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【場】『 歓楽街 ―星見横丁― 』

1 『星見町案内板』 :2016/01/25(月) 00:01:26
星見駅南口に降り立てば、星々よりも眩しいネオンの群れ。
パチンコ店やゲームセンター、紳士の社交場も少なくないが、
裏小路には上品なラウンジや、静かな小料理屋も散見出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
---------------------------------------------------------------------------

406 美作くるみ『プラン9・チャンネル7』 :2018/07/27(金) 23:58:53
>>405

「――うん、いい笑顔。とっても素敵よ。グッドグッド」

    フフッ

少年の微笑みを見て、決して気取らない笑みを返す。
電波を通じて声を届け、聴いてくれる人にエールを送る。
誰かを応援することで、ささやかな助けになること。
それが『私の仕事』だ。
正確には『私の生き方』と呼んだ方がいいのかもしれない。

「こんなに貰っちゃったんだし、私も何かお返ししたいわ。
 でも今はあげられそうなものを持ってないし……あっ、そうだ」

一旦、袋を置いて、ジーンズのポケットから名刺入れを取り出す。
そこから、名刺を一枚抜き出した。
大きく『Electric Canary Garden』の文字が見える。

「――えっと、どこへやったかな。あぁ、あったわ」

スタジャンのポケットを探り、一本のボールペンを手に取る。
続いて、慣れた手つきで名刺の余白にメッセージを書き込んでいく。
こういうことをしていると、つい昔『アイドル』だった頃を思い出してしまう。

頭に浮かんだのは、人気絶頂だった時期だ。
光り輝く大きなステージで、数え切れないファンの声援に囲まれていた。
風化というのは早いもので、今となっては、
過去の栄光は世間から完全に忘れ去られている。

だけど――それでもいいのだ。
今の私は『アイドル』ではなく『パーソナリティ』。
『声援を受ける側』から『声援を送る側』になったのだから。

「今こんなものしかないんだけど、もし良かったら受け取ってくれない?」

メッセージ入りの名刺を、少年に差し出す。
余白には、『Thank you very much!! fromくるみ』と綴られている。
その傍らには、番組のイメージキャラクターである、
電源コード付きのカナリア『電気カナリア』の手書きイラストが、
小さく添えられていた。

407 斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』 :2018/07/28(土) 03:25:17
>>406

差し出された一枚の紙を
覗き込むようにして両手で受け取る

「わぁお…サイン入りだ、カナリアまで」

そこには『Thank you very much!! fromくるみ』というメッセージと
カナリアの絵が余白に書かれた名刺が一枚

「――ありがとうございます 美作さん」
「クラスの友人に自慢できますよ」

名刺をそっと仕舞い込み
新しい友人が出来たこの日に感謝する

(――ああ、幸運を運ばれるなら、こういう日がいい
 誰にでも、何の瑕も無く、胸を張って自慢できるような日が)

首に巻かれたスカーフが、冷房の風か、そっとはためいていた。

408 紫藤伊吹『ウィンタリング』 :2018/08/14(火) 23:54:05
「あっちぃー……」

「各自喝を入れ暑い夏を迎えるために作詞活動とは言うけど……」

薄手の白いパーカーを着た成年。
それから黒いサルエルパンツとスニーカー。

「暑すぎるだろ」

「なんでこんなに無意味に暑いんだ」

ぶつぶつ呟きながら歩いている。

409 紫藤伊吹『ウィンタリング』 :2018/08/27(月) 23:44:25
>>408

「あっつい……かえろ」

410 今泉『コール・イット・ラヴ』 :2018/09/05(水) 00:05:26

              ザワザワザワ
                         ワイワイワイ

このあたりはいつ来てもにぎやか。
表通りよりも珍しい物が売ってるお店もあるし。
けど、待ち合わせ場所にしたのは失敗だったかな。

「…………」

学校が午前までだったから、
制服のままで来た。まだお昼だし。

                    ガヤガヤガヤ
 
・・・スマートフォンを見てみる。まだ連絡は着てない。

【待ち合わせの相手という事にして絡んでくれてもオッケーです】

411 小石川文子『スーサイド・ライフ』 :2018/09/11(火) 20:55:56
>>410

ふと、胸の内に寂しさを覚えることがある。
そんな時は、人の多い賑やかな場所を歩くことにしていた。
でも、それが裏目に出てしまったらしい。

  ――……!

不意に、腕を組んで仲睦まじく歩く男女の姿が視界に入る。
その瞬間に、心の奥底から強い想いが込み上げてきた。
それは『あの人に会いたい』という衝動だった。

      タッ

咄嗟に近くの路地裏に入り、急いでバッグを開いて『鎮静剤』を取り出す。
この強い衝動を抑える方法は、これ以外にない。
もどかしい思いで喪服の袖を捲くり上げ、色の白い腕を外気に晒す。

           グッ
                 スゥゥゥゥゥ――ッ

左手に握る『鎮静剤』――『果物ナイフ』の刃を肌に押し付け、
緩やかな動作で音もなく静かに引いていく。
細い血の筋が流れ、指先から赤い雫が滴り落ちる。
それを見ていると、次第に気分が落ち着いていくのを感じた……。

  ……ガヤガヤ

まだ夢心地の状態で、通りを行き交う人々の足音や話し声を聞いている。
その『自傷』が行われたのは、待ち合わせをする少女から、
そう遠くない場所だった。
少女は、どこかで『生物の負傷』が起きたことを感じ取ったかもしれない。

412 今泉『コール・イット・ラヴ』 :2018/09/11(火) 22:15:50

        ズギュン

「あれ、先生。どうしたんですか?」
「特に危ない事とかしてないですけど」
「歓楽街? お昼だし別にいいですよね?」

          『〝補修〟ガ 必要ナ 気配ヲ感ジマシタ』

「気配ですか? 滑ってこけた人でもいるのかな」

             スゥゥーーッ

「あっ、行っちゃった」

今ここで待ち合わせしてるのに、困った先生だと思う。

「…………」

こういうことってたまにある。理由とかは分からないけど、
先生には先生のフツーがあるのかな。でもどこに行くんだろう?

             ヴィー
                 ヴィー

そんな事を思ってたら、スマホに連絡が来てたし、先生の事はちょっと置いておく。

>>411

           シュルシュルシュルシュル

      シュルシュルシュルシュル
    
           『〝世界はそれを愛と呼ぶ(コール・イット・ラヴ)〟』

                シュルシュルシュルシュル

           『・・・コレヨリ "補修"ヲ 始メマス』

小石川が目にするのは、全身にマスキングテープが絡んだ歩く幽霊。
お迎えにしては奇矯すぎるそいつが・・・傷に吸い寄せられるように、近付いてくる。

413 小石川文子『スーサイド・ライフ』 :2018/09/11(火) 23:05:33
>>412

  ――あれ……は……?

前触れも無く目の前に現れた奇妙な人影を、ぼんやりした瞳で見つめる。
最初は、自分が見ている白昼夢だと思った。
しかし、徐々に意識が現実に引き戻されていくにつれ、
それが現実の存在であることを理解する。
見覚えのない姿だが、その異質な存在感には確かな覚えがあった。
自分に向かって近付いてくるのは明らかにスタンドと呼ばれる存在だろう。

  「――あなたは……?」

       スッ……

未知のスタンドに問い掛けながら、少しずつ後ろに下がる。
『補修を始める』という言葉は、この腕の傷のことを言っているのだろうか。
あるいは、『補修』というのは比喩のようなものかもしれない。

            スッ……

そのまま下がり続け、距離を離そうとする。
しかし、その先は行き止まりだった。
それ以上は先へ進めない。

                   カランッ

壁を背にした時、左手から果物ナイフが滑り落ち、
軽い音を立てて地面に落ちた。
その空になった左手に、自らの意識を集中させる。
次の瞬間、手品のように『新たなナイフ』が左手の中に現れた。

        スラァァァァァ――――z____

下ろしている左手に、自身のスタンド――『スーサイド・ライフ』が発現する。
しかし、こちらから手出しをするつもりはなかった。
これは、あくまでも『何かあった時のため』の行動だ。
このスタンドの素性は分からない。
だけど、何か危害を加えられたわけではないのだから。

414 今泉『コール・イット・ラヴ』 :2018/09/12(水) 01:00:43
>>413

          『私ハ 〝コール・イット・ラヴ〟』

          『傷ヲ〝補修〟スル スタンド デス』

      シュルルルルル

手短な自己紹介だった。
それよりも行動に移る方が早かった。

          『手ノ傷ヲ 見セテクダサイ』
          『私ガスグニ 元通リ二 シマスカラ』

      シュルルルルル

体に巻き付いたマスキングテープをほどき、
まるで包帯のようにそれを差し出して来る。

          『剥ガストキモ 痛クハナイデスヨ』

          『傷ニ 染ミルヨウナ薬モ 使ッテイマセン』
          『繋イデ元通リ』『マサニ〝ラヴ〟デス』

奇妙な――スタンド。そう、スタンドだ。
なのに、この『コール・イット・ラヴ』には本体が見当たらない。

まるでロボット・・・教師のような口調で、諭すように語りかけてくるのだ。

415 小石川文子『スーサイド・ライフ』 :2018/09/12(水) 01:42:44
>>414

スタンドの自己紹介を受けて、軽く頭を下げて会釈を送る。
先程まで緊張していた表情も、心なしか和らいでいた。
続いて、挨拶を返すために再び口を開く。

  「……ありがとうございます」

  「――『コール・イット・ラヴ』……」

  「それが……『あなたの名前』なのですね……」

全身にマスキングテープを身に纏うスタンド――『コール・イット・ラヴ』は、
名乗る前に『私は』と言った。
本体が操作しているのなら、『このスタンドは』と言う方が自然だろう。
もしかすると、『コール・イット・ラヴ』は、
『自分自身の意思』で行動しているのかもしれない。

        スゥッ

穏やかに諭すような言葉を聞いて、
未だ血が流れ続けている右腕を静かに持ち上げる。
そして、その手を『コール・イット・ラヴ』に向けて差し出した。
剥き出しの腕には、果物ナイフによって生じた自傷の『切り傷』が、
生々しく刻まれている。

  「『私の名前』は……小石川文子です……」

  「そして、これは『スーサイド・ライフ』――そう、お呼び下さい……」

反対の左手には、まだ『スーサイド・ライフ』が握られていた。
解除はしていないが、動かすこともしていない。
その腕は下ろされたままであり、発現させた時と同じ状態だ。

416 今泉『コール・イット・ラヴ』 :2018/09/12(水) 03:19:12
>>415

         『ソレデ 〝正解〟デス』
         『ヨロシクオ願イシマス 小石川サン』
         『ソシテ〝スーサイド・ライフ〟』

              シュルシュルルルル

         『時間ヲ オ取リスル事ハ アリマセン』

傷のいきさつを問う事はない。
『コール・イット・ラヴ』は『補修する』。
ただ、そこにある傷口を。

         ピタッ

巻き付けられたマスキングテープが傷口を覆い隠す。

         『コレデ〝元通リ〟』『補修ヲ終ワリマス』

   スゥゥーーー ・・・

         『ソレデハ ソロソロ戻リマス』
         『待タセテ イルカタガ イマスノデ』

                   『ソレデハ オ元気デ』

スタンドはそれを終えれば、役目を果たしたように去って行く。
追えば本体に辿り着けるかもしれないけれど、意味があるかどうかは小石川次第。

417 小石川文子『スーサイド・ライフ』 :2018/09/12(水) 17:08:07
>>416

  「――傷を『治す』……」

  「これが……あなたの……」

自傷を終えた後、普段は自分で包帯を巻いている。
だけど、今はその必要はなかった。
マスキングテープの下で、急速に傷が癒えていくのが感じられる。
『コール・イット・ラヴ』の言葉通り、傷口はすぐに塞がった。
元通りになった腕を見つめて、その能力を目の当たりにする。

                   フッ……

今まで握っていた『スーサイド・ライフ』が、幻のように消えた。
空いた左手で、捲くっていた袖を下ろす。
それから、再び『コール・イット・ラヴ』に向き直る。

  「……ありがとうございました」

感謝の言葉と共に、深く頭を下げる。
そして、自身を癒してくれたスタンドの後ろ姿を見送った。
『コール・イット・ラヴ』の本体に全く関心がないと言えば嘘になってしまう。
だけど、『彼女』は傷のことには何も触れないでいてくれた。
だから、今ここで後を追うことはしないのが自分なりの礼儀だった。

              スゥゥゥ……

深呼吸を一度し、先程まで昂ぶっていた心が鎮められたことを確認する。
地面に手を伸ばし、足元に落ちている『鎮静剤』を拾い上げる。
きちんと鞘に収めてから、丁寧にバッグの中に戻す。

    コツ コツ コツ……

  「――……」

路地を出て、少しの間その場に立ち止まる。
おもむろに顔を動かし、一度だけ『彼女』が立ち去った方向に目を向けた。
その方向に対して、慎ましく目礼を送る。
やがて、踵を返して背を向け、反対方向に向かって歩いていく。

誰にも知られることのない町の片隅で、
ほんの僅かな時間の間に起こった、奇妙で小さな邂逅だった――。

418 今泉『コール・イット・ラヴ』 :2018/09/12(水) 23:30:06
>>417

            ワイ

                ワイ

白昼でも仄暗く、静かな路地を出ると、
歓楽街のにぎわいが世界に戻ってくる。
奇妙なスタンド『コール・イット・ラヴ』は、どこへ?

通りは人であふれている。
誰もが小石川に無関心で、
今起きたことを知る筈も無い。

               スタ スタ スタ

「ごめんね、待たせちゃってさあ」

「平気平気、こっちもフツーに今来たところでしたから」
「じゃあ行きましょう」「さっき見たときはまだ並んでませんでしたし」

                    スタ スタ スタ

小石川の横を通り過ぎてゆく、『清月学園』の女子生徒が二人。
目が合う事も無く、そのまま離れていく。ごくフツーの、日常風景。

419 降神志一『プラガーシュ』 :2018/09/18(火) 22:42:13
「はぁー……」

道の端に男がしゃがみこんでいる。
ため息をつきながら自分の持っているビニール袋の中身を見ている。
無地のものとコンビニのものが一つずつだ。

「ついてんのはいいけど、こんなにいらないなぁ」

420 斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』 :2018/09/19(水) 23:07:39
>>419

――そうだな、僕の意見だが

まず、下痢気味の『鶏』には見えないな
そして、溜息をついて、うずくまっている、道端で
最後に……まあ、困っているようには、見える たぶん

つまり、視界の端に映った少年に対して見えない位置で
水性ペンで左掌に簡単な『鳥』の絵を書き込んだ後
おもむろに歩み寄って僕が言うべき『台詞』はこうだ。

「もしもし、其処の君」
「そんな所にうずくまってどうしたんだ?」
「僕の見間違いなら構わないんだが、困っているのかい?」

後は気を遣うようにしゃがみ
興味のありそうな眼で、相手の眼を見るだけ。

「寒いなら、首に『マフラー』でも巻いたほうがいい、僕みたいに」。

421 降神志一『プラガーシュ』 :2018/09/19(水) 23:42:40
>>420

「……なんですか」

しゃがみこんだ状態から見上げる。
目つきが少し悪い。
にらみつけるような視線。

「そうですね。困ってます」

(気取ったような言葉、まぁ胡散臭げ)

(巻かねぇよマフラー。締められたいのか。それとも季節感が微妙にずれてんのか)

422 斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』 :2018/09/20(木) 00:19:27
>>421

「うん?……うーん
 そう睨みつけられても、怖いのだけど、僕が」

(何だか、不機嫌そうに見えるな…多分
 ……大体、僕は男性相手のコミュニケーションで初手を間違えてる気がするんだよな
 いつも何かズレていると言うか……悲しい事だ、うん)

苦笑いのままに頭を掻き
次に目の前の青年に目を向ける、大体20前後だろうか?

(ま、嫌われるのは今に始まった事ではないのだし
 慣れてるから僕は良い…が、ただ、困っているなら彼は良くないだろう)

「そうか……何か困っているなら、君の事で僕が手伝えることがあると良いのだけど
 ……何を困ってるんだい?君」

袋に目を向ける、コンビニ袋と別の紙袋が一つ
(ついているけど、こんなにはいらないと言っていたが……)

423 降神志一『プラガーシュ』 :2018/09/20(木) 00:44:15
>>422

「にらんでないですよ」

むっとしたような言葉。
ケンカ腰というわけでもなく。
しかし友好的というわけでもなく。

「困ってるんですよ」

男が無地の方の袋を持ち上げる。

「コーラ」

袋の中には三本のコーラ。
500mlのものだ。
それとお菓子が入っていた。

「パチンコで勝ったけど三本はいらないんだ」

424 斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』 :2018/09/20(木) 01:22:40
>>423

……にらんでないらしい、意外だ。

たぶん、彼の表情は恐らくこれが『素』なんだろう
其処までは想像が回らなかった、反省点1。

「――コーラ?」

袋を覗き見ると成程、確かに見慣れた赤い缶が三本程
後は、子供に喜ばれそうな菓子類がいくつか見える

(パチンコと言うのは駄菓子屋の事なのだろうか…?
 勝つというのがよく解らないけど。)

疑問を脳の片隅に押し込んで、目の前の問題を直視する

「……成程、1500ml+炭酸を飲み干すのは、ちょっとキツイかな
 胃が破裂しそう」

一本の矢はたやすく折れるが、三本束ねれば何とやら
無理に飲み干せば、彼の胃袋がしばらく再起不能になるのは明白だ

とはいえ、価値が無いのでゴミ箱に捨てる、という発想が出てこない辺り
恐らく『処分には困るが、かといってただ捨てるには惜しい』らしい

「と、なると『君が損をせず』『コーラを1本程度まで』減らせばいいのか……うん」

そうひとりごちると
おもむろに立ち上がって周囲を見渡す、探したのは20m程離れたコンビニ傍の自動販売機だ
低く唸りながら不特定多数のお客様に飲料を提供するあのロボットは…

「あの自販機、確か大体……130円くらいでコーラを一本売ってたかな?
 だから、僕が君から260円だしてそのコーラを二本買う」

ここから値段はよく見えないが
今年の夏場の水分補給に大体頼っていたので覚えてしまっていた。
…右手の指を二本立て、コーラのカウントに一本ずつ折る

「君から買ったコーラは適当に…そうだな、むこうでぐずってる子供とかにあげてもいいし
 知り合いの工事現場の人に渡しても良いかな」

懐の財布から硬貨を取り出して、よくシャッフルされたカードのように確認する、
銀貨2枚銅貨6枚 うん、問題はなさそうだ。

満足したように浅く頷くと、目の前の青年に対して硬貨を差し出す

「君は260円で別の何かを買えばいい……どうかな?
 多分、君は損をしないと思う」

425 降神志一『プラガーシュ』 :2018/09/20(木) 01:32:02
>>424

(なんでこいつはこんな芝居がかった喋り方しか出来ないんだろう)

(万年中二病か?)

心の中で毒づきながら言葉を返す。

「買わなくていい」

(あとどうするかも言わなくていい)

立ち上がってコーラを二本、地面に置く。
二つ同じ高さの容器が並んでいる。

「そもそも損もしない」

「だからそれをしまってください。今すぐに」

426 斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』 :2018/09/20(木) 01:58:15
>>425

どうにも目の前の相手はみるみる不機嫌になるようだ
言葉の端から刺々しさが滲み出ている気がする

(まあ、そういう性格なんだろうな)

「駄目か…残念だった」

硬貨を懐に戻す、お気に召さなかったらしい
今の場面が、傍目から見ると恐喝に見える懸念でもしているのだろうか
……疑念を振り払って次の案を思案する

「でも、そうすると残りは捨てるか、君が頑張って飲み干すか
 君の友人を呼び出して渡すとか……だと思うけど」

427 降神志一『プラガーシュ』 :2018/09/20(木) 02:13:03
>>426

「貰ってくださいよ、それ」

「譲るって事ですよ。金がいらないって言うのは」

静かに言葉を吐く。
眼鏡の奥で瞳が揺れることなくまっすぐに見つめる。

「それだけの話。いらないって言うのならそれで終わり」

「いるかいらないかだけだ。YESかNOだけ聞いてる」

428 斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』 :2018/09/21(金) 22:43:20
>>427

(…………)

「――良し」

アスファルト上に並んだ缶を示すように足先を向ける
先程とは違う、ゾッとするような冷ややかな声色で、貴方の目の前の少年は舌を滑らせる
……表情は逆光か、太陽の角度の加減か、まったく見えない

「お前はこれが余って困ってる」
「俺はそれを『許可を得て』譲り受ける、これで成立だ『人助け』はな」

彼はおもむろに缶を蹴り上げ、放物線を描いたそれを手にとると
腰に付けたベルトポーチに納める
……その手足には、何か巻き付いているように見える

「許可を得ずに勝手に取るのは泥棒だ」
「俺から寄こせ等と言うのは乞食になる、故にこれも出来ない」

急に、貴方の首筋に寒気が走り、辺りの気温が下がったように感じる
……太陽が雲に隠れたからだろうか

「お前が『許可』する必要があったんだ
 全く、自分の決めたルールを守るのは難しいな
 生きるというのは得てして難しい事だが」


そこまで言うと目の前の少年は背を向けた
――言葉は貴方に聞かせるように喋ってはいない
それは独り言のように呟いているだけだ

「……ところで」


小さな金属がこすれ合う音が、貴方の耳に聞こえ始めた


「お前、最初に俺を睨みつけたな……その時視線がマフラーに向いてた
 別に俺達が侮蔑されるのは構わない、だがこのマフラーは違う」

背を向けた少年の頭部以外に、ゆっくりと、しかし確実に
『膨大な量の半透明の鎖』が巻き付き始めている
――振り返りざまの貴方を見る彼の瞳は、透明な氷を入れたかのように酷く冷たく、鋭い

「何度も見た事が有る、お前のねめあげる目線は『侮蔑』の目線だ」
「そしてこれは『家族』だ、お前は最初に、俺の『家族を侮蔑した』」



(本当に運が無いな、スタンドの引き連れる重力は良い物を運ぶとは限らない……
 その逆も十二分にあり得る事だ……この出会いは不幸だった、両者にとってな)



「時間は充分にやった、俺も、お前にも選ばせてやる、『謝罪』するか、どうか」

少年は、振り返りざまに貴方に『鎖の輪』を投擲した

――しゃがんだ状態の貴方に頭上から『鎖の輪』が迫る
何もしなければ、それは貴方の首に巻き付くだろう。

「『YES』か?『NO』か?……選ばせてやる」

429 降神志一『プラガーシュ』 :2018/09/21(金) 23:42:22
>>428

「じゃあ最初から許可を得る必要があるっていえばよかったですよ」

その場で伸びをする。
寒気なども大した問題ではない。
もし、本当に感じていたとしてもだ。

「……にらんでねぇって言いませんでした?」

あくびをする。
相手の言葉を聞きながら首を回す。

「あっそ」

と、降神志一が言った。

「自己演出ご苦労さん」

「お前がナニモンだろうと関係ない」

「家族を侮辱したァ〜って、よく分かんねぇな」

特に動く必要もなく。
避ける必要もなく。

「イエスもノーもねぇよ。俺たちってお前ひとりだろ」

「俺がディスったやつがいるとしたら、季節感もへったくれもないお前自身だよ」

430 斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』 :2018/09/22(土) 21:22:11
>>429

回避しない貴方の首にかけられた鎖が収縮し、貴方の首を絞めつけ
喋る為に開いた口には、貴方の目の前に立つ少年の左手が突っ込まれ、中で膨張していく
そんな貴方の耳元で少年が囁く

「アポロ11号は好きか?マイケル・コリンズは?
 今から『窒息させる』と言う意味だが」

口内から金属音が響き、顎を閉じられないままに息をするのが精々だ
窒息感と圧迫感を同時に知覚し、声を漏らす事すら不可能になる

「俺に出来るのは『怒る事』だ
 だからこそよく覚えてる、自分も含めて、誰もが無自覚で、無理解で、無責任だった」

「お前は傍目から見れば、無言のままに60秒で意識を失う
 死なないようにはしてやる…黙って、俺の前から、消えろ」



「……こいつのせいで寝たきりになっている両親を
 何故また此奴に…両親を侮辱させてしまったんだ……畜生」

431 降神志一『プラガーシュ』 :2018/09/22(土) 21:38:27
>>430

「……」

(死ね、クズ)

(お前の家族が一番可愛そうだぜ。お前みたいな人間が自分勝手な都合とルールで人の首を絞めやがる)

(正味な話、家族の為と言ってもやってることは狂人。あぁ、かっこいいかっこいい)

(ダークヒーロー気取りですか。それとも悲劇のヒーロー気取りですか。うぜぇよ)

中指を立てるまでもない。
それをする必要もない。
道を歩いている時に偶然肩がぶつかっただけのやつ。
それくらいの人間にしてやれることなどない。
ただ鬱陶しいくらいに自分の中で蠢くものがいる。
今の降神志一にとって目の前の人間など問題ではない。
自分の中にいるナニカと比べれば。

「……」

蠢く小さなそれは彼の体内に侵入するものを拒絶する。
それを彼は無駄なあがきと呼んでいる。
三人の小人が頑張ったところで、押し戻せるはずもない。
何か変な感触があるなくらいだ。

(いつもは解除してんのにな。気を抜いたせいで出てきやがった)

(このまま気絶するにしても暇だな)

近い手で睾丸に向かって手を叩きに行く。

(お前がバカで被害妄想過多のメンヘラだから家族が侮辱されたように思っちまうんだよ)

432 降神志一『プラガーシュ』 :2018/09/28(金) 01:22:27
>>431

それでその後どうなったって?
神のみぞ知るってことだよ。
降神志一、俺が知ってる。
言うことは無い。

(他の皆様方へ。長期に渡り占領状態にしてしまい、誠に申し訳ございませんでした)

433 日沼 流月『サグ・パッション』 :2018/10/02(火) 01:22:24

                わいわい

                      わいわい

「もしもし、流月(るな)ですよ!
 え? 歓楽街ですよ歓楽街。
 にへへ、抜けて来ちゃいましてェ」

      「『反抗的』でしょ?」

「はい、今からそっち行きますです!
 親に今日友達の家泊まるって言ったしィ、
 カラオケでも行きません? あれ好きなんです」

「え? ああ、あれですか? 大丈夫です!
 来週『反撃』予定です! ワンパンですよワンパン!」

          「あっハイ、じゃあまた後でですぅ」

   ピ!

この女、明らかに学生なのだが今は平日の昼だ。
自然な流れに逆らってクルクル巻いた金とも銀とも言えない髪。
地味に改造された制服。どうやら『不良』ってやつのようだが、どうする?

つまり、声を掛けるか、無視するか、叱るか絡むかどうするか、という事だ。

434 花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』 :2018/10/03(水) 23:00:36
>>433

「こう――スカッとするような事がねェもんかなァ」

ライダースジャケットやレザーパンツなど、
全身をレザーファッションで統一した男が歩いていた。
赤く染めた髪をウルフカットにしている。
年は二十台半ば程だろう。

「『ゲーセン』に『パチスロ』に『バッティングセンター』――」

「なんつうか『スリル』が足りねェんだよな」

辺りを見回しながら歩いている。
当然、前方への注意は散漫になっていた。
つまり――ぶつかる形になるって訳だ。

        ドンッ

「――おおっと……こりゃ、すまねェな。
 うっかり余所見しちまってたモンでよ。平気か?」

そう言ってから、改めて日沼の姿を確認した。
どう見ても学生だが、今日は祝日でもねえし、学校の創立記念日か何かか?
しかし、こいつの格好を見ると、いわゆる『反抗』したい年頃って奴なのかもな。

435 日沼 流月『サグ・パッション』 :2018/10/03(水) 23:14:56
>>434

「うわっ、ちっ、とっっ!」

     ドデッ

            「ててててっ」

「あ〜、流月は平気ですよ。
 こう見えても結構頑丈なんで!」

            スック

尻餅をついたが、すぐに立ち上がった。
不良ではあったが、花菱に比べれば子供だ。
年齢的な意味でも、風格的な意味でも。

「……」

「こういう場合、『慰謝料』とか『治療費』とか
 請求するのが『ワル』ってやつだと思うんですが」

「流月はあえてその潮流に『反抗』するわけですよ」

               ニヤ

恩を着せようとしているのだろうか?
この女も前を見ていなかったのは明白なのだが。

続く動きの無さを見ると、『言いたかっただけ』なのかもしれない。

436 花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』 :2018/10/03(水) 23:43:39
>>435

「ハッハッハッ。そりゃあ、ありがてェな。
 オレは、てっきり『骨が折れた』だの『服が汚れた』だの、
 あれこれイチャモンつけられるかと思ったぜ」

軽く笑って冗談で返す。
まぁ、それはそれで『スリル』があって良いかもしれねえけどな。
とりあえず財布の中身を新品みてえにされる心配はなくなった訳だ。

「お前さん、『ルナ』って言ったな。
 不躾な言い方だけどよ――
 オレが見たところ、『反社会的な世界』に憧れてるって感じか?」

今のところ、周りに特に興味を引くモンは見当たらねえ。
強いて言うなら、今オレの前にいる『ルナ』ぐらいだ。
なかなか面白そうなヤツだし、もうちょっと関わってみるとするか。

「平日の昼間に制服着て、堂々とこんな所にいるくらいだからな。だろ?」

外見や言動から、それを推測するのは簡単だ。
だが、そう深く足を突っ込んでもいないだろう。
雰囲気から、そんな印象を受ける。

437 日沼 流月『サグ・パッション』 :2018/10/04(木) 00:08:27
>>436

「ありがたく思ってくださいです。
 別にその恩につけこんで、
 ゆするわけでもないですから!」

          ニヘヘッ

尻の砂ほこりを落としながら、
道路柵に腰掛け話すための姿勢に移る。

「ま、当たらずとも遠からずって所です。
 ただです、勘違いされたくないんですが、
 ドラッグが吸いたいとか、喧嘩自慢とか、
 そーいう『ヤンキー趣味』とは違うんですね」

    「ただ、『反抗』するのが好きなんです」
  
  ニヤ

丸い眼鏡の下の目が自慢げに笑う。
自慢げというか、満足げというか。
『自然に悪くなりました』って感じじゃあない。

「その言い方、『自分はそっち側だぞ』って感じですね。
 ひょっとしてお兄さんは『マフィア』か何かなんですか?」

            「流月はもう『チーム』入ってるんで、
              危なそうな勧誘とかはお断りですよ」

見た目で判断しているようだ。あるいは雰囲気を感じ取っているのかも。

438 花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』 :2018/10/04(木) 00:41:07
>>437

「なるほどなァ。まぁ、オレにも似たような時期はあったけどよ」

自分の学生時代を思い出す。
だからといって、別に不良という訳ではなかった。
『スリル』欲しさに危険な行為を試すとか、
立ち入り禁止の場所に踏み込んだりした事はあるが。

もっとも、『スリル』に目がないのは今も同じだ。
『ルナ』の場合は、単に『反抗期』って事でもないだろう。
『反抗』するのが好きというのは珍しいような気がする。

「ハハハハ……おいおい、カンベンしてくれよ。
 こう見えても、オレは正真正銘『カタギ』だぜ」

「『スタントマン』をやってんのさ。
 注文次第で飛んだり跳ねたり、飛び降りたり転げ落ちたり、まぁ色々とな」

「オレは昔から『スリル』ってのが大好きでよ。
 それで、こういう仕事をやってるって訳だ」

口ではそう言うものの、実際は仕事でやってると余り『スリル』は感じない。
だから、内心では物足りなさを感じていた。
今は、『スウィート・ダーウィン』のお陰で、ある程度は解消できている。

「『チーム』ねェ。『ルナ』みてえな『反抗好き』が勢揃いってか?
 そいつは面白そうだな。
 話のついでだ、どんな集まりか教えちゃあくれねェか?」

439 日沼 流月『サグ・パッション』 :2018/10/04(木) 00:57:43
>>438

「スタントマンって、映画とかのアレですか?
 ってことは映画スターってわけですか。
 なるほどですね、道理で雰囲気あるわけです」

「サラリーマンには見えないですし〜」

スタントマンと映画スターは違うが、
こいつにとってはそう変わらないのだろう。

「お、なんです。流月たちに興味あるんですかぁ?
 流月たちのチーム……『桜裏悲鳴(オリヒメ)』に〜?」

聴いたことがあってもおかしくはない。
全国ニュースとかそういうのではなく、
地元の学生の噂レベルではあるが、
そういう名前の『不良グループ』がある事は。

「残念ながら『10代』で『女子』が条件なので、
 お兄さんを紹介してあげる事は出来ないですがね。
 どう見ても20代の男子なんでワンチャンないです!」

具体的にどういうグループなのかが出てこないが、
もしかすると『具体的に何かするグループ』じゃないのだろうか?

         「というかさっきから呼び捨てですケド、
          お兄さんの名前も教えてくださいよ。
          『さん付け』くらいはしてあげますから」

440 花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』 :2018/10/04(木) 01:27:44
>>439

「ハハハ。ま、そんな大したモンでもねェけどな」

強く否定はしなかった。
そう思ってもらえるんなら、悪い気はしねえしな。
実際は端役みたいなモンだが。

「『オリヒメ』……『桜裏悲鳴』……。
 ははァ、『チーム』ってのはアレの事か。
 名前は知ってるぜ。名前だけはな」

少し考えて記憶の片隅に残る噂話を思い出した。
どこで耳にしたか定かじゃないが、聞いた覚えはある。
そりゃあ確かに、似合いの集まりではあるな。

「何も仲間に入れてくれとは言わねェさ。
 入れそうにねェのは、ハナから分かりきってる事だからよ。
 オレが聞きたいのは『集まって何をやってんのか』って事だな」

「『チーム』で、どこかに『反抗』でもしてんのか?
 それとも、『今日はどんな反抗をした』とか話すとか、
 『誰が一番大きな反抗ができたか』競い合ってんのか?」

『チーム名』こそ知っているが、その実態は謎だった。
どうしても聞かなきゃならない事でもねえが、
話に出てきたとなると気になってくるモンだ。
後になって後悔しないように、今の内に教えてもらいたい所ではあるが。

「ん?あぁ、そうだな。
 名前を教えたって、別に減るモンじゃねェ」

「オレは『花菱蓮華』って名前だ。
 『蓮華』って呼んでくれていいぜ。ま、『蓮華さん』って所か?」

441 日沼 流月『サグ・パッション』 :2018/10/04(木) 02:06:36
>>440

「じゃ、蓮華……蓮華さんで行きましょう。
 さん付けしますって言っちゃいましたし、
 ここで『反故』にするのは無軌道過ぎですね」

           ニィ

「大きな反抗? ぷぷ、そういうんじゃないですよ!
 部活じゃないんですから。別に何するってわけじゃなくて、
 なんとな〜くつるんでるんです。そこまで大所帯でもないですし」

どうにも実態らしい実態が見えない。
名前だけしか聞いたことが無いのは、
名前以上のはっきりした実態が無いからか。

反骨の少女は更に話を続ける。

「何よりです、反抗しろって言われて反抗するのは、
 流月的にはぜんぜん『違う』わけですよぉ〜。
 それって『逆流』に流されてるだけじゃあないです?
 向いてる向きは違うけど、結局『反抗』はしてないし」

      「本流に逆らうのは流月じゃなくちゃなんですよ。
        そーいう『反骨』が好きなんです。にへへ……」

わりとヒートアップする話題だったようだ。
なにがそこまで彼女を掻き立てるのか分からないが、
こういうのが『イマドキ』なのだろうか? こいつ特有の物か?

「そういえば似たような時期があったとか言ってましたけど、
 蓮華さんもなんか『チーム』とか入ってたんですかぁ?
 場合によっては蓮華『センパイ』と呼ぶことになるかもしれないですね」

442 花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』 :2018/10/04(木) 02:36:09
>>441

「何となく、か――気の合う仲間ってのは、案外そんなもんかもしれねェな。
 何人くらいなんだ?『桜裏悲鳴』のメンバーってのは」

『チーム』というからには、目的や決まりのようなものがあるかと思っていた。
どうやら実際は違ったようだ。
考えてみれば、キチッとした組織でもあるまいし、何も不思議はないだろう。

「――お、おう。分からんでもねェな。そういう気持ちはよ」

いきなり熱っぽく語られたせいで、不意を突かれた。
とりあえず相槌を打っておいたが、少々勢いに押された感は否めない。
何しろ人の嗜好なので、『そういうものだ』と思うしかないだろう。

「オレか?いや、オレはそういうグループに入った経験はねェな。
 まぁ、大抵は一人でやってたさ。『スリル』目当てにな」

「例えば、誰もいない時に屋上のフェンスを乗り越えてみるとかな。
 立ってる両足の爪先が外にはみ出すくらいに細い足場に立ってよ。
 それで、下を覗いて見るのさ」

「上から見下ろすと、下から見上げるよりもずっと高く見える。
 『今ここから落ちたら死ぬな』って思えるんだ。
 実際それなりに高さはあるし、落ちたら大怪我だろうな。
 だが、危険だと思える程に試したくなるのさ」

「ま、そういう『ちょっとしたスリル』を味わってた訳だ。
 『ルナ』の『反骨』とはちっと違うけどな」

443 日沼 流月『サグ・パッション』 :2018/10/04(木) 03:35:10
>>442

「いや〜、他のチームの事とかよく知らないのでェ、
 何とも言えないですけどね。そんなもんなのかは」

「うちですか? 全体だと何人なんでしょうね。
 いやですね、一応ライングループあるんですけど、
 先代の人とか入るだけ入って集まり来ない人とか、
 ……実際の総人数がちょっとわからないんですよぉ」

    「でも、今活動してるのは20人もいないですね」

一般的な学校の1クラスよりは少ないわけだが、
はぐれものがそれだけ集まるのは壮観かもしれない。

「それにしても、一人でそんなことしてたんですねぇ。
 てっきり敵の学校に一人で乗り込んで物盗むとか、
 そういう方向性の『スリル』だって考えてましたですよぉ」

「なんだかちょっと、ヘンタイっぽい趣味ですよね」

                ぷぷぷっ

悪口のつもりではないと見える。
だが、茶化してる気配は多分にある。
花菱の深淵をいきなり覗けるほど鋭くはないらしい。

「あ〜、結構話し込んじゃいましたね蓮華さん。
 流月はこれからセンパイに呼ばれてましてぇ、
 そろそろ行くわけですが、どうします?」

尻尾のようなストラップがついたスマホを弄り、
柵から立ち上がった少女はここを去るようだ。

「一緒に来ますか? ってお誘いではなく!
 にへ、せっかくだし連絡先とか交換しません?
 蓮華さんの昔の武勇伝、もっと聴きたいです。
 『とか』って事は他にもあるんですよね?」

       「今日は立ち話で終わっちゃいましたけど、
        その時はお茶くらい付き合いますですよ」

444 花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』 :2018/10/04(木) 18:50:24
>>443

「『20人未満』か……ハハ、そりゃおもしれェな。
 参加してんのは全員が『ハタチ前』なんだろ?
 つまり、大体『同じくらいの数』って訳だ」

しかし、新たな謎も浮上する。
『先代』って事は、それなりに昔からある集まりなのか?
だからって歴史が長いとは限らないが。

「ハッハッハッ、敵の学校とはな。
 それこそヤンキー漫画の見すぎだぜ」

「オレは『ギリギリ』が好きなのさ。
 越えちゃいけない『デッドライン』の手前まで、どれだけ近付けるかってのがな。
 言ってみりゃあ『チキンレース』みたいなもんか?」

「アレだな、『登山家』とか一人で山に登るだろ。
 だからオレも一人だった。
 ――なんてのは、カッコつけすぎかもな」

日沼の言葉を聞いて、実際そうだろうと思った。
同時に、偏屈な趣味なのはお互い様だろうとも思っていた。
まぁ、人の嗜好なんてのは『そういうもの』だと思っておくのが一番だろう。

「あぁ、そうだな。
 ぶつかっただけなのに、つい長話になっちまった
 先輩を待たして、ルナがお咎め食らったら悪いしな」

「お前さんがそうしたいってんなら、そうしとくぜ。
 オレも『チーム』の話は聴きたいしな。
 ホレ、これでいいか?」

連絡先の交換は問題なく終わった。
寄り掛かっていた柵から離れる。

「そんじゃな、ルナ。
 これからも、学校を卒業できる程度に『反抗』してってくれよ。
 ――って言われてやるのは『違う』んだったか?
 ハハハハッ、じゃ縁があったらまたな」

軽く上げた手を小さく振り、蓮華と名乗った男は立ち去っていく。
さて……センパイが待っているだろう。

445 日沼 流月『サグ・パッション』 :2018/10/05(金) 01:55:43
>>444

「わかんないですよ。
 流月が知らないだけで、20人以外の人らも、
 どっかよそで集まってるかもしれないです。
 だから『桜裏悲鳴』が20人未満ってコト、
 流月の名前だして言い触らさないでくださいね!」

例えば今の『19歳』が卒業すれば『先代』になり得る。
そう考えれば、創立当初に18〜19歳がいたなら、
やはり大した歴史はないかもしれないが――謎ではある。

「いや〜でも、未だにそういうのあるんですよ。
 流石に授業中に校庭に乗り込むとかは無いですが、
 放課後とか? うちは、そういうんじゃないですけど」

「そーいうのよりはカッコいいですねぇ。
 わざわざ自分から死ぬ寸前まで自分を追い込むって、
 ちょっと『反骨』的ですし。流月はやらないですけど」

理解は出来ないようだが、
一定の『納得』はしたようだ。
喩えが良かったのかもしれない。

「はい、交換できてますね。ありがとうございます。
 あ! 流月の連絡先、変な事に使わないでくださいね!」

              ニヤ

日沼 流月。
ホーム画面のアイコンは『クリームソーダ』。
プロフィール写真は……どこかの海の写真だ。

「だいじょーぶです!
 流月、『全国模試』も上位ですし!
 『反骨』するには『力』が無いとですよ」

          クルッ

                「それじゃあ、またでぇ〜〜す」

妙なやつだったが……これで縁が繋がってしまった。また会う日も来るだろう。

446 ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』 :2018/10/09(火) 23:01:01
ある日の深夜

歓楽街近くの橋に、おかっぱ頭の女子高生『芽足 萬』は居た。

     ブラン  ブランッ

より正確に表現するのであれば、橋の下にぶら下がっていた。

「もしもし、大丈夫ですか?」 ウィーン

彼女は左脇に泥酔した中年男性を抱えながら、右腕を真っ直ぐ橋に向かって伸ばしていた。
橋の上には、何かに激突してかごが曲がった自転車が倒れている。

「そろそろ、起きて欲しいのです」
「残念ながら、私には二人分を引きあげる力が無いので」 プシュー

そして萬の右手の指の辺りから『コード』の様な細長い物が伸び、
橋の手すりに巻き付いて二人の体重を支えていた。

しかし、その『コード』は『特別な力』を持つ者にしか見えないだろう。


   「んぃ〜……なんだってェッ〜」
「私の『巻きとり力』では、二人分の体重を引っ張り上げられないってことです」
「このまま二人とも川に落ちるってことです、よ」 ウィーン


ゆっくりと首を左右に90°動かして周囲を見渡す『萬』。
不運にも、周囲に人影を見つける事が出来なかった。

447 日沼 流月『サグ・パッション』 :2018/10/10(水) 00:51:15
>>446

だが、不幸中の幸いに、今近付いて来る人影はあった。
金とも銀とも言えない不自然色の髪を切り揃え、
しかし数カ所これまた流れに逆らってカールさせた、
改造学生服の少女――――同じ高校の学生服の面影だ。

         ザッ

       ザッ

            ピタ

「……うひゃっ、事故の形跡ィ〜〜〜」

       スッ

「そーそー、自転車事故。っぽいかな」

              「カゴめっちゃ曲がってるし」

誰かと通話しているようで、声が聞こえている様子がない。

そして幸中の不幸とでも言うべきか、橋の下は見ていない。
カゴが曲がった自転車に気を取られているようで、
足元で起ころうとしている惨事には気付けていないのだ。

「何にぶつかったのかな〜これ。この『バナナの皮』だったりして」

                   プププッ

「落ちてるし。いやほんとに落ちてるから」

偶然落ちていたバナナの皮はこの運命に絡んでいるのだろうか・・・

「そうだとしたら恥ずくて乗り捨てていく気持ちも分かるわけよ」

                 「でも、『逆に』ありえないか。ぷぷっ」

        ←キョロ

こちらも90度横までは見ているのだが・・・

               キョロ→

                   角度をもう少し下げればあるいは・・・

448 ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』 :2018/10/10(水) 23:29:17
>>447

『萬』の耳に声が届く。
同じくらいの歳の少女の者のようだ。
こちらの様子に気が付いている様子はない。

「……あのー、すみません。助けて欲しいのです、が」 ウィーン

上の少女が『特別な力』を持っていない限り、
橋に巻き付いている『コード』に気づいたり、引っ張り上げてもらうことはできないだろう。

しかし、それ以前に現在のままでは橋の下の状況にすら気付くかも危うい。

「ひょっとして、電話中ですか、ね」 カシャカシャ

顔を上げて、声のする方を向く『萬』。
声の主が携帯電話を使用しているかどうかを確認しようとする。


「そうだとすれば、逆に好都合ですけどね」
     「ゆらすなー、気持ち悪く……ウォッ」

パカッ

男性を抱えている左腕の人差し指が、第二関節まで縦に割れる。


「実は私、『ロボット』ですから」

449 日沼 流月『サグ・パッション』 :2018/10/10(水) 23:52:27
>>448

上を見れば見事に電話中だった。
ワイヤレスマイク付きのイヤホンらしく、
端末自体は下げた手に持っている。

「?」

「今さぁ、助けてって言った?
 へへ、『反応』に困る冗談やめてよ。
 え……怖い怖い、ほんと聞こえたって」

           「え〜〜〜!?」

  キョロ↑

          キョロ↓

左右からさらに前後を見てはいるのだが、
肝心の橋の下を覗く事はしない。
『まさかありえない』って気持ちなのか?

          『グ
             ル
                ン』

そもそも『事故を起こした人』が、
ここに残っていると思っていないのかも。

「わッ!!!」

と、いきなり声を上げた。

「ぷぷっ、びっくりした?
 怖がらせて来るからさぁ。
 やられっぱなしもアレだしさ、
 『逆に』びっくりさせようと思って」

 ルナ
「流月ってそういう『反骨』精神あるわけよ」

が、期待を裏切るかのように冗談だったようだ。
こうなると、もう『ヨロズ』の手で『やる』しかない。

     ケラケラ
 
           「……え〜絶対言ったってば!」
 
幸いにしてこの場から離れる様子はないから――『届く』。

450 ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』 :2018/10/11(木) 23:34:38
>>499

「……やはり、気付いてはもらえないようです、ね」
「少し理不尽かもしれませんが、無理やりにでも気づいてもらうとしましょう」
「さすがに……辛くなってきましたし」

   ドバシュゥッ

「『ボーダー・リーヴァー』」

真っ二つに割れた左手の人差し指から、『コード』が勢いよく伸びる。
橋の下にいる二人の周りを一周しながら上方へ伸び、


  ズヒュッ

流月の持つ携帯電話へ『接続』される。


「『通話終了』」

 プツッ ツー ツー

通話中の携帯電話の『操作』に『パスワード』『指紋認証』も必要ない。
ただ普通に、『誰にでも出来る操作』をする。

それが出来たのならば萬は息を大きくすって

スーッ

「助けてくださいっ!」

「手すりに結ばれている『コード』が見えますか」
「見えるのならば引っ張り上げて欲しいですし、見えなければ」

「そちらの携帯電話から『緊急通報』します」

叫ぶ。

451 日沼 流月『サグ・パッション』 :2018/10/12(金) 03:15:02
>>450
            ズヒュ

 プツッ ツー ツー


「えっ、あれ、もしも〜〜〜しっ」

      「……」

              「……?」

   キョロ…

「え……もしかして『心霊現象』じゃない?
 後で謝らないと……それで、どこ?
 この声――――えっ何、『コード』ォ?」

           ザッ

「これ? 見えるけどさぁ、引けばいいのね?
 どういう状況かぜんぜんわかんないけど」

         ガシッ

「流月、見た目と『裏腹』にパワフルでね。
 ゆっくりじっくりって場合でもなさそうだし、
 ちょっと荒っぽく引き上げるけど、
 そこんとこの注文は受けてないわけよ」

「だから『逆切れ』しないでよね」

    グ  ィィーーーーッ

明らかに人間の域を超えた力で、コードが振り上げられた。
酔っ払いと共に宙に舞い上がったヨロズが見たのは、

             「うわっ!」

  「人二人!?」

                 サッ

              「ほんとにどういう状況よ!」

落下点で待ち構える日沼流月と、その傍らの巨躯のスタンドだった。

452 ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』 :2018/10/15(月) 00:29:53
>>451

「突然、唐突な協力の要請に迅速に応えて頂ける事、感謝しm──」

橋の上の相手は『少女』。
しかし、『萬』の『コード』が見える者。

それであれば当然『力』を持つ物である。

「──感謝します」

想像以上のパワーに引き上げられたことに驚く間もなく、
二人の身体は宙を舞う。

「ええ……酔っ払い自転車をよけたら、酔っ払いが橋にぶつかって落ちました、ので」

明らかに『人間以上』のパワーによって引っ張り上げられた二人。
その予想以上のパワーと『長ランを纏った大柄な人型のビジョン』を
目の当たりにした『萬』が、眼を見開きながら答える。

「私の『力』で助けようとしたのです」
「結局、『あなたの力』で助けてもらいましたけど、ね」

左手の『コードを解除』
手すりに結ばれた右手の『コード』で体勢を制御して、『萬』は足から着地。
『酔っ払い』は『流月』の『ビジョン』に任せた。

453 日沼 流月『サグ・パッション』 :2018/10/15(月) 01:48:58
>>452

「お堅い感じの物言い〜っ。
 髪型もキッチリしてるし、
 あんたかなり『真面目』でしょ」

   「ぷぷっ」

         ガシィッ

         「よいしょっ」

   ゴロン

キャッチした酔っ払い中年をゆるく転がし、
(中年は分けも分からず去ると考えている)
流月はいたずらな笑みを浮かべてヨロズを見た。

「何より助けようって思うのがよ。
 流月はその『逆』で『不良』だから、
 ぶつかられそうになったら……」

            ズギュン

「『力』でなんとかしちゃうかな。
 『助ける』んじゃなくて……へへ」

          「えらいと思うわ」

こいつは不良グループに入ってはいるが、
真面目そーなやつをからかう気はないのだ。

「というかそのコード……真面目って言うか、『ロボ』みたいね」

        「ぷぷぷ」

冗談のように笑うが、その言葉の意味するところをこいつは知らない。

454 ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』 :2018/10/17(水) 23:44:55
>>453
 「ウィーッ、ヒッ」

謎の声を上げながら自転車を引いて去っていく男性を横目で見送りながら
落ち着いた様子で流月の方を向く萬。

「『真面目』、という形容があっているのかどうかわは解りかねます」
「私は『正しい事』をしたいだけです」ウィーン


                      カシャッ
『ボーダー・リーヴァー』を完全に解除。
真っ二つに割れれていた人差し指が閉じる。
一拍の間を置けば、流月の眼を真っ直ぐ見返して

「けれども、最終的に助けたのはあなたです」
「あなたが『不良』なのであっても、そうでなかったとしても」カシャッ
「あなたも『えらい』と思います。ありがとうございました」

小さな笑みとお辞儀とともに、賛美の言葉を返す。

>「というかそのコード……真面目って言うか、『ロボ』みたいね」


「ええ、私『正義の心を持つロボット』ですので」ウィーンウィーンガシャーン
「この恩をいずれ返したいと、『思う』わけです」ギュインギュインッ

制服のポケットに手を入れたかと思えば、数秒の後に流月の携帯電話に
着信が入り、即座に切れる。

「私より『ワンコール切り』を入れました」
「『正義』より外れる事でなければ、あなたの力となりましょう」

そう言い残せば翻り、橋の向こうへと消えていった。

455 日沼 流月『サグ・パッション』 :2018/10/18(木) 00:38:48
>>454

「そういうとこがマジメ〜っ。
 褒めても何も出ないわよ。
 『逆に』気分が引っ込んじゃうくらいで」

          ヘヘ

「まあ、ほんとんとこ悪い気はしないけども」

         ズォオ

スタンドのヴィジョンは消えていた。

「ぷぷっ、マジっぽい冗談!
 逆に冗談っぽいマジだったりして。
 アドレス帳は『ロボ子』でいいよね?
 だってさ、名前聞いてなかったから」

           pi

スマートフォンを確認して、
一番新しい通話履歴に名前を付けた。
アドレス達の中でもそれは埋もれない。

「流月、『反骨』するのが好きなわけよ。
 あんまり正義なんて柄じゃあないから……
 ひまつぶしの相手が欲しかったらかけてみようかな!」

           クルッ

                「それじゃ、またねぇ〜〜」 

そうしてこいつも、家路につくためにこの場を去るのだった。


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