したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【場】『汎用場所スレッド ―プラチナ―』

1オレはいったい誰なんだッ!?:2016/01/22(金) 22:05:56

 なかなか気にいった いい所だぜ

2オレはいったい誰なんだッ!?:2016/01/22(金) 22:06:48
・曖昧な町の曖昧な『場所スレ』。
 ここでは最初に動いた方が、町にありそうな好きな場所を明示する事が出来ます。
・場所スレですが『野バトル』や『野イベント』も継続してここでやって頂いて構いません。
・専用場所スレが立った場所に関してはその専用場所スレで動くようお願いします。
・スレッド名後部の『―プラチナ―』は他の汎用場所スレと
  区別をつける為の『識別名』であり、内容には一切関係ありません。
・このスレッドは、次スレ以降、【場】『汎用場所スレッド ―プラチナ― その○』
  のような形で続いていく予定です。

3壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/24(日) 20:30:59
駅前の大衆食堂で食事をしている。

「このチャーハンちょっと辛いな……」

ちょうどお昼時で店内はほぼ満席、見たところ空いている席は壬生の隣しかなさそうだ。

4亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/24(日) 21:10:50
>>3
「……こういったところで食事するのも一つの経験と思ったが」

どうもこの場に不釣り合いな『高そーなスーツ』をまとって入店。

「ふん……満席じゃあないか」
『美津也サマ、アチラガ空イテイルヨーデゴザイマス』

ススー

『壬生』のもとに、静かに『メイド服』を着た『スタンド』が寄ってくる。

5壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/24(日) 21:20:16
>>4
「まあ別に食えぬほどでも無……!?」

ぎょっとした目でスタンドを見る。
レンゲを握る手は口元に向かう途中で固まったままだ。

6亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/24(日) 21:35:51
>>5
『ササ……コチラデゴザイマス、美津也サマ』

主を手招く『スタンド』。

「ふん、要らない世話を……」

悪態をつきつつ、そちらへと向かう『本体』。
席の近くまで来たところで、固まっている壬生に目を留める。

「……?」

不思議そうな顔をしながら、席につく『スーツ』。

『ア……申シ訳ゴザイマセン、驚カセテシマイマシタカ?』

『スタンド』が、話し掛けてくる。

7壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/24(日) 21:47:14
>>6
「え?
 あ、ああ……いや、お構い無く……?」

スタンドがメイドってマジかよとかそもそもこんな場所で堂々とスタンド出すなよとかいろいろ言いたい気持ちを抑えつつ、
一つ深呼吸して気持ちを落ち着けて食事を再開する。

「……」

しかしやはり気になるようで、チラッチラッと亘理……というより『ラブフール』を見ている。

8亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/24(日) 21:59:18
>>7
『ソウデスカ……ゴ食事、オ楽シミクダサイネ』

ペコリ、と一礼する『スタンド』。
『本体』の方は、席に座ったまま、何かを待っているようだが……

『ア、美津也サマ。ソノ……ゴ自分デ注文ナサッタ方ガ』
「何……?そういうものなのか?
チッ、仕方ないな……おい店主、この『おすすめ定食』とかいうのを一つ」

エラそーな感じで注文を済ませる。
『スタンド』は、座席の埃やら、スーツのよれやらを
細々と手入れしている。

「……ゴホン」
「あー、失礼。何かご用で?」

注文を終えて、少し店内を見渡し……
そこで、『壬生』の視線に気がついたようで、
わざとらしく咳払いをしたあと、声をかけてきた。

9壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/24(日) 22:10:15
>>8
「……用、というわけではないんだが……。
 その、なんだ。
 気を悪くされたらすまないが、『それ』……『スタンド』だよな?
 まるで召使いか何かのようだが……」

レンゲを置いて右手で『ラブフール』を指差す。
明らかな困惑顔で、『ラブフール』のようなスタンドは見たことがないのだろう。

10亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/24(日) 22:23:10
>>9
「ン? ああ、『こいつ』のことか。
そんな大したものじゃない。名前は『ラブフール』」
『ヨロシクオ願イシマス』

傍らの『スタンド』を指差して、運ばれてきた定食に手を付け……
はたと気付いたように、顔を上げる。

「……いや、何だと?見えているのか?
おい、お前ひょっとして気付いてたんじゃないのか」
『アッ、ハイ。先ホド、少々ビックリサレテイタヨーデシタノデ……』
「そーいうことは先に言えッ」

『ラブフール』に短く言い捨てると、『壬生』の方へと向き直る。

「いや、驚いた……こいつ――『スタンド』は、
『屋敷』でも、誰一人見えるヤツはいなかったんだ。
こんなところで、出会うなんて」

11壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/24(日) 22:38:58
>>10
「まあ、そうだろうな。
 具体的に何人に一人とかは知らないが、スタンド使いがレアなのは間違いないだろう。
 俺もほとんど出会ったことがない。
 だからこそあんたのスタンドがこっちに向かってきた時は驚いたよ」

レンゲを握り直して食事を再開する。
……よく見ると壬生の左腕は、肘のあたりからスーツの袖がだらんと垂れ下がっている。

「『屋敷』ってことはあんた、スタンドだけじゃなく本物の人間の召使いもいたりするような身分なのか?
 それがなんでこんな店に……」

12亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/24(日) 22:54:28
>>11
「やはり珍しいのか……あー、その口ぶりからすると、
貴方の『スタンド』はこいつのように『動き回る』ってことはないのか?」

食事は後回しにして、『壬生』に尋ねる。
『腕』の方にはちらりと目をやったが、すぐに視線を逸らした。
気にはなるが、尋ねるのも不躾だろう、と思ってか、見なかったことにしたようだ。

「ああ、『使用人』は……『いた』。
だが、それは過去の話だ……すっかり『落ちぶれ』てね。
今は、屋敷に残ったのは僕一人だ。人間ってのは『現金』なものだからな……ところで」

パクッ

そう自嘲気味に言うと、『定食』(今日は『炒飯+唐揚げセット』だ)の
『炒飯』を一口食って、顔をしかめる。

「こいつは『コショウ』が効きすぎていないか……?
だいたい、僕はあまりこの『炒飯』とやらがあまり好きじゃあないんだ。
それでもまだ、『パラパラ』なのは評価してやらんでもないが……」

13壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/24(日) 23:10:25
>>12
「……すまない、失礼なことを聞いた」

少々図々しかったと反省、素直に謝っておく。

「この店は俺もあまり来たことはないが、確かに辛い。
 確か店主の息子が修行中だとかいう話を聞いたことがある。
 『ハズレ』に当たったのかもしれないな。
 ……しかしチャーハンそのものが好きでないとは、結構珍しいと思うぞ」

辛さを紛らわすため、コップの水をグイッと飲む。

14亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/24(日) 23:21:18
>>13
「いや、貴方が謝ることじゃあない……
そうだ、失礼ついでに一つ。その『腕』はどうしたのか、聞いても?」

向こうが謝ってきたので、『釣り合い』が取れるかな、
などとひどく『姑息』なことを考えつつ、気になってはいたので尋ねてみた。

「子どもの頃に一度だけ、父と『中華飯店』にいったことがあったんだが……
そこの炒飯が、びっくりするくらい油で『ギトギト』でね……その記憶がいまだに強いんだ」
「しかし喉が渇くな……」

グイィ

『アッ、オ替エシマス』

コップの水を飲み干す――と、『ラブフール』が
空になったコップを持って、『ウォーターサーバー』へと向かう。
『見える』ぶんにはまだいいが、そうでなければちょっとした『怪奇現象』だ。

15壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/24(日) 23:35:50
>>14
「ああ、この腕は、数年前にバイクの運転中に『事故』を起こしてしまってね……。
 それが切っ掛けでオシャカになってしまったよ。
 以来バイクに乗れないのがどうにもつらい」

袖の上から肘付近をさする。
自嘲気味ではあるが、それほど暗さは感じさせない口調だ。
と、『ラブフール』が壬生のコップを持って水を替えに行く。

「……いや、ありがたいんだが、な……。
 スタンド使いでない周りからすると、コップが宙に浮いているように見えるわけで……あまりよろしくないんじゃあないか?」

近くの席で食事をしていた客が、横を通り過ぎたコップを見て目をパチクリさせている。

16亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/24(日) 23:52:04
>>15
「……なるほど。いや、悪いことを聞いた」

納得と答えてくれたことへの感謝を示すように、そう言った。
と、『壬生』の声に『ラブフール』の行動に気付いたのか、
顔をそちらに向ける。

「……勝手なことを。目立つだろうが」
『アッ、スミマセン、ツイ……オ屋敷ノツモリデ』

「どうしましょう?」といった様子でオロオロする『ラブフール』。
空中で右往左往する『コップ』。

「ああ、もう……さっさと取って、戻って来い。
できるだけ目立つなよ……」
『ハ、ハイッ』

溜息混じりに声をかけると、少し急ぎ気味に『定食』を食べ始める。

「いや、済まん。どうも要らん世話を焼きたがるヤツでね。
騒ぎになる前に、さっさと出た方が良さそうだ……」

17壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/25(月) 00:07:23
>>16
「まあ悪い人間……いや、悪いスタンドでないことは分かる。
 実際水のおかわりは欲しかったところだ」

先に食べ始めていた分、亘理より先にチャーハンを食べ終え、ふうと一息つく。

「ところで、お互い珍しいスタンド使いという出会いなわけだし、記念に名前を聞いても?
 俺は『壬生オルオ』という」

18亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/25(月) 00:16:05
>>17
「……毎日顔を突き合わせる身からすると、少し鬱陶しくはあるがね」

バクバク

『炒飯』をイヤそーに掻き込むと、唐揚げに手をつける。
『ラブフール』が言いつけ通り、人目を避けてこそこそ戻ってきて、
コップをそっと『壬生』の前に置く。

コトン

『アノ……ドウゾ』

「そうだな……これも何かの『縁』ってやつかも知れん。
僕は亘理 美津也。こいつの名前は……もう言ったっけな」

19壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/25(月) 00:25:40
>>18
「ああ、ありがとう」

『ラブフール』にお礼を言って水を飲む。
なんかさっきの客から視線を感じる気がするが、ここは無視。

「亘理さんね。
 『スタンド使いはひかれあう』なんて話も聞く……ひょっとしたらまたどこかで出会うかもしれないな。
 それじゃ、お先に。
 ごちそうさま」

席を立ち、レジを済ませて店を出て行く。

20亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/25(月) 00:35:56
>>19
「『惹かれ合う』か……現にこうして出くわしたことだし、
そういうものかも知れないな。……それじゃあ、『また』」

先に店を出た壬生からやや遅れて食事を終え、会計を済ませて店を出る。

『……イカガデシタカ?美津也サマ』
「味付けが全般的にキツい。唐揚げは油が多かったしな……」
「だがまあ……意外な発見もあったし、悪くはなかった」

そう言いながら、屋敷へと帰った。

21『噂』:2016/01/26(火) 17:07:40
街のどこかに………
『捨てられた博物館』があるらしい。

ここはどの辺りだったか?
『博物館』の場所はこのあたりではなさそうだが……。

22道星有香『ペット・ネームズ』:2016/01/28(木) 21:53:06
郊外の『果樹園』。
雪が積もっている。5センチ程。
時刻は昼。休日。

「ん〜…。迷ってしまいましたねぇ。『また』…。」

もこもこ服を着込んだ私服の若い女がいた。
キョロキョロと周囲に目を配っている。

23亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/28(木) 22:29:06
>>22
「……この季節、『果樹園』に人がいるとはな。
様子も妙だし、何しに来たんだ……?」

散歩の途中で『道星』を見かけた。
厚手のジャケットとデニム。足元は路面を考慮したスノーブーツだ。

『ソーデスネ……チョット、聞イテミマショウカ。
アノ、ドウカナサイマシタカー?』

『メイド服』を着た『スタンド』、『ラブフール』が
『道星』の近くまで移動して声をかける。

24道星有香『ペット・ネームズ』:2016/01/28(木) 22:32:56
>>23

「はいそれはですねぇ。って…。えっ」

答えかけた口をポカンと開いたまま、一歩後退する。

「スタンド?」

25亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/28(木) 22:42:08
>>24
『ハイ♪ 『ラブフール』ト申シマス』

そう言って、ぺこりと一礼する『ラブフール』。

「……おい、待て……お前は雪なんて関係ないかも知れないが、
僕にとっちゃ、ひどく歩きづらいんだ」
ザッ ザッ

後から、『亘理』もそちらへと歩いていく。

26星道有香『ペット・ネームズ』:2016/01/28(木) 22:46:11
>>25
「み、道星有香と申します」

 ペコリ

アルバイトで練習したとおりキチンと頭を下げた。
後から歩いてくる亘理を見て小首をかしげる。

「ラブフールさんですか?
 私、スタンドが喋ってるはじめてみました‥」

27亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/28(木) 22:50:51
>>26
『喋ル『スタンド』ハ珍シイノデショウカ? 他ノ『スタンド』ノ方ト
ソンナニ面識ガナイモノデスカラ、良クワカラナクテ……』

こちらも首を傾げる『ラブフール』。

「……驚かせてしまったようだが……あー、
こんなところで何をしていたんだ?」

『亘理』がそこに到着する。

28星道有香『ペット・ネームズ』:2016/01/28(木) 22:57:51
>>27
亘理のほうに向き直る。

「迷っちゃいました。果樹園。リンゴの木がいっぱい。
 同じような景色がずうう〜〜と続くんです」

ずうう〜〜っと、と言いながら両手を前に突き出すジェスチャー。

「あっ、私のこと迷子のマヌケ野郎って思いました?
 違う。違う。誰だって迷うんです。
 ラブフールさんだって」
「果樹園に用事なかったですよね?」
「これ、名推理です」

29亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/28(木) 23:04:11
>>28
「…………」

『道星』の独特な語り口に、困惑気味の表情を浮かべた。
しばらくして、意味を飲み込んだのか口を開く。

「ええと、つまり『迷子』なんだな」
『ドチラニ向カワレテイタノデスカ?』

本体とスタンド、『ステレオ』で話し掛ける。

「ついでに言うと僕は散歩してただけだ。別に迷っちゃあいないさ」

30道星有香『ペット・ネームズ』:2016/01/28(木) 23:11:32
>>29
「ひゃぁぁ〜〜。残念です名推理ハズレです…。
 迷推理です。まようって書くほう。迷子だけに。
 うふふっ…」

自分で言った事に一人で笑う。

「私のバイト先がこのあたりにあるんです。
 ある…。ん…。ん…。ん〜?
 あった…。あれ?ありましたっけ?」

 クルッ

ラブフールに尋ねた後、亘理のほうも向く。

31亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/28(木) 23:18:13
>>30
「…………あ、ああ」

『道星』の『リアクション』が読めないのか、かなり戸惑う『亘理』。
それを後目に、普通にやり取りをする『ラブフール』。

『アルバイトノ『オ勤メ先』デスカ?
イエ、私ニハ何トモ……』
「……この街は随分と『曖昧』だからな……
だが君が『ある』と言うなら、多分『ある』んだろう。
ちなみに……勤め先ってのはどんなところなんだ?」

32道星有香『ペット・ネームズ』:2016/01/28(木) 23:27:58
>>31
「ハンサム顔です」

亘理の顔を覗き込んで一言呟く。
ラブフールのほうを向く。

「ん〜。隠れ家カフェです。良い所ですよ。
 いつも隠れた場所にあって。静かで。で…。
 いつも?場所?あれれェ〜〜〜??……。
 あ…。
 曖昧です。場所が…曖昧でしたよぉ〜〜〜……??
 私はどこに向かおうとしてたんでしょうねぇ?ねぇ?」

半笑いの顔で、ラブフールの肩を小突こうとする(本体で)。

33亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/28(木) 23:39:28
>>32
「なッ!?」

突然の『ハンサム』呼ばわりに一層の動揺を見せる『亘理』。

『カフェ、デスカ。『素敵』デスネ……
美津也サマハ、『ハーブティー』ガオ好キナンデスヨ』

動じない『ラブフール』。
肩を小突こうとする『道星』だが、見事に空を切る。スタンドだからね。

「おいおい……自分の勤め先だろう。
しっかり覚えておけよ……」

そう言いながら、『亘理』は視線を宙にさ迷わせる。
そういえば、自分の勤める会社の存在もいまひとつ『曖昧』なことに気付いたのだ。

「……ま、まあ、とにかくこんなところにいたら風邪をひく。
今日のところは一旦帰った方が良いんじゃあないか?」

34道星有香『ペット・ネームズ』:2016/01/28(木) 23:48:15
>>33
「?」

腕はスカッと空を切った。
よろめきそうになる体を戻しながら、亘理にニヤリと笑う。

「うふふっ。得意です。ハーブティー」

  ガバッ

亘理が動揺したスキをついて、
体を急接近させて服の匂いを『嗅ぎたい』(言い切りではない)。
匂いがわかったらすぐに身を離す。

「とりあえずラブフールさんの匂いを」「辿って帰ります」
「…『店も無い』みたいですから。匂いもしません…」

35亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/28(木) 23:55:17
>>34
ガバッ
「!?」

さっきから動揺しっぱなしの『亘理』の『匂い』を嗅いだ。

「な……何のつもりだ?」
『美津也サマ……? ドウナサレマシタ?』

こちらも身を離す『亘理』。
『ラブフール』が、スッ、と間に入り込む。

「ま……まあ、僕も帰るとするか……ところで、僕は『亘理 美津也』だ。
『ラブフール』はこいつの名前で、僕のじゃあない」

身を翻しつつ、そう言って『ラブフール』を指し示す。

36道星有香『ペット・ネームズ』:2016/01/29(金) 00:04:40
>>35
スタンドを体に重ねるように発現し、拳に『ブタの鼻』を設置する。

「ちょっとだけ……。スタンド、見せるのはちょっとだけですよ。
 なにか恥ずかしい感じがしますし…」

拳につけた『ブタの鼻』をひくつかせる。

「失礼しました。他意はないです。
 さっき言ったとおり、匂いを辿るためにいるんです」
「あっ、ミッキーさんって呼ばれてませんでした?」「それともミッツー?」

  タッ タッ タッ タ……

しゃべりながら拳を前に付きだしたポーズ。
そのまま小走りで『果樹園』の出口まで向かって行った。
→道星有香 『TOBE(落ちます)』

37亘理 美津也『ラブフール』:2016/01/29(金) 00:12:55
>>36
「『鼻』……ふむ、そういう『スタンド』なのか。
いきなり匂いを嗅がれたから、何かと思ったが」

納得したのか、動揺が収まった様子を見せる『亘理』。
今更、表情に余裕が出てきた。

「僕の歩いてきた道を辿って帰るつもりか……
ええと、その場合はどこに出るんだろうな……」

まあ、考えても仕方ないか、と呟くと、家路についた。

『アノ……ミッキー様トミッツー様デシタラ、ドチラガヨロシイデショウカ』
「……気に入ったのか」

その後しばらく『ミッツー様』呼ばわりされたらしいが、それは別の話。

38シェン・ウェイ『デイ・ライク・トゥデイ』:2016/02/03(水) 23:13:45
「……やはり、違う」

『病院』の敷地内に設置されたベンチに座り、
2種類の処方箋の袋を見比べている髪を黄色く染めたアジア系の男。

「同じ場所にある病院の名前が、
 先週と今週で何故、違う?」

39鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/03(水) 23:37:56
>>38

一人の女がいる。
長い癖のある黒髪を揺らしている。
和服をきた女だ。

「いや、先週と今週でお名前が?」

「じゃあ先週はなんてお名前やったんかな?」

にこりと笑ってあなたの隣に座る。

40シェン・ウェイ『デイ・ライク・トゥデイ』:2016/02/03(水) 23:54:21
>>39
隣に座った女の顔を確認し、見覚えが無いことを確認したあと、
2度3度とまばたきをした後で処方箋の袋に目を落とす。

「『未明医療センター』、だ」

先週受け取り、既に空になっている袋を示す。

「先々週は、更に違う名前だった
 気もするが……不確かだ」

41鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/04(木) 00:05:15
>>40

「?」

ぱちぱちと同じようにまばたきをする。
まるで鏡に映したようにマネをしていた。

「ふうん。なるほどぉ……」

手を合わせ感心しているのかふんふんと声を漏らす。
うなずいて相槌をうつ。

「今週、先週、先々週。」

「キミ、えらい病院に用があるんやね?」

「なんか病気してるん?」

白い人差し指がぴっと伸びる。
そして鈴木はその指で唇を撫でている。

「何週間も通わなあかんのに、入院はせん病気?」

42シェン・ウェイ『デイ・ライク・トゥデイ』:2016/02/04(木) 00:21:40
>>41
「……」

男は女の仕草に数秒、目が追いかけそうになるが
目を逸らして無理矢理、視線を切る。

「それしか手段が取れないだけだ」

男は視線を戻し、顎に手を当てて
記憶を探りながら、話を続ける。

「放っておくよりはマシ、という意味だが。
 ……アンタ、どこかの店のキャストだったか?」

日雇いで黒服(兼用心棒)をやった店の
キャスト――キャバ嬢の1人だと、男は思っているようだ。

43鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/04(木) 00:34:51
>>42

「うふふ。」

「そう。」

深く聞きはしない。
話したくないところに突っ込んでも徳はない。
それになにより

(メンドくさいことに首ぃ突っ込みたくないしぃ。)

「キャスト?」

その言葉に首をかしげる。
聞きなれない言葉だ。

「演劇?や、ん?」

「ウチとキミは初対面やよ?」

「誰かと勘違いしてはる?」

44シェン・ウェイ『デイ・ライク・トゥデイ』:2016/02/04(木) 00:50:20
>>43
「そうか」

男は顎から手を離し、処方箋の袋を
半分の半分ほどに折り畳んで、
くたびれたスーツのポケットに押し込んだ。

「知り合いのように話しかけられたのでな、
 何処かの店の人間かと思ったのだが、失礼した」

女に話しかけられた理由は男にはわからないが、
無下にする理由も無かった。

「アンタは、誰かの見舞いにでも来たのか?」

45鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/04(木) 00:59:46
>>44

「うん。そうよ。」

「うふふ。ごめんねぇ。」

「ちょっとキミに興味がわいたんよぉ。」

くすくすと笑っている。
しかし突然、ぴたりと笑いが止まる。
代わりに目を細めてじぃっと顔を見つめている。

「そういうお店が好きなん?」

「女の子がようけおるとこ。」

いたずらっ子っぽい表情を浮かべているがそれは心からでた表情ではなかった。

(まぁ、男の人やし当然よね。)

女性が嫌いな男性はつまりそういうものだろう。

「ウチはまぁ、定期健診みたいなもんよ。」

「問題なしやったけど。」

46シェン・ウェイ『デイ・ライク・トゥデイ』:2016/02/04(木) 01:20:23
>>45
「まともに就ける職が、そういう所しか無かっただけだ」

今、男の身に降りかかっている
最新の『理不尽』の副産物が無ければ、
更に困窮していただろうと考えると、
男の心境はやや複雑ではあった。

「嗜みの点で言っても嫌いではないが、
 人に誘われていく程度、だ」

顔を見つめられて、男は思わず上体を女から引いてしまう。

「そうか、心身に問題が無いというのは何よりだ。
 明日の陽に当たれるかを心配しなくていい、
 というだけで気の持ちようが違う」

47鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/04(木) 01:26:58
>>46

「ふうん。」

(……普通やない人、かな。)

(まぁ、ウチには関係ないしなにより……そんなんあんま興味ないんやけどね。)

口から出る言葉、考える言葉、表に出す表情。
噛み合わない。
にこにこと楽しそうに笑っているが、その実心の底からは笑っていない。

「なんで引くん?」

そしてまたいたずらっ子っぽい顔だ。
自分でもどうかと思うほどのパターン化された表情の変化。
偽物っぽいか、そう思う。

「……キミはウチとは違うみたいやね。」

明日の陽に当たれるかを心配する人間。

「よかったら聞かしてくれへんかな?キミのこと。」

「あ、ウチは鈴木怜。よろしゅうに。」

48シェン・ウェイ『デイ・ライク・トゥデイ』:2016/02/04(木) 01:45:33
>>47
指摘されて、男は引いた上体を戻す。

「祖国、といっていいかはわからんが……
 香港に居た頃は身内以外の女子供には
 この仏頂面のウケが悪くてな」

女と話している男は、ずっと無表情、
というほどでは無いにしろ、
眉間のあたりぐらいしか表情が動いていない。

「オレについて、面白い事はあまり無いと思うが……
 シェン・ウェイだ。よろしく」

49鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/04(木) 22:44:32
>>48

「香港出身なんや。」

「ウチは日本出身やわ……見たらわかるか。」

仏頂面の男と対照的にころころと表情を変える鈴木。
そっちの方が女の子らしいと受けがいい可能性があるからだ。

「ウチ、キミのそういいう顔好きやけどなぁ。」

実際仏頂面は嫌いではない。
色々と思い入れのある表情だ。

(面白いかどうかはウチが決めることよ。)

「シェン・ウェイさん。」

相手の名前を呼ぶ。
確認するために。でなければ忘れてしまいそうだから。
自分の目の前にいる人間ですら、必要でなければ名前を忘れてしまいそうだ。

「そうやねぇ……先週と今週で名前が違うって経験、他の場所でもある?」

50シェン・ウェイ『デイ・ライク・トゥデイ』:2016/02/04(木) 23:26:16
>>49
「いや、名前のことに気付いたのは
 今日が初めてだ」

鈴木の質問に、男は顎に手を当てて考える。
何度か仕事に入った店も恐らくは名前が変わっていたのだろうが、
物理的に気付いたのは今だった。

「だが、町の道行きを思い出せないことが
 最近あった。それで目的地に行き損ねてな」

「短くない期間、住んでいる人間も記憶が
 あやふやな様子だったな」

51鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/04(木) 23:36:15
>>50

「ふうん。」

「ウチは最近道に迷うっていうか、なんや行きたい場所に行かれへんってこと」

「確かに増えたかも。」

以前買い物に行こうとして目的の店に行けなかったことがある。
その時は行くのが面倒になり
適当にその時所属していたサークルの友人にパシりとなって買ってきてもらった。
なぜかその友人は迷わずに目的の場所についたらしい。

「記憶があやふや……小説みたいやね。」

そんな小説に心当たりはないが。

「そういえば、目的地ってどこ?」

「病院、は違うよね?スーパーとか?」

52シェン・ウェイ『デイ・ライク・トゥデイ』:2016/02/04(木) 23:55:54
>>51
「……」

男は思わず天を仰ぐ。またこのパターンか、と。

「…………『夜の店』に行こうとしただけだ。
 男が『そういう店』に行ってもおかしなことではないだろう?」

天から再び視線を鈴木に戻した男は、
淡々と事実を口にした。

「ともかく、行こうとして二度と行けていない場所が
 いくつかあるのは確かだな。
 いや、場所は合っているが無くなった場所もあるかもしれないな」

男の口調がやや早くなる。

53鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/05(金) 00:09:28
>>52

「ふふっ。」

「くくく。シェン・ウェイさん急に口ぃ早なってるよ。」

「なんや焦ってんの?」

くっくっと大声を上げないように笑う。
笑うのは申し訳ないとは思うが、笑いをこらえることができなかった。

「言いたなかったらごまかせばよかったのに。」

(や、それかすでにごまかしてるんかな?)

「でも、正直なんはエエことやねぇ。」

まだ、笑っている。
ニ、三度深呼吸をして呼吸を整える。

「そういうお店に行かなアカンぐらいなんやったら、ウチが相手しよか?」

「うふふふふ。」

にぃっと歯を見せる。
真っ白な歯がきれいに並んでいる。
鈴木はしばらく上目遣いでじぃっと見つめた後

「……二度と行けていない場所。なんか、調べる必要ありそうやね。」

(ウチはメンドくさいし、あんま興味ないけど。)

と言って腕を組んだ。

54シェン・ウェイ『デイ・ライク・トゥデイ』:2016/02/05(金) 00:22:14
>>53
「下手に嘘をついて、より痛い目を見る例を
 随分と見てきているものでな」

鈴木が笑うのを見ながら、
男は自身の喉仏を撫ぜ、努めて喋りを元に戻そうとする。

「……日本の女性は奥ゆかしいと聞いていたが、
 思いの外、オープンだったのか?
 そんな事を言われたのは二人目だ」

上目遣いの鈴木に対し、男はまばたきを
増やしながら、そんな感想を述べた。

「そうだな、この病院にも二度と行けなくなるのは困る。
 ……病院に行かずとも、死にそうではあるが」

55鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/05(金) 00:47:49
>>54

「そやねぇ。嘘つきはアカンね嘘つきは。」

「他人を騙したりして、傷つけたり自分の好き勝手するんは、ね。」

(うふふ。)

どの口が言うのかそんな言葉が口をついて出てくる。
まじめに、しかし内心ほくそ笑みながら話していた。

「うふふ。冗談やなかったら、こんなこと言われへんよ。」

「少なくともウチは。」

まさかこんなことをいう人間が二人といるとは思わなかった。

「……そう。」

視線が下に落ちる。
その表情もどこか、暗い。

「死にそう……か。」

「ウチ、キミになんもしてあげられへんわ。」

「なんか、ウチ程度にできることなんかなさそうやしね。」

56シェン・ウェイ『デイ・ライク・トゥデイ』:2016/02/05(金) 00:59:17
>>55
「いや……落ち込むことは無い」

急にトーンを落とした鈴木の様子に、
男は両手を自身の膝の上に置いて、続ける。

「『異性と唇を重ねなければ死ぬ』と神から天啓を受けた、
 などとのたまう、会ったばかりの男の言葉を
 間に受ける方が奇異なのだろう……恐らくは」

男は思わず、視線を落とした鈴木の顔を覗きこもうとする。

57鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/05(金) 01:12:13
>>56

「『異性と唇を重ねなければ死ぬ』」

「まるで童話のお姫様みたいやね。」

冗談めかして言ってはいるがその声色は暗く重い。

「まぁ、でもシェン・ウェイさんからすれば重大なことなんやろ……?」

視線を落としている鈴木は男が顔を覗こうとしていることに気づけない。
悲しそうにしている。
その目は少し潤んでいるように見えるし、口は真一文字に結ばれている。
先ほどまでにこにこ笑っていたのが嘘のようだ。

「ウチ、そろそろ帰るわ。その……うん……」

そういって立ち上がる。
気まずそうに視線をそらしたまま、鈴木は聞く。

「……もしも。」

「ウチがキミを助けたげるって言ったらどうする。」

「今ここでウチが助けたげるって言ったら?」

58シェン・ウェイ『デイ・ライク・トゥデイ』:2016/02/05(金) 01:38:20
>>57
「……?
 確かに生き死にの話しではあるが……」

鈴木の様子の変わりように男は戸惑っていた。
人というのは、他人の生き死にに、敏感なものなのか、と。

「もしも、だとしても
 そんな奇異なことを短期間で2人から言われるとはな」

息を大きく吐いて、言葉を続ける。

「なりふり構わず、その申し出は受けるべきなんだろう。
 だが、まあ一朝一夕で死ぬわけではない。今は、という意味だが」

「それに男女が唇を交わすというのは、それなりに意味が重いものだろう。
 本当にどうしようもなくなるまで、自身でどうにかするのが
 筋というものだと、オレは考えている」

59鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/05(金) 23:38:27
>>58

「生き死にの話聞いてると、ぞくっとするんよ。」

「明日は我が身って思うしね。」

それがこの感情の揺れを引き起こしているのだろうか。

「筋……そう。」

男の話を聞き終えて、鈴木はそう呟いた。
白い指が鈴木の唇に触れる。
そして、すっと形をなぞるように動いた。

「キミの人生やし、そう思うんやったらその通りにするんが一番やろね。」

60シェン・ウェイ『デイ・ライク・トゥデイ』:2016/02/06(土) 00:02:53
>>59
「自分の生き死になど、
 もっと先だと思っていたんだがな」

鈴木の動作に男は奪われるが、
視線を切るように一度、目を逸らす。

「好意を無下にしてすまない」

61鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/06(土) 00:13:51
>>60

「好意を無下にやなんてそんな……べつにかまんよ。」

ふふ、と笑う。
唇に指が触れたまま。

「目の前でお隠れになられたら、気ぃ滅入るし。」

「それだけやよ。」

ここでようやく、鈴木は笑って見せた。

62シェン・ウェイ『デイ・ライク・トゥデイ』:2016/02/06(土) 00:28:40
>>61
「そうか」

男はそれだけ返して視線を戻し、
鈴木の様子を見て――右手を後ろに回して背中を掻いた。

「そうだな……適当な所で人を頼るようにしよう」

無意識に背中を掻いていたのに気づいた男は
手癖をやめ、それを誤魔化すようにスーツの襟元を正す。

「見知った顔に気を滅入られても、オレも困る」

男はベンチから立ち上がり、鈴木を振り返る。

「何かの縁だ、次にタイミングが
 合ったら缶コーヒーでも奢ろう」

63鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/06(土) 00:47:04
>>62

「うふふ。」

「べつに奢ってもらわんでもエエよ。」

笑う鈴木。
ひらひらと手を振っている。

「苦いんは苦手やねん。」

男に背を向けて歩き出す。
次に会うのはいつになるだろうか。
鈴木が急に立ち止まり、振り返った。

「もし生きて会えたら、またお話聞かせてや?」

だからそれまで死なないでくれ、と言いたいのかもしれない。
満足したのかまた歩き出す。
直にその背中は見えなくなるだろう。

(死はアカン……)

(あの破滅はアカン。あれだけは好きになられへん破滅や……)

64シェン・ウェイ『デイ・ライク・トゥデイ』:2016/02/06(土) 01:05:20
>>63
「ああ、また」

男は鈴木の後姿を見えなくなるまで、
見ていたが――我に返ったように頭を振った。

「歯車がズレたな……
 自分で思っている以上に気が参っていたか?」

しばらく、右手を後ろ手にして、
背中を掻いた後、再び頭を振って家路に着いた。

65白鷺 虹『デンジャラス・マジカル・ノイズ』:2016/02/07(日) 00:41:42

      ガバッ

『虹』の朝は比較的早い。
今、まさに起きたところだ――場所は『アーケード街』。

      キョロ
           キョロ


「…………」

   サッ  サッ

ここは屋根があり、シャッター街ゆえ人が少ない。
一晩限りの寝床にするには、まあまあ適していた。

    (つっても……
     永住は出来ないですし……)

          (都合のいい『場所』が、
             ありゃいいんですけど。)

ただ、いつ住民に追い払われるかは分かったもんじゃあない。安心はない。
まあともかく、朝っぱらのシャッター降り放題なアーケード街を歩く。
これから公園でも行って、タコ焼きをじゃんじゃん売ってやるとするか……

     「……ん?」

        キラ

               「あっ!」

と、『虹』の視界に、落ちた『100円玉』が入った。
周囲に人がいないか、しっかり見回して、確かめる・・・・

     キョロ   キョロ

                  (しめしめ、こりゃ思わぬ臨時収入ですよ。)

66アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/07(日) 22:19:21
>>65
コインを前に、周囲を見回す。
幸い、人気の少ない朝のアーケード街、周りには誰もいない……

「エー……と、あれ……?
コッチじゃなかった、デシタっけ……?」

……白い『水玉の子ゾウ』と、傍らにたつ『少女』を除けば、の話だが。

67白鷺 虹『デンジャラス・マジカル・ノイズ』:2016/02/07(日) 22:39:59
>>66

「うぉぉっ……!?」

         「ぞ、象がいやがるです!?」

流石にこれには驚愕だ。
なんでまた、象が?

(場所が曖昧なことはあっても……
  生き物の分布まで曖昧になったですか……!?)

        (それにまた、 
          妙なガラの象で。)

水玉模様の象なんてはじめてだ。
いやまあ、世間は広いし、そういうのもいるかもだが……

(と、とにかく……どうにかして追い払わねばですよ。)

100円玉のためだ。

            ズン

まず、足で100円玉を踏んでキープ! そして。

「やい! そこのお前!
  ……こんなところで、何をしてるです?」

         「この辺のお店はまだ開かないですよ。」

声をかけてみる。
黙っていても、恐らく去ってはくれないだろう。

68アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/07(日) 22:50:23
>>67
「エーと、何をしてるか、ってイウと・・・・・・」

ぼやっと、空を見上げた。
今日の空は、青いかどうか。

「何をシテたんでしたっけ・・・?」

おっと会話の成り立たないアホが一人登場〜ッ
どうやら、『何をしにきたのか』をうっかり忘却したようだ。
ついでに言うと『どこへ行く予定だったか』もだッ

「ソモそも・・・ここは、どこでショウ」

少女は、奇妙なイントネーションで問いかける。

69白鷺 虹『デンジャラス・マジカル・ノイズ』:2016/02/07(日) 22:59:18
>>68

屋根から覗き見える空は、青空だ。
雲は多少あるが。

「ここは見ての通り、アーケード街ですけど……」

          「あー、地名はしらねーですけどね。」

      クル
         リ

首だけ回して周囲を見る。
まずまぎれもなく、アーケード街に違いない。

(こいつ……記憶喪失か何かですか?
  めんどくさいことになりそうですね……)

         (……待てよ?)

妙な様子に、目を細めて。

       ポン

と手を打つ。

「ヘイ! 行く場所が決まってやがらないです?
 何なら……イーちゃんが、この辺りを軽く案内してやるですよ。」

          「代金はたったの500円!
            とってもお買い得ですゥ〜〜。」

    ニコニコ

思いついたのは、100円を600円にする方法だ。
まあ頼むかは自由意志だし、悪徳商法とかではない……

70アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/07(日) 23:15:18
>>69
「『Arcade』・・・デスか?」

無駄に発音が良かった。
それはともかく、どうも『迷った』ようで、
辺りをキョロキョロ見回している。

「エッ! 案内してくれルンですか?」

そんなわけで、『白鷺』の提案に顔をパアッと輝かせる……が、
代金と聞いて、少し表情が曇った。

「『500円』・・・・・・
月々の『お小遣い』の『6ぶんの1』デスか・・・・・・・
でも、マダこの街のコトもわかってイナイし、必要なのカモ・・・うぅ」

どーやらだいぶ『悩んでいる』ようだ。

71白鷺 虹『デンジャラス・マジカル・ノイズ』:2016/02/07(日) 23:15:38
>>70

72白鷺 虹『デンジャラス・マジカル・ノイズ』:2016/02/07(日) 23:21:06
>>70

「そう、アーケードです。」

     コクリ

悪い発音で返しつつ、頷く。

「おお、そりゃもう案内するですよ。
  代金さえいただけるなら、しっかりと――って。」

          「……」

(……ここは500円せしめるのが得策。
  ですけれど……それで逃げられたら世話ないですね。)

『ゲンさん』(※1)は言った。
『デカい魚を釣るのは難しい』――と。

「……じゃあ400円でもいいですよ。
 これならお前の小遣いの、ええと……6分の1より安いです。」

そういうわけで、交渉が始まるのだった。

――――――――――――――――――――――――――――――――
※1・・・ホームレス。63歳、自称元社長。現在行方不明。

73アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/07(日) 23:37:47
>>72
「・・・・・・400、円・・・!」

きらーん、と目が光った気がした。

「イイですネ・・・実にイイ価格設定だと思いマス」

うんうんと頷く。
何がどう『イイ』のかは、多分彼女にも分かっていない。

「デモ『もう一声』・・・マカりませんカ?」

そして、彼女は意外と『セコ』かった。
交渉は、『継続』のようだ……

74白鷺 虹『デンジャラス・マジカル・ノイズ』:2016/02/07(日) 23:45:28
>>73

「でしょう? ただの案内じゃなくて……
  このイーちゃんの案内で、この値段ですよ?」

        「お買い得です〜。」

何が得なのか分からないサービスだ。
こいつを連れてると入れない店とかありそうだが……

            ・・・しかし。

「んなっ……」

交渉はまだ終わらない。
面食らう虹。

(し、下手に出たのが良くなかったですか!?
  ……どうするです? 正直丸儲けなのは変わりないし……)

「……じゃあ、370円。
 これ以上はこっちも生活があるですよ。」

           ケチな刻み方だ・・・・・・

75アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/07(日) 23:50:30
>>74
「『350』円」

ド ド ド ド ド ド ド ド

「アナタに生活がアルように、私にも『お小遣い』のカベがアリます。
『コレ』で・・・手をうちまセンか・・・?」

妙な『迫力』をかもし出してきた。
実のところ、いくらであろうと『丸損』なのだが、その辺には気付いていない。

「さあ・・・・・・ゴ決断を」

76白鷺 虹『デンジャラス・マジカル・ノイズ』:2016/02/07(日) 23:58:25
>>75

「……ケチなやつですねェ〜〜〜」

そもそも案内で金をとる方がケチだ。
まあ、ともかく。

     「…………」

「よしっ!」

        パチ

「しょうがねえ、それで手を打ってやるですよ。
 とびっきり親切なイーちゃんに感謝するです。」

          (しめしめ、これで何度か銭湯に行けるですよ。)

指を鳴らして(意味のない動作だ)言う。
まあ、元は0円だし、こんなものだ。

              ・・・・さて。

「んで……お前。
 さっきから気になってたですけど!」

        「なんなんですか!? 
         その……象みたいなのは!」

なんか妙に溶け込んでいたが……アーケードに象がいるのはおかしい。
流れ的に考えて、この少女のペットなのだろうか?

77アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/08(月) 00:12:52
>>76
>「しょうがねえ、それで手を打ってやるですよ。
> とびっきり親切なイーちゃんに感謝するです。」

「!」

パ ァ ア ア ア

なんか凄い笑顔になった。演出的には、バックから光が差す感じだ。

「アリガトです!やっぱり『イーちゃん』サンは凄いネ!」

ギュッ

『白鷺』の手を取り、ぶんぶん振り回すと(言い切り)、

「〜♪」

ルンルン気分で、多分白鷺が聞いたことのない言語の鼻歌を歌い出した。

「〜♪・・・エ?
ああ、コノ子は『ヒンドゥ・タイムズ』ッテいいマす。
イイ子デスよ?」

何か問題でも?という調子で首を傾げる『アハナ』。
ゾウ……『ヒンドゥ・タイムズ』も、同じように首を傾げている。

78白鷺 虹『デンジャラス・マジカル・ノイズ』:2016/02/08(月) 00:22:02
>>77

   ギュッ

「! ……ったく、調子いいやつですねェ〜。
  いいです? お金はちゃんと払ってもらうですからね!」

       「スゴイのは認めるですけどね。」

  「っと。」

            スイッ
 
ケチなことを言いつつ、歩き出す。
その際、靴紐を触るふりをしてさりげなく100円玉を拾う。

「……」

(こいつ、どこ出身なんですかねえ。
  ……まあ、イーちゃんには関係ないですけど。)

       テコテコ

歩きつつ・・・・

「ヒンディ? そういう名前なんです?
  ……まあ、お前の国ではよくいるんです? こういう象は。」

        「イーちゃん初めて見たですよ。」

まるで当然のように答えられたので、そういう物かな、と思う。

79アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/08(月) 00:26:58
>>78
さりげなく『100円』を回収する『白鷺』。
一方『アハナ』は『空』を見ていた。

「・・・・・・?
私、『日本』生まレですヨ?
日本にハ、『ゾウ』って『動物園』ニシかいないデスよね」

歩きながら、不思議そうな顔をして答える。

「デモ、この子は『特別』」

ニコ

『ヒンドゥ・タイムズ』の背を撫でながら、にっこり笑う。

80白鷺 虹『デンジャラス・マジカル・ノイズ』:2016/02/08(月) 00:40:58
>>79

(ケケ、ナイスタイミングですぅ〜〜。)

           ゴソ

懐に入れた。
無事、臨時収入獲得だ。

「あれ? そうだったですか。
 外国語みたいな歌、歌ってたもんだから。」

      キョトン

      「まあ……動物園にはいるですね。」

灰色の巨体を思い返す。
水玉のは知らない。

「特別ゥ? ……まっ、別になんでもいいですよ。
 暴れ出したりしないなら……んで、お前。どんなとこ行きたいです?」

目を細めつつ、要件を聞く。
よもや眼の前のそれが――己の『相棒』と同じ存在とは、思わない。

               (なんか、ナゾなやつですねぇ。)

81アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/08(月) 01:03:14
>>80
「ああ・・・・・・アレは、『ベンガル語』の歌デス。
私のママ、『インド』カラ来たノデ」

言われてみれば……彼女の顔立ちは、だいぶ『濃い』。

「もちろん、暴れタリはしないデス。イイ子デスから」

安心して下さい、とばかりに言い切る。

「ソウですネ・・・・・・アッ、私『プラネタリウム』見てみたいデス。
ダメならチッチャい『星図表』売ってるオ店トカでもイイです。
コノ辺りに、ないでショウか?」

無邪気に希望を言う『アハナ』。……果たして『ある』のかどうか。

82白鷺 虹『デンジャラス・マジカル・ノイズ』:2016/02/08(月) 01:19:34
>>81

「おお、ハーフってやつですか。
 言われてみりゃそんな顔です……インドといえば、カレーの国ですね。」

      「あと……
        すごい川があるとか?」

などと言いつつ、歩いていく。

「イイ子なら安心です。
  まっ、よく見たら優しそうなやつですし。」

『ヒンドゥ・タイムズ』は実際謎だ。
とはいえ、無害そうだし……見た目にも、なんかかわいらしい。

          ・・・・そして。

「プラネタァ〜〜?」

(この辺に……あったですかねぇ?
 あったような、なかったような。曖昧、ですけど……いや、ワンチャンあるですよ。)

          「……あ、あいわかったです。
            今からそれっぽいトコ、目指してみるですよ。」

                  「ちゃんと着いて来るですよ?」

    テコ  テコ

ここは・・・・この、『曖昧な町』に一つ、賭けてみよう。
この前はスーパーに行こうとしたら着けたのだ。プラネタもワンチャンあるに違いない。

                 ・・・・失敗したこともあるが。
                      そうだ。ダメで、もともとだ。

83アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/08(月) 01:33:32
>>82
「アハハ、ソンなイメージデスよね……私も、
ママから聞いた話デしか知らないんデスけど。
……ママの思い出、私にはピンと来ないコトもあります」

ちょっと寂しそうな口振りだった。

「そうでショ?
特にこの『肌触り』がトッテモ……ア」

しばらく歩き……雑談していた『アハナ』が足を止める。

「ありマシタね!」

――そこに、プラネタリウムが『あった』。
アーケード街の片隅に鎮座する『プラネタリウム』――
『不条理』と言えなくもないが、有り得ないとまでは言い切れない存在だ。

「わ! わ! 入りマショうか、『イーちゃん』!」

『アハナ』は、無邪気にはしゃいでいる。

84白鷺 虹『デンジャラス・マジカル・ノイズ』:2016/02/08(月) 01:53:14
>>83

「……そんなもんですか。
 ま、いつかインドに行けば分かるかもですよ?」
 
       テコ テコ

「肌触りぃ?
 ざらざらしてそーですけど……」

        「あ?」

               「のわぁっ!!」

(ほっ……ほんとに、ありやがったです!?
  こ……今回は、曖昧っぷりに救われたカタチですね……)

ここまでいつも救われてる気もするが。

       「……ど、」

「……ど〜ですか? ほら、プラネタ!
  イーちゃん迫真の案内っぷりですね。じゃ、そういうわけで――」

――プラネタリウム。
元からそこにあったのかのように。
なんとも、この場所に、『しっくり来ている』ではないか。

 「って」

     「イーちゃんもです!?
      しょ……しょーがねえですねえ。案内のついで、です。」
                           
ここでほって帰るのは非情というもの。
嫌というほど毎晩星空を見てはいるが……これとはまた別だろう。

   「でもイーちゃんお金ないですからね。
      お代金とかは……お前に任せるですよ?」

                   ・・・・ケチりつつ。
                      一緒に入ることにしよう。

85アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/08(月) 02:11:28
>>84
「代金…………任しときナサーイ!」

何故か『エセ外人』風に答えつつ、入場する。
一人頭『700円』、学生・高齢者『350円』、乳幼児『無料』ナリ。

『白鷺』と二人で『学生料金(問題あるまい)』で入場し、
比較的スカスカな席に座る。
そして『上映』が始まる……

「おォ・・・・・・キレイです、イーちゃん、ほら、
アレが『冬の大三角』デス、見て見てッ……!」

………………

ひとしきりアハナが『はしゃいだ』後、
二人は再び『プラネタリウム』の前に。

「ふー……満喫しまシタ」

アハナはひどく『ご満悦』の様子だ。

「これは『イーちゃん』にも『奮発』するベキでショウ……」

そう言って、『白鷺』に、『370円』手渡す。
『奮発』ぶりは『セコい』彼女であった。

86白鷺 虹『デンジャラス・マジカル・ノイズ』:2016/02/08(月) 02:23:16
>>85

「心強いやつですよお前は。」

そういうわけで上映が始まり・・・・

      「んが……」

    「み、見てるです、見てるです。
      はしゃぐんじゃねえですよ……」

………………

(久々に柔らかい椅子に座ったですね……)

危うく寝かけたが……
そこは横がうるさかったので耐えられたわけ。

       「んぐぐ」

   グィーッ

猫のような伸びをして。

「おう、そりゃあ案内したかいがあったですよ。
  んで、ほれ、約束の代金を――っとぉ。」

         「お前中々……
          話の分かるやつですねぇ。」

   チャリン
         チャリン

20円あればたこ焼き以外の物が食べられる。
つまり……駄菓子だ。

これは無視できないアドバンテージを得たことになる・・・・

「そういや、自己紹介がまだでしたね。
 イーちゃんは白鷺 虹(しらさぎ いりす)って言うですよ。」

      「この町でぶらぶらしてるんで……
        また、ごひいきにしてくれです〜〜♪」

    ニコニコ

予想より少し儲かったのもあって、気分の良い笑みを浮かべる。
特に何もないのなら、ここで二人は別れ、改めて虹の一日が続くというわけだ。

                     『現在のイーちゃん通帳』→470円

87アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/08(月) 02:34:37
>>86
「私、『響・あさひ・アハナ』デス。
マタ私が迷ったトキは、お世話にナリます・・・・・・よろしくネ」

そう言って笑う『アハナ』。ふんわりと『ジャスミン』の香りがした。
そうして二人は別れ……アハナは、帰り道でまたぞろ『迷った』が、
それはまた別のお話。


【今日の出費:(結局)『1070円』
 今月の小遣い:残額『1930円』】

88北条『オブ・モンスターズ・アンド・メン』:2016/02/10(水) 23:20:12
「ん、ンン」

89北条『オブ・モンスターズ・アンド・メン』:2016/02/10(水) 23:23:21
「ん、ンン〜」

ここは『森』――その中にそびえる『古びた鉄塔』の真下である。
元々は何かの電波塔だったのだろうか? 周囲に似た施設はなく、推測は難しい。
ましてやこの街であれば、突如ここに現れた――というのも有り得る話である。

「いや、いや、中々の眺めですなあ・・・」

そんな『鉄塔』を見上げ、スマホを構え、
パシャパシャと撮影する、白衣の女性が一人。

「これはコレクションが一つ増えますな・・・。
 明日には『消えてる』かも知れませんが・・・」

90北条『オブ・モンスターズ・アンド・メン』:2016/02/11(木) 00:24:48
>>89
「ふん、ふん、ふ〜ん」

ひとしきり撮影を終えると、女性は満足そうにその場を後にした。

91アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/11(木) 22:15:31
「……坊主が屏風二上手にボウびュの……マタ噛みまシた」

『駅前』、『大衆食堂』の脇にひっそり立っている小さな『喫茶店』。
『カフェオレ』片手に、何やらブツブツ言ってる少女が一人。
オーバーサイズな毛糸のセーターでモコモコしたシルエットが特徴的だ。

92鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/12(金) 02:11:46
>>91

鈴木怜は喫茶店の店員である。
しかし、その勤務態度は決していいとは言えない。
あくまで裏では、の話ではあるが。

「すぅ……すぅ……んぁ……」

スタッフルームで目を覚ます。
目の前には自分と同じホール担当の店員。
交代の時間はとっくに過ぎているらしい。
面倒くさいとごねながらもホールへと向かう。

                               「鈴木さん鈴木さん。」

「ん?なに?」

店員の一人が声をかけてくる。
どうやらぶつぶつと独り言を言っている客がいるらしい。

(別に放っといたらエエやん。)

少し様子を見てきて、そういわれた。

「お客さま。いかがかなさいましたか?」

先輩命令では仕方がない。
それに、先ほどのサボタージュもある、ここは従順に従っておこう。
少女に声をかける。

93アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/12(金) 13:49:24
>>92
「……難しいデすね……ん?」

声のした方を見る。
彫りの深い少女だ。額に点があると似合いそう。

「『早口言葉』を練習シてマシた。
私、『滑舌』ガあんマリ良くナいのデ」

奇妙なイントネーションで、少女は言う。
問題は本当に『滑舌』なのか……?
そして何故ここでやっているのかは、説明してくれなかった。

「ア、店員サンもどうデす?
『坊主が屏ズに……丈夫がボウブの……』」
「…………何か違いマすね」

94鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/12(金) 23:31:13
>>93

「はぁ……早口言葉、ですか?」

なぜここで?
見た感じ日本人ではなさそうだ。
日本の文化には疎いのか。
いや、日本以外でも喫茶店で早口を言葉をいう文化はなかろう。

(その前に日本語覚えた方がエエんやないやろか?)

「坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた。」

きれいで丁寧な発音。

「どうでしょう。もうすこし簡単なものを試してみては?」

一つ、鈴木の中には考えがあった。
この客とのやりとりで勤務時間をつぶせばいいのでは?と。

95アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/12(金) 23:43:00
>>94
「早口言葉デす。
ええと、家で練習シてると、ママが不思議そーナ顔をスるので、
デモ外は寒いデすから、それで、ココで。……ウルさかったデすか?」

「わあ……! 
上手デすね、何か『コツ』とかはアルのでショウか」

『鈴木』の滑舌に、感心の声を上げた。

「簡単なモノ……『東京特許きょキャキョキュ』トカ、
『赤巻紙青巻紙黄ミャき紙』トカ、そーイウのデすか?」

どれもちゃんと言えていないが、とにかくいくつか例を挙げてみる。

96鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/13(土) 00:11:23
>>95

「あぁ……なるほど……」

理由は分かった。
だが、なにも喫茶店でなくても。
……どこでやっていても同じか?

「うるさかったわけではないんですけど、他のお客様が少し、不思議がられるかと……」

あと店員からいらぬ注目を集めることになる。

「コツ?まぁ、口の開きと舌の動きに気ぃつけるとか……」

「んー……まぁ、とりあえず『生麦生米生卵』から始めてみては?」

97アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/13(土) 00:41:16
>>96
「不思議ガラれる……」

そう言って、店内を見渡す。

「むむ、もうチョっと、声を小さくスるベキでショウか……
このクライなら目立たないデす?」ヒソヒソ

声を抑えて、答える。

「私、ちっちゃい町で生まれて、他のコと『違う』ッテ、昔カら言われてマした。
見た目モ、言葉も、なんか『違う』っテ。
イヤだけど……でも、ショウがないのカな、とも思ってマシた。
ダカラ、あんまりソウいうの、気にしなイよーニしてて……」
「ソノ、『ヘン』だったら、謝りマす」

なおも小声で、続ける。
蚊が鳴くような声、と言うか、消え入りそうな調子、と言うべきか。

「え、えと、『生麦……生米……な、ニャま卵』……」

98鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/13(土) 01:05:15
>>97

(そもそも早口言葉をやめるっちゅうんは……)

ないようだ。
まぁ、別に時間をつぶしたい鈴木としてはもう少し時間を引き延ばしたいところだ。

「……変やないよ。」

「気にせんとき。」

思わず敬語も抜ける。
店員としてではなく、鈴木怜という人間としての言葉。

(破滅でもなんでもない、悲観かな?まぁ、なんでもエエか。)

気にしてもどうしようもない。
見た目は生まれ持ったものだ。
しかし、言葉は何とかなる。
何とかできるのだ。

「もっとゆっくり、一音ずつ言ってみて。」

「舌の動き口の動きを確認するみたいにね。」

99アハナ『ヒンドゥ・タイムズ』:2016/02/13(土) 01:23:04
>>98
>「……変やないよ。」

>「気にせんとき。」

「……アリがとう、ございマす。
アッ、ダメですネ。今ドヨドヨしてた気がシマす」

『鈴木』の言葉に、『救われた』ように上を向く。
『気を使われた』と受け取ったのか、『本心』と思ったか、
その辺りはアハナの中でも『半々』といったところだ。

「ユックリ、ですネ……『なまむぎ』、『なマごめ』、
『ン……なッ、ま、た、ま、ゴ』。ア、言えマした!」

ちょっと『噛みかけた』が、ともかく何とか言い切ることができた。
傍から見れば些細なことだが、ひどく嬉しそうな顔を浮かべている。

「アリがとうゴざいます、店員サン!」

……気付けば、『早口言葉』一つで結構な時間が経過している。
もしかしたら『速く戻ってこい』的な、裏方からの視線を感じるか・も。

100鈴木 怜『メカニカル・ライフ』:2016/02/13(土) 01:47:18
>>99

「べつにかまんよ。」

なんてことないことだ。
礼を言われるまでもない。
自分の思う通りに行動したまでだ。

「よくできました。」

にっこりと柔らかな太陽のような笑みを浮かべる。
黒い癖のある髪が揺れる。

「練習したら上手くなるよ。きっと。」

(あ。)

裏から視線を感じる。

(店長……)

この店で鈴木が唯一頭が上がらない人間。
寝てサボっていたのと加えてこれは少し、不味い。
あの店長はまだ落せていない……!

「そ、それじゃあ……あはは、これからも頑張ってねぇ。」

「ごゆっくり。」

笑顔を崩さず裏へと戻る。
こういう時に限ってなにも注文が来ない。
ひどい話だ。

(おしおき……かなぁ……)

少し、頭の痛い鈴木であった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板