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【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』

1 『星見町案内板』 :2016/01/24(日) 23:57:56
『H城』の周囲に広がる『城址公園』の敷地を共有する『学び舎』の群れ。
『小中高大一貫』の『清月学園』には4000人を超える生徒が所属し、
『城郭』と共に青春を過ごす彼らにとって、『城址公園』は広大な『校庭』の一つ。

『出世城』とも名高い『H城』は『H湖』と共に『町』の象徴である。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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938 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2021/01/31(日) 01:23:18
>>937

「おや……?」

「?」


急に普通の飴になってしまったので首をかしげ


「お、おおー」


合わせておずおずと手を上にあげた。


……そして結局、アンゴウ(漢字ドリル)は解かれることなく、
セカイのソンボウがかかったしんへいきのセッケイズは忘れさられ
世界は闇に包まれ(日が落ちて暗くなっ)たのだった。
だが彼女たちは歩み続ける。明日を夢見る限り……!
エージェントアリスとフェアチャイルド出会い編 完!

939 斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』 :2021/02/06(土) 00:05:43
――ブゥゥゥン

薄暗い体育館でライトセーバーを持ち対峙する二つの影あり

 「君、赤のセーバー大好きだな?」
 「紫が良かったんだけど作ってくれなかったんだ……」

青のセーバーを持つ少年の型は『ソレス』
弓を引くような独特な構えを取る防御の構えである。

 「お前のそれ今レジェンズ(非正史)にならなかったっけ?」
 「うるせぇ!俺の中では今も正史なんだよ!!!」

赤のセーバーを持つ少年の型は『シエン』
逆手片手の構えで用いる高い攻撃性と制圧の構えである。
 
 「うわ、めんどくさいオタクだ。」
 「スターウォーズのオタクでめんどくさくないヤツとかいるの??」
 「やかましい……さっさと始めろジェダイとシス。」
 「アイツ嫌々きた割にはノリノリじゃん。」

静寂でも何でもない空間で、踏み込まれた床が摩擦音をたて
双方の光剣が今、優雅な、或いは力強い線を描きながら交差し――

 「はい、失格ゥー。」

部員のブーイングと審判のルール違反を告げる声で
練習試合が終わった。7回目だった。

 「また剣先を後ろまで回すの忘れただろ!……中々慣れないもんだなあ。」

これなるはフェンシング『ライトセーバー』部門の一幕であった。
ライトセーバーを手元でクルクルと回しながら苦笑する

 (……影の頭部でギリギリ見えたが、攻撃を止めて良かったな
  うっかり自分が反則になる所だった。)

面白半分で突っ込んでは見たが中々うまくはいかない物だ
これではグリーヴァスごっこもできそうにない
斑鳩はそう独りごちる。

940 斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』 :2021/02/07(日) 01:01:33
>>939

 (しかし、銀河の平和を守る『超能力者』の宇宙の騎士ねぇ……)

事実そういうスタンド使いもいそうでは有るが
思いつく限りで該当しそうなのはいなかった

 (アリーナも営利団体、自分の利益が確保されている間は
 金の卵を産むガチョウを自分の手で絞殺すわけも無し)

無論、それが尊敬の対象ならばいい
だが現実は他者に知られるべきではない力だ。

 (激発しそうなやつは諫めなければ、この町が疑心暗鬼から戦場になって
 祖父母が巻き込まれる事故が起こる可能性は高くなる)

 (だから、この町の治安も守る 守るが……。)

手にした手製の『ライトセーバー』を回す
これは所詮おもちゃだ、そして力をおもちゃとはき違えた連中が目立つように振り回し
袋叩きにされて死ぬ

いわゆる生殺与奪の権を握る『スタンド使い』という『個』の強者でさえも
弱者の『集団』には敵わない……その例は最近何度も目にしていた。

これが自分に当てはまらない
そう考えるほど、斑鳩は愚かでは無かった
或いは、愚かであった方が余程救いが有ったのかもしれない。

 「ぬるま湯の風呂だ、浸かっていても温まらないが…出るには寒すぎる。」

どこを見る事も無く、ひとり呟く。

 「こんな事を考えて ――遠のいていく気がするんだよな。」

身体を動かしている間はなにも考えずに済む

自分の将来への閉塞感を首を振って振り払い
仮初の友人との遊戯に戻った。

941 甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』【高一】 :2021/02/13(土) 11:01:32
校舎裏

「これ、受け取って」

>>942に差し出したそれは、ハート型にラッピングされている
これは、バレンタインのチョコ…!?

942 甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』【高一】 :2021/02/14(日) 19:13:42
>>941
生徒1「……嫌な事件だったね」
生徒2「死人が出なかったのは幸いだった」

こうして血ョコレート事件は幕を閉じた

943 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/02/14(日) 23:16:49

キャップを被りパーカーを羽織り、
モカブラウンの髪をセミロングにした猫顔の少女――
制服から見ると『高等部』だろう。
彼女は手に『紙袋』を持って歩いている。

     ビリ

       ポトッ

その底が破れ、『赤い包装』の何かが落ちた。

         ……彼女は気付いていないようだ。

944 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2021/02/15(月) 22:44:22
>>943

「……ん?」


通りかかった小学生くらいの子供が『赤い包装』の物を拾う。
ここが高校の廊下だというなら不似合いな人物だが……
小学生でも入り込める場所だとしても、
金髪と青い目、日本人ではなさそうな顔立ち、
大人ものの服を重ね着したような恰好は不審ではある。


「うーむ?」


少女を小走りで追いかける子供。
そして後をつけながら袋を観察する。
穴が開いているならば、さらに何か落っこちてくるのだろうか。

945 円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】 :2021/02/15(月) 23:32:10
>>944

赤い包装は『そういう商品』というよりは、
誰かがあとから紙で包んだ物に見える。
中身は不明だが……なんなんだろう?

ここは高等部の校舎から、校門に向かう途中の廊下。
中等部や小学部の生徒も紛れ込んでおかしくないが、
しかし、それはそれとしてもナイは『怪しい』。

……が。円谷世良楽は『気付かない』。

          「〜〜〜♪」

上機嫌で注意が逸れているらしい。
チョコレートのCMソングを鼻歌で歌いながら歩く。
その機嫌の『もと』が失われていく事に気づかず……!

    ズズズ…

          ポトッ

  ――そうこうしているうちに『二つ目』が落ちてきた!
    『ラメ入り』で、さっきよりレアアイテムっぽい青い包装だ!

946 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2021/02/15(月) 23:40:00
>>945

「やはりか」


落とし物が少女のものであるという確信が無かったのかもしれない。
しかし、目の前で新たに落とし物をしたということは、先の『赤い包装』物も、そうなのだろう。


「うむ」


ひょい、と拾い上げて……平然と少女の後についていく。
自分の怪しさは気にしていないらしく、足音をひそめるでもなく、
やましい事をしているという雰囲気も無い。

947 円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】 :2021/02/15(月) 23:49:53
>>946

          パサッ

さらに『黄色い袋』も来た!
これは包装紙ではなく、
リボンのついた袋のようだ。
なんとなく甘い匂いもするぞ。

       スタスタスタ

こいつについていくと良いことがあるの……か?

「〜〜〜〜〜♪ んーフンフンフン」

           「フン……ん! んんー?」

    「あれあれっ」

     ピタッ

「えー、なんだろ……なーんか変な気がするなー!」

だが、それもここまでかもしれない……
何かの違和感に気づいたらしく、立ち止まってしまった。

948 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2021/02/15(月) 23:58:20
>>947

「お」


拾う。袖の余った両手に、3色の落とし物を抱え、
当然のようについていく。


「急に立ち止まってどうしたんじゃ?」


下から覗き込むようにして声をかけた。

949 円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】 :2021/02/16(火) 00:46:09
>>948

「わっ!! おばあちゃん!?」

         ピョン!

跳ねるほどに驚いた。
が、すぐに振り返って『ナイ』に気づいた。

「……じゃなかった。
 えーっなになに、きみって誰ー!?
 わー、なんかいっぱい持ってるしー!かわいいー」

突如出現した(わけではない)謎の子供……!
両腕で何かを抱えているその姿に目を奪われるが、
次の瞬間には『それら』が何かに気づく。

「…………って、あれあれー!  
 どこかで見たような気がすると思ったらー、
 それ、あたしが貰った『チョコ』じゃないですかー!」

   「なんかさー、袋が軽くなった気がして。
    てことは……落としたの拾ってくれたんだー!」

円谷は短絡的なので、深読みなどはしない。
落としたチョコを拾ってくれた謎の子供に、大いに喜ぶ。

950 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2021/02/16(火) 00:58:14
>>949

「うむ。拾った」


悪いようにとられなかった事に安堵する……様子は無く、平然としている。
そんな想定は元よりしていないのかもしれない。


「お菓子の家のあの……子供たちみたいにわざとかと思ったぞ」


森を歩くときにパンを撒いて道しるべにしたヘンゼルとグレーテルの事である。
だったら目印を拾うなという話だが、実際は本当に落としていただけだったのだしいいだろう。


「なんじゃ、貰いものか?
 お前さん人気者なのか?
 アイドル……アイドルか?」

951 円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】 :2021/02/16(火) 01:09:40
>>950

「えらーい! きみってすっごい良い子だねー。
 あたしが子供の頃なら、
 拾ったらそのままどっか行っちゃうかもー」

「あはーっ! それってなんだっけ、メン……?
 あー、メンデルとグレーデル? だっけ!
 きみは、あの子たちと同じくらいえらいと思いまーす!」

かなりの無知を見せつけつつ、
手を差し出してチョコを受け取ろうとするが……

「あ! えらいからさー! チョコ、分けてあげよっか?
 あたし、チョコ好きだけどこれ全部食べると太っちゃう」

思いついたように、そのような提案をした。

「あたしって可愛いけど!
 アイドルじゃないんだけどねー。
 『フィギュア』って分かる?
 別にプロとかじゃないけどー、あれやってるから!」

つまり、『フィギュアスケート』だ。
特別に何か結果を出してはいないし、
それについて特に自負とかもないが……
皆がなんとなくやってる部活とかと、同じようなこと。

「だから太っちゃったりしたら、あんまり良くないんだよねー」

      「これはそれで貰ったんじゃなくて、
       友達同士で交換しただけのやつだけどー」

952 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2021/02/16(火) 01:33:14
>>951

「そう、それじゃ」


それではない。
メンデルは遺伝学の祖である。
メンデルは偉いが、ヘンゼルとグレーテルが偉いかというと……どうなのだろう。


「知っておる。人形のことじゃろう。テレビで見たぞ。
 服を着てカメラで撮るんじゃろ。
 確かに太るのは困るじゃろうな」


言葉だけを捉えるならば間違ってはいない。
人形→マネキン→モデルのような脳内変換が起こったのだろう。
つまりフィギュアとは服を着て写真を撮る職業である!


「ふーむ。そういう事ならば有難くいただきたいが、わしも交換したいぞ。
 しかし食物以外か」

953 円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】 :2021/02/16(火) 01:50:02
>>952

「よかったー、間違ってるかもって思った!」

間違ってるのだ。

「えー! 人形じゃないよーっ。
 あ、でも観てもらうって意味ではそうかも。
 あたし、すっごい動くけど。
 氷の上で滑るスポーツだからさー」

    「あ! あっちのベンチで交換しよーよ!」

言いながら、すたすたとベンチに歩いていく。
立ち話もなんだし、食べるなら尚更だ。

「えー! きみもあたしに何かくれるってことー!?
 どーしよー、別に食べ物でもいーけど!
 ほんとなら全部自分で食べようと思ってたしー」

理想はあっても、燃やす熱意はあまりない。
適当な生き方をしているのだ。

「じゃあじゃあ、何か面白いものとか持ってますかー?」

954 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2021/02/16(火) 02:05:30
>>953

「氷で滑る?
 痛そうじゃな」


滑る=ころぶ。という想像らしい。
イメージがギャグのようになってきた。
というかこの会話自体が漫才のようだ。すれ違い系の。


「面白いもの?
 そう言われると面白いものはあまり無いかもしれん……
 変な模様の石ならあるが……」


ベンチに座り、背中のリュックを降ろして、取り出したのは石だ。
確かに変な模様ではある。顔にも見える気がしないでもない。


「うーむ、面白いものか。曲がった釘とかは面白くはないか?
 車の先っぽについておるマークとか……」

「面白いものではないが、食い物でも良いのならば飴なんかがあるぞ。
 チョコが太るというのは一気に食うからじゃろ。
 飴ならば寿命が長いから後で食えばよい。多分」

955 円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】 :2021/02/17(水) 01:17:57
>>954

「ちがうちがーう!
 コケるんじゃなくて、滑って踊るんでーす!
 まぁ、コケちゃうこともあるけどー」  

      「テレビで見たことないー?
       大きい氷の上でさー、
       音楽が流れてて、踊ってるの」

見た事がないとして、
円谷の言葉だけで判断するなら、
それは相当に奇妙なスポーツだろう。

「えー! 変な石はいらなーい。
 確かに変だけど、きれいじゃないし。
 宝石とかなら欲しいんだけどー」

石を見たが、価値は見出せなかった。
首を傾げて、指で小さくバツを作る。

「クギとかマークも、あたしそんなに興味ないかなーっ」

         「アメってゆーの見せてくれる?」

956 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2021/02/17(水) 01:28:37
>>955

「ふうむ……?
 なぜわざわざ氷の上で……」


子供の脳内では、海に浮いた氷山的なものの上で、
ペンギンやアザラシが踊り狂うイメージが浮かんでいた。


「よいぞ」


そう言って小さな手で石と釘を握りこみ、開くと、そこには棒付きキャンディーがあった。
透き通った赤と緑が宝石のようだ。


「イチゴ味とメロン味があるぞ。
 そちらのチョコは赤青黄色があるが……何か違いがあるのかの?」

957 円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】 :2021/02/17(水) 01:41:24
>>956

「えー? ……あれ、なんでだろ!?
 言われてみたらよく分かんないなー。
 うーん、氷の上ってよく滑るから、
 クルクル回ったり出来て楽しーし、
 見てる方もそれで楽しーからじゃないでしょーか!」

「きっとそう! あはーっ。あたし答え出しちゃったなー」

円谷はあまりそういうのを掘り下げて考えない。
仮に考えても、持論になるほど深くまで掘れない。
この答えも、心の根底にあるものとかではない。

      スッ

「わ! すっごくキレイな…………んんー?
 なんだろなんだろ。あたしこれ見た事ある気がする。
 なんだっけ、前に買ったんだったかなー?」

この飴を見たことあるのは当然で、
そもそも円谷が『プレゼント交換』に出した物だからだ。

「わっかんないけど……
 キレイだし、美味しそうだしー、
 これならあたしのチョコ、どれとでも交換オッケー!」

     「何のチョコかは知らないけどー。
      あーでも、赤いのは一個食べたけど、
      なんかサクサクしたの入ってたっけかなー」

特に確信もないので、そこにそれ以上触れはしないが……

958 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2021/02/17(水) 01:50:11
>>957

「そういうのものかの。
 わしは氷の上で踊った事がないからわからんが……
 次に湖が凍っておったらやってみるか」


この町の湖が凍るのは知らないが、そもそも来年まで覚えていないだろう。
万が一実現したら水死体が上がってくる可能性もあるが。


「赤、青、黄色。わしは色で言えば青が好きじゃが……
 ……こういうのは一番小さなものが良いとされておる。舌切り雀で見た。
 おぬしはイチゴとメロンどっちが良い?」


奇縁に気づくことも無く、色に惑わされず一番小さな包装のものを手にする。

959 円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】 :2021/02/17(水) 02:19:44
>>958

「あたしも大きい池とかでやったことあったなー。
 でもでも、普通のくつだと滑りづらいしー、
 スケートリンク行けば靴も貸してもらえるから、
 そっちのほうがあたし、もーっと楽しいと思うよ!」

実際、池や湖を利用したスケートリンクはあるし、
円谷がやったことがあるのは『そっち』の話だ。
が、それは『適している池』を使っている話で、
H湖でやるのは『マジでヤバい』かもしれない。

「あたしメロンの方が好きかなー。
 イチゴも好きだけどね。
 メロンって甘くて美味しいからさー」

「じゃあじゃあ、これとこれで交換。はいどーぞ」

             スッ

黄色の『袋』が、一番小さかった。
手に取ってみても軽く……中身もあまり多くは無さそうだ。

「……てゆーか、あれあれ!?
 きみって、この飴さっきどこから出したんだっけ?」

「なんかさ、いつの間にか持ってたよねー?」

ふと、子供の『手』をみた時違和感に気づいた。
先ほどは流れでスルーしていたが、何か、妙な気がする。

  ……さっき持っていたのは、釘とか石じゃなかったか?

960 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2021/02/17(水) 02:29:49
>>959

「ふうむ。どれどれ」


黄色い袋……赤と青は包装紙らしいが、
これは違うということは、ビニール製かなにかだろうか?
リボンを解いて、中を見てみる。


「うむ。わしはそういうのが出来るんじゃ。すごかろう」


意識が袋に行っているせいか、適当そうな答えが返ってきた。
適当とはいえ嘘では無いとするなら、
『いつのまにか持っていた』事を肯定するような返事だ。

961 円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】 :2021/02/17(水) 03:03:59
>>960

「すごーい! それって『手品』ってこと?
 どこにも持ってなかったもんね、さっき。
 それとも…………ねえ、『スタンド』って事?
 もしかして、きみも『スタンド使い』なの?」

スタンド使いであることを言い触らしたりはしないが、
相手がスタンド使いなら、その場合隠す理由もない。

ともかく……ビニールの黄色い袋には、
英語らしき崩れた字が書かれていた。

「それねー、黄色は……あれあれ、なんだっけ。
 そうだ! マカロンだったと思う!  
 ナントカって難しい名前のお店のー、
 ほら、スカイモールの地下で売ってるやつ!」

おそらく買った店のラッピングだろう。
開封すると、中身は円谷の言う通りだった。

「貰った時に一個食べたけど、結構美味しかったなーっ」

      「マカロンって美味しいんだよねー。
       それに見た目もカワイイしさ、
       プレゼントにもピッタリって感じー」

サイズは一つ一つ小さく、4つほどが入っているようだ。

中身が無くなっているような様子はないので、
一個食べた、というのはこの袋の中身とは別なのだろう。

962 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2021/02/17(水) 03:13:24
>>961

「……スタンド。おお、それ、そんな名を他の者も言っておった。
 わしは霊がついておらんので、どうも忘れやすいんじゃが、
 多分それじゃろう」


ヴィジョンは無いらしい。
そのせいか自分がスタンド使いという自覚も薄いようだ。


「マカロン。
 柔らかそうに見えるが、触ってみるとそうでもないの」


袖から指を出してつんつん突いてみる。
4つ……ということはそれぞれ色(味)が違うのだろうか?

963 円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】 :2021/02/17(水) 03:23:08
>>962

「えー、レイ? レイってお化けの事!?
 やだー。あたしもそんなのついてないよー!
 それに、あたしの友達のスタンド使いの人も、
 本人はちょっと霊っぽいけど、ついてはないしー」

「たぶん変わったことできるならスタンド使いのはず!」

ここで言う『友達の人』とは、
『御影』のことを指している。
よって、一方的な認定である。
円谷はこういうことをする。

「まーあんま知らないけどねー、他の人の『能力』って」
    
    「なんかさー、広める物でもないしー。
     自分から探し回ったりするのも、
     がっついてるみたいだと思われそうだしー」

円谷は楽天家で、短絡的でもあるが、
極端に目立ちたがりというわけではない。
スタンドのような『変わったこと』は、
そんなにひけらかすべきではない……という社会性がある。

「あはーっ、マカロンの感じって他にないよね。
 堅くも柔らかくもないっていうのかなー?
 食べても、なんか、言葉にできない感じだしー」

語彙が足りない、というのもあるが。

「えーっとねー、なんだっけなんだっけ。
 えとえと、赤はイチゴだったはず!
 緑は……抹茶! 茶色はコーヒーだったと思うなー」

      「この黄色いのはバナナ? あ! レモンかも」

ともかく、そんな不思議な食べ物マカロンが四種だ。
色の違いがそのまま味のイメージのようだが……変なのは無いらしい。

964 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2021/02/17(水) 03:38:25
>>963

「わしが出会ったスタンド使いはオバケが多かったがのう。
 透明なのやら、サムライのようなのやら……」

そうではない者もいたのだろうが、やはりヴィジョンがあると
印象深く覚えているというせいもあるのかもしれない。
視覚的なインパクトは記憶に残りやすい。


「お前さんも霊はついておらんのか。仲間じゃな」


ヴィジョンそのものが無い子供と、人型ヴィジョンが無いというだけの少女では、
実情は異なるが、そんなことは知る由も無い。


「ほう。食べて確かめるか」
                   サモ…


黄色いマカロンを齧ってみる。

965 円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】 :2021/02/17(水) 04:10:35
>>964

「あーでも、そうだ! あたしも見たことはある!
 いたいた、オバケみたいなの動かしてる子!
 『あっち』がよくあるスタンド……なのかなー?」
 
「うーん、わっかんないねー。
 見たことあるのはそうじゃない方が多いしさー」

        「スタンドって奥深そーっ」

垣間見た奥の深さに浅い感想が口に出る。
先日経験した『遊園地』での戦いも、
何の偶然か居合わせた大半が『人型では無かった』。

「あははーっ! 仲間仲間ー。
 仲間同士よろしくねー。
 あたしセララ。あ、名前ね!」

マカロンはなんというか、ほどほどの味だ。
義理のプレゼントならこんなものだろうし、
美味しいといえば美味しく……ほのかにレモン味がする。

「ねえねえ、きみの名前はなんてゆーの? 教えてよー」

966 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2021/02/17(水) 04:23:00
>>965

「ペロ……これは、レモン」
                  サモサモ


一度口をつけた以上、全部食べ切ってしまう。


「かっこい名じゃの。
 わしの名前は無いんじゃ。
 ユキシラという家に住んでおるし、ユキシラと呼んでくれてもよいぞ。
 む?」


向こうから大人が歩いてくるのが見えた。先生だろうか?
ユキシラは素早く荷物をリュックにしまい、ベンチから立ち上がる。


「残りは帰って食うんじゃ。
 ではセララちゃん。『交換』ありがとうの」


先生を避けているのか、そう言うと、道なき芝を去っていった。

967 円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】 :2021/02/17(水) 06:54:29
>>966

マカロンは小さく、腹にはたまらないが、
逆に言えば食べやすく、美味しすぎないのも良い。

「あはーっ! でしょでしょー!?
 あたしのママとパパって、センスいーんだー」

名前を褒められるのは、嫌いじゃあない。

「……っえー! 無い!? なにそれなにそれ!
 名前無いとかそんなのアリなのー!?
 まあでも、ユキシラちゃんがいるんだし、
 無いってこともアリなのかなー。
 あ、ユキシラちゃんって呼ぶね」

「あ! それ賞味期限近いから気をつけて!
 それじゃユキシラちゃん、じゃあねー。またねー」

円谷は基本的に、深く考えない。
都合の良いように考えるし、
都合の悪いものごとをあまり考えない。

          ペリペリ

「あたしもかーえろっと」

巡り戻ってきた飴を開封して舐めつつ、その場を去った。

968 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/02/20(土) 18:36:39

『城址公園』の一角。
木陰に『黒い女』が佇んでいる。
『喪服』を着て、同色のキャペリンハットを被っていた。

  「――……」

足元には一匹の子猫。
事情は分からないが、足の一本に細い針金が絡まっていた。
それを見て、音もなく『右手』を持ち上げる。

             スゥッ

次の瞬間、女の手に『ナイフ』が握られていた。
実体を持たない『精神の刃』。
『スタンド』だ。

969 御厨道 :2021/02/20(土) 20:54:37
>>968

ニヤニヤとした顔でそれを見ている女がいる。
傍の木に登り、幹に体を預けていた。

「����������」

じぃっ、と貴方の動きを観察している。
何をするでもなく、そこにいる。

「����������ケケケ」

970 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/02/20(土) 21:06:06
>>969

      ――――ドシュッ

頭上の存在には全く気付いていなかった。
そのまま右手を振り下ろし、子猫の足を『断つ』。
豆腐を切るかのような容易さで、『左後ろ足』が切断された。

                「ニャー」

         フワ……

『足』が浮かんでいる。
出血もなく、子猫は至って平然とした様子だ。
足が切り落とされた事で、
絡んでいた針金が『切断面』から抜け落ちた。

971 御厨道 :2021/02/20(土) 21:21:18
>>970

「……」

一挙手一投足を観察する。
切断された足と元あった場所とナイフを見た。
ひとつひとつを理解するために。

(……この後はくっつくかな?)

何となく予想をつけつつ観察を続ける。

(後から斬撃が定着するタイプってのもあるか……?)

972 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/02/20(土) 21:38:49
>>971

     ススス……

             ――ピタ

浮遊する『足』が空中を漂い、子猫の胴体に寄り添う。
『切断面同士』が重なり、次の瞬間『切れ目』が消失した。
概ね『予想通り』だったと思っていいだろう。

         「ニャー」

針金が解けた子猫が後ろ足を動かす。
その動作は自然で、『切れる前』と何ら変わりないようだ。
『ナイフ』で切ったものは切り離され、
『切断面』を合わせると元に戻るらしい。

             ……フッ

『右手』から『ナイフ』が消えた。
それから、『黒い女』が地面に手を伸ばす。
また『事故』が起こらないように、落ちていた針金を拾い上げた。

973 御厨道 :2021/02/20(土) 23:20:46
>>972

974 御厨道 :2021/02/20(土) 23:25:19
>>972

(やっぱりか……)

ウンウンと頷き、そのまま木から落ちてきた。
べちゃりと地面に叩きつけられたものの受身はとっている。

「よう、お姉さん」

「なかなかいいスタンドじゃねぇか」

「針金、捨てといてやろうか?」

975 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/02/21(日) 00:56:06
>>974

  「え……?」

『落下』に驚き、思わず身を引いた。
手の中に針金を握ったまま、その姿を見つめる。
帽子の下で、両の目を軽く見開いていた。

  「『針金』……ですか?」

  「あの――」

       スッ

  「はい、お願いします……」

目の前の出来事に、思考が追い付いていない。
ただ、待たせてしまうのも申し訳ない。
そのような思いから、相手の勢いに押され、
言われるままに『針金』を差し出していた。

976 御厨道 :2021/02/21(日) 01:10:21
>>975

針金を手に取る。

「ところでさ」

「あんた、スタンド使いだろ?」

さも当然、というふうな言い分だった。

「それ、なんて名前だ?」

ぐにぐにと針金を変形させて遊んでいる。

977 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/02/21(日) 01:37:37
>>975

  「ええ……」

          コク……

  「確かに私は――『スタンド使い』です」

どこか不思議な女性だった。
『スタンド』を知っているという事は、
彼女も『スタンド使い』なのだろうか。
外見からは窺い知る事が出来なかった。

  「――『ビー・ハート』」

  「そういう『名前』です……」

決して間違いではない。
ただ、厳密には多少の『違い』があった。
『ビー・ハート』は『第二のスタンド』の名前。
『本来のスタンド』は別にある。
しかし、たった今使ったのは、確かに『第二の刃』だ。

978 御厨道 :2021/02/21(日) 07:35:12
>>977

ぐり、と体を地面にゆっくりと擦るように寝転んでいる。
着ているジャージはほつれが所々にあった。
しかし本人はそれを気にしている様子もない。

「な・る・ほ・ど」

「そういう名前なんだな」

「切って、またくっつける……って?」

体が起きる。
それでも尻は地面にくっついたまま。

「な・る・ほ・ど」

「……ん、あぁ。申し遅れた。アタシは御厨道(みくりや・たお)って言うんだ」

979 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/02/21(日) 19:31:48
>>978

  「御厨さんとおっしゃるのですね……」

  「……『小石川文子』という者です」

           ニャー

名乗り返しながら、丁寧に頭を下げる。
足元の子猫が、その姿を不思議そうに見上げていた。
それから、猫の興味は御厨の方に移ったようだ。

  「ええ――そうです」

  「『傷付けない刃』……そう言われました」

『自傷の刃』と対になる『不殺の刃』。
それを得た時、
これまでの自分には出来なかった事が出来るようになった。
『自分の身体』ではなく、『他者の肉体』を切り離す『第二の刃』。
これを使う度に、『あの事』を思い出す。
『幻の町』と、そこで出会った『人々』の事を。

980 御厨道 :2021/02/21(日) 20:02:30
>>979

「あんたそんな名前なんだな」

「……おー、よしよし。ちちち」

猫をあやすように手を伸ばす。
こちらに来るように猫を誘っているのだ。

「傷付けない刃ねぇ」

確かにそうだという風に頷いている。

「まぁ、こんな話してる時点でお察しのことだとは思うけどよ」

「アタシもそういうのを使うわけなんだがね」

ニヤニヤとした笑いが消えて視線が貴方に向かう。
御厨の中には小石川文子という人物に対する興味があった。

「ツレにいわく、スタンドは精神の発露……ってことは」

「あんたは誰も傷つけられない優しい人なのかね?」

981 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/02/21(日) 20:57:40
>>980

  「ええ……」

           トッ トッ

子猫が御厨の方に歩いていく。
そちらに向けた視線を、改めて目の前の女性に注ぐ。
『スタンド』を知る者は、多くの場合『スタンド』を持つ。
自分がそうであるように。
これまで出会ってきた人々が、そうであったように。

  「私は……」

  「誰も傷付かずに済むなら……それが最良だと思っています」

  「もし誰かが傷付けば、『その人を愛する人』が傷付くと……」

  「ですから――」

  「いえ……『分かりません』」

言葉を切り、軽く目を伏せる。
自分が『優しい人間』なのかどうか。
『スーサイド・ライフ』と名付けられた『精神の刃』で、
人を傷付けた事がある。
もしかすると、
誰も傷付けずに済む方法があったのかもしれない。
自分には、それが出来なかった。

982 御厨道 :2021/02/21(日) 21:39:31
>>981

寄ってきた猫を抱き上げたり撫でたりしている。
この女もかなり動物的なので似通ったところがあるのかもしれない。

「傷つかず、ねぇ」

ニヤニヤと笑う。
何か、思うところがあったようだ。

「ナイフの形しててそりゃあないんじゃねぇかな」

「まぁ、人生いろいろだ。あんたが何を感じていて『ビー・ハート』を手にしてるのか、知らねぇけどさ」

983 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/02/21(日) 22:06:25
>>982

  「それは……」

思わず、言葉に詰まる。
核心を突かれたような気がした。
『ナイフ』は人を傷付けるが、『ナイフ』が独りでに動く事はない。
人を傷付けるのは、それを使う『人間』。
そして、『刃』を扱うのは他でもない『自分』なのだ。

  「『矛盾』しているのかも……しれません」

『スーサイド・ライフ』は『自傷の刃』。
『生きなければならない理由』と、
『死を望む衝動』の間で生まれた能力。
だから、『本体』を傷付ける事は出来ない。
その代わり、『他者』を傷付ける事は出来る。
『傷付ける意思』を持って扱えば。

  「自分の事なのに――よく分からなくて……」

  「……おかしいですね」

相手の笑いにつられたように、無意識に微笑んでいた。
陽気な笑みではなく、どこか陰を帯びた笑い方だった。
『ビー・ハート』は『不殺の刃』。
『他者』を傷付ける事は決してない代わりに、
『本体』を傷付ける事が出来る。
『スーサイド・ライフ』には不可能だったが、
しようと思えば、自ら命を断つ事も出来る。

  「――あなたは……?」

984 御厨道 :2021/02/21(日) 22:50:42
>>983

「そんなこと知らねぇが」

「自分のことがわかってるやつなんて世に何人いるか」

こともなげに言ってのけてまた猫を撫で始める。

「あたし?」

「ないしょ」

985 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/02/21(日) 23:07:44
>>984

  「……そうですね」

自分の事というのは、分かっているようで分かっていない。
近いようで遠い存在。
そういうものなのかもしれない。

  「自分の事は分からない――」

  「それも『答え』なのかもしれません……」

子猫と戯れる御厨を見つめる。
彼女は自分の事が分かっているのだろうか。
その答えは、彼女自身の心の中にあるのだろう。

  「御厨さん、お話して下さってありがとうございました」

         スッ

  「――失礼します……」

居住まいを正して深々と頭を下げ、再び猫を一瞥した。
その姿を目に留めた後、御厨に目礼する。
静かに歩き始め、徐々に公園から遠ざかっていった。

986 御厨道 :2021/02/22(月) 19:47:53
>>985

「そうなんじゃなぁい?」

歩いていく小石川を見送っていく。
腕の中で猫がにゃあと鳴いていた。
御厨道は笑っている。

「己のことが分かったやつなんてイカれてやがるか知ったふうになってるだけと相場が決まってるんだよ」

「けけけ……」

987 名無しは星を見ていたい :2021/02/26(金) 23:23:17


キーン  コーン カーン コーン ……


【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』 その2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1614349342/


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