでおるのはタタリ……?」


『』付の台詞、ということはスタンド会話でいいのだろうか……
スタンドも出しっぱなし状態? 鎖とか黒い影を纏っているような姿に見えるのだろうか?
まあ、子供ながらに異常を察知したらしい。
木の棒を構えて威嚇している。


「なんじゃとォー! 『当たり』……?
 1回でジュースが2本……どういうことじゃ? これがオバケの力?」


しかし興味を持ったのか、次の瞬間には近づいてきた。

859斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/07/19(日) 00:56:25
>>858

おっと、大体の場合『俺』の方が喋るのはスタンドの方でだった
一応は自分の喉で喋った方がいいだろう

 「……変?失礼なガキだなオイ 俺の脚が無いように見えてんのか?」

違いが有るとは思えねぇが、どっちも僕の声である事には違いないし。
例え『全身に蛇の如く鎖が巻き付いて』いようと、見えていなければ無いのと同じ事だ。

 「どうでもいいけどよ…… オバケじゃねぇよ、名前がある。」

コーヒーを押す、おいやめろよ 僕が苦手なのは知っているくせに
鉄分の吸収を阻害するから貧血気味になるんだぞ コーヒーは つまり毒だ。

860ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/07/19(日) 01:13:28
>>859

「? 足はあるじゃろ」

あんまり会話が噛みあわなかった。
幽霊=足が無いというイメージも昨今は薄れてきているのか……

「オバケにも名前が……いや、オバケではない上に名前がある……
 つまり……あっ! あれじゃ、あの、ええと、
 ブレイモノ! 名をなのれぇい!」

急に思いついたように何か言い出した。
木の枝を刀のように構えている。多分テレビの影響とかだろう。時代劇とか。
しかし無礼なのはコイツの方である。

861斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/07/19(日) 01:41:46
>>860

 「……『名乗れ』だぁ?」
 
そうだな、失礼だ そしてコーヒーは毒だ。
怪訝そうに眉を潜めながら、斑鳩翔は考える。

 「ママンに教えて貰ってねえのかガキンチョ」

手にした缶コーヒーを片手でお手玉しながら思案する
先程手に取ったコーラはもう飲み干してしまった、2人分の脳みそには糖分が足りない。

 「人に名乗って貰いたきゃあ ……まずてめぇが名乗れ。」

そう気だるげに言いながら 冷えた缶コーヒーを『ガキンチョ』の額にゆっくりと押しつけようとした。

862ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/07/19(日) 01:54:36
>>861

「ママンってあれじゃろ。なんか子供を飼っておる女。
 わしはああいうのはおらん。つまり野良じゃ」

頬に缶コーヒーを近づけると、微妙に避けつつ、しかし完全には離れないというか……
ギリギリの冷気を楽しんでいるようだ。
近づけるごとにどんどん顔が傾いていく。

「名前もない!
 飼い主はジジイじゃったがなんか最近死んだんでのう!」

子供はかなり大きめの服を着ていてブカブカである。
足元も大人もののサンダルだ。

863斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/07/19(日) 02:28:41
>>862

 「――なんだぁ そりゃあ。」

しかし目の前の存在が木の股から生まれ落ちたようにも見えない
祖父がいるとは聞こえたが、つい最近死んだという。

 (そうなると物覚える前に母親から引っぺがされたか 捨てられたか…)

 「めんどくせぇ。 じゃあ『ガキ』でいいな 名前ねぇんだし。」

そこまで考えて考えるのをやめた
助けようとでもしない限り、意味のない想像だし する気もない。
精々この事をしったら家のババアが怒るくらいだ

 (その場合もメンドクセェなあ 屋根が吹き飛ぶまで怒った後に風呂にぶち込んで養子にするだのしないだの・・・・・・)

俺に義理の妹や弟が何人いるか何て数えたくもないし、知った事でもない
俺には関係のない事だ。

 「で、ガキ 嘘つくんじゃねぇよ 引き取る知り合いくらい いるだろ。」

 取り敢えず缶コーヒーを押しつけてどこまで反れるか試してみることにした。

864ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/07/19(日) 02:40:37
>>863

「ガキってあれじゃろ。お腹が空いてるオバケ。あれは嫌じゃ。
 ユキシラで良いぞ。ジジイの家の……玄関のあの、名前が書いてあるとこに書いてあったやつじゃ」

妖怪的な知識はあるらしい。多分テレビで見た。
缶コーヒーを近づけると、顔だけでなく上体も反れていく。

「引き取るシリアイってぬおお、
 なんじゃさっきから?
 くれるんか? ならばちょうだいしてシンゼヨウ」

限界まで反れる前にくいついてきた。
両手で挟み込むように缶コーヒーに掴みかかる。

865斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/07/19(日) 14:20:37
>>864

缶コーヒーをひょいと手元に戻し、数回ほどお手玉した後にユキシラに放る。

 「――飲めたらな。」

缶コーヒーは大量の『鎖』に雁字搦めにされてユキシラに手渡された
辛うじて缶のプリントが隙間から覗けるくらいである。

 「じゃあなユキシラ、忘れとくぜ ……そうそう」

 「その自販機、金入れて5秒待ってからボタン押してみな 『幽霊パワー』だ。」


そう言い残すと そのまま気だるげに路地裏に消えて行った。

866ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/07/19(日) 22:30:39
>>865

「お? なんじゃこれは。
 まあよい。くれるというのなら代わりにこの木の枝を交換……おい、どこへゆく?」

「というか結局、そちの名前は……?
 こ、この死んだ奴らも放っておいてよいのか?
 おーい」

「……行ってしもうた」

867百目鬼小百合『ライトパス』:2020/08/21(金) 20:34:54

歓楽街の裏小路に店を構える一軒の『蕎麦屋』。
その一角に座を占めている。
テーブルの上には『鰻の白焼き』と『山菜の天麩羅』。
手元には辛口の『冷酒』。
片手に持ったそれを、ぐいと呷る。

「そりゃあアタシだって酒のために生きてる訳じゃあないけどさ」

「『人生に欠かせないもの』だってのは確かだね」

それは、誰かに向けた言葉ではない。
酒が入ると、自然と独り言が多くなってくる。
年を取ってからは余計にそう感じる。
分かっちゃいるが、どうする事も出来ない。
困ったものだ。

868百目鬼小百合『ライトパス』:2020/08/23(日) 11:13:47
>>867

「昔から、親父はアタシの目標だった」

「だから、アタシも同じ道を歩んだ」

「いつか親父を超えたいと思ってた」

料理の皿をつつきながら、酒が進む。
その都度、独り言も続いていく。
アルコールによる多幸感が、次第に冷めていくのを感じる。

「でも、まだ超えられちゃあいない」

「いつになったら出来るのかねぇ」

「いいや――――」

呟きながら、首を横に振る。
同時に、空になった器をテーブルに置いた。
徳利の中身は残っているが、次は注がない。

「親父は『力』なんてなくても立派にやってた」

「アタシは『力』があっても、このザマだ」

「『宝の持ち腐れ』ってヤツなのかもしれないねえ」

小さく溜息が漏れた。

869百目鬼小百合『ライトパス』:2020/08/26(水) 19:32:16
>>868

「ハハハ――――」

「止め止め。こんな事を考えてたってキリがない」

「我ながら、だいぶ酔いが回ってきたようだねえ」

「――――ご主人、『蕎麦』もらえるかい?」

「あぁ、『いつもの』でいいよ」

一杯やった後に蕎麦を食って帰る。
いつの日からか、それが習慣になっていた。
『立場』が変わっても、それは『あの頃』と変わらない。

870日下部『アット・セブンティーン』:2020/09/08(火) 15:42:31

片手にコンビニで買ったコーヒーを持ち、
通りすがる人々をベンチに座って眺めていた。

別に何かを探しているわけでもない…………
が、何か面白そうな事があれば、それは良い事だ。

彼女自身は目立った動きをしているわけではない。
が、白髪に白い服、白づくめの外見は、往来から目立つ。

871百目鬼小百合『ライトパス』:2020/09/08(火) 19:07:09
>>870

日下部の後ろから、誰かが歩いてきた。
180cm近くある背の高い女だ。
白いパンツスーツを着て、火の付いていない煙草を咥えている。
両方の耳には『白百合』のイヤリング。
年の頃は四十の半ば程に見えた。

       スッ

やがて、ベンチに腰を下ろす。
ポケットから取り出したのはライターだった。
あちこちに傷がある年季の入った代物だ。

            カキンッ

金属製の蓋を親指で軽快に跳ね上げ、
煙草の先に火を付けようとした所で動きが止まる。
隣に座る『白尽くめの少女』を横目で見た。
苦笑しながらライターの蓋を閉め、ポケットに戻す。

872日下部『アット・セブンティーン』:2020/09/08(火) 20:55:25
>>871

顔を上げると、白い三つ編みが揺れる。
目が合う。

「別にいいよ〜、お姉さぁん。
 私は気にしないよ、おタバコ……お好きにどーぞ」

往来の人々は、それほどこちらを見てはいない。
嫌煙家がいるとして、あえて声を掛けては来ないだろう。

「ほら、我慢は体に毒って言うでしょ〜?」

「まあタバコも毒かもしれないけど〜……
 心には薬になるって、友達が言ってたから」

            ニコ ニコ

笑みを向ける。
毒気のない笑みを。

「んふ……お仕事帰り? 毎日お疲れ様です〜〜〜」

言葉もまた毒のない物だ。薬になるかは、分からない。

873百目鬼小百合『ライトパス』:2020/09/08(火) 21:27:36
>>872

「ハハハ、『心に毒』か」

毒のない笑みに笑い返す。
昔と比べると、最近は喫煙に対して厳しくなった。
ルールやモラルに反する気はないが、
やはり肩身の狭さは感じるものだ。

「悪いね、お嬢ちゃん。何だか気を遣わせたみたいで」

「お言葉に甘えて、ちょっとやらせてもらうよ」

       シボッ

「吸えば『体に毒』だし、吸わなきゃ『心に毒』だ」

「全く困ったもんだよ」

言葉を返しながら、慣れた動作で煙草に火を付ける。
人心地ついた表情で空を見上げた。
細い煙が、音もなく緩やかに立ち昇る。

「あぁ、そうだよ。体を動かす仕事でね。
 お嬢ちゃんは誰かと待ち合わせかい?」

「この辺は『物騒』だから、夜は気を付けなよ」

「今みたいに暑い時期ってのは、
 一年の内でも『犯罪』が増える傾向があるっていうからねえ」

874日下部『アット・セブンティーン』:2020/09/08(火) 21:47:58
>>873

「いいよいいよ、好きなだけ甘えて。
 私、甘えられるのいやじゃないよ〜。
 私が損をしない範囲でならだけど……んふふ」

「損しないことに怒ってたら無駄だも〜ん」

話すのが楽しければ『プラス』だ。
副流煙という『マイナス』は、
それをもって打ち消すことが出来る。
楽しくなりそうな予感は、あった。

「わお、暑いのに大変だ」
「お仕事当ててもい〜い?
 えーっと、ジムのインストラクターさん! どう〜?」

        コト

「ちなみに私が待ち合わせなのは……正解で〜す」

当てずっぽうを言いながら、コーヒーを脇に置く。

「暖かくなるとヘンタイが増えるって言うもんね〜。
 特に夏っていろいろ開放的なムードだし。
 それとも、単に暑すぎておかしくなっちゃうのかな〜。んふ」

875百目鬼小百合『ライトパス』:2020/09/08(火) 22:32:33
>>874

「そんな風に見えたかい?ハハハ、違うよ」

「『人に教える』って所は、
 ちょっとだけ似てるかもしれないねぇ。
 『先生』って訳じゃあないけどね」

その容姿からは、普段から運動している事が窺える。
しかし、インストラクターとは少し雰囲気が違った。
指導する側のような佇まいではあるが、
どことなく『厳しさ』のようなものが滲み出ている。

「夏は皆が薄着になるし、大きなイベントも多いからね。
 調子に乗って悪ノリするヤツとか、
 ロクでもない事を考えるのが出てきやすいんだと思うよ」

「ま、暑さでココが鈍くなってるのかもしれないけどねえ」

自分の頭を人差し指でつつき、軽く笑う。
その時、『ある事件』を思い出した。
それを耳にしたのは、少し前の事だった。

「そういえば、この辺りで前に『轢き逃げ』があったらしいね。
 そんな『噂』を聞いた事があるよ」

「アタシも詳しくは知らないんだけど、酷い話さ」

いつだったか、そんな『噂』を聞いた事がある。
この話が記憶に残っていたのは『奇妙な点』があったからだ。
被害者も加害者も不明で、その痕跡すら見つかっていない。
それなのに、実際に『事故』は起きたというのだ。
もし本当なら、『奇妙な事件』と呼べるだろう。

876日下部『アット・セブンティーン』:2020/09/09(水) 00:22:17
>>875

「ん〜。先生じゃないのに教えるの?
 なにかな〜。私知らないかも。
 四択クイズにしてくれたりしないかな〜」

「んふ、別にクイズにこだわりはないけど」

体を動かす仕事、という言葉。
『活力』と『風格』を感じるたたずまい。
そういった点から、なんとなく連想しただけだ。

「あ〜、薄着なのは関係ありそ〜。
 ほとんど裸じゃん!って人たま〜にいるもんね」

「脱ぐヘンタイも、見るヘンタイもコスパのいい季節か〜」

などと、談笑していたが……

「へ〜、轢き逃げ〜」

           ゴク

身に覚えのある話が来た。

「怖いね、せめて轢いたら救急車くらい呼んでほしいよ〜」

「でも、死人が出なかったのは良かったよね。
 あ〜、だってほら。お花とか、供えられてないし〜?」

口にしてから『他人ごと感』を出すべきだったかとも思ったが、当事者なのだ。

877百目鬼小百合『ライトパス』:2020/09/09(水) 01:02:46
>>876

「ま、アタシの職業については『秘密』って事にさせてもらうよ」

「いや、別に隠すようなもんでもないんだけどねえ」

どうという事のない談笑。
その最中に、何気なく出した話題だった。
だが、少女の答え方に、何となく引っ掛かるものを感じた。
単なる直感だ。
もしかすると思い過ごしかもしれない。

「その通りだね。
 もちろん轢くのも悪いけど、怪我人を放って逃げるってのは、
 更に悪いからねえ」

「――この噂、知ってたかい?」

何気ない口調で尋ねる。
無視すれば良かったのだが、
気になってしまうと放置しておけない。
元々その事故が奇妙なものだった事も理由の一つだ。

878日下部『アット・セブンティーン』:2020/09/09(水) 18:17:16
>>877

「んふふ、私、無理には聞かないよ。
 話すようなことでもないってことでしょ〜?
 だったら、知らない方が楽しいこともあるもんね」

「何事も、楽しいのがいちば〜ん」

重要なのは『知的好奇心』でも『空気読み』でもなく、
自分にとってそれが『楽しいかどうか』……という事。

優先するべきはそこにある。
そこには、『たしからしいもの』がある。

「うん、知ってた知ってた〜。
 轢かれたヒトを見てたわけじゃないけどね」

自分を見る事は難しい。

「んふ……お姉さんって〜、『事件』に興味ある人〜?」

同じく何気ない口調で返す。
『犯罪』『轢き逃げ』……一般的に『物騒』な話題だ。

初対面の雑談に、無難なゴシップと言えなくもないが……

879百目鬼小百合『ライトパス』:2020/09/09(水) 19:40:13
>>878

「ああ、知ってたのかい。そんな気がすると思ったよ」

『救急車が呼ばれなかった』とか、
『花が供えられていない』とか、
引っ掛かったのは大体その辺りだった。
根拠と言うには弱いが、気になったのは確かだ。
しかし、まさか『被害者』だとは思わない。

「興味あるねぇ。好きって訳じゃあないけど」

「噂じゃあ逃げた奴は捕まってない。
 つまり、自分がやった事の『ツケ』を払わずに、
 踏み倒したって事だ」

「アタシは、そういうの嫌いでね。
 ソイツがまた同じ事をやらないとも限らないし、
 『人を轢いても逃げ切れる』って、
 勘違いするヤツが出てくるかもしれない」

「だから、犯人をキチッと捕まえて、『罪の重さ』ってヤツを、
 分からせてやって欲しいと思ってる訳さ」

煙草を口から離し、言葉の代わりに煙を吐き出す。
喫煙が犯罪じゃなくて良かった。
これが罪だったら、自分は終身刑になっていただろう。

「もちろんアタシが捕まえる訳じゃあない。
 それは『警察』の仕事だ。
 でも、『通報』する事は出来るからね」

「その轢き逃げについて、他に何か知らないかい?
 よければ聞いときたいねえ」

曲がった事は嫌いだが、真っ直ぐしか歩かない訳ではない。
左折もするし右折もする。
言葉も同じだ。
もし犯人を見つけたら警察に通報する。
その犯人を捕まえた後で。

880日下部『アット・セブンティーン』:2020/09/09(水) 21:17:37
>>879

「んん、そんなにたくさんは知らないけどね〜。
 少なくとも、捕まえるのに近付ける情報とかは……」

必死になって追えば『たどり着けた』可能性はある。
が、それがプラスになると日下部は考えていない。

「ナンバーとかも、もちろん知らないし〜」

痛みを感じたその場ならまだしも、
後になって報復のために走り回るのは、
いたずらに『マイナス』を増やす行為だ。
何か大切なものを失ったわけでもない。
日下部の『因果』は『応報』しないもの。
復讐の熱がない以上、他害は利己に繋がらない。

「あー、でも、『轢いたの』はバイクだったみたい。
 車じゃなくってね〜。大きい、改造してるバイク〜」

だが……

「ぜ〜んぜん、ブレーキする気なさそ〜だったって」

「細かいことは、知らないけどね。 
 でも、『轢き逃げ』よりは一歩踏み込んだね。
 んふ……お姉さんの役に立ったなら、私、嬉しいな〜」

解決を望む者がいて、それに協力することで、
精神的な喜びを得られるなら……それは『価値がある』事だ。

881百目鬼小百合『ライトパス』:2020/09/09(水) 21:56:56
>>880

「『大型の改造バイク』――なるほどねぇ。
 この辺りじゃ一台や二台でもないだろうけど、
 ある程度は絞れるかもしれないね」

「バイクで人を轢いておいて、
 それに気付かないって事は考えられない。
 ブレーキも掛けずに走り去ったってのは、
 気にも留めてなかったのかもしれない。
 よほど肝が据わってるのか、
 じゃなきゃ『初犯』じゃないヤツか」 

「噂だと、確か『深夜』だったって話だ。
 時間帯と大体の現場は分かってる。
 それと同じような時間と場所に、また現れる可能性はある」
 
「いい情報だったよ。ありがとう、お嬢ちゃん」

単にバイクだけなら特定は難しいが、
大型で改造されているとなると、自然と範囲は狭まってくる。
また同じ場所を通るかもしれない。
現場とされる付近を注意しておくだけの価値はあるだろう。

「お嬢ちゃん、なかなか事情通なんだね。
 『噂話』は好きな方なのかい?」

「アタシの聞いた話だと、
 そこまで詳しくは分からなかったからさ」

犯人とは別に、気になる事が一つあった。
自分が聞いた噂以上に、この少女は情報を知っている。
その『情報源』がどこなのかという事だ。

882日下部『アット・セブンティーン』:2020/09/09(水) 22:13:09
>>881

「んふふ、良かった〜。
 誰も損せずみんなが得するのが一番いいもんね」

        ニコ

「噂話とか、そういうの好き〜。
 面白いし……聞くだけならタダだし。
 自分のためになる事も多いし〜」

「今回のネタを知ってたのは、『偶然』だけどね〜」

星見町には奇妙な噂も多い。
最大限の愉しみを得るためには、知る必要はある。
もちろん、自分にとって価値のある範囲でだが。

          サッ

ふと、スマートフォンに目をやると連絡が入っている。
待ち合わせに遅れたが、すでに近くにいるという事だ。

「私、行くね。お姉さん、悪い人捕まったらいいね〜」

特に何か呼び止められないなら、日下部は立ち去る。

883百目鬼小百合『ライトパス』:2020/09/09(水) 22:37:01
>>882

「ハハハ、皆が幸せなら世の中も平和だからねぇ。
 何事もそれが一番さ」

『偶然』――そういう事もあるだろう。
同時に、そうではない可能性も存在する。
今の段階では、まだどちらとも言えない。

「ああ、行っておいで。お嬢ちゃんと話せて良かったよ」

片手をヒラヒラと振って、名も知らぬ少女を見送る。
しかし、あの『白尽くめ』は目立つ外見だった。
また見かける事があれば、それに気付くのは難しくない。

        スッ
              サラサラサラ

手帳とペンを取り出して、聞いたばかりの情報を書き留める。
そこには、『白づくめの少女』という単語も付記されていた。
おもむろに顔を上げ、少女が立ち去った方向を眺める。

「――――何だかねぇ」

「手掛かりを見つけたと思ったら、一緒に『謎』も増えちまったよ」

884日下部『アット・セブンティーン』:2020/09/10(木) 00:52:05
>>883

手を振って、その場から立ち去った。
『事件』におけるその『正体』も闇の中に消えるが、
もしソレを追うのであれば、また線が交わる事もあるかもしれない……

885俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/09/10(木) 22:05:47
真昼の星見駅南口……
毎夜眩いネオンも、太陽の下ではしおらしく消灯…
お天道様の光が路地裏まで焼き、カラフルな看板たちも白色光に塗り潰され、
客引きもこんな時間ではまばら…歓楽街特有のカラーを感じられない…

…しかし、嗅覚には確かに感じられる……肉、魚、油、穀物、煙草……
…『ランチ』の匂いだ…人を誘う、歓楽街の匂い……


 モクモクァ……

……そんな匂い達の中、特に強い匂いを感じる…『煙』とともに…


  ジュ――――…

「らっしゃァいー…」
「『サンマ』やってるよォー……」


男が、七輪からめっちゃ煙を立てている。公道で。
『消防法』という単語が脳裏をよぎる光景…

886氷山『エド・サンズ』:2020/09/11(金) 20:32:28
>>885
「あっ・・・・!」

休日の昼間、多くの人々が行き交う街中
先を急ぐ人の群れは俵藤のサンマを一瞥して歩み去っていく
その中に一人、サンマの匂いに釣られて足を止める少女がいた

「美味しそうな匂いですね・・・」
「でも、今年のサンマはすごくお高いんですよねー・・・」

そんな事を呟きながら七輪を見回す
普通ならそのあたりに『値札』がありそうなものだが・・・

887俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/09/11(金) 22:37:40
>>886

温暖化の影響とか何とかで…今年の『サンマ』は不漁だとか。
もちろんそれはお値段にも響いているワケだが…

   モクモクモク…

「安いよォー安いよォー」

公道のド真ん中。
白髪グラサンの男、煙を上げる七輪、小型のパイプ椅子、使い捨て食器の入った袋、
クーラーボックス、ビールサーバー…。
…『値札』の類が見当たらない。『胡散臭い』。


 「…さァん」
     「…お嬢さァん?」

「お嬢さァん…お腹空いてるでしょ…よければ一尾、どう?」
「『炭火』で『焼きたて』やってるんだ……」

888氷山『エド・サンズ』:2020/09/11(金) 22:54:00
>>887
     キョロキョロ…

七輪の周りを見ても『値札』らしきものはどこにもない
クーラーボックスや男の顔を見てもどこにも見当たらない

「んん・・・・?」

流石に何かおかしいなぁ、怪しいなぁ
無視して帰った方がいいかなぁ、と思ったところで・・・・

>「お嬢さァん…お腹空いてるでしょ…よければ一尾、どう?」
>「『炭火』で『焼きたて』やってるんだ……」

呼びかけられてしまった
反射的に思わず言葉を返してしまう

「あっ、美味しそうですね これっておいくらなんですか?」

889俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/09/11(金) 23:24:27
>>888

>「あっ、美味しそうですね これっておいくらなんですか?」

 「まぁまぁ…」
   「まぁまぁまぁまぁ…」
             ヒョイッ

 「ホラいい匂いでしょう…ちゃんと『炭』で焼いてるからねぇ…」
 「今年のサンマはねぇ…数は少ないんだけど…身が太くて、しっかりしててねェ…」
 「旬にはまだ早いんだけど…それでも立派なモンさ…」

差し出…押し付けられる、発泡スチロール製の使い捨て皿の上に横たわる焼サンマ。
良い香りだ…ただ、君のハナ次第だが…
『炭』の匂い…つまり『植物』の焼ける匂いはしない事に気づくかもしれない。
どちらかというとコレは…『燃料』の匂い…?


「いわゆる『初サンマ』だからねぇ…『縁起モノ』さ…」
「日本人たるものコレは逃せないよ…」
「値段もその…払いやすい額だから…」


…やっぱ胡散臭い。

890氷山『エド・サンズ』:2020/09/11(金) 23:34:46
>>889
   ヒョイッ
        ジュワ〜〜〜〜〜

「ご、ごくり・・・・確かに凄く美味しそう・・・・じゃなかった!
 今年のサンマはいつもよりもお高いって聞きますし、やっぱり結構です
 それに・・・・・  クンクン  これって『炭』じゃなくて何か別の・・・・?」

  チラッ
      っと七輪の中を覗き込む
本格的な炭火焼きであれば赤々とした炭火の光が見えるはずだが・・・

「それに今日はそんなにお金も持ってないですし・・・」

手のひらを顔の前でぶんぶんと振り、『いらない』と意思を示す
それにしても胡散臭いなぁこの人、と内心では思いながら


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