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【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』

1『星見町案内板』:2016/01/24(日) 23:57:56
『H城』の周囲に広がる『城址公園』の敷地を共有する『学び舎』の群れ。
『小中高大一貫』の『清月学園』には4000人を超える生徒が所属し、
『城郭』と共に青春を過ごす彼らにとって、『城址公園』は広大な『校庭』の一つ。

『出世城』とも名高い『H城』は『H湖』と共に『町』の象徴である。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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735白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/04/26(日) 23:24:22
>>733

「わたくし、『白町 千律』という名前です。
 『逢瀬さん』、ぜひ、よろしくお願いします。
 あなたとは『素晴らしい』関係を築けそうです。
 そちらこそ、『是正』が必要でしたら教えてくださいね」

はじめに、自己紹介を返す。
それから心配の言葉に、両手を胸の前で合わせ、笑う。

「ふふっ……ご心配を、してくださるのですね!
 その配慮の心、わたくし『感激』を禁じえません。
 あなたのことは、どんどん好きになってしまえますね。
 ですがこの時間に立っているのはわたくしの意志!
 他の委員や、生徒指導の先生は、もう少ししたら来る事でしょう」

「それに、『不良』は――――」

「逢瀬さん、ぜひ覚えておいてほしいのです。
 いえ、『覚えておきなさい』。
 わたくしは、『完璧な風紀委員』……」

「つまり……ククッ。遭遇を恐れるなら、それは『彼らの側』です」

白町は鈍そうではないが華奢で、決して『武闘派』には見えない。
だが、言葉には確かな『自信』が見えた。『何かあるのかもしれない』。

>>734

「いいお返事です、『素晴らしい』!
 素直なのは美徳、わたくし、素直が好きです。
 『逢瀬さん』の言う通り、『成長』が楽しみですね!
 『公益』に報いるためにどんどん己を『是正』し、
 学年、いえ、小学部一の『カギ係』を目指しましょう!」

「よろしく、お願いしますね」

名前を呼ばないのは、『偶然』なのか、
それとも名乗っていないからなのか。

見開いた眼が笑みに、若干の歪みを帯びたようだった。

736逢瀬 泰葉『ガンジャ・バーン』:2020/04/27(月) 06:19:24
>>734
「一ノ戸 鳴君だね? 私は『超能力者』なんだ。君の考えが分かる」

「…というのは嘘。半分だけね」

私が『ガンジャ・バーン』と名づけた奇妙な花。
ただ、あれが自分の精神に由来する力であると不思議な確信めいたものがある。
ちょこちょこ研究する度にヤバい成果を得て、取り扱いに困っているものの、相談できる相手の心当たりも無し。
同類が存在したところで味方と限らないので気長に研究するのも悪くない。

「鍵係がんばってね。先生の期待に応えられるように」

逢瀬は白町 千律のような威圧感は無い。
得体の知れない『異物感』を振り撒く本人は知ってか知らずか手を振って校舎の方に向かう。


>>735
「『完璧』って行き詰まりとか閉塞感のイメージがあるかな。『完璧』を目指そうと自分を『是正』するから白町さんは『完璧』なんだろうけどね」

人間は前進する生き物だ。『破滅』に至るまでは絶対に止まれない。
『是正』の行き着く先が美しい最後であると期待を込めて見守りたい。

「うーん、白町さんって『超能力』を使える人? 普通に考えて一人の女の子が『不良』に恐れられるのは変だよ」

「私も『不良』風情が何人来ようが…」

複数の不良相手でも『ガンジャ・バーン』の仕込みを終えていれば、一方的な敗北は有り得ないと信じている。
が、所詮は個人の力。集団相手には負ける可能性もある。

「おっと、人を驚かさないように早く登校したのに危ない危ない」

「危なかったら頼ってね。白町さんは友達が多そうだから大丈夫かな?」

「本当に無理しちゃ駄目だからね」

そう言って校舎の方に歩き始める。
独特な、しかし不快ではない甘い香りをさせながら。

737一ノ戸 鳴『ファイヴ・フィンガー・デス・パンチ』:2020/04/28(火) 00:00:42
 >>735(白町)
 「カギ係がんばります……ゼセイします…」
 「はい…よろしくおねがいしマス……」
 「フーキイインさんも学校一になるべく頑張ってくださぃ…」

 相手の目つきに萎縮しながら、尻すぼみの返事をする。後ずさる。
 若干防犯ブザーに手を掛けている、小学生男児はなにかに怖がってるみたい。
  
>>736(逢瀬)

 「!? 超能力者!」
 「……ふ、ふん!!僕は持ってるよ、超能力!」
 「Nintend〇スイッチだって持ってるからな!賞状も!」

 コブシを握りしめながら、超能力発言に張り合おうとする小学生男児。

 「だから、おニーさんなんて敵じゃないんだからな…!」

   クルッ   ダダダダ〜〜〜ッ

 そういうと、小学生男児は、背を向け、小等部の校舎にむかって走り去っていった。
 逢瀬の事は『敵』認定したようだ。
 幼い時分らしい、カワイイものではあるだろうが。

738白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/04/28(火) 03:02:24
>>736

「逢瀬さん、『完璧』は『常に変わる』のですよ。
 ですから、完璧なわたくしは、常に是正し続けるわたくし。
 それをわたくしが言うまでもなく理解してくれた、あなたは素晴らしい。
 わたくし、嬉しいです。あなたの理解力は得難いもの。ぜひ誇りなさい」

「そう、あなたも……みんなも。『是正』し続けるのです。
 人は皆『一枚の布』……世界はさながら『パッチワーク』。
 いつか、『真っ白』で『まっすぐ』な一枚になれるように!」

          ウットリ

どこか陶酔的な表情を浮かべ、理想を語る。
その『是正』に行き着く先はあるのだろうか?

「……超能力」

「ふふ……ふ、くふ、ククッ。
 『超能力』だなんて! ユーモアがあるのですね。
 わたくし、ふふ。とても楽しいと思いますよ。
 …………『風紀委員』」

「逢瀬さん、きっとわたくしたち『素晴らしい』仲間になれます。
 あなたのほうも、お困りごとがあったら、相談相手にはぜひわたくしを」

>>737

「はい、お互い頑張りましょうね。
 『是正』を心掛けるあなたの『素直さ』!
 それを忘れなければ、あなたはまさに敵なしなのです」

          ニコォ・・・

「それでは、よい一日を」

>両名

『登校』を再開する二人を、白町は微動だにせず、微笑んで見送る。
厄介な『風紀委員』に朝から絡まれはしたが……一日は、まだ始まったばかりだ。

739白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/05/03(日) 01:13:33

校舎の屋上は、『開放』されている。今いる人間は一人だ。

            パタ …

                   パタ  …


そいつは――――掲げられた『校旗』を見上げていた。
いつからかは分からないが、『風』のせいだろうか?
妙な曲がり方をしていて、白町千律がそれに気づいた。

「……」

アンテナの如く跳ねた髪を風に揺らし、見開いたような目で見上げていた。
その影に沿うようにして浮かぶ『ヴィジョン』は、蜘蛛のように『細い』。

740ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/05/03(日) 05:38:10
>>739

『人間』は一人しかいない。
そして、新たな人間がやってくる様子もない。
だが、そこには『先客』がいた。

校旗を掲げるポールの上。
おそらくは、白町が来る前からいたのだろう。
『ユニコーンカラー』を思わせる白・青・紫のトリコロール。
翼の一部と頭の冠羽が、
まるで『パーマ』を掛けたかのように逆巻いている。
一羽の『小鳥』が、そこに留まっていた。

『繁栄の秘密』を探るフィールドワークの一環として、
多くの人間が集まる『この場所』を訪れた。
しかし、この姿は人目につきやすい。
職業柄『ハーピー』は目立つ必要があるが、
『ブリタニカ』が目立つ事はトラブルに繋がりかねない。
だから、『ここ』を選んだ。
訪れる人間が少ない上に広い範囲を見渡せ、
危険があれば即座に飛び立てる場所。

「――……」

ちょうど見下ろしていたため、
意図せず視線が交差する形となった。
ここに来る人間は多くないが、珍しくはない。
だが、『見過ごせないもの』がある。
あの『ヴィジョン』――『ハロー・ストレンジャー』と同質。
これは、何かしらの『収穫』が得られるかもしれない……。

741白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/05/03(日) 22:34:48
>>740

「…………」

            『スタ』

                『スタ』

蜘蛛のようなスタンドが『ポール』ににじり寄って来る。
それを操る本体であろう少女は、無言で、『インコ』に視線を向けた。

・・・・・・視線を向けただけだ。

鳥語を話し始めるとか、スマホを向けるとか、そういう事はしない。
見開かれた目の先が、旗から『ブリタニカ』に変わっただけだ。

表情は、笑みに見える。

         『ギッ …』

                  『ギッ …』

その間にも、スタンドはポールに到達し……ゆっくりと『よじ登り』始めた。
四肢を器用に使っているのが『観察』出来る。『近付いてくる』ので、より分かりやすい。

742ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/05/04(月) 00:34:26
>>741

    グ 
      リ ン ッ ツ

大きく首を傾げ、少女を観察する。
その顔には、これといった表情は見られない。
鳥類は『飛行能力』を獲得した種族だ。
飛行には多大なエネルギーを要し、
『飛行に不要な器官』は退化している。
『表情筋』も、その一つだ。

「コンニチハ キミノ オナマエハ?」

「フフフ シミュラクラ ゲンショウ」

現在、ブリタニカの意識は、
『研究意欲』と『本能』が入り混じっていた。
通常の鳥であれば、本能を重視し、
今すぐ飛び立っていたであろう。
しかし、このブリタニカは『先進的鳥類』。
『本能』に振り回されるのではなく、
それを自らの意思でコントロールする事が出来る。
もっとも、そもそも普通の鳥なら『見えない』だろうが。

「レベル キュウジュウキュウ」

「シャシン トッテイイ?インスタ ニ アゲルカラ」

そして、『ただ喋っている』訳ではない。
こちらから言葉を発する事で、
相手から『新たな言葉』を引き出すテクニックだ。
どれが引っ掛かるか分からないので、
とりあえず『数』を並べる。
当然、『蜘蛛のようなスタンド』には最大の注意を向けている。
『危険域』に踏み込んでくるようであれば、
『脱出』する用意はある。

743白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/05/04(月) 01:09:55
>>742

「わたくしに、話しかけているのですか?」

意外そうに少女は声を上げた。
見開いた眼が瞬いたのが分かった。
『人間』だから、表情で語る。

「『喋る鳥』……あなたは、『インコ』なのですね。
 『人間の言葉をまねる』のは『擬態』の一種だとか!
 生き残るための知恵。生命の神秘……『素晴らしい』!
 『種』そのものの『是正』……わたくし、憧れます」

         パチパチ

「インコのことを、好きになってしまいそう」

『ブリタニカ』の『発話』に、手を打って喜ぶ。

「とはいえ、意味が通る『会話』ではない……
 擬態である以上そこまでは不要とはいえ
 そこを『是正』出来れば、もっと素晴らしいです。
 もっともわたくしがあえて言わずとも、それもまた、
 『愛玩動物』としての『進化』の中でそうなっていくのでしょう」

もちろん、『会話が出来る』とまでは思っていないのだろう。
思っているなら相当『メルヘン』だ。

          『ギシ …』

                    『ギシ …』  
    『ヒタ』

ポールを登るスタンドは、やがて、『旗』の隅へと、ゆっくり手を触れた。

744ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/05/04(月) 01:36:46
>>743

今まで様々な種類の人間を見てきた。
ストリートパフォーマンスの観客。
あるいは、この街で偶然『交流』を持った者。
または、単なる通行人。
しかし、この少女は今までにないタイプだ。
『学術的興味』が湧いてくる。
もっと『引き出して』みたくなった。

    「ワタクシ」

              「インコ」

       「ニンゲン」

                「デハナイ」

少女が発した単語を繋ぎ合わせ、
『一つの言葉』として発声する。
先程の言葉は、数を並べるのが目的だった。
だから、『意味』は通らない。
では、『意味が通る言葉』を発したら、どう感じるのか。
『それ』を見てみたい。

     「――――『ゼセイ』」

接近するスタンドにも気は配っている。
突然襲い掛かってくるという可能性もゼロではない。
少女の反応を確かめたのは、
『本体の性質』を探る意図もあった。

745白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/05/04(月) 03:08:14
>>744

こうなると、見開いた眼ははっきり驚きの色を帯びる。

「――――『素晴らしい』!!」

               シュ

                   ピン!!

「わたくしの『言葉』を、『真似て』……
 いえ、単なる声真似ではないのですね。
 『覚えた』言葉を使って、『文』を作ってみせた。
 まさしく『会話』をしたのですね!! 素晴らしいっ。誇りなさい!
 ああ、なんという知性なのでしょう……いえ、もはやこれは」

それとほぼ同時に、『校旗』が『真っすぐ』に伸びた。
風に揺れる事もなく、『見えざる手』に四隅を引かれるように。

どうやらそれが『スタンド』の目的だったようだが――――

「『普通のインコ』ではない……いわば『新鳥類』です!
 あなたはすでに、『種』として、是正された個体だったのですね。
 どこかで『教えられた』のか、それとも生まれ持った才能なのか。
 いずれにせよわたくし、この出会いに感動です」

「しかも……それでいて、『是正』の余地もまだまだある。
 発音、単語と単語の接続、言葉遣い。
 『是正』の余地とはつまり白紙の可能性……ああ素晴らしい」

                 ウットリ

「インコさん。あなたのことが、とても好きになってしまいました……」

                        『ギシ ・・・』

『旗』を超えて、ポールのより上へと、『人型のスタンド』が確かに登って来る・・・!

746ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/05/04(月) 09:36:31
>>745

少女の反応は思った以上だった。
驚かれる事は想定していたが、何やら妙に褒められている。
先程といい、相手の性格が見えてきたような気がする。

しかし、『是正』――もしや、それが『繁栄の秘密』なのでは?
現状に満足せず、常に改善を志す精神性。
そこに『相通じるもの』を感じる。
ブリタニカも、一般の鳥類から一歩進んだ存在。
いずれ『種族全体を先に進ませる』という『野心』もあるのだ。

      「 ! ! 」

――――などと考えていると、『スタンド』が迫ってきた。
この身は哺乳類と比べて非常に脆く、弱い。
明確な敵意を感じないとはいえ、
易々と『スタンド』の接近を許すほど能天気ではない。

               バササササァッ

ポールから飛び立ち、距離を取る。
『空を飛べるような能力』でない限り、追跡は困難だろう。
着地地点は、『フェンスの上』。

                      ――――ポスッ

     「ワタクシ」

               「アナタ」

         「ゼセイ」

                   「スキ」

これで機嫌を損ねられて、
それが攻撃の引き金にならないとも限らない。
スタンドを近付けられると困るが、『考え』には同意している。
それを態度で示す事で、『平和的解決』を図る。

747白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/05/04(月) 23:50:27
>>746

      「………………?」
 
「――――『見えている』?」

          ・・・ ピタ

「わたくしの『ハード・タイムス』。
 それが見えるあなたは――――『スタンド使い』
 安心しなさい。『攻撃』するつもりではないのです。
 もう少し、近くであなたを見たかった。それだけなのです」

               ひゅっ

「しかし驚きました。『動物』のスタンド使いは『珍しい』」

ポールから飛び降りたスタンドは、彼女の傍に控える。
少女は両手を広げ、『フェンス』にとまるブリタニカに語る。

「ですが、それはどうでもいいことですよね。
 スタンド使いであることは、有意ですが些事なのです!
 『素晴らしい』のは……『是正』を理解し、賛同する事!!」

「――――わたくし、『是正』が好きなインコさんが好きです」

良く通る声が、『和平』を宣言する。
いや、それ以上の『友好』を。

「インコさん……では味気ないです。
 わたくしの名前は、『千律』といいます。
 あなたのお名前も、教えてくれませんか?」

「わたくしたち、きっと、とても素晴らしい関係を築けると思うのです!」

ブリタニカの言葉が、形だけの同調ではない――と感じているのだろう。

748ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/05/05(火) 01:43:25
>>747

       グ リ ン ッ

大きく首を傾け、少女――『千律』を観察する。
『本気かどうか』という事だ。
『数日前に出会った少年』は嘘をついていた。
この少女の態度は、それとは対照的だ。
すなわち『本音』。

「ヒミツ――――」

『百科事典』に因む自身の名は『高度な知性』の証。
無闇に見せびらかすものではない。
ゆえに、軽々しく教えない事にしている。

     「ブ」

                 「リ」

           「タ」

                    「ニ」
      「カ」

教えたのは、『返礼』のためだ。
『鳥』に対して対等な態度を取るというのは、簡単ではない。
また、それに対して対等の態度を取る事は、
自らの『知性の証明』でもある。

「――――トクベツ」

とはいえ、『注意』はしておく。
決して他の人間に漏らさないように、と。
もっとも『ストリートパフォーマー』と『同一存在』である秘密を、
知られるとは思わないが。

749白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/05/05(火) 02:47:03
>>748

「『ブリタニカ』――――とても良いですね。
 『知性』溢れる素晴らしい名前なのですね。
 あなたが自分で付けたのですか?
 いずれにしても……『秘密』ですね。ふふ、くふっ。
 わたくし、『口の堅い』部類です。ぜひ安心しなさい」

「その代わり」

鳥に対しても『見下さない』のか。
『見下しているが表に出さない』のか。
あるいは、上下の意識がないのか。

「わたくしの『力』については、内密にしなさいね。
 隠し立てするものでもない素晴らしいものですが、
 あまり『広める』つもりも、無いのです」

              シュル ・・・

『ハード・タイムス』と名付けられたそれが、消える。
何事も無かったかのように、華奢な少女だけが朗々と語っている。
変わったことは『真っすぐ』揺れる、校旗だけ。『是正』されたのだ。

「聡いあなたは『素晴らしい』隣人!
 言いふらすことは無いでしょうが、
 くれぐれも。わたくし、信じています」

                            ――――♪

そう言って笑みを浮かべた時、少女の『スマホ』が音を立てた。

「呼ばれて、しまいました。名残惜しいですが『予定』は優先。
 ブリタニカさん。次にお会いする時には、より『是正』された『語学』を期待していますね」

そう言い残すと、屋上を出て『校舎内』に戻っていくようだった。
特別呼び止める事がなければ、奇妙な少女とのファーストコンタクトは、そのようなものだった。

750ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/05/06(水) 21:25:41
>>749

               「ワタクシ」

         「クチ」

  「カタイ」

自分には『秘密』がある。
だから、『他者』の秘密も明かさない。
お互いの『協定』のようなものだ。

  「オハナシ アリガトー」

               「ジャアネー」

『おかしな少女』だった。
『おかしな鳥』は、内心そのように思った。
その共通点があったから、遭遇したのかもしれない。

            ――――バササササァッ

翼を羽ばたかせ、果てしなく広がる大空へ飛び立つ。
ゆくゆくは、この空を『我々の世界』に。
そのためにも、『研究』を進めなければ――――――。

751樽谷 杏子『ライオンハート』:2020/05/17(日) 21:53:18
ここは『清月学園 体育館 武道場の片隅』

「……!」
  ……ドンドンパンッ!!ワンツーからのキック!

「……!」
    ……ドンドンパンッ!!ワンツーからのキック!

「……!」
      ……ドンドンパンッ!!ワンツーからのキック!

リズムよく音を立てつつ、少女が黙々とサンドバックを叩いている。
恐らく武道の為だろう、短くまとめすぎたベリーショートの髪や動きやすい格好は、
少女を一見して、男子と間違えさせてしまうかもしれないが、れっきとした女子である。

752氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/17(日) 22:42:08
>>751
「ああっ!また変なところに出た!」

サンドバックを叩く樽谷の後ろにふらふらとした足取りの少女が出現する
口ぶりからすると迷子だろうか
所在なさげにふらふらとした足取りで歩いている

「あぁ!こっちも違う」

 トタトタトタトタ
         トタタタタ

体育館内や武道場をどたばたと歩き回る
人によっては集中を乱すかもしれない

753樽谷 杏子『ライオンハート』 【中三】:2020/05/17(日) 23:02:56
>>752
イラッ……

「はぁっ!」

    ……ドンッ!一声とともにサンドバッグにハイキックの一撃を見舞う!

    ……ギシッギシッ……サンドバッグが大きく揺れる。

「ふぅっ……」
一息つき、汗を拭く。

>氷山
「……んで、どうしたんですか、あなたは?」
で、氷山さんに話しかけるのだ。

「ここは、武道場!そんな格好でフラフラしてると、危ないよ。」

「それとも、どこかの武道部への入部希望者ですか?」
少々ぶっきらぼうな口調で注意しつつ、話しかける。

754氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/17(日) 23:13:37
>>753
>……ドンッ!
「ひっ・・・!」

一際大きなハイキックの衝撃音を聞いてちょっとびっくりとする
真新しい制服をちょっとぶかぶかと来た少女だ
意匠を見るに高校一年生のように見えるが・・・

「す、すいません!転入の手続きのためにここに来たんだけど道に迷っちゃって
事務課に行こうとしてたんですけど・・・」

きょろきょろと周りを見ながら言う
つよそーな男の子(?)に注意をされてちょっと怖いのだ

755樽谷 杏子『ライオンハート』 【中三】:2020/05/17(日) 23:31:09
>>754
「ああ……転入生なの?驚かせて悪かったね。」

「よく見たら先輩じゃん、その格好。意匠からするに一つ上かな?」

    フキフキ……ゴキュゴキュ……
汗を拭き、ペットボトルから水を飲みながら応える。

「事務課は全然別の棟だよ!ここはジムの棟だから案内板見間違えたんじゃないかな。」

ちなみに、男子じみたベリーショートの髪と動き易そうな武道着に目を瞑って、落ち着いて観察すれば、杏子は声は高いし、背も低いので、女子と分かるだろう。

756氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/17(日) 23:41:50
>>755
>ジム
「あああぁぁぁ〜〜〜っそっかー!
さっきの人に『じむ』はどこにあるのか聞いたからそれで間違えたんだ!」

納得のいった表情で手のひらにぽんっと拳を置く
よく見るとそれほど怖くなさそう、むしろ親切な人だ、と気が付く

「ありがとうございます!
一つ下って事はもしかして中学生・・・なのかな?
あんなに凄いキックが出来て凄い! 空手か何かの稽古かな?」

武道着をまじまじと見ながら

「あっ それともキックボクシングとかムエタイ?
琉球空手とかカポエイラとかもあるらしいけど」

757樽谷 杏子『ライオンハート』 【中三】:2020/05/17(日) 23:53:20
>>756
「うんうん、スポーツジムじゃ転入はできないよねぇ。良かったら案内しようか?」

「アタシはこの学園の中等部三年生だよ。
樽谷 杏子(たるたに あんず)っていうの、ヨロシク先輩」

「アタシのこれはキックボクシングだ。まだまだウェイト足りないんで、威力出てないけどさ。」

758氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/18(月) 00:04:51
>>757
「今月からこの高校の1年生として転入する氷山(ひやま) あきはです
先輩なんてよしてくださいよー この学校では君の方が先輩なんだから」

と言いながら事務課まで案内されてついていく

「でも良かったー 学校に来てすぐに親切な人に巡り合えて」

と、世間話をしながら歩いていると・・・・

『ナァ、ヤッパリサッキノ看板ハ左ニ曲ガルベキダッタジャネェカァァ
コレダカラ嬢チャンニ任セルノハ嫌ダッタンダゼェェ〜〜』

「しっ、静かに 話してたらまた怪しまれるでしょ!」

どこかからか『男』の声が聞こえる・・・
氷山の方を向けば和風な意匠をした人型のスタンドが
氷山に重なって出現しているのに気が付くかもしれない

759樽谷 杏子『ライオンハート』 【中三】:2020/05/18(月) 00:19:39
>>758
「ああ、ちょっと待ってね。」
さすがに校内でファイティングな格好は目立つのでジャージを羽織ることにした。

てくてくてく……氷山を事務課に案内していく。

「事務課はあっちの棟の一階だよ。確かに新入生には分かりにくい位置にあるかも知れないね……」

だがしかし、

>どこかからか『男』の声が聞こえる・・・

バッ!!…………咄嗟に氷山から離れ、樽谷はファイティングポーズを取る。

「なんだい、今の声は?
先輩の横のそいつから聞こえたみたいだけど……?」

樽谷の影にうっすらと雌ライオンの意匠を持ったスタンド像が現れる。
尻尾を立てて、ファイティングポーズを取り、警戒しているのが見て取れた。

760氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/18(月) 00:27:33
>>759
「え? わっ、うわぁぁぁぁぁぁあああああ!
   ・・         ヴィジョン
そ、『それ』・・・・っ! その『 姿 』 ・・・・っ!」

『オッ?ナンデェ・・・オイ、アキハ、「似たような能力」ノ持ち主ジャネーカ』

突然、『ライオンハート』が出現したことに驚き、後ろに飛び跳ねる
本体を守るようにして『エド・サンズ』が一歩前に出た

『ア〜〜〜驚カセチマッテ悪ィガ俺達ニ敵意ハネエゼ』

ほれほれと手のひらを上に向けて無手のアピール
氷山本人は後ろに下がりすぎて背中から壁にぶつかった

761樽谷 杏子『ライオンハート』 【中三】:2020/05/18(月) 00:38:59
>>760
『グルル……』
「ちょっと、ビックリしたけど、似たような能力の持ち主……いて当然か。」

「敵意はない……まぁ、校内でやり合う理由もないし、当然か。信じるよ、その言葉。」

『グルル……』
「『ライオンハート』戻って」
雌ライオンの像のスタンド、『ライオンハート』は消える。

「自分で喋るのか?その『男』みたいなのは?」

「あと、背中大丈夫?」

762氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/18(月) 00:54:19
>>761
「は・・・はぁ・・・すいません、私以外にこの能力を持ってる人を見たのが初めてで」

呼吸を落ち着かせて話し始める
背中をちょっと痛そうにさすっているが「大丈夫です」と一言

氷山本人が一歩前に踏み出すと同時に『エド・サンズ』は一歩後ろに下がり控える

「『さんずさん』・・・『エド・サンズ』は私の能力・・・・らしいです
私自身もよくわからないんですけど、変なところで『ふわ〜』って変なことをしたら
いつの間にか出てきてくれるようになったんですよ
私の力が具現化した感じ・・・らしいですけど、私自身よりも頼りになるひとですよ」

『ヨセヤイ ヨセヤイ』

照れくさそうに手をひらひらとさせる
明らかにスタンド自身に意思があるように見える・・・
一人芝居だとしたらだいぶ面の皮が厚いふるまいだ

「私以外にも似たような能力を持っている人がいるって聞いたことがありますけど
『ライオンハート』・・・さん?は喋らないんですね」

763樽谷 杏子『ライオンハート』:2020/05/18(月) 18:12:45
>>762
「アタシも他の能力者を見るのは初めてだけど、いわゆる『気』か『守護霊』的なモノかなーと思っててさ。
 だとしたら他にも使えるヤツはいるはずだよなーと思ってたんだ。」

「どうも氷山先輩の『守護霊』は自分で喋るみたいだね。」

「アタシの『ライオンハート』は私が喋ろうと思わない限り、喋らないよ。」

そう言って、また、『ライオンハート』を出したかと思うと

     『ガオッ!!!   ってね。』

と咆哮した。

「こんな風に。アタシが思うにアタシの闘争本能ってヤツに反応してるんじゃないかと思ってる。」

764氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/18(月) 20:18:26
>>763
「『守護霊』・・・・まあ、私の中から出てきた力っていうより
江戸時代の亡霊とか背後霊って言った方がそれっぽいですよね
私の『さんずさん』の場合は」

『オイオイオイオイヨォォ〜〜〜
ソイツハ解釈間違いダゼ、あきはヨォォ・・・

アノ場所ニイタヤツモ言ッテタジャネェェカ

俺コト「エド・サンズ」ハ嬢ちゃんノ中カラ湧キ出タ「力」・・・
  ス タ ン ド
「傍に立つもの」ダッテヨォォォオオ〜〜〜!』

リラックスしながら談笑をしていたところに・・・

>ガオッ!!!
    
「わぁっ!」    急に吼えられてビビった

『ハァァ〜〜〜マッタク コレジャア先ガ思イヤラレルゼ
悪イナ杏子ちゃん、コイツハチョットビビリナたちデヨォォ〜〜

マ、闘争本能ッテノハ当ッテルカモシレネーナ
俺ミタイナヤツガ潜ンデルッテコトハ あきはノ中ニモアルンダロウゼ
ソノ「闘争本能」ッテェヤツガナァァァ〜〜〜』

『マ、俺ガチャント鍛エテヤラネート駄目駄目カモシレネーガナ』

765樽谷 杏子『ライオンハート』【中三】:2020/05/18(月) 20:42:20
>>764
「江戸で三途となると確かに和風だね。」

         スタンド
「なるほど、『傍に立つもの』。そっちの方が語感がいいね。」

「鍛えるの、いいね、いいね。氷山先輩も闘争本能、鍛えちゃう?」

「あ、そろそろ事務課に着くよ。エドちゃん、引っ込めた方がいいかも。」

※21:00から感想会のため、レスが遅くなります。

766氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/18(月) 21:32:34
>>765
   ・・・
『エドチャン・・・・?
オイオイオイ、俺ミテェナ剽悍ナ男子ニ対シテソンナカワイイ感ジハ・・・
「はいはいはーい、また変に思われるといけないから
しばらく休んでいてくださいねー『さんずさん』」

  スゥゥゥ・・・・ と『エド・サンズ』の姿が消えていく

「『さんずさん』はあんな感じに言ってるけども
私には闘争本能があるとは思えないんですよねー
ま、悪者と戦ってる人とかは凄いかっこいいとは思うんですけどね」

「杏子ちゃんが鍛えているのは、誰かと戦いたいからなんですか?」

※、了解です

767樽谷 杏子『ライオンハート』【中三】:2020/05/18(月) 23:30:17
>>766
>「杏子ちゃんが鍛えているのは、誰かと戦いたいからなんですか?」
「どうかな、確かに誰かと戦いたいってのはあるけど……」

「結局は、自分の為かな。
 今日の自分を超えた明日の自分でありたい、っていうワガママ。」

「おかしいかな?」

事務課のドアの前に立って聞く。

768氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/18(月) 23:36:30
>767
「成長のために鍛える・・・うん、いいと思います!
それもストイックで凄いかっこいい!」

そして、事務課に辿り着いた

「それでは、ありがとうございました!
おかしな『能力』を持ってる者同士、また縁があったらお会いしましょう!」

先ほどまでのような『超常』と離れ
普通の女子生徒として事務課に入っていった

769斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/06/02(火) 00:56:41

 ―――♪

それは雨の日に響く音色
梅雨の最中に確かに聞こえる音の粒

『20本』の指が鍵盤の上で踊り、残っているのは独りでに楽譜がめくれる音と彼の息遣いのみ。

雨の日にのみ存在する、放課後の不確かな音楽室
今やここだけが『私』の時間だ。

 (…しかし、勘弁してほしいな、指がこれだけあってもショパンのそれは弾きがたい)
 (独り、雨の匂いと演奏の余韻を楽しむには…随分と落ち着くのだが。)

770白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/06/02(火) 01:25:05
>>769

          カラカラ…

戸が開き、少女が静かに立っている。
流れるように跳ねた髪、頭頂部はアンテナのように。

「――――『ショパン』ですね。素晴らしい腕です」

見開いたような大きな相貌が、笑みに歪む。

風紀委員、だ。
腕章がそれを物語る。
…………あるいは顔も、知っているかもしれない。

771斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/06/02(火) 22:40:57
>>770

 「『楽譜に誠実であれ』 正確に弾き切るなら機械でよいと、常々言われていた。」

私は顔を向けずに演奏を続ける
向けずとも解る事は、今頃声をかけてきた女の傍には『椅子』と『紅茶』が入れられているだろう、と言う事だ。
此処はそういう場所なのだから。

 「とはいえ――あなたの感性でそう聞こえたのなら何よりだ 見知らぬ人。」

少なくとも聞いた声では無いのは確かだ
或いは聞いたうえで忘れているか……何方にしろ思い出すような時間は此処だと砂漠における水の一滴の如く貴重だ。

 「……それで?何か用だろうか。」

氷のような声色というのも、こういう場面では微妙な物だ
嘘を付かないと言う事は、他人に忍耐を強いると言う事でもあるのだから。

772白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/06/02(火) 23:11:25
>>771

「『正確である』事は、素晴らしいことですよ。
 演奏表現のよしあしは、どうしても主観になる。
 ですが、正確さは客観的に捉えられる評価なのです」

「ですがそれ以上を目指す心……それもまた素晴らしい!」

朗々と、よく通る声が部屋に響く。

「おやまあ。気の利くお部屋ですね。
 わたくし…………紅茶は好きです!
 この部屋のことも、好きになれそう」

その手が、紅茶と茶菓子を取った。
さして驚くような様子は見せない。

「いいえ用なんて。綺麗な演奏が、聴こえましたので。
 ただそれだけなのです。ここに入って来た理由はね」

「――素晴らしい『腕』です。
 この素敵な部屋は、あなたが用意したのですか?」

そして、その目は明らかに斑鳩の『影』を視認している。

773斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/06/02(火) 23:28:50
>>772

 「……そうとも言えるし、そうでないとも言える。」
 「とはいえ、そのいい香りは私の用意した物ではないだろうな……用意したのは『部屋』の方だ。」

しかし、肝の据わった女性…声からして恐らくは…だ。
普通なら気味悪がって口すら付けないと思ったが、多少『慣れて』いるらしい。

 「無論、私の想像が合っていればの話だ。外れるなどと微塵も思っていないが。」

この校舎事態に如何なる事件があったかは微塵も知らない事だ
だが『所々が古く、また新しい部屋』『一部が焼け焦げた楽器達』から、図書室の昔の記事などを合わせれば
確信に近い推測は出来る。

 「この部屋は『幽霊』のようなものだ。独りでに存在は出来ず、限られた時…雨の日に相応のエネルギーを求めて出現する。」
 「あるいは私の『腕』と同じ様な物……『ルール』がある以上は従って動く物。」

もしこの女性の眼がガラス玉でできていなければ
この音楽室の隣に元々の音楽室があるのが見えただろう。
そしてそれは…『新手のスタンド使い』と言う事でもある

『エネルギー』になる可能性のある人間以外は入れていない
『えり好み』と言う事か……まあ私も好き嫌いはあるのだ。セロリとか。

774白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/06/02(火) 23:58:13
>>773

「ああ! つまり主体は、この部屋なのですね。
 あなたもわたくしも、あくまで同じ『ゲスト』。
 いえ、演奏を任されるあなたの方が上でしょうか?
 ふふ……己の実力に嘘をつかない態度、好きです」

          ニコォ

「いつから? なぜ? どうやって?
 雨の日だけの『音楽室』があるのか。
 誰かが遺していった能力なのか、
 それとも自然発生したものなのか。
 あなたはなぜここに詳しいのか、
 そして独奏をしていたのか…………
 それは今のわたくしには分かりませんが」

視線は、焼け跡残る楽器に。
あるいは、傷痕のような部屋の造りに。

「確かな事は、二つあるのです。
 あなたの演奏は素晴らしく、紅茶がとても美味しい。
 わたくし、この『空間』が、好きになってきました」

少女は華奢な体に大きな身振りをつけながら、
称賛まじりに語り、やがて椅子の一つの前に止まる。

「ですが、だからこそ! もっと確かめてみたいのです。
 わたくしの、不完全な理解を是正したい……
 例えば生徒会、同じ『秩序』の士とも言えるあなたが」

斑鳩と直接会話を交わした事は無くとも、
風紀委員と生徒会は『無縁』とは言えない存在だ。

「――『スタンド使い』である事を今、知れたように。
 もっと知ってみたい……くふっ、お嫌じゃなければ」

           「わたくし、ここに座っても?」

指で、目の前の席を示す。拒まないならば、そのまま座るだろう。

775斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/06/03(水) 20:20:33
>>774

 「お互いにな、都合のいい餌というわけだ。」
 「次は……幻想即興曲か」

独りでにめくれる楽譜にうっすらと、だんだんと色濃く浮き上がる題名と音符の列
これも…前には無かった機能だ 『成長』しているのだろう、或いは粗野な音をたてないようにか。

 「好きにしたまえよ、元より私の物では無い」
 「所有者でもない人間が物の是非を決定するなど、お笑い草だ。」

 「また指の忙しい曲を選んでくれた ……あるいは難易度が上がれば私がミスをする可能性が有るからか
 私が失敗したことが無い以上、演奏のミスにこの部屋が何処まで寛容か等と解る筈もないな、もっとも……『私以外に演奏者を聞いた事が無い』辺り、想像はつくが。」

 「この演奏も……私の休息では有るが、同時に『ご機嫌伺い』のような物だからな」

20本の指が鍵盤を叩く、音の粒を並ばせ、其処に感情とうねりを混ぜながらも正確に
音楽というのは才能の協奏曲だ、優れた『作曲家』と無限に必要な『演奏者』の……。

 「無理やりに『空間を作り出し』『茶と菓子を用意し』『完璧に調律された楽器群』……どれほどのエネルギーかは知らないが、無尽蔵の力でないのは確かだ。」
        モンストロ
 「私達は今、鯨の腹にいるのとなんら変わりは無いのだ……骨まで消化されたくは無かろう。」

紅茶の透き通るような色あいには一点の曇りも無く、焼き菓子も解るものには上等な物だと解るだろう
だがそれは『報酬』であると同時に……『疑似餌』である事はまったく相反せず両立する物だ。
 
 (そして、秩序の士とは言うが、むしろ此処は独善的なルールに則った『私刑』の間に等しい場所だ。)
 (ま、この部屋を栄養不足で消滅させるのは簡単だが……その次に何が出てくるか解らん以上は続けざる他は無いな。)
 (私としても――丁度いい『休暇』だ。)

776白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/06/03(水) 23:02:12
>>775

「『自信』に深く満ち溢れながら、『分』を弁えてもいる。
 素晴らしい……あなたは、とても、『優秀』な人なのですね」
 
                   ニコ

「好ましいです。わたくし、好きになってしまいそう!」

屈託のない笑みを浮かべ、演奏を見る。
見守るではない。『見ている』だけ。

「そしてこの部屋も……『面白い』。
 だって、考えてもみなさい。
 狩猟、存続のための機能としては、
 もっと、もっと『是正』が可能でしょう。
 奏者を求める『音楽室』としての本能と、
 存在を維持する『生命』としての本能。
 あるいはそのせめぎ合いなのでしょうか」

「自然ではない、スタンドの『歪』な機能美――それもまた『素晴らしい』」

流れるように口からは『褒め言葉』が続く。
そして――――『目的』を持った菓子を、言葉とすれ違うよう口に運ぶ。

「ああッ……やはり、好きです」

「わたくし、『完璧』なものが理想だと思います。
 ですからこそ、『是正の余地』あるものも、好きなのです……」

ティーカップを音もなく置き、両手の指先を、胸の前で合わせる。

「この空間は、見つけてからもう、長いのですか? 『失敗した事がない』
 『一度や二度』ここに入った事があるだけではない……そういう口ぶりです」

777斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/06/04(木) 06:13:04
>>776

 「さてな」

演奏は続けられる、余った指を連弾の如くとして音を震わせながら……デメリットは途方も無く大きい
それでもこの場所にはメリットがある、『大抵の人間には邪魔されず』『入れる人間はスタンド使いのみ』
実に手軽な『スタンド使い』の診断装置だ、予想以上にこの学園にはスタンド使いというものは多いらしいのだから。

 「しかし、生きている間にさえ煩わしい物は多々あるのだから――」
 「死後はそれ以上に『ルール』に従わなくてはならない、そういう事もあるだろう。」

そしてこの場所で演奏している限りは、そのルールは殆ど適用されない
……正確に言えば『ルールが一つに纏められる』のだ、その点には嘘をつかずに済む。

 「その点は人間だとしても、そう変わりはない筈だ」
 (――意味があるかは兎も角。)

転調、うねり
旋律に感情を込める。怒り。嘆き。他人には吐き出せない物を鍵盤へと。

 「そう言う其方も、そう短くは無さそうだが……図書室当たりの騒動も消え失せた。」
 「『是正』と言ったな 其方の手か?」

778白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/06/04(木) 23:26:09
>>777

「際限なく増える『死者』がこの世に在るなら、
 それを縛るためのルールもまた、存在する。道理です」

「論理的な考え方をするのですね、素敵です」

所感を示し、紅茶を口に含んだ白町だったが、
図書室の騒動――その言葉に、顔を上げて静かに笑む。

「それに、ふふ……お耳が、早いのですね」

「その件は、生徒会に知れているのでしょうか?
 だとすればその問題意識と、『共有』の早さ。
 組織として、実に素晴らしい……あるいは」

        『シュルルル…』

背後に浮かんだヴィジョンは『蜘蛛』――
それを想起させる、細く、長い手足の『人型』だった。
余韻を持たせることもなく、すぐに消える。
 
「あなた個人が有能なのであれば、それも素晴らしい」

「どちらでも構いません。どちらにせよ……ククッ。
 そのご明察の通り、わたくしが、是正したのです」

実際には一人で、ではない。
中務千尋の協力は必要なピースだった。
理解しているが、あえて名を出す事はしない。

「顛末に関心がおありですか? それとも、『スタンド案件』そのものに?」

白町は他者への好意を隠さず示すが、それは盲信を意味しない。

779斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/06/05(金) 00:01:20
>>778

 「――いいや。」

演奏の最中に氷の如く透き通る声が響く
それは雨音にかき消されぬ冷たさだった

 「引き起こされた『事態』そのものは『私刑』に等しい行い、止めてみせたのは見事と称賛はする……するが、その上で」

思案するように目を瞑り、ほうと息を吐く

 「終わった『記録』に興味は無いな、私が欲しているのは今を生きている『結果』だ。」

かのスタンドが残っていれば、何かしらの変化があったかもしれない
だがそれもついえた以上は過去形に過ぎないことだ、『奇跡』に届かないのであれば興味は無い

それは『彼ら』の共通認識だった。

 「――とはいえ、手腕の方には多少の興味もある」
 「出来れば当事者から聞きたい物だな……雨のやまぬ内に。」

この場所での雨の切れ目は、この空間の終わりを意味する
中に入っている物がどうなるか?生涯解する事は無いだろうが……

今しばらく、この演奏が続くのは誰でも予想できる事だ
今は『梅雨』なのだから。

――私が演奏を終えた次の楽譜は、2本の腕で賄えるといいのだが。

780白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/06/05(金) 01:13:35
>>779

「ふふ……本当に『論理的』なのですね。素晴らしい。
 わたくし、あなたの事を好きになってしまいますよ」

笑みに歪んだ口から幾度も漏れるのは、
熱に浮かされたような言葉ではあったが……
編みたての、オーダーメイドの言葉とは感じられない。
口にする『好意』が事実でも、その真意は白町のみ知る。

「ええ、よろこんで。風紀として話せる範囲は、わたくし話します」

中務については伏せる、という意味だ。
協力者はいた。しかし彼女の名や、素性は出さない。

「一度は抑えた。ですが『再発』の可能性も、ゼロではありません。
 生徒会が『アレ』の倒し方を知ることは、学園治安の是正になるのです」

もっとも、風紀委員としても生徒会としても、それは公的な記録ではない。
学園のスタンド使い……知ってこそいても、その世界は決して、『公』にはならないものだ。

雨の中にだけ存在する演奏の中で、白町は『図書室の件』についてを、つらつらと語る・・・・・・

781村田瑛壱『ディズィー・スティック』【高2】:2020/06/07(日) 16:33:48
カツ
             コツ
      カツ
                   コツ

「『職員室』ってよぉ〜〜〜〜〜」

 「なんであんなに入るとき緊張すんだろうなぁ〜ッ」

「別に悪いことしてるわけでもねぇのになあ〜〜〜〜〜〜〜」

摩耗した靴の踵を鳴らして歩く、下校の途中らしい学生が一人。

あなたはこの『学生』をを見たことがあるかもしれないし、ないかもしれない。

782小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2020/06/07(日) 17:50:34
>>781

ヤジ「ほぉ〜ん。『エクサーツ』って奴はそんなに強かったか」

「えぇ。決闘方式となると、持ち込める限界もありますし
そもそも危険物となれば流石に、ね」

ヤジ「まっ、相性ってのが存在するしな。
前見たいにテグスを使うのも良いんじゃねぇかと思うんだが」

校門付近で、壁に凭れ掛かるようにして二人の青年が雑談に興じている。
一人は制服を着崩して茶色くメッシュの髪に煙草を咥えている。
 もう片方は、バンカラに制服を纏う華奢で少し独特な雰囲気だ。

カチ カチ……。

ヤジ「ちっ、ついてねぇ。ジョー、ライターかマッチ」

「寮に置いてますよ」

ヤジ「おいおい、ライターは何時持ち歩いても役立つもんだぜ
……んっ、おーい!」

 火ぃ、持ってないかーっ? と、不良らしき一人が貴方に声を掛けた。

783村田 瑛壱『ディズィー・スティック』【高2】:2020/06/07(日) 18:07:19
>>782

「(ガッコの中で堂々と火ィ求めるたぁ、中々に太ぇ野郎だ…)」

ジュ ボウッ

「…ホラよ。センセーがたに見つかると面倒だからよ。
さっさとすましちまいな」

近寄っていって、ライターを取り出して火を差し出す。
こいつも『喫煙者らしい』が、口からも身体からもタバコの臭いはしない。

784小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2020/06/07(日) 18:29:39
>>783

ヤジ「おっ サンキュー」 ボッ ス―ッ……フー 「ふぃー」

「君ねぇ。親友
禁煙しろまでは言いませんが、初対面の方に火を借りるぐらいに
中毒になっているのは感心しませんよ」

ヤジ「固い事言うなよ。短い人生 酒や煙草の味を限りなく
楽しめる時は楽しむってのが、俺の筋でね」

破顔しつつ、美味そうに吸う不良を相方は諫めてる。その言葉を
飄々と躱しつつ、半分程吸い終えた不良は貴方に聞いてきた。

ヤジ「火ぃ貸してくれた、あんた……えぇっと、俺はヤジって言うが。
あんまり俺が知る溜まり場では見かけないな? 最近始めたん?」

こっそり、学校で喫煙するような仲間なのでは。とライターの所持から
勘くぐり、初対面な事から貴方にそう尋ねる。

「貴方に付き合って何度か嗜みますけど、やはり私は余り好かないですね
葉巻もキセルも、しっくりきませんし……あぁ、自分は小林ですよ」

ヤジ「無理して付き合わなくて良いってジョーは。
…………ふむ」

まじまじと、口に咥えた煙草を離しヤジと名乗った男は
不躾に貴方の上から下までを見る……急に何だろうか?

785村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/06/07(日) 18:34:29
>>783

786村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/06/07(日) 18:44:18
>>783
「俺は『村田』だ。」

「ガッコの中じゃあ吸わないってだけだ。バレたとき面倒だからな。
携帯灰皿持ってねぇってことはねぇよな?・・・持ってなきゃ使いなよ」

ライターを懐にしまいこんで、代わりに円筒形のものを差し出す。

「・・・なんかついてるかい。今日はわりときちっとした格好してるつもりなんだが。」

787小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2020/06/07(日) 18:48:24
>>786

ヤジ「いや、持ってるぜ 灰皿は勿論。マナーだからな……
――ところで、これ何に見える?」

そう、彼はおもむろにポケットからビー玉のようなものに
『ブリキの金魚のヴィジョンのスタンド』が入ったものを掲げた。


「…………」

小林は、そんな彼の挙動に注意を払うでもなく。呆れた面持ちで
村田とヤジを交互にゆっくり視線を送っている。

788村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/06/07(日) 18:56:31
>>787
「・・・・なんだいそりゃ・・・ああ、『とんぼ玉』か?」

ビー玉のようなものに顔を近づけ、まじまじと観察する。

「小さいころに親に連れられて、製作体験なんかやったの思い出すなぁ〜〜〜〜ッ」

「これ、アンタがつくったのかい?」

789小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2020/06/07(日) 19:15:59
>>788

ヤジ「その答えは、いいえ さ。なぁ『スタンド使いさん』」 フワッ……ガシッ。

僅かに、そのビー玉は宙に浮き それを再度手の平に掴む。

ヤジ「勘が当たったぜ」ニヤ

ヤジ「なんかちょいと、ただの素行不良と違うなーって背筋に走ったからよ」

小林「親友」

その相方の呼びかけは、淡々としてたが有無言わせぬ強さが滲んでいた。
真顔の声掛けに、彼は少し獰猛に近かった笑みを打ち消すと。へいへいと
頭を掻いて、貴方に話を続ける。

ヤジ「いや、スタンド使いだからどうこうって訳じゃねぇのよ。
単純に、使い手なのか? 否か? って事を知りたかったのが俺の目的。
それ以上、あんたに対して危害加えようとか一切ねぇ」

嘘なら、この煙草を丸呑みしたらぁと冗談めいた呟きを
溜息で小林は返しつつ、同じく貴方に話を引き継ぐ形で口開く。

「彼はね、少々特殊な力を持ち合わせた方達で興行する組織で
働いてましてね。その一環で、この学園にどの程度、使い手がいるか
大凡でも構わないので調査をしてるんですよ。
 とは言え、この学園。結構いると思いますけどね」

ヤジ「いや本当。曲がり角でパン咥えた女子とぶつかるよりも
高い確率で出会えるよな」

どうやら、不良青年は特殊な組織の一員だとの事だ……。

790村田 瑛壱『ディズィー・スティック』【高2】:2020/06/07(日) 19:32:52
>>789
「…はぁ?」

『何を言ってるんだ』という顔だ。

「カンが当たったとかどうとか言ってるとか悪いが、俺はあんたらの言ってることがひとっつも理解できねえ。」

「スタンド使いだとか組織だとか、一体なんのことだ?オカシな勧誘ならお断りだぜ。」

「だいたいなんだい『スタンド使い』って。俺が『矢沢永吉』にでも見えるってのか?」

この村田という男、『視えて』いるようだが、『スタンド』についてはさっぱり知らないらしい。
…『視えるはずのないものが視えている』ということすらも。

791小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2020/06/07(日) 19:45:58
>>790

ヤジ「あぁん??」

その反応に不良青年も似たような表情を浮かべる。だが、直ぐに怪訝さを
打ち消して ……なりたて? いや何かの干渉で見えるだけ? と
早口で何かしら呟いてから、眉間に皺よせて尋ねる。

ヤジ「えっとよ。今まで何か普通の人には出来ないような事が出来たりとか……
いや、この言い方だと主観が交じって混乱するか。
 えっとよ、自分の体から人の形してるけど人じゃない物体が出るだとか
突然手の平から何か産み出せるようになったとか。
 妙に直感が鋭くなる等の何処かしらの日にちを跨いで急に妙な才能に
目覚めたとか、そう言う心当たりってない?」

小林「とりあえず、一気に全部聞くのはやめてください。
えぇっと、村田さん。
 貴方がさっき水槽の中に見えた金魚などは、本来存在しないものを
存在してる幽体……これを通称『スタンド』と呼称してるんです。
私が説明するより専門家であり、恩師とも言えるべき方のほうが
色々と通じると思いますので。宜しければ『音仙』さんと言う方の
連絡先を教えますが……」

不良青年は貴方に矢継ぎ早に質問し、片割れは貴方に音仙と言う
謎の人物のいる住所を教えてくれた……。

792村田 瑛壱『ディズィー・スティック』【高2】:2020/06/07(日) 20:07:43
>>791

「・・・『信じられねぇ』な。何もかもがだ。気悪くしないでくれ。わかるだろ。」

すべてを黙って聞いた後、眉間にしわを寄せ、苦々しい表情で答える。

「その・・・『幽体』っつうのがどういうものなのか、今もって俺にはさっぱりわからないし、
急に『お前は霊能者だ』みたいに言われても、信じろってのが無理な話だ。」

だが、と切って続ける。

「心当たりがないわけじゃない。」

「・・・数か月前、『原因不明の高熱』で死にかけてな。医者と家族が言うにはしばらく昏睡状態だったらしい。」

「『臨死体験』で『超能力』に目覚める・・・そんな話は聞いたことのある話だ」

「あんたらがウソついてないんだとすりゃ、そこに原因があるのかもしれない」

793小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2020/06/07(日) 20:24:40
>>792
(※スタンドの発現を、より自分好みの演出で今後にしたいようでしたら
このままこの邂逅は有耶無耶な感じで次レスで〆させて頂きたいと思います)

ヤジ「『原因不明の高熱』……それかもな」

ヤジ「信憑性が無いかも知れんが『スタンド』ってのは
精神の発現、具現化なんだ。たまに制御出来ずに暴走するタイプもある
 さっき言った通り、人の形をしてるが人では絶対ないって言う形もあるし
剣とか銃とか、自然だったり人工物だったり何でもありさ。
……んで、そう言う力はな。『一般人には見えない』 少なからず例外は
存在するものの、大体は幽霊同様スタンド使いでないものはスタンドを
見る事は出来ない……それが、殺人鬼だったり心に黒いもん抱えてる奴なら」

考えれば、わかる程度にゃ凄惨だろ? だから組織を作って自衛も込めて
商売もしようって言うのが居るのさとヤジは煙草を咥え直し嘯く。

ヤジ「……『エクリプス』ってのが昔、そう言う奴等を束ねて
この町を表向きは麻薬なり新興宗教なり装って、裏で能力で支配しようとしてた。
だが、黄金の意志を持つ人々と。『アリーナ』の一助で壊滅したんだ。
 詳しく話すには、此処は目立ち過ぎるからまたの機会にするが」

小林「……残党も街に潜んでる事もありうるようですが。
安心して下さい。この町には正義感強い方々が多くいますし
私達も、何があれば村田さんの助けになりますから……」ニコッ

不良コンビは、町の歴史を語りつつ貴方に手を差し伸べる事を誓う。

ヤジ「あぁ、それと『スタンド』は精神の塊だ。
危険な時に咄嗟に出て防衛して制御可能になった事例もあるし。
自分で瞑想なりで精神修行をして緩やかに発現したって例もある」

もし自分の力を目覚めさせたいようなら前者はともかく後者で
座禅なり試すのも良い方法だとヤジは勧め。

小林「『音仙』さんは、スタンドの仕組みなどに大きく通じてます。
ですので、気が向くようでしたら相談してみれば良いですよ。
きっと、助けになってくれる筈です」

小林は『音仙』への紹介を再度念押しした。

794村田 瑛壱『ディズィー・スティック』【高2】:2020/06/07(日) 20:36:21
>>793

「・・・耳を洗いたくなるような話だこった」

自分でも知らぬ間に、とんでもない厄介ごとを抱えてしまったらしい。
今知った事柄は、おそらくそのスジの人間がかぎつければタダでは済まないものだろう。
そして自分はそれに対処する『術』を持たない・・・『今のところは』。

「あんたらの好意は喜んで受け取ろう。その・・・『音仙』って人にも、すぐに連絡をしてみるよ。」

「自分で自分のことがわからないままなんじゃあ・・・夢見がよくないからな。」

795小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2020/06/07(日) 21:01:41
>>794

ヤジ「しっかし、発現の自覚ない奴とはなぁ」

「君は少し無防備すぎる。通り魔めいた事件は今は耳にしませんが
そのような性質の人物と巡り会うかも知れないんですよ」

村田を見送りつつ、耳の穴を指で軽く掻くヤジへ小林は忠言する。

ヤジ「それでも『そう言う奴』だって知る事が出来る。
虎の尾かどうかは、触れて見なければわからないんだからな
……安心しろよジョー 俺達は『ジョジョ』なんだ。
今は聳え険しくても、何時かは頂上まで行けるさ」

「そう 願いたいものですね」

村田を見送った二人は、暫し時間を置いて学園を出る。
 『ジョジョ』 気高くも手を伸ばすのには遥か彼方の場所へと向けて

796逢瀬 泰葉『ガンジャ・バーン』:2020/06/08(月) 00:24:20
昼休みとなり自由気ままに過ごす生徒たちの喧騒から離れた図書室。
そこに逢瀬は居た。机の上に大量の本を積み上げて。

「内なる無神経を啓発しろ。世界一鈍感な男になれ」

一種の開き直りだ。だが、人間が『地獄』から逃れる術は他に無い。
大抵の人間は『地獄』へと堕ちる。
生まれて死ぬまでに脳へと刻まれる他者の『死』は、確実に精神を疲弊させるし、老いは緩やかに余裕を削ぐ。
きっと『地獄』は脳の中にあるのだろう。
人は寿命で死ぬのではなく自分自身の心に殺されるのだ。

「眠たい。寝たくない」

起きていたい。夢は嫌いだ。
誰か来てくれさえすれば眠気も晴れるだろうか。

797小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2020/06/08(月) 00:53:35
>>796

「ここは寝る場所じゃないわよ」

そう、声が聞こえた。
積み上げた本の塔、その向こうに立っている人間がいる。
手には大量の本を持ち、それを本棚に収めていく。

「なにか、お悩みでも?」

798逢瀬 泰葉『ガンジャ・バーン』:2020/06/08(月) 07:47:58
>>797
「うーん、大した悩みじゃないよ。
 どうやって美しく『破滅』するか。
 それを考えてただけだよ」

今しがた読み終えたばかりの物を本の塔の上に置く。
本読みなら多少は知っているかもしれない有名作品だ。
死者の国を夢見る特殊部隊の男が後進国に虐殺の嵐を巻き起こす言語学者を追う、という内容だった。

「邪魔かな? すぐに出てくよ」

本を片付けようと立ち上がった逢瀬の左頬の大きな火傷が少しだけ髪の間から見えるかもしれない。
首筋、腕、にも大小の火傷が見える。

「………」

一家心中から生き残り高校三年まで昏睡状態だった男子学生が現れた。
既に学校中の噂となっているが虐めの標的にはなっていない。
部活内で後輩から金銭を巻き上げる運動部の上級生に捕まるも、無傷のままで生還し、絡んだ上級生も無傷という不思議な事件も起きているらしいが…

「あっ、サプリ飲むの忘れた」

799小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2020/06/08(月) 22:18:21
>>798

慣れた手つきで本棚に本を戻していく。
小鍛冶明は図書委員だった。

「別いいたいのなら、いればいいわ」

自分の決めることじゃない、と言葉を続けた。
白い肌、黒い髪に黒い目。
冷たそうな人間だった。

「……」

横目で逢瀬の姿を確認する。
どこかで聞いた人のような気もするが、自分が相手のことをよく知らないことを理解している。

「貴方、美しく破滅したいの」

「どうして」

淡く微笑みながら、確かに逢瀬にそう言った。

800逢瀬 泰葉『ガンジャ・バーン』:2020/06/08(月) 23:24:15
>>799 
「うん、なら居座らせてもらうね」

積み上げられた本の中から一冊の小説を手に取る。
紹介文にユートピアの臨界点と書かれた本だ。
そこそこ有名な小説なのだが、これを書いた作者は既に死んでいる。

「私は夏休みとか蝉が好きなんだ。
ほんの一瞬だけど輝きを放つ美しい姿に憧れと恐怖を感じる」

「けど、ずっと美しいままではいられない
桜は綺麗だけど散れば小汚ないゴミ。
人生も桜と一緒。それ以上生きていると醜くなってしまう前に散ってしまいたい」

主人公たちが自殺を図るシーンで手が止まる。
彼等には美しくなれる未来が待っているのに勿体ない。

「こう見えても精神年齢は小学生なんだ。
一家心中で独りだけ生き残って残されたのは火傷だけだよ。まさに現代へと蘇った『化石』みたいだよね?」

「全てに置いてかれた挙句、将来はどうなるのか分からない。でも、あっさり将来を決めつけて死ぬのは両親と同じで醜い」

「人生で一番美しい時を、それ以上は醜くなってしまうという一瞬に到達したい」

「そういえば、君は将来の夢とかあるのかな? 参考にしたいけど駄目かな?」

801小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2020/06/09(火) 00:22:55
>>800

「貴方にはそんな瞬間が来るのかしら」

微笑みを浮かべたまま、小鍛治はそう言った。
くすくすと小さく笑いながら。

「その夢は果てないわ」

「貴方が美しさの絶頂だと思える日が本当に来るのかしら」

小鍛治明はそう発する。
果てのない夢を実現するためにどこまで上がるのか。
その果てを見るのはいつになるのか。

「私の夢。そういうのはあまりないけれど」

「強いて言うなら、幸福であることよ」

「自由で私ひとりがただそこにいる」

小鍛治の手の中に現れたものがある。
銃剣が付けられたショットガン。

「そのためならなんだってやるわ」

802逢瀬 泰葉『ガンジャ・バーン』:2020/06/09(火) 02:25:13
>>801
「かなり傲慢で奇妙な夢だけど…夢…
 そうか、これが『夢』なんだ。
 曖昧な願望でしかなかった、これが」

「私自身が美しくなくてもいい。
 誰かを美しくするための『破滅』
 そうすれば、私の『破滅』も美しく…」

昔から作り上げた物を破壊するのが堪らなく好きだった。
何度も壊しては作り壊しては作り続けた。
理由を両親に聞かれても衝動的なものを伝えられるわけがなく、今の今まで自分も分からなかった。
きっと自分は始まりから終わりまでが完璧なものを作りたかったのだろう。

「君の幸福は君独りだけが佇むものなのかな?
うーん、でも気高い感じがするね。
石ころのように沢山転がってるワルの求める自由とは違う感じ」

「穢らわしく飢えない。気高く飢える。
 そんな感じだといいなぁ」

本を閉じて小鍛治の方を向く。
知らぬ間に銃剣付きのショットガンを手にしている事に気がつき、驚いたように瞬きをする。
何となく自分の持つ力と根が同じ気がした。
意思の力。スタンドと呼ばれる存在。

「銃剣付き…? 格好良いスタンドだね。
 シンプルに強いって感じだ」

「私の『ガンジャ・バーン』より率直。
 そして、銃は独立のイメージが強い
 君の夢の内容からして多数相手に有利
 となる能力を持ってそうだ」

「ショットガンだからね」

自分の爪先を軽く小突いて『ガンジャ・バーン』の花を発現。
独特だが不快ではない甘い香りがするかもしれない。

「大体は、私のスタンド能力も分かるんじゃないかな?」

ふらふらと窓からの風に揺られる花は力強さの欠片もない。
ただ、甘い香りを放つだけの貧弱なスタンドにしか見えないが…

803小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2020/06/10(水) 01:18:39
>>802

「そう、破滅は美しい」

頷きながら、言葉を返す。

「だって、しがらみは邪魔でしょう」

「なんてことの無い人のために時間を浪費するのは悲しいわ」

その顔と同じくらい冷たく言葉が流れ込む。
ひとつひとつ、さも当たり前かのように振る舞うのだ。

「これはね、『ショットガン・レボルーション』」

「貴方のそれは……破滅を呼ぶんでしょう?」

「だって貴方、そういう顔をしているもの」

花には触れなかった。
ただ、銃をくるくると回しているだけだ。

804逢瀬 泰葉『ガンジャ・バーン』:2020/06/10(水) 20:54:36
>>803
「…いや、私はそう思わないよ。
 だが、孤独を貫いた末の『破滅』は
 気高く美しい一面も持っている」

「敢えて私は繋がりを作ろうと思うよ。
 私が人生で最も美しい瞬間、その一瞬を
 誰かに覚えてもらいたい」

この点に関しては好みの違いで優劣は無い。
もしかすると彼女も、私のように決定的な『破滅』を経て生き残ったのかもしれない。
無関心で冷たい感じが父に似ているが人嫌いなのだろう?

「ヘンリー・ダーガーを知ってるかな?
17歳で孤児院を脱走し、19歳から清掃員を始め、1万5,000ページ以上のテキストと300枚の挿絵から成る物語を40年も費やし完成に近づけた方だよ」

「死後、彼の遺品を整理する大家は
 『非実在の王国で』という原稿を発見。
 所詮は身寄りの無い下宿人のゴミ。
 だけど、大家は『価値』を見出だした」

「『孤独』な男の『破滅』が価値を得た。
 彼の『孤独な破滅』は一種の美に昇華
 されたんだ」

「私は彼を美しいと思うよ」

      ポコッ
             ポコッ

逢瀬が発現した『ガンジャ・バーン』と呼ばれる花が2つに増殖した。
ちっぽけな花のヴィジョンに力強さは無い。
しかし、『増殖』の速度が異常だ。

「本体の生死に関係なく増殖する『無差別型スタンド』」

「『ガンジャ・バーン』を摂食すると、その生物は『草食恐竜』に近づいていく。
そして、次第に瀕死の『草食恐竜』そのものに成り果て、最後は『草食恐竜の化石』へと変貌させられてしまう」

「植物が『草食恐竜』を『絶滅』に追いこんだ学説を再現する。それが『ガンジャ・バーン』の能力」

こいつの事を私は気に入っている。
扁平足の者が自分のそれを補うデザインまでピッタリ好みの靴を手にしたような…

「ところで、そんなに私は不吉な感じの顔をしてるのかな? 不細工なんだ…」

805小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2020/06/10(水) 22:15:17
>>804

「……そう」

破滅。
逢瀬の願望を聞いて、やっと小鍛治は目線を逸らした。

「知ってるわ」

「読んだことはないけれどね」

図書委員だからか、それとも彼女の性質なのか。
それから、咲いている『ガンジャ・バーン』へと銃剣を向けた。

「……別に、そういう意味じゃないわ」

「貴方の持つスタンドですもの、破滅を呼ぶものでも不思議じゃないでしょう」

「少なくとも貴方の目はそう言ってたし、この花を見る表情もそういう感じだったんじゃないかしら」

くるくると銃がまわる。
『ガンジャ・バーン』から逢瀬の胸元へ照準が切り替わる。


「『ショットガン・レボルーション』の効果は『革命』強さか速さを逆転させる」

冷たい目が逢瀬を見ていた。

「まだ眠いのなら、これで起こしてあげましょうか」

806逢瀬 泰葉『ガンジャ・バーン』:2020/06/10(水) 23:36:03
>>805
「長い眠りから目覚めた気でいたけど、
 君のお陰で半分ぐらい『目覚めた』」

                 ポコッ
    ポコッ    
             ポコッ

                    ポコッ

『ガンジャ・バーン』の花が四本に増えた。
このまま放置すると始末が面倒だ。
学生鞄から瓶を取り出して花を摘み取り密閉空間に封じ込める。
生殖を封じられた『ガンジャ・バーン』の花はボロボロとヴィジョンを消失させていく。

「そういった観察眼は歳上には敵わないね
 もし、『ショットガン・レボルーション』
 とやらが複数に効くなら『無敵』に近い」

「しかし、私の『ガンジャ・バーン』と少し相性が悪い。 森林を食い尽くす『草食恐竜』という圧倒的な強者。
 その弱肉強食より上の次元で進化と繁殖と進化を繰り
 返した『ガンジャ・バーン』とは…」

「それとこれとは話が別で今、撃たれたら
 私は確実に死ぬ。間抜けな感じに」

ちょっと自分の間抜けさがツボに入って少し笑う。
笑ってる場合じゃないが面白いのだから仕方ない。
最初から戦うつもりで繁殖させた状態の『ガンジャ・バーン』は無敵に近い。
彼女に支配した弱っちい鼠だとか鳥を差し向ければ、強弱など関係なく『鱗』で弾丸を防ぎ、逃げる程度はできるかもしれない。
今さっき枯らしてしまったが。

「どんな願望を持ったら強弱の革命なんて
 不思議な能力に目覚めるのか。
 私が教えた代わりに少しだけ教えてくれ
 ないかな?」

807小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2020/06/11(木) 19:46:55
>>806

「そう、それは良かったわね」

表情は変わらない。
本当に目覚めたことを良かったことと思ってるかは彼女のが知っている。

「別にここで内臓をばらまいてもらわなくてもいいのよ?」

「銃弾の威力も反転してしまうから、子供くらいの力しか出ないのよ」

もちろん、速度を反転すれば通常の弾丸相当の威力にできるが。

「どんな願望?」

それを聞かれて小鍛治は黙った。
少なくとも、そんなことを考えたことは無かった。
自分にとって『ショットガン・レボルーション』は自分の手や足と同じものだ。
あるのが当然の代物。

「気付けば持っていたわ。だから、どこまで私の精神に絡みついてるのかは分からない」

「強いて言うなら、革命とは強さの逆転だからじゃないかしら」

「私には他人の強さなんて関係ないもの」

「私は私の思う通りにするわ」

808逢瀬 泰葉『ガンジャ・バーン』:2020/06/11(木) 22:55:52
>>807
「君の傾向からして強い怒り悲しみなどの
 方向性が強く出ているとは思えない。
 どちらかと言えば自然体の君の在り方
 が反映されているようにも思える」

「何者にも自分の在り方を歪められたく
 ないけれど、君の自由な在り方は社会の
 方からすると少数派に過ぎず、それに
 打ち勝つべく無意識にそれを発現した
 のかもしれない」

「君の強さは弱肉強食より上の次元だ。
 他人の強さなんて気にしないぐらいに
 君は強いんだ」

彼女の他人の意など気にも留めない生き方に多少は憧れる。
意識せずとも気高く生きられるというのは精神が成熟している証。
おそらく彼女にそんなつもりはないだろうが。

「名前を教えてもらってもいいかな?
 私の名前は逢瀬 泰葉。高三だよ。
 中身は小学六年生だけどね」

腕時計の時間を見ると昼休みの終わりが近い。
自分の読んだ本を片しながら彼女の顔を見る。

「『破滅』以外にも美しいものを見つけら
 れて良かった。
 君の『気高い孤独』が不変であることを
 祈っておくよ」

「あと、少し微笑んでたのも綺麗だった」

それだけ伝えると図書室を出て行く。
ほんの少し甘い香りを残して…

809小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2020/06/11(木) 23:33:53
>>808

「そう。ありがとう」

逢瀬の言葉に小鍛治は素っ気なく返した。
彼女は自分の性質に自覚的なのかもしれない。
どこまでも自分の道を歩くなら、自分の道を理解しないといけないから。

「小鍛治明よ。小さな鍜治屋は明るいで小鍛治明」

「さようなら、逢瀬くん」

810氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/06/14(日) 21:18:12

   ―――ヒュッ!
           ストッ!


        ―――ヒュッ!
               ストッ!

―――深夜、清月学園校内の弓道場
普段は物音ひとつない静謐な空間であるはずのそこに弓弦の音が静かに鳴る
見ると制服姿の女子が一人、矢を射っている

『コノ前負ケタノガクヤシイカラッテヨォォ〜〜
 何モコンナトコロデ練習スル事モナインジャネェカァァ〜〜〜?』

「何を言っているんですか?
 街中で弓矢の練習なんて危ないですし、警察に通報されちゃいますよ
 ここなら人目もつきませんし、静かに練習できます」

人影の姿は一つ
だが、『特別な才能』の持ち主がいれば囁くような男の声も聞こえるかもしれない

811ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/06/14(日) 22:08:54
>>810

    バササササササァッ

一羽の『ハゴロモセキセイインコ』が夜空を舞う。
学校付近を通りかかった時、奇妙な『音』が聞こえた。
『研究の余地あり』――そう判断する。

      フ ッ

高度が5mを切った時点で、
『正体』を秘匿するために『ハロー・ストレンジャー』を発現。

      ス ィ ィ ィ ィ ィ――――――ッ

                      トスッ

      グライド
上空から『滑空』を行い、音もなく弓道場に着地する。
月明かりに照らされて、その姿が徐々に露になっていく。
古代ギリシャ風の装束である『キトン』を身に纏った、
青・白・紫のポンパドールヘアの女。
両腕は『羽毛』で覆われ、背中には『翼』が備わり、
踵には『蹴爪』が生えている。

「――――こんばんは」

月光の下で、『鳥人』のような女が声を掛ける。
『学校関係者』とは思えない。
そもそも『深夜』なのだから尚更だ。

812氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/06/14(日) 22:27:08
>>811
「あっ どーも、こんばん・・・・・・わ?」

突然現れた奇妙な風体の女性
和やかに挨拶をされたためつい、普通の挨拶を返してしまうが・・・・

ワンテンポ置いて気が付く
まず、普通ならこんな時間・こんな場所にいるはずのない女性であり
そもそも、『恰好』がとても怪しい・・・・異様である

「そっ そういえば聞いたことがあります・・・・・・ッ! 『清月学園七不思議』!
深夜に弓道場で練習していると突然現れる『女性のお化け』っ!
あれ? 弓道場でしたっけ?音楽室でしたっけ? まあいいや!
逃げようとすると時速120kmで追いかけてくるけど、落ち着いて話をすれば大丈夫とかいう、あの!


あれ?ポマードを投げつけるんでしたっけ・・・・? まあいいや!」


「こんばんわ、いい天気ですね?」

早口でうろ覚えの噂話を呟いていく、詳細は全然覚えていない
そもそもこの学園に七不思議なんてあったかも割と怪しい
うろ覚えの噂話をもとにまずは天気の話を切り出した!(夜だけど)

813ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/06/14(日) 22:50:21
>>812

この女が『七不思議』かどうかは不明だ。
しかし、怪しいのは間違いない。
もし誰かが見ていたとすれば、
『七不思議の一つ』に加わっていたかもしれない。

「はい、今夜は空気が澄んでおりますから。
 この時間は気温も下がっていて過ごしやすいですね」

    ザッ

「ただ、コンディションを崩しやすい時期でもありますから、
 体調管理には気を遣いませんと」

          ザッ

「『病気』になると大変でございますから」

                ザッ

「どうぞ、お気を付け下さい」

一歩ずつ近付きながら、挨拶に対して丁寧な挨拶を返す。
ごく普通の自然な光景。
ここが『深夜の学校』であり、
目の前にいるのが『鳥人のような女』でなければ。

「――失礼ですが、ここで『何』をなさっておいでで?」

手の中にある『弓』を見つめる。
見た事があるような気もするが、今一つ記憶が曖昧だった。
何か……『遺伝子』に刻み付けられているような……。
遠い昔の『旧いイメージ』。
不思議と、そんな感覚を覚えた。

814氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/06/14(日) 23:07:54
>>813
「これはご親切にどうも
最近は暑い日が続いててクーラーを使う日も多かったですからねー
今日みたいな日にもエアコンを使ってたら冷えちゃうかもですね」

(ちょっ ちょっとずつ近づいてきてる・・・・!
 でも、『お化け』にしては凄く理性的で穏やかなような・・・?)

『深夜の学校』 『鳥人のような女』
非常に怪しげな要素であるが、『怪談話』としてはありえなくもない話である
突然の状況に困惑しつつも『怪談話』の真っただ中にいる事に多少の興奮を覚える


「これですか? えーっと・・・ちょっと事情があって『道具』の練習がしたくなりまして・・・
公園とかで練習すると警察を呼ばれたりしますからねー
ちょ〜〜〜・・・っとこっそり忍び込みましてコソ練してたわけですよー」

手に持った『弓矢』を『鳥人』に見せる
『矢』には矢じりはついておらず、代わりに松ぼっくりのような構造物がついている
『蟇目鏑』と呼ばれる非殺傷用の矢である

815ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/06/14(日) 23:27:37
>>814

「『コソ練』」

「『コソ練』――なるほど、『コソ練』ですか」

繰り返し発音し、『新たな言葉』を記憶する。
『言葉』とは『知性の欠片』。
それらを集積する事が、『人間研究の進捗』に繋がる。

「『こっそり忍び込む泥棒』の事を、
 『コソ泥』などと呼んでおりますね」

「すなわち、『こっそり忍び込んで練習する事』を、
 『コソ練』と呼んでいらっしゃる訳ですか」

「お蔭様で、また一つ『勉強』になりました」

そして、『弓』から『矢』に視線を移す。
頭脳の片隅に引っ掛かっているものが何なのか。
それが少しずつ分かりかけてきたような気がした。

「よろしければ、使って見せて頂けませんでしょうか?」

「――――私、『コソ練』に『興味』がありますので」

顔を上げ、少女に視線を向ける。
少女とは別に、『男の声』も聞こえてはいた。
しかし、今は放っておく。

816氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/06/14(日) 23:47:58
>>815
「・・・・『コソ練』
そ、そうですね〜、本当はこっそりとやる練習の事なんですけど
実際、私、こっそりと忍び込んじゃってるわけですし うん、それも『コソ練』です!」

こっそりと忍び込む部分を強調されると少しだけ罪悪感がチクリとする
だがまあ、ばれなければ『コソ練』の枠内でいいだろうと自分の中で納得する

「使ってる姿・・・・・ですか? わかりました
えぇっと・・・・まずはこうやって思い切り引いて・・・・ んっ・・・ ぎっ!」

『射』の姿を見せるために弦を引き絞る氷山
だが、弓の張力に筋力が負けているように見える
練習を始めたのは最近の事なので筋力も技量もまったくの『素人』なのだ!

「はっ!」

       ―――――ヒュッ!
                   ストッ!


放たれた矢は『的』とは全然見当違いの方向へ飛んでいく


『マッタクヨォォ〜〜〜ッ 全然駄目駄目ジャネェカァァ〜〜あきはヨォォ!
 弦ハモットコウ「グッ!」ト引キ絞ッテ 目線ハ両目デ「ガッ」ト合ワセルンダゼェ!』

ズズズズ・・・


最初に聞こえた『男の声』が再び聞こえる
いつの間にか・・・・氷山の背後に『人型のヴィジョン』が出現していた
彼は今の氷山の『射法』に不満を隠そうともしない口調だ・・・・

817ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/06/15(月) 00:13:17
>>816

「なるほど、これが『コソ練』ですか」

      グルゥ――――――ッ

「大変興味深いものを拝見させて頂きました」

見当違いの方向へ飛んでいった矢の軌道を、
体ごと動かして見送る。
弓矢の『実射』を目の当たりにしたのは初めてだった。
よって、『失敗した』とは思わなかったようだ。

「――――…………」

         グ 
            リ ィ 
                ン ッ

無言のまま、オーバーな程に首を大きく傾げる。
『鳥類』の眼は、『哺乳類』と違って、
『顔の側面』に備わっている。
これは、より広範囲を見渡すためだ。
その反面、正面方向を見る事は不得手としている。
こうして顔を傾ける事によtって、
ある程度は欠点をカバーする事が可能になる。
もちろん、これは『鳥の状態』の話であり、
『ハロー・ストレンジャー』を発現している今は、
『必要ない動作』だった。
しかし、『体に染み付いた癖』というのは、
なかなか抜けないものだ。

「――大変興味深いものを拝見させて頂きました」

818氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/06/15(月) 00:30:59
>>817
「あー・・・だいぶ変な方向に飛んで行っちゃいましたね・・・
いやもう、数本しか射ってないはずなんですけど、腕がもうプルプルして・・・

・・・・・というか、『さんずさん』の指導がいい加減なだけじゃないですかね」

最後の方は小声で後ろの『スタンド』に聞こえるように言う


>         グ 
>            リ ィ 
>                ン ッ

『鳥類』が行うぐるりと首を回す動作は・・・・人間が行うとすごく怖い
一般的に鳥類の頸椎の数は人間よりも多く、構造的に可動域が広くなるという
スタンドに頸椎などはないだろうが、それでも鳥類レベルの首の動きは脅威であるだろう

「ひっ!」

だからびっくりして驚いても仕方がないことだ ケッシテ『ヒヤマ』ガビビリナワケデハナイ

「あ、あの〜〜何かお気に召さないことでも・・・?」

>「――大変興味深いものを拝見させて頂きました」

「はっ はい! お見苦しいものをお見せしてしまい申し訳ありませんでした!」

819ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/06/15(月) 20:01:28
>>818

『鳥』を思わせるような『首を回す動き』。
それを『鳥』がやるのなら自然な動作だ。
しかし、今は仮にも『人間に近い姿』をしている。
そして、ここは『深夜の学校』。
そのシチュエーションが不気味さを更に加速させていた。

「『お連れの方』――――」

         ジ ィ ッ

「随分と『逞しい体つき』をなさっておいでのようで」

奇妙な角度に首を傾げたまま、言葉を続ける。
その視線は少女ではなく、
その背後に立つ『エド・サンズ』に向いていた。
この『鳥人のような女』――『スタンド』が見えている。

「――――『グッ!』で『ガッ!』ですか」

「『様子』を『音』で『表現』する。
 いわゆる『擬態語』と呼ばれる表現形式ですね」

         グ リ ィ ン ッ

「『とても個性的なパーソナリティ』をお持ちのようで」

言い終えた直後、首の角度が元に戻った。
未知のものを見かけると、つい『この癖』が出てしまう。
同族の中でも高い知能を有し、
『先進的鳥類』を自称しているが、
やはり『本能』には抗い難いものがある。

820氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/06/15(月) 21:10:34
>>819
「ひぃぃぃいい・・・・『さんずさん』・・・・この方、スタンドが見えてますよぉ・・・
魂の形であるスタンドが見えるって事はやっぱり・・・・『本物のお化け』!」

――思い込みによる勘違いはそう簡単には正せない
結果、最初の思い込みである『お化け』という発想がさらに補強されてしまった

>「『様子』を『音』で『表現』する。
> いわゆる『擬態語』と呼ばれる表現形式ですね」


『オ、オウ・・・・改メテ言ワレルト照レルゼ
マア、観客モイル事ダシ、折角ダカラ俺ガ手本ヲ見セテヤルゼ!』

『お化け』を恐れる氷山とは対照的に
『エド・サンズ』はブリタニカをあまり恐れていないようだ


   ズギャッ  ァァン!


『エド・サンズ』の掌中に『弓と鏑矢』が出現する

『コウヤッテ・・・・「グッ」トヤッテ・・・』

       ギチギチギチ・・・・・

『「ガッ!」ダ!』

      シャッ!
                       ――――ズドッ!

ピンッとした姿勢で矢を放つ
放たれた矢は真っ直ぐに突き進み、遠くの『的』へと当たった
先ほどの氷山とは違い、堂に入った見事な『射法』だ

821ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/06/15(月) 22:41:50
>>820

「なるほど――これが『正しい見本』という訳でございますね」

『エド・サンズ』の傍らに立ち、
流れるような一連の動作を見守る。
女の声色には『感嘆』が窺えた。
同時に、この『道具』の『用途の一つ』を思い出す。
『狩猟具』――
古来この『兵器』によって多くの『同族』が狩られてきた。
それを間近で見る事が出来たのは、
なかなかの『収穫』だった。

「『素晴らしいもの』を見せて頂き、『感謝』を申し上げます」

    スゥッ…………

「お返しに、私も少々『芸』をご披露させて頂きましょう」

            パ
              チンッ

静かに片手を持ち上げ、指を鳴らす。
数秒ほど、無音の時間が流れた。
やがて、遠くから『羽音』が聞こえてきた。

  バササササササササササササササササ

     サササササササササササササササササッサ

        ササササササササササササササササササ

          ササササササササササササササササササササ

              ササササササササササササササササササァッ

現れたのは『鳥の群れ』だった。
種類の異なる多数の『野鳥』が、
『群れ』を成して集まってきている。
『鳥が人を襲う映画』のような光景だ。
しかし、そうはならなかった。
『群れ』は女の周りに集まり、全員が大人しく留まっている。

「――私は、このような『芸』をしております」

822氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/06/15(月) 23:11:02
>>821
『マッ コンナモンカネェ?
オイ、「あきは」、今ノチャント見タカ? 「弓」ッテノハコンナ風ニ使ウンダゼ?』

「はぁ〜〜、いつ見ても惚れ惚れするような綺麗な姿勢ですねー
『お姉さん』にも気に入ってもらえて何よりですよ」

自分の『スタンド』の行いに感心している
ふと気づくと『弓矢』は瞬き一つの間に消えてしまっていた


>「お返しに、私も少々『芸』をご披露させて頂きましょう」

>  バササササササササササササササササ


「え?  きゃっ 『鳥』が・・・・ッ!」

――突如、集まる鳥の群
『往年のサスペンススリラー映画』を思い出すような光景だ
あまりに古い映画なため、氷山自身はその映画を見たことはないが・・・
それでもその『恐怖』は人類の本能レベルで根付いている

「と、『鳥』がこんなにたくさん集まって・・・・『鳥のお姉さん』」
「・・・・・・ッ!?」

『鳥』・・・・そして、『女性』・・・・ッ!
氷山の脳裏に一つの『怪談話』が思い起こされる・・・ッ!

「『姑獲鳥』・・・っ」

――――『姑獲鳥』という妖怪がいる
なんでもその妖怪は『他人の子供』をさらってどこかに連れていくのだとか


「(子供をさらう妖怪・・・・もしかして・・・だから学校に・・・・!?)
 ひ、ひぃぃぃいい、まさか・・・・・まさか・・・・っ!
 『芸』というのはまさか『鳥で人をさらうこと』なのでは・・・っ!?」

不気味な行動を繰り返すブリタニカの姿を見て、氷山の正気は少しずつ削れていく
そして・・・・とうとう妄想とでも言うべき妄言が自然と口から零れ落ちてしまった

823ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/06/15(月) 23:45:48
>>822

   ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド

深夜の学校で相対する『少女』と『鳥人』。
目の前に立つ女は、確かに『妖怪』じみている。
『姑獲鳥』であったとしても不思議はない――のかもしれない……。

「『コソ練』のお邪魔をして申し訳ございませんでした」

            ザッ

「そろそろ失礼して――私は『巣』に戻らせて頂きます」

  バサササササササササササササササササササササササササササ

   サササササササササササササササササササササササササササ

   サササササササササササササササササササササササササササ

    サササササササササササササササササササササササササササ

   ササササササササササササササササササササササササササササササァッ

女が挨拶すると、待機していた鳥達が一斉に羽ばたいた。
乱舞する群れが『カーテン』のように女の姿を覆い隠す。
鳥達が飛び去った後、女の姿は煙のように掻き消えていた。
『ハロー・ストレンジャー』を解除し、
『鳥の群れ』に自らを紛れ込ませたのだ。
そして、『同族』と共に夜空へ舞い上がった。

         「バイバーイ」

最後に、『小さな声』が聞こえた気がした。
『人のような声』だったが、『微妙に違う』ような……。
もしかすると、本当に『人外』だったのかもしれない……。

824氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/06/16(火) 00:00:25
>>823
「はぁ・・・っ はぁ・・・・っ
あれは・・・・・いったい・・・・なんだったのでしょうか・・・・っ?」


――――後日。


生徒A「ねえ聞いた? あの『噂』」
生徒B「聞いた聞いた!『弓道場に出る鳥女』でしょ!」
生徒A「あれって実際にあった話なんだってね! あたしの友達の友達が言ってた!」
生徒A「夜の学校で『コソ練』してるとどこからか『鳥女』が現れてその子をさらっちゃうらしいよ!」
生徒B「でも『鳥女』って何なんだろうね? 私が聞いた話だと『子供を取られた母親の霊』って話だけど」
生徒A「あたしが聞いたのは『インコのお化け』だって話だよ」

生徒B「・・・・・『インコ』? まっさかぁ〜〜〜っ あんなにカワイイのが人をさらうわけないじゃん」
生徒A「だよねぇ〜〜〜!」
   ・
   ・
   ・
   ・
生徒AB「「ぎゃはははははは!」」


氷山あきは『エド・サンズ』⇒しばらく『鳥』がトラウマになるがなんとか復帰
              『再起可能』!


『弓道場の鳥女』     ⇒『学校の七不思議』として新たな噂に加わるが・・・
               人の噂も七十五日・・・・いずれは忘れ去られるかもしれない

825黒羽 灯世『インク』【中3】:2020/07/04(土) 02:19:37

『黒羽』は今日、持ち上げられに持ち上げられた。
『部の取材活動』の最中に押し付けられたため、
『仮に当たったら部の活動費にする』事を約束していた『宝くじ』。
それがなんと、『250万円』もの莫大な資金に化けたのだ。

(さすがにここまでの『大金』になるとは、
 想像もしていなかったけれど……
 私のおかげで『新聞部』は数年は備品に困らないのだわ!)

(…………ほしくなかったと言えば、嘘になるけど。
 でも、『部活動』で貰ったものだし……『10万円』は手元に残せたし)

さらに――いくら『部活動』で得たとはいえ、
黒羽が『手に入れた』資金だったのは間違いない。
最終的に、『10万円』は確保出来た。
(もっと貰う事も出来たが、『功名心』が勝った)


「―――――フフッ!!」


――――『10万円』。
なんだかんだ『中学生』の黒羽には『十分すぎる』。
そういうわけで、上機嫌で校内を歩いていたのだった。

826黒羽 灯世『インク』【中3】:2020/07/05(日) 02:42:30
>>825

――――そして部室に戻っていった。

827シルク『トワイライト・トーン』&『トワイライト・ゾーン』:2020/07/12(日) 12:56:00

 〜〜℃¥$¢£%#&*@§♪

      〜〜℃¥$¢£%#&*@§♪

          〜〜℃¥$¢£%#&*@§♪

屋上。
聞くに堪えない『怪音波』が響き渡る。
それが耳に入ってしまった不運な者は、
不快な『頭痛』に見舞われる事だろう。

   「うんっ!今日は何だか調子いいみたい!」
         
       「よ〜し!もっと頑張ろう!」

『歌唱練習』――――『シルク』は、そう呼んでいた。
『ワタシ』は『騒音公害』と呼んでいる。
『思想の食い違い』とは、非常に悲しく哀れなものだ。

828斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/07/12(日) 21:25:43
>>827

 「どういうことだ――ッ!」

すきっ腹を抱え 屋上へ続く扉を華麗かつ乱暴に蹴り開ける 
そんな蛮行に及びながら 僕こと『斑鳩 翔』は勇ましく叫んだ。

――何故こんな蛮行に及んだのか?

昨今の古い店のパンを侮るなかれ
陳列棚からそれを外から見やるガラスまで美しいとは言い難いが

その棚に並んでいるラップに包まれた如何にもな安物のパンは無二の味である
具は貧相だがそれを挟むパンは雲の如く柔らかく、ラップの包みからでさえ甘い香りがしだし
頬張ればこれを表現可能な語彙が浮かばない程に夢中になれる。

そんな折角買ったそれを、今日の様々な単行本数巻分のごたごたで食いそびれ
『こうなれば誰にも邪魔をされぬ屋上でたべるのだ!』等と勇み足で移動すれば……

時代外れの蓄音機に円形の黒板をセットし、ダイアモンドの針を乗せて無理やりに再生したかのような騒音が展開されていた。

 ――どういうことだ。

右手のコッペパン達(こぺお、こぺこ)を危うく握りつぶしかける。

 「どういうことだ――ッ!」

僕は階段を二段飛ばしで疾走した、可哀そうな扉まであと6 4 2 0
そして最初の蛮行に戻る。

 「向こう側の見える正義感で生徒会の権力乱用すら辞さないッ!」

『頭痛』のする薄っぺらさともいう。

首に赤いスカーフを巻き、ジャラジャラとした学生服を着崩しながら屋上に来た。
……コレが斑鳩翔・・・・・・僕である。

829シルク『トワイライト・トーン』&『トワイライト・ゾーン』:2020/07/12(日) 23:17:39
>>828

      「ひっ!?ひぃっ!?」

              「な、何ですかっ!?」

  「いッ、い――――」

           「いきなり、何なんですか!?」

『シルク』は『混乱』している。
無理もない。
突如として『意味不明な暴言』を投げ付けられたのだから。

だが、『シルク』――――これは決して『理不尽』ではない。
全ての『原因』と『責任』は君自身にある。
だから、この男を責めるのは筋違いというものだ。

もっとも、それを『シルク』が理解する事は『決して有り得ない』。
その『事実』を『ワタシ』が知っている理由は簡単だ。
何故なら、誰よりも理解させようとしているのが『ワタシ』だからだ。

(『何もしてないのに』怒られちゃったよぉ……。
  もしかして、この人『不良』か何かなのかなぁ……)

      (うぅッ……怖いよぉ……)

          ジリッ

               ジリッ

『燕尾服』風の改造制服に身を包んだ少女が、怯えながら後ずさる。
『白い髪』と『黒い瞳』。

        ツヅラシルク
彼女の名は『黒葛純白』。
中等部では名の知れた『合唱部のお荷物部員』である。

                    ワ  タ  シ
それを『異次元』から傍観する『異次元生物』の名は『トワイライト・ゾーン』。

830斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/07/12(日) 23:35:09
>>829

蹴り飛ばして屋上に出たはいいが、其処に想像していたような『蓄音機』も
『九龍城塞』もかくやの違法建築っぷりのスピーカー群も存在しなかった。

 「……おや?其処にいるのは我らが『合唱部部員』の『ツヅラ』さんでは?」

そしてそれだけが何やら怯えた表情を浮かべて怯えた行動をし、怯えた眼つきをしている
……成程、怯えているらしい まああの騒音を至近距離で聞けば無理もない話である 哀れな。

ここは優しく接するべきなのはWW1前にバルカン半島に拳銃とサンドイッチを持ち込んではいけない事より明らかだ。
制服の埃を払い、襟元をただして口を開く。

 「落ち着き給えよ君、怪しい者ではない 君と同じくここの学生だとも」

多少ひしゃげたコッペパンで人を指しつつ落ち着かせる
なんでこのパンはひしゃげているのだろう。これでは食感が台無しである。

 「『品行方正』 『公明正大』 という言葉は紙上のインクである内は素晴らしい輝きを放っているが」
 「人の舌に乗っていると途端にくすんだ10円玉より見苦しいと思っているただの『生徒会』員……。」

 「あまり頼りにならない高校2年『斑鳩 翔』とは僕の事だ。 ご清聴ありがとう。」

どこからともなく呆れたような拍手が響く。
何故生徒会員になっていたか?それは僕にも解らない
気が付いたら何故かこうなっていたので惰性で続けているが、自分には明らかにあっていない気がする。どうでもいいけど。

 「君、時に聞くが此処に九龍城塞もかくやの違法建築をかました蓄音機を見てないか。」
 「此処に絶対に有る筈なのだが。」

『絶対』なのに『有る筈』とはこれいかに?
どうでもいいけれど。

831シルク『トワイライト・トーン』&『トワイライト・ゾーン』【中三】:2020/07/12(日) 23:58:54
>>830

  ビクンッ

   「せ、先輩ですか……?」

       「先輩なんですか……?」

          「こ……こ、こんにちは……」

『斑鳩』に対し、『シルク』は肩を震わせながら挨拶した。
初対面のインパクトが尾を引いている。
その影響で、『怖い』という印象が植え付けられてしまったようだ。
『シルク』が怖がろうが、『ワタシ』には関係のない事だ。
無関係であるにも関わらず、『呼び出し』には応じなければならない。

「み、見てませんけどぉ…………」

「そっ、それに――――」

「そんなの全然聞こえませんでしたしぃ…………」

    ジリッ…………

相変わらず『シルク』は『斑鳩』から距離を取っている。
『斑鳩』の言葉は正しい。
『音程の破綻したオルゴール』は、ここに存在する。
そして、『シルク自身』は決して気付かない。
それこそが、『シルク』が持つ『悪質さ』の根源である。

832斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/07/13(月) 00:20:10
>>831

 「――そうか、騒がせた事失礼。後輩。」

どうやら至近距離で聞いた事に聴覚が麻痺したようだ
その割には僕の言葉が通じているが、まあそういう事も有るだろう。
一礼して騒がせた事を詫びる

 「『アルバトロス号』の出番はまだ先だな。」

屋上にいた彼女が見ていないという限りは、事実そんな物はなかったのだろう。
彼女の歌声に関しては……まあ……噂にはなっているが、それはそれとしてかのような騒音を出せる声帯なるものが存在しているわけもない。
『生徒会ニコニコ調査書類』にもただ単に『ひどい』とのっているだけだ。

 「ついでにもう一つ失礼、お昼がまだなんだ。」

我らがこぺおとこぺこは既に半分ほどひしゃげているが
だからと言ってかの店舗のパンである事には変わりがないし、舌触りの良さとミルクの甘い香りが失われているわけでもない
胃袋で仲良くする分には…多少崩れた見た目だとしてもなんの不都合もない事だ。
 
 ――ガンッ!
               ダンッ! 
                             ストッ!


 『地面を蹴り飛ばし、跳躍 落下防止用のフェンス及び中途半端な梯子を足場代わりに蹴り飛ばし 自身の身長以上の塔屋上部に座り込む』

 「――頂きます。」

こうしてほうばるとやはりあのパン屋のパンは無二の味わいである
今日起こった単行本数巻分における騒動すら許せる気持ちになる気がするので不思議だ。

833シルク『トワイライト・トーン』&『トワイライト・ゾーン』【中三】:2020/07/13(月) 00:47:23
>>832

「『アル』…………?」

『シルク』は『斑鳩』の言い回しを理解出来なかったようだ。
それは『ワタシ』もだが。
『シルク』と『ワタシ』の考えが一致する事は非常に稀な事だ。
このような出来事は、あと『千年』は起こり得ないであろう。
『シルク』の生命活動が停止すれば、
『ワタシ』も『呪縛』から解放されるのであろうか。

「――――えッ!?」

(助走なしで、あんな動きが出来るなんて……。
 『私だって、出来るかどうかちょっと自信ないよぉ……)

         ハッ

    (も、もしかして――――!)

(――――この人、『人間じゃない』!?
 人間の姿をしてるけど、本当は『異次元生物』なのかも!)

(ど、どうしよう!

 オ  ト  モ  ダ  チ
 『トワイライト・ゾーン』みたいに『分かり合えたら』いいけど、
 もしかしたら『怖い異次元生物』かも…………!)

(ううん!『オトモダチ』とも『分かり合えた』だもん。
 きっと、今度も分かり合えるはずだよね!)

(――――よしっ!)

       スゥゥゥゥゥ…………

 〜〜℃¥$¢£%#&*@§♪

      〜〜℃¥$¢£%#&*@§♪

          〜〜℃¥$¢£%#&*@§♪

出口の見えない迷走とも言うべき思考の紆余曲折を経て、
『シルク』は歌い始めた。
『シルク』は、『歌』によって『ワタシ』を縛り付けている。
彼女は『気持ちが通じた』と考えているが、
実際は『正反対』だ。
そして今、『斑鳩』を『異次元生物』だと考えた『シルク』は、
『分かり合う』ために、『心を込めて』歌っている。
その襟元には『コウモリを模したピンマイク』があった。
『斑鳩』は再び頭痛に襲われる。
それこそが『シルク』の歌声であり、
彼女の能力である『トワイライト・トーン』は『それ』を助長する。

834斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/07/13(月) 01:47:34
>>833

 ――犬も歩けば棒に当たる そういう言葉がある。

しかし考えてみると犬にとって棒とか投げて拾ってくるものであって
むしろ当たっても嬉しがる生き物ではなかろうか?これではこの言葉の本来の意味を喪失しているだろう。

幼子が成長して、かつての衣服が着れなくなった時のように
今こそまったく別の衣服へ変更すべきである 例えば、そう……

 『斑鳩も歩けば騒音に当たる』


         [筆者では表現不可な歌唱]


 「――――は。」

言葉が出なかった

より正確に言うなら言葉を出すべき言語野が麻痺した
というより目の前の現実が認められなかった。

『音痴』という言葉を見て『そうはいってもカラオケの『5点』くらいなんでしょ?ジ〇イアンじゃあるまいし。ワハハ』
等という甘い見積もりは異次元の彼方に吹き飛ばされ ついでにコッペパンを頬張っていた幸福な気持ちもM78星雲辺りにサヨナラした。

帰ってきたのはウルトラマンでは無く異次元を跳躍すべきえげつない歌唱であった
なお彼の跳躍は、単純に彼のスタンド…影の脚によるタイムラグの無い壁蹴りが実行可能にさせた事だがそんな事を目の前の燕尾服の少女が知る筈もなし。

無論、彼の聴覚も世間一般で言う所の『普通』であるので
我々が蟻の会話を理解できぬように、この歌唱を理解できなかった。
『せいい』と『さつい』は二文字しか違わないのだ 二文字も違うともいう。

 次の瞬間、彼は塔屋にひっくり返った。 そして動かなかった。


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