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【個】『アポロン・クリニックセンター』
340
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』
:2023/09/02(土) 22:56:26
>>338
美作は『スタンド使い』だが、
『戦い』に直面した事もなければ『負傷』した経験もない。
だから、スピーカーから流れてくる『診断結果』には、驚きを隠せなかった。
『戦闘能力が皆無』なのは理解しているとはいえ、
それを差し引いても『世界が違う』と感じる。
「ええ――――私が二人の事を聞いたのは、
彼らが『魔物事件の被害者』で、なおかつ『スタンド使いだから』です。
比較の為に『小林さんと同じようなケース』を確認したかったんですよ。
『大きな事件の中心人物』だった氷山さんと一抹さんなら、
もしかすると『重傷を負って運び込まれた記録』が、
『電子カルテ』の中に見つかるんじゃないかと思ったんですが…………」
美作の予想は『半分』当たった。
まず一抹は『両足欠損』。
時期的に見ても、『魔物事件』で負った怪我だろう。
そして、氷山は『複数の臓器の損傷及び消失と複数の肉体の部位の切除に外皮の消失』。
こちらは『魔物が退治された後』なので、おそらく『別の案件』だろう。
『笑美に聞いた日時』と照らし合わせれば、自ずと分かる。
しかし、一歩間違えれば命も落としかねない重態だ。
「笑美さん、気付きましたか?」
ピ ッ
「今、明らかに『おかしな部分』があったんです」
人差し指を立てながら、隣の笑美に『自らの考え』を語り始める。
「私の『支持者』が教えてくれた通り、
二人が酷い『重傷』だった事は間違いありません。
特に、氷山さんは『命に関わるレベルの患者』ですよ。
話を聞く限りだと、二人とも『旧病棟』で治してもらえたようですけど――――」
『おかしい』のは『二人が退院できた事』ではない。
・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・
「それ程の重傷者でさえ、最初は『新病棟』に入れられるんです」
『負傷の度合い』に関わらず、全ての患者は『新病棟』に収容される。
『旧病棟』に行くのは『その後』。
『例外』は一人だけ――――『小林丈』だ。
「『小林さんの記録』は『新病棟』に残っていませんでした。
つまり、『新病棟を経由せずに旧病棟に直行した』という推測が成り立ちます」
「でも、おかしいですよねぇ。
他の人は『新病棟に行ってから旧病棟に行く』のに、
どうして『小林さんだけ特別』なんでしょう?」
「一つだけ確かなのは、彼が病院に来たのは『治療が目的じゃなかった』って事です。
まぁ、治療も必要だったかもしれませんけど、
それは『一番の理由』じゃあなかったんです。
そうでないと『新病棟』で記録が見つからないなんて有り得ません」
「『何か特別な処置をされた』――――そう見るのが妥当でしょうね」
そこまで言い切ると、肩を竦めて大きく息を吐いた。
「…………私は『引き上げる』のも『アリ』だと思います。
少なくとも『大きな手掛かり』は掴めたんじゃないでしょうか?」
「それに…………『これ以上』は本当に『リスキー』になりそうですからね」
真剣な面持ちで笑美を見つめる。
美作としてもリスクの高い行動は避けたい。
この辺りが『潮時』だと思えた。
「でも、『ちょっと見に行く』くらいなら、
大したお咎めもないと思いますから、行くだけ行ってみますか」
――――――ガチャッ
苦笑しつつ車から降りて、『旧病棟』方面に歩き出す。
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