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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その1

1名無しさん:2016/01/18(月) 01:58:24
短編、単発のミッションなどにお使いください。
長編やシリーズものの予定でしたら、自分のスレで行うことをお勧めします。

588日下部『アット・セブンティーン』:2019/07/08(月) 23:40:02
>>587

日下部虹子について、前に見た時と大きく変わっていたのは髪の色だった。
なんでも『10万円貰えるから』と散財し、その際に染めたらしい。
バニラフレーバーのアイスクリームのような色で、匂いもそれに近かった。

「ね、ね、良次さ〜ん、着いたら『飲み物』とか出ると思う?」

          「自販機で何か買おうか、迷うんだけど〜」

    トコッ トコッ

日下部が歩くのは、門倉の少し後ろだ。
こいつは『門倉により生まれる日陰』に身を潜めて歩いている・・・

「『10万円』もくれるお家なんだし、
 『ペリエ』とか出してくれないかなあ〜」

「『ペリエ』・・・別に好きじゃないけど、お金持ちの家にありそうじゃなあい?」  

カバンから出した『冷感タオル』で顔を拭きつつ、周囲の家宅をせわしなく見まわして歩く。

「あ、それでね、確認なんだけど〜……その『依頼主』って『どういう人』なんだっけ?」

               「着く前に改めて聞かせてよ〜、良次さぁん」

『プロフィール』
17歳を自称し、実際それくらいの年齢に見える、欲深い少女。
目に見え、数値化できる『価値』にこそ人生の真理を見出しているようだ。

『能力詳細』
肉体内部に発現する何匹もの『ベニクラゲ』のヴィジョン。
本体の細胞と同化しており、負傷を『若返り』によって治療する。

『アット・セブンティーン』
破壊力:C スピード:C  射程距離:E
持続力:E 精密動作性:B〜C 成長性:B

●URL●
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/113

『持ち物』
スマートフォン、カバン。手に長めの冷感タオル。
カバンの中はハンカチやティッシュ、化粧ポーチ、メモ帳とペン。

『外見』
バニラホワイトの髪をボブヘアにしている。垂れ目気味で、童顔。体格は小柄。
服装も髪と同じく白を基調にしており、フリルの付いたマントブラウスが特徴的。
全体的に、どこか『カイコガ』を彷彿とさせる、名前に反して真っ白な姿の少女。

『エロとグロについてどう思う?』
18禁については、17歳なのでノーコメント。
(これは嘘。本当はエロは『目に見える愛』として理解を示し、グロにもおおむね抵抗は無い。『死』は忌避する)

589『注文の多い独居房』:2019/07/10(水) 00:02:16
>>588(日下部)

「『飲み物』ね………まあ、普通に考えれば出るんじゃあないかな。
 『ペリエ』―――おそらくあるだろう。おそらくね」

  『門倉』は曖昧に答えつつ、チラリと『日下部』を見やる。
  その髪の色の変化がやはり気にはなるらしい。
  郊外の『住宅街』は『高級住宅』とまではいかなかったが、
  一般的な一軒家が立ち並んでいる。

「そして、『依頼主』。
 そうか―――そうだね。
 じゃあ『依頼内容』を改めて伝えておこう。」

   『門倉』は『タブレットPC』を操作し、『情報』を『日下部』に伝える。

「依頼としては『引きこもりの男の子を外に出してほしい』という事。
 『依頼主』は『飛江田 伶子(ひえだ れいこ)』―――『引きこもりの子』の母親らしい。

 ひきこもり本人の名前は『飛江田 昌也(ひえだ しょうや)』、現在『17さい』。
 去年、高校に入ってすぐに『不登校』になり、今に至るというわけだ。

 同居する家族構成は父親・母親、兄、妹、そして当人―――」

   ここまで話す間に、二人は『自販機』の横を通り過ぎようとしている。
   何か買っておくなら今のタイミングか。

590日下部『アット・セブンティーン』:2019/07/10(水) 01:16:24
>>589

「良次さん、黒は『熱』を吸収するんだよ? 知ってる?」
「でねえ、白はその逆の色だからきっと『夏』に向いてる」
「そう思うんだよね〜」

           ニコッ 

知性に欠ける発言をしつつ髪をかき上げる日下部。
ともあれ、説明に耳を傾けてはいて、時折相槌を挟む。

「ふ〜ん、これで『ヒエダ』って読むの〜?」
「『同年代』だけど・・・」「知った名前じゃないね」
「『不登校』の『引きこもり』くんか〜〜〜」

「ねえ、ねえ、その家族たちはこの時間、家にいるのかなぁ」
「お母さんは、いるんだろうけど」「その辺の事情は聞いてる〜?」

「っと、自販機自販機〜」

自販機に向かい、『缶ジュース』を2本ほど買っておく。

「飲み物出るとしても〜、今暑いしやっぱ買っとこう」
「良次さん、私ね、『10万円』もらえるから1本奢ってあげてもいいよぉ」

591『注文の多い独居房』:2019/07/11(木) 22:46:45
>>590(日下部)
「なるほど……だから本日は『白』を基調としているってわけかい?
 じゃあ『冬』になったらカラスみたいな『黒一色』に?
 いやまあ、それも面白いけどね―――」

  『門倉』は『日下部』の言葉に応じていく。

「今日は『日曜日』だから子供たちは居るんじゃないかな。
 父親は………仕事が忙しいとの事だから、居ないかもしれないが」

 多分に推測を交えた『門倉』の返答。
 『情報』にはそこまで細かい特記はないようだ。
  ちなみに今は、午後四時少し前、天気は晴れ。

 ………

自販機で『缶ジュース』を二本買っておく『日下部』。

 「いいのかい? むしろ俺がおごろうか?」

『日下部』が買ってしまってから、『門倉』がそんな事を言い出す。

592日下部『アット・セブンティーン』:2019/07/12(金) 16:17:19
>>591

「あとはね、私、『白』がなじむんだよねえ」
「んふふ、似合うでしょ」「似合うよね〜」

         ゴソッ

「髪まで白くするのは初めてだけど」
「『新しい私デビュー』って感じかなあ」
「そうだね、冬になる頃にはまた違う色にするかもね」

缶ジュースの片方をカバンに入れて。

「なるほどね〜。『仕事が忙しい』のはしょうがないよねえ」
「日曜にお仕事……『休日出勤』っていうやつか」「そういう仕事なのか」
「まあ、これ以上は実際見てみないと分かんないかな」

門倉に押し付けるようにしてもう1本を渡す。笑いながら。

「ね、良次さん、このお仕事終わったらねぇ。ご飯奢ってよ」

        「超安いのでもいいからさ」    「それでお返しにして〜」

そろそろ到着するだろうか――らしき家が見えたら髪や服のしわを直す。

593『注文の多い独居房』:2019/07/17(水) 00:00:06
>>592(日下部)
「ご飯―――いいね! 実にいい!
 むしろこっちからお願いしたいくらいだよ。

 少し気の乗らない仕事だったが、
  終わった後のお楽しみが出来たな―――」

『門倉』もまたジュースをビジネスバッグにしまい込みながらそんな事を述べる。

 「そして………だ。
     たぶん、アレが目当ての家だね」

ほどなくして、『門倉』がそう告げる。

このあたりは『建売住宅』というヤツだろうか、
同じような一軒家がズラリと軒を連ねている。
『門倉』はそのうちの一軒を指している。
少し遠目からだが『飛江田』という表札が掲げられているのが見えた。

二階建てで、少し細めの、どこにでもありそうな家―――

594日下部『アット・セブンティーン』:2019/07/17(水) 01:35:03
>>593

「私はね〜、『10万円』も楽しみだし」
「ご飯も楽しみだしさ〜」
「全部楽しみだよ」「あるものは全部ね」

       キョロッ
             キョロッ

「ふ〜〜〜んほんとだ、『飛江田(ヒエダ)』って書いてるねえ」

なるほど、何処にでもありそうな家だ。
窓が割れてるとか、そうした異常もないだろうか。
もちろん、『原因』があっても外からは見えないようにするだろうけども。

「良次さぁん、家の周り見て回ってもいい?」
「それともお呼ばれしてる時間にけっこうぎりぎりだったりする〜?」

窓の位置なども調べておきたいので、許可が出れば家の外周を一回りしたい。
昼間からカーテンを閉めている窓などあれば、特に記憶しておきたいのだ。
塀などでそれが出来ない並び方をしているなら、色々な角度から見るだけにとどめておく。

595『注文の多い独居房』:2019/11/13(水) 19:34:50

―――当ミッションは『打ち切り』―――

   以下、ご自由にお使い下さい。

596『注文の多い独居房』:2019/11/13(水) 19:35:02

―――当ミッションは『打ち切り』―――

   以下、ご自由にお使い下さい。

597『注文の多い独居房』:2019/11/13(水) 19:35:53

―――当ミッションは『打ち切り』

       以下、ご自由にお使い下さい―――

598『火はなくとも煙る』:2020/05/06(水) 23:57:41

>中務PC


 清月学園。
 二年棟にて。


「……真相の究明。手伝ってもらえますか?」


 『見覚えのある同学年の生徒』が貴女のもとを訪れたのは、金曜日の昼休みのことだった。
 ここ数週間、学園を俄かに騒がせている『飲酒』騒動について、相談事があるという。

 何故、貴女を頼りにきたのか?
 そう尋ねると、『演劇部』に所属する知人から紹介された、と応えた。

 『脚本』に『大道具』、更には『舞台』に上がることもあるという、器用な部員―――『中務千尋』のことを。

 事実として、陰ながら頼りに思われているのか。
 或いは、単に厄介ごとを押し付けられたのか。
 知人とやらの名前を聞きそびれた貴女は、知る由もなかった。

「……今日の放課後。『図書室』で待っています。詳しい話は、そこで」


>白町PC


 清月学園。
 校門前にて。


「……真相の究明。手伝ってもらえますか?」


 『西洋人と思しきブロンド髪の生徒』が貴女のもとを訪れたのは、金曜日の早朝のことだった。
 ここ数週間、学園を俄かに騒がせている『飲酒』騒動について、相談があるという。

 何故、貴女を頼りにきたのか?
 理由を聞かずとも、その内容を聞けば察せるだろう。

 風紀委員会の奇人、是正の鬼。或いは――――『白町千律』。

 その噂に自覚的であるかどうかは、本人のみぞ知ることだ。
 ともあれ、その肩書を頼ってきたのであれば、用向きにもだいたい想像がつくというものだろう。

「……今日の放課後。『図書室』で待っています。詳しい話は、そこで」

599『火はなくとも煙る』:2020/05/07(木) 00:01:44

>両名


       キーン            カーン
              コーン             コーン・・・


 『放課後のチャイム』が鳴り響く中、貴女は『図書室』の前に佇んでいる。
 どうやら隣にいる『女生徒』も、似たような用件で呼び出されたらしい。

 『図書室』の入り口には、『利用禁止』の張り紙が貼られている。
 件の『飲酒』騒動があって以降、図書の貸出等は行われていないらしい。

 だが、扉の奥からは、人の気配が伝わってくる……。

 さっさと用件を済ませるため、足を踏み入れてもいいが……

       チラ

 袖振り合うも他生の縁。
 呼ばれたもの同士、軽く言葉を交わしてみてもいいのかもしれない。


----------

『告知スレッド』にて提示していた、【ミッション用 簡易プロフィール】の記入をお願いします。
また、ミッション開始前にPC同士の交流や挨拶などがあれば、どうぞ。

600白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/07(木) 21:31:08
>>598-599(GM)
>中務

 
              スゥ ― ・・・


その少女は――――張り紙を見て、大きな目をわずかに細めた。

「対応が早い。『素晴らしい』…………わたくし、感心です!」

                  ピッ

それから、指を『ドア』に向けた。
より正確に言えば、『ドアの奥の気配に』向けていた。

「こんにちは」

そして。

「あなたは、『風紀』や『生徒会』では見かけないお顔なのですが、
 わたくしと同じく……今回の『事件』の『是正』に携わる方ですね?
 なんて『素晴らしい』正義感なのでしょう……好きに、なれそうです」

言葉は、『女生徒』に――――『中務』に向けていた。 

「ああ……中で『待っている』ようですので、『手短』に自己紹介を。
 わたくし、『白町 千律(しろまち せんりつ)』は……『風紀委員』の、一人なのです」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

1、白町 千律(しろまち せんりつ) 【高3】/女
2、跳ね気味のショートカット。見開いたような大きな目。華奢な体躯。
  参考:ttps://download1.getuploader.com/g/hosimi_001/42/Siromachi.png
3、薄手のブランケット(羽織済み)、手帳ケースのスマホ、ハンカチ。

4、『YES』
5、『家庭の事情』で、飲まされた事がある。

601中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/07(木) 21:49:37
>>598-599
>>600

横目に隣の女生徒を見る。
なんとも言えない感覚だ。
確か風紀委員会の人間ではなかったか?
そうこうしているうちに自己紹介されて、こちらも言葉を返す。

「あぁ、どうも……」

「ボクは高等部二年、演劇部の中務千尋ッス」

なにやらヤバそうな雰囲気を感じる人間だ。
行動や言葉選びから微妙ににじみ出る感覚というのがある。

1、中務千尋、高二、女性
2、着崩していない学生服、眼鏡。
3、500mlペットボトル
4、yes
5、「子供の頃に親戚にジュースって言われて……(あとは酔った演技の勉強に)」

602『火はなくとも煙る』:2020/05/07(木) 23:04:22
>>600(白町)

 『図書委員会』による自粛か、それとも教師や経営陣による措置か。
 いずれにせよ、その対応の早さに感心しつつ、隣の女生徒にも丁寧に挨拶をする。

 眼鏡をかけた少女は、言葉少なに白町の挨拶に応じた。
 中務 千尋、という名らしい。


>>601(中務)

 記憶を辿る限り、『風紀委員』と思しき女生徒。
 扉の張り紙を見て、なにやら感じ入っている様子だ。
 警戒心を抱いている中務とは対照的に、どうやらこちらに好感を持って……いや、持ちかけている、らしい。

 やや跳ねている髪と、大きな瞳が印象的な少女だ。
 白町 千律、と名乗っている。


>両名


   セイゲーツ!!

           ファイ     ファイ      ファイ
              オッ      オッ       オッ・・・


 窓向かいの学校の外周を、ジャージ姿の部活生が走り込んでいる。
 先程までは大勢の生徒でごった返していた廊下も、今は疎らだ。

 『放課後』。校舎内から、少しずつ生徒の数が減っていく。
 『図書室』の扉の向こうには、相変わらず人の気配はあるが……物音は、ほとんどしない。
 まるで、二人が自ら扉を開けて、部屋に入ってくるのを待っているかのようだ。
 とはいえ、もし他に交わす言葉があれば、多少時間に遅れるくらいは許されるだろう。

603白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/08(金) 00:33:06
>>601(中務)
>>602(GM)

「演劇部、文化的ですね。素晴らしい!
 演劇とは『集団』によって成立する芸術。
 『個人技』を磨くのももちろん素敵ですが、
 わたくし、『個』より『集』が好きなのです。
 中務さん、どうぞ、よろしくお願いしますね」

             ニコ ォ

白町は、笑みを浮かべる。

「さて……」

それから、ドアに手を掛ける。

「それでは入りましょうか、中務さん。
 『是正』は、早ければ早いほど良いのですから」

『中務』さえよければ、図書室に入るつもりの動きだった。

604中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/08(金) 01:08:04
>>602
>>603

「あぁ……どうもっス……」

どうにもやりにくい。
ほんの少し言葉を交わしてみてそう思った。
距離感というか、なんというか。
中務千尋が相手をしてきたタイプとは違うズレ。

「はい、是正っスね」

それだ。
是正だ。
役割柄、中務は言葉に多少敏感だ。
隣の彼女は短期間に二度その言葉を発している。
口癖なのかなんなのか。
自然にその言葉を選んだのか?
それとも、意図的にそう言っているのか?

「入っちゃいましょうか……あんまり長引かせるのも悪いっスから」

中に入ろう。
少なくとも彼女は今回の件を解決するのに乗り気なのだから、早く乗ってもらおう。

605『火はなくとも煙る』:2020/05/08(金) 01:49:32
>>603(白町)

 中務に感じた好印象に笑みを浮かべ、ドアに手をかけた。
 彼女の反応は変わらないが、室内に入ることには同意のようだ。

>>604(中務)

 やりにくさを感じながらも、言葉を返す。
 と、白町がドアに手をかけた。中に入るつもりらしい彼女に追従する。


>両名

     ガラ   ラ  ラ ・・・


 『図書室』は、本来そうあるべき静寂を保っている。

 壁一面の本棚。
 一定の距離を保っている自習机。
 本を日焼けさせないためだろうか、カーテンの布地は分厚く、窓も他の教室と比べて小さい。
 木製の家具と、古い紙の匂い。苦手な人は苦手だろう。

 時計が針を刻む音、そして換気扇。それ以外には、何の音もしない。
 学園モノのドラマや、舞台セットなどで見るような、『一般的な学校の図書室』だ。

「…………」 チラ
                 パタ ン

 入口の真向かいにある貸出カウンターには、一人の女生徒が座っている。
 相談事を持ち掛けてきた、あの『金髪の西洋人』だ。

 『ハードカバーの書籍』を読んでいたようだが……

 二人の声と、扉を開けた音に気付いたのだろう。
 本を閉じ、顔を上げて視線を寄越している。

「……自分で頼んでおいて、なんだけれど」
「無視して帰っても、よかったでしょうに。人が好いのね、二人とも」

 ……皮肉めいた口ぶりだが、あざ笑うような色はない。
 むしろ、どこかホッとしたような表情だ。

 女生徒は貸出カウンターから出てくると、手近な椅子を二つ引っ張ってきて、その前に並べた。

「……どうぞ、腰かけてください。先ずは、『弁明』をしなくちゃ」
「例の、『飲酒』の騒動について……」

606白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/08(金) 03:35:56
>>604(中務)
>>605(GM)

『是正』――その言葉を確認するように、中務に頷き、入室する。

そして白町は図書室内を見渡す。
ここで『よからぬこと』が起きているとは、とても思えない光景。
そう思える環境は『図書委員』や教員の不断の努力で築かれ、
そして、今、不届き者によって脆くも破れようとしている。

――――『是正』を、しなくてはならない。それを確認する。

「安心なさい。『約束』は、守るものです。
 ――――お待たせを、いたしましたね。
 『風紀』の白町千律、『是正』に参りました」

                ペコリ …

「お気遣いをどうも。失礼、いたしますね」

        ストン

頭を下げて、椅子に座る。

「さて……委員会やせんせい方を通さず、
 『直接』わたくしを頼ったこと。『弁明』という言い方。
 なにか『やましい』思いが、あるのですね。
 風紀として耳に挟んではおりますが、
 図書室は『巻き込まれた側』でしょうに、
 なんという責任感なのでしょう……素晴らしい」

「ぜひ、お話しください。そうしたらわたくし、心して聞かせていただきます」

607中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/08(金) 10:45:54
>>605-606

(安心するなぁ……)

図書館にはよく来る方だ。
何かと世話になる場所だからこそ、今回の騒動の解決を引き受けたところもある。
この匂いこそは本を愛するものにとっての玉露の香り。
なんともかぐわしい。

「図書室閉鎖されてるとボクも困るので……どうも、演劇部の中務っス」

別に演劇部の部分は要らなかったな、と思った。
白町に引っ張られてしまったのだろう。
彼女は風紀委員なのだからそれを名乗るのは場に合っているのだ。
演劇は関係ない。
中務もまた、椅子に座る。

「弁明ってまたまた……」

「あー……何か落ち度でも?」

608『火はなくとも煙る』:2020/05/08(金) 21:04:42
>>606(白町)

 使命感に駆られながらも、恭しく頭を下げる。

「……『噂通り』ね。だからこそ、貴女を頼ったのだけれど」
「……そして、『図星』。先生方には、頼れない『事情』がある」

 女生徒は、やや緊張した面持ちだ。

 年上の風紀委員である貴女の前では、行儀よくしないといけない、と、気を張っているのか。
 或いは、年下だからといって舐められたくない、と、肩肘を張っているのか。
 いずれにしても、表情は硬い。

「……でも、あまり褒められたものではないんです。
 責任感というよりも、もっと『個人的な』感情だから」

「……それに、どちらかというと。
 私が、貴女たちを『巻き込んでいる』。
 それについては、申し訳ない、と思っているわ」


>>607(中務)

 慣れ親しんだ匂いに、気を解す。
 同学年と思しき『図書委員』の女生徒は、貴女の顔を一瞥した。

「中務さん、って名前だったのね。
 カウンター越しによく顔を見かけてはいたのだけれど」

 中務としても、貸出カウンターにいる彼女を、もしかしたら見かけたことがあるかもしれない。

「『落ち度』……どうかしら。
 私は、『図書委員』の落ち度だとは思っていないわ」

「責任逃れの『言い訳』、というよりも……そうね。『無実の証明』がしたい、というコト」


>両名

「……エヴァレット・ローレンス。二年、図書委員」
「もう知っているかもしれないけれど、一応。『礼儀』は大事よね」

 二人の自己紹介に応じるように、女生徒も名前を明かす。
 『ハードカバーの書籍』を机の片隅にずらすと、エヴァレットは居住まいを正した。

 ちら、と、入り口付近の掛け時計に視線を送る。

 高等部の三人は、今日は六限目の授業を終えての放課となった。
 現在、時刻は『15:47』。
 夕方というには、やや早いだろうか。

「……先ずは『飲酒』騒動について、事実を共有するわね。
 特に、『風紀委員』の白町さんは、詳細までご存知かもしれないけれど……」

 物語を読み聞かせるように、とつり、と、語り始める……。

609『火はなくとも煙る』:2020/05/08(金) 21:09:38

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 およそ、一か月ほど前。

 私立清月学園の高等部に通う一人の男子生徒に、謹慎処分が下された。
 学園の敷地内で、「未成年飲酒を行った」という疑いがあるためだ。


 時間帯は、『金曜日の放課後』。

 『千鳥足』で廊下をふらついていたところを、通りかかった教師に発見されている。
 教師曰く、顔は『赤らんでおり』、『呂律』も回っておらず、相当な『アルコール臭』もしていたが……
 当人は、飲酒の疑いをかけられて、相当に動揺していたという。


 その翌週、やはり『金曜日の放課後』。

 同じような時間帯に、未成年飲酒を行ったと思しき女生徒が現れた。
 彼女の場合は、急激な『体調不良』を訴え、保健室に駆け込んできたとのこと。

 『激しい動悸』や『吐き気』を訴えており、自力で立つことも難しいほど。
 やはり『アルコール臭』がひどく、傍目に見ても、明らかに『泥酔』していたが……
 飲酒の疑いをかけられると、取り乱し、泣きわめいて否定したそうだ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…………それから、同じような『騒動』が立て続けに起きたの。
 最初は、その生徒個々人の問題だと思われていたみたい。
 けれども、何度も続いてしまったせいで、学園の偉い人がカンカンに怒ったみたいで……」

「……先生方も、最初の頃は、他の生徒への注意に留めていただけだったんだけど。
 これ以上の再発は防がなきゃいけない、というので、対策のために色々と動いているみたい」


 ……二人は、今週のホームルームが、普段よりも長かったことを思い出した。

 もし、教師の話を真剣に聞いていたのであれば……
 『飲酒』という具体的な単語や、謹慎処分を受けた生徒の話は避けていたものの、
 未成年の犯罪リスクに関する話や、素行についての説教をしていたことも、覚えているだろう。


「……ここまでが、『事実』ね」

「PTAの会報なんかには、しっかり載っているわ。
 騒ぎにならないように、生徒にはあまり知らされていないけれど……
 『風紀委員会』では、既に問題になっているかもしれないし、
 情報通の生徒が近くにいれば、詳しく知っていたかもしれないわね」


「……一息に話してしまったけれど。分かりにくい説明や、不明な部分はあったかしら?」  チラ

 エヴァレットは、『時計』を気にしている……。

610白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/08(金) 23:40:18
>>607(中務)
>>608-609(GM)

「『礼節』と『礼儀』は『社会』を円滑にするのです。
 それを弁えていらっしゃるあなたは『素晴らしい』
 わたくし、そういった『心遣い』が好きです。
 どうか『自罰』し過ぎず……そして包み隠さず話しなさい」

         パサ

緊張する様子と、『申し訳ない』という言葉。
羽織っていたブランケットを膝掛にしつつ、
そのように言葉を返した白町は静かに話を聞く。

「……成る程」

そして一通りを聴き終えると、小さく頷いた。

「『エヴァレット』さん、お話ありがとうございます」

               ペコリ
 
「それにしても、なんて、お話がお上手なのでしょう。
 『噂』はもとより、『先生の話』以上に『要点』が掴めました。
 やっぱり『本』を読んでいると、『語彙』が増すのでしょうね。
 ふふ……わたくし、すっかり聞き入ってしまいました」
 
「もちろん『完璧』ではありません!
 ですがそこは、『是正』すればいいのです」

             ピッ

そして、手を挙げた――――『挙手制』ではないのだが。

「話していただきたいのは『同じような騒動』について、なのですよ。
 それもまた『金曜日の放課後』……あるいは、『16時以降』でしたか?」

611中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/08(金) 23:49:39
>>608-609

「はぁ、なるほどっスね……」

そう呟く。
まぁなんとも不思議な話だ。
何がどうなってそうなったのか気になるところである。
また、弁明という言葉の意味も理解した。

「……」

質問はひとまず白町に任せる。
彼女が時計を見ていたし、自分もそこが気になるところだったからだ。

612『火はなくとも煙る』:2020/05/09(土) 18:42:35
>>610(白町)

「……あまり、褒められたものでは、ないです」

 白町の褒め殺しに、エヴァレットの頬がじわりと赤くなる。
 居心地悪そうに視線を泳がせていたが――――

「……そんなに、分かりやすかったかしら。
 それとも清月の『風紀委員』は、そんなところまで把握しているモノなの?」

 手を挙げて推論を述べた白町に、目を丸くする。

「……ええ、ご名答。いずれも、『金曜日の放課後』に起きている」
「時間については、……そうね。もう少し後で、説明をさせて」


>両名

「……ここからは、虚実の入り混じった『噂』。その境界線がどこにあるのか、私には分からない」

 時刻は、『15:49』。

 分針が進むたび、エヴァレットの表情に焦りが浮かぶ。
 まるで、『時間制限』でも設けられているかのように。

「……けれど、私だけが知っている情報もある。
 そして、私はソレが、『弁明』をするための『鍵』だと思っている」

「……『図書室』が『利用禁止』になったのには、理由があるの」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 『飲酒』騒動には、奇妙な点がいくつかあった。

 その一。

 『飲酒』疑惑の学生たちが摂取したと思しき、『アルコール飲料』の痕跡が見つかっていない。
 校内の『ゴミ箱』や敷地周辺を探しても、空き缶のひとつさえ出てこなかったという。

 このため、彼らに下された処罰は、『退学』や『停学』といった公的な罰則ではなく……
 あくまで素行不良による『謹慎』として、その内容には触れずに留まっている。
 明確な証拠がないため、警察沙汰などにもなっていない。この辺りは、私立校の閉鎖体質だ。

 その二。

 『飲酒』疑惑の学生たちは、いずれも放課後に『図書室』を利用していた。
 うち二人は『図書室』の中、それも自習席で、酩酊状態にまで陥っていたという。

 ……もしも、これが『連続した類似の事件』でなかったならば。
 それは『偶然』だとか『見落とし』といった言葉で、片付けられてしまっただろう。
 しかし、並列に揃えたことで、『共通点』というひとつの繋がりとなってしまった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

613『火はなくとも煙る』:2020/05/09(土) 18:44:19
>両名


「……先生方のうち何名かは、『図書委員会』の怠慢だ、と思っている」


     たかが、学校の委員会。
     そうやって侮って、手を抜いていたのではないか。

     もし、真剣にやっていたのなら。
     図書室内で、生徒が酒を飲んで悪ふざけをしていたのに、気付けたのではないか。
     気付いていれば、未然に防ぐことも出来たのではないか。


「……、的外れだとは言わないわ。でも、よほど自分たちが責任を被るのが、怖いみたいで」

 エヴァレットは、わざとらしく、大きな溜息を吐いた。
 平静を装って見えるが、言葉の端々が震えている。

「……むしろ、『図書室』こそが事件の温床だ、と睨んでいる先生もいるの。
 『利用禁止』になっているのは、そういうコト。
 担当をしていた生徒が、……彼らに、手を貸していたんじゃあないか、って」

「……そして、金曜日は、私が当番だった」

 その瞳には、暗い炎が宿っている。
 雪辱。その感情を薪木として燃える、粘性の炎だ。

「……『イギリス人は日本人と比べて、真面目に仕事をしない』んですって」

「……私は、日本生まれじゃあないし、日本の人々の勤労精神は、心から尊敬している」

「問題を解決するために、疑わしくなってしまう気持ちだって、理解しているつもり」

「…………でも。犯してもいない罪の汚名を被せられるのは。とても、悔しい」

 ふと、エヴァレットが時計を見上げる。
 時刻は、『15:51』。

「…………ごめんなさい。少し、感情が乗ってしまった。
 どうでもいいコトね、少なくとも、今は。
 大事なのは、『16時ちょうど』に何が起きるかと……私が、犯人の目星がついているということ」

「あと少しだけ、説明が続くわ。長くなってしまったけれど、今のうちに確認しておきたいところはある?」

614白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/10(日) 01:54:16
>>611(中務)
>>612-613(GM)

「褒め過ぎてしまいましたか。わたくし自制しますね」

泳ぐ視線に、笑みを僅かに抑え、挙げた手を降ろす。

「わたくし、『完璧』ですので。
 すべての風紀委員がわたくしのようではないのです。
 もちろん、そうなれば、いいのですけど」

それは『良くない』気はするが……
白町にはそれくらいの自負がある、のだろう。

「さて、お話の続き、お聞きしましょう。
 わたくし、褒め過ぎないようにしますが、
 内心は褒めてますので、『機嫌を損ねた』わけではないです」

両の手を膝の上に置いて、
再びエヴァレットの話に聞き入る。
そうして、『確認』を取られたときに改めて口を開いた。

「そのような『濡れ衣』は『是正』すべきですね。
 『文化』の違いは事実としてあっても、
 『人種』の違いだけで物事を決めるのは、 
 わたくし、とても、間違っていると思うのです。
 日本人とて、『さぼり』に走る者も多いですし……」

「『中国人』『インド人』『アメリカ人』『インドネシア人』
 『パキスタン人』『ブラジル人』『バングラデシュ人』
 『ロシア人』『メキシコ人』……勿論『日本人』も『イギリス人』も、
 『人類』は、77億皆等しく、『是正』するべき存在なのです!」

やや熱の入った口調だった。
自覚があるのか、少女は次の句の前に呼吸を挟む。

「『説明』を続けなさい。確認する事は、今は無いです。
 それと……わたくしは、あなたの『感情』、好ましく思っています」

褒め殺しを控えてはいても、白町は付け加えるように、エヴァレットを『肯定』する。

615中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/10(日) 20:46:01
>>613-614

(やっぱりこの人、ヤバいって……)

白町の言葉に絶句していた。
七十七億総是正だ。
褒め殺しするほどの肯定感を持ちながら、同時に全てを是正する感覚を持つ。
彼女の中でどういうバランスが生まれているのかが中務には分からなかった。

「ボクも特には……」

「ていうか、その、もしかして……ここに酔っ払った生徒が来る、とか思ってるっスか……? なんて」

彼女が時計を見ているのを確認してそう呟いた。
いや、まさか。
だってここは立ち入り禁止の場所なのだから。

「ま、まぁ……続けてくださいっス」

犯人に目星がついているらしいのも気になるが、とにかく話の続きを聞こう。

616『火はなくとも煙る』:2020/05/10(日) 23:35:35
>>614(白町)

「ええ、そうね……。ちょっと、心臓によくないから……」
「私も、気分を害した訳ではないわ。気を悪くしないでくださいね」

 褒め殺しにブレーキをかけつつ、貴女は『是正』の信念を高らかに主張した。

 エヴァレットは、そのスケールの大きさに少し身じろいだが……
 『濡れ衣』とはっきりと言い捨てた貴女に、微かな笑みを向ける。

「……ありがとう。他人にそう言ってもらえると、少し……楽になる」
「……ちょっと、『度が過ぎている』とは思うけれど」


>>615(中務)

 白町の主張は、貴女にとっては常識の埒外だった。
 言葉を失いつつも、ひとまずは話の続きを促す。

「……いいえ。私の狙いは、少し違う」

 話の本題を思い出したかのように、真剣な表情でエヴァレットが応じる。

「生徒たちの身に何が起きたのかは、私も分からない。
 けれど、何かが起きたのだとしたら……それは、確かに『図書室』の中だと思うの」


>両名


 そこまで話すと、エヴァレットは大きくひと息をついた。
 表情が曇り、僅かに逡巡する。

 しかし、意を決したように力強い目つきで、二人と視線を交わす。

「…………今から、私の話が少しでも『胡散臭い』だとか、
 『信用に値しない』と思ったら、すぐに『図書室』を出て行ってかまわないわ」

「……そうではなくて、『身の危険』を感じたりだとか……
 『どうしてそんなことに付き合わなくてはいけないんだ』、と理不尽に思ったら、そう教えて」


「――――但し、『16時』よりも、前に。それを過ぎてしまうと、間に合わないかもしれない」


 時刻は、『15:53』。
 彼女の示した『時間制限』まで、あと『7分』。

「…………『金曜日の放課後』。『16時ちょうど』」

 その耳が、再び赤く染まる。
 緊張か、それとも羞恥か。


「この『図書室』には、『幽霊』が出る。私は、それが、悪さをしているんだと……思って、る」

617白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/11(月) 01:26:23
>>615(中務)
>>616(GM)

「わたくし、それくらいで気を悪くはしませんよ。
 むしろそのお気遣い……素晴らしいものです!
 ……おっと。失礼しました、『自制』という『是正』をせねば」

『度が過ぎている』という言葉や中務の反応には、
白町も『無視』を決め込むことは無い。が、響いたかは謎だ。

そうして話を聞き続けていたが――――

「『幽霊』――――――ふふ。……とても、興味深いです」

白町は笑みを絶やさない。
が、嘲る笑みではない。
意図の読めない笑みは、
あるいは『素』の顔なのだろうか。

興味深い――――その言葉は『他意』を帯びていない。

「たしかに『この図書室の中』に『原因』があり、 
 なおかつ、それが『何も見つからない』以上は、
 目に見えないところにこそ答えがあるのでしょう。
 それは『幽霊』を疑う気持ちも、分からなくはないのです。
 ……ですが、それ以外にあり得ないという、程ではない」

「あなたも分かっているはずなのです」

             シュル ・・・

「その上で、恥じてまで可能性を口にした。
 ……何か、あなたなりの『根拠』があるのですね。
 それがとても、興味深いのです。よければその続き、わたくし達に聞かせなさい」

膝掛けにしたブランケットを、片手で僅かに持ち上げながら、促した。

618中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/11(月) 03:19:51
>>616

中務は持ってきていたペットボトルに口をつけて中の水を飲む。
視線は前にいるエヴァレットから外さない。
胸の中の内側が痒い。
なんとはなしに、嫌な予感がしている。

「幽霊っスか」

引っかかる。
あるいはモヤモヤする部分。
この場に酔った人物が来るのでは無いのなら……いや、そもそもアルコール飲料の痕跡がないのなら、なにかカラクリがある。
そのアルコールの出処はどこだ。

「……まぁ、信じない訳じゃないっスけど」

「耳、赤いっすよ」

619『火はなくとも煙る』:2020/05/11(月) 18:49:38
>>617(白町)

「…………」

 貴女の笑みの真意を探るように、エヴァレットの視線が値踏む。

 しかし、ややもせず、息を吐いた。
 どうやら、その表情からは意図は読めなかったらしい。

「『根拠』」

 その言葉の重要性を強調するように、はっきりと呟いた。

「……今、貴女たちに提示できるような『証拠』のようなものは、ないわ」

「というのも、すべて私の『主観』に過ぎないから。
 『16時』まで待ってもらえたなら、向こうから勝手に現れてくれる」

「……そういうコトではなくて。
 私自身が『幽霊の仕業』だと確信した理由について、というコトなら……

 一つ、『他の人にはまったく見えていないようだった』。

 二つ、『それが見えるようになった時期と、飲酒騒動の始まりが重なる』。

 ……こんなところかしら。
 悪霊のいる場所で、不思議と具合が悪くなる、なんて、よく聞く話でしょう?」


>>618(中務)

「……ええ。現実味のない荒唐無稽な話というのは、私も理解している」

 エヴァレットに視線を合わせたまま、ペットボトルに口をつけた。
 まだ冷たさの残る液体が、乾いた喉を滑り落ちる。

 貴女の指摘に促されたかのようにして、エヴァレットは自分の耳を触る。
 冷たい指で、火照りを冷まそうとしているようだ。

「……本当にこっそりお酒を飲んでいた、というオチのほうが、まだ現実味がある」
「私が貴女の立場だったら、疑うもの。鼻で笑われないだけでも、ありがたいわ」



>両名

「……話は、ここまで。
 要は、『飲酒』騒動の真相について、一緒に解き明かしてほしいということ。
 そして、あの『幽霊』が、きっとその真相に深くかかわっているはず。
 そのうえで、『飲酒』騒動がもう起きないように事態を解決出来たら、御の字といったところかしら」

「……今まで私にしか見えていなかった『幽霊』が、二人にも見えるのかは分からないけれど」

「私の叔母は、『霊感』の強い体質だった。
 そして、私も。
 他の家族や親戚には、『見えないもの』が見えたり……
 ちょっと変わった人や、奇妙な体験ばかり引き寄せてしまう」

「……だから、『誰か』を頼ろうとして、貴女たち二人に行きついたのも、偶然じゃないと思ってる」

620『火はなくとも煙る』:2020/05/11(月) 18:55:40
>両名

「……私は、『無実の証明』がしたい。
 謂れのない罪で、もう責められたくない。
 ……けれど、相手が幽霊なら、私一人にはどうにもできない。

 だから、せめて真相を解き明かしたいの。
 原因は何なのか。どうやったら解決できるのか。
 そもそも、本当に幽霊の仕業なのか。

 ……とはいえ、もし私一人で解き明かしたとしても、なんの慰めにもならないわ。

 【エヴァレット・ローレンスは、飲酒騒動とは無関係だった。】

 その真実を共有している、『誰か』が必要。
 口だけの慰めじゃあなくって、それが真実だと知ってくれている、『誰か』。

 そうじゃないと、納得はできない。
 もしかしたら、頭のおかしくなった私が、自分に都合のいい妄想をしているだけかもしれないもの」


   『15:55』。

   彼女の示した時間まで、残り『5分』。
   エヴァレットの口調が、いよいよ捲くし立てるかのように早足になる。


「……もう一度だけ、繰り返すわ。
 私の言っていることが、荒唐無稽なホラ話だと思ったら、席を立って構わない。
 或いは、そんなことに付き合わされたくない、と思ったら、『16時ちょうど』までに『図書室』を出て」


   自ら突き放すような口調だが、その視線に込められた思いは、言葉とは真逆のように思える。


「……それでも、残ってくれるなら。
 私は今度こそ、本当に、貴女たちを巻き込んだことになる。
 『幽霊』になんて、何をされるか、分かったものじゃあないわ。
 その危険を承知で、手を貸してくれるなら……『お礼』なんて、温(ぬる)いコトは言わない」

「……『貸し一』。貴女たちが困っているときに、無条件で手を貸す。それで、どうかしら」

621白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/11(月) 19:59:13
>>618(中務)
>>619-620(GM)

「―――――いいえ」

「提示できる『証拠』は、ありましたね。
 今の話が『根拠』たりえるのです。
 わたくし、その話、信じましょう。
 『わたくしに声を掛けたのは正解です』」

            シュル

「『冤罪』の証明――――
 そして『真相』の究明。
 それすなわち、学園の是正!」

「わたくし、手を尽くさせていただきます。
 それは、是正のためというだけではなく」

膝掛を膝から完全に持ち上げ、
最初そうしていたように『羽織る』。

「『貸し一つ』――――くふ。
 『風紀委員』の『役目』を引き合いに出して、
 無条件に協力させることも、できたでしょう」

             「ククッ」

「そうしなかった――――そこが『素晴らしい』
 わたくし、やはり、あなたのことも……好きなのです」

笑みを一段と深め、うなずく。それから『中務』を見て、彼女の答えを待つ。

622中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/11(月) 22:21:00
>>620-621

「……ボクにも信条ってものがあるので」

そう、言葉を返した。
荒唐無稽と思うかどうかは中務自身が決める。
そしてそうは思わないと決めたのだ。

「貸しは別にいいっスよ。ボクは図書室にお世話になってるので、もう一度使えるようになるのがお礼で」

正直、手を貸してもらうような状態になるかどうかが分からない。
だからそういう貸し借りを作るのはちょっとばかり面倒だ。
なぁなぁにしても仕方ないのだけれど、学生間のことに関してそこまでビジネスライクにもなれない。

「……なんでこっち見てるっスかぁー」

白町がこちらを見ているのに気づいてそう言った。
照れくさいのかなんなのか微妙そうな顔をして眼鏡をいじった。

623『火はなくとも煙る』:2020/05/12(火) 18:35:40
>>621(白町)

 膝掛を肩に羽織る貴女に、エヴァレットが笑いかける。

「……貴女、笑い方がちょっと怖いわ」

 手酷いコメントが飛んできた。
 或いは、信頼の証なのかもしれない。

「……『善意』にどれだけの値札を付けるかで、その人の価値も決まるでしょう」

「……汚名を雪ぐというのは、私にとっては大切なこと。
 そのために危険を冒してくれるなら、当然報いなくてはならないわ」

「『風紀委員』という肩書があったから、貴女を頼ったのは事実だけれど……
 その『役目』や『善意』を盾にして気楽に取り戻せるほど、安っぽい名誉ではないつもり」

「……とはいえ、『貸し一』が限界。学校で、金銭のやり取りもできないものね」


>>622(中務)

「……そう。『無欲』なのね。いえ、『達観』というのかしら?」

 自身の心情に則って返答する。
 『貸し一』にも首を振ると、エヴァレットは感心したように頷いた。

「……分かった。
 それなら、私が勝手に『借り』だと思っているわ。
 貴女は、何とも思わなくていい。それで、納めてもらえるかしら」

「……図書室も、ね。
 早いうちに再開するように、掛け合ってみる。
 ……当然だけれど、これは『貸し一』には含まないわ。」


>両名

 『15:57』。
 いよいよ、『残り3分』を切った。

 学園の是正という大義を掲げながら、エヴァレットを肯定した白町。
 慣れ親しんだ居場所、という一片の恩に報うために応諾した中務。

「……ふたりとも、ありがとう」

 小さな声だったが、その感謝の言葉は、はっきりと貴女の耳に届いた。

 ……コチ、と、軽い音を立てて、掛け時計の分針が揺れる。
 特に行動を起こさなければ、このまま『16時』を迎えることになるだろう。

624白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/13(水) 01:14:12
>>622(中務)

「失礼、わけなく見ていたわけでは無いのです。
 どう返事をするのか、気になっていました。
 事態はわたくしの『想定』を超えておりますし、
 あなたは『風紀委員』でも、生徒会でもない。
 断ったり、謝礼を釣り上げても、不思議はない」

「ですが……その『奉仕精神』ときたら!
 ああ、なんて素晴らしいのでしょう……
 手を組む協力者が、あなたのような方で良かったです」

どうやら、白町側では『組む』準備は万端らしい。
深い笑みを浮かべる表情は、少なくとも今は純粋に笑っている。

>>623(GM)

「ふふ……それは『是正』を、せねばなりませんね」

       グイ

指先で口角を軽く押さえる仕草。
真に受けてはいない、という事かもしれない。

「『貸し一つ』……それだけで『十二分』なのです。
 それを差し出してくれる、そのなんと尊い事でしょう!」

そして、席から立ち上がった。
その見開いたかのような双眸が、図書室全体を見渡す。

それは、この部屋の『窓』の位置を探っていた。
扉以外の出入口であり……『カーテン』を備える。

「…………わたくしに。いえ。わたくし達に、任せなさい!」

感謝の言葉には、よく通る声で、はっきりとそう返した。
中務という『仲間』を、白町は『信頼に値する』と考えていた。

625中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/13(水) 21:23:32
>>623-624

「ここまで話聞いてやめたってのはなしっスよ」

白町に言葉を返す。
その笑みは彼女らしい笑みだと受けとった。
かなり純粋な子なのだろう。

「無欲でも奉仕精神でもなんでもいいっス」

「ボクにはボクの理由ってわけで」

ペットボトルのキャップを閉め、立ち上がって伸びをする。

「そろそろっスね?」

その時を待つ。

626『火はなくとも煙る』:2020/05/13(水) 22:17:06
>>624(白町)

 中務の『奉仕精神』に感じ入りつつも、立ち上がって『図書室』を見渡した。

 私立一貫校である清月学園の『図書室』は、【東西】に広い。
 【南】の壁の両端に入口の扉があり、向かいとなる【北】の壁の中央に貸出カウンターがある。
 壁一面に敷き詰められた本棚以外は、自習用の机が等間隔に並べられている。

 『カーテン』を備えた窓は、すぐ近く。
 【北】の貸出カウンターの左右にあった。日照の悪い、北向きの部屋ということになる。


>>625(中務)

 白町の賛辞を受け流し、ペットボトルのキャップを閉める。
 立ち上がって伸びをした。少し、身体が解れたかもしれない。


>両名


   コチ・・・    コチ・・・   コチ・・・

                         ビィィィン・・・


 『分針』が、ひときわ大きく震える。


       キーン            カーン
              コーン             コーン・・・
  

 『16時ちょうど』。

 放課を知らせる、いつものチャイムが鳴り響く。

627『火はなくとも煙る』:2020/05/13(水) 22:18:08
>>624(白町)


   「…………、見え、ますか」


 エヴァレットの強張った声が耳に届くよりも、一足先に。

 『図書室』を見渡していた貴女は、『ソレ』を視認した。



      『ズ』

                『ズ  ズズ  ・・・ 』


 『図書室』の中央。


 西洋風の顔立ちをした、男性の姿。
 或いは、『絶世の美少年』とも呼ぶべき、黄金比の美貌。

 現代においては、やや時代錯誤的にも思われる、その衣裳。


          『 ド ド ド ド ド  ・・・ 』


 直感する。これは、『幽霊』ではない。『スタンド』、そのヴィジョンだと。


>>625(中務)


   「…………、見え、ますか」


 貴女の正面に座っているエヴァレットの顔から、血の気が失われる。
 恐ろしいものでも目の当たりにした、と言わんばかりの表情の硬直。

 その視線は、貴女の後方。

 横長に広い『図書室』の、ちょうど中央辺りに注がれている……。

628白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/14(木) 15:16:35
>>625(中務)
>>626-627(GM)

部屋の位置関係を。そして中務やエヴァレットを。

「ふふ……『理由』がなんであっても、
 その『結果』の行動が素晴らしい――――」

    スッ
 
              「――――ああっ!」

 
「エヴァレットさん、わたくし、見えます。
 ――――『あれ』が『そう』なのですね!」

巡った視線は、最終的に、『それ』に止まる。
大きな目が、いつも以上に見開かれる。
指をさし、『自分にも見える』事を二人に示す。

「なんて、綺麗なお顔なのでしょう。
 素晴らしい……まるで『絵画』のよう!
 是正すべきところを探すのが、難しいくらいです」

ブランケットの端を持ち上げ、口元を覆いながら褒める。
『アルコール』を散布するような『能力』を警戒する。

「中務さん、そのまま後ろを向きなさい。
 あなたに、見えるかは、分からないのですが」

「わたくしには『見えます』。
 エヴァレットさんと同じものです。
 もし見えないならすぐに逃げなさい」
 
「あれは、『見えない』者には、どうにも出来ないものなのです」

   「ですが『見える』わたくしには、『どうにかできる』でしょう」

『生まれついてのスタンド使い』である『白町千律』は――――動揺しない。

629中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/14(木) 21:56:10
>>626-628

「大丈夫っスよ」

「ボクの予想が正しいなら、後ろの正面に立ってるそいつが何なのか」

「分かっているはずっスから」

白町の言葉に呼応するように肩越しに後ろを確認する。
それと同時、中務の足元にはうずくまるような像。
体を丸めて、そこにいる。

「『エイミー・ワインハウス』」

ペットボトルを手放し、顔を上げさせたスタンドにキャッチさせる。
『エイミー・ワインハウス』にそこにいるだろう存在と自分たちの距離を測る。
接近しているようならこちらも何とかしないといけない。

630『火はなくとも煙る』:2020/05/14(木) 23:14:49
>>628(白町)

「え、えぇ。そう」
「……見えるのね、白町さん」

 まさしく、宗教的な『絵画』のような美しさの男性像を褒め称える。
 ……エヴァレットからは、困惑したような声音が返ってきた。

 ブランケットで口元を覆い、中務にも警告を発し――――、


         『  ニ ィ ・・・  』
                           フッ…

 ……そこで。

 貴女の視界から、『スタンド』のヴィジョンが消える。


           『  ピ タ ・・・ 』


 ……僅かほど遅れて。
 『何か』が、片頬に触れた感触を覚える。

 刺激のした方向へ、反射的に視線を向けると――――、


 『いる』。


 先程まで、視線の先に居たはずの、その『彫像』的な美しさを誇るヴィジョンが。
 貴女の、すぐ隣に。
 その『細腕』を伸ばし、『小枝』のような指先で、貴女の頬に触れている……。


       『   ニ ィ ・・・  』


 ……ひどく、『自己陶酔的』な笑みだ。

631『火はなくとも煙る』:2020/05/14(木) 23:15:35
>>629(中務)

 白町の言葉に応じ、振り向きながら『スタンド』を発現する。

 『エイミー・ワインハウス』。
 貴女が手放したペットボトルを、先ずは難なくキャッチした。


         『  ニ ィ ・・・  』
                           フッ…


 振り返った貴女の視界の端に、男性像らしきヴィジョンが映ったが……

 それも、『一瞬』のこと。
 完全に後ろを振り向く頃には、貴女の視界に『スタンド』のヴィジョンはなかった。

 ……しかし。

 しゃがみ込んだ姿勢から顔を上げていた、『エイミー・ワインハウス』の視覚は。
 それを、しっかりと捉えている。

 貴女自身が振り向くのと前後して、姿を消したはずのヴィジョンが――――


 『いる』。


 今度は、はっきりと視認できる。
 まるで神話の『挿絵』でも見ているかのような、肉体美を兼ね備えた『美少年』が。
 ほんの『一瞬』のうちに。
 貴女と、白町。そのちょうど間に姿を現している。


           『  ピ タ ・・・ 』


 気付けば、その華奢な手が貴女の頬に触れていた。
 目で追うのも困難なほどの所作。コイツ、恐ろしく速い――――!(スA)


       『   ニ ィ ・・・  』


 ……なんとなく、『気障ったらしい』印象を受ける笑みだ。

632『火はなくとも煙る』:2020/05/14(木) 23:20:05
>両名

                フッ…


 『触れられた』。

 それを知覚すると、ほぼ同時に、ヴィジョンが再び視界から消える。


「ふ、二人とも……」


 目の前の出来事に圧倒されていたのか。
 かなり遅れて、エヴァレットの引き攣った声音が耳に届く。


「……無事、よ、ね?」

「…………中務さん、その、ソレ」

「………………、何……?」

 どうやら、中務の足元に出現した人型のヴィジョン――――『エイミー・ワインハウス』について、問うているらしい。

633白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/15(金) 01:54:52
>>629(中務)
>>630-632(GM)

「ああ、『速い』……とても見切れない速力、素晴らしいです。
 触れるだけという事は、『触れて発動する』能力なのですね。
 わたくし、あなたのことを、もっと理解していきたいです。
 良い所をたくさん見つけさせてください。『是正すべきところも』」

「まずは……フフッ。その笑いは『是正』すべきですね」

触られた頬に、指先で触れる。
何か『触れてわかる変化』が無いかを確かめるためだった。
見た目の変化がないかは――――『中務』の顔を見て判断する。

「中務さん、『それ』は、アレより速いですか?
 わたくしの『それ』は、アレに追いつける速度はありません。
 それと……あなたの『それ』について、ぜひ説明してあげてください」

白町の『ハード・タイムス』は、速力にも、膂力にも長けていない。
『エイミー・ワインハウス』はどうだろうか。取り得る戦略は彼我の戦力で決まる。

「エヴァレットさん、わたくしは無事です。
 御心配いただいて、わたくし、嬉しいです。
 そして……もし荒唐無稽に感じても、『信じなさい』」

「今起きていることは、『心霊現象』などではないのです。
 ほぼ間違いなく、『人心』が引き起こす――――『人災』」


                    ―――  シュピン


        わたくしの手
「ゆえに、『ハード・タイムス』で、是正可能なのです」

『ハード・タイムス』を、発現する。
その手で自身の両肩に触れ、一つずつ『刻印』する。

説明は質問を受けた中務に任せ、白町は視界を巡らせ『ヴィジョン』を探す。
『神速で触れてくる』――――そこに『泥酔』の謎があるのは、間違いないだろう。

問題は『発動条件』だ。一度触れられた、現時点でも『酔い』は感じるだろうか――――?

634中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/15(金) 23:44:24
>>630-633

「うわぁ……そういうのは横のお嬢様たちにやって欲しいっスね」

辟易したような顔でそんなことを言う。
消えてしまったから聞こえたかどうかは分からないが。

「これはあれほど早くないっスよ」

『エイミー・ワインハウス』の速度について言及しつつ、エヴァレットの方を向く。
そして、なるべくゆっくりと落ち着かせるように言った。

「えぇっと……これは『エイミー・ワインハウス』っていうっス」

「ワインハウスっスけど、酔いとは関係ないんで、安心していいっスよ」

触れられた頬に触れてみる。
何とも言えない感覚が残っている。

635『火はなくとも煙る』:2020/05/16(土) 00:50:54
>>633(白町)

 先ず、触られた頬に指を伸ばした。
 ……特に、触れて分かるような変化はない。少なくとも、今は。

 次いで、中務の顔に視線を移す。
 こちらも目立った変化はないが……なんとなく『血色』がいいような気がする。

「…………『人災』? あの幽霊が、人の手で作られたモノ、とでも……」

 エヴァレットに心構えを説くも、目の前の光景に、まだ困惑している様子だ。


 そして、『ハード・タイムス』。

                          ―――  シュピン

     ビクッ
         「 !! 白町さん、の、隣にも…… 」


 羽織るようにしていた『膝掛』の上から両肩に触れ、『Φ』を刻印した。


             『 スッ 』
                          「白町さんッ!」

 ……しかし、それより僅かほど先に。
 貴女の隣に、再び『美少年』のヴィジョンが現れる。

 その『細枝』のような手指が、今度は貴女の右手を掴もうとしている……


>>634(中務)

 今は何もない空間にむけて、ぼやいてみる。


        『 ・・・・・・ 』


 答えは返ってこない。
 ただ、あの『熱に浮かされた』ような笑みの残像が、どうも頭に残っている。

 自身の『スタンド』についてエヴァレットに説明しながら、頬に触れる。
 撫でられたような感覚が、まだこびりついている……ということは別にないが、
 そんな気分にはなっているかもしれない。『残穢』のようなものだろう。

「……『エイミー・ワインハウス』……?」

 名を告げたものの、エヴァレットは困惑したままだ。

「……関係ない、のは、いいんだけど……」

「…………あまり、深く聞くべきでは、ないのかしら。
 だって、あの『幽霊』……のような、アレと、似たようなものに感じる、」


             『 スッ 』
                          「白町さんッ!」


 言葉を途中で区切って、エヴァレットが叫んだ。
 反射的に視線を向ければ、白町の隣に、再びあのヴィジョンが佇んでいる――――!

636白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/16(土) 14:55:45
>>634(中務)
>>635(GM)

「エヴァレットさん、わたくしの『これ』は『わたくしのもの』です。
 『わたくしはこれを操れる』のです。中塚さんは『それを操れます』」
 
「『あれを操れる誰か』も、いるのでしょう」

状況が状況――白町の『説明』は、核心にだけ触れるようなものだ。

「中塚さん、お答えありがとうございます。
 『策』を考え、是正していく必要がありますね。
 安易に行くなら、『触れに来る瞬間』を狙う――――」

              「例えば『今』です」

白町は、羽織の裾を掴む。
それに並行し――――両肩のマークから『引っ張る』。
左側からは『パスBB』で、右側からは『パスEB』。
『張力』をどう調整しようが、結果は『繊維が真っすぐになる』だけ。

だが、『不均衡』な力は『片側への強いひっぱり』を生む。
『繊維はそれでも真っすぐになる』……そういう能力だから。

「ああ、『視界』の外から一瞬で、ここまで!
 あなたの動作は、とてつもなく『速い』。
 手の動きだけでなく、恐らく『移動速度』も!
 素晴らしい『スペック』に、わたくし感嘆しています。
 もしくは……それ自体が『能力』なのでしょうか?」

重要なのは、引く力が不均衡な場合、『布は引く勢いで、強い力の側へと動く』。
その『動く力』が人を超えた物であれば……『布に付属する物』も、また動くだろう。
それにより、『ブランケット』で覆った自分自身の体を『左側』へと無理やり動かす。
足で動くのではなく、それをやると『思考』した、その瞬間に『動きを発生させる』。

「では……『反応速度』は、どうでしょう。
 『本体』が人間であれば『反応』は人間並みのはずなのです。
 『あなた自身』の意志で動くならば、話は変わってくるでしょうが」

「――――わたくしの考え、ぜひ、超えてくださいね」

掴む動作を、空振らせたい。
もし最悪、上記の動作が『掴まれてから』になっても、
それはそれで『掴んだものがいきなり動く』ことになる。
あの細い腕を考えれば、十分『意表』を付けるだろう。『中塚が攻撃する隙を生ませる』。

637中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/16(土) 23:12:45
>>635

「安心していいっスよ」

「ボクのはそんなにヤバくないっスから」

頭に残像が残る。
なんとも言えない気持ちを残しながら。
残穢、明らかな違和感。

「んぁ……ストーカーっスかぁ��!」

白町の隣にヴィジョン。
あの速度を考えれば『エイミー・ワインハウス』では間に合わない可能性の方が高いか。
だが、投擲だともっと届かないだろう。
だから中務はそのまま突き進む。

『エイミー・ワインハウス』は相手に向かってタックル気味に攻撃する(パス精CBB)
しゃがんだ状態で発現したはずなので、いちいちしゃがむ必要は無いはずだ。
上半身が動いている以上、下半身は多少は疎かになっていると思いたい。

638『火はなくとも煙る』:2020/05/17(日) 15:42:16
>>636(白町)

         『 ピン ! 』


 両肩に羽織った膝掛の裾を引っ掴み、能力を発動した。

 刻印された2つの『Φ』……『留め針』のような小さなマーク。
 その両端が、不均衡に引っ張られる。


              『 グ  ン ッ ! 』

      ビリッ…
                            『 ピ ト ・・・ 』

 人の腕力を優に超える、布の張力。
 『膝掛』ごと、貴女の身体は左方向に吹っ飛んだ!


       『  ニ ィ  』
                  フッ

                     ガ タ ァァアン !


 布が伸び、わずかに破れたことで、その『猛獣のような力』は減衰する。
 しかし、強制的に体を動かすほどの強い力であることに変わりはない。
 急に真横に吹っ飛ばされ、『自習机』に腰を強く打ち付けてしまった。……鈍い痛みが走る。

 ……だが、見合う『収穫』もあった。

 白町の認識通り、『スタンド』の速度はあくまで行動の速度。
 任意によって操作しているのであれば、反射神経はあくまで発現主の意識に依存する。
 (『星見板』における【スピード】:ttps://wikiwiki.jp/stand0wiki0/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB#m9d76e8e)

 しかし、『美少年』は。
 ノーモーションで突然吹っ飛んだ貴女の『右小指』にも、難なく触れてみせた。

 もし、この『スタンド』の主が任意で操っていたのであれば……
 初めて見るはずの貴女の動きを、『予測』や『警戒』もなしに反応することは可能だったろうか?

       『 ドッ 』
                 『 ドッ ドッ ドッ ドッ ・・・ 』

 ……自分の体の『酔い』を気にかけていた白町(>>633)は、心臓の『動悸』に気づく。


>>637(中務)

 白町の隣に執拗に現れる、『美少年』のヴィジョン。
 その『スタンド』に向けて、貴女は突き進んだ。

 ……しかし、一歩踏み出すよりも早く、『美少年』は姿を消す。


          『 グ ォ ッ ! 』
                          フッ…


 『エイミー・ワインハウス』のタックルも、空振りに終わった。

 ……攻撃を仕掛けた中務は、『美少年』が『躱した』のではなく、『消えた』のだと感じる。

 それも、貴女の『タックル』を回避するために、ではなく。
 『目的』のために出現し、その『目的』を終えたので消えた……そんな感じだ。

 いずれにしても、ほとんど『一瞬』でいなくなってしまった。
 そして、両者のスピードにも圧倒的な差がある。
 攻撃をブチ当てるのには、かなり苦労しそうだ……。

639『火はなくとも煙る』:2020/05/17(日) 18:04:20
>両名

 『ハード・タイムス』の繊維を操る力で、緊急離脱を試みた白町。
 『エイミー・ワインハウス』のヴィジョンで、攻撃を仕掛けた中務。

 しかし、いずれも『気取ったような笑み』を浮かべた『美少年』の犯行を妨げることはできなかった。

 姿を見せてから、白町の手に触れて、再び消えるまで。
 ほとんど『一瞬』とも呼べるほどの、超速の出来事だったといえる。


      「白町さん……!」


 やや遅れて、急に吹っ飛んだ白町を心配してか、エヴァレットが傍に近寄ってくる。


                『  ニ ィ ・・・  』


 しかし、彼女が辿り着くよりも、もっと早く。
 『自習机』と衝突した白町の隣に、『美少年』が佇んでいる――――!

 ……どうやら、『目に見えぬほどの高速で近づいてきた』というよりも、『急に現れた』ような感じだ。

640白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/17(日) 22:51:36
>>637(中務)
>>638-639(GM)

「――――素晴らしい。『超えてきましたね』」

               ニタァ ・・・

吹き飛んだ先で、自習机に手をついて立ち上がる。
真っすぐ立てない可能性が、あったからだ。
自覚する――――『酔っている』。

「わたくしも、もっと『現状理解』を『是正』しないと、
 あなたに応えられません。わたくしなら、出来ますけどね。
 ……・エヴァレットさん、心配はいりません。わたくしに任せなさい」

――――佇む『美少年』。『佇んでいる』……『触れてこない』。

「中務さん。わたくし、ここまでで『気になった』事があるのです!」

白町には、ふと、それが気になった。
『まだ動いて来ない』だけなのだろうか?
今すぐ触ればさらに『酔わせる』事が出来るはずなのに。

「アレの『攻撃』は、とても、ほれぼれするほどに『速い』ですね。
 わたくしの『回避』を上回る速度、しかも『迷い』が無かったです。
 わたくし、感嘆せざるを得ません、素晴らしい『スペック』です!
 ――――それなら、なぜ、その場で『連打』をしないのでしょう?」

「あるいは、なぜ、『全員を攻撃しない』のでしょう。
 わたくしはコレで3回。中務さんは1回、エヴァレットさんは0回です。
 『エヴァレットさんだけ0回』なら、『貶める意図』があるのでしょう。
 『中務さんやわたくしだけ』なら、『一人ずつ戦力を削る』のでしょう。
 あまりに多すぎる『是正の余地』は、『正解は別にある』事を示すのです」

「『消えて現れる』ような行動。攻撃の不可解さ。『認識』を是正すべきは今!」

立ち上がれたら、羽織ったブランケットを『ハード・タイムス』に手渡す。
『謎が解けない限り、美少年の犯行はどうせ防げない』。

「『遠隔自動操縦型』――――中務さんは、出会った事がありますか?」

「もちろん『仮説』ではありますが、 この敵は『操作はされていない』のです。
 『条件を満たした時に、満たした人間だけを攻撃する』――――『ルールで動いている』
 つまり、『ルールさえ把握すれば、発現を誘導する事も出来るかもしれない』のです!」

それは、事件ともつじつまが合う。
『自動操縦型のスタンド』であることはほぼ間違いない。『エヴァレットを襲わない理由』は、何か。

641中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/17(日) 23:56:16
>>638-640

「くぁー!」

鳥のようなよく分からない声を出す。

「自動操縦! あぁ、そういうパターンっスね。なんか、それっぽいっすね」

「急に消えるの、普通に考えたらおかしいっス」

「ただ、なんで白町さんが狙われてるかが問題っスけど!」

白町に向かって言葉を投げる。
条件を見切らねば駄目だ。
攻撃して迎撃しようなどという欲をかくな。

「この場合、エヴァレットさんはしてなくて、ボクらがしてることを当てないといけないっス」

「ボクもワンタッチ……あぁ」

スタンドにペットボトルを白町へと投げさせよう(パス精CBB)

「それ飲んだら酔いはマシになるっすかね」

「接触系っスよね? 触りに来てるんだから?」

642『火はなくとも煙る』:2020/05/18(月) 20:29:12
>>640(白町)


       『 ピ ト ・・・ 』
                       フッ…


 『美少年』は白町の膝小僧を撫でると、やはりすぐに消える。
 あの『自己陶酔的』な笑みが、やけに残像に残る。

 負けず劣らずの笑みを浮かべ、貴女は立ち上がった。


                『 ぐらっ 』
     『 ぐらっ 』


 ……真っすぐに立てない可能性を危惧して、机に手をついた判断は『正しかった』。
 立ち上がった時点では感じていなかったが、今は『ふらつき』を感じる。


         『  ニ ィ  』


 立ち上がって間もなく、再び『美少年』が現れた。
 この『スタンド』、しつこい――――!


      『 ひゅっ 』 
                カロ ン


 と、貴女の足元に、『ペットボトル』が転がった。
 先ほどまで、中務が口をつけていたものだ。中身がまだ残っている……。


>>641(中務)

 白町の推論に納得する。

 せめてもの助けに、『エイミー・ワインハウス』。
 掴んでいた『ペットボトル』を、白町に向けて投げ――――


       『 ひゅっ 』
                カロ ン


 ……わずかに、的が逸れた。

 傍から見れば、『ペットボトル』を問題なく投げたように見えただろう。
 しかし、貴女が想定していた『放物線』よりも、誤差程度に軌道が低かった。

 いつもの『エイミー・ワインハウス』の動作性と比べると、微かに『鈍い』ような気がする。

643『火はなくとも煙る』:2020/05/18(月) 20:30:21
>両名

「……つまり、そうなのね」
「……『アレ』が。『アレ』を動かしている『誰か』が、みんなを酔わせていた」

 白町の推論を掻い摘んで、エヴァレットもようやく現状を理解したらしい。
 とはいえ、その言葉のすべてを理解したワケではなさそうだが……

「!」

 中務が『ペットボトル』を投げたのを見て、エヴァレットが貸出カウンターに戻る。
 そして、自分の『学生鞄』を漁ると、『水筒』を持ち出した。

「……『水分補給』」


   キュ キュ キュ       カ ポ!

                         ジョロロロロロ……


「白町さん、飲んで。顔色がひどいわ」

 エヴァレットは、『緑茶』の入ったカップを差し出している。

「……私がやっていなくて、中務さんが『一回』。白町さんは、……今の『ソレ』を含めると、『四回』」
「その『条件』を満たせば、自動で攻撃されてしまう。そういう『ルール』というコトね」

「……他に、何か手掛かりはあるかしら?
 貴女たちから見て、あの『スタンド』に感じる違和感だったり、共通点のようなモノ……」

644白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/18(月) 21:15:25
>>641(中務)
>>642-643(GM)

「ふ……ふふ、ふふふっ。『触るたびに酔いが進行する』のですね」

ふらつく脚には、確かな『酔い』がある。白町は笑う。
笑い上戸というわけではない……積み重なる『是正』の悦楽にだ。

「くふ……エヴァレットさん、流石です。理解がお早い。そこで是正をひとつ。
 ――アレや、わたくし達のこれらは『スタンド』と総称されます。
 『そばに立つ者』『立ち向かう者』……『大切な合言葉』なのです」

「ぜひ、覚えておきなさい。あなたの心の役にも立つでしょう……!」

手で机を支えにしたまま、やはり攻撃の回避や防御は試みない。
それは無意味であり、より悪い結果を誘発しかねないと、白町は考えているのだ。

「ふふ……『推論』を重ね『仮定』を立て、『是正』によって『正しさ』を目指す!
 互いのスタンドによる『戦闘』 ああ! 時にはそれも『素晴らしい』」

『美少年』は見ない。『笑顔が気になる』。『ペットボトル』を、しっかり見ている。

「いち。『被害者』たちは、スタンド使いではないはずです。
 スタンド戦を試みるのは言うに及ばず、『アレを視認する』ことや、
 反応すること、触れること、言及! このあたりは『違う』のです」

アレが見えたのは、エヴァレットだけだ。
つまり、見えなければならない『行動』はトリガーではない。

「に。『ごく自然に達成できる』かつ『エヴァレットさんは満たさない』条件。
 偶然か、それとも貶めるための故意か。一度も満たしていないのですから」

また、図書室で異常行動をしていればエヴァレットや周囲が気付くだろう。
異常でなくても、特徴的な行動なら気付く。図書室で自然に出来る事が、トリガーだ。

「さん。『条件を満たした者は、泥酔するまで攻撃を受けている』
 わたくし、現時点ではまだ、倒れるほどの泥酔には至っていません。
 つまり『被害者はこれ以上さらに攻撃を受け続けた』のです」

一度ならず、二度、三度と満たす。『攻撃は偏るもの』らしい。

演説のように、通る声で『持論』をさらに展開していく白町。
酔いで呂律が回らない可能性もある。『早口になりすぎない』ように意識をしている。

「エヴァレットさん。わたくしに『干渉』するのを一旦、止めなさい。
 『被害者がした共通の行動』ではなく『されたこと』の線があるのです。
 全員に共通し、『あなたには当てはまらないこと』は、『あなたによる干渉』」

「いいですね? 『名前を呼ぶ』ことも、してはいけないのです」

『あえて』エヴァレットの厚意を拒否する。
そして……中務の水をスタンドで拾い、飲む。

まだまだ『偶然』の可能性も高いが……白町は常に考えている。
『美少年』の出現や攻撃は、エヴァレットが自分を呼ぶタイミングに近い。
彼女に罪を着せるのが狙いだとしたら、攻撃条件としても『お誂え向き』だ。
とはいえ初回出現は違ったし、『中務が呼ばれたが何もなかった(>>632)』事もある。
まだ断定はしないが、ここは『従ってもらう』…………『是正』のためには、必要なこと。

645中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/18(月) 22:54:41
>>642-644

「あー?」

首を傾げる。
おかしい。
自分が投げたのならば分かるが、『エイミー・ワインハウス』の精密性は人間のそれを凌駕する。
だからこれは『酔い』の影響で間違いないだろう。
たった一度でこれだ。
蓄積された白町はかなり危ういところだろう。

「推論、補強するっスよ」

「一、時間でこのスタンドが動いている謎。
 つまりは、16時にある種の鍵がある可能性は否定できないっス」

「二、もしもそれが図書館に関係のあるものだと仮定すると、会話とかがトリガーになり得るっス
 あとはエヴァレットさんとの身体的な違いとかはありそうっスね」

項目三については沈黙だ。
そこに関しては考えがない。

「それと、個人的な感じっスけど」

「あのスタンドの『熱っぽい笑顔』が気になるっス」

「熱を移すのか、それとも君の瞳に乾杯……みたいな文学的な面からのアプローチなのか」

「まぁこの辺はあんまり気にしないでいいところかも知れないっスけど」

646『火はなくとも煙る』:2020/05/19(火) 02:00:08
>>644(白町)

「…………『スタンド』。傍に立つもの」

 緑茶のカップを手にしたまま、エヴァレットは貴女の言葉を繰り返す。


         『 ピ ト ・・・ 』
                      フッ…

 『四度目』。

 触れられた瞬間、これまでとは比べ物にならない『症状』を自覚した。

 足がたたらを踏む。
 呼吸が浅く、速くなる。
 胃の中から、こみ上げてくるものを感じる――――。

 攻撃や回避、激しい運動を避けたのは、正しい判断だったかもしれない。

「―――――、……」

 エヴァレットは、貴女の指示を受けて、頷いて見せる。
 『条件』がある、そして自分自身がその『トリガー』となる可能性もある。
 その説明を受けて、正しく理解したようだ。

 そして、中務の『ペットボトル』……

 『ハード・タイムス』の手で拾おうとすると、かなりの『ふらつき』を覚える。
 揺れる地面の中、ゆっくりと手を伸ばして、どうにか拾うことが出来た。


       キュキュキュ
                 カロ


     ゴク ゴク ゴク ……


 『蓋』を開いて、口を付ける。

 水が口の中を満たし、喉の奥へと落ちていく……止まらない。
 気付かないうちに、かなり喉が渇いていたようだ。
 そのまま、『ペットボトル』を空にしてしまった。

 …………心なしか、『吐き気』が収まったような気がする。

647『火はなくとも煙る』:2020/05/19(火) 02:08:39
>>645(中務)

 『エイミー・ワインハウス』の不具合に首を傾げる。

 今のところは、修正可能なレベルの『違和感』だが……
 白町の様子を伺う限り、あまり楽観はできそうにない。

 そして、自身の推論を並べた。


 『会話のトリガー』。


 貴女は、自分で呟いたその言葉が、妙に引っかかった。

 思い返してみれば。
 例の『美少年』は、いずれも『話している最中』に現れたような気がする。

 エヴァレットは、貴女から受け取った『ペットボトル』を夢中で飲み干したようだ。
 中身は、あっというまに空になってしまったようだが……
 少しだけ、顔色がマシになったようにも見える。

「私との、身体的な違い……」

 西洋人のエヴァレットは、背はかなり高い方だ。
 しかし、それ以外の身体的な特徴は、貴女や白町と変わりないように見える。


>両名

 『美少年』の浮かべている笑顔が気になる。
 二人は、脳裏に浮かんだ残像、その特徴に思いを馳せた。

 少年のヴィジョンは、息を呑むほどに『芸術的』な美しさではあったが……
 しかし、その『笑顔』には本能的な『不快感』のようなモノを感じる。


 『自己陶酔的』で、『気障ったらしい』。

 『熱っぽい』ようで、『鼻につく』ようで、『舞い上がって』いるようで……自分が『美しい』と分かっている。


「……多少の自信は、誰しもが生きていく上では必要だろうけど……
 あれは、それを通り過ぎている。『自惚れ屋』の笑い方、そんな感じね」


 エヴァレットも、二人と同様の感想を抱いたようだ。

648白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/19(火) 02:39:38
>>645(中務)
>>646-647(GM)

「……ゲホッ。けほ……ふぅ、助かりました」

         「『4回目は不味い』」

         「――――『5回』が限度ですね」

保健室に駆け込めるとすれば『4回目』段階か。
あれより一段酷いとなれば、『動けない』もあり得る。

「……『今は出現していない』。
 とどめをさせたにもかかわらず、『ヒット&アウェイ』に徹する。
 筋が通った『自動操縦』のようです。『律儀』で素晴らしい」

独り言のように、白町は話しだす。

「『図書室』――自習室を使っていて、普通に4〜5回は満たす条件。
 なおかつ、自習も本も関係のないわたくしが『4度』も満たした条件。
 ――――『私語雑談』? 図書委員が『図書室でしゃべらない』のは当然」

「とはいえ、今などしゃべってはいますね」

持論は前提でひっくり返っている。

「あの笑み! 美しい笑みでした。根底を揺らぶられるような。
 ですが『あれ自体』は『一般利用客』に見えない以上、攻撃条件ではないはず。
 気になります。無論、自信は『良い』ことです!しかし、気になるのです」

「『自惚れながら、触ってくる』のは『褒められて気をよくした』から?」
 
「しかし利用者が褒めようにも、姿は見えません。
 『自意識過剰』だから自分宛てでない言葉を拾った?
 ふっ……『遺憾』ですが、わたくし自身、試しに口を閉ざしてみます」

それを最後に、一旦、口を閉ざす。
一言もしゃべらなければ、それでも『美少年』はやってくるのだろうか?

649中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/19(火) 18:47:01
>>646-648

「……私語、あながち間違いでもないかも知れないっスけど」

「身体的な違いってほら、体温とかアルコール分解能力とか、まぁ確かめようないっスけど」

背の高さだけで判断してることはないと思いたい。
会話のトリガー、それを真とするならば、話しているか否かよりも内容に問題があるのかもしれないが。

「自動操縦……自分の意思はあるのか無いのか……うーん……」

「……あぁ、自分に酔ってるって感じっスか? あれは?」

白町が静かにする分、こちらが話す。
これで彼女が狙われるのならばより深く考えないといけない。

650『火はなくとも煙る』:2020/05/19(火) 21:26:32
>>648(白町)

 僅かな時間ではあったが、危機感を覚えるほどの『ふらつき』。
 ひと息つきながらも、推論を止めることはない。
 口に出して、整理し続けるが……今度は、『美少年』は現れなかった。


 ……ふと、貴女は自分の推論の中に、奇妙な『予感』を得る。


 着実に、照準が的へと近づいている。
 もう少しで、『射程距離内』に入りそうな――――そんな、確信めいた『予感』だ。

 正鵠を射てはいないものの、大きく外してもいない。
 『偏差』を修正すれば。或いは、修正せずとも。
 ボタンのひとつ掛け違うだけで、あの不快な『笑顔』の意味に届くような。


>>649(中務)

 身を挺するようにして、自らも推論を述べる。
 私語の有無、或いはその内容、外見だけではない体質の差異。
 様々に思考を巡らせるが……今度は、『美少年』は現れなかった。
 しかし、


 『自分に酔っている』。


 貴女は、ふと口にした『表現』が思いのほか、腑に落ちるのを感じた。
 『自己陶酔』。

 白町は、あの『美少年』を『遠隔自動操縦型』と想定していた。
 そして、定められたルールに従って仕事し続ける、機械的な『スタンド』ではなく。
 あの『笑顔』に見て取れるように、意思や感情を持っているタイプの『スタンド』のように思える。

651白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/19(火) 22:47:50
>>649(中務)
>>650(GM)

(ああ!)

白町千律は……喧伝こそしていないが、『ドールハウス』の作成を趣味としている。
配置に是正を繰り返す内、『理想通り』になる『瞬間』がある……(その後、理想は高まる)

(……『見えてきた』のです。『是正』の先……『正しさの白』が!)

その時に近い、感覚を覚えた。『是正』が『一区切り』される時の、そういう感覚だ。

          チョイ チョイ

白町はエヴァレットを指で招く。改めて『お茶』を、無言のまま要求する。

(『褒めない』ことはトリガーではない……エヴァレットさんは『褒めていない』
 『構わない』ことがトリガーなら、図書室の利用者全員が被害者になる)

(『自己陶酔』をする者が、他者を攻撃するとしたら?)

『それではない』 ……だが遠くない答えがあることを、どこか確信しつつある。
それを、『行動』に変えようとしていた。『白町自身の行動に』ではない。

「中務さん、ぜひ試したいことが。
 あなたの策に差し支えがなければ、わたくしを褒めなさい」

「それとエヴァレットさんも。あなたは、自分自身を褒めなさい」

『協力者の行動に』……だ。白町は『個より集を好む』。

能力が明かされていない今……白町は言葉少なに、中務とエヴァレットに要請する。
『4回目』に至るのは、極めて危険だと理解したのだ。まだ安全域の彼女らに『任せる』。

652中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/20(水) 01:13:55
>>650

(ん、む……)

中務千尋は多くの役割を担っている。
脚本家であり、舞台装置担当であり、演者担当である。
多くのものを発想から作り上げる点は共通している。

「……自己陶酔、自分に酔ってるのは間違いじゃないっスかね」

まだ分からない。
小さな声でそう呟いた。

「褒める……あぁ、いいっスよ」

「そーゆーの苦手じゃないっスから」

そう言って、新たな自分の役割をこなす。

「白町さんって素敵な人っスよねぇ」

「是正の精神は山よりも高く美しい」

「模範的で白町さんみたいな人を『風紀委員』って言うんでしょうねぇ」

言われた通り、褒める。

「あと笑うと特徴的で素敵っス」

653『火はなくとも煙る』:2020/05/20(水) 21:31:10
>>651(白町)

 『是正』の臨界点を目指し、二人に指示を飛ばす。
 まだ多少の『ふらつき』は残っているものの、その程度ならば容易い。


「……」 スッ

 エヴァレットは貴女の意図を察して、先ほどの緑茶の入ったカップを差し出した。
 両手で触れると、まだ温かい……。
 芳しい茶葉の匂い。口をつけたなら、また『ひと息』で飲み干してしまいそうだ。

 中務は、貴女の指示に従って、そつなく誉め言葉を並べているが……、
 『美少年』は現れない。他の条件があるのだろうか?


>>652(中務)

 『美少年』の自己陶酔的な笑みは、まさしく『自分に酔っている』。

 自らの口にした表現に、腑に落ちる感覚がした……ような気がしたが、やはり否定した。
 まだ分からない。見落としや、他の可能性があるかもしれない。

 白町の指示に従って、彼女への賛辞を並べてみるが……
 『美少年』は姿を見せない。他にも、策を試してみるべきだろうか?


>両名

 白町から『自分を褒める』ように指示を受けた、エヴァレットは……

「…………えっと、」

 少し、まごついている。

 演劇で舞台に上がることも多いからだろうか、
 すらすらと台詞を並べ立てることが出来た中務と比べて、アドリブは『苦手』のようだ。

「私は……すごいわ。そう、すごい」
「どうすごいのか、と言うと……………………、『礼儀や礼節を弁えていて、心遣いができる』」


       『   ズ    』

                   『   ズ ズ    ズ  ・・・・・・   』


 その瞬間、

          「!!」
                 『  ニ ィ ・・・ 』


 はたして白町の企図した通りか、エヴァレットの傍らに姿を現した。


 『絶世の美少年』。
 『自己陶酔的』な笑みを浮かべている、西洋人風の衣裳。

 その視線は、攻撃対象となったエヴァレットに注がれているようだ。
 若木のように細い腕を伸ばして、指先で触れようとしている。

654白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/20(水) 22:02:22
>>652(中務)
>>653(GM)

「ふふ……ふ、中務さん、褒め上手なのですね。
 言葉一つ一つが、わたくしの心に響いてます。
 好きになって、しまいそう……ああ、『出ましたね』!」

『ハード・タイムス』の手で、出現した『美少年』を殴打する(パス精DCB)

「素晴らしい! 『期待に応えてくれる』…………ククッ!」

スピード差がある。当たる可能性は殆ど無い。が、『当たらないとも限らない』。
『攻撃される』と分かっていても、始めた動作は止められないはずだから。

「これで『発現』は誘導可能!
 戦況は一つ『是正』されたのです」

「『自画自賛』または『エヴァレットさんを褒める』
 それがこの存在の、攻撃条件と考えていいのでしょう」

重要なのは、『いつ・誰の横に出るか』を、誘導出来るという事。
勿論100%ではない……未知の『要因』が無いとは言い切れない。

「断定は、しません。ですが『出るタイミングを決められる』なら十分!」

お茶を飲み干す。『回数2』に下げておけば、『自分』も択に上げられる。

655中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/20(水) 23:37:24
>>653

「……うへぇー」

言っててなんだかむず痒くなってしまった。
なんだろう、不思議な感覚だ。

「出たっスね」

(……エヴァレットさんの発言)

(礼儀、礼節……心遣い)

(私はその方面は触らなかった)

だとすると、トリガーを引けていないのは自分の方だ。
西洋人風のスタンドヴィジョンを視界に捉える。

『エイミー・ワインハウス』を移動させ、エヴァレットを引っ張りたい(パス精CBB)

656『火はなくとも煙る』:2020/05/21(木) 21:43:36
>>654(白町)

 『ハード・タイムス』の拳が、『美少年』へと振るわれ――――


       『 ぶ ン ! 』
                   フッ……


 その『残像』を薙ぐようにして、空を切った。
 やはり、『視認』してからの攻撃で捉えるのは難しそうだ。

 だが、奇妙な『予感』が『確信』へと変わる。


      グ ビ  ィ  イ ―――――ッ!


 エヴァレットから受け取った『緑茶』を飲み干す。

 茶葉から抽出された『カフェイン』! そして『ビタミンC』!
 体内のアセトアルデヒドだかなんだかが分解されていく……ような気がする。
 ふと気づくと、先ほどまでの『ふらつき』を感じない。
 机に手をつかずとも、立っていられそうだ。


>>655(中務)

 自分自身の言葉に形容し難いむず痒さを覚えつつも、『美少年』を視界に捉えた。

 そして、『エイミー・ワインハウス』。
 エヴァレットの元へと向かわせて、腕をつかんで引っ張る。


    『 ピ ト ・・・ 』
                フッ……


                         『 グ イ っ ! 』

            「……あっ!?」

 『美少年』の手際は、目にも止まらぬほどに速い(スA)。
 その指先がエヴァレットの頬に触れ、そしてヴィジョンが消える。
 『エイミー・ワインハウス』がエヴァレットの身体を掴んで体を引っ張ったのは、その後ということになる。

「……び、びっくりした……素早いのね、『エイミー』さん」

 『エイミー・ワインハウス』とて、機敏な『スタンド』と呼べる部類に違いない。
 しかし、スピードは向こうの方が上だ。
 相手を『視認』してから動かすとなると、どうしても『後手』を掴まされてしまう……

657白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/21(木) 22:49:08
>>655(中務)
>>656(GM)

「ふふ…………『是正』の余地は、まだまだあります!」

笑みを浮かべる。酔いが覚めることを知覚していた。

「まず、『誰のそばに出るか』は決められても、
 人の『そば』は、周囲360°あるのです。
 これだけでは、決め打ちで当てることは難しい」

「ですが!」

白町は『いす』を手に取る。
図書室には無数にあるはずだ……動かせる椅子が。
それを、最低で『7個』ほど集めておく。

「アレは、『すぐ触れる位置』に現れますよね?
 少し離れたところに現れ、詰めて来たりはしない。
 いつも手を伸ばせば触れる位置に出るからこそ、
 わたくしたちの行動が『間に合わない』のです!」

「では、触れる位置が、『一箇所』しかなければ。
 そこに現れざるを得ないのでは、ないでしょうか!」

白町がしようとしている事は、その言葉通りだ。
発現が『ルール』なら、『嫌でも現れざるをえない』。
どうにかしてでも、『触れる位置』に出現せざるを得ない。

「例えば。エヴァレットさんの『目の前』以外の『手を伸ばせば届く位置』が、  
 全て物で埋まっていれば? それでもアレは、出ざるを得ないはずなのです」

それを、誘導しようとしている。『触れる位置』を、減らす事によって。

658中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/21(木) 23:33:07
>>656

「んーやっぱり無理っスね」

とはいいつつ、『エイミー・ワインハウス』はエヴァレットの傍だ。
敵が来た時の迎撃のためには傍にいた方がいい。

「おっ、いいっスね。それ」

椅子を集めるのを手伝い、適当なメモ(なければスマホのメモ機能)を使ってエヴァレットにメッセージを送る。

『礼儀、礼節、心遣いを一つずつ使って褒めて下さい』

『礼儀正しくて素敵、礼節をわきまえてて素敵、ぐらいでいいです』

『あれが何をきっかけに出てきているかを絞ります』

『それら全てがきっかけの可能性もありますが』

659『火はなくとも煙る』:2020/05/22(金) 18:00:30
>>657(白町)

 一手ずつ、着実に。『王手』に向けて、駒を詰めていく。

 自習用の『椅子』は木製の簡素なもので、簡単に動かせる。
 意図を察した中務が手伝ったこともあって、すぐに『7個以上』は集まるだろう。


         『  ズ  ズ ・・・ 』


 中務がエヴァレットにスマホの画面を見せると、エヴァレットが何かを読み上げた。
 その傍らには、やはりあの『美少年』が出現している……。


>>658(中務)

 白町が椅子を集めるのを手伝う。
 二人がかりの作業で、彼女が目標としている数はすぐに集められたようだ。

 そして、エヴァレットの傍に『エイミー・ワインハウス』を待機させる。

「…………」

 『自分を守るために戦力を割いてもらっている』と理解したのか、申し訳なさそうに押し黙っている。
 しかし、スマホで作成した文章を読ませると、その表情はすぐに強張った。

「…………つまり、さっきと同じような内容、でいいのよね」
「あの……『スタンド』というのを、私の傍に呼び出すためには」

 文章を読み終えたエヴァレットは、やや躊躇いがちに指示に従う。


「…………ええと……、『私は礼儀正しくて素敵』」


         『 ズ  ズ ・・・ 』


 その傍らには、やはりあの『美少年』が出現している……。

660白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/22(金) 19:59:08
>>658(中務)
>>659(GM)

「お手伝い、ありがとうございます。
 わたくし嬉しいです、中務さん。
 あなたは『協調性』がある……素晴らしい。
 それに……『独力』の方もまた、優れている」

「完全に『言わされた自賛』も、『条件』を満たすのですね」

中務の機転により、『釣る』ための餌は最早溢れ変えるほどだ。
遠隔自動操縦の弱点は、そのような状況でも『やめられない』こと。
スタンドを引いて対策を練るためには、『本体が見ている』必要がある。
逆に言えば……あの『美少年』の本体は、ここを見てはいない。

白町は確信を深め、深まったそれは屈託なき笑みとして顔に浮かぶ。

「中務さん。『挟み撃ち』に、いたしまょう。
 わたくしの『ハード・タイムス』と、
 あなたの『エイミー・ワインハウス』の配置の話です。
 『エヴァレットさんの側』と、『前方・人二人分ほど』に」

「アレは『触りに行く動き』に乗せてわたくし達の行動を躱します。
 実に無駄がなく素晴らしい行動です……そして、厄介でもあります。
 左右から挟んで攻めるのでは、発現タイミングが分かっていたとしても、
 万一の場合『前に進む速度』に対して、空振る可能性があるのです。 
 ですが前後であれば……進行方向からの一撃は、回避不可能でしょう。
 万一目の前に迫る拳に身を引こうとすれば、その場合は後ろからの拳に倒れるのです」      

               ウットリ

「ふふ…………『是正』の余地が、全く無いとは、思いませんがね」

白町はスタンドも用いて、椅子7つを『コ』の字に並べる。
この状況。敵の能力がなければ、間違いなく『賛美』の言葉を吐いていただろう。

661中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/22(金) 20:31:23
>>659
>>660

「どうも……ワンマンでやれない人間は協調性持ってないと演劇出来ないっスからね」

そう呟いて美少年を見やる。
まだ動いてないのは少し疑問だ。
出て直ぐに触れてくるかと思ったが。
少しラグがあるものなのだろうか。

「挟み撃ちっスか」

「じゃあボクは傍の方にするっスかね」

白町の準備を待って、準備が整えばエヴァレットに続きを読んでもらおう。
もし今来るのなら迎撃したい。

(ん……? 会話のトリガーにしても……今までいた生徒がそれを満たしてるってことになるけど)

(該当する生徒、そんなにいたの?)

662『火はなくとも煙る』:2020/05/23(土) 00:02:17
>>660(白町)

 中務の協調性やアドリブ力に感じ入りつつ、挟み撃ちのための策を練る。

 『遠隔自動操縦型』。
 本体の意思に寄らず、『条件』を満たせば出現する。
 そして、その『条件』と思しき手札も揃った。

 『迎え撃つ』には、十分な材料と言えるだろう。
 『ハード・タイムス』の手も借りつつ、椅子を『コ』の事情に並べる。


>>661(中務)

 白町の賛辞に応じつつ、その策に応じる。

 『美少年』はエヴァレットの右手に触れると、あっという間に消えてしまう。
 これまでと同様、現れてから消失までは『一瞬』だ。(※)

 その姿を視界で捉え、認識する分には苦労はないが……
 やはり、『視認』してからの迎撃となると、かなり難しい。

(※『スタンド』が現れてから消えるまでは、これまでの描写通り『一瞬』。
  現れてから消えるまででレスを分けているのは『描写の都合』。あしからず)


>両名

「……準備が整ったら教えて」
「『続き』も、……読み上げるから」

 『スタンド』を警戒してか、エヴァレットは言葉少なに白町に呼びかける。
 能力の影響か、顔は赤く、息も上がっているが……まだ『余裕』はありそうだ。

663白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/23(土) 23:39:14
>>661(中務)

「ふふ……その『謙虚』な態度もまた、素晴らしい」

「そして、そんな謙虚なあなただからこそ、
 わたくし以上に『疑り深く』状況判断が出来るのです!
 ――――中務さん、何か『懸念』は、おありですか?」

白町の問いかけは、心を読んだわけではない。
あくまで『王手』に近付くため、『必要』だった。
自分とは違う視点を持てる、中務への『最終確認』が。

よほどエヴァレットが酒に強いのでなければ、
チャンスは数回だけ。『懸念』は、潰せるなら潰したい物だった。

>>662(GM)

「エヴァレットさん、もう少しだけ待ってください。
 わたくし、『是正』を最後まで重ねたいのです。
 チャンスは『有限』……『一度』で、済むように!」

『ハード・タイムス』に持たせた布は、
あらかじめ肩にかけ、背中側に垂らすよう持ち変える。

「個人的にも、風紀委員としても、
 あなたが『苦しむ』回数は、
 少しでも少ない方がいいのです」

持っている箇所は、『四隅』の一つだ。
四隅には全て、予め『マーク』しておき、
そのうち一つの隅のマークを掴んでいる。

非力を以て『一撃で決める』ための攻撃手段は、既に『是正』済だ。

664『火はなくとも煙る』:2020/05/24(日) 00:10:41
【確認事項】

>>663(白町)

>『ハード・タイムス』に持たせた布は、
>あらかじめ肩にかけ、背中側に垂らすよう持ち変える。

この『ハード・タイムス』に持たせている布は、先ほどまで肩にかけていた『膝掛』ということ?

665白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/24(日) 00:33:27
>>664(GM)
この『布』と『膝掛け』は同じものであり、
>>640で渡している『ブランケット』とも同じです。
度重なる表記ブレ、大変失礼いたしました。

666『火はなくとも煙る』:2020/05/24(日) 00:54:56
>>665(白町)

把握しました。だいじょうぶです。

667中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/24(日) 01:54:43
>>662-663 (詳細な描写に感謝)

「懸念……」

「なんていうか、この自賛したら来るって、座りが悪いって言うか」

「この条件満たした生徒、そんなにいたんスか?」

なんとなく思っていたことを発する。

「まぁ、とりあえずこっちの処理っスけどね」

美少年を出させよう。
出てきたら蹴ってやる(パス精CBB)

668『火はなくとも煙る』:2020/05/24(日) 16:58:46
>>663(白町)

 エヴァレットは、貴女の指示に頷いて返した。

「……この中では、私だけが唯一、対抗策を持たない。
 それに、私から二人に頼んだのだもの。
 『解決』してもらうためなら、これくらいの『リスク』は負わなくちゃ……」

 どうやら、自分に言い聞かせているようだ。

 未知の脅威、『スタンド』。
 自らその対象となることに、少なからず不安を感じていたようだが……
 貴女の言葉の端に感じ取れる『気遣い』に、かなり安堵したようにも見える。


      ――――シュパパパッ


   『Φ』        『Φ』

         『Φ』        『Φ』     ふぁ さ ・ ・ ・


 『ハード・タイムス』が、布の四隅にマークする。
 そのヴィジョンの手で一角を握り、片肩から背中にかけて、背負うように『膝掛』を垂らした。
 今のところ、『下ごしらえ』は順調に進んでいる。

 と、その準備を進めている間に、中務から疑問が飛んできた。
 どうやら、『発現条件』について思うところがあるらしい……。


>>667(中務)

 『金曜日の16時以降』。
 『図書室』内で、『自賛』をした人間の傍らに現れて、『酔わせて』いる。

 …………『何故』?

 貴女は、その『発現条件』への懸念を呟いて、首を傾げた。

 単純に、条件に対して被害者が多すぎると思ったのか。
 それとも、『自賛』⇒『酩酊』、という流れを不自然に感じたのか。

 或いは――――


   本来はあるはずの情報が、『どこか欠けている』、のか。


 まるで、『推理小説』だと思って読み始めた本が、
 犯人の動機やトリックをすっ飛ばして、結末を語り始めたかのように。


「……? 謹慎になった生徒は、『そんなに』はいないわ。4〜5人くらい、かしら」

 その推論を聞いていたエヴァレットが訂正した。

 そういえば、この『飲酒』騒動が起きたのは、『ひと月ほど前(>>609)』からだ。
 そして事件が起きるのは、決まって金曜日の放課後。
 仮に、毎週一人ずつ被害者が出ていたとすると……その程度の人数になるだろう。

「……とはいえ、『図書室』は基本的に『私語厳禁』、だけど……」

669『火はなくとも煙る』:2020/05/24(日) 17:01:05
>両名

「…………その。
 これは、『陰口』のようになってしまうから、
 言うべきかどうか、ずっと迷っていたのだけれど……」

 白町の準備を待つ間。
 エヴァレットが、申し訳なさそうに口を開いた。
 白町の主張する『自賛』のトリガーを踏まぬよう、丁寧に言葉を選んでいる。

「……『飲酒』の疑いをかけられた生徒たち、ね。
 はっきり言って、……あまり『素行の良い』生徒ではなかったみたい」

「……全員、『飲酒』疑惑については否定しているの。
 でも、先生方の多くは、『彼らがウソをついているに違いない』って……
 普段の行いが褒められたものではなかったから、聞く耳を持ってもらえなかった……って」

「……私も、面識があるわけじゃないから。これも、『噂』程度の情報よ」


 その噂を言い換えるなら、こうだ。
  、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
 『私語厳禁の図書室でダベっていても不自然ではない』、そんな生徒たちだった。


 しかし、同時に。

 ただでさえ、『飲酒』の濡れ衣によって傷つけられた、彼らの名誉。
 その傷口に塩を塗り込み、追い討ちをするかのような難癖だ、ともいえる。


 火のない所に煙は立たぬ。


 そんな、教師たちからの謂れのない冤罪に傷ついた、エヴァレットだからこそ。

 必死に罪を否定している生徒たちに、自らも疑いをかけるような真似は、到底出来なかったのだろう。
 或いは、「尋ねられるまでは明かすまい」と、心に秘していたのかもしれない。

「……ごめんなさい。私が、もっと早くに、これを打ち明けていたら」
「もう少し、早く。正解に辿り着けたかもしれない、のに」

 ……とはいえ、自らの都合で、重要な情報をひとつ伏せていたことに変わりはない。
 その自覚もあるのか、エヴァレットはひたに詫びている。

 しかし、これで『被害生徒の共通点』、という情報が明らかになった。

 『情報収集』という名目で、事前に『根掘り葉掘り』聞いていれば、
 他にも明かされていた情報があったのかもしれないが……

 しかし、中務の『直感力』と白町の『策』によって、既に『王手』は目前だ。
 今となっては、些事かもしれない……。

670白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/25(月) 00:14:10
>>667(中務)
>>668-669(GM)

「なるほど――ごもっともです、中務さん!
 やはりあなたの着眼点は素晴らしい……
 図書室は、『話す場ではない』ですものね」

「そして、それを満たす理由もまた、ごもっともです!」

中務の持っていた疑問、そしてエヴァレットの答えはどちらも納得がいく。
火のないところに煙は立たぬ。『火があるところを選んで煙を立てた』。

「エヴァレットさん。気にすることはないのです。
 なにせ誰も倒れていない。倒れるのは『悪徳』のみ。
 誰も悪くはないのです。悪いのは『ここにいない者』のみ」

「素行が悪いからといって、冤罪をかけられていい理由はないのです。
 正しい罪をもって、正しく裁き、正しい形に是正する! そうあるべき!」

位置取りを予定通りに取り、
中務と二人でエヴァレットを挟むようにする。
膝掛けを肩にかけた『ハード・タイムス』は、構える。
その一撃はエヴァレットには当たらないように、
真後ろでなく、ほんの少しだけ横にズレた位置に立つ。

「わたくし、『幕引き』を提案します。
 『ハード・タイムス』の『絶技』の一を以て、
 次の『出現』と同時に確実に仕留めます!」

出現のトリガー、『エヴァレットの自賛』の開始と同時に肩にかけた膝掛けを抜き放つように前に振るう。
つまり、『掴んでいる一隅』以外の『三隅』が、自分の体より前方向に位置するように、振るう(精B)


その状態で『掴んでいる一隅』からは『最低の力』で。
『他の三隅』からは『最大の力(パスBB×3)』で。


「もっとも、これもまだまだ『是正』出来る技では、あるのです」 


膝掛けは、結果的に引きちぎれるだろうが…………『引っ張る』。

その勢いに乗せ、『ハード・タイムス』の身体を前に『突っ込ませる』。
白町自身が最初にそうしたように。あの時の、『三倍』の引っ張りによって。

671『火はなくとも煙る』:2020/05/25(月) 12:58:26
>>670(白町)

【確認事項】

>位置取りを予定通りに取り、
>中務と二人でエヴァレットを挟むようにする。

この『予定通りの位置』というのは、>>660

> あなたの『エイミー・ワインハウス』の配置の話です。
> 『エヴァレットさんの側』と、『前方・人二人分ほど』に」

この位置にスタンドを配置する、という理解でよいか。
それとも、『挟むように』というように、それぞれのスタンドをエヴァレットPCの両隣に配置するということか。

(※尚、現在『エイミー・ワインハウス』は>>661よりエヴァレットPCの隣に位置している。)

>出現のトリガー、『エヴァレットの自賛』の開始と同時に肩にかけた膝掛けを抜き放つように前に振るう。

このレス内に該当の台詞等はないが、エヴァレットの『自賛』を指示した、という理解で進めてよいか。
また、>>657>>660にて『コ』の字状に並べた椅子については、
以降の言及がないが、『コ』の字の中央辺りのスペースにエヴァレットを誘導していた、という理解でよいか。

672白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/25(月) 14:55:46
>>671(回答)
全面的にGMの理解で間違いございません。
『エヴァレット』NPCへの指示は完全に書き忘れのため、
申し訳ございませんが>>670を以下に修正させていただければ幸いです。

-----

>>667(中務)
>>668-669 >>671(GM)

「なるほど――ごもっともです、中務さん!
 やはりあなたの着眼点は素晴らしい……
 図書室は、『話す場ではない』ですものね」

「そして、それを満たす理由もまた、ごもっともです!」

中務の持っていた疑問、そしてエヴァレットの答えはどちらも納得がいく。
火のないところに煙は立たぬ。『火があるところを選んで煙を立てた』。

「エヴァレットさん。気にすることはないのです。
 なにせ誰も倒れていない。倒れるのは『悪徳』のみ。
 誰も悪くはないのです。悪いのは『ここにいない者』のみ」

「素行が悪いからといって、冤罪をかけられていい理由はないのです。
 正しい罪をもって、正しく裁き、正しい形に是正する! そうあるべき!」

中務と二人で『出現位置』を前後に挟む位置を取る。
具体的に言えば、白町本人はエヴァレットの後方。
そして『ハード・タイムス』はエヴァレットの側に立つ。

 中
●☆●  ●:『椅子』。なるべく隙間を開けず配置。
●エ/ハ●  ☆:ここに『美少年』が出現すると『決め打つ』。
●●●   中:中務の立ち位置は、ここが良いと考えている。
     エ/ハ:エヴァレットのすぐ側に『ハード・タイムス』。
         この二人が収まる以上の隙間は、絶対に作らない。

エヴァレットの側には『ハード・タイムス』1人分以上の空間は絶対に作らない。
可能な限り椅子の位置をそのように詰めておく。それが出来てから、始動する。

「わたくし、『幕引き』を提案します。
 『ハード・タイムス』の『絶技』の一を以て、
 次の『出現』と同時に確実に仕留めます!」

「エヴァレットさん、『椅子の陣』の中へどうぞ。
 ちょうどその、『コの字』に収まるように立つのです。
 わたくしの『スタンド』の側に。隙間を空けず。
 そして……ぜひ、始めなさい。最後の『自賛』を!」

出現のトリガー、『エヴァレットの自賛』の開始と同時に肩にかけた膝掛けを目の前の空間へ振るう。
つまり、『掴んでいる一隅』以外の『三隅』が、自分の体より前方向に位置するように、振るう(精B)

その状態で『掴んでいる一隅』からは『最低の力』で。
『他の三隅』からは『最大の力(パスBB×3)』で。


「もっとも、これもまだまだ『是正』出来る技では、あるのです」 


膝掛けは、結果的に引きちぎれるだろうが…………『引っ張る』。

その勢いに乗せ、『ハード・タイムス』の身体をエヴァレットの前の空間に『突っ込ませる』。
白町自身が最初にそうしたように。あの時の、『三倍』の引っ張りによって、タックルを仕掛ける。

673中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/27(水) 11:07:37
>>668
>>672

「まぁ、ボクらも聞いてなかったんで仕方ないし……」

「……ん、む」

そうか、そういうことか。
なんとなく、動線のようなものは見えてくる。
動機と言ってもいい。
そういう人間を狙っている可能性は否定できない。
それをすることによって得られるものがあるのかもしれない。
それは立場によって生まれるもの。

「まぁ、とりあえず処理しちゃうっスよ」

「犯人探しがしたいなら、その後で」

どうせこの場にはいない人間だ。
エヴァレットにスマホの文字を読み上げるように促そう。

「……僕の能力は使い所ないっスかねぇ」

「まぁ、とりあえずはやることを」

白町の指定する場所に待機。
美少年が現れたら殴る(パス精CBB)

674『火はなくとも煙る』:2020/05/27(水) 21:01:28
>>672(白町)>>673(中務)

 白町が先導し、『美少年』を打ち負かすための陣形が整った。

 七つの椅子、その中央にエヴァレット。
 すぐ傍らに、布を構えた『ハード・タイムス』。
 『美少年』の現れるための一か所を空けて、
 その正面には中務と『エイミー・ワインハウス』。

 『神出鬼没』のスタンドだが――――『タネ』が割れてしまえば、攻略は易い。
 『いつ』、『どこに』、現れるのか。その条件さえ、明かされてしまえば。

「…………読むわね」

 エヴァレットの顔に、先ほどまでの不安はない。
 これが『王手』へと繋がるという確信を、二人の言動から得たのかもしれない。


    「……『私は、礼節を弁えていて、素敵』」



       『 ズ  ズズ    ズズズ   ・ ・ ・    ! 』



   バ リ ッ !!

                          グ!  グ!!   グン !!!

675『火はなくとも煙る』:2020/05/27(水) 21:03:02
>>672(白町)>>673(中務)

 ただでさえ『一瞬』で消えてしまう『美少年』のビジョン。
 その姿を視界に捉えてから、『後出し』で攻撃を放ったとしても、当たる前に消えてしまうだろう。
 どれほど素早い『スタンド』だろうと、それを動かすのは人間の意識だ。
 その差異こそ、この『スタンド』――――『アルコホリック・フェイス・ミッション』が遠隔自動操縦型である、という論拠であったように。


 ならば。
  、、、、、、、、、、、
 『攻撃を置いておけばいい』。

 白町千律と中務千尋は、もう知っている。
 この瞬間、ここに来ると 『知っている』!


       ぐ   ぉ ン ―――――――――― !!


 エヴァレットが読み上げるのと同時に、『ハード・タイムス』が仕掛ける。
 その手に掴んだ『膝掛』が、前三方向に『引っ張られる』。


        み  し ッ  ・ ・ ・ !


 ……急に激しく靭帯を引き延ばされ、腕や肩が悲鳴を上げた。
 『膝掛』も、その中央から三方向に引き裂かれた。その攻撃は、


 ――――裏を返せば、それほどの『破壊力』!


       『  ニ ィ   
                   『  ┠゛ コ゛ ォ  ッ  !!! 』

676『火はなくとも煙る』:2020/05/27(水) 21:06:09
>>672(白町)>>673(中務)

 渾身のタックルを見舞われた『美少年』が吹っ飛ぶ!

 その姿は……消えない。
 先ほどまでならば、『一瞬』のうちに接触を済ませ、姿を眩ませていたはずだ。

 『ハード・タイムス』が与えた、その捨て身の攻撃のダメージか。
 或いは、一連の動作が途中で中断されてしまったためか。

 ただそこにいるだけの、ヴィジョンならば――――!


        バ  キ ぃ っ! 
 

 『エイミー・ワインハウス』の振るった拳が、その顔面に突き刺さる。
 今度は過たず、そのヴィジョンを捉えた……『クリーンヒット』、というやつだろう。


     『 ・ ・ ・ オ 』

                 『  オ ロ  ロ 〜〜〜〜 〜 ン ・・・ ! 』


 悲鳴、のようなものを上げて、『美少年』が這いつくばる。
 もはや、あのうすら寒い『笑み』は浮かべていない。
 信じられない扱いを受けた、とでも言わんばかりに、涙目で二人を見上げている。

 恨めしそうな視線を残したまま、『美少年』の身体が薄れていく。
 今までのように『一瞬』で消えるのではなく、存在感が少しずつ希薄になっていくような感じだ。
 『強制解除』、というやつだろう。

 ……ふと、貴女たちは、それまで自分の体の中にあった『不調』や『ふらつき』が、消えていくのを感じた。

 思考はクリアになり、火照りも冷めて、心なしか気分も良い。
 互いを視れば、肌の赤らみも消えている。


「……お、終わったの……?」

 エヴァレットが、おずおずと尋ねている。

677白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/27(水) 23:00:31
>>673(中務)
>>674-676(GM)

『ハード・タイムス』そのものは『非力』なスタンドだ。
だが『白町千律』は『18年』の『経験』により、
最大の破壊力を引き出す術を、痛みと共に学んでいる。

「ああ痛い……それに、『ブランケット』が破れてしまいました。
 特に思い出の品などではないのですが、使い心地がよかった。
 わたくし、とても悲しい……ですがこの損失もまた『素晴らしい』!」

「希望ある未来の『是正』に伴う痛みは、崇高なのです!」

              シュル

笑顔で高らかに宣言する。『勝利』をだ。

引きちぎれた膝掛を手に取って一塊にまとめ、
『ハード・タイムス』を解除する。『終わった』からだ。

「エヴァレットさん、お疲れ様でした。中務さんもご協力感謝します。
 ふふっ。事件の元凶――――『スタンド』は、これで討伐完了です」

            ニコォ ・・・

話しながら、椅子を片付ける。

「あとは『犯人』を、探すのです。
 『ホンモノの霊』でもないのなら、
 これをけしかけた人間が、いるのでしょう。
 それを是正せねば、事件はまた起きるかもしれません!」

「スタンドに与えたダメージが、フィードバックしていれば、話は早いですが」

678中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/28(木) 01:32:26
>>674-677
>>677

「ははっ、ぶち抜いてやったっスねぇ」

今日の自分たちの役割は勝者。
敗者の役割を持ったのは相手の方だ。
『エイミー・ワインハウス』はうやうやしく礼をした。

「そうっスね。まだ、ラジコンを叩いただけっスから」

「操縦してるのを叩かないといけないっス」

「ただ、そこに関しては結構絞れるとは思うっスけど」

『エイミー・ワインハウス』に椅子を持って来させて座ろう。
その位の楽は許されるだろう。

「要は、その不良風のやつらを狙いたい人間だとは思うっスけど。そいつらが落ちるのを見たい、的な?」

「まぁ、あくまで予想っスけどね」

679『火はなくとも煙る』:2020/05/28(木) 20:53:01
>>677(白町)

 『ハード・タイムス』から逆流する、ビリビリとした片腕の痺れ。
 お気に入りの『ブランケット(膝掛)』も、四片に寸断されてしまった。

 ……或いは、これくらいの『苦み』も。
 『勝利の美酒』にとっては、ちょうどいいアクセントかもしれない。

「……それは、『こちらの台詞』ね。お疲れ様、白町さん。
 椅子の片付けくらい、後で私がやっておきます。今は休んでいて」

 ところで、その引きちぎれた『ブランケット(膝掛)』だが……
 等方向に均等に引っ張られたためか、断面にほつれ等はない。

 もしかして、布と繊維の張力を自在に操る『ハード・タイムス』の器用さなら、
 『縫い糸』と『裁縫道具』さえあれば、キレイに直せるのではないだろうか……?


>>678(中務)


      シュ ビ !
                   バッ !


 キレのある一礼!

 『エイミー・ワインハウス』も、本来の調子を取り戻したらしい。
 先ほどまでの微かな『不具合』は一切感じられない。
 優雅に、もしくは淑やかに、椅子に腰かけているのだろう。

「……『ラジコン』。なるほどね。
 電波の届くようなところから動かしていた、と。
 さっき言っていた『遠隔自動操縦』って、そういうことよね?」

 分かりやすい例えに、エヴァレットも得心がいったようだ。


>両名

「……二人とも、改めてお礼を言わせて」

 ひと息ついたところで、エヴァレットが居住まいを正す。

「貴女たちにとっては、自分の『信条』に則った行いだったのだろうけれど」

「……私にとっては、これ以上にない『無実の証明』だった。
 訳も分からないおかしな事件について、疑いをかけられて……
 正体も目的も知らない、『幽霊』のせいにして……
 私の頭がおかしくなったんじゃあない、って、『自分自身に証明できた』」

680『火はなくとも煙る』:2020/05/28(木) 20:53:57
>両名

 もし、この事件に、犯人と呼べる人物がいるのならば。
 真の解決を図るためには、その正体を明かして、公正な罰を受けさせるべきだろう。

 ……しかし、『スタンド』の罪を裁く法はない。
 正義なき力は、ただの暴力だ。

 ――――では、今回の一件は。

 『酔い』を振り撒いていた、傍迷惑なあの『スタンド』を懲らしめたのも、『暴力』なのだろうか?

 それは、二人の『正義感』次第だろう。ただ、


      「……今はもう、『真相』を知っている。 『だから』、迷わない。
       『図書委員』だから怪しい、『イギリス人』だからサボってる……
       そんな噂で肩身の狭い思いをすることなんか、これっぽっちもないんだって」


        「……誰に恥じ入ることもなく、心の底から、そう思えるわ」


               ペコォ――――ッ


          「…………ありがとう……!」


 ……少なくとも。
 貴女たちに救われた『彼女』は、そんなことは微塵も思っていない。

 二人の『スタンド使い』による予想外の介入は、『牽制』にはなっただろう。
 『図書室』は、静謐を取り戻すはずだ。……少なくとも、当面の間は。


       キーン            カーン
              コーン             コーン・・・


 再三、放課のチャイムが鳴る。

 貴女たちは、用が済んだのだから、と『図書室』を後にしてもいい。
 或いは、多少駄弁っていってもいい。
 せっかく図書室に足を運んだのだから、何か『貸出』てもいいのかもしれない。

 ……今は『利用禁止』だが、そのくらいの融通は利くだろう。

681白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/28(木) 23:05:02
>>678(中務)
>>679-680(GM)

「狙いはエヴァレットさんでは無かった……
 確かに言われてみれば、その可能性もありますね。
 中務さん、その発想の転換…………『素晴らしい』」

「今すぐ探したい、ところですが」

下手人を追うにしても、今すぐは厳しいだろう。
タネが割れたとはいえ『侮る』理由はない。
是正を忘れるものはいずれ負ける。
正義の衝突は畢竟、『暴力』と『論理』の衝突。
それらを研ぎ澄ます事が『是正』につながる。

――『白町千律』は、それが可能なら、武力解決を厭わない。

「そうですね。ここは少し休みましょう。 
 わたくしの『ハード・タイムス』は、疲れるのです」

直したばかりの椅子に座り、エヴァレットに笑みかける

「エヴァレットさん。
 わたくし……あなたの『真面目さ』が好きです」

「ですからこそ…………『是正』を、するのです。
 今日あなたはひとつ、『スタンド』について知る事が出来ました。
 ……『スタンドが見える者』は、『己のスタンド』にいつか出会う。
 それがいつになるかは、わたくしにはわかりませんが……覚えておきなさい」

チャイムが鳴り響く中、千切れた布を鞄に収める。
体力が回復したならば…………『次なる是正』へと、動き出そう。

682中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/29(金) 00:22:55
>>679
>>680

「まぁ、エヴァレットさん狙いの可能性もありますけど、不良の方が狙われた数多いっスからね」

足を組み、伸びをする。
まぁ、とりあえずひと仕事は終えたわけだ。

「……この先もこんなこと、あるかもしれないっスよ」

「でもエヴァレットさんなら大丈夫っス」

「また白町さん頼ってもいいんだし」

そう言って立ち上がる。
貸し出しをしたい本があるのだ。
だからそれを済ませてから帰ろう。

「お疲れ様っス」

683『火はなくとも煙る』:2020/05/29(金) 17:18:44
>>681(白町)

 椅子に腰かけると、それまでの疲労がどっと押し寄せてくる。
 エヴァレットは、貴女の忠告に言葉少なに返した。

「……そう。そんな日が、来るのかしらね」

 今回の『是正』は、一先ずの終着点を迎えた。
 風紀委員としての活動記録に、見えない一ページが刻まれたということだ。

 夕日が暮れる頃には、息も整うだろう。貴女は、次の『是正』に受けて足を進める――――。


>>682(中務)

 ひと伸びをして、体を解す。
 貴女の言葉に、エヴァレットは言葉少なに頷いた。

「……そうね。大丈夫、だといいのだけれど」

 『図書の貸出』を申し出ると、エヴァレットは快く応諾した。

 肌になじむ革の表紙の手触り。
 焼けてくすんだ紙の色。
 貸出を待つ間の、時計の針の、刻む音。

 憩いの場でもあった『図書室』、その平穏が帰ってきたことを実感する――――。


>両名


 ―――――『後日』。


 貴女は、たいへんな幸運に見舞われることになる。
 『宝くじ』に当たったのか、『財布』を届けて謝礼をもらったのか。

 いずれにせよ、その『金額』は学生にとっては、ちょっとしたものだった。


【 RESULT! 】

 白町千律『ハード・タイムス』 ⇒ 『20万円』 + 『3万円』 GET!

  ・『遠隔自動操縦型(特定の法則に基づいて動いている)』だと見抜いた(>>640) +1
  ・『発動条件(自賛)』に気づいた(>>648>>651) +1
  ・『攻略法(現れると思しき位置に、先手を打って攻撃を仕掛けておく)』を実践した(>>672) +1

 中務千尋『エイミー・ワインハウス』 ⇒ 『20万円』 + 『2万円』 GET!

  ・キーワード『自分に酔っている』に至った(>>649) +1
  ・『酔い』の解除(『水分補給』など)を行った(>>641) +1

684『火はなくとも煙る』 〜真相〜:2020/05/29(金) 17:21:07

----------

【スタンド能力の開示】

遠隔自動操縦型。人型。接触発動。

西洋風の顔立ちをした、『絶世の美少年』のヴィジョン。
宗教絵画に描かれるような、神秘的で幻想的な外見。
美しさと若さを兼ね備えており、絶えず自己陶酔的な表情を浮かべている。
所作がいちいち気障ったらしく、なんとなく鼻につく感じもする。

彼は、自分の外見があまりに美しいので、ギリシャ神話に登場する『ナルキッソス(※)』だと思い込んでいる。
すなわち、『自分に酔っている』。そして、同じように『自分に酔っている』と思しき人間を見つけると、

「もしかして水面や鏡に映った自分自身の虚像なのでは?」

と勘違いして、愛撫などを迫ってくる。
彼に勘違いされた状態で愛撫(接触)を受けると、本当に「写し鏡」のように、その『酔い』まで移ってしまう。
その後、自分以外の人間にはあんまり興味がないので、愛撫を終えたらさっさと消える。
『自分に酔っている』、と判断されてしまう基準は――――『自分語り』。

『自分』を『語る』……すなわち、自身に対して肯定的な発言を『口にする』ほど、対象は『自分に酔う』ことになる。

具体的には、「私には〇〇できる」だとか「僕は××だと知ってるよ」だとか「俺は△△な人間だぜ」といった、
自分の能力・性格・知識などについて自信に満ちた言葉、肯定的な自己言及は、すべて『自分語り』と認識されてしまう。

発言者の意図は関係ないので、実際には自信を伴っていない発言や、誰かの質問に答えただけでもアウト。
その機微が分からないのは、彼自身も『酔っている』から、なのかもしれない。

『アルコホリック・フェイス・ミッション』

破壊力:E スピード:A 射程距離:A
持続力:B 精密動作性:B 成長性:E

(※『ナルシスト』の語源となり、水面に映った自分自身に恋をして、口づけしようとして溺れ死んだ美少年。諸説あり。)

----------

【スタンド使い】

酒本樽美(32)

会社員。独身。
外資系保険会社にて、営業職を担当。
その過酷な業務に精神が追い詰められており、今回の『スタンド』の暴走に繋がった。

毎週金曜日、営業先⇒直行直帰⇒宅飲みのスーパーコンボをキメている彼女は、
「明日から休みなので思いっきり酒が飲める」という歓喜のあまりに、
自身の『精神の発露』である『アルコホリック・フェイス・ミッション』を暴発。
その結果、自宅の借家近くに位置していた清月学園の『図書室』で、ヴィジョンが暴走してしまっていた。

彼女当人は、自分の『スタンド』能力に無自覚。
或いは、今回のミッションで暴走中のヴィジョンを打倒されたことで、何かに『気付いた』かもしれない。


――――最近、とある『製薬会社』の治験アルバイトに、会社には内緒で参加していた。

685『火はなくとも煙る』 〜真相〜:2020/05/29(金) 17:22:59
『アルコホリック・フェイス・ミッション』

破壊力:E スピード:A 射程距離:A
持続力:B 精密動作性:B 成長性:E

----------

『自分語り』、すなわち自己への肯定的な言及を対象に発動する。

発現⇒接触⇒消失までは『一瞬』。
ヴィジョンを目視してから『後出し』で攻撃を行っても、よほどの工夫がない限りは、攻撃が間に合わない。
特に、酩酊状態の人間は判断力や反射神経が鈍っているため、徒手空拳の精度も落ちる。

『酔っている』人間からは、後述の深度別症状のほか、実際に『アルコール臭』などもする。
この『スタンド』を打倒した時点で、『酔い』は一気に回復する。

1、基本的な攻略方法

発動条件を理解して逆手に取り、「ヴィジョンが現れる瞬間に合わせてあらかじめ攻撃を置いておく」。
すなわち、相手の動きを先読みして『先手を打っておく』ことで、スピードの不利を打ち消すということ。

(但し、この『先手を打つ』という攻略法に至れば、発動条件は正しく理解していなくても構わない。
 最悪、「喋っている途中に現れたぞ」程度の理解度で、適当に話しながらラッシュ攻撃をしたとしても、
 その会話の中に『自分語り』が含まれていれば、有効な攻撃として扱う。……見栄えはかなり悪いが。)

2、ややメタな攻略方法

本来であれば、ヴィジョンが現れた際の会話の内容から『共通点』を探し出す、というのがGMの想定する解決法。
但し、ヴィジョンが現れた際のレス内の会話と同じ言葉を繰り返して、どの時点で『スタンド』が出現したのかを探ることも出来る。

3、その他の攻略方法

接触発動型のため、『スタンドコーティング』が対策としては有効。
『酔い』を醒ますために有効とされている一般的な手法(水分補給など)での対処も可能。

4、酔いの深度について

『爽快期(深度1)』……心なしかさわやかな気分。他人が見ると、皮膚が少し赤らんでいる。自覚症状はない。
『ほろ酔い期(深度2)』……体温が上がり、肌が汗ばむ。脈が速くなる。自覚症状は「少し動悸を感じる」程度。
『酩酊初期(深度3)』……立っているとふらつく。呂律がちょっと怪しい。はっきりと自覚する。
『酩酊期(深度4)』……まっすぐ歩けない。何度も同じことをしゃべってしまう。吐き気、動悸も激しい。
『泥酔期(深度5)』……まともに立つことも出来ない。言語能力はほぼ機能しない。
『昏睡期(深度MAX)』……揺り動かしても起きず、意識はほとんどない。無理をすれば、生命に関わる。

※『自分語り』に反応しているので、言語能力を失った『泥酔期(深度5)』以降はそもそも発動しない。

参照:ttps://www.asahibeer.co.jp/csr/tekisei/kids/library/page02/details.html

686『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/12(金) 21:14:02

 失敗したからって何なのだ?失敗から学びを得て、また挑戦すればいいじゃないか  

 ――ウォルト・ディズニー

687『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/12(金) 21:23:34


金一「 ――25歳のブロンドヘアー
ナイスバディなアメリカン教師の衣類をズダズダに切り裂いて
脱衣KO勝利するヒール役を務めてくれって言ったら。
 アルカラ 了承してくれるか?」

金一「ついでに言っておくと今回のルールは所持品の持ち込みは禁止な。
言うて、別に今回は何か道具なくても勝てる可能性は十分高いぞ」

とてもセンスの悪い色柄な派手なスーツにサングラスをした男
貴方と奇妙な縁が出来たアリーナの貴方の専属スポンサーを自称する
銭の亡者が総合グラウンド地下闘技場についての新たな試合を耳にした
貴方(夢見ヶ崎ことアルカラ)に久しく顔を会わせたと思ったら
唐突にそんな寝ぼけてるのかとち狂った事をほざいてきやがった。

意図を聞くのも良いだろう。恒例のように殴り飛ばすのも手かも。


(何時も通りの簡単な外見とプロフィールと能力詳細。
上記の通り、今回は所持品はいらないから記載しなくても結構)


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