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【場】『汎用場所スレッド ―プラチナ―』

1オレはいったい誰なんだッ!?:2016/01/22(金) 22:05:56

 なかなか気にいった いい所だぜ

252A子『マイ・リトル・クッケンハッケン』:2016/05/22(日) 02:05:37
>>251

「出せないのか?
 出したことないのか?
 形がないタイプとかだったりしない?」


疲れてきたのか、はひはひ言いながら歩くA子。


「ど、どしたの急に。
 なんでいきなり眠そうなの? ナルコプレシーなの?」

「うーん、わたしのどこで知ったのかわからない知識によると、
 防衛本能とかで発現したりもするらしいよぉ。
 防衛本能刺激と、眠気覚ましに刺してみるる?」


うろうろしていた犬2匹が、剣を構えて九重の足にダッシュしてきたぞ。
パワーはEだが剣は包丁並みの切れ味だ。
本当に刺す気なのか、脅しであってギリギリで止める気なのかはわからないが、
マジで刺さったらコピー用紙で肌切ったくらいの傷はつきそうだ。

253九重『ノー・リモアーズ』:2016/05/22(日) 23:06:06
>>252

「形がないとかあるん……?」

よくわからない。全く未知の領域である。
そういうのもあるのか……!
という感じだ。

「ナル……コ……?」

「むつかしい言葉……しってん……なぁ……」

うとうとうとうと。
眠そうだ。今にも意識を失いそうなぐらい。

「……」

犬頭の兵士が九重に迫る。
九重の反応はない。
返事もない。

シュンッ

これが返事だとでも言うように
九重の側に人型のヴィジョンが現れる。
白紙の切れ端が集まったかのようなヴィジョン。
それが、座り込むように佇んでいた。

「止まりなさい」

凛とした声。
空のそれと同じだが、なにか……

「犬鍋にしてしまうわよ」

254A子『マイ・リトル・クッケンハッケン』:2016/05/23(月) 00:22:41
>>253

 『キャワワン!』

     『キュウーン』


勢いがよくてうまく止まれなかったのか、突撃してきた犬頭たちは
すっころぶようにコロコロと地面を転がった。
あるいはなんか怖い声にびびったのかもしれない。


「……なんかでた。けど……」

「?」

「そらお姉ちゃん?
 眠気なくなった……?」


ちなみに犬なのは頭だけで体は人型だ。
でも尻尾も生えてる。

255九重『ノー・リモアーズ』:2016/05/23(月) 00:28:27
>>254

「冗談ですわ」

犬頭に向かってそう告げる。
が、意味は通じているか分からない。

「そらお姉ちゃん?」

「……」

「えぇ、なくなったわ。」

柔らかな笑みを浮かべて応じる。
座り込んでいたヴィジョンが立ち上がり、頭に巻いた手ぬぐいを解いた。
そしてそれを袋の中へ突っ込む。

「行きましょう」

「願えば行きたいところにつくのだから」

256A子『マイ・リトル・クッケンハッケン』:2016/05/23(月) 00:34:09
>>255

「そのなんかわしゃわしゃしたのがそらお姉ちゃんの『スタンド』なのね」


犬頭のスタンドたちは尻尾を巻いてA子のほうへ戻っていった。


「……?
 覚醒したら世界が違ってみえる的なやつとかなのかな……」


急にクールキャラになったようなお姉ちゃんに
不思議そうにしながらついていく。
なんだか目的地に対する意識も強くなったようだし、すぐ着くだろう。

257九重『ノー・リモアーズ』:2016/05/23(月) 00:41:48
>>256

「そう。これが私のスタンド。名前は現在議会で検討中よ」

「覚醒? ……まぁ、そんなものね」

「間違いではないわ」

歩き続ける。
迷いはない。一歩一歩確実に進んでいく。

「ねぇ、一つ聞いてもいいかしら?」

「もし自分がもう一人いたら……そうね、スタンドとかでなく自分が自分の目の前に立っていたら」

「あなたどうする?」

258A子『マイ・リトル・クッケンハッケン』:2016/05/23(月) 00:50:46
>>257

「議会ってどこのなの!?」


さっきまでスタンドを出したこともなさそうだったのに、
もう議案が提出されていてA子は驚いた。


「え? もうひとりじぶんが……え? なんで?
 うーん、よくわかんないけど、
 じぶんが2人いたら
 一日こうたい制で学校行けば休みが二倍になると思う」

「お、アーケードの出口だ」


重い荷物を抱えてえっちらおっちら歩いていたため時間がかかったが、
そろそろアーケードを抜けるようだ。
向こう側は山だったり田んぼだったりせず、ちゃんと道路になっている。

259九重『ノー・リモアーズ』:2016/05/23(月) 01:00:50
>>258

「議会は常に我々の心の中にあるのよ」

涼しげに、こともなげに答える。

「そう。交代制」

「その発想はなかったわ。それも議会に提出するべきかもね」

くすくすと笑う九重。
そして、アーケードの出口に差し掛かる。

「あら、もう来ているみたい」

視線の先に黒い車。
窓ガラスがスモークで隠されており、中の様子は見えない。
車からスーツを着た男が現れ、二人から荷物を受け取った。

「それじゃあ、ここでお別れね」

「あなたのお名前聞いてなかったかしら?」

「教えていただける?」

260九重『ノー・リモアーズ』:2016/05/23(月) 01:01:44
>>259 (追記)

「少女Aじゃあなく本当の名前はないのかしら?」

261A子『マイ・リトル・クッケンハッケン』:2016/05/23(月) 01:11:38
>>259

「ふーん?
 よいしょ。はいどぞ」


首を傾げつつ、荷物を渡した。


「……親につけてもらったなまえとか、戸籍に載ってるなまえが、
 『本当のなまえ』?」

「わたしのなまえは……
 わたしのなまえはうーん、やっぱりAって呼んでほしいな。A子で」

「じゃあねー、バイバイ! そらお姉ちゃん」


それだけ言うと、A子は赤い頬っぺたをさらに照れたようにさらに赤くさせて、
逃げるように小走りで去っていった。


「ひゃー」

262九重『ノー・リモアーズ』:2016/05/23(月) 01:22:19
>>261

九重はにっこりとA子に微笑むと

「さようなら」

と一言だけ呟いて車に乗り込んだ。
車はすぐに発進し見えなくなった。


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