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【場】『 歓楽街 ―星見横丁― 』

1『星見町案内板』:2016/01/25(月) 00:01:26
星見駅南口に降り立てば、星々よりも眩しいネオンの群れ。
パチンコ店やゲームセンター、紳士の社交場も少なくないが、
裏小路には上品なラウンジや、静かな小料理屋も散見出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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418今泉『コール・イット・ラヴ』:2018/09/12(水) 23:30:06
>>417

            ワイ

                ワイ

白昼でも仄暗く、静かな路地を出ると、
歓楽街のにぎわいが世界に戻ってくる。
奇妙なスタンド『コール・イット・ラヴ』は、どこへ?

通りは人であふれている。
誰もが小石川に無関心で、
今起きたことを知る筈も無い。

               スタ スタ スタ

「ごめんね、待たせちゃってさあ」

「平気平気、こっちもフツーに今来たところでしたから」
「じゃあ行きましょう」「さっき見たときはまだ並んでませんでしたし」

                    スタ スタ スタ

小石川の横を通り過ぎてゆく、『清月学園』の女子生徒が二人。
目が合う事も無く、そのまま離れていく。ごくフツーの、日常風景。

419降神志一『プラガーシュ』:2018/09/18(火) 22:42:13
「はぁー……」

道の端に男がしゃがみこんでいる。
ため息をつきながら自分の持っているビニール袋の中身を見ている。
無地のものとコンビニのものが一つずつだ。

「ついてんのはいいけど、こんなにいらないなぁ」

420斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2018/09/19(水) 23:07:39
>>419

――そうだな、僕の意見だが

まず、下痢気味の『鶏』には見えないな
そして、溜息をついて、うずくまっている、道端で
最後に……まあ、困っているようには、見える たぶん

つまり、視界の端に映った少年に対して見えない位置で
水性ペンで左掌に簡単な『鳥』の絵を書き込んだ後
おもむろに歩み寄って僕が言うべき『台詞』はこうだ。

「もしもし、其処の君」
「そんな所にうずくまってどうしたんだ?」
「僕の見間違いなら構わないんだが、困っているのかい?」

後は気を遣うようにしゃがみ
興味のありそうな眼で、相手の眼を見るだけ。

「寒いなら、首に『マフラー』でも巻いたほうがいい、僕みたいに」。

421降神志一『プラガーシュ』:2018/09/19(水) 23:42:40
>>420

「……なんですか」

しゃがみこんだ状態から見上げる。
目つきが少し悪い。
にらみつけるような視線。

「そうですね。困ってます」

(気取ったような言葉、まぁ胡散臭げ)

(巻かねぇよマフラー。締められたいのか。それとも季節感が微妙にずれてんのか)

422斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2018/09/20(木) 00:19:27
>>421

「うん?……うーん
 そう睨みつけられても、怖いのだけど、僕が」

(何だか、不機嫌そうに見えるな…多分
 ……大体、僕は男性相手のコミュニケーションで初手を間違えてる気がするんだよな
 いつも何かズレていると言うか……悲しい事だ、うん)

苦笑いのままに頭を掻き
次に目の前の青年に目を向ける、大体20前後だろうか?

(ま、嫌われるのは今に始まった事ではないのだし
 慣れてるから僕は良い…が、ただ、困っているなら彼は良くないだろう)

「そうか……何か困っているなら、君の事で僕が手伝えることがあると良いのだけど
 ……何を困ってるんだい?君」

袋に目を向ける、コンビニ袋と別の紙袋が一つ
(ついているけど、こんなにはいらないと言っていたが……)

423降神志一『プラガーシュ』:2018/09/20(木) 00:44:15
>>422

「にらんでないですよ」

むっとしたような言葉。
ケンカ腰というわけでもなく。
しかし友好的というわけでもなく。

「困ってるんですよ」

男が無地の方の袋を持ち上げる。

「コーラ」

袋の中には三本のコーラ。
500mlのものだ。
それとお菓子が入っていた。

「パチンコで勝ったけど三本はいらないんだ」

424斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2018/09/20(木) 01:22:40
>>423

……にらんでないらしい、意外だ。

たぶん、彼の表情は恐らくこれが『素』なんだろう
其処までは想像が回らなかった、反省点1。

「――コーラ?」

袋を覗き見ると成程、確かに見慣れた赤い缶が三本程
後は、子供に喜ばれそうな菓子類がいくつか見える

(パチンコと言うのは駄菓子屋の事なのだろうか…?
 勝つというのがよく解らないけど。)

疑問を脳の片隅に押し込んで、目の前の問題を直視する

「……成程、1500ml+炭酸を飲み干すのは、ちょっとキツイかな
 胃が破裂しそう」

一本の矢はたやすく折れるが、三本束ねれば何とやら
無理に飲み干せば、彼の胃袋がしばらく再起不能になるのは明白だ

とはいえ、価値が無いのでゴミ箱に捨てる、という発想が出てこない辺り
恐らく『処分には困るが、かといってただ捨てるには惜しい』らしい

「と、なると『君が損をせず』『コーラを1本程度まで』減らせばいいのか……うん」

そうひとりごちると
おもむろに立ち上がって周囲を見渡す、探したのは20m程離れたコンビニ傍の自動販売機だ
低く唸りながら不特定多数のお客様に飲料を提供するあのロボットは…

「あの自販機、確か大体……130円くらいでコーラを一本売ってたかな?
 だから、僕が君から260円だしてそのコーラを二本買う」

ここから値段はよく見えないが
今年の夏場の水分補給に大体頼っていたので覚えてしまっていた。
…右手の指を二本立て、コーラのカウントに一本ずつ折る

「君から買ったコーラは適当に…そうだな、むこうでぐずってる子供とかにあげてもいいし
 知り合いの工事現場の人に渡しても良いかな」

懐の財布から硬貨を取り出して、よくシャッフルされたカードのように確認する、
銀貨2枚銅貨6枚 うん、問題はなさそうだ。

満足したように浅く頷くと、目の前の青年に対して硬貨を差し出す

「君は260円で別の何かを買えばいい……どうかな?
 多分、君は損をしないと思う」

425降神志一『プラガーシュ』:2018/09/20(木) 01:32:02
>>424

(なんでこいつはこんな芝居がかった喋り方しか出来ないんだろう)

(万年中二病か?)

心の中で毒づきながら言葉を返す。

「買わなくていい」

(あとどうするかも言わなくていい)

立ち上がってコーラを二本、地面に置く。
二つ同じ高さの容器が並んでいる。

「そもそも損もしない」

「だからそれをしまってください。今すぐに」

426斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2018/09/20(木) 01:58:15
>>425

どうにも目の前の相手はみるみる不機嫌になるようだ
言葉の端から刺々しさが滲み出ている気がする

(まあ、そういう性格なんだろうな)

「駄目か…残念だった」

硬貨を懐に戻す、お気に召さなかったらしい
今の場面が、傍目から見ると恐喝に見える懸念でもしているのだろうか
……疑念を振り払って次の案を思案する

「でも、そうすると残りは捨てるか、君が頑張って飲み干すか
 君の友人を呼び出して渡すとか……だと思うけど」

427降神志一『プラガーシュ』:2018/09/20(木) 02:13:03
>>426

「貰ってくださいよ、それ」

「譲るって事ですよ。金がいらないって言うのは」

静かに言葉を吐く。
眼鏡の奥で瞳が揺れることなくまっすぐに見つめる。

「それだけの話。いらないって言うのならそれで終わり」

「いるかいらないかだけだ。YESかNOだけ聞いてる」

428斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2018/09/21(金) 22:43:20
>>427

(…………)

「――良し」

アスファルト上に並んだ缶を示すように足先を向ける
先程とは違う、ゾッとするような冷ややかな声色で、貴方の目の前の少年は舌を滑らせる
……表情は逆光か、太陽の角度の加減か、まったく見えない

「お前はこれが余って困ってる」
「俺はそれを『許可を得て』譲り受ける、これで成立だ『人助け』はな」

彼はおもむろに缶を蹴り上げ、放物線を描いたそれを手にとると
腰に付けたベルトポーチに納める
……その手足には、何か巻き付いているように見える

「許可を得ずに勝手に取るのは泥棒だ」
「俺から寄こせ等と言うのは乞食になる、故にこれも出来ない」

急に、貴方の首筋に寒気が走り、辺りの気温が下がったように感じる
……太陽が雲に隠れたからだろうか

「お前が『許可』する必要があったんだ
 全く、自分の決めたルールを守るのは難しいな
 生きるというのは得てして難しい事だが」


そこまで言うと目の前の少年は背を向けた
――言葉は貴方に聞かせるように喋ってはいない
それは独り言のように呟いているだけだ

「……ところで」


小さな金属がこすれ合う音が、貴方の耳に聞こえ始めた


「お前、最初に俺を睨みつけたな……その時視線がマフラーに向いてた
 別に俺達が侮蔑されるのは構わない、だがこのマフラーは違う」

背を向けた少年の頭部以外に、ゆっくりと、しかし確実に
『膨大な量の半透明の鎖』が巻き付き始めている
――振り返りざまの貴方を見る彼の瞳は、透明な氷を入れたかのように酷く冷たく、鋭い

「何度も見た事が有る、お前のねめあげる目線は『侮蔑』の目線だ」
「そしてこれは『家族』だ、お前は最初に、俺の『家族を侮蔑した』」



(本当に運が無いな、スタンドの引き連れる重力は良い物を運ぶとは限らない……
 その逆も十二分にあり得る事だ……この出会いは不幸だった、両者にとってな)



「時間は充分にやった、俺も、お前にも選ばせてやる、『謝罪』するか、どうか」

少年は、振り返りざまに貴方に『鎖の輪』を投擲した

――しゃがんだ状態の貴方に頭上から『鎖の輪』が迫る
何もしなければ、それは貴方の首に巻き付くだろう。

「『YES』か?『NO』か?……選ばせてやる」

429降神志一『プラガーシュ』:2018/09/21(金) 23:42:22
>>428

「じゃあ最初から許可を得る必要があるっていえばよかったですよ」

その場で伸びをする。
寒気なども大した問題ではない。
もし、本当に感じていたとしてもだ。

「……にらんでねぇって言いませんでした?」

あくびをする。
相手の言葉を聞きながら首を回す。

「あっそ」

と、降神志一が言った。

「自己演出ご苦労さん」

「お前がナニモンだろうと関係ない」

「家族を侮辱したァ〜って、よく分かんねぇな」

特に動く必要もなく。
避ける必要もなく。

「イエスもノーもねぇよ。俺たちってお前ひとりだろ」

「俺がディスったやつがいるとしたら、季節感もへったくれもないお前自身だよ」

430斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2018/09/22(土) 21:22:11
>>429

回避しない貴方の首にかけられた鎖が収縮し、貴方の首を絞めつけ
喋る為に開いた口には、貴方の目の前に立つ少年の左手が突っ込まれ、中で膨張していく
そんな貴方の耳元で少年が囁く

「アポロ11号は好きか?マイケル・コリンズは?
 今から『窒息させる』と言う意味だが」

口内から金属音が響き、顎を閉じられないままに息をするのが精々だ
窒息感と圧迫感を同時に知覚し、声を漏らす事すら不可能になる

「俺に出来るのは『怒る事』だ
 だからこそよく覚えてる、自分も含めて、誰もが無自覚で、無理解で、無責任だった」

「お前は傍目から見れば、無言のままに60秒で意識を失う
 死なないようにはしてやる…黙って、俺の前から、消えろ」



「……こいつのせいで寝たきりになっている両親を
 何故また此奴に…両親を侮辱させてしまったんだ……畜生」

431降神志一『プラガーシュ』:2018/09/22(土) 21:38:27
>>430

「……」

(死ね、クズ)

(お前の家族が一番可愛そうだぜ。お前みたいな人間が自分勝手な都合とルールで人の首を絞めやがる)

(正味な話、家族の為と言ってもやってることは狂人。あぁ、かっこいいかっこいい)

(ダークヒーロー気取りですか。それとも悲劇のヒーロー気取りですか。うぜぇよ)

中指を立てるまでもない。
それをする必要もない。
道を歩いている時に偶然肩がぶつかっただけのやつ。
それくらいの人間にしてやれることなどない。
ただ鬱陶しいくらいに自分の中で蠢くものがいる。
今の降神志一にとって目の前の人間など問題ではない。
自分の中にいるナニカと比べれば。

「……」

蠢く小さなそれは彼の体内に侵入するものを拒絶する。
それを彼は無駄なあがきと呼んでいる。
三人の小人が頑張ったところで、押し戻せるはずもない。
何か変な感触があるなくらいだ。

(いつもは解除してんのにな。気を抜いたせいで出てきやがった)

(このまま気絶するにしても暇だな)

近い手で睾丸に向かって手を叩きに行く。

(お前がバカで被害妄想過多のメンヘラだから家族が侮辱されたように思っちまうんだよ)

432降神志一『プラガーシュ』:2018/09/28(金) 01:22:27
>>431

それでその後どうなったって?
神のみぞ知るってことだよ。
降神志一、俺が知ってる。
言うことは無い。

(他の皆様方へ。長期に渡り占領状態にしてしまい、誠に申し訳ございませんでした)

433日沼 流月『サグ・パッション』:2018/10/02(火) 01:22:24

                わいわい

                      わいわい

「もしもし、流月(るな)ですよ!
 え? 歓楽街ですよ歓楽街。
 にへへ、抜けて来ちゃいましてェ」

      「『反抗的』でしょ?」

「はい、今からそっち行きますです!
 親に今日友達の家泊まるって言ったしィ、
 カラオケでも行きません? あれ好きなんです」

「え? ああ、あれですか? 大丈夫です!
 来週『反撃』予定です! ワンパンですよワンパン!」

          「あっハイ、じゃあまた後でですぅ」

   ピ!

この女、明らかに学生なのだが今は平日の昼だ。
自然な流れに逆らってクルクル巻いた金とも銀とも言えない髪。
地味に改造された制服。どうやら『不良』ってやつのようだが、どうする?

つまり、声を掛けるか、無視するか、叱るか絡むかどうするか、という事だ。

434花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2018/10/03(水) 23:00:36
>>433

「こう――スカッとするような事がねェもんかなァ」

ライダースジャケットやレザーパンツなど、
全身をレザーファッションで統一した男が歩いていた。
赤く染めた髪をウルフカットにしている。
年は二十台半ば程だろう。

「『ゲーセン』に『パチスロ』に『バッティングセンター』――」

「なんつうか『スリル』が足りねェんだよな」

辺りを見回しながら歩いている。
当然、前方への注意は散漫になっていた。
つまり――ぶつかる形になるって訳だ。

        ドンッ

「――おおっと……こりゃ、すまねェな。
 うっかり余所見しちまってたモンでよ。平気か?」

そう言ってから、改めて日沼の姿を確認した。
どう見ても学生だが、今日は祝日でもねえし、学校の創立記念日か何かか?
しかし、こいつの格好を見ると、いわゆる『反抗』したい年頃って奴なのかもな。

435日沼 流月『サグ・パッション』:2018/10/03(水) 23:14:56
>>434

「うわっ、ちっ、とっっ!」

     ドデッ

            「ててててっ」

「あ〜、流月は平気ですよ。
 こう見えても結構頑丈なんで!」

            スック

尻餅をついたが、すぐに立ち上がった。
不良ではあったが、花菱に比べれば子供だ。
年齢的な意味でも、風格的な意味でも。

「……」

「こういう場合、『慰謝料』とか『治療費』とか
 請求するのが『ワル』ってやつだと思うんですが」

「流月はあえてその潮流に『反抗』するわけですよ」

               ニヤ

恩を着せようとしているのだろうか?
この女も前を見ていなかったのは明白なのだが。

続く動きの無さを見ると、『言いたかっただけ』なのかもしれない。

436花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2018/10/03(水) 23:43:39
>>435

「ハッハッハッ。そりゃあ、ありがてェな。
 オレは、てっきり『骨が折れた』だの『服が汚れた』だの、
 あれこれイチャモンつけられるかと思ったぜ」

軽く笑って冗談で返す。
まぁ、それはそれで『スリル』があって良いかもしれねえけどな。
とりあえず財布の中身を新品みてえにされる心配はなくなった訳だ。

「お前さん、『ルナ』って言ったな。
 不躾な言い方だけどよ――
 オレが見たところ、『反社会的な世界』に憧れてるって感じか?」

今のところ、周りに特に興味を引くモンは見当たらねえ。
強いて言うなら、今オレの前にいる『ルナ』ぐらいだ。
なかなか面白そうなヤツだし、もうちょっと関わってみるとするか。

「平日の昼間に制服着て、堂々とこんな所にいるくらいだからな。だろ?」

外見や言動から、それを推測するのは簡単だ。
だが、そう深く足を突っ込んでもいないだろう。
雰囲気から、そんな印象を受ける。

437日沼 流月『サグ・パッション』:2018/10/04(木) 00:08:27
>>436

「ありがたく思ってくださいです。
 別にその恩につけこんで、
 ゆするわけでもないですから!」

          ニヘヘッ

尻の砂ほこりを落としながら、
道路柵に腰掛け話すための姿勢に移る。

「ま、当たらずとも遠からずって所です。
 ただです、勘違いされたくないんですが、
 ドラッグが吸いたいとか、喧嘩自慢とか、
 そーいう『ヤンキー趣味』とは違うんですね」

    「ただ、『反抗』するのが好きなんです」
  
  ニヤ

丸い眼鏡の下の目が自慢げに笑う。
自慢げというか、満足げというか。
『自然に悪くなりました』って感じじゃあない。

「その言い方、『自分はそっち側だぞ』って感じですね。
 ひょっとしてお兄さんは『マフィア』か何かなんですか?」

            「流月はもう『チーム』入ってるんで、
              危なそうな勧誘とかはお断りですよ」

見た目で判断しているようだ。あるいは雰囲気を感じ取っているのかも。

438花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2018/10/04(木) 00:41:07
>>437

「なるほどなァ。まぁ、オレにも似たような時期はあったけどよ」

自分の学生時代を思い出す。
だからといって、別に不良という訳ではなかった。
『スリル』欲しさに危険な行為を試すとか、
立ち入り禁止の場所に踏み込んだりした事はあるが。

もっとも、『スリル』に目がないのは今も同じだ。
『ルナ』の場合は、単に『反抗期』って事でもないだろう。
『反抗』するのが好きというのは珍しいような気がする。

「ハハハハ……おいおい、カンベンしてくれよ。
 こう見えても、オレは正真正銘『カタギ』だぜ」

「『スタントマン』をやってんのさ。
 注文次第で飛んだり跳ねたり、飛び降りたり転げ落ちたり、まぁ色々とな」

「オレは昔から『スリル』ってのが大好きでよ。
 それで、こういう仕事をやってるって訳だ」

口ではそう言うものの、実際は仕事でやってると余り『スリル』は感じない。
だから、内心では物足りなさを感じていた。
今は、『スウィート・ダーウィン』のお陰で、ある程度は解消できている。

「『チーム』ねェ。『ルナ』みてえな『反抗好き』が勢揃いってか?
 そいつは面白そうだな。
 話のついでだ、どんな集まりか教えちゃあくれねェか?」

439日沼 流月『サグ・パッション』:2018/10/04(木) 00:57:43
>>438

「スタントマンって、映画とかのアレですか?
 ってことは映画スターってわけですか。
 なるほどですね、道理で雰囲気あるわけです」

「サラリーマンには見えないですし〜」

スタントマンと映画スターは違うが、
こいつにとってはそう変わらないのだろう。

「お、なんです。流月たちに興味あるんですかぁ?
 流月たちのチーム……『桜裏悲鳴(オリヒメ)』に〜?」

聴いたことがあってもおかしくはない。
全国ニュースとかそういうのではなく、
地元の学生の噂レベルではあるが、
そういう名前の『不良グループ』がある事は。

「残念ながら『10代』で『女子』が条件なので、
 お兄さんを紹介してあげる事は出来ないですがね。
 どう見ても20代の男子なんでワンチャンないです!」

具体的にどういうグループなのかが出てこないが、
もしかすると『具体的に何かするグループ』じゃないのだろうか?

         「というかさっきから呼び捨てですケド、
          お兄さんの名前も教えてくださいよ。
          『さん付け』くらいはしてあげますから」

440花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2018/10/04(木) 01:27:44
>>439

「ハハハ。ま、そんな大したモンでもねェけどな」

強く否定はしなかった。
そう思ってもらえるんなら、悪い気はしねえしな。
実際は端役みたいなモンだが。

「『オリヒメ』……『桜裏悲鳴』……。
 ははァ、『チーム』ってのはアレの事か。
 名前は知ってるぜ。名前だけはな」

少し考えて記憶の片隅に残る噂話を思い出した。
どこで耳にしたか定かじゃないが、聞いた覚えはある。
そりゃあ確かに、似合いの集まりではあるな。

「何も仲間に入れてくれとは言わねェさ。
 入れそうにねェのは、ハナから分かりきってる事だからよ。
 オレが聞きたいのは『集まって何をやってんのか』って事だな」

「『チーム』で、どこかに『反抗』でもしてんのか?
 それとも、『今日はどんな反抗をした』とか話すとか、
 『誰が一番大きな反抗ができたか』競い合ってんのか?」

『チーム名』こそ知っているが、その実態は謎だった。
どうしても聞かなきゃならない事でもねえが、
話に出てきたとなると気になってくるモンだ。
後になって後悔しないように、今の内に教えてもらいたい所ではあるが。

「ん?あぁ、そうだな。
 名前を教えたって、別に減るモンじゃねェ」

「オレは『花菱蓮華』って名前だ。
 『蓮華』って呼んでくれていいぜ。ま、『蓮華さん』って所か?」

441日沼 流月『サグ・パッション』:2018/10/04(木) 02:06:36
>>440

「じゃ、蓮華……蓮華さんで行きましょう。
 さん付けしますって言っちゃいましたし、
 ここで『反故』にするのは無軌道過ぎですね」

           ニィ

「大きな反抗? ぷぷ、そういうんじゃないですよ!
 部活じゃないんですから。別に何するってわけじゃなくて、
 なんとな〜くつるんでるんです。そこまで大所帯でもないですし」

どうにも実態らしい実態が見えない。
名前だけしか聞いたことが無いのは、
名前以上のはっきりした実態が無いからか。

反骨の少女は更に話を続ける。

「何よりです、反抗しろって言われて反抗するのは、
 流月的にはぜんぜん『違う』わけですよぉ〜。
 それって『逆流』に流されてるだけじゃあないです?
 向いてる向きは違うけど、結局『反抗』はしてないし」

      「本流に逆らうのは流月じゃなくちゃなんですよ。
        そーいう『反骨』が好きなんです。にへへ……」

わりとヒートアップする話題だったようだ。
なにがそこまで彼女を掻き立てるのか分からないが、
こういうのが『イマドキ』なのだろうか? こいつ特有の物か?

「そういえば似たような時期があったとか言ってましたけど、
 蓮華さんもなんか『チーム』とか入ってたんですかぁ?
 場合によっては蓮華『センパイ』と呼ぶことになるかもしれないですね」

442花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2018/10/04(木) 02:36:09
>>441

「何となく、か――気の合う仲間ってのは、案外そんなもんかもしれねェな。
 何人くらいなんだ?『桜裏悲鳴』のメンバーってのは」

『チーム』というからには、目的や決まりのようなものがあるかと思っていた。
どうやら実際は違ったようだ。
考えてみれば、キチッとした組織でもあるまいし、何も不思議はないだろう。

「――お、おう。分からんでもねェな。そういう気持ちはよ」

いきなり熱っぽく語られたせいで、不意を突かれた。
とりあえず相槌を打っておいたが、少々勢いに押された感は否めない。
何しろ人の嗜好なので、『そういうものだ』と思うしかないだろう。

「オレか?いや、オレはそういうグループに入った経験はねェな。
 まぁ、大抵は一人でやってたさ。『スリル』目当てにな」

「例えば、誰もいない時に屋上のフェンスを乗り越えてみるとかな。
 立ってる両足の爪先が外にはみ出すくらいに細い足場に立ってよ。
 それで、下を覗いて見るのさ」

「上から見下ろすと、下から見上げるよりもずっと高く見える。
 『今ここから落ちたら死ぬな』って思えるんだ。
 実際それなりに高さはあるし、落ちたら大怪我だろうな。
 だが、危険だと思える程に試したくなるのさ」

「ま、そういう『ちょっとしたスリル』を味わってた訳だ。
 『ルナ』の『反骨』とはちっと違うけどな」

443日沼 流月『サグ・パッション』:2018/10/04(木) 03:35:10
>>442

「いや〜、他のチームの事とかよく知らないのでェ、
 何とも言えないですけどね。そんなもんなのかは」

「うちですか? 全体だと何人なんでしょうね。
 いやですね、一応ライングループあるんですけど、
 先代の人とか入るだけ入って集まり来ない人とか、
 ……実際の総人数がちょっとわからないんですよぉ」

    「でも、今活動してるのは20人もいないですね」

一般的な学校の1クラスよりは少ないわけだが、
はぐれものがそれだけ集まるのは壮観かもしれない。

「それにしても、一人でそんなことしてたんですねぇ。
 てっきり敵の学校に一人で乗り込んで物盗むとか、
 そういう方向性の『スリル』だって考えてましたですよぉ」

「なんだかちょっと、ヘンタイっぽい趣味ですよね」

                ぷぷぷっ

悪口のつもりではないと見える。
だが、茶化してる気配は多分にある。
花菱の深淵をいきなり覗けるほど鋭くはないらしい。

「あ〜、結構話し込んじゃいましたね蓮華さん。
 流月はこれからセンパイに呼ばれてましてぇ、
 そろそろ行くわけですが、どうします?」

尻尾のようなストラップがついたスマホを弄り、
柵から立ち上がった少女はここを去るようだ。

「一緒に来ますか? ってお誘いではなく!
 にへ、せっかくだし連絡先とか交換しません?
 蓮華さんの昔の武勇伝、もっと聴きたいです。
 『とか』って事は他にもあるんですよね?」

       「今日は立ち話で終わっちゃいましたけど、
        その時はお茶くらい付き合いますですよ」

444花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2018/10/04(木) 18:50:24
>>443

「『20人未満』か……ハハ、そりゃおもしれェな。
 参加してんのは全員が『ハタチ前』なんだろ?
 つまり、大体『同じくらいの数』って訳だ」

しかし、新たな謎も浮上する。
『先代』って事は、それなりに昔からある集まりなのか?
だからって歴史が長いとは限らないが。

「ハッハッハッ、敵の学校とはな。
 それこそヤンキー漫画の見すぎだぜ」

「オレは『ギリギリ』が好きなのさ。
 越えちゃいけない『デッドライン』の手前まで、どれだけ近付けるかってのがな。
 言ってみりゃあ『チキンレース』みたいなもんか?」

「アレだな、『登山家』とか一人で山に登るだろ。
 だからオレも一人だった。
 ――なんてのは、カッコつけすぎかもな」

日沼の言葉を聞いて、実際そうだろうと思った。
同時に、偏屈な趣味なのはお互い様だろうとも思っていた。
まぁ、人の嗜好なんてのは『そういうもの』だと思っておくのが一番だろう。

「あぁ、そうだな。
 ぶつかっただけなのに、つい長話になっちまった
 先輩を待たして、ルナがお咎め食らったら悪いしな」

「お前さんがそうしたいってんなら、そうしとくぜ。
 オレも『チーム』の話は聴きたいしな。
 ホレ、これでいいか?」

連絡先の交換は問題なく終わった。
寄り掛かっていた柵から離れる。

「そんじゃな、ルナ。
 これからも、学校を卒業できる程度に『反抗』してってくれよ。
 ――って言われてやるのは『違う』んだったか?
 ハハハハッ、じゃ縁があったらまたな」

軽く上げた手を小さく振り、蓮華と名乗った男は立ち去っていく。
さて……センパイが待っているだろう。

445日沼 流月『サグ・パッション』:2018/10/05(金) 01:55:43
>>444

「わかんないですよ。
 流月が知らないだけで、20人以外の人らも、
 どっかよそで集まってるかもしれないです。
 だから『桜裏悲鳴』が20人未満ってコト、
 流月の名前だして言い触らさないでくださいね!」

例えば今の『19歳』が卒業すれば『先代』になり得る。
そう考えれば、創立当初に18〜19歳がいたなら、
やはり大した歴史はないかもしれないが――謎ではある。

「いや〜でも、未だにそういうのあるんですよ。
 流石に授業中に校庭に乗り込むとかは無いですが、
 放課後とか? うちは、そういうんじゃないですけど」

「そーいうのよりはカッコいいですねぇ。
 わざわざ自分から死ぬ寸前まで自分を追い込むって、
 ちょっと『反骨』的ですし。流月はやらないですけど」

理解は出来ないようだが、
一定の『納得』はしたようだ。
喩えが良かったのかもしれない。

「はい、交換できてますね。ありがとうございます。
 あ! 流月の連絡先、変な事に使わないでくださいね!」

              ニヤ

日沼 流月。
ホーム画面のアイコンは『クリームソーダ』。
プロフィール写真は……どこかの海の写真だ。

「だいじょーぶです!
 流月、『全国模試』も上位ですし!
 『反骨』するには『力』が無いとですよ」

          クルッ

                「それじゃあ、またでぇ〜〜す」

妙なやつだったが……これで縁が繋がってしまった。また会う日も来るだろう。

446ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2018/10/09(火) 23:01:01
ある日の深夜

歓楽街近くの橋に、おかっぱ頭の女子高生『芽足 萬』は居た。

     ブラン  ブランッ

より正確に表現するのであれば、橋の下にぶら下がっていた。

「もしもし、大丈夫ですか?」 ウィーン

彼女は左脇に泥酔した中年男性を抱えながら、右腕を真っ直ぐ橋に向かって伸ばしていた。
橋の上には、何かに激突してかごが曲がった自転車が倒れている。

「そろそろ、起きて欲しいのです」
「残念ながら、私には二人分を引きあげる力が無いので」 プシュー

そして萬の右手の指の辺りから『コード』の様な細長い物が伸び、
橋の手すりに巻き付いて二人の体重を支えていた。

しかし、その『コード』は『特別な力』を持つ者にしか見えないだろう。


   「んぃ〜……なんだってェッ〜」
「私の『巻きとり力』では、二人分の体重を引っ張り上げられないってことです」
「このまま二人とも川に落ちるってことです、よ」 ウィーン


ゆっくりと首を左右に90°動かして周囲を見渡す『萬』。
不運にも、周囲に人影を見つける事が出来なかった。

447日沼 流月『サグ・パッション』:2018/10/10(水) 00:51:15
>>446

だが、不幸中の幸いに、今近付いて来る人影はあった。
金とも銀とも言えない不自然色の髪を切り揃え、
しかし数カ所これまた流れに逆らってカールさせた、
改造学生服の少女――――同じ高校の学生服の面影だ。

         ザッ

       ザッ

            ピタ

「……うひゃっ、事故の形跡ィ〜〜〜」

       スッ

「そーそー、自転車事故。っぽいかな」

              「カゴめっちゃ曲がってるし」

誰かと通話しているようで、声が聞こえている様子がない。

そして幸中の不幸とでも言うべきか、橋の下は見ていない。
カゴが曲がった自転車に気を取られているようで、
足元で起ころうとしている惨事には気付けていないのだ。

「何にぶつかったのかな〜これ。この『バナナの皮』だったりして」

                   プププッ

「落ちてるし。いやほんとに落ちてるから」

偶然落ちていたバナナの皮はこの運命に絡んでいるのだろうか・・・

「そうだとしたら恥ずくて乗り捨てていく気持ちも分かるわけよ」

                 「でも、『逆に』ありえないか。ぷぷっ」

        ←キョロ

こちらも90度横までは見ているのだが・・・

               キョロ→

                   角度をもう少し下げればあるいは・・・

448ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2018/10/10(水) 23:29:17
>>447

『萬』の耳に声が届く。
同じくらいの歳の少女の者のようだ。
こちらの様子に気が付いている様子はない。

「……あのー、すみません。助けて欲しいのです、が」 ウィーン

上の少女が『特別な力』を持っていない限り、
橋に巻き付いている『コード』に気づいたり、引っ張り上げてもらうことはできないだろう。

しかし、それ以前に現在のままでは橋の下の状況にすら気付くかも危うい。

「ひょっとして、電話中ですか、ね」 カシャカシャ

顔を上げて、声のする方を向く『萬』。
声の主が携帯電話を使用しているかどうかを確認しようとする。


「そうだとすれば、逆に好都合ですけどね」
     「ゆらすなー、気持ち悪く……ウォッ」

パカッ

男性を抱えている左腕の人差し指が、第二関節まで縦に割れる。


「実は私、『ロボット』ですから」

449日沼 流月『サグ・パッション』:2018/10/10(水) 23:52:27
>>448

上を見れば見事に電話中だった。
ワイヤレスマイク付きのイヤホンらしく、
端末自体は下げた手に持っている。

「?」

「今さぁ、助けてって言った?
 へへ、『反応』に困る冗談やめてよ。
 え……怖い怖い、ほんと聞こえたって」

           「え〜〜〜!?」

  キョロ↑

          キョロ↓

左右からさらに前後を見てはいるのだが、
肝心の橋の下を覗く事はしない。
『まさかありえない』って気持ちなのか?

          『グ
             ル
                ン』

そもそも『事故を起こした人』が、
ここに残っていると思っていないのかも。

「わッ!!!」

と、いきなり声を上げた。

「ぷぷっ、びっくりした?
 怖がらせて来るからさぁ。
 やられっぱなしもアレだしさ、
 『逆に』びっくりさせようと思って」

 ルナ
「流月ってそういう『反骨』精神あるわけよ」

が、期待を裏切るかのように冗談だったようだ。
こうなると、もう『ヨロズ』の手で『やる』しかない。

     ケラケラ
 
           「……え〜絶対言ったってば!」
 
幸いにしてこの場から離れる様子はないから――『届く』。

450ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2018/10/11(木) 23:34:38
>>499

「……やはり、気付いてはもらえないようです、ね」
「少し理不尽かもしれませんが、無理やりにでも気づいてもらうとしましょう」
「さすがに……辛くなってきましたし」

   ドバシュゥッ

「『ボーダー・リーヴァー』」

真っ二つに割れた左手の人差し指から、『コード』が勢いよく伸びる。
橋の下にいる二人の周りを一周しながら上方へ伸び、


  ズヒュッ

流月の持つ携帯電話へ『接続』される。


「『通話終了』」

 プツッ ツー ツー

通話中の携帯電話の『操作』に『パスワード』『指紋認証』も必要ない。
ただ普通に、『誰にでも出来る操作』をする。

それが出来たのならば萬は息を大きくすって

スーッ

「助けてくださいっ!」

「手すりに結ばれている『コード』が見えますか」
「見えるのならば引っ張り上げて欲しいですし、見えなければ」

「そちらの携帯電話から『緊急通報』します」

叫ぶ。

451日沼 流月『サグ・パッション』:2018/10/12(金) 03:15:02
>>450
            ズヒュ

 プツッ ツー ツー


「えっ、あれ、もしも〜〜〜しっ」

      「……」

              「……?」

   キョロ…

「え……もしかして『心霊現象』じゃない?
 後で謝らないと……それで、どこ?
 この声――――えっ何、『コード』ォ?」

           ザッ

「これ? 見えるけどさぁ、引けばいいのね?
 どういう状況かぜんぜんわかんないけど」

         ガシッ

「流月、見た目と『裏腹』にパワフルでね。
 ゆっくりじっくりって場合でもなさそうだし、
 ちょっと荒っぽく引き上げるけど、
 そこんとこの注文は受けてないわけよ」

「だから『逆切れ』しないでよね」

    グ  ィィーーーーッ

明らかに人間の域を超えた力で、コードが振り上げられた。
酔っ払いと共に宙に舞い上がったヨロズが見たのは、

             「うわっ!」

  「人二人!?」

                 サッ

              「ほんとにどういう状況よ!」

落下点で待ち構える日沼流月と、その傍らの巨躯のスタンドだった。

452ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2018/10/15(月) 00:29:53
>>451

「突然、唐突な協力の要請に迅速に応えて頂ける事、感謝しm──」

橋の上の相手は『少女』。
しかし、『萬』の『コード』が見える者。

それであれば当然『力』を持つ物である。

「──感謝します」

想像以上のパワーに引き上げられたことに驚く間もなく、
二人の身体は宙を舞う。

「ええ……酔っ払い自転車をよけたら、酔っ払いが橋にぶつかって落ちました、ので」

明らかに『人間以上』のパワーによって引っ張り上げられた二人。
その予想以上のパワーと『長ランを纏った大柄な人型のビジョン』を
目の当たりにした『萬』が、眼を見開きながら答える。

「私の『力』で助けようとしたのです」
「結局、『あなたの力』で助けてもらいましたけど、ね」

左手の『コードを解除』
手すりに結ばれた右手の『コード』で体勢を制御して、『萬』は足から着地。
『酔っ払い』は『流月』の『ビジョン』に任せた。

453日沼 流月『サグ・パッション』:2018/10/15(月) 01:48:58
>>452

「お堅い感じの物言い〜っ。
 髪型もキッチリしてるし、
 あんたかなり『真面目』でしょ」

   「ぷぷっ」

         ガシィッ

         「よいしょっ」

   ゴロン

キャッチした酔っ払い中年をゆるく転がし、
(中年は分けも分からず去ると考えている)
流月はいたずらな笑みを浮かべてヨロズを見た。

「何より助けようって思うのがよ。
 流月はその『逆』で『不良』だから、
 ぶつかられそうになったら……」

            ズギュン

「『力』でなんとかしちゃうかな。
 『助ける』んじゃなくて……へへ」

          「えらいと思うわ」

こいつは不良グループに入ってはいるが、
真面目そーなやつをからかう気はないのだ。

「というかそのコード……真面目って言うか、『ロボ』みたいね」

        「ぷぷぷ」

冗談のように笑うが、その言葉の意味するところをこいつは知らない。

454ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2018/10/17(水) 23:44:55
>>453
 「ウィーッ、ヒッ」

謎の声を上げながら自転車を引いて去っていく男性を横目で見送りながら
落ち着いた様子で流月の方を向く萬。

「『真面目』、という形容があっているのかどうかわは解りかねます」
「私は『正しい事』をしたいだけです」ウィーン


                      カシャッ
『ボーダー・リーヴァー』を完全に解除。
真っ二つに割れれていた人差し指が閉じる。
一拍の間を置けば、流月の眼を真っ直ぐ見返して

「けれども、最終的に助けたのはあなたです」
「あなたが『不良』なのであっても、そうでなかったとしても」カシャッ
「あなたも『えらい』と思います。ありがとうございました」

小さな笑みとお辞儀とともに、賛美の言葉を返す。

>「というかそのコード……真面目って言うか、『ロボ』みたいね」


「ええ、私『正義の心を持つロボット』ですので」ウィーンウィーンガシャーン
「この恩をいずれ返したいと、『思う』わけです」ギュインギュインッ

制服のポケットに手を入れたかと思えば、数秒の後に流月の携帯電話に
着信が入り、即座に切れる。

「私より『ワンコール切り』を入れました」
「『正義』より外れる事でなければ、あなたの力となりましょう」

そう言い残せば翻り、橋の向こうへと消えていった。

455日沼 流月『サグ・パッション』:2018/10/18(木) 00:38:48
>>454

「そういうとこがマジメ〜っ。
 褒めても何も出ないわよ。
 『逆に』気分が引っ込んじゃうくらいで」

          ヘヘ

「まあ、ほんとんとこ悪い気はしないけども」

         ズォオ

スタンドのヴィジョンは消えていた。

「ぷぷっ、マジっぽい冗談!
 逆に冗談っぽいマジだったりして。
 アドレス帳は『ロボ子』でいいよね?
 だってさ、名前聞いてなかったから」

           pi

スマートフォンを確認して、
一番新しい通話履歴に名前を付けた。
アドレス達の中でもそれは埋もれない。

「流月、『反骨』するのが好きなわけよ。
 あんまり正義なんて柄じゃあないから……
 ひまつぶしの相手が欲しかったらかけてみようかな!」

           クルッ

                「それじゃ、またねぇ〜〜」 

そうしてこいつも、家路につくためにこの場を去るのだった。

456天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2018/12/06(木) 22:31:59
「ら、らら、ら……」

街灯の下、もたれかかりながら一人の少年が何かを口ずさんでいる。
それはメロディを持っていた。

「ららら……ら、ら……」

「あーあーあー。んっん……」

少し寒そうな薄手の服を着て、少年が目を閉じる。
後ろに回した手でコツコツと街灯を叩いた。

「ら、ら」

457美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2018/12/14(金) 23:40:44
>>456

ラフなアメカジファッションの女が通りかかる。
年の頃は二十台半ば。
頭に被っているキャップの下で視線が動く。

「……ん?」

(――『歌』……かしら……?)

歌声らしきものが耳に入り、ふと足を止めた。
歌とかそういったものには、無意識に身体が反応してしまう。
しかし、聞き覚えのないメロディだ。
いや、ひょっとすると知っている曲なのだろうか。
そう思うと、少年の歌が妙に気になってくる。

(『アレ』でもないし『コレ』でもないわね)

(何だったかなぁ……)

やや離れた位置から少年の歌に耳を傾け、考えに耽る。
耳に意識を集中するために、少年と同じように目を閉じた。
スニーカーを履いた足が、トントンと軽くリズムを刻む。

458天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2018/12/15(土) 00:39:06
>>457

「あ、あ、あぁ、あ」

急に声が止まる。
フゥと息を吐いて目を開けた。
目線が動いて辺りを見る。

「?」

目に止まるアメカジの女性。
ぼうっと彼女を見つめる。

(綺麗な人……)

459美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2018/12/15(土) 01:04:25
>>458

少年の歌う声。
街灯を叩く音と、地面を踏む音。
それら三つが交じり合う即興の音楽は唐突に終わりを迎えた。

「――?」

声が途切れたことに気付いて、ゆっくりと目を開ける。
そして、自然と視線が合うことになった。
少々気まずい状況とも言えるが、こんな時はまず笑うことにしている。

「こんにちは」

「良い歌ね。それ、なんて曲だったかしら?」

笑顔と共に気さくな調子で声を掛け、一歩ずつ少年の方に近付いていく。
スタジャンのポケットに両手を突っ込み、冷えた手を温めながら歩く。
この時期にしては少年が薄着なことも少しだけ気になるが、
それよりも今は歌の方が気になっていた。

460天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2018/12/15(土) 01:36:22
>>459

目線がしたから上。

(靴の音だったのかな)

何かが聞こえていた気がして。
それで声を止めて、目を開いた。

「あ。えへへ……」

笑った相手の顔を見て照れたように笑う。
幼い雰囲気のある少年だった

「黒い瞳っていうんです……ロシア民謡の……」

「そう教えてもらいました」

少しだけ体に合わない大きなシャツからのぞいている手を合わせた。
指先が赤くなっている。

461美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2018/12/15(土) 02:05:07
>>460

「もしかして私が邪魔しちゃった?」

「ごめんね。ついクセで」

軽い謝罪を口にしながら、街灯を挟んで少年の隣に立つ。

「『黒い瞳』――」

その曲名を噛み締めるように小さく繰り返し、記憶の中を探る。
昔、自分が舞台で歌を歌っていた時、新しい方向性を開拓するために、
様々な民謡を聞いてみたことがあった。
その中に『黒い瞳』と呼ばれるものがあったことを思い出したのだ。

「なるほどね」

「お陰でスッキリしたわ。ありがとう」

もっとも、さっきまで忘れてしまっていた。
記憶というのは使われないままでいると錆付いてしまう。
そのことを改めて感じる。

「誰に教えてもらったの?」

「――あ、これ使わない?」

ポケットから使い捨てカイロを取り出し、少年に差し出す。

「ちょっとしたモヤモヤを解消してもらったお礼よ」

462天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2018/12/15(土) 03:06:25
>>461

「あ、いや、僕が止めちゃっただけなので……」

「だから、その、気にしないでください!」

少年の瞳も民謡で歌われるような黒い瞳。
大きく、光を奥に秘めたもの。

「いえ、こちらこそ」

感謝の言葉に会釈で返した。

「カイロ……ありがとう、ござい、ます……」

恐る恐るカイロを受け取った。
警戒しているというより少し悩んでいるようだった。
手の間にカイロを挟み、揉みながら息を吹きかけている。
ほぅっと表情が緩む。

「トモさん……えっと、いとこに教えてもらって」

「色々歌を教えてくれるんです」

463美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2018/12/15(土) 03:32:07
>>462

(何だか――不思議な子ね)

少年の瞳を見て、何気なく思った。
歌と同じ黒い瞳。
秘められた何かがあるような、そんなことを感じさせる。

「そう、いとこが――」

「二人とも歌が好きなの?私は好きよ」

「さっきはキミが歌ってるのを見て、ちょっと気になっちゃって」

ステージに立って歌うことはなくなっても、歌が好きなのは変わらない。
記憶は幾らか錆付いていても、歌唱力は未だに落ちてない――と思う。
それを披露する機会があまりないのは、少し残念だけど。

「――それで、トモさんは他にどんな歌を教えてくれるのかしら?」

知らず知らずの内に、声が少し弾んだ調子になっていた。
歌についての話題は自分としても関心がある。
喋りだすと長くなるので、そういう話を自分からはしないようにしているが、
そういう話が出た場合は別だ。

464天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2018/12/15(土) 03:41:39
>>463

「いとこは歌が好きみたいで、僕は……分からないです」

「でも誰かが歌ってるのを聞いたり、僕が歌ってトモさんが嬉しそうにしていると嬉しいです」

「正直、お姉さんが気になってくれて嬉しいです。僕、綺麗に歌えてましたか?」

もじもじしながらそんな風なことを聞く。
カイロを持ったまま、手を後ろで組んで、街灯に背中を預ける。

「えっと……タイトルが思い出せないんですけど」

「らん、らら、ららら……ら」

思い出すように一つ一つ音を吐き出していく。
明るい弾むような歌。

「ちょっと前のアイドルの曲、らしいんですけど、僕は詳しくなくて……」

「でもトモさん、知らないうちにその人の話を聞かなくなったって」

「あの時のことを思い出したいから歌って欲しい、そう言われて教えてもらいました」

465美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2018/12/15(土) 04:34:20
>>464

「ええ、とっても。上手だったわよ」

言葉と同時に、少年の方を向いて小さく頷いてみせる。

「歌って、言葉が分からなくても伝わるところがステキだと思うの」

「たとえ国や人が違っても、気持ちを伝えられるから」

以前は、自分の歌声を世界中に伝えていきたいだなんて考えてた時期もあった。
でも、それは昔の話。
今の私は、この街の人達に声を届けていて、それはそれでいいと思ってる。

「――……」

少年の歌声に、黙って耳を傾ける。
今度は、すぐに思い出せた。
それは自分にとって馴染みのある曲だったから。

「それはね――『Canary Song』っていうタイトルよ」

「『カナリアの囀り』って意味ね」

「よく覚えてるわ。実は、私も好きだった曲だから」

それは、自分がアイドルとしてデビューした時に歌った最初の曲。
だからこそ、忘れることのできない曲だった。

「ちょっと歌ってみるわね。オリジナルには及ばないと思うけど」

「――ふぅ……」

深呼吸してから、自分のデビュー曲『Canary Song』を歌い始める。
カナリアの囀りを思わせる透き通るような歌声が流れ、空気の中に溶けていく。
その歌声は繊細であり、同時に強い生命力を秘めているような響きがあった。

466天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2018/12/15(土) 13:24:07
>>465

「えへへ……ありがとうございます」

くすぐったそうに少年が笑った。
ちょっぴり誇らしげな雰囲気が目に宿る。

「カナリア、の……さえずり……」

そうして目の前の女性が歌い始めて、動きが止まる。

(やっぱり綺麗)

「……すごいです」

歌が終わるのを待ってからそう告げる。
小さく拍手をしながら。

467美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2018/12/15(土) 21:00:42
>>466

「ご清聴に感謝します」

歌を終えて、一息つく。
軽く頭を下げて、感謝の言葉を口にした。
それから、少し照れくさそうにフッと微笑んだ。

「私、歌うのは好きだから」

「でも、人前で歌うのって、何だか恥ずかしいわね」

こうして自分の曲を人前で歌うのは、いつ振りだろうか。
街を歩いていて、まさかこんな機会に巡り合うとは夢にも思わなかった。
久しぶりで気恥ずかしさは感じるものの、やはり内心の喜びは大きい。

「昔は歌手になりたいと思ったこともあったわ」

「でも、残念ながら歌手じゃないけどね。似たような仕事はしてるけど」

「似てるっていっても、ちょっとだけね」

ポケットから名刺入れを取り出し、一枚の名刺を少年に差し出す。
自分がパーソナリティーを務めるラジオ番組の名刺だ。
『Electric Canary Garden』という番組名が大きく綴られている。

「差し上げるわ。今日の出会いの記念に、ね」

「キミは学生さんよね?良ければ、名前を教えてくれない?」

468天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2018/12/15(土) 22:27:40
>>467

「とっても上手でした、お姉さん!」

興奮したような状態で目を輝かせる。

「僕なんかよりとっても上手で……その……すごかったです」

「今でもなれますよ、歌手に!」

名刺を受け取る。
中々ない経験ゆえに恐縮してしまう。

「ありがとうございます」

「え、僕は天白真尋です。天は白く、真を尋ねるでテンパクマヒロ」

目を通す名刺に引っかかる言葉。

「カナリア……?」

「?」

(お姉さん、カナリアが好きなのかな)

469天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2018/12/15(土) 22:28:14
>>468
メ欄参照

470美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2018/12/15(土) 23:54:28
>>468

「アハハハ、ホントにー?あんまり褒めすぎないでね。照れちゃうから」

「でも、嬉しいな。ありがとう」

満更でもない表情で、コロコロと笑う。
今でもなれると言われたのは嬉しい反面、少しだけ複雑な思いもあった。
それでも、褒められるのは素直に嬉しいものだ。

「『天白真尋』――真尋くんね。うん、覚えたわ」

「私の名前は……あ、そこに書いてあるか。その下の方ね」

番組名の下には、『パーソナリティー:美作くるみ』と記されていた。
デフォルメされた手書き風のカナリアのイラストが、傍らに添えられている。
電源コードが付いた、ややメカニカル調のカナリア。

「そのカナリアは私がデザインしたの。番組のイメージキャクラターってヤツね」
 
「『電気カナリア』――『Electric Canary』よ。なかなか可愛いでしょ?」

名刺の片隅に描かれたカナリアのイラストを指差して、クスリと微笑む。
それから、ふと空を見上げると、
いつからか街灯の上に留まっていた一羽の小鳥が飛び立っていくのが見えた。
それを見送り、また頭を下ろす。

「さてと、それじゃあ私も行こうかな」

「真尋くん、ありがとう。一緒に話せて楽しかったわ。
 縁があったら、またいつかお喋りしたいな」

「――『Have a good day!!』」

ひらひらと片手を振って別れの挨拶を告げ、ゆっくりと歩いていく。
短い間だったけど、有意義な時間を過ごせたと思える。
胸の中に感じる満足感が、その証拠だ。

471大袖徹『グレイテスト・リワード』:2019/01/03(木) 23:01:52
世間はどこか浮き浮きとした雰囲気で、道往く人も皆どことなく楽しそうだ。
大袖徹はそうじゃなかった。
もちろん新年のお祝いはしたし、初詣もした。おみくじは小吉だったけれども、帰りに飲んだ甘酒は温かくて最高だった。

  ーーもしもし!?休んでるところにスマナイ、本当に悪いんだがーー

まあ、仕方がない。代休は貰える。皆より一日早く仕事が始まっただけだ。
いや、今年は去年よりも長い『連休』だったわけだし。
ほんのちょっとしたことだ。気にするようなことなんかなにも無い。

「ふう」

結局、帰宅もこんな時間だ。一杯やるには丁度いいが、

「・・・缶コーヒー飲んだら、帰ろう」

グビッ

472スズ『ティーンエイジ・ワイルドライフ』:2019/01/03(木) 23:21:08
>>471

≪缶コーヒーはけっこー、うまいよな。
 うまいのだけど、『違い』が分からない。
 『違いが分かる男』というフレーズがあるが、
 あれは『大人のオトコ』って感じのキャラだね。
 つまり、『女子供』だから分からないのだろうか?
 それとも本質的には『似たような味』なのを承知で、
 『違いを分かろうとする』のを楽しむのが粋なのか?≫

自販機の前にいた大袖に、
『唱える』ような落ち着いた声が聞こえる。
誰に聴かせるというよりは、『独り言』風だ。
周りの人間は、誰もそれに反応していない。

――――『特殊な声』なのだと、分かる。

「……」

見れば、少女がコインを持って立ち尽くしていた。
細い眼と、口元を隠すような大きなマフラーが目立った。

「あのさ」

        スッ

≪口にするのは嫌味かと思うが、
 どいてくれるのを待ったり、
 無理やり腕を伸ばして入れるのも、
 いかにも『邪険』にしてるようで、
 あんまり好ましくないような気がするんだ≫

        スゥーー
 
「ごめんだけど、コイン入れていい?」

どうやら、『どいてくれ』と言いたいらしい。

473大袖徹『グレイテスト・リワード』:2019/01/03(木) 23:35:10
>>472
「ああ、失礼・・・」

女の子に場所を譲る。何を買うのだろう。
とにかく『缶コーヒー』はオススメしない。

「どれでも一緒だよ」

『特殊』と言われてもピンとは来ない。
なにせほんの『数日前』だ。明らかに人とは違う、何かが理解できたのは。一ヶ月にも満たないのだ。

474スズ『ティーンエイジ・ワイルドライフ』:2019/01/04(金) 00:13:51
>>473

「!」

≪この声は『普通』の人は聴こえないらしい。
 自分でもどうやって出してるか分からないし、
  多分『力』の『オマケ』のようなものなんだろうな≫

「ああ、ええと、ありがとう。
 ……『どれでも一緒』なら、これで」

       ピッ

         ガコ

「新商品だから……
 『一番うまい』と思えそうなんだ」

≪独り言には向いてる『オマケ』だと思ってたんだけど、
  こうもいきなり周波数が合ってしまう人がいるなら、
  多分石を投げれば当たる程度には『いる』んだろうな≫

         ガチャ

「『思う』っていうのは『ウマい』に繋がる」

           「……と思うんだよ」

おススメしない缶コーヒーを、買ったようだった。

475大袖徹『グレイテスト・リワード』:2019/01/04(金) 00:21:06
>>474
眉根を寄せた。
困っているからだ。反応に困る.対応に困る。応答に困る。

グビッ

とりあえずもう一口飲んだ。

「あ、あー」「えー」《こうかな》
「おっ」「意外と」《出来るもんだな。『力』ってのはこーいうののこと?》

シュル

ブツブツ言いながら『スタンド会話』を雑に会得した。
そして普通に『グレイテスト・リワード』を出してみせる。ハゲタカのような・・・ヒョロっとした人型の『像』だ。

「良いこと言うね」

ウマいと思えばウマい、と解釈して、返事した。

476スズ『ティーンエイジ・ワイルドライフ』:2019/01/04(金) 00:56:51
>>475

「そう」

≪『ティーンエイジ・ワイルドライフ』≫

ガキン

『恐竜』風の頭部を持つ、人型の『像』。

≪『スタンド』って言うらしいこの力は、
  『持ってないやつ』には見えないし、
  『声』も聴こえないし……って感じ、と≫

「いうことだ」

を、発現してすぐに消した。
スズしか知らないことだが、
この力は妙に『疲れる』のだ。

「ありがとう……」

       カシュッ

開栓。

「……どうにも、『口下手』というやつで。
 あまりうまく口にする事が出来ないのだが」

「良かったなら、よかった」

         グビ

「…………いや、これ、なんか前のより『ドロ甘い』わ」

        「気持ちではどうにもならんこともあるな……」

477大袖徹『グレイテスト・リワード』:2019/01/04(金) 01:14:50
>>476
「ふうん・・・?」

《ああ。そうだ。『グレイテスト・リワード』。大層な感じがする名前だが、気に入ってるよ》

「ドロ甘いのはヤだね、確かに。選ばなくて良かった」

しれっと言う。
大袖徹も、口が上手なほうじゃない。だから言い出せなかった。
『何のための力なんだろうな?』という一言。
ま、初対面のしかも少女にイキナリ言うことでもない。間が悪けりゃ『通報』の可能性すら考慮にいれるべきご時世だ。

 グビッ

飲み干したので、ゴミ箱に空き缶を捨てて歩き出す。

「じゃあ」

《教えてくれてありがとう。この声の出し方のことだよ。『超能力者』って感じでイイな、これ》

悪くはない一日、と思えることが起きた。それも込めて感謝を述べ、立ち去る。

478スズ『ティーンエイジ・ワイルドライフ』:2019/01/04(金) 01:28:42
>>477

「そういうもの、らしい。
 完全に試してはいないが」

スタンド使いになってから、
少しは試した、自分の力だから。
責任をもって、いつか使うために。

・・・『何に』?

≪『グレイテスト』、か……
  確かに少し大層な感じはするけど、
  超能力だし 『そういうもの』なのかも、な。
  私のは『ティーンエイジ』だし、
  『20代』になるのが今から怖いくらいだ≫

「…………次からは選ばないでおこう。
 昔から売ってる商品っていうのも、
 ある意味『ウマそう』と思えるだろうし」

秒速で意見を撤回したが、
人生哲学でもないし、
人生哲学でもそういう事はある。

「ああ」

≪いやこちらとしても、有意義だった。
  これで独り言を言ったりすると、
  『スタンド』使いだと一発でバレるわけだ。
 ……バレて何が悪いか、というのは、
  ハッキリ言うと特に思いつきはしないけど≫

「じゃあ」

特に引き止めるワケもない。

だが、意味がある時間だったと思う。
缶コーヒーは一応頑張って全部飲み、帰った。

479『新春スペシャル』:2019/01/06(日) 19:15:48
「グェッヘッヘッ、観念するんだなネエちゃん」
「やっ…離して! なんなのあんたたち!」
「ヒヒヒッ、気の強い女はボスのタイプじゃあないが、見た目はいいしなぁ」
「ムホホwwそれなら拙者たちで躾けてからの方が良いのではと愚考いたしますぞwww」

歓楽街の隅で男が三人、女を連れ去ろうとしている。
君はそれを偶然見つけた、どうする?

480杉夜『D・E・D』:2019/01/06(日) 19:49:43
>>479

 今の心境は最悪だった。

アリーナで高額が予想された依頼は、今回は御縁ないと断られ
年は越せたものの、母親の認知の状態は日増しに悪化してる気配がある。

 重い足取りの中で、見かけたものも最悪な光景だ。何故 ただ
歩いてるだけで、こんな厄介事を見なくちゃいけないんだ? 神が居るとしたら
俺がこうやって、災難に遭ってる事を安全圏で笑いながら傍観してるのか?

「…………は  ぁぁぁーーー……」

 「……なぁ    あんた等」

 止めた方がいいんじゃないか? と声をかけようとする。

……止めるべきなのだろうか? 
今だって、家でお袋が暴れてる筈。ヘルパーだって専属でやってくれてる
訳じゃないんだ。この前だって、もうこれ程重度だったら施設に
入れたほうがいいんじゃないか? と遠巻きに愚痴を言われたのだ。
 それでも それでも家族を引き剥がす事は出来ない。


「……は  ぁぁぁーー……」

 携帯を取り出す。警察に連絡しよう

481杉夜『D・E・D』:2019/01/06(日) 20:05:18
あ、能力詳細など必要でしたら↓で

『ドッグ・イート・ドッグ』 Dog Eat Dog
破壊力:B スピード:B 射程距離:E(能力射程:C)
持続力:A 精密動作性:C 成長性:A

詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463236020/67


服装は首回りにタオルと作業着、半長靴

所持品は、携帯と財布のみで

482『新春スペシャル』:2019/01/06(日) 20:12:30
>>480
「悪いようにはしねぇからよォ〜、チコっとだけボスと一緒のおふとんに入るだけでいいんだよ」
「あれは忘れもしないクリスマスの日、靴下に入れてあったプレゼントのお願いがまさか…」
「『ママが欲しい(年下の)』ですからなwwwデュフwwwわかりみふかしwww」

「年明けたのにズーっとスネたまんまでよぉ…おせちもローストビーフ以外手を付けなかったんだぜ」
「かわいそうなボス」
「泣wけwwるwwww」
「だれかたすけて!」

杉夜は警察に電話した。
女は引きずられていく、道の先にはワゴン車が止まっている。
賢明な判断だ、なんで人のトラブルに首を突っ込まなきゃいけない?
自分の人生だけで手いっぱいだ、道行く誰もがそう思うだろう。
君は、ただの、通行人だ。

483杉夜『D・E・D』:2019/01/06(日) 20:22:45
>>482

 「……は ぁぁぁ――……」

怒りが 怠惰が 遣る瀬無さが 無気力感 絶望が溜息と共に込み上げる

正義なんて志してる訳でない むしろ、ヒーローなんて大嫌いだ。
俺を、俺とお袋がここまで滅茶苦茶になっても手を差し伸べず
別の誰かを助けてるヒーローが、今更俺達を助けて来たなんて言ったら
虫唾が走るだろう。だが だが然しだ。

 「ここで俺が最低な事(見放す)をすれば、どうせ最後に
俺が野垂れ死になった時だ。あぁ、あの時のしっぺ返しだとよ
そう神って言う名の屑野郎はせせら笑うんだよな? 
 本当に殺したくなるぜ 何だ? 俺が最低な気分に仕上げるなら
目の前で悲劇エンターテインメントも喜んでやるってかよ
 ――誰がテメェの思い通りに行かせるか」

 走り寄って、女を引っ張っている手近な一人を思いっきり殴ろう。
……あぁ、勿論 俺の拳だ。最近仕事ばっかで運動って言う
ちゃんとした運動はしてないが。行き成りスタンドで殴る程には
俺の性根は未だ腐りきってはいねぇよ

484『新春スペシャル』:2019/01/06(日) 20:34:26
>>483
今からあなたを殴ります。と宣言して快諾するヤツいるか?
3人いるってことは役割分担があって当然だ、特にコイツらは仲良し3人組だからな。
女の腕を掴んでいるデカいの、すばしこそうなチビ、あとデブの3人だ。
君の猛進は難なく避けられ、逆に殴られた。チンピラってのは結構暴力慣れしてるもんだ。

「グズグズしてるとおまわりも来ちまうぞ、コイツ電話してたし」
「正義のヒーローか? ヒヒッ」
「ちょwwwおまwwww正面からwwwww」

女は車に連れ込まれそうだ。

485杉夜『D・E・D』:2019/01/06(日) 20:50:26
>>484

頬に熱い感触が過る。 眼が一瞬点滅が走った
 痛い 口も切ったかも知れない。 ……だが

 何も響かない。 こいつ等は赤の他人だ 助けを求めてる奴も 赤の他人

お袋だけは違う。

   ――助けて! お父さんっ!!  助けてー! 殺される!!

近くにあった目覚まし時計が投げられ額に当たる。
お袋 親父は出て行ったんだよ。あんたと同じように 壊れちまった
お袋の父さん母さん 俺が物心ついた時はでかい赤ん坊見たいな
爺ちゃん婆ちゃんを、もうこれ以上見る事が出来なくて。
 
       助けてぇぇぇぇぇえええええ!!! 杉ちゃん助けてぇぇ!!!

髪の毛を毟り取られる   骨が突き出てる張り手が繰り出される。

 お袋 あんたが助けを求めてる相手は 俺なんだよ。

 思い出してくれよ  お袋  俺は此処にいるんだよ。


 「……愚図共が」

           D・E・D(Dog Eat Dog)

 「なんだ? 今のはよ
――お袋の お袋の張り手のほうが……よっぽどいてぇよっっ!!」

        ドガァッ!!

スタンド『D・E・D』を発現させ、まず女の腕を掴んでる男の
足を蹴る(パス精CBC)
チビも同じ。デブは普通のスタンドのパンチ(パス精CCC)で良いだろう。

486『新春スペシャル』:2019/01/06(日) 21:12:45
>>485
それでいいんだ、暴力をためらうな。

バキッ! ベキィ! ゴッ!

「「「イデェーッ!?」」」

仲良し三人組は痛がり方も一緒だ。しかし女はまだ解放されてはいない、男は涙目になりながら女を車の中に突き飛ばした。
女は車内に転がったまま動かない、頭を打ったのか、恐怖に竦んでいるのか?

「こっ…こいつッ!」
「ボスと『同じようなこと』をッ!」
「こうなったら…w」

「「「フォーメーションだ!」」」

バババッ

杉夜の正面にデカイの、右側にチビ、左側にデブ、三位一体の攻撃を繰り出した!
正面から迫力あるパンチ、右から高い跳躍の飛び蹴り、左から地を這うようなタックル!
これは『練習』している動きだ! どうする!?

487杉夜『D・E・D』:2019/01/06(日) 21:26:25
>>486

「そうか なら お前らの『ボス』って奴の所まで案内して貰うか」

 『目的』が出来た。また、こんな光景を見る羽目になる『元凶』を
潰しておこう。神は殺せない、だが俺達弱者を見下ろして神様気どりで
這いずり回る俺やお袋を笑ってる奴等の一部を潰すなら 憂さ晴らしになる

 フォーメーション?  知るか 俺の力は絆だろうか『失墜』させてやる

 タオルを解き思いっきり『殴る』 右手へ投げたタオルに対してだ。
今まさに跳躍して蹴ってくる野郎に対してな。タオルに触れた奴も
『撃墜化』が伝播すれば、俺に蹴りを喰わらす前に勢いをなくし
何が何だかわからないまま地面に尻もちつくだろう。ダメージは無いが
飛び上がろうとするのも難しい、体勢を立て直して立ち上がるのに
時間は掛かる。  それ位の時間でもよ。

「案内役は……一人で十分だよな?」

     ドゴォ!   ドゴォ!!

『D・E・D』でデカイのに顎へパンチ(パス精BBC)
左からタックルするデブも、脳天目がけパンチ(パス精BBC)
さっきの蹴りでも、いて―! で叫ぶだけで済んだんだ。
もう少し力込めても死にやしねぇだろ? 二人再起不能にして
残った奴に俺も車乗り込んでボスの元まで案内させて貰う。
 一応、拠点の構成人数とか聞いて。女には途中の交番か
人の多い場所で降りて貰おう。邪魔だ

488『新春スペシャル』:2019/01/06(日) 21:45:57
>>487

パサリ

殴ったタオルは飛ぶことなく『撃墜』され、地面に落ちた。
チビの飛び蹴りが顔面にヒットする、ひどい痛みと衝撃が杉夜を襲う。
続いてデカイやつの拳が胸にメリ込み、デブの危険タックルが下半身に重いダメージを与える。

「右を見ながら左は見えない」
「強力な武器も使うのは人間」
「つけ入るスキはある、いくらでもな」

新春スペシャルヒント:落ち着いて殴れ

489杉夜『D・E・D』:2019/01/06(日) 21:56:11
>>488

>右を見ながら左は見えない

>つけ入るスキはある、いくらでもな

 「……あ゛ー ゲホッ  ゲホッ   ――効かねぇな」

「……『もう一回』やってみろ このサーカスの真似事野郎共」

 もう一回、今のふざけた『トライアングルアタック』をやるよう仕向ける。
息を整えつつ、相手との向かい合う位置を ふらついた足取りで変えつつな。

 次の三人アタックの際。チビのほうは無視し、思いっきり(パス精BBC)
デブとデカイのに両方の拳で攻撃を喰らわす。

490『新春スペシャル』:2019/01/06(日) 22:15:00
>>489
足元にデブがしがみついている。
デカいのは腕を大きく振りかぶった。
チビはナイフを取り出した。
このままだと君は死ぬが…それで構わないか?

新春スペシャルヒント2:敵は思考し行動する、諦めるな

491ハイジ『クールボーン・スウィング・トループ』:2019/01/06(日) 22:16:42
「おっ、なんだなんだ?」

騒ぎを嗅ぎつけてやってきた。

492『新春スペシャル』:2019/01/06(日) 22:23:52
>>491
若者がチンピラ3人に痛めつけられている。見ればチンピラの内一人がナイフまで出している!

493杉夜『D・E・D』:2019/01/06(日) 22:28:52
>>490
すいません、デブのタックルが継続して行われてるのが読めてなかった。

今現在の立ち位置とかは杉夜とデブが密着。その直ぐ斜め横あたりに
デカイのとチビが居ると言う形でOK?

あと、本体がデブに下半身拘束されてるなら。スタンドも
下半身は動かせず、両腕のみ機能してると考えたほうが良いでしょうか?

494『新春スペシャル』:2019/01/06(日) 22:37:16
>>493
ボクシングでもなんでもいいので格闘技を思い浮かべてほしい。
一発殴ったらスッと後ろに下がって「あなたの番です、どうぞ」とはいかない。
君は今袋叩きにされている。

腕や足が動かせるかなんて君にしかわからない。
どのような状況で、何に拘束されているのか、どうやって解くか、解くことに手間をかけるべきか否か? これはそれを考えるゲームだ。
全てはイメージだ。

495ハイジ『クールボーン・スウィング・トループ』:2019/01/06(日) 22:42:25
>>492(GM)
--------------------------------------------------------
『骸骨』を思わせる『人型』のヴィジョン。
スタンドが『接触』した『空中』に『ブランコ』を作る。

『クールボーン・スウィング・トループ』
破壊力:C スピード:B 射程距離:E(1m)
持続力:D 精密動作性:A 成長性:C

【能力詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/87

服装:白髪を逆立て、防寒ジャケットにニッカポッカ。
持ち物:財布など。

--------------------------------------------------------

    「ゲッ、刃物まで出してやがるッ」

        「おい、作業着の兄ちゃん。
         同じブルーカラーのよしみだ」

『クールボーン・スウィング・トループ』を発現し、接近する。

        「とりあえずは助けてやるぜ」

掌から『2mブランコ』を発現し、
『チビ』の顔面に『ブランコ板』の側面を叩き込む。パス精CBA

『2mブランコ』の『主軸』は、
倒れこんだ『デブ』の頭頂部付近に設置する。
絶対に動かない『主軸』が邪魔をし、『デブ』は立ち上がれない。

腕を振りかざした『デカ』に対しては、
ピンと張った『鎖』を盾にし、振り回す腕の動きを阻害したい。

496杉夜『D・E・D』:2019/01/06(日) 22:44:33
>>494(回答感謝)

 まず、デブが下半身を拘束してる。俺の『D・E・D』は
俺の直ぐ傍にあると考えて良い。
 まずデブが体を拘束してる部位に攻撃は来ないと考えて良い。
このデブを透過して拳やナイフが来るなんて言う、んな馬鹿な話が
あったら、そりゃもう世界が俺に死ねと言ってるんだろうさ。

 とりあえずデブが俺の背骨を折ろうと力を込めてるのは我慢する。
ナイフと、デカイ奴のパンチは厄介だ。

 『D・E・D』の片腕で、パンチを防御。
チビのナイフがどんなに素早くても、それは人の速度を超える事はない
『D・E・D』で掴み(パス精BBC)、ナイフを捥ぎ取れるなら
そのままそのナイフでデブの耳を切り削ぎ、激痛で腕を解く隙が出来たら
デブから後退したい。

497新春スペシャル:2019/01/06(日) 22:56:51
>>495>>496
頼もしい助っ人のエントリーだ! こうでなくっちゃ!
恐ろしい骸骨型のスタンドは『ブランコ』を発現させてチビの顔面を陥没させた!

「ホゲェーッ!?」

『ブランコの主軸』はデブの動きも制限している!

「ちょwwwこれwww立てんwww詰んだwwwww」

黒く煤けたスタンドは機械の腕でデカいのの拳を難なく受け止めた。

「あっ…ちょっ…待っ」

さぁどうしようか?

498杉夜『D・E・D』:2019/01/06(日) 23:03:04
>>495
>>497

 「……あ?」

『ブランコ』を設立した奴を見遣る。
 ……正義の味方気どりってか? 俺がついさっき まさに
ヒーローを軽蔑した発言を出した間際に、それが瓢箪から駒って具合に
出るのかよ。 ――本当にこの世界は 悪辣で畜生だ

 「…………あぁ うん 助かったよ」

       とりあえず、ダメージは『返済』して貰おう。

     ドゴッ!  ドゴッ!!  ドゴッ!!!

 とりあえず、あっちの正義のヒーローさんが拘束させた
デブの鼻面を渾身の力で殴る。デカイのも同じく殴る『パス精BBC』

で、チビはナイフを取り上げ片腕でもへし折りつつ、助っ人に告げる。

 「……あの車に、連れ去られようとした女がいるんだ。
助けてやってくれ」

 「それと、今から俺はこいつ等のボスってのを
ぶっ潰しに行くから……出来たら、その女の保護を頼む」

 そう告げておく

499ハイジ『クールボーン・スウィング・トループ』:2019/01/06(日) 23:09:04
>>497
「コイツらで全員か?

 ――――あの車、『賊』が詰めてたりしねぇだろうな?」

『チビ』は銭湯不能、『デカ』は作業着の青年に任せる。
『一対一』ならば早々遅れを取ることもないだろう。

「さっきからうるせェな、自分を『動けるデブ』とでも勘違いしてンのか?」

手にした『ブランコ板』を『デブ』の後頭部目掛けて投げ落とす。パス精CBA+重力

>>498(杉夜)

>「……あの車に、連れ去られようとした女がいるんだ。
>助けてやってくれ」

「しょーがねぇーな」

このまま警察を呼ばれたら、
巻き添えで『拘束』される可能性も高い。
『ワゴン車』へと駆け寄って、その女とやらを引きずり出したい。

500『新春スペシャル』:2019/01/06(日) 23:28:02
>>498>>499
「「プギィ!」」

デカいのとデブは仲良く気絶した。これで3人とも夢の中だ、いい夢が見られますように。

ハイジがワゴン車の中の女を抱き上げると、最高のタイミングで目を覚ました。
いい女だ。愛らしい目は大きく、鼻が高い、大きく張り出したバストとくびれたウエスト、引き締まった下半身。生殖欲の高まりを感じるだろ?

「うぅん…あなた誰…? ……ハッ! そうだわあたし、誘拐されそうになって…ああ! なんてこと! あなたが助けてくれたのね!」

女はハイジの首に腕を絡めると、頬にかわいらしいキスをした。

「チュッ! ありがとう、これはお礼よ」

女は去っていった。
遠くからパトカーのサイレンが聞こえる、このままここにいては厄介ごとを背負うことは想像に難くない。
ともかく、君たちは無事哀れな女性を悪漢どもから救い出した! 素晴らしい!
この後ふたりは卑劣なるボスを倒すべく一大冒険を繰り広げることになるのだが、それはまた別の話。

『新春スペシャル』第一幕〜ボス泣かないで〜 

END

501ハイジ『クールボーン・スウィング・トループ』:2019/01/06(日) 23:37:04
>>500
>「チュッ! ありがとう、これはお礼よ」

  「カマくせェ女だな。

   ――――ヤベッ、もうポリ公が来やがる」

両足裏から『1mブランコ』の発現と解除を繰り返し、
空中を『階段』でも昇るかのように上昇、適当な屋上へと移動する。

  「おい、次はもうちっと上手くやれよ!

   スタンド使いがバンピーにボコられてたら、
   見てるこっちが恥ずかしくなるぜ」

白昼堂々、女の拉致を目論む男達の目的は何なのか?
考えを巡らせることもなく、その場から去っていく。

502杉夜『D・E・D』:2019/01/06(日) 23:45:40
>>500
>>501

 ブランコに乗って街中を遠く去っていくヒーロー『ハイジ』を見送る

パトカーが来る。体の節々は痛い タックルや殴打痕 顔も飛び蹴りで
鼻は流血している。ボロボロの体を引き摺って此処を去る。


 正義など ない  少なくとも 俺の心にも 俺達の住処にも

あるのは普遍とした絶望のみ   救いなど決してない

 「……お 袋」

 「……正しい事を しても……誰も見ちゃくれない
この世界にはよ ……なぁ お袋……俺達は……生きてていいのかな?」

 「あのナイフで殺されれば……そのほうがマシだったのか?」

 「……答えなんて ないよな  ……お袋」

 家路へと戻る。ヘルパーは、喧嘩でもしたのかと冷えた目で
規約違反超えした超過分の時間を請求し、支払い。
 そして、雄叫びを上げながら排泄物を投げる お袋を宥める。

   ――救いは 無い。

 心は深く深く 更なるもっと光届かない場所へと堕ちていく……

503三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/01/08(火) 22:39:04

『素晴らしい死に方』をするためには、立派な人間にならないといけません。
立派な人間になるためには、見識を広めないといけません。

       テク テク

そんなわけで、ここにやって来ました。
あまり来ない場所なので、周りが気になります。

        キョロ キョロ

立ち止まって周りを見てみます。
大体>>504の辺りだと思います。

504三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/01/10(木) 21:34:01
>>503

  キョロ キョロ

もう少し歩いてみましょう。
今度は大通りの方へ行ってみたいと思います。
それでは失礼します。
                  
                  テク テク

505日沼 流月『サグ・パッション』:2019/01/11(金) 23:26:27

「ッふぅぅううう〜〜〜〜〜」

           「痛つつ」

   スタスタ

自転車を押して歩くのは、
『金とも銀とも言えない』髪の少女。
綺麗に切りそろえているのに、
数カ所だけ、流れに逆らってカールしている。

           ルナ
「あ、もしもし? 流月だけどォ〜〜〜」

      「あー、チャリ事故っちゃってさあ」

「ちょっと時間間に合わないかも。 
 うん、今日は流月抜きでやっといて! めんご!
 ……そう、前事故ったの見たって言ったじゃん、
 今度は流月がそこで事故っちゃったワケ」

「段差とかあるわけじゃないわけよ。
 見えづらいカベとかでもないし。
 それなのに事故多発! 『逆に』怖くない??」

             「ぷぷっ、そーそー、そーいうこと!」

言葉通り自転車はタイヤが曲がり、
彼女自身もやや泥にまみれていたが、
それより『スマホ』で通話に夢中になりながらの道歩き。

              ・・・前方の注意が足りていない。

506花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2019/01/12(土) 00:56:48
>>505

ちょうど同じようなタイミングで、
全身をレザーファッションで固めた赤毛の男が路地から歩いてきた。
自転車を押して進む流月の存在を知る由もない。
当然の流れとして、そのまま軽くぶつかることになった。

「うおッ――」

「わりィな、気付かなかったもんでよォ」

そこまで言ったところで、知った顔に気付く。
地元の不良グループに参加しているらしい少女だ。
どんな集まりなのかは、具体的には聞いていなかったが。

「なんだ、『ルナ』じゃねェかよ。
 前にも似たような事があった気がするぜ。
 調子はどうだ?」

「確か『オリヒメ』だったか?まだ抜けちゃいねェんだろ。
 そっちで何かおもしれェ事でもなかったか?」

それから、相手の格好に視線を向ける。
ある意味じゃあ面白い事かもしれねェな。
軽く笑って言葉を続ける。

「何処かでケンカでもやってきたか?随分と派手にやったもんだなァ。
 まぁ、オメーはそういう事はしねェって言ってたから、大方違うんだろうけどよォ」

507日沼 流月『サグ・パッション』:2019/01/12(土) 01:24:20
>>506

         「おわっ」

   「とと」

         ポトッ

   ツーツーツー

ぶつかった勢いでスマホを取り落とし、
電話が切れてしまったようだった。

「あちゃぁ〜〜ッ、やらかした。
 すいませ〜ん反省してまぁ〜〜すッ」

バツが悪そうに顔を上げると・・・

「って、蓮華さんだ。流月達よくぶつかりますね!
 このケガですか? 『逆』に何だと思いますぅ?」

知った顔だったので、バツが悪くなさそうだ。

「ま、クイズにするほどのもんでもないんで……
 ケンカとかじゃなくて壁にぶつかったんですよ、
 もち、人生のとかじゃなくてそこの橋んとこの壁に」

「蓮華さんならスタントっぽく、華麗に着地出来たりしそ〜」

などと言いつつ、スマホを拾い上げる。
前と何か変わった様子もない……特に見た目は。

「桜裏悲鳴だとぉ〜、あーどうしよっかな、
 なんかスリルがある話がいいでしょォ〜っ、
 あ、この前『賭けトランプ』した話とかします?
 流月の策士っぷりが火を噴いた武勇伝ですが」

         「それか、逆に」

「蓮華さんはなんか面白い事なかったですゥ?
 流月より刺激的な生活してそうですよね。
 どーなんですか? 最近『スリル』ってやつは」

どうもあまり凄い話はないようだったし、
女学生達の賭けにどこまでスリルがあるかは怪しい。
蓮華が話したい事があるなら、それが良いだろう。

508花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2019/01/12(土) 02:10:08
>>507

「まあ、そりゃあ役によるな。
 思いっきり派手にブッ飛んだ方がおもしれェって事も多々あるからよォ」

「つっても、『安全対策』はバッチシだからな。
 見た目ほど『スリル』は感じねェな。やってる本人としてはよ」

「俺の話か?
 例えば、『ロシアンルーレット』なんかスリルあるよなァ。
 一発だけタマを込めて、当たったヤツは『あっち側』にブッ飛んじまう。
 頭に銃口を押し付けて引き金を引く瞬間がたまらねェな」

言いながら、自分の頭に指先を突きつける。
そこから『銃』も出るし、弾も出るのだが、今は出す必要もない。
ただの軽い冗談だ。

「――ハッハッハッ、なァんてな。
 こりゃあやった事っつうよりも、やってみてェ事だな。
 『ToDo』じゃなく『wishリスト』の一部ってとこか?
 小道具でピストル持たされる事はあるけどよ」

口ではこう言っているが、実際は『ToDo』の方に含まれる。
刺激が欲しくなると、自分のスタンドで頭をブチ抜く事はよくやっている。
勿論、まだ『実弾』を撃ち込んだ事はないが。

「丁度ヒマだしよ、オメーの話でも聞いてみる事にするぜ。
 しっかし、さみィな」

「立ち話も何だしよ、どっか入らねェか?
 オメーがここでいいならいいけどよ」

ポケットに手を突っ込んで、辺りを見渡す。
歓楽街だけあって座れる場所には困らない。
提案はしたが、どうするかは流月に任せた。

509日沼 流月『サグ・パッション』:2019/01/12(土) 03:06:36
>>508

「へ〜っ、見てる方からしたら、
 あんなことしたら絶対死ぬなァ、
 ……って感じなんですけどね」

「スタントマンも奥が深いんですね」

          ガシャッ

     ガシャッ

壊れた自転車のキックスタンドを蹴り、
無理やりその場に立たせようとする流月。

「げげっ、『ロシアンルーレット』って!
 それこそ死ぬヤツじゃないですかァ。
 蓮華さん冗談エグいですよ。
 なんか、マジでやってそうですし」    

    「やりたがってるし〜」

       「やっぱヘンタイですねぇ、ぷぷ」 

真に受けている様子はない。

    ガシャッ

「こんにゃろッ……あ、入ります?
 そうですね〜。流石にサムイですしぃ〜〜、
 流月ほんとはこの後メシ行く予定だったですんで」

            「よいしょッ」
      ガタッ

乗り物相手の奮闘は決着がつかないまま、
自転車の向きを妙に『軽々』と『反転』させた。

――――その腕には『黒衣』、いや『長ラン』か?

「ね、あっちに流月が気に入ってる店あるんですけど、
 蓮華さん『スイーツ』と『洋食』ならどっちがスリリングですか?」

          「『逆に』オススメ教えてくれてもいーですけど」     

ほんの一瞬だが――――『ヴィジョン』が重なって見えたのは、幻ではなかろう。

510花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2019/01/12(土) 03:43:15
>>509

「ハッハッハッ、相変わらず口がわりィな、オメーはよ。
 まぁ、否定はしねェぜ。似たようなもんだろーからな」

「くれぐれもマネすんじゃあねェぞ。危ないからよ」

さながら親戚の子供に会った時のような態度で返す。
こちらも本気ではない。
自分の頭を撃ち抜く下りは本気の話だったが。

「なら、『スイーツ』にしとくぜ。こう見えても甘いもんは好物でよ」

「――『スリル』の次ぐらいになァ」

「ここじゃあないが、大通りに『黒猫』っつー菓子屋があってよ。
 そこのチョコレートケーキが旨いんだぜ」

    チラ

(こいつは……。ハハッ、なるほどなァ……)

一瞬現れた『ヴィジョン』を見て、どこか納得したような表情を浮かべる。
『反逆』という言葉には相応しい姿に思えたからだ。
それは、自分の『拳銃』と同じようなものだろう。

「人ってのは見かけによらねェもんだな。ルナも意外と力あるじゃねェか」

「――『何処か』で鍛えたのか?」

さも気付かなかったかのような口調で問い掛ける。
だが、先程の『ヴィジョン』は見ていた。
実際、視線はそちらに向いていたのだ。

511日沼 流月『サグ・パッション』:2019/01/12(土) 13:51:58
>>510

「敬語使ってるし許してくださいですよ。
 敬う気持ちはあるってことでぇ〜
 それに良い意味でのヘンタイですし?」

「真似しようとしても真似出来ないってワケですよ」

露出狂とか痴漢とかそういうのじゃあない。
実際、その四文字を発する流月の声は、
少しの軽蔑もない……むしろ『畏敬』寄りだ。

「スイーツですね、じゃあ洋食にしよっかな〜
 ぷぷ、冗談ですよ冗談……行きましょう蓮華さん」

            ギギ……

「蓮華さんのオススメは次連れてって下さいね」

軋む自転車を押しながら、歩き出す。
その動きにはヴィジョンは伴わない。

「え? 流月ですかぁ? まッ、才能ってやつですよ。
 にへへ……ちょっと特別なトレーニングをね!」

         「とゆーか」

「人は見かけによらないのはそっちの方ですよ。
 蓮華さん絶対辛党っぽいキャラしてるのに。
 あ〜でも、なんか『逆に』しっくり来るのかも」

「ちなみに流月は甘党でェ〜〜す」

などと核心に触れたのかどうか怪しい事を言いつつ、
歓楽街を進んで行くと……人通りに若者が増える。

「あ〜、そこですそこです。
 お菓子屋さんじゃなくて『喫茶店』ですけど」

指差す先はなるほど喫茶店のようだったが、
店構えはさほど見どころがある感じではない。
どちらかと言えば、流行っていなさそうに見えた。

512花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2019/01/13(日) 00:28:44
>>511

「俺の方は、まぁその内な。期待してくれても構わねェぜ。
 俺は、そういう味には結構うるさい方だからよォ」

「ルナの場合はそのまんましっくり来るぜ。『逆に』じゃなくてよォ」

「おっと、そういうのはあんまり好きじゃねえんだったか?
 『流れに従う』みてェなのはよォ」

相槌を返しつつ、流月に続く。
頭の中には、先程の『ヴィジョン』が浮かぶ。
自分のそれとは、大きく異なる形を持っていた事は分かる。

「『才能』ねェ。そりゃあ向き不向きってのはあらァな。
 ルナにはできて俺にはできねェ事ってのも当然ある訳だ」

「――いわゆる『人それぞれ』ってヤツだな」

そのように告げて、歩いていく。
そして、見えた店を目に留める。
知らない店だが、どことなく目立たない印象を受けた。

「ああ、アレか?喫茶店だと、大通りなんかの方が人の入りが多いよなァ。
 ここら辺は飲み屋が多いからよォ。
 隠れた穴場って感じか?」

「まぁ、行くとすっかァ。さっきも言ったが、俺は味には拘る方だからよォ。
 どんなもんか楽しみにさせてもらうぜ」

513日沼 流月『サグ・パッション』:2019/01/13(日) 00:44:58
>>512

「べっつに〜、なんでも『否定』するわけじゃないですよォ。
 それは『反骨』じゃなくて『逆張りの流れ』に従ってるだけですし?」

               ガシャンンッ

「食べ物の好みとか変えられませんですしね!」

自転車を止めて……というか置いて、
入り口の方へと歩いていく流月。
『反骨』には相変わらずの『熱弁』っぷりだ。

「人それぞれ、そうですね、
 ナンバーワンよりオンリーワン。
 流月は、どっちでもいいですけどぉ〜」

才能の話にはあまり意欲がないのか、
スタンドのことだと勘づいていないのか、
なんだか適当に流されてしまった。

    「ま、店の方は〜
     入ってからのお楽しみってワケで!」

などと言いつつ扉を開けると、
どうやら想像通り『穴場』のようだ。
まるで客らしい客も見当たらない。

「前聞いたんですけど、
 ココアはビミョいらしいですんで」

              ドサッ

「でもスイーツは美味しいですよ!
 これはマジです。流月味には正直なんですよね」

その、がらがらの店のなかで隅の方に座る。
店員はバイトなのか、あまり覇気なくメニューを渡された。

「流月は『クリームソーダ』! ……ねね、蓮華さん何します?
 『パンケーキ』とか『アサイーボウル』とかぁ、食べたりします?」

             「ぷぷ、女子力〜〜〜っ!
              でも美味しいですよ、パンケーキ。
              前、男のヒトも食べてましたですし」

514花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2019/01/13(日) 01:22:07
>>513

「まぁ、その辺は俺には分からん分野だなァ。
 真似のできない部分って所か?」

「全く分からんでもねえけどよォ」

       ドスッ

入店し、流月の向かいに腰を下ろした。
メニューを手に取って軽く眺める。
クリームソーダと書かれた部分を無意識に目で追った。

「ルナはクリームソーダがお好みか?
 言われてみれば、オメーに似合ってるような気もするなァ」

「なら、俺はケーキでも食わせてもらうとするぜ。
 『チョコレートケーキ』だな。あと、コーヒーをくれ」

「パンケーキじゃなくてわりィな。ま、それも悪くねェけどよ。
 チョコレートケーキの話したら食いたくなっちまったもんでよ」

「まぁ、どんなもんが来るかお楽しみだな。
 ルナはよく来てんのか?
 『オリヒメ』の仲間なんかと一緒によ」

「そういう集まりが来るには、なかなか『自然』な雰囲気だからよォ」

515日沼 流月『サグ・パッション』:2019/01/13(日) 01:35:11
>>514

メニューには当然のように『○○フロート』が並び、
クリームソーダも厳密には『メロンフロート』らしい。
その辺りの適当さは、『常連』ゆえの判断なのか?

「じゃ流月もケーキ食べちゃいますかね。
 すいません、クリームソーダとチーズケーキで!」

             「フゥーッ」

    ドサドサ

マフラーを外したり、上着を脱いだり、
自宅のごとき武装解除の勢いもそれらしい。

「いや〜、パンケーキは半分冗談ですし。
 ま、ここはけっこうよく来てるんですよね」

       「平日昼間とか!」

             ニヤリ

「大通りの店だと、注意されるんですよね〜
 しなきゃいけないのは分かるんですケド」

    「ここはそーいうの、無いワケですよ」

蓮華の注文も受け取った店員は、
なるほど無関心そうにキッチンに入る。

「放任ってゆーか、そういう感じなんでしょーね。
 た〜だ、『桜裏悲鳴』で集まるにはちょい高いんで。
 そういう時は『ハンバーガー』食べ行ったりですねえ」

メニューは特別高いわけでもないようだったが、
高校生である彼女らからすれば、バイトでもしていない限り、
決して軽い気持ちで『長時間溜まる』のに向いた値段でもない。

「実はチーズケーキ頼むの初なんですよね〜」

              「前食べたタルトはおいしかったですよ」

肝心のスイーツについては、やや頼りなげ……だが、目には自信が見える。

516花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2019/01/13(日) 02:02:34
>>515

「ハッハッ、オメーもワルだな。そういう所も相変わらずってか?
 俺が教師なら注意したかもしれねェけどな」

「生憎『反面教師』だからなァ。俺が言うのは筋違いって事になっちまう訳だ」

流月の答えを笑って受け流す。
改めて考えると、俺も結構放任主義かもしれねェな。
まぁ、、これが親戚の子供なんかなら、もう少し言ったかもしれないけどよ。

「なァるほどな。言われてみりゃあ、よく見るからな。そういう連中はよ」

「そいつらが『オリヒメ』とは限らねえけどよ」

「馴染みの店でも、案外知らない事ってのは多いからなァ。
 毎回同じようなもんを注文しちまったりしてよ。
 もしマズかったら困るだろ?」

「ここのは、そんな事はねえと思うけどな。
 おっと、ハードル上げちまったか?」

「――そういや、オメーの話を聞くんだったな。
 『賭け』がどうとか言ってたろ。どんなもんだったんだ?
 賭けの一つや二つくらいは、俺もやった事あるけどよ」

背もたれに寄りかかり、流月の方を見やる。
賭けも『スリル』の対象だ。
まぁ、危険な内容じゃない事くらいは想像がつくが。

517日沼 流月『サグ・パッション』:2019/01/13(日) 02:43:45
>>516

「前会ってから、そんな経ってないですし。
 そう簡単に『改心』するはずないってワケよ」

「もし注意されてもね〜、ぷぷ。
 それこそ『反骨精神』が火を吹いて、
 あとはもうワンパンですよワンパン」

どう考えてもそんなどう猛さは見えないが、
親戚のおじさんに言われたって、
きっとそう簡単に改心はしないのだろう。

「ファミレスとかでも見るでしょ。
 流月も溜まるならそーいうとこですね。
 ドリンクバーあるし、食べ物安いし〜」

「あんがい『あいつらうるせえな〜っ』
 って蓮華さんが思ってた客が、
 流月だったりしたかもですね!
 うちは流石にそこまで騒がないですけど」

どうにも桜裏悲鳴とやらは、
いまいち『穏健』な集団らしい。

「あ〜、流月、ドリンクの方は全く知りませんですしね。
 クリームソーダとあと、コーラフロートくらい?
 コーヒーとかどんなもんか全然予想つかないけど、
 ま、ココア以外は大丈夫って聞いたんでだいじょーぶっしょ」

「そうそう流月の話ですよね〜。
 あれ、3日くらい前なんですけどぉ。
 まー普通に『お菓子』とか賭けて、
 大富豪とかやることなったワケで」

                  キョロッ

「あ、現金は犯罪って聞いたんで。
 『反骨』はいいけど犯罪はちょっとなワケですよ」

どうにも、脳が焼けるような『スリル』を味わうには『甘すぎる』ようだ。
もっとも流月やその仲間達からすれば、それでもアツいのかもしれない。


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