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Key Of The Twilight
556
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2016/08/04(木) 23:48:22
「……俺が囮になる。」
唇を噛み、剣を掲げるメイヤは声を絞り出す。
隣のイスラからは角度的に見えないだろうが、その表情は硬く、悲壮感が浮かんでいた。
「決定打が打てるのはイスラだ、だから……後は頼む!」
その表情を変えないまま、メイヤはヴィカルトへと駆け出していく。
それは地を這う蛇の如く、ヴィカルトを刃の射程圏に捉え、メイヤは下方からの斬り上げを放つ。
更に、斬り上げを起点にメイヤは連続して斬撃を繰り出していく。
しかしながらその全てをヴィカルトは受け止め、流し、反撃の一閃がメイヤの胸元を大きく切り裂いた。
だが、メイヤは止まらない。
水晶の刃を振り切ったヴィカルトへ長方形の箱……折り畳まれた巨大手裏剣を押し付け、展開。
「う、ぉぉぉおおおお!」
四方に広がる刃がヴィカルトの首筋、腹部、両肩を切り裂く。
更に、押し付けた手裏剣を捻り、メイヤは傷口を抉っていく。
そして、ヴィカルトの身体を抉る手裏剣を横薙し、投げ捨てたと同時に真白の剣を前方へ。
予想外の反撃、攻撃にヴィカルトは驚きの色を目に宿すが、迫る真白の剣に笑みを浮かべた。
「死ぬ気か、中々やる!」
同時に、抉られた傷口から水晶が噴出。
傷口を炭素繊維で塞ぎながら、噴出する煌めきが文字通り、前方のメイヤを削っていく。
そして、噴出する死の輝きが剣の型を成し、メイヤの突き出した真白の剣へと衝突。
一瞬の拮抗の後、水晶の剣がメイヤの左胸を大きく穿つ。
しかし、メイヤ持つ真白の剣もヴィカルトの左肩を貫き、更に。
取り出した二本目の長方形の箱を展開、瞬時に広がる手裏剣で、自分とヴィカルトの足先を突き刺し、地面に縫い付けた。
「今だ、イスラ!!」
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