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【個】『学生寮 清月館』

895赤月『サクソン』:2022/12/29(木) 15:19:00
>>894

「なにぃっ!?
 私が・・・・・・『良い子』だと・・・・・・!?」

突き付けられた驚愕の事実にぽかんと口を開き、愕然とする
そして、そこに・・・・・・


            「もがっ!」

クリームのついたイチゴが口内へと突っ込まれた!
急速に吸収される糖分・ビタミン・水分・・・・・・そして、いくらかの電解質ッ!!

   しょり しょり しょり・・・・


              ごくり

                      ・・・・・・・・・ばたっ

肉体が、不足している栄養素を得たと判断したのか
それとも、色々と動き回って疲れてしまったのか
口内に突っ込まれたイチゴを飲み込むと同時にばたりと意識を落して眠りについた

深い、深い眠りだ
当分は目覚める事がないだろう

896大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/29(木) 16:15:55
>>895
眠った赤月を見て、やれやれ、という顔をする。

「そんなことを言うキミがいい子なのは、当たり前ではないか。
現代のサンタは『それを信じた子供がいい子になる』ようなシステムだもの。
『悪いことをした子供』が『自分はいい子じゃないからサンタが来ないんだ』って思うことはまさに『それ』さ。
反省・自省をさせるシステムなのさ」(後方保護者面)

一人ぼやきながら、眠る赤月を共有スペースのソファに移し、共有の毛布をかける。

「やれやれ。
こんな年末までオオカミサンタをする羽目になるとは思わなかった」(モシャモシャ)

そして、大神さんは残ったケーキとチキンをモシャモシャするのであった。

897大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』@共有スペース:2022/12/29(木) 16:31:55
……というわけでここは学生寮の共有スペース。
ただでさえ多くの価値観を持つ学園関係者が出入りする寮という空間な上に、
時期的にクリスマス年末年始がまとめてやってきているので、
色々なあれそれが入り交ざった奇妙な空間となっている。

そんな共有スペースで、サンタコスの緑髪・右青目・左赤目の男装少年(16歳 女子)がペットのハムスターやハトと一緒にワチャワチャやっている。
どうも今は大掃除で出たダンボールを用いたAR『ニ○テンドーラボ』を共有スペースの巨大ディスプレイで遊んでいるようだ。遊ぶのに広い空間が必要だしな…。

なお、ソファの片隅に毛布にくるまった物体(>>895)があるが、よく寝ているようなので放っておいて問題ないだろう。
近くで騒いでいれば目覚めることもあるかもしれないし……。

898大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2022/12/31(土) 13:26:09
ゲームに飽きて年末年始の街を見に出かけた

899三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2022/12/31(土) 13:46:43
>>898

「――――『或真さん』?」

街に出かける姿を遠目に見かけ、ふと立ち止まる。
『少年』とも『少女』とも取れる姿の小柄な生徒。
『大神或真』の『従兄弟』である『三枝千草』。

「『同じ学校』だったなんて初めて知りました」

去っていく大神を見つめ、そのように呟いた。

900三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2023/02/27(月) 21:57:56

少年とも少女ともつかない小柄な寮生が、一つの部屋の前で立ち止まった。
生徒の名前は『三枝千草』、部屋の主の名前は『小林丈』。
ここを訪れるのは『初めてではない』。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647077/318-330)

     コン コン コン

はやる気持ちを抑えてドアをノックする。
どうしても確かめたい事があった。
もし応答がなかったとしても、三枝は開けようとするだろう。

施錠されていたなら――『それでも中に入る』。

(『小林先輩』……)

『小林の死』を知ったのは、『呪いの小屋』から戻った直後だった。
以前と同じように声が聞こえ、変わりない姿を見せてくれる事を期待している。
しかし、それが叶わなかった時は、『部屋を調べる』つもりで来た。



(>>ノエPL:大変お手数ですが、この行動に対する判定をお願い致します)

901『殻の部屋』:2023/02/27(月) 23:48:42
>>900

 部屋から物音はしない、耳が痛くなるような静寂さだけが
君の耳に返って来るだろう。
 
 ドアノブを回すと、呆気ないほどに簡単に開いた。

部屋の中……最近は、殆ど使用してないようだ。

冷蔵庫……中は空だ。

クローゼット……小林らしい制服や私服がそのままだ。
半分ほど、彼のかは不明だが衣類の幾つか持って行った形跡が見えた。

学習机……少し、埃が被っている。引き出しが、少し開かれた形跡がある。

902三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2023/02/28(火) 00:45:15
>>901

しばらくの間、室内からの返事を待っていた。
1分かもしれないし、5分かもしれない。
もしすると10分間も立ち尽くしていたようにも思える。
しかし、いくら待っても応答はなかった。
顔を俯かせ、意を決して部屋の中に踏み込む。

     ガチャ…………

室内を見渡し、最初に調べたのは『冷蔵庫』だった。
中身は『空っぽ』。
その事実は、既に住人がいない事を物語る。

       …………ガタッ

次に、『クローゼット』を開けてみた。
一切の躊躇いはなかった。
衣服が持ち去られた形跡を見て、すぐ一つの可能性に思い至る。
『小林の親友』。
何度か会った事もあった。

「…………?」

最後に『机』が視界に入った。
一部だけ埃が落ちているように見えたのだ。
おもむろに手を伸ばし、引き出しを開ける。

903『殻の部屋』:2023/02/28(火) 13:00:27
>>902

君は、学習机の引き出しを開いた。

小林 丈は、元は小説家を志していた。君も、耳にした事はあったであろう。

中には、まだ書きかけらしい原稿用紙やネタ帳らしいスクラップブック等が
収められてたが、一つだけ種類が異なると思えるものが目に留まった。

……『日記帳』のようだ。

 開いてパラパラと中を捲ると、一つのページに
幾つかの水滴が落ちたような跡のある部分に着目する事になる。

内容は↓と言ったもののようだ。
>ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1587792748/108

そして、全ての文章に目を通した後。一つだけ全く違う筆跡で
少し大きめに、こう書き納められいた。



    ばかやろう

 おれは   おまえを ゆるさない

904三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2023/02/28(火) 14:54:59
>>903

震える指先でページを開いた三枝は、一心に目を通し始める。
『遺言』とでも呼ぶべき文面を読み終えた後、計り知れない衝撃を受け、
危うく日記帳を落としそうになった。
信じたくない。
だが、認めざるを得なかった。
やはり、あの話は『事実』だったのだと。

「小林…………先輩…………」

『小林先輩は死んだ』。
もし相談してくれていれば…………。
いや…………そうされたとして何が出来ただろう。
きっと何も出来はしなかった。
自分は無力な人間なのだから。

      グッ

日記を握る手に、無意識に力が込められる。

「…………『スワンプマン』…………」

ふと、その言葉を思い出していた。
『一度死んで作り直された』――――三枝千草は『小林丈の秘密』を打ち明けられた事がある。
『小林の死』に直面して、その記憶が鮮明に蘇ったのだ。
『生き返った存在』なら、『死』を超越する事も可能なのでは。
『死を恐れる精神』と『小林の秘密』という二つの要因が、
他の者には辿り着けない発想に至らせたのだ。

       ジッ…………

もう一度、『最後の文章』に目を留める。

「千草は…………何が出来ますか…………?」

「『秘密』を打ち明けてくれた先輩の為に…………何が…………」

閉じた日記帳を胸に抱き、誰もいない部屋で呟く。
少なくとも、ここですべき事は終わってしまった。
他に何も見つからなければ、日記を持ったまま自室に帰っていくだろう。

905『殻の部屋』:2023/03/01(水) 09:44:29
>>904(こちらからのレスは以上となります。お付き合い有難うございます)

小林は死んだ。

噂程度でしか無かった話は、この『日記』によって信憑性が高まった。

君に出来る事。

模索すれば、幾らでもある。例えば、この日記に書かれてた人物。

『村田』 『北落砂錫』 そして、『夏の魔物討伐の同行者』

小林の真相について、更に真相の鍵を握る人物が居るかも知れない。
何せ、小林は死んだと流布されてるようだが、未だに話だけで物的証拠は
君の知る限り無い筈だからだ。

『真実』は、まだ君の手の中には無い。だが、『足掛かり』は手に入れた筈だ。

君のアイデンティティの起源は、ある場所で遭遇した『死体』だった……ならば。

――君は、『小林』に、真実が如何に悲しくても残酷でも対峙しなければいけない
時がきっと来るのだろう。

 日記を持って、君は自室を去る。誰も、君の歩みを邪魔する者は無かった。

906三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2023/03/01(水) 17:04:27
>>905

手の中にある日記帳に視線を落とす。

(ここに書かれている通りなら…………)

(小林先輩は――――自分の『最期』を予期していた?)

(もしかすると…………本当に…………)

三枝の心の中には、未だ不安が残っている事は否定できなかった。
単純に消息が分からないだけなら、ここまでの事態にはなっていない。
やはり、既に『この世にいないのではないか』と考えてしまう。

(だけど…………)

三枝千草は『理想の最期』を求め、それを実現する為に『功徳』を積む事を、
『人生の目標』として定めている。
しかし、それは結局の所『妥協』なのだ。
『死ぬのは怖い』が、『死なない方法』が見つからないから、
せめて『安らかに死にたい』と考えているに過ぎない。
もし『死を回避できる手段』があるとしたら、そちらを選んでいただろう。
当然、そんな都合のいいものがある筈はない――――。

(あなたに『生きていて欲しい』)

万に一つの可能性があるとしたら、それこそ小林が語った『スワンプマン』なのかもしれない。
三枝が小林丈を気に掛け、その存在に思いを馳せるのは、
優しい先輩だからというだけではなく、彼が『一度蘇った人間』だからなのだろうか。
だからこそ、ある種の『憧れ』を感じているのかもしれなかった。

       …………ガチャ

ドアを開け、誰もいなくなった部屋を振り返る。
その姿に『死』を象徴するヴィジョンが重なった。
『シャベル』を携えた『墓掘人』。

「――――…………」

ほんの一瞬、『部屋の主』の幻が見えたように感じられた。
何か言おうとして、思わず口を開く。
だが、言葉が出てくる事はなかった。
その代わりに、自身の視界が霞んでいく。
まもなく気を取り直して目元を拭い、日記帳を手にして歩き去っていった。

907赤月『サクソン』:2023/03/10(金) 21:41:51

――――とある休日の夕方。

「ん・・・・ いいぞ! 何ッ!?」

談話室に響き渡る少女の声
年頃は中学生程、黒髪に赤のメッシュを入れた少女が
テレビを前にして、両拳を握りながら歓声をあげていた

           『イクゾッ!!』

     『ヘシンッ!!』

               『ウオオオオオオオッ!!』

テレビに映し出された映像は『特撮ヒーロー物』の番組だ
CGの作りがやや粗く、この番組が十数年前の物だと判断できるかもしれない
彼女の目の前、テーブルの上にはこの番組のDVDケースが開かれたままの状態で置かれている

どうやら、彼女はDVDでこの番組を見ているようだ

「おおっ!?」

そんな光景が朝から続いている・・・・・
もう8-9時間もずっとこの調子だ

908赤月『サクソン』:2023/03/12(日) 21:14:51
>>907

日が暮れるまでそうして鑑賞会を続けていたが、
やがて時計を確認し、自室へと帰って行った

909真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/28(火) 16:10:00

買い物をしに部屋から出て、
『談話室』の横を通る時、その中を見た。
人影があったから――かもしれないし、
何かしら物音が気になったのかもしれない。

>>910しだい、という意味だ。

910リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/28(火) 19:58:17
>>909

談話室には誰もいない。
ただ、『妙な物』が一つあった。
『人形』だ。
赤いドレスとボンネットを纏った『西洋人形』が、ソファーに横たわっている。
その両目は閉じられ、まるで眠っているように見えた。

     ……………… ……………… ………………

          ――――――誰かが置き忘れていったのだろうか?

911真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/28(火) 21:18:58
>>910

「…………」

人影に見えたのが小さな人形だった得心は、
すぐに『なぜそこに?』という疑問に変わる。

「………………」

         キョロ

悪い目つきで周りを見渡すが、
置いたものがここにいないのはすぐにわかった。

       ……人形を愛でる趣味は特にない。


「……」

せっかく談話室に入ったので、何かしよう――
そう思って『ケトル』の置いてある方に歩く。

……ちょうど、『西洋人形』には背を向ける形になるだろう。

912リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/28(火) 21:51:21
>>911

寮生なら、普段から置いてあるものではない事は分かる。
人形は古めかしく、いわゆる『アンティークドール』に含まれるのかもしれない。
目立つ汚れや破損はなく、保存状態は良さそうに見えた。

       ………………コトッ

背後から物音がした。
今のように静かな環境でなければ気付かないくらい小さく軽い音だ。
位置的には『人形があった場所』の付近だろう。

    倒れたりする物は特になかった――――はずだ。

913真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/28(火) 22:03:43
>>912

ケトルにまだお湯が残っているのを確認し、
淹れ直すのも面倒だったのでスイッチを入れた。

         カチ

「…………」 

>       ………………コトッ

自分が鳴らした音ではないし、
人が部屋に入った気配もない。

「今お湯触ってるから……ドッキリは危険ですの。
 思わずわたくし、全部ぶちまけちゃうかもしれないですし」

誰もいないとは思いつつ、チラッと後ろを見ながら忠告した。
もちろん、今のところぬるま湯程度でしかないのだが。

914リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/28(火) 22:20:50
>>913

振り返ってみても、やはり誰もいない。
先程までと同じく、そこにあるのは人形だけだ。
しかし、何もかもが変わらないかというと、そういう訳でもなかった。

     ……………… ……………… ………………

『人形が起きている』。
両足を伸ばした姿勢で、ソファーの上に座っていた。
『起きていた人形が倒れる』のは、それなりに有り得そうな事だ。
では、その逆は?
おそらく滅多に起こるものではないだろう。

       ジッ

大きく開いた両目。
青く透き通った硝子の眼球が、真横田を見つめている。
もちろん『そう見えるだけ』だ。

         ――――――普通なら。

915真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/28(火) 23:33:56
>>914

「……………………………ふーん?」

人形に歩み寄り、明るい紅色の瞳で見つめ返す。
真横田ニケは『知らない物がある』事を『知った』

        スッ

「どっかでご覧になってるんでしょうけどね。
 こーいうことがお愉快だっていうのは、
 わたくしも、ご理解してさしあげられなくはないし。
 ええー、100歩譲ってしてさしあげるだけ」

          ・・・手を伸ばす。

「まー、手の込んだドッキリに敬意を表して、
 せっかくなので、お付き合いして差し上げますの」

『人形を動かす何か』を仕掛けている。
そしてここが学生寮の談話室であり、
自分はここを偶然訪れただけな以上、
単なる『いたずら』くらいの意味だろう。

そう考えたから、対応するために行動した。

「幽霊の正体見たり――――」

もちろん…………『リトル・メリー』の正体は、知るはずもない。

916リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/29(水) 00:22:13
>>915

倒れていた人形が独りでに身を起こしたように思わせる。
本気でやろうと考えたなら、決して不可能ではないだろう。
ただ、一見したところ、仕掛けらしいものは見えない。
もしイタズラなら、なかなか巧妙に仕組まれているようだ。
確かに『手が込んでいる』。

「――――――『幽霊』じゃないわ」

指先が人形に触れる直前、真横田だけの談話室に『声』が聞こえる。
幼い少女に似た声色。
そんな人間は、ここにはいない。

  「ビックリさせないように、そっと起きたの」

     「『熱いお湯』って危ないものね」

    「ウフフフフフフフフフフフフフフフフ」

どこか底知れない笑い声が響く。
ソファーの上――――『真横田の正面』から。
そして、そこにあるのは『人形だけ』。

917真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/29(水) 21:57:29
>>216

「ッ!?」

         バッ

           「………………………なっ」

突然の声に飛び退き、『それ』を凝視する。

「……えへえっ、なんですか! 手が込み過ぎですの。
 どこかに『マイク』でもお付きになってます?
 しかもイタズラのくせに気遣いバッチリって、
 それとも………………………」

         キョロッ

周囲を見渡す。

「…………もしかしてですけど、
 いや、別に全然……あり得なくはないですね」

やや離れたまま、再び人形の顔を覗き込んだ。
そもそも『イタズラ』でここまで仕掛けをして、
しかも来るかも分からない人間を狙うよりは。

「人形のお嬢様……あなた、『そういう能力』ですか?」

あり得る可能性はもっと高い…………『スタンド能力の産物』なら。

918リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/29(水) 22:34:05
>>917

現代の機械は『小型』かつ『高性能』。
人形が動いたように思わせる事も出来る。
喋っているように見せかける事だって可能だろう。

「ウフフフフフフフフフフフフフフ」

そうだとしても、手間を掛けるには相応の理由がいる筈だ。
偶然やって来ただけの相手を引っ掛ける為に、ここまでする人間は稀にしかいない。
有り得ないとは言い切れないが、それと同じくらいか、
それ以上に有り得る『別の可能性』も存在する。

      「『能力』?」

極めて自然な動作で、人形が小首を傾げた。

    「――――分からないわ」

考えるような仕草の後、短く言葉を返す。
『メリー・バッドエンド』の能力は、『魂』を移す事。
だが、この西洋人形そのものは、『魂を移した対象』ではなく『本体』なのだ。
そして、『自分が何者であるか』は本人さえも知らない。
おそらくは、誰にも分からないだろう。

「わたし、『リトル・メリー』」

         スウッ

『名前』を名乗りながら、ソファーの上で人形がスムーズに立ち上がる。

919真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/29(水) 23:10:21
>>918

「ふぅん…………わからないならしょうがないです。
 わたくしもよく分かってませんからね。
 『無知の知』ってヤツ?」

自然な動きを見せる『リトル・メリー』に、
どちらかといえば警戒より関心が勝る。

「わたくし『ニケ』です。
 よろしく、メリーさん」

頭などは下げずに挨拶を済ませると、
隣に座って目線の高さを近づけた。
立ったまま話すのも疲れるからだ。

「ハタから見たら今のわたくし、
 お人形さんとお喋りするイタい女ですの。
 それ込みのドッキリじゃないでしょうね」

          キョロ

「まー、そんな事はないですか。
 普段はお見かけしないけど、あなたどこから来たんです?」

誰かの私物なのだろうか――?
真横田ニケは現状、これを『何』とするか判断に迷っている。

920リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 00:21:38
>>919

「『ニケちゃん』――――」

「ウフフ、覚えたわ。
 メリーは人の『顔』と『名前』を覚えるのが得意なの」

「『絶対に忘れない』から」

どことなく意味深長な言葉と共に、青い目がニケを見上げる。
光を受けて美しく輝いているものの、そこに『生命』は宿っていない。
人間の意思によって創造された『理想的な瞳』があるだけだ。

「わたし、『船』に乗って来たの」

「『ずっとずっと前』に」

質問の意味を少し誤解したらしく、そのような答えが返ってきた。

「それから『学校』にいたわ。
 もうなくなってしまったけれど」

リトル・メリーは『親善大使』として日本に贈られ、当時の学校に寄贈された。
まだ西洋の人形は珍しく、子供達から愛され、良き遊び相手となっていたのだ。
しかし、それは永遠には続かず、
あの学校も戦火で焼けてしまい、面影さえ残っていない。

「今は町外れの『教会』にいるのよ」

『鷲津ヨハネ』という『修道女』と出会い、
何度か遊びに行く内に、いつの間にか居着く形になった。
何となく『居心地』が良かったのだ。
『教会を訪れる人間の心』に興味を抱いたというのもある。

921真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/30(木) 18:58:35
>>920

「ちゃんでもサンでもいいですけど、
 忘れない方がお得ですからね。
 わたくしは、わたくしを買ってくれる方に、
 『勝ち』を分けて差し上げる予定なので」

根拠の無さそうな自信を浮かばせ、人形に答えた。

「はあー、しっかりしてますの」

聞いた話への返答にはややズレているが――
内心はこうだ。『設定がしっかりしている』。

「そうなるとわたくしよりずっと、人生の先輩なわけですね。
 まあ、だから敬うというわけではないですけど……
 えっへっへ、ご重厚な人生経験を、お頼りにさせてください」

真横田ニケは『知らない物がある事』は知っているが、
その領域の『スタンド』という名前を知ったからこそ、
純粋なオカルトの領域からは目が逸れていた。

――――『生ける舶来人形』をそのまま受け取る下地は無い。

                   ・・・ カチ

「ああ、お湯が沸きましたわ。
 あなたは食べ物とかは食べるんですか?」

ケトルの方に歩いて戻りながら、首だけ振り返って尋ねる。

922リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 19:30:38
>>921

スタンドを持つのは人間に限らない。
それ以外の生物であっても発現の余地はある。
しかし、『生物ではないスタンド使い』は、極めて少数だろう。

「メリーはね、『お食事』しないのよ」

人形なら、まぁ当然ではある。
『そういう体裁』だったとしても自然だ。
『食べなくても死なない』というのは、『永遠の命』と呼べるのだろうか?
そもそも『命がない』という方が正しいのかもしれない。
『魂』と『命』の明確な違いは、メリー自身も良く分からなかった。

「ニケちゃんはどこから来たの?」

       ゴソ

ケトルに向かうニケを眺めながら、
真紅のボンネットを脱いで、そこから『何か』を取り出す。
折り畳まれた紙のような物だった。
かなり古い代物らしく、経年劣化で変色している。

923真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/30(木) 20:04:45
>>922

「ええー、そうだろうとは思いましたの。
 省エネで大変よろしいとも思います」

人形に『口』も『消化器』も無いだろうし、
それくらいの設定を間違える、とも思えなかった。

「わたくし東の方から来ました。
 こういう寮生活に憧れてましたし、
 高大一貫校に入りたかったので」

            コポポポポ

「あなたみたいに、お海の向こうではないですけどね。
 新幹線にでも乗れば、すぐ帰れる距離です」

カップにコーヒー粉と、お湯を入れる。
こだわりはないが、コーヒーが好きだった。

「……それは? お買い物のメモって訳でも、
 あなたのおトリセツって訳でもないんでしょうね」

席に戻りながら、視界に映る謎の『紙片』に視線を落とす。

924リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 20:35:31
>>923

コーヒーで満たされたカップを見て、それからニケに視線を戻す。

「今は、ここがニケちゃんの『おうち』なのね」

「ここに来れば、ニケちゃんに会えるかもしれないのね」

「ウフフフフフフフフフフフフフフフフ」

         ソッ

愉しげな笑い声を交えた相槌を打ちながら、メリーの手で紙片が開かれる。

  「これはね、とっても『大事なもの』なの」

     「船に乗る前にもらったのよ」

そこには『英字』で綴られた文面が整然と並ぶ。
真っ先に目に入るのは『VISE』と『Passport』の単語だろう。
どうやら、これは『ビザ兼パスポート』らしい。

           「見て」

          スッ

  「ここの所に『スタンプ』を押してくれたの」

小さな指で示した場所には、確かに『押印』がされていた。
『小道具』に気を遣っているのも『演出』の一環だろうか?
『こだわり』がある――――のかもしれない。

925真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/30(木) 20:54:49
>>924

「ええー、会える時は会えるでしょうね。
 わたくし学生ですから、
 平日とか、いない時はいないですけどね」

真横田ニケはどちらかと言えば外出が多い。
必要なものは、外にあるものだからだ。

「見せていただいていいんですか?
 大切なものなのに。
 まあ、見せてくれるなら遠慮しませんけど」

          ズイ

無遠慮に紙を覗き込む。
さほど英語力が高いわけではないが……

「ヴィ……アイ、エス……ヴィセ?
 パスポート…………ああ、『ビザ』! えっへへ」

       「どう見るか分かりませんけど、
        たしかにとっても大事ですの」

『ビザの見方』を詳しく知るわけではないが、
それが偽物にはなんとなく見えなかった。

「お海の向こうではあなた、どんな暮らしをしてたんです?
 わたくし、海外での暮らしにもちょっとは興味があります」

ずっと前海外から来たのは,部分的に本当なのだろう。
『メリー』の親か、そのまた親なのか――

・・・あるいは、もう少し非現実を現実として捉えるべきなのか。

926リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 21:38:31
>>925

ニケの問い掛けを受けて、記憶を辿るように頭を揺らす。

「メリーは大きくて広い場所にいたわ。
 わたしと似てる子が大勢いて、そこで順番を待ってたの」

思い出せる範囲で、最も古い記憶は『工場』だった。
『メリーを送り出した団体』が、そこに人形を発注したからだろう。
その頃から『魂』があったのか、
あるいは人形に何らかの形で保存されていた情報が、
魂が宿った後で記憶として蘇ったのか。
詳しい原理は分からない。
ただ、メリーの認識としては『そう』なのだ。

「メリーはね、みんなと『友達』になるために生まれてきたんですって。
 『親善大使』っていうの」

    「『お父さん』が、そう言ったのよ」

メリーが『父』と呼ぶのは、人形を製作した会社ではない。
人形を『友好の架け橋』として、先入観のない子供の内から、国同士の信頼関係を築く。
その計画の発案者であり、その為に人形を発注した人物が、メリーにとっての『父』だった。

927真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/30(木) 22:22:23
>>926

「……へえー? そうなんですの。
 言っちゃえばあんまり想像がつかないですね、
 お人形が作られる光景っていうのは……」

            ズズズーッ

「職人さんが一体一体手作りで、
 というのはマンガなんかで見ましたけどね」

コーヒーを啜りながら、相槌を打ち。

「生まれた意味がハッキリしてるなんて、
 人間だったらそうそうないですけど」

           トン!

軽くなったカップを置いた。

「『親善大使』だなんて偉い立場じゃないですか。
 それで、今も人間の教会に馴染んだり……
 こうして人間とお話をする役目を果たしてる、と」

         「大層、ご立派ですの」

事実、それが『設定』なのだとして、
貫徹するための努力は並々ならないだろう。
少なくとも『趣味』とか『ドッキリ』とか、
そういう域を超えた『こだわり』を感じる。

「わたくしも親に言われましたよ。
 『誰にも負けない女になりなさい』……って。 
 まー、『誰にも負けない』なんて無理ですけどね」

ふと、時計を見る――別段急ぎの予定ではないが、
単に談話室には立ち寄っただけだ。

「これを飲み終えたら、そろそろ行く時間ですね。
 お話できてわたくしのためになりました。どうもありがとう」

928リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 23:08:01
>>927

「メリーはね、たくさんの『お友達』を作りたいの」

リトル・メリーは、明確な『使命』を授かって、この国に送り出された。
だが、結果的に役割を果たせず、その事を残念に思う気持ちがある。
だからこそ、数十年の時を経た今も、
『自らが生まれた意味』を全うしたいと考えているのだ。

『愛情』と『憎悪』が入り混じり、『歪な形』に変わってしまった後も。

「だから、ニケちゃんもメリーの『お友達』よ。
 これからも仲良くしてね」

        「ウフフフフフフフフフフフフフフ」

やや一方的ではあるが、言葉を交わした事で『友達』として認識されたらしい。
『友達』は『裏切らないもの』。
『友達を裏切る者』は『友達ではなくなる』。

         ゴソ

『ビザを兼ねたパスポート』を、大事そうにボンネットの中にしまった。

「メリーは、もう少しここにいるわ。
 『他の子』に会えるかもしれないから」

      ストン

「ニケちゃん――またメリーとお話してね」

ニケとは反対に、ソファーに座り直し、小さな手を振る。

  「『青い眼をしたお人形は』」

          「『アメリカ生まれのセルロイド』」

    「『日本の港へ着いた時』」

          「『いっぱい涙を浮かべてた』」

      「『わたしは言葉が分からない』」 

           「『迷子になったらなんとしよう』」

     「『優しい日本の嬢ちゃんよ』」 

         「 『仲良く遊んでやっとくれ』」

談話室を立ち去るであろうニケの後ろから、人形が口ずさむ『歌』が聞こえる。
『青い眼の人形』という童謡。
戦前に流行し、戦時中は『敵国の歌』として、歌う事を禁じられていた。
メリーは、この歌が好きだった。
おそらくは、ニケがいなくなった後も、その歌声は静かに続くのだろう――――。

929真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/31(金) 00:06:50
>>928

「種族人間じゃなくても……
 人間関係は『力』になりますからね。
 友達が多くて損は何もしないでしょうね」

       「こちらこそよろしくですの」

友達になるのに重い決意はいらず、
友達同士は力を貸し合える物だ。
得体の知れない存在であっても。

「『談話室』はおしゃべりの部屋ですからね。
 待ってれば出会いはあるかもしれません。
 わたくしも、ここでメリーさんを見かけたら、
 なるべく話しかけましょうかね。ええー、なるべく」

「それじゃあ、また」

そうして、カップを洗って元の位置に返すと、部屋を出て行った。

930御影憂『ナハトワハト』:2023/09/02(土) 07:09:34

学生寮――――談話室。

          「――――――………………」

白いロングワンピースの女が、床に這い蹲ってソファーの下を覗き込んでいる。
その前髪は異様に長く、顔の大部分を覆い隠してしまう程だ。
同じ寮生なら、姿を見た事があるかもしれない。

     女の傍らは『空っぽのケージ』が置かれている。

931御影憂『ナハトワハト』:2023/09/05(火) 11:41:11
>>930

    ゴソ………………

一通りの確認を終えて、おもむろに立ち上がる。

        カチャ………………

『ケージ』を持ち上げ、歩き去っていく。

            スタ スタ スタ………………

932甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2023/12/24(日) 12:28:10
12月24日 >>933の部屋
本日はここでクリスマスを過ごすようだ

自由の場が埋まってるからここを使っているだけで
別に学生じゃなくても良いし部屋じゃなくても自宅でも良い

933甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2023/12/25(月) 20:06:32
>>932
エッグノッグ、シャンメリー、コカコーラ等
みんなバラバラの飲み物を飲みながら話をする
クリスマスは何の映画を見るかについてだ

阿部マリア「だから、クリスマスはホームアローンだって言ってるじゃありせんの!!!」
クリス「ホームアローンは金曜ロードショーでやっただろ、ダイ・ハードを見るべきだよ」
マリア「クリスマスにダイ・ハードを見るべきなんて科学根拠はないだろうが!!!」
あま「ジングル・オール・ザ・ウェイでしょ」

意見もバラバラだが、食べるケーキは一緒だ
ネットで注文したケーキを開封するあま公達だったが…

マリア「おい、ケーキが崩壊してるじゃありませんのッッッ!!!」
クリス「うわぁ、これは酷い…」
マリア「どこの店に注文したんですの貴様ら!?」
クリス「高島屋…」

高島屋のぐちゃぐちゃのケーキを見てどうしたものかと悩んでいると

りん「こんな事もありうかと思って、作っておいたよ〜」
マリア「おぉ!気が利くじゃありませんのりの字!」
クリス「いや、それって…」

りんの作ったケーキをホール毎手掴みで食らうマリア

マリア「おぉうめぇ…う…」
マリア「うげ…げ…」

りん「あっ、ごめん」
クリス「やっぱり鈴蘭ケーキだったか…」

クリス「まぁ今はケーキを食べよう」

高島屋のストロベリーフリルショートケーキを食べるあま公達

りん「うん、ちゃんと美味しいね」
クリス「まぁ食えなくはない」

マリア「……」ピク ピク
あま「これは?」
クリス「後で病院に連れてこう」

           ★
            [~] ))
          (( [~~]
          [~~~~~]
  ∧__∧    [~~~~~~]
 (;`・ω・) [~~~~~~~~~]
 /    O━━━━━
 しーJ
               ミ ★
              ミ [~]
               [~~]
       アッ !  [~~~~]
  ∧__∧て  [~~~~~~~]
 ( ´ ゚ω゚) [~~~~~~~~~]
 /   O━━━━━
 しーJ

   ∧__∧ 
  ( ´・ω・) /~~ヾ
c(__U__U /~~~~ヾヽ★

              終
            制作・著作
            ━━━━━
             ⓃⒽⓀ

934雑賀 王城『候補生』:2024/05/25(土) 17:46:09

「―――――――さて、っと」
 

            ピンポーン


インターホンを鳴らし、入館する。
学生証を持っている事もあるので、
特に止められるようなことも無いだろう。

(『猿田君』の話では、ここに『魔法使い』か、
 その『関係者』…・・『者』? がいるらしいが。
 ま、早々都合よく見つかりはしないにせよ、だ)

       ザッ

(策無く町を歩き回るよりは見込みがあるからな。
 まァ、それでこの前上手くいったのはあるんだが)

『寮生』ではない生徒の出入りは、
珍しくはないとはいえ目立つものだ。

周囲を見渡している『雑賀』のような様子は特にだろう。
もっとも、声をかけられるためにそういう仕草をしているのではなく、
『魔法』らしき現象でもないか、という視線ではあるわけだが……

―――――――――――――――――――――――――――――――
●『魔法の呪文はおこのみで!』関連の活動です。
  対応いただける方は、以下の詳細を確認の上よろしくお願いいたします。

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1655987686/319

935一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2024/05/25(土) 23:18:03
>>934
「はーい」

中から出てきたのは涼しく刺すような玲瓏とした風貌のあどけない少年。透き通った肌は血管が薄く見えて、淡い青色に微かなエメラルドの反射が混じる瞳。
ウルフカットの白髪。総じて生命印刷コピーの失敗と言える奇妙な外見だ。
そして、その少年にどこか傲慢なところのある、明王様に似た顔つきの自尊心が強そうな強面の老人が殴り込むが…
全身に十字架の意匠があるスタンドに指一本で止められている。

「もうスタンドに関わるのはやめなさい!」

「いや、スタンド使いである限りは無理だよ。それ」

修羅場が発生していた。

936雑賀 王城『候補生』:2024/05/26(日) 00:29:30
>>935

       「はッ!?」

(……おいおいおいおいおい、どうなってるんだ?
 いや、本当にどうなってるんだ!?
 親子喧嘩……ッてことでいいんだろうし、
 こんな所でそれはそれでどうかと思うがッ)

        (『スタンド』!
         間違いなく『魔法』だッ)


「…………………あ、ああ、どうも。
 開けてくれてありがとうございます。
 しかしまァ、その。まずい時にお邪魔しましたかね」

      フッ

内心の動揺を顔に出さない努力をしつつ、
インターホンに応じてくれた『少年』を見る。

(白い肌だ。『アルビノ』か。
 こーゆー感想も失礼に当たるんだろうが、
 個人的には…………)

「なんでって、何せ……ぼくも。
 『スタンド』に関わろうとする人間なものだから」

           (『美しい』ものだな。
            おかしな意味じゃあなく)


『あえて』修羅場に飛び込むことにした。
これを避けて『魔法使いを探す』というのは、
あまりにも『逃げ』の姿勢といえる。
成功者は『君子』であってもいいだろうが、
これから掴む成功は『虎穴』の中にあるものだ。

「それ……『十字架』のそれが、貴方のスタンドですか?」

光景を見たら『そりゃそう』なのだが、
『雑賀』の口調にはあまり『確信』がない。
『人型スタンド』を見た経験がまだ無いからだ。

いずれにせよ……『殴りかかられる』くらいの覚悟はしたつもりだ。

937一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2024/05/26(日) 01:10:02
>>936
彼の父親らしき人物は必死に殴り掛かるが近距離型……それも相当、高い精密動作性とパワーを兼ね備えたスタンドに指一つで押さえられている。

「あ、アンタもスタンド使いなのか! 頼む!
 この子をスタンド絡みの事件に巻き込まんでくれッ!!」

だが、スタンドを発現するアルビノの少年は諦観を滲ませながらあしらう。
これがスタンド使いと非スタンド使いの差だと言わんばかりに。

「私は二十人も人を斬ってきた。スタンド使いとスタンド使いは
 引かれ合う宿命。スタンド使いにとっての呪い」

「この間の事件で学んだんだ。街のために命を使うと…」

少年のスタンドが老人の頭に触れると彼は項垂れ身体全体の力が抜けて倒れてしまった。
一般人には修羅場だが能力まで見れるという好奇!
上手く少年を丸め込めば…?

「お騒がせしてすいません。中一の一抹貞世というものです」

「見えてる…? 私の『ディヴァイン・インダルジェンスが…?』」

「あぁ、これは義父が私を心配してのものですから。
 ちょっと『鎮静』しているだけです」

相当な修羅場を経験しているのか、フレンドリーなのか…
意図せずに『スタンド名』とスタンド能力について情報が知れた!

938雑賀 王城『候補生』:2024/05/26(日) 01:44:15
>>937

「…………いいや、残念なことに。
 ぼくはスタンドを『使えない』状態でしてね。
 『見えるだけ』なんです。だから『止められない』」

       (…‥呪い、命、か。
        この年で随分な話だが、
        『志』に年は関係はないか)

「『スタンド使い』は『スタンド使い』でしか。
 ……だからこそ、宿命と言われるのでしょう。
 貴方の懸念は、恐れはもっともです。
 ですが『自分がやらなきゃいけない』と、
 そう思う気持ちの方が…………ぼくは強く分かる」

倒れゆく『父親』らしき男に視線を向け、
可能であれば崩れ落ちるその身を支え、
倒れても問題がなさそうな場所に横たえる。

間に合わない可能性の方が高いだろうし、
体躯に恵まれ、それなりに鍛えた雑賀でも、
相当に手こずるのは間違いないだろうけど。

「『高三』の『雑賀 王城』だ。よろしく。
 それで……あー、お父君は問題ないのか?
 『鎮静』って言い方からするに、
 問題無いッてことなんだろうが」

     ディヴァイン・インダルジェンス
      (『神与贖宥状』とはな……
       『そのもの』のような名付けだ)

                チラ

「相当手慣れてるようだね。『スタンド』の使い方ッてやつに」

『事件』というワードや、彼の父の様子から、
『修羅場』……『一抹』にとってのそれは、こんな次元じゃあないと分かる。

939一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2024/05/26(日) 02:21:59
>>938
「スタンドが見えるのに使えない…?
 そんな状態が…知らなかったです…」

「あぁ、これはですね。私のスタンドは『悪感情』を『鎮静』する
 のですがーーーーその先の『安息』という能力です」

「対象の精神を『完全安息』にする。完全安息の対象は痛みや苦しみを忘れ、また、ありとあらゆる感情が抑制され、さながら起きながら眠っている状態となるんです」

彼の義父はスタンドが頭を鷲掴みにして立たせている。
この一抹貞世という少年は二十人も人を斬ったという。
しかし、雑賀に相対する一抹は物腰の柔らかい少年だ。
それに彼のスタンドには『刃物』など一切無い。
この『ディヴァイン・インダルジェンス』にはまだ『何か』ある。

「いや、スタンド使いはスタンド使いでしか倒せないけど…
 まるで『引力』でも働いてるように引かれ合うんです」

「そう、私と貴方が偶然にも出会ったように
 これを知らないとは…もしや、スタンド使い歴は長くない…?」

何だかスタンド使いを珍しいものでも見るような雑賀に違和感を覚えた。
何も知らないならある程度の知識は教えねば…

「はっきり言って『インダルジェンス』は戦闘向けじゃないし、
 能力もサポートと言うには中途半端」

「それでも私は戦ってきました。この『慈悲の刃』で」

『インダルジェンス』の手の甲から『20cm』の長さの刃が音もなく突き出た。
何も知らなければ突き刺され手足を斬り刻まれるだろう。

「刃の傷は『無痛』で耐久性も大したことない隠し刃です」

「ところで『アリーナ』『エクリプス』『供与者』という
 言葉に聞き覚えは…?」

940雑賀 王城『候補生』:2024/05/26(日) 03:21:49
>>939

「なるほど……そりゃあ、すごい能力だな。
 ん? ああ、そうだ。これは相当『特別な状態』でね。
 ぼくも、ぼく以外で『こう』なヤツはほぼ知らないな。
 もっともスタンド使い自体もほぼ知らないんだが……
 学園とは逆で、君はぼくの頼もしい『先輩分』というわけだ」

『スタンド』について語ってくれる一抹に対して、
雑賀は特に嘘偽りのない言葉を返していく。

「あァ確かに――――スタンドが見えるようになってから、
 急激に何人ものスタンド使いに会うようになった。
 『気づいてなかっただけ』とする事も出来るだろうが、
 より自然なのは『引き合ってる』って解釈のほうだ。
 ついでに、より『イカしてる』解釈でもあるだろうな。
 『引力』……詩的な言い方だな。嫌いじゃあない」

       フフッ

「そうなると、ぼくら一人一人が『星』のようなものか」

その反応から、一抹はこの貴公子然とした先輩が、
スタンドについては素人同然なのはますます見抜けるだろう。

「『慈悲の刃』ね……」

         (戦いに向かない……物は言いようだな。
          確かに『戦闘向け能力』じゃあないが、
          この武器! そしてメンタルケア。
          『戦場』にいればどれだけでも活躍するだろう。
          ……恐らくこの彼の『戦いぶり』もあってな)

「なるほど、そりゃあたいそう慈悲深い性質だ。
 いや、教えてくれてありがとう」

『ディヴァイン・インダルジェンス』については、
これまでに得たスタンドの情報よりも数段『深く』理解できた。
彼から感じる『戦闘経験』への自負と共に、内心畏怖を覚える。

「……いいや、どれもいまいち聞きなじみはないな?
 少なくとも『そう』名乗ってる人間には会ったことがない。
 ああ、『道具屋』とかいうのは聞いたことはあるが……
 不勉強で悪いんだが、もしよければ教えてくれないか、『先輩』?」

941一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2024/05/26(日) 05:04:39
>>940
「そうかな? でも、様々なスタンドを見てきたけど『精神干渉』に
 関するスタンドは『インダルジェンス』しか居なかったです」

「この『引力』がまた恐ろしいもので『供与者』と親善試合で
 手足雑巾絞りにされるわ、夢の世界でスタンド殺人鬼たちの
 野望を阻止に行ったら毒だのバジリスク操るスタンド使いに
 顔面陥没やら刺されたりして…」

「友達の助けに行ったら『エクリプス』最盛期の幹部が悪霊に
 なってて、片方はウィンクで束縛したり瞬間移動してスタンドが
 純粋に強いわ、私が相手したのも槍が止まらない限りは全てを
 弾く意味不明な強さのスタンド使いで腹を刺され…」

「他にも色々ありますが省略しましょう…
 スタンド使いになるということは一年中死ぬ目に遭う。
 これは呪いです。あなたが本格的にスタンド使いになれば…」

この一抹という少年。嘘でなければ全身に怪我を負わない場所が無いほどの修羅場にぶち込まれている。
雑賀もスタンド使いになれば一抹の如く死ぬような目に…?

「あと、えっと、この街にはスタンドを与える『音仙』『欲の部屋』
 というスタンドを一般人に与える三人のスタンド使いがいます」

「この街にはかつて『エクリプス』という悪逆の限りを尽くした
 スタンド犯罪集団がいて、この街の裏を取り仕切る『アリーナ』
 の逆鱗に触れとんでもない大戦が起きたようです」

「『エクリプス』構成員は皆殺しにされたようですが『悪霊化』や
 裏でこっそりと生き残ってる残党も少なくないとか…」

「『アリーナ』は基本的に裏社会に何かしたり金にならないことは
 しないようです。治安維持は最低限しますが金のためです。
 普段は裏闘技場というもので稼いでますね」

「一方で『供与者』たちは手に負えないのか『アリーナ』は無干渉
 『道具屋』『欲の部屋』。彼らと戦いましたがスタンドを自由自在に
 取っ替え引っ替え使うトンデモない方々でした」

「さて、『アリーナ』も一枚岩ではありません。私が知る限りは3つ
 『エクリプス』を狩りまくり影響力と鉄火場度合いでは一番の
 『タダヒト』派。あっ、連絡先ありますよ」

「一時期悪しきスタンドに憑かれた私を保護した『フーヴィアン派』」

「最後は『アリーナのド底辺』にして汚点、『最中派』
 負けた女性ランカーを凌辱するカスでクソみてぇな派閥です」

「石柱をぶん投げる相手と戦って勝利!!
 と、思ったらいつの間にか私が『最中派』所属にされていたのです」

「と、この街の歴史はこんなものでしょうか?
 不安なら信頼できるスタンド使いの連絡先を教えましょうか?」

この小さな身体でどれだけの体験をしたらそんな知識を得られるのかというほど街の裏事情を語った一抹。
二十人斬ったというのも本当かもしれない…?

942雑賀 王城『候補生』:2024/05/26(日) 13:06:06
>>941

『一抹』からの丁寧な説明を、
細かく相槌を挟みつつ聞いていた『雑賀』。

      「…………………なるほどなァ」

(『作り話』…………にしちゃあ『精巧』すぎる。
 後々どこかで裏をとる必要はあるだろうが、
 全く……『魔法』の世界も一筋縄じゃあいかないな)

「あー、なんだ。まずは礼を言わせてくれ。
 多分だが手慣れたスタンド使いの中でだって、
 ここまで色々知ってるヤツは多くないだろう。
 修羅場に突っ込まないと知り得ない話もあるし……
 そこで得た『コネクション』もあるわけだからな」

この『一抹』少年は、相当『深い所』にいるようだ。
少なくとも『猿田』や『エリー』とは少し違う。
彼らが『至らない』というわけではないのも、
彼ら自身の『スタンドへの慣れ』から伺える。
『一抹貞世』が、ある種の『特異点』なのだろう、と。
  
     (『二十人斬り』……
      それも『イメージ』じゃあなさそうだ。
      だが同時に随分世話焼きなヤツでもある。
      危なっかしい……と取ることも出来るな)

「深く聞きたいところは色々あるわけだが……
 一つだけ宣言させてもらうとすれば、
 『呪い』は当然、試練として受け入れるつもりだ。
 ぼくは『スタンド』を使って成したいことがある。
 あぁ、もちろん進んで他人と争う気はないんだが……
 そういう機会が来ることは、元々織り込み済みだ」

      「『体験』していない以上は、
       泣いて後悔するかもしれないが……
       泣きながらでも進みたい道がある」

『一抹』の心配にだけは、返答をしておく。

「連絡先は……ありがたい申し出じゃああるわけだが、
 そうだな、一旦『一抹君』の連絡先だけを教えてくれないか?
 コミュニティに加わるのは、ぼくが『一人前』になってからで遅くはない」

     (……『魔法集め』にはうってつけだが、
      広げ過ぎるリスクもあるからな……
      例えばその中に『美作くるみ』や、
      『朝山』がいたとしたら妙なことになる。
      ……強く勧めてくれるなら、断れはしないが)

「今のぼくは、ギブは出来てもテイクが出来ないから、ね」

それから、連絡先交換のありがたい話にもだ。
スタンド使いを大量に知ることが出来れば『試験』において有利だが、
『未知のリスク』を大量に背負うことになるだろう。

もっとも、固辞するほど危惧しているわけではないのだが……

943一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2024/05/26(日) 15:11:01
>>942
「雑賀先輩って『器』が大きいですね。
 スタンド使いの世界は一期一会で殺し合いは当たり前」

「最悪の場合は事件に巻き込まれます。その覚悟ができている…
 スタンド使いの才能がありますよ!」

毎年のように命の危機に瀕するスタンド使いからの後押し。
瞳の色も変でアルビノ。さらに両親がおらずキリスト教徒であることもあってずっと虐げられた一抹はそれでも人が好きだ。
短い会話で有ったが一抹は雑賀がスタンド犯罪者にならないと信用したのだ。

「スタンドを使ってしたいこと…?
 スタンドは本体の願いや衝動がカタチになるものです」

「親無しでアルビノな上でキリスト教徒の私は生まれてから毎日が
 『地獄』でした。『安静』も『安息』も与えたかったんじゃない
 私自身が自分に欲しかったから芽生えたスタンド能力」

「雑賀さんはどんな能力が芽生えるかな?」

スタンド使いは星だ。願いの数だけ力が生まれる。
彼がスタンドを得て生きていくことを先に生きた自分が手伝うのは
当たり前のことだ。
宗像さん、夢見ヶ崎先輩、夕立先輩、小林先輩、七篠先輩、ヤジさん…
色々なスタンド使いの人々のお陰で今がある。
ならば、自分もそうあるべきだ。

「じゃあ、私の連絡先をピピッと! 送信です!」

「スタンド使いになってから凶事も来ますが思うんです。
 スタンド使いが集まるのは生き残るためなんじゃないか?
 だから助け合うのは当然なんじゃないかな、って!」

「なので! 私が今年の夏に死に瀕したら助けてください!」

944雑賀 王城『候補生』:2024/05/26(日) 17:17:36
>>943

「嬉しい褒め言葉を使ってくれるじゃないか。
 ま、ぼくの覚悟なんてのは『まだ』机上のものだ。
 あるいは…‥スタンドが使えるようになった時、
 その形をもって『器』が証明されるのかもな」

『魔法』を心が描くというのであれば、
『コヤシキコヤネ』の心象世界はどのような物だろう?
『エリー』のそれは、納得がいくものだった。
あながち的外れな法則という事もないように思える。

「それと……君の過去にかけてやれる言葉はないし、
 別にそんなのを求めてもないのだろうけど、
 それを経て今、ここに立つ君には敬意を払おう」

『生まれついての罪』と『環境が定義する悪』。
それに巻き込まれて不幸になる人間を救うには、
『システム』そのものを変えなくてはならない。
『王』とはつまり、そういうものだ。

「連絡先、ありがとう。ぼくのも今送ったよ。
 ……夏か冬かに関わらず恩義は返すつもりだが、
 ま……戦える能力になるかはまだ分からないからな。
 場合によっては、後方支援役とさせてもらうよ」
      
            フッ

『返せない貸しを作る』ことはなるべく避けたいが、
『返せる貸し』であれば、返すに越したことはない。

「……ああ、そういえば。
 一抹君はこの寮に『動く人形』がいる、って噂を知ってるか?」

945一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2024/05/26(日) 19:25:03
>>944
「雑賀先輩は立派ですね! 私がスタンド使いになって掲げた目的
 それは私をクリスマスの真夜中に捨てた両親への復讐」

物腰の柔らかい一抹の瞳に殺意が見えた気が…しなくもない。
やはりどれだけ幼くとも背負った過去の業は隠せない。

「敬意なんてそんな! 自分は戦友たちのおこぼれにあずかった雑魚
 質の悪いスタンドに取り憑かれて仲間を斬るような外道…」

どうやらそのことがきっかけで病んでいるのか気落ちしている。
余程、後悔しているのか相当気が落ち込んでいる。

「動く『人形』…? えっ、なにそれは…? 玩具じゃなく…?」

「世の中には『死亡発動型』スタンドって悪霊みたいな独り歩き
 するスタンドが存在するから…まさか…!」

気落ちしていた一抹の顔が戦士のそれに変わる。

946雑賀 王城『候補生』:2024/05/26(日) 21:44:49
>>945

「…………………………………………そうか。
 賛同や推奨はしかねるが、理解はするよ。
 それが価値のない志と言える物はいないはずだ。   
 ぼくは君の過去を知らないから、
 励まし以上のことはしてやれないが、な」

『闇』らしきものを言葉の節々に感じる。
それだけではない。『闇から脱しようとする』意志も。

「だが、今でも信用できる人間の連絡先を持っている。
 つまりコミュニティの中にいるわけだ。
 その『仲間』が君のことを拒絶していない……
 それはそいつらが良いヤツらなのもあるだろうが、
 君の『人徳』ってやつもあるように思えるがね」

『一抹』は少し『喋りすぎている』ほどに話してくれる。
根源にあるものが決して明るいものではなくとも、
彼を『信頼』する人間がいる事になんら不思議はない。

「……ああ、それと、人形の件だが、
 あくまで『噂』を聞いただけなんだ。
 何か確証があって、って話じゃあないから、
 一旦警戒する必要は無い…………はずだ。多分な」

「もし気になるなら……ぼくはこの噂を『猿田君』から聞いた。
 ここに住んでるらしいし、機会があれば聞いてみたらどうだろう?」

『名前は出して良い』と言われている。
『懸念』の解消は、彼の方がまだしも王城よりは向いているはずだ。

947一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2024/05/26(日) 22:21:05
>>946
「今はですね、命を何度も救ってくれた戦友たちがいますから。
 それに私がスタンドに憑かれた時は真夏のクリスマスまで…」

「頼りになる宗像先輩、義兄の小林先輩、素敵な夢見ヶ崎先輩
 私のヒーローの鉄先輩、元気な朝山先輩、頼りない七篠先輩」

「そして、私の理想像の氷山先輩…
 私は戦友にだけは恵まれていますよ!」

彼等の名前を呼ぶ一抹は誇らしげだった。
それだけ彼等を信頼し、尊敬しているのだろう。

「『動く人形』については私も調べてみます。
 では、また会いましょう。スタンド使いになって!」

948雑賀 王城『候補生』:2024/05/27(月) 03:14:11
>>947

「そいつは素晴らしい事だ。…‥本当にな」

(『魔法使い』にも『組織』がある。
 そして『組織』に依らない『コミュニティ』もある。
 改めて、魔法使いになるのは単なる始まりだな。
 ……リアリティが得られた。俄然『燃える』)

並べられた名前はいずれも『知らない』か、
同名の知人はいても即座に結びつかない。
いつか確かめる機会もあるかもしれないが……

「『一抹君』に会えたのは幸運だった。
 改めて礼は言わせてほしい。
 それと……あー、いや。お父君の心配は不要かな」
 
         (相当に歪なものを感じはするが、
          この男の心配はもっともだし、
          一抹君の言い分も理解出来る。
          …………今は、まだ何もしてやれないな)

「必要なら帰り際にここの管理人(寮母か?)でも呼んでこよう。
 仲介してくれるかもしれないし……ま、不要なら無理にはしない」

『鷲掴みされる父親』に一瞬だけ視線を向け直すが、
『只者ではなさそう』な彼については、
事情もまた一筋縄ではいかないのだろうし、
軽々しく『なんとかする』などとは言えない。
すでに剣呑な時間は終わっている、というのもある。

「というわけだ。ぼくは今の話を聞いてやることが出来たから、
 そろそろお暇させてもらう事にする。
 …………スタンドが使えるようになったら、
 また、君には一つ挨拶に来させてくれ。……それじゃ、元気でな」

特別に引き止められないなら、『雑賀』はここから立ち去るだろう。
一抹が求めていた場合については、『責任のある大人』を呼んでから。


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