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Key Of The Twilight
1
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/07/01(火) 19:01:24
移動してきました。
現在、参加者の募集はしておりません。
208
:
アグル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/12(日) 21:45:39
【飛行艇】
立ち去っていくレックスの姿を横目で眺めながら、アグルは机に頬杖をつく。
「俺はいーや。気分じゃないし」
そして、復興祭を見て回らないかと言うメイヤの問いに対しては、ひらひらと手を振って難色を示し。
続けて言葉を返した。
「そう言えばあの縫いぐるみ…バロンの奴は帰省するとか何とかで暫く不在にするってさ。
レックスはその帰りを待つとか言ってた。んで俺らは…」
言って、アグルは机の上に広げられた書類の一枚を手に取り、メイヤに見せる。
「闘技大会の選手にエントリーされてるって訳。…知ってた?」
209
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/13(月) 10:47:33
【飛行艇】
ちゃんと仲直りする。アブセルの言葉にリマは安心し笑顔を浮かべる。しかし次の時には彼女の顔からは困惑の色が映った。
(何でも言えと言われても…)
特にして欲しいことなどない。
しかしアブセルの性格上、お礼をしなければ気が済まないのかもしれない、ここは何か言わなければ。
…セナを一緒に探してもらうか?と言ってもここは船の中、行く場所など限られている。それに、自分を置いて何処かへ行ってしまう時は彼の体調がとても優れない時。弱った姿を見せたくないようでいつも何処かに消えてしまう。そんな時は無理に探さないのも優しさだとジュノスに教えられた。いつも体調が悪いわけではないし、よくなれば自ら戻って来てくれる。
部屋に戻ってくれていれば良いが、ひょっとしたら何処かで蹲ってるかも…でも、今はそっとしておこう。
「じゃあ…」
悩みに悩んだ末導き出した答えは。
「お友達になってくれる?」
アブセルには予想もつかない言葉であっただろう。
「私、あまり同じくらいの歳の子と接する機会とかなくて…お友達になってくれたら嬉しいな」
しかし、リマにとっては勇気のいる言葉だったのかもしれない。
顔を赤くして恥ずかしそうにしながら、遠慮がちに言葉を述べた。
210
:
ノワール
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/13(月) 11:42:05
【飛行艇】
「忙しない奴よ…」
嬉々として消えていくDDの後ろ姿を眺めながら、ノワールは呆れたように声を漏らす。
挨拶のキスは回避したものの、あの顔が至近距離にあったと思うだけで悪寒がする。と言うかまだ奴の息の感覚が肌に残っており、大変心地悪い。頬を抓り、感覚を無くすよう心みる。
「話とはなんじゃ。」
そして、拍子抜けはしたものの彼女の機嫌が直ることはなく、仏頂面でフィアに話を促した。
211
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/10/13(月) 16:14:35
【飛行艇】
帰省すると言う事は、記憶の図書館に戻るのだろうか。
バロンとレックスの動向を聞き、メイヤは考える。
(暫く戻らない、か。)
様子からして、アグルも直ぐには此処を発つ事もなさそうだ。
となると、四神の中で動く可能性があるのはナディアだけだろうか。
「いや、今初めて知った。」
アグルの手から書類を受け取り、メイヤは目を通す。
そこには自分の名前の他に、アグルやレックス、そしてイスラの名も記されてあった。
「まぁ……参加する事自体は構わないけれど。
それよりも初戦の相手がアグルなのに驚きだ。
レックスとイスラの組み合わせと良い、身内で合わせたのか?」
書類を見る限り、同じブロックに知り合い同士で組まれているようだ。
他の名前は、殆ど見た事は無いが……
「多分今晩にやるんだろう?それなら始まるまで祭りを回ってくるよ。
それと。」
書類をテーブルに置き、メイヤは続けた。
「イオリ……兄は暫くバルクウェイから動かないそうだ。
多分、この空挺師団にそのまま厄介になると思う。
四神護衛は終わったけれど、俺も暫くは此処に居るつもりだ。
打倒黄龍を掲げるなら、常に一緒とは
いかないが共闘する位にはなると思う。
まぁ、実際これから先の事はしっかり考えれてないんだけどな。」
212
:
リト
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/13(月) 21:39:05
【過去】
塀を登るなんて聞いてない。
やっとの思いで登り切ったリトはアブセルを見た。
しかしただ見ただけで不満の声は出さず。
すぐに促されるままアブセルの指の先を追った。
「……」
見たことのない景色だ。
あれが街。姉が「出掛ける」と言った際に向かう場所。
リトの表情に微かながら光が差した。
213
:
フィア
◆.q9WieYUok
:2014/10/13(月) 21:42:09
【飛行艇】
嵐の様に去って行くDDと、どこか物影に姿を隠したルドラ。
二人の様子に溜め息を吐き、フィアはシャムへ視線を流し肩を竦めた。
「取り敢えず、闇の王子とそれに連なるアナタ達、そしてノワールはこれからどうするかを聞きたいわ。
私はレオの仇討ちと、ノワールのお守りも兼ねて人間界には来たけれど……」
しかしそれも僅かな事、フィアは真面目な面持ちで口を開いた。
「ここで一旦、別行動を取ろうと思うの。
仇討ちは正直今の私では力不足……諦めた訳では無いけれどね。
お守りの方はそう、案外必要なさそうな気がするわ。」
そう、レオの仇であるイオリの実力は十三人の長老に勝るとも劣らない所か、1対1なら自分達を圧倒する程だろう。
十字界で戦ったあの眼鏡の男とほぼ互角に渡り合った事から、イオリの実力は伺い知れる。
そして、ノワールの護衛も今暫くは必要なさそうだ。
闇の王子と、それに付き添うジュノス、そしてノワール自身の力は並みの強者程度ならば安易に退けれる筈だ。
勿論、万が一の場合は考えているが。
「それよりも今は、気になる事があるの。
私達吸血鬼に近く、しかし遠い異質な気配……強いて言うならノワールの気配に近い感じ。
私はシャムやDD、ルドラの四人でその反応を追う事にするわ。
それで良いかしら?」
214
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/13(月) 22:18:51
イスラ>>
自分もスマホのゲームと言えばミニゲームとかで、興味自体はあんまないのですが、カード系のゲームは絵の勉強になるのでチマチマやってます(pq´v`*)
今やってるのは妖怪のカードゲームで、同じ絵柄のカードを三枚集めて進化させるとかなりグレードアップした絵が見られます。対戦とかはやってないので、完全絵を見るためだけにやってますね(笑)
ぶっちゃけ結構他人事かも?w←
たしかにwでも死んだら何もかも終わりですよ!←
マスコットwそんなんで良いのかww
むー、なら何て言えば良いんだ!←
大丈夫、そのためのパスコードです(笑)
あー、美人ですもんね、彼女。でも自分、彼女を見るたびあの顔が天然物なのかどうか悩んでしまうので見るのが辛い←あと自分はサシコだけ昔からそれなりに好きです(´∀`)
んー、それともちょっと違いますねー。
成る程(笑)自分もマジLOVE何とか歌ってもらって、アニメのPV見て爆笑しました←
アナ雪は壮大な姉妹喧嘩でしたねぇ。アナ雪見てない子に内容聞かれて、町中巻き込んで散々やらかした挙句、結局は自分達で勝手に自己解決しちゃった話って言っておきました←
変な人ですよー。高校生の時なんて、チャーリーとチョコレート工場で出てきた変な小さいオッさん達のオーガスタス(?)のダンス覚えて来て友達の前で踊ってましたからね。←
えー、自分なんてマダマダです。
ぬいぐるみが増えすぎて、鬱陶しいと。そのため大分減らされました。また増えて来てるけど←
それが一番です。お金飛ばないもん。
いや、それが、全く寂しくないんで不思議ですよね(笑)
そうです、人見知りで蜂蜜入りホットミルク好きのとってもプリチーな子が今の坊ちゃんです。もう坊ちゃん可愛すぎて捻り潰したい。
酷いwもう活躍ってもんじゃないですよー。なんか薬やっちゃったんじゃないかってくらいの変貌ぶりで、ネットの方々にはヤクザと呼ばれています←そして先週は素っ裸をお披露目してくれました。幼少期の回想でですが。しかもご丁寧に正面から。まぁ何はともあれ、順調に悪の道に突き進んでいます←
えー、5歳は大きいですよー。
そうなんですかwでは生まれるべくして生まれた子たちなんですね←
可哀想なヴェント…誰かを取るならノワールでしょうか?一応、本来は幼女じゃないわけですし(笑)
215
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/13(月) 23:42:52
【飛行艇】
「とも…だち…?」
…になってくれないかと言ったのか、今?
その言葉を言ったことはあっても、誰かに言われたのは生まれて初めてだ。
顔を赤くして恥ずかしそうにしているリマの姿を見れば、途端アブセルの顔も熱を帯び赤くなる。
「い…良い、けど…。
でも…それって何か違くない?」
しかし、果たしてそれはお礼をしたと言えるのだろうか。
「あ…じゃあ、姉ちゃんさえ良ければだけど…、また屋敷に来てくれることって出来ないかな?あの…セィちゃん…さんも一緒に…」
眠ったままのリトをいつまでも此処に居させる訳にはいかないし、屋敷にはユニを置いてきている。
亡き旦那様に関しての話もあるし、やはり一度はあそこに帰らなければ。
「リトが目覚める間だけでも、二人が居てくれたらもしもの時も心強いし…。やっぱり改めてちゃんとお礼したいから…。
えっと…だから、その…」
言って、アブセルはぎくしゃくとした態度を見せる。
そして、おずおずと左手を差し出した。
「と…友達として…、これから、宜しくお願いします…」
216
:
アグル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/13(月) 23:43:39
【飛行艇】
暫くは此処に居ると言うメイヤに、アグルは「そっか」と短く言葉を返す。
弥都で別れを告げてから、そう間を置かない内での再会だ。
これも縁というやつなのだろうか。
「何にせよ、これからもしばしば顔を合わせることにはなりそうだな。
ま、その時は程々に宜しくってことで」
そう言い、再びいちご牛乳を口にしたその時だ。
「やっだぁ〜ッ!アタシの勘、冴え渡りすぎ〜」
突如、部屋の扉が開き見知らぬオネェが現れた。
それは直ぐ様こちらへと駆け寄ってくれば、細く長い腕をメイヤの首に絡め、耳元に息を吹きかける。
「アナタのその黒い髪と黒い瞳、神秘的でイイわぁ〜。そっちの眠たげな彼も目元の泣きボクロがセクスィ〜。
あぁん、もっ二人共か〜わ〜い〜い〜。まとめて食べちゃいたいくらいだわぁ」
217
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/10/15(水) 20:10:49
【飛行艇】
短い返事は、アグルらしいしと言えばらしいか。
そう深く言葉を交わした事は無いが、彼の様子は普段と変わらない。
「取り敢えず今夜の闘技大会はよろしく、だな。」
飲み物に口を付けるアグルへ、メイヤは手をヒラヒラと振った。
それと同時に、勢い良く扉が開く。
(何、だ!?)
開かれた扉は蝶番を軋ませ、現れるのは長身痩躯。
全く隙の無い動き、言うなれば獲物に迫る毒蛇の如き速度で迫るその人物は、正に毒蛇の牙……細く、長い腕をメイヤの首筋に絡めて囁いた。
そして、耳元に吹きかけられる吐息はメイヤの背筋に氷柱を突っ込む以上の威力を発揮。
「は……あ……ぁ、アンタ、誰、だ……?」
反射的に立ち上がり、無意識に刀の柄へ手を伸ばした状態のまま、凍りついたかの様に動かないメイヤは目を見開き、すぐ側の緋色の瞳を凝視した。
218
:
ジュノス
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/16(木) 00:51:19
【飛行艇】
これからどうするか…。そうフィアに問われたジュノスは、束の間考える仕草を取る。
取り合えず第一の目的であるセナとの合流を果たした今。次いで行動に当てるとすれば、ノワールの子の捜索を行うのが順当なところだろう。
しかし、ここでセナ達と別行動を取るのは返って不自然だ。セナに子の存在を訝られる可能性がある。
そして勿論のこと、それに併行してノワールが妙なことをしない様に監視をする必要もある。
…何にせよ、セナとノワールの意見ありきといったところか。
「…ちょっと待った」
と、その時。不意にこの場面では意外な人物、シャムが口を開いた。
「もし姫ちゃんが許可するようなら、あのクソガキをそっちに随伴させて良いか?
なに、あれはラディックや配下の奴らがいなけりゃ何も出来ないような腰抜けだ。流石に今になって変なことはしないだろ」
要するに往年の裏切り者、ルドラをノワールのお供にさせたいと言うこと。
ノワールがどう動くにしろ、やはり彼女一人を人間達の中に残すのはどうも不安なのだ。
「下僕としてこき使うもよし、もしもの際のスケープゴートにするもよし。
いつもは隠れてるかもしんねーが呼べば出てくるだろうよ」
ルドラはノワールに好意を抱いている。彼女が敵に襲われた時は身を挺してでも彼女を守ろうとするだろう。
219
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/16(木) 00:52:13
【過去】
リトの表情が僅かに変化したのをアブセルは見た。
そして、どういう訳だかその時。アブセルは不覚にも胸の高鳴りを感じてしまったのだった。
(…なっ…なんだよ…今のドキッて…、ドキッてぇ…ッ!)
別に見蕩れてしまったとか、そんなんじゃ全然ない。
しかし時折、彼が本当に男なのかどうか疑いたくなる。
「ほ…ほらっ、行くぞ!」
何だか決まりが悪い。アブセルは照れ隠しにわざと強い口調で言い、リトの手を引く。
そして街までの道を下って行った――…
――リトを街まで連れて行き、適当なところで彼をその場に置いてけぼりにして、一人で屋敷に帰る。そして屋敷の者にリトが勝手に外に出てしまったと伝える。
その結果、リトは責められ叱られる。…というのが今回の作戦。
旦那さまに叱られれば、あのリトだって泣いてしまうに違いない。
内心しめしめとほくそ笑むアブセルだったが、街に着けばその顔に得意げな笑みを見せ、リトの顔を覗き込んだ。
「どう、どう?街って賑やかだろ?人いっぱいだろ?お前の部屋にはないものばかりで面白いだろ?」
そして言う。
「どこか行きたいとこある?お願いするなら俺が案内してやってもいーよ」
220
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/16(木) 01:26:23
リマ》なるほど、勉強ですか。確かにカードゲームのカードの絵って綺麗ですもんね^^自分もゲームはやらないけど、たまにそう言う系の公式HPとかでチラチラ見てます
薄情ものめw
いや何もかも終わりだから良いんです←
自分は全然OK←
もう何も言わなくていいです(笑)
そうですよね、パスつければ良い話ですよね…でもめんどくてしてない(笑)
て…天然物…だよ!(;^ω^)←まぁ別に天然物じゃなくても気にはしませんが。サシコってその愛称が何か好きじゃないんですよね〜
違うのか…
あー確かにあのPVは爆笑ものですが…しかしそれと同時に見てると何か恥ずかしくなってくると言うか…居たたまれない気持ちになってきません?←
ん〜…まぁ大体あってる(笑)アナ雪はオラフとトナカイにありのままに萌える映画ですよね
あ、それは間違いなく変な人ですね←
まだまだですかwいっぱいあると邪魔くさい様な気もしますが…(笑)
ゲーセンの景品って冷静になると別にいらない、そして普通に買ったほうが安かったってなることが屡々…
まぁ…そんなものですよね(笑)
なぜ捻り潰すww
白龍wwだいぶ狂ってきてる様ですね〜。しかしやっと白龍が好きになれるかもしれない
そうですかね〜?じゃあナディアはどこぞの金持ちの御曹司とでも結婚するのかな?(笑)
自分的にマゼンダの方がお似合いな感じはしますが…てかマゼンダと上手くやれるのってヴェントくらいしかいない気がするw
221
:
ヤツキ
◆.q9WieYUok
:2014/10/17(金) 00:42:37
【久々?に絵投下ー
imepic.jp/20141017/020770
二人に質問なんだけど、絵描いて色塗る時ってどうしてる?
紙に描いてからパソに取り込み、色付け?
もしくはペンタブでそのまま描いてる?
タブレットで描くの楽そうかなーとか思ったんだけど、どうなんだろ?】
222
:
アグル他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/17(金) 21:53:19
【飛行艇】
「あらぁ、なあにぃ?もしかしてアタシのこと気になっちゃうカンジ?」
誰だと聞かれれば、DDはついその気になって艶っぽい声を出す。
「そうねぇ…、通りすがりの麗しき恋の狩人…と言ったところかしら。
あ、別に怪しい者じゃないのよ?そこのところ間違えちゃダメよぉ、可愛い坊や?」
そう言って、彼はメイヤの頬に唇を落とす。
それを側で見ていたアグルは、
「メイヤ…ご愁傷様。生きてたら夜また闘技大会で」
と、そそくさと逃げ。
その一方でサンディは、
「キ…キス…。男の人が…男の人に、キス…」
固まっていた。
【お、イケメンktkr!イラストはメイヤですかね?
あ、それ自分も気になってました
二人とも何のペイントソフト使ってるのかなぁ…とか
取り合えず自分は下書きから全行程ペンタブで描いてます
タブレットは機種によってはペンの動きがもっさりしてて描きにくい…とかあるみたいですね
液晶付きペンタブなんかはかなり描きやすい様ですよ。自分も欲しいです。しかし結構いいお値段です(^_^;)】
223
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/19(日) 03:41:07
【飛行艇】
アブセルの返事を聞き、リマの表情がパッと晴れた。
嬉しそうに差し出された手を握る。片手で事足りるのに両手で包み込むように握りながら、心が踊るかのごとく左右に揺らす。
「よろしくね!お友達!やったぁ」
が、すぐに自分の行動の異常さに気づき慌てて手を離した。やり過ぎたとばかりに照れ笑いを見せる。
「うん、リッちゃんの事は心配だからもともとナディアさんにお願いして目覚めるまで側にいさせてもらうことになってたの。お屋敷に戻るならリマたちもお邪魔させて貰うことになるかな。」
ヤツキ>>
【わぁい美絵キタ!色塗ろ色塗ろ!!
自分はアナログで絵描いて、PCで線画にして、最近はいちいち色の効果つけるの面倒臭くてiPadでテキトーに色塗ってる。
ペンタブなんて機械オンチな自分には使いこなせないから持ってない(笑)そしてシャーペンみたいなタッチペンは高いからタブレットに直描きも出来ないσ( ̄∇ ̄;)】
224
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/10/20(月) 22:46:46
【飛行艇】
全ッ然麗しく無い!
それどころか僅かな剃り残しであろう髭が肌に刺さって凄まじく痛い!
ほんの極々微かにだが感じる臭いも明らかに男のソレだ!
大体何者なんだ、麗しの恋の狩人って何さ!?
……と言う魂のツッコミは呻き声に変わり、メイヤは息を吐く。
助けを求めようともアグルはそそくさと撤退、サンディは凍りついたまま。
(あぁアグル、闘技大会で会えたら全力で、手加減無しでやらせてもらうからな……)
初対面からの不意打ちは意識が飛びそうになったものの、今なら何とか動けそうだ。
心の中でアグルを呪いながら、メイヤは身を捩る。
自称恋の狩人から離れなければ、恋どころか命すら刈り取られてしまうだろう、多分、いや、きっと。
明らかに不審者である謎の人物の腕から逃れたメイヤは、手の甲でキスをされたい頬をこすりながら再度問うた。
「で、ホントにアンタは一体誰なんだ?
船に居るって事は、誰かの知り合いなんだろうけど……吸血鬼の姫様の知り合いか?」
225
:
リト
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/20(月) 22:54:16
【過去】
アブセルに手を引かれながら、リトは彼の言葉には答えず辺りを見回していた。
反応は薄くても彼なりに何か感じているようだ。
そして、リトはふと足を止めた。
アブセルの手を離れ、そちらへ向かう。
「……」
猫だった。
リトは初めて見るフワフワな生き物を、不思議なものを見るような目で見つめている。彼にとっては縫いぐるみが動いているように見えるようだ。
”にゃー”
猫が鳴いた。
「…」
リトは手を伸ばし、猫の体を撫でた。
そしてそっと、躊躇いがちに口を開く。
「…にゃあ…」
226
:
ノワール
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/21(火) 13:34:56
【飛行艇】
「…勝手にせよ」
シャムの言葉にノワールは一瞬眉を潜めるも、拒否することはなかった。
今は娘の安否とリトに手一杯であり、行ってしまえばルドラの存在などどうでもいい。
「フィアの言う異質な気配とやらは気になるが、わらわはリトの側を離れることが出来ぬ。あの閻魔が妙な小細工をしよったからの。リトがおらんと本来の力を得られぬのじゃ。」
この分だと娘を探すより前にリトの目覚めを待つことになりそうだ。
ノワールはフィアとシャムに視線を向けた。
「何か分かった暁にはわらわにも知らせるのじゃ。良いな?」
227
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/21(火) 13:51:39
イスラ>>
よくあんなに豊富なポージングが描けるなと見る度に思っていますσ( ̄∇ ̄;)
えー、薄情なんかじゃありませんよー!←
それなんか虚しいww
良いんだww
じゃあそうします←
パス設定が面倒とか怠慢じゃないですかw
気にしないんですね(笑)愛称とかどうにもならんじゃないですかwwサシコは自分的に芸人枠なので嫌いではないのです。
なんか違いますね。取り敢えずなんか一般人が見ると「ん?」ってなん感じ。←
似合ってるから自分的には別にいいんですけどねー。
居た堪れなくwwたしかにwwでも彼らはアイドル←
あー、そうですね!自分もありのままに萌えました(笑)
断定されたww
自分、まだシエル好きを極められると思うんです!!←
たしかにwでもUFOキャッチャー自体好きなんですよね。家に一台あればお金も減らないんですが←
可愛すぎるからです。なりませんか?←
今月の黒執事ではシエルが幼女の頭に拳銃突き付けて「生きて今以上の苦しみを味わうか、今死んで楽になるか、どちらか選べ」とかかなりゲスやってましたがそれでも可愛さは際立ってましたよ!←
白龍はもう暴走してますねー。彼の心は救われるのか!てかかなりエグい能力身につけちゃってました〜。
何故今更w
ナディアって恋愛って感じしないんですよね、自宅で小姑やってそう(笑)
あー(笑)実際のところ、ヴェントは誰を想っているのか!取り敢えずノワールは妹的存在で、ノワールにとっても兄的存在ですねー。
てかDD見てふと、ヴェントのキャラ設定してる時に「男に好かれるタイプ」って考えたの思い出しました(笑)
228
:
ヤツキ
◆.q9WieYUok
:2014/10/21(火) 22:11:57
【二人ともありがとー!
電気屋街で絵描き専用ぽいタブレット見つけてさ、コレ使ってんのかなーとか思って。
ペンタブは性に合わなかったから、色塗りするならリマのやり方が良さげかなぁ?ワンチャン水彩色鉛筆に戻るまであるかも……
液晶ペンタブも気になるけど、お高いんでしょう?wwww
とりま俺はアナログで下絵描いて線入れの後線画っぽく出来るアプリで弄ってる感じやけん上手くいかねーわww】
229
:
フィア
◆.q9WieYUok
:2014/10/21(火) 22:29:13
【飛行艇】
ルドラをノワールに同行させたいと申し出たシャムと、それを了承したノワール。
二人共に合意するならば、それに意を唱える事も、理由も無い。
「わかったわ、ルドラは置いていくわ。
そっちも、何かあれば知らせるのよ?」
フィアもまた、ノワールの言葉に頷き、続いてジュノスへ声を掛けた。
「と言う訳で、私達は別行動を取るわ。
暫く会うことは無さそうだけど……ノワールをよろしくね?
それと……貴方と闇の王子の周囲の時空間がほんの僅かだけど歪んで来てる様にも見えるわ、気をつけて。」
そして、一言二言声を掛けた後、フィアはシャムと共に飛行艇の機関室を後にした。
230
:
DD
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/21(火) 23:25:42
【飛行艇】
逃げたアグルと腕の中から抜け出たメイヤ。
その両者に対し、DDは残念そうに肩を竦め、声を上げる。
「人間のオトコの子ってホント照れ屋よね〜。まっ、そこが可愛いんだけど」
安定のポジティブ思考。
そんなDDだからこそ、二度に渡るメイヤの問いにはウインクと投げキッスのサービス付きで答えてあげた。
「ご名答〜。吸血鬼のDDよぉ。よろしくねン」
かと思えば、今度はその視線は別の方へ。
直ぐ傍らの机の上。闘技大会についての日程が記載された書類の方へと向けられた。
「なになに?闘技大会なんてあるの?」
いかにもシャムが好きそうなイベントだ。DDは再びメイヤへと視線を戻す。
「もしかして貴方も出るのかしら?アタシ強いコって大好きよぉ。応援に行ってあげましょうか?」
231
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/21(火) 23:27:42
【飛行艇】
どうしよう。
そんなに喜ばれると、こっちまで嬉しくなる。
「じゃあ…屋敷に着いたらまたゆっくり話しよう?姉ちゃんのこともっと知りたいし」
友達たるもの、相手のことを知りたいと思うのは当然だ。
人生で二人目の友達、リマの出現にアブセルは内心ウキウキである。
取り合えず、屋敷からの迎えが来らまた声をかけると続けたところでアブセルは不意に思い出した。
「そう言えば、食事途中だった?ごめん、引き止めちゃったみたいで…。
てか、セィちゃんさんは?」
【過去】
リトが喋った。
思えば、彼の声を聞いたのはこれが初めてかもしれない。
…こいつはこんな声をしていたのか。
「…何だ、やっぱり喋れたんじゃん。
俺のことはいつもムシするくせに」
言って、アブセルは猫に近寄り、リトの隣にしゃがみ込む。
人に慣れているのか猫は逃げようともせず、リトの手に額をすり寄せている。
一方で不思議そうにしているのは彼の方だ。
「…そんなに珍しい?」
アブセルは小首を傾げた。
もしかして猫を知らないのだろうか。
「猫だよ、ね、こ。…言ってみ?」
232
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/10/23(木) 12:22:45
【飛行艇】
投げキッスとウインクのコンボをさり気なく、しかし全身全霊を込めてメイヤは避ける。
「いや、俺は出ない。
さっきの赤毛、アグルは出るみたいだけれど……」
そして、DDの問い掛けに嘘を交えて答えながら固まったままのサンディの手を引き、部屋からの脱出を試みる。
「闘技大会は夜からだけど、アンタの好きな強いコも出るだろうし、先に闘技場で目を付けとけば良いんじゃないか?」
彼女……ではなく彼が誰なのかと言う問い掛けは予想通りだったが、今の所メイヤ自身に関わる事は無いだろう。
ならば、本当にとって喰われる前にこの場を立ち去らたい所だ。
(ナディアとも話したかったけど、仕方ないな……)
233
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/23(木) 21:10:52
リマ》思います、衣装とかもセンス良いですし(*´д`*)
考え方によっては整形も化粧の一種かなと思って…
自分の心が汚れているのか、その愛称を初めて聞いたとき何かいやらしい響きに感じてしまいまして…←
芸人枠だからって理由もどうなんでしょう、アイドルなのに(笑)
人の迷惑にならない限り、服なんて自分の好きなものを着れば良いのですよ
まあねwでもあの黄色い歓声に何か笑ってしまうww
間違いなく変な人ですね!(二度目)
まだ上を目指すのですか!もう十分じゃないですかね?(笑)
確かにあれは面白いですけど…流石に家に置くのは…w
なりますん…いえ、なりません(笑)
幼女をいじめるとは不届きな…まぁシエルなら許そう←
マジか、それは楽しみ。今まで白龍は好きな要素が一つもなかったのですが、自分イカれたキャラを好きになる傾向があるので、もしかしたら彼も好きになれるかもしれない、と思ったしだいです
確かにナディアが人を好きになるところとか想像できない(笑)自宅で小姑やって飽きたら旅に出る的な?自由人だなww
ヴェントは一体誰を想っているんですか!?(笑)
男に好かれるタイプっても2種類あると思うんですが…、男から憧れられるって意味か、ホモォ…な意味か(笑)
ヤツキ》デジタルでストレスなく絵描こうと思うと何気に金かかりますよね;
むしろ間を取ってコピックとか使ってみるのはいかがでしょう?
234
:
DD
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/24(金) 21:21:55
【飛行艇】
「あら、ザンネン」
出場しない。とのメイヤの応えにDDは言葉通りの素振りを見せる。
…と、そこへ。部屋の扉が開き、新たな人影が二つ現れた。
「っんだァ…?おいっ、邪魔だコラァッ!」
出入り口の手前、退出しようとするメイヤとサンディにぶつかりそうになり、シャムは大きな声を上げる。
どうやら二つの人影の正体はノワールとの話を終えたフィアとシャムだったらしい。
「見て見てぇ、こんなのやってるみたい。シャムこう言うの好きでしょぉ?」
そんな彼らに駆け寄り、DDは先程の闘技大会の資料を見せる。
「ねぇ、フィア?アタシ達の旅ってそんなに急ぐものかしら?
時間に余裕があるならちょっとだけ見ていかない?楽しそうだし」
【闘技大会ですが…、イスラの代わりにシャムを出場させて良いでしょうか?;】
235
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/10/26(日) 19:26:44
【飛行艇】
まるでタイミングを計ったかの様に、食堂の出入り口から現れた新たな二人組。
眼帯の男の怒声に、メイヤは眉を寄せて彼を睨むもそれも一瞬。
後に続く銀髪の女の横をすり抜け、メイヤは早足に食堂を後にする。
会話からして先程の二人組もどうやら吸血鬼の様だ。
だが、今は特に構う事も無いだろう。
「サンディ、取り敢えず街へ向かおう。」
ーーーーー
喧嘩っ早いのは何時もの事だが、シャムの怒声には驚かされる。
「ちょっとシャム、ぶつかりそうになったアンタが悪いのに大声上げるのはねぇ?」
足早に食堂から出て行って青年と少女を見送った後、フィアはボソリと小言を漏らす。
しかしそれ以上は続ける事もなく、DDが示した書類に目を通し、彼の言葉に答えた。
「……そうね、急がば回れでは無いけれど、今はそう急がなくても良いわ。
闘技大会、見に行きましょう。
ついでに、昔の知り合いの顔も見たいしね。」
【イスラoutシャムinで大丈夫ですよー。
そうそう、初期費用が割とバカに出来ない額に……うーん、コピックは肌に合わなかって。重ね塗りがイマイチわかりにくくて…】
236
:
サンディ他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/30(木) 21:09:35
【飛行艇】
「うっせ、人間なんかにナメられてたまるかよ」
呆れた風に小言を漏らすフィアに対しシャムは、
"俺様の進路に立った方が悪い"…と言わんばかりに言葉を吐き捨てる。
そしてその一方でDDは、
「昔の知り合い…?なになに?昔の男?
ちょっと〜、なによその話。詳しく聞かせなさいよぉ」
何故か、昔の知り合い=男、と捉え。その先の下世話な話を期待して、ニヤニヤとフィアの頬を指先で突っつくのだった。
―――…
「…あぁ、びっくりした」
食堂を抜け、艇内の通路を足早に行く二人。
先程の見知らぬ三人組の登場には驚いたが、サンディは胸を撫で下ろし一息つくと、メイヤの声に頷いた。
と、そんな時。
「あ、姉御だ」
とある部屋から出てきたナディアの姿を前方に見かけた。…あの部屋は確かナディアの弟の少年の為に割り当てられた部屋だったと思う。
「姉御〜!メイヤだよ〜、久しぶりにメイヤが遊びに来たよ〜」
サンディは手を振りながらそう声を上げ、彼女を呼び止めた。
【ヤツキ》じゃあ何か理由をつけてイスラのピンチヒッタ―的な感じでシャムを乱入させようと思います^^
ヤツキさん色々挑戦してますね(笑)そしてやっぱり重ね塗り難しいのか〜;
話を振っときながら自分はコピックに触れたことすらないっていう←】
237
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/11/02(日) 11:12:52
【飛行艇】
「ううん、大丈夫」
アブセルの言葉にリマは首を振り、続く疑問に困ったような笑みを浮かべた。
「セィちゃん、多分お部屋に戻ってるんだと思うんだけど…時々リマが知らないうちにいなくなっちゃうんだ」
子供の頃は何でも教えてくれたのに、今の彼には隠し事が増えたように思う。
自分を心配させまいとしていることは分かるのだが…
離れていた分、一緒にいたいのに。
「寂しいなぁ…」
思わず口に出してしまい、リマはハッとして口を塞ぐ。
そして取り繕うように苦笑いを浮かべれば、アブセルに話を振った。
「リマ、セィちゃんのお部屋に行ってくるね。アブくんはどうする?
あ、服汚しちゃったから先に着替えに行った方がいいかな…?」
-------
【過去】
ねこ?
初めて聞く言葉だ。
アブセルの発言に不思議そうな表情を浮かべると、リトは目の前の動物に目を向ける。
これが猫と言うのか。
「…ね…こ…」
とてもふわふわで、温かい。
238
:
フィア/メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/11/03(月) 21:09:26
【飛行艇】
「あながち間違えでは無いわ、でも、二人共会った事が有ると思うけれど?」
頬をつつくDDとその隣で悪態をつくシャム。
彼らに紅の瞳を向けながら、フィアは過去を懐かしむかの様な口調で続ける。
「元、澪の派閥の参謀長。
第二世代の吸血鬼……彼がこの街に居るわ。」
……第二世代の吸血鬼。
それは、三人の長老直系の吸血鬼であり、実子とも、半身とも呼べる存在である。
長老の直系である為、その能力は長老に匹敵する程。
「気配を辿るに、街中に居るみたいだから行きましょう。」
ーーーーー
艦内を歩く二人の進行方向に現れた人影、長身の女性の姿にメイヤは足を止めた。
しかし、決して初見の人物では無い。
(ナディアか、街に出る前に会えて良かったな。)
金髪の美しい女性、ナディアに歩み寄りメイヤは声を掛けた。
「久し振りだな、ナディア。
……弟の具合はどうなんだ?」
239
:
ナディア
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/11/04(火) 13:54:04
【飛行艇】
ちょうど部屋を出たところで聞き覚えのある声に呼び止められる。
「サ ンディ、どうしたの?」
何か用があるのかも思ったが、そうでもないようだ。
メイヤだよ!などと言われても、見れば分かる。
メイヤの存在が余程嬉しいのか、弾んだ声の彼女にナディアは苦笑いを浮かべた。
「んー、分かんない。変わらず、って感じ。」
挨拶もそこそこに、リトの具合を尋ねるメイヤにナディアは肩を竦めて見せた。
「意識がいつ戻るのか、そもそも戻るのか?神のみぞ知るってね。聞いたところ、リトをあんな風にしたのは閻魔?とか言うもんだから、神以上に質悪いけど。今頃裁判でもされてるんじゃない?」
しかし、どのような状況でも冗談を交えることが出来るのはナディアの良いところだ。彼女は物事を悲観的に見ない。
「ご先祖様が同じ時代にいちゃうくらいなんだから、何が起きてもおかしくないよね。閻魔とか胡散臭い存在、本当にいたんだな。今リトを起こしてくれないってことは、まだその時期じゃないのかも。」
240
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/05(水) 22:12:09
【飛行艇】
分かる。分かるともその気持ち。
自分だってリトに何か隠し事をされたり、のけ者にされる様な態度を取られるとたまらなく寂しい。
心の中でうんうんと頷くアブセルだったが、リマから問いをかけられると意識をそちらへと戻し口を開いた。
「セィちゃんさんにも一言お礼が言いたかったんだけどさ。一緒に屋敷に来てくれるんならどうせ直ぐまた会えるし。
挨拶はその時にでもゆっくりすることにするよ」
取り合えず今は先に身支度と帰省の準備を済ませときたい。
そう言ってアブセルは一旦リマに別れを告げると、机の上のトレイからジャムパンを一つ取り上げその場を後にする。
そして、そこでふと気がついた。
そう言えば…リマとセナ。あの二人は付き合っているのだろうか。
リト達の先祖だという時点で、二人がただならぬ仲であるという事実は確定している。
だとすれば先程は、リマに恋のなんたるかについて詳しく聞けるチャンスだったのかもしれない。
…まあ、それもまた今度でいいか。
話す機会はまだ幾らでもあるのだから。
【過去】
「そ、よくできました」
リトが言葉を返してくれてアブセルは何となく嬉しくなる。
自然と顔に笑みが浮かぶが、ふとそんな自分に気がついて、アブセルは気まずそうに顔を背けた。
そして、そうして顔を向けた先。偶然にも移動式のクレープ屋さんの露店が目に付いた。
先程から何かいい匂いがすると思ったらあれだったか。
「…なあ、お腹すかない?
前に一度だけジイちゃんに買ってもらって食べたことがあるんだけど、あそこのクレープ美味しいんだ。
せっかく街に来たんだしさ、食べてこうよ」
言ってアブセルはリトを連れてクレープ屋さんの前まで行く。
そこでフルーツとクリームの沢山のった甘いやつを二つ頼んだところで、アブセルはリトに目を向けた。
「お前…お金持ってる?」
241
:
シャム
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/05(水) 22:12:53
【飛行艇】
「澪の参謀長…?」
誰だ、とシャムは疑問符を浮かべる。
己の派閥の面子さえ把握していないのに、他人の派閥…しかも第二世代の者の顔なんて覚えている訳が無い。
「あら、アタシは覚えてるわよ。
割と好みのタイプだったものぉ」
それとは対照的に、フィアの言う人物を特定したDDはどこか嬉しそうに口を開く。
…しかしである。何故その参謀長がこの様な処に居るのだろう。
続くフィアの言葉、彼の元に行くという申し出には特に断る理由もないため、二人は頷いた。
242
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/11/06(木) 18:22:13
【飛行艇】
ナディアの答えよると、彼女の弟は未だ意識を取り戻さないらしい。
だが、それを悲観的に捉えないのが彼女の強さだろう。
「地獄の閻魔か、案外仲良くなって戻って来るかもな?
それまで時間が掛かるから、まだ目覚めないのかも知れないし。」
ナディアの口調に合わせ、メイヤは軽目の答えを、しかし彼女の気を害さない程度の答えを返す。
そして、バロンやレックスの動向と、復興祭と闘技大会の旨を伝えた上で、再び問うた。
「ナディア達はこれからどうするんだ?」
243
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/11/07(金) 13:06:03
うぉーっ かなりの亀レスになってて申し訳ないです!
本当は現在のジルの心情とか、リトが目覚める為のある人との絡みとか、同時進行したいサブストーリー温めてるのに全く書けずにいる!!
ヤツキ>>
つい先日、PCがおかしくなって初期化しなきゃいけなくなりーの、使ってたお絵かきソフト消えーの、またダウンロードしなきゃいけないけど一番重要な透過フィルタ何処でダウンロードしたか覚えてなくて軽くピンチーの、解凍ソフトもダウンロードしなきゃいけないから面倒くさいーので、最悪。iPadで良い感じの透過アプリあれば良いのに。
イスラ>>
本当、衣装のデザイン性憧れますよね。よく思いつくなぁと。自分、まったく才能なしなので羨ましくて羨ましくて…> <
言われて見れば確かに…最近の女子は化粧で目が二倍になるし、変わりゃしませんね!←
え、何故ww
アイドルはアイドルでもアイドルぶってる奴ってなんか好きになれないんですよねー。なので芸人枠は褒め言葉です(笑)
正論…!でも街中で見かける甘ロリってるオバハンって実害はありませんが気持ち的になんか嫌だな←
何ででしょうね?不思議だ(笑)
そう言えば自分、乙女ゲームはやりませんがワンドオブフォーチュン?とか言うゲームのエストという子に一時期はまってました。恋愛感情ではないのでプレイはせず、友人のデータでフォト漁ってるだけでしたが。容姿がシエルにそっくりなのです。
そこまで言われるとなんか否定したくなってきました←
シエル好きの頂点に立ちたい←
しかし私にはそんな資格はない…今やってる映画を一人で観に行く勇気が持てず未だに観れていない大バカ野郎ですもの(グスン
まぁ邪魔ですけどね(笑)
自分の心に素直になりましょうよ←
シエルは何しても赦されるのです、可愛いから!←
てかこの幼女、シエルよりも年下だからか、一緒にいるとシエルが男の子として映えるんです。だからシエルのお嫁さんにしたい。←
因みに今の白龍こんな感じです
imepic.jp/20141107/463780
ナディアは死ぬまで自由に生きるんだろうな(笑)
一応いるんですけどねー。多分。
ホモォ…ww残念ながらこっちの方ですね(笑)
ヴェントは変なのに好かれやすいのです、きっと。←
PC死ぬ前に作った線画の色塗ったので貼り逃げ。
フェミルのつもりだったけどなんか違う…
まぁ折角なので。
imepic.jp/20141107/470030
244
:
ヤツキ
◆.q9WieYUok
:2014/11/09(日) 19:25:52
【イスラ》後、コピックも案外初期費用高かったりwwww
久々に水彩色鉛筆触ったけど、アナログの方が肌に合う気がしてヤヴァイww
リマ》弱り目に祟り目過ぎる……
リマの絵は絵柄的に色鉛筆とかでふんわり塗ってみるのも良いかも!
添付は三年振り位に水彩色鉛筆使った絵。
imepic.jp/20141109/694630
245
:
ナディア
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/11/10(月) 15:06:21
【飛行艇】
「有り得る」
メイヤの返しにナディアは笑う。
うちの弟は愛想もくそもないから、相手と親しくなるためには相当時間がかかるだろう。
そう考えると待つのも仕方が無いなどと思える。
そして、続くメイヤの話をひとしきり聞いたあと、ナディアは唸る。
「これからどうするかって?んー…取り敢えず一度邸に帰るしかないかな。リトもあんなだし、親父のことも片付けなきゃだし…」
言ったところでナディアの視線は別の方へ。
メイヤやサンディよりも遠く、此方に向かってくる人影を捉える。
「セナ、何処行くの?」
人影はセナだった。
セナはナディアの問いに応えることなく、一同を横切り部屋の中へ入って行った。
あの部屋はリトの部屋だ。
「リトのお見舞いか…?珍しい」
会ってそれほど経ってはいないが、取り敢えずセナが他人に興味を持つ性格でないことは分かった。
そんな彼がリトに何の用があるのだろう。
ナディアは独り言のようにメイヤ達へ言った。
「ビックリだよね、うちの弟とあの子、似てるどころじゃないよ。同んなじ顔。リマって子は私と全然似てないのにさ。」
ヤツキ>>
【取り敢えず今はちょっと忙しいから来週以降暇になったらペイントソフトダウンロードし直そうと思ってる〜
iTunesもダウンロードし直さなきゃなんだけど、あれダウンロードすると色んなスパムファイルがもれなく付いてくるから削除するの面倒なんだよね…
ワタシカゲツケルノニガテダカラアナログムリナノヨー
PCだと誤魔化せる(笑)
水彩色鉛筆良いなーめっちゃ憧れるー!】
246
:
リト
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/11/10(月) 15:07:14
【過去】
お金?
屋敷から出たことのないリトがそんなものを持っているわけもなく、そもそも金とは何なのかと言った具合に、リトはアブセルの言葉を理解出来ていない様子で彼の顔を見た。
「……」
そう言えば、以前姉のナディアが何か言っていた。
”いいか、リト。ここにいれば警備的にまず有り得ないとは思うけど、もし変な人に連れて行かれた時はそいつに金目の物を渡せば助かる。自分の身は自分で守らなきゃね。金は惜しいけど仕方ない。”
リトは自分の身の回りを探る。
金目の物、たしか光る物だとナディアは言っていた。
光る物…見つけた。
リトは腕に付けていた金のブレスレットを外し、アブセルに渡す。
247
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/10(月) 22:48:15
【過去】
「……は?」
お金を持っているかと尋ねたら、金のブレスレットを差し出された。
初めアブセルはその意図が分からずにポカンとリトを見るが、直ぐにハッと顔色を変えた。
そう、彼は知っていたのだ。
それが母や街の女たちが身につけているちんけなアクセサリーとは違う、本物の、価値のあるものだということを。
もちろん、どれほどの価値があって幾ら位の値がつくかなど正確なことは分からないが、とかくクレープ二つ分の料金よりも遥かに高価なものであることは明らかだろう。
不意に視線を感じ目を動かすと、クレープ屋の店員の怪訝な顔と出会った。
アブセルは急いで自分のポケットを探りなけなしのお小遣いを支払えば、クレープを両手に、リトを押してそそくさとその場を離れた。
そして…
「ばッッッかじゃねーの!?
こういうものを他人にホイホイ渡すんじゃねーよ!」
噴水広場まで来たところで、アブセルは足を止めリトに向けて声を張った。
しかし案の定と言うか…リトの顔を見るに彼は言葉の意味を理解していない様である。
何だか怒るのも馬鹿らしくなり、大きな溜め息と共に肩を落とす。
…猫もお金も知らないなんて世間知らずにも程がある。どこのお坊ちゃんもこういうものなのだろうか。
(なんかコイツを一人にするの心配になってきた…)
ともかく、とアブセルは先程のブレスレットをクレープと一緒にリトに返す。
そして自分は広場のベンチに腰掛け、リトに隣に座るよう促した。
「…今日は特別だからな。奢ってやる。
ありがたく食べろよ」
248
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/10(月) 22:49:11
リマ》大丈夫ですよ〜、ゆっくりで良いのでサブイベやってください!楽しみにしてるので!^^
本当羨ましい限りです…(>_<)
でしょう?化粧の魔力怖い(笑)
気にしないで下さいw
うーん、なるほど(笑)
分かります、何か微妙な気持ちになると言うか…(笑)それと三十路のボクっ娘って全然萌えませんね(経験談)←
それ結局のところシエルが好きなだけじゃ…いえ何でもないです(笑)
否定してももう遅いです。自分の中でリマさんは変な人でドジっ子で確定済みですから←
おぉ…すごい、けど…何か無駄にしか感じないその向上心(笑)
そんな…w友達でも無理やり誘って行けばいいじゃないですか(笑)
昔UFOキャッチャーの中に入って縫いぐるみ埋もれて寝たいと思ったことならあります←
可愛いは正義ですもんねw
その幼女って最新巻の表紙のあの女の子ですか?てかシエルって既に許嫁いるんじゃなかったっけ?w
え、どちら様?ww人格が180度変わってるんですが(笑)ん〜…これはちょっと好きになれないかなぁw何か腹立つww
ナディアらしいw
そうなんですか?今いるキャラの中ではない?
あ、そっちでしたか…(笑)まぁそんな感じはしますw
あの、この子どこでなら売ってます?家に持って帰りたいんですけど←
いやはやありがとうございます!目の保養になりました〜^^フェミルの誕生日がバレンタインならジルの誕生日はホワイトデーですね(予想)
ヤツキ》お、セクシーなお姉さん素晴らしい!誰か気なるけど…(笑)
もういっそアナログを極めちゃいましょうよ(笑)
でもヤツキさん以前デジタルで色塗ってましたよね?あれ止めちゃったんですか?
249
:
メイヤ/フィア
◆.q9WieYUok
:2014/11/11(火) 22:55:17
【飛行艇】
「生まれ変わりか、意図的に似せたのかもな。
イタズラな輪廻転生の神サンがさ。」
ナディアの声にも、自分達三人の誰にも反応せずに通り過ぎて行くセナ。
その姿が部屋に消えて行くのを見送りながら、メイヤは自身の内で蠢く闇を抑え付ける。
この世で最も上質で、高純度で、しかし混沌とした闇を孕む王子。
それを喰らえば悪神は……
「……そうか、わかった。
四神の護衛は終わったけれど、俺は暫く此処に留まると思う。
暫しの別れか今生の別れかどちらになるか分からないけど、気をつけてな。」
どうやらナディア達は一旦実家の方へ戻るらしい。
彼女達と会うのが最後になるかは分からないが、メイヤはアッサリとだが別れの言葉を口にした。
アグルもそうだが、四神達とは長い付き合いになりそうな気がする。
だから、別れの言葉はこれ位で良いだろう。
じゃあ、と短く会釈をした後、メイヤはサンディの手を引き歩き出した。
ーーーーー
確かに、他の派閥の面子を把握しているかと言われれば、フィア自身もそうでは無い。
それに、彼が参謀長をやって居たのは大分昔の話だった。
「まぁ、そこまで表立って動いてはいなかったし、覚えてなくてもおかしくは無いわ。」
全く逆の反応を見せるシャムとDDを見ながら、フィアは件の人物の事を思い出す。
しかしそれも僅かの事、了承を得たフィアは空間を跳躍。
飛行艇を、騒がしい街中を抜け、目的地へと向かった。
ーーーーー
第801空挺師団が有する飛行艇の基本型は、航海用の帆船に可動式の両翼と、特殊な鉱石を核としたエンジンを積んだ物である。
四神達に与えられた飛行艇が停泊する港とはまた別の、世界政府軍専用の巨港にその船、イオリ率いる者達の軍艦はあった。
漆黒の巨体と、禍々しくも艶やかな色合いを見せる紅と金の差し色。
船体から伸びる両翼には鳳凰を模した装飾が取り付けられ、メインマストに浮かび上がるは絡み合う大蛇と迦楼羅の姿。
「暴の派閥の頭が足りない頭と、長老屈指の色物サンを引き連れて何か用ですか?」
波に揺れる甲板の上、並ぶ三人の長老に決して気圧される事も無く、寧ろ煽りながらその男、クロッソは口を開く。
ーークロッソ・シーダ
澪の派閥の参謀長であり、第二世代、フィア直系の吸血鬼。
とある事件の後、派閥を破門されたクロッソは今、七つの大罪を名乗る傭兵団の一員として、イオリの下に就いていた。
「貴女自身の手で破門した私に今更用があるとは思えませんがねぇ?」
銀髪紅瞳、フィアに似通った面持ちでありながらも、口の端に人を見下した様な笑みを浮かべるクロッソ。
その問いに答えながら、フィアはクロッソの後方、樽に腰掛ける男二人を一瞥した。
「特に用も無く、近くに来たから会いに来ただけ。
……と、答えたかったけれどそうもいかなくなったわ。」
クロッソの後方、二人の男は物珍しそうにフィア達を見つめている。
そして、その二人はゆっくりと、しかし確実に此方へと歩み寄って来るも、それを無視しフィアは問うた。
「レオの仇である、あの男の下に貴方が居るなら、色々と聞きたい話が出来たわ。
オリジンが纏っていたとされる魔装、それと同質の物を何故、あの男が所持しているのか。
そして、貴方も感じている筈の異質な気配の正体を。」
250
:
ジュノス他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/14(金) 22:19:36
【飛行艇】
フィアの言う時空間の歪みとは、やはり過去からの時間移動というこの世界の概念を狂わせたことによるものの影響だろうか。
しかし気をつけろと言われても対処のしようがある様にも思えない。
何にせよ、この時代にいられる時間ももうあまり残されてはいないのかもしれない。
フィアやノワールと別れ一人甲板に出たジュノスは、外の風に当たりながら思案気に目を細める。
…と、そこへ。
「…もし、そこの方…」
不意に何者かに声を掛けられた。
見ればすぐ側の埠頭に礼服を装った老爺が立っていた。
―――…
ナディアにも色々とやるべきことがある様だ。
何か力になれればとは思うのだが…、彼女の抱える家の問題に自分ごときが役に立てるとは到底思えない。また、ナディア自身もそれを望んではいない筈だ。
「姉御、また逢えるよね?それまで元気でね!」
メイヤに手を引かれながら、サンディもまた手を振りナディアに別れを告げる。
彼女は強い。きっと直ぐに問題事を解決して、再びまた自分たちの前に顔を見せに来てくれることだろう。
そうして二人が立ち去ったちょうどその時、入れ違うようにして今度はジュノスがやってきた。
どうやらナディアを探していたらしい。
「ナディアさん…。外にお迎えの方々がお越しになっているのですが…」
どうするんだ…とでも尋ねる体でジュノスは言う。
先程の老爺はナディア達の屋敷に遣える者であり、またアブセルの祖父だと名乗った。
恐らくアブセルが事前に連絡を入れていたのだろう。
251
:
シャム他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/14(金) 22:20:17
【バルクウェイ】
長老三人を前にしても全く物怖じせず、事もなげな態度のクロッソと、それに相対するフィア。
そんな二人の傍ら、シャムは眉を潜め隣のDDに小さく疑問を投げる。
「おい…、今俺バカにされなかったか?」
「馬鹿ね、聞くまでもなくされてたわよ」
それを聞くや、「なに」と彼の顔が一層険しくなる。
一歩前に出たかと思えば、そこらのチンピラよろしく肩をいからせ、クロッソに向けて威圧的な眼光を飛ばした。
「おぅコラ、このすかし野郎っ、何でもいいから知ってること全部吐きやがれ!!」
252
:
ヤツキ
◆.q9WieYUok
:2014/11/15(土) 15:25:02
【リマ》ソノキモチワカルワー!影付けとか解らんから、デジタルで塗った方が綺麗に見えるのはあるよなww
イスラ》モデルは好きなゲームのキャラですな、前チラッと言ってたアケゲーの……
デジタルのはパソ死んだ臭いのと、レイヤーが全然理解出来ない+ソフト無いから断念ww
あれからちょろちょろっと描いたりしてるけど、アナログのが落ち着きそうだww
253
:
ヤツキ
◆.q9WieYUok
:2014/11/15(土) 15:27:50
【添付忘れたww取り敢えず塗ってみたイオリン、派手っつーかチャラいimepic.jp/20141115/550200
254
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/18(火) 23:02:39
ヤツキ》あぁ、lovですね。
なんとwデジタルの要のパソが死んだらもうどうしようもない(笑)
レイヤーは一度覚えちゃえば結構単純ですけどね^^
おぉう、安定の格好良さ!!やっぱいおりん好きだわー^^
255
:
メイヤ/フィア
◆.q9WieYUok
:2014/11/19(水) 00:30:33
【バルクウェイ】
以前よりも確実に人が増した街中を、メイヤはサンディの手を引き、歩く。
手を握り続ける理由も無いが、別段放す理由も無かった。
遅目の昼食を屋台の汁蕎麦で済ませ、賑わう露天を観て回る。
復興祭と言うだけあって、かなりの賑わい様だ。
時折、軍服を着込んだ者達の姿も見受けられるが、空挺師団の団員だろう。
「凄いな、街全体が活気づいてると言うか……暑い。」
一通り露天を回った後、比較的人気の少ない公園で休憩を取りながら、メイヤは口を開く。
つい一週間前、街は崩壊の危機に瀕していたのがまるで嘘だったかの様に、バルクウェイは騒がしい。
もとより世界政府のお膝元であった為に人口は多かった筈だが、小国家並みの人員を有する空挺師団を併せる事により、人口密度は元の倍以上となっていた。
「ここまで人が多いと、逆に動き辛いな。
あぁサンディ、アイスクリームが溶けて来てるぞ、服に零れないよう気をつけないと。」
ーーーーー
「威圧的に声を掛けるなんて、まるでチンピラですね。
あぁでも、暴の派閥のトップなのだから間違っては無いのでしょうか。」
煽れば面白い位に反応するシャムの様子に、クロッソは笑みを浮かべる。
どうやら彼は思った以上に単純らしい。
「人に物を乞う時は、それ相応の態度を取るべきだと思いますよ?
例えばそうですね、ドゲザにセップクとかはどうですか?」
肩を怒らせ声を上げるシャムをクロッソは更に煽るも、それ以上は続けない、否、続かなかった。
「貴方、あれから余計に性格が悪くなった様ね。」
何故なら、一連のやり取りの間無言だったフィアが、氷のナイフをクロッソへと投擲したからだ。
「……逆に貴女は人間臭くなりましたね、それはそれで面白いですが。」
眉間を狙って放たれた氷刃を二本の指で受け取り、クロッソは紅の瞳を細める。
「まぁ、現存する吸血鬼達にとっては神にも等しい長老方のお頼みですし、お答えしましょうか。
……ただし、条件付きで。」
そして、どこからともなく取り出した書類を眺めながら、続けた。
「今晩開かれる闘技大会、それに出場し、見事優勝出来たのなら、知りうる事全てを話しましょう。
既に参加者は決まっている様ですが、乱入でもして適当に入れ替わって下さい。
こう言うのは暴力が取り柄の長老サンに向いてると思いますし、簡単だと思いますよ?」
256
:
アリア
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/20(木) 10:56:29
【バルクウェイ】
「見事なものですね…。一週間でもうこんなに街が修繕されて…」
かつて深淵が開いたその広場にアリアはいた。
車椅子に腰掛け、そこから見える街の景色を眺め感嘆のため息をつく。
そしてそんな彼女の後ろにもう一人。
いつもとは対照的の白いワンピースを身に纏い、流した黒髪を風になびかせる少女…ゼツが車椅子を引きながら気遣わし気に口を開く。
「アリア…そろそろ行こう?風が身体に障るよ」
あの日、アリアはディンゴの治癒によって一命を取り止めた。
しかし彼の異能では損傷した部位を完全に癒すまでには至らなかったらしい。
アリアはもう二度と自分の足で立ち上がることも、子供を産むことさえも出来ぬ身体になってしまったのだった。
だが、これも今まで多くの者を殺めてきた罰だと、彼女はそれを甘んじて受け入れた。
アリアは柔らかい声でゼツに言葉を返す。
「そんなに心配しなくても大丈夫よ。
これでこの街も見納めかもしれないから、もう少しだけ…」
故郷よりも長い年月を此処で過ごしてきた。第二の故郷とも呼べるその街の風景を目に焼き付ける。
そうして満足したのか、暫くしてからアリアはつと視線を動かし言った。
「貴方にも…色々と難儀をかけましたね」
視線の先にはヴァイトの姿がある。アリアは続け口を開く。
「先程も言いましたが、私たちはバルクウェイを離れ様と思います。暫くはどこか静かな所で療養できればと思って…
貴方はどうするのですか?」
先の戦いで命を落とした同胞達の弔いも済んだ。
一件に関わっていた上層部の者達もどう言う訳だか皆一様に絶命し、指令を下す者もいなくなった。
本来ならば責任を問われる立場なのだろうが、空挺師団の団長と名乗る男は政府の汚職を公にするどころか、アリア達を拘束することもなかった。
今後どう生きていくかは自分で考えて決めろと言うことらしい。
257
:
サンディ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/20(木) 10:57:12
【バルクウェイ】
…どうして手を繋いでいるんだっけか。
何となく照れくさい様な気もするが、離すタイミングを完璧に見失ってしまったと言うか何と言うか。
いや、別段嫌というワケではないのだ。
ただ、一緒に食事して、露店を見てまわって…これではまるでアレではないか。
そうアレ。恋人的な。そんなニュアンスの。
一度そんなことを考えてしまえば更に意識してしまい。一体周りからはどんな風に見られているのだろう、とか気にしてしまう。
と、その時。不意にメイヤの声が耳に入った。
「え…?わわ…!」
見れば、今にも氷菓の雫が垂れ落ちそうだ。
サンディは急いでアイスクリームにかぶりついた。
しかし、それにしても…。
「なんだかこんなにのんびり過ごすの久しぶりな気がするよ。ずっとこうだったら良いのにね」
人は多いが、賑やかなのが今は逆に心地がいい。今までの戦いづくの日々に比べれば断然平和に思える。
258
:
ヴァイト
◆.q9WieYUok
:2014/11/23(日) 00:06:17
【バルクウェイ】
「どうするか、って言われてもやる事ねーんだよなぁ」
緩やかな風が喧騒を引き連れ、吹き抜ける広場。
上司の初めてみる穏やかな表情とその後ろ、ワンピースを着た同僚。
以前の二人を知る者からすれば、色々
ツッコミを入れたくなるだろうその姿に驚いたのも少し前の事。
一週間振りの再会を果たしたヴァイトは、アリアの問いにのんびりとした口調で応えた。
「所属してた組織所か政府も消え、科学者達を率いてたあの胡散臭いジジイも行方知れず。
空挺師団?から入隊の誘いは来てっけど、断っちまったしな。」
バルクウェイでの戦いから一週間。
崩壊した街と政府を空挺師団が取り纏め、ヴァイトはその師団から入隊勧誘と共に色々な情報を聞いた。
戦いの行方も、組織の人間の処遇も、空挺師団が掲げる目標も。
「世界を救う戦いとか言われてもピンと来ねーし、俺のキャラでも無いし。
何より、折角助かった命を無駄遣いしちゃあ、オッサンにどやされるからな。
今までなかった平和で普通の生活ってヤツを楽しませて貰う事にするさ。」
だが、聞いた所でヴァイトは戦いに身を投じる気にはならなかった。
ゼツと戦い、彼女と差し違い、彼女を救った後。
確かに聞いたディンゴの声と、彼が繋いでくれたこの命。
ヴァイトは決めたのだ。
精一杯、この命にしがみついて生きてやると。
「……アンタらと一緒にな。
女二人じゃ色々不便だろ?力仕事位しか出来ねーけど、着いて行くさ。
ついでに言うと、ゼツには宇治金時をご馳走にならないといけねーからなぁ?」
そして、自分と同じくディンゴが救った2つの命を、守り続けるのだと。
「つー訳で、これからよろしくお頼み申し上げます、ってな。」
259
:
DD
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/23(日) 09:01:31
【バルクウェイ】
「あぁ?ザケんなッ、なんで俺らがンな訳分かんねーことしなきゃなんねーんだよッ!」
クロッソの提示した条件に、当然の如くシャムは異議を申し立てる。
力ずくで吐かせた方が手っ取り早いとばかりに、指の関節を鳴らしながら荒々しく彼へと近づいて行く。
が、しかし…。
「もういいでしょ?アタシ、ギスギスするのは嫌いよぉ」
その時、DDがシャムの肩を掴み彼を引き止めた。
そして、続けてクロッソへ目をやる。
「いいわ、そのお遊び付き合ってあげる。…もちろん、シャムがね。
その代わり、こっちも条件出していいかしら?」
かと思えばクロッソの後方に控える者達の存在にも構わず、DDは彼に近寄ると、背中からその首に両腕を絡ませ言った。
「もしシャムがその闘技大会に優勝した場合、アナタは知っていることの全てを話した上でアタシ達の露払い役として共に来ること…なんてどう?
…連れにイイ男がいないとテンション上がんないのよねぇ」
260
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/11/24(月) 21:25:12
【バルクウェイ】
「そうだな、少なくとも俺が四神の護衛に着いて以来じゃないか?
記憶の図書館と弥都でも少しは休めたけれど、結局は争い事が起きてしまったしな。」
氷菓に被りつくサンディの隣で、メイヤは彼女の声に応える。
確かにそうだ、自分が彼女に出会ってから今まで、戦いの日々が続いていた。
サンディ達がそうなる事を見越して、イオリは自分を派遣したのだろうが……
「多分きっと、黄龍とやらを倒すまでサンディや猫男爵の戦いは続くんだろう。
だけど、偶にはこんな穏やかな日があっても良いと思う。
それに、サンディ達四神が世界の命運を全て背負う事も無いさ。」
打倒黄龍を掲げる空挺師団、その勢力は小国家並だと言う。
そんな軍団と合流出来たなら、戦う負担は大幅に軽減されるだろう。
「聞く話によると、師団長はかなりのヤリ手らしい。
確かに30代手前で師団長を務める位だから相当だろうな。
だからさ、協力しあえれば、そう遠く無い内に平和な世界が来るんじゃないかな?」
人々の喧騒も平和の内か、人混みを見詰めながらメイヤは続け、立ち上がる。
「さて、次はどこを廻ろうか?
少し早いけど、闘技場に向かっても良さそうかな?向こうにも露店は出てるだろうしさ。」
261
:
クロッソ
◆.q9WieYUok
:2014/11/24(月) 22:40:38
【バルクウェイ軍用港】
艶やかな動きで背後に回り、首筋に両腕を絡めて来るDD。
彼は言った、条件は呑むが、此方の条件も呑めと。
「残念ながら、私の一存では首を縦に振る事は出来ませんねぇ。」
しかし、提示されたその条件を呑む事は出来ない。
「こう見えても今は雇われの身、雇い主を勝手に変える訳にはいきませんので。」
だが、クロッソは悪戯めいた笑みを浮かべて続けた。
「しかしながら、たまには冒険してみるのも良いでしょう。
アナタが提示したその条件、呑みましょう。」
シャムが闘技大会で優勝すれば、クロッソは知りうる限りの情報を開示し尚且つ、フィア達に着いて行く。
シャムが優勝すれば、彼等は現段階で望む全てを手に入れれる訳だ。
……しかしそれは優勝すれば、の話。
彼等はまだ知らないだろうし、公式にアナウンスはされていないが、闘技大会には空挺師団長自らも出場するのだ。
(空挺師団長、レオール・ランブリッシュ。
東方最強の暗殺者であるイオリが唯一、暗殺し損ねた男。)
四霊と並ぶイオリをも超える程の実力を持つ彼が出場するのだ、少なくともシャム一人ではレオールに打ち勝つ可能性は低いと見ても良いだろう。
つまり、レオールが出る以上闘技大会は出来レースな訳だ。
(自分達に分が有る事を前提に話をするアナタが、躓いた時に見せるであろう苦い表情を楽しみにしておきますよ……)
そして。
闘技大会が無事に終わる可能性も決して高くは無いのだ。
寧ろ、あの者達によって空挺師団は今夜、壊滅するだろう。
「さぁ、互いに条件は呑みましたし今日の所はお開きにしませんか?
あまり長居すると、血の気の多い野郎が絡み出しますからね?」
浮かべる笑みを深め、クロッソは話は終わりだとばかりに声を掛けた。
262
:
リト、ナディア
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/11/24(月) 23:20:47
【過去】
何だかアブセルは腹を立てているようで。
そこまでは分かったものの、何に対して怒っているのか、アブセルの言葉の意味を理解出来ないリトは黙ったまま彼を見つめていた。
そんなリトの態度にアブセルの方が諦めたようで、買ってきたクレープを食べるよう促す。
「…」
リトは言われるままアブセルの横に腰を下ろし、小さな口でクレープを囓る。
ケーキなどデザートは沢山与えられるけれど、今まで食べたお菓子とは何か違う。
何と言うか…
食べにくい。
食べる際に強く握ったせいでクリームやら中身が外に漏れ出してしまい、手元がぐちゃぐちゃになってしまった。
【飛行艇】
「おー」
サンディの言葉を受け、ナディアは笑顔で手を振り返す。
と、そこへ入れ替わってジュノスが現れた。
しかし彼から出されたのは嬉しい報告ではなく。
「あー…」
アブセルめ、余計な事をしやがって。
屋敷に戻る決意はしたものの、このタイミングで屋敷のものに会いたくはない。
しかし、来てしまったものは仕方ないし…。
「仕方ない、案内して」
言いかけたところでナディアはふと思いつく。
彼女はなるべく面倒ごとを増やしたくない質だ。
ナディアの父親、ヨハンが死んだと言う知らせは屋敷の者達にとって打撃が強いだろう。その上リトまであんな状態になっていると知らせたら…
「あのさ、えーっと、ジュノス、だっけ?」
リトの事を恐れるくせに、リトの力に縋っている都合の良い奴ら。闇が蔓延し出した今、闇を従わせる者がいないと知れば、混乱を招きかねない。
「あのさ、似てるってのを利用して、セナをリトとして連れて帰りたいんだけど…駄目?」
263
:
キール
◆.q9WieYUok
:2014/11/25(火) 01:13:36
【虚空城】
現世と交わる事の無い、位相空間に浮かぶその城は、虚空の中にあれど圧倒的な存在感を示している。
世界を監理し、監視し、世界の中枢である存在、黄龍。
その居城は今、不気味に蠢いていた。
ーーーーー
「で、傷は全治したのかしら?」
イオリとシデンの戦いは、両者痛み分けの結果に終わった。
血塗れのシデンを虚空城へ連れ帰り、黄龍への報告を済ませてから一週間。
発令された新たなる指令を伝える為、一週間振りに顔を合わせる事となったのだが……
「その表情を見るに、かなり不満がある様だけど?」
虚空城の大広間に現れたシデンへ、キールは普段よりもやや、呆れた声色で声を掛ける。
「貴方の言いたい事は伺い知れるけれど、あの時の撤退はしょうがなかったのよ。
それとも何?あの男との決着を着けるまで動かない、何て言う訳じゃないでしょう?」
プライドの高い彼の事だ、四霊では無かったただの人間が、自分とほぼ互角の戦いを戦いを繰り広げ、更には決着が着かなかった事に苛立っているのだろう。
しかし、それに構っている暇は無い。
声を掛けながらもその返事を待たず、キールは指令内容の説明を始める。
「新たな指令は、バルクウェイへ駐留する空挺師団の壊滅及び、空挺師団旗艦の動力炉の奪取よ。
打倒黄龍様を掲げる空挺師団の戦力は、決して無視出来ない。
師団長はあの男、イオリをも超える実力者であり、その側近達は四神並。
今はまだ、虚空城へ攻め入る手段を持たないとしても明らかな驚異よ。
今回の作戦は敵陣の真っ只中に飛び込む事になるけれど、今までと違い多少の援護があるわ。」
崩壊する世界政府から逃げ出した科学者達と、彼等が有する技術と実験体。
新たなる人類の礎に、と調整されたそれらを基に、虚空城のデータを用いて生み出された兵士。
「急造な為に簡単な命令しか聞かないけれど、頑健かつ驚異的な再生治癒力が備わった人造人間が多数。
それと、内通者が一人。
後はイレギュラーだけど、四凶の面々。
彼等を囮にすれば、師団長やその側近と正面からぶつからずに済む筈よ。
不意打ちで良いわ、師団長を討ち、旗艦の動力炉を奪取する事。
それが、今回の作戦内容よ。」
264
:
サンディ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/27(木) 02:52:02
【バルクウェイ】
「そっか…、うん、そうだよね。そうだと良いな…」
メイヤの言葉を聞き、サンディは頷く。
世界の平穏の為に動いているのは決して自分たちだけではない。
一人だけでは微々たるこの力も、多くの者と合わせればきっと更に強大なものになる。
そう思うと胸に抱えるこの重責も大分と軽くなった。
サンディはぴょんとベンチから飛び降りると、メイヤの後をついて歩いた。
「あ、そう言えば闘技大会でるんだっけ?今の内に下見しとくのも悪くないかもね。
そんでガッツリ賞金ゲットだぜ!…て、あれ?賞金って出るんだっけ?」
――――…
「あら、話の解るイイ男。お姉さん胸キュンしちゃいそうだわぁ」
条件を呑んだクロッソに向け、DDはお返しとばかりにその頬に軽く唇を当てる。
そうしてそっと彼から身を離すと、今度は後ろを振り返りシャムに向けて言った。
「と言うわけで、頑張ってねシャム!アタシ期待してる!」
気のせいか、その目は炎が燃えたぎっているようにも見える。
「ちっ…、めんどクセぇ…」
対しシャムは付き合い切れないとばかりに、ダルそうに頭を掻く。
そうは言っても、ルドラを引き取った件といい案外彼は人が良いようで、なんだかんだ今回も割を食ってあげるのだろう。
話はすんだ。シャムは、もういい帰ろうとフィアに目を向けた。
265
:
ジュノス他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/27(木) 03:26:50
【バルクウェイ】
「え゛ッ!?」
思いもよらぬナディアの返事にジュノスは上擦った声をあげる。
それはつまりセナをリトの替え玉にすると言うことか。
確かに彼等の容姿は瓜二つ。こっそり入れ替わるのも可能だろうが…。
「セ…セナ様がご承諾なさるのなら…」
しかし内面は全く異なる二人。
分かる人には分かってしまいそうな気もするが、最終的にジュノスはナディアの願いを聞き入れた。
「しかしこう言ってはなんですが、セナ様にリッちゃんの振りが出来るのかどうか…。
それにその間リッちゃんはどうなさるのですか?」
続けて、ジュノスは迎えの者達の元にナディアを案内すべく歩きながら彼女に問うた。
【過去】
…なんてドンくさい奴…。
クリームまみれで悲惨な状態のリトの手元を目に、アブセルは呆れて言葉を失っていた。
もしかしてクレープも食べたことがないのか…?いや、だとしてもこれは酷い。
「あ〜も〜…何やってんだよ、グチャグチャじゃん」
アブセルはポケットからハンカチを取り出すと、それでリトの手を拭いてやる。
良かった、祖父にハンカチを持たされてて。
「ほんと、世話の焼ける奴…」
って、あれ…?なんかさっきからリトに振り回されてる気がするんだが、気のせいだろうか。
そんなことを思いながらも、アブセルは自分の持っているクレープをリトに差し伸べる。
「これは軟らかいから優しく持ってやんなきゃ駄目なの。
ほら、口開けろよ。食べさせてやるから」
しかし、だ。
クレープを人に食べさせるのって案外難しい。
口元に運ぶ筈が、勢い余って彼の顔面に押し付けてしまった。
「…あ」
態とじゃない。決して態とじゃないんだ。だけど…、
「ぷっ…くくッ…、へっ…変な顔…!」
べったりとクリームのついたリトの顔を見て、アブセルは思わず吹き出してしまう。
彼の顔を指差しケラケラと笑うのだった。
266
:
アリア
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/30(日) 02:43:49
【バルクウェイ】
宇治金時の話しを持ち出すヴェントに対し、ゼツは小さく舌を打つ。
「なんだ、覚えてたんだ。忘れてくれて構わなかったのに」
かと思えば、今度は彼に向けてズイッと人差し指を突きつけ、続けるように言った。
「あと、女扱いして欲しくないのが僕。この格好はアリアが勧めるから仕方なくやってるだけで…ゴニョゴニョ。
とにかく、君なんか来なくたって別に困らないんだから」
どうも彼女の着ているこのワンピース、もう戦う必要もないからとアリアが見繕ったものらしい。
以前よりもイキイキと憎まれ口を叩くゼツも、側で穏やかに笑うアリアも、見様によってはまるで憑き物が落ちたかのようである。
正直アリアにいたっては、最初の内は目も当てられぬほどだったと言う。
無理もない。心から信頼…いや、愛していた者には利用された挙句、裏切られ。今まで正義だと信じて行ってきたことが飛んだ過ちだったのだ。
彼女の失意は計り知れない。
しかし、そんな彼女も見舞いに来てくれた部下達からの励ましの声あってか、今は大分落ち着きを取り戻した様だ。
それに被害者面が許される立場でもないのだ。
アリアはゼツに宥める様に声をかけた後、ヴァイトに向けて言った。
「ありがとう、荷物を持って貰えると助かります」
そう、今まで奪ってきた命や殉職した部下達の為にも、必死に生きて罪を償わなければならない。それが人一倍責任感の強い彼女が出した答え。
「じゃあ…、そろそろ行きましょうか」
そう言ってアリアは二人に微笑みかけた。
267
:
シデン
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/30(日) 02:44:48
【虚空城】
淀みなく言葉を綴るキールの視線の先。
そこには革張りのソファに足を組んで座るシデンの姿があった。
「…全快していない、…と言えば(任務を)降りても良いのか?」
キールの方へは目もくれず、シデンはネイルファイルで爪を磨きながら憮然とした態度で言う。
負傷した傷は既に完治した様だが、どうも気分が乗らないらしい。
どこか気怠そうにしながら更に続ける。
「手の空いている者なら俺の他にもう一人いるだろう。
…応龍の奴が」
268
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/12/05(金) 21:35:52
【バルクウェイ】
「確か賞金も出るみたいだぞ、金額は見てないけれど……」
公園は闘技場へ歩を進めながらメイヤはサンディの問いに答える。
途中、何人かの知った顔……処刑人の剣の面々とすれ違うも、目を合わせるだけで特に声を掛ける事もなかった。
以前対峙した時とは全く違った雰囲気、柔らかな表情や様子を見るに、彼等も新たな人生を歩んで行くのだろう。
車椅子に乗る女性と、それを押す少女。
二人に付き添い荷物を持つ青年の姿を見送り、メイヤもまた、彼等とは別の方向へと歩いて行く。
ーーーーー
闘技大会自体は夕刻からなのだが、闘技場周辺は既に観客達の威勢の良い声……怒号に包まれていた。
彼等の声を聴くからに、どうやら運営公認のトトカルチョがある様だ。
誰が優勝するのか、誰が大穴か、などを話す男達の間をすり抜け、メイヤは大きく貼られたトーナメント表に目をやった。
(そう言えば、初戦はアグルとだったか。
あの時俺を置いて逃げたお礼をしないとな。)
丁度その時だった、隣に並び立つ男……空挺師団長の側近がメイヤとサンディに気付いたのは。
「……お前は確か……シンライジの弟か。
隣のちっこい赤毛はアレか、四神の天照だな。」
メイヤの黒髪とはまた違った色合いの黒髪と赤い瞳のその男、マルトは丁度良かったと前置きをし、挨拶もそこそこに話し始める。
「飛行艇でお前達の仲間に話しそびれたんだが、ここ数日異能を持った人間が何者かに襲撃されているのは知ってるか?
目撃情報はあまり無いんだが、どうやら襲撃者はかなりの実力者らしい。
二人一組で片方は変な訛り癖があるようで、もう片方は白髪のガキとも聞く。
空挺師団の方でも捜査してるんだが、お前達も気をつけろよ?
件の二人組は異能者を実際に喰う、らしいからな。
……まぁ、異能抜きにしても、若いカップルは変なヤツらに絡まれない様気をつけろよ。」
【鈍亀レス申し訳無い、新婚旅行行ってて板を全く見てなかった……】
269
:
フィア
◆.q9WieYUok
:2014/12/06(土) 18:40:26
【バルクウェイ】
敵地の真ん中とも言えるこの場所では強引に聞き出す訳にもいかず、しかし提示された条件を鵜呑みにするのも気が引ける。
だが、双方共に話が纏まりつつある今、フィアは無言で頷くしかなかった。
ーーーーー
暑苦しいまでの人混みと、喧騒に包まれる闘技場。
既に観客席は開放されており、多くの観客がひしめき合っている。
その最上階、ドーナツ型に建設された闘技場の最端部にフィア達は居た。
「で、問題はどうやって出場するかね。
今の所欠員は出てなさそうよ、出場者を適当に一人捕まえて入れ替わるのが無難かしら?」
配布してあるトーナメント表に目を通しながら、フィアはDDとシャムに声を掛ける。
「まさか乱入する訳にも行かないでしょう?」
270
:
ナディア
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/07(日) 20:08:55
【飛行艇】
セナにリトのフリが出来るか。
間違いなく、無理だろう。
「まぁ顔があんだけ似てるんだし、双子じゃないのに同じ顔がこの世に二つあるわけないんだし、周りはリトが大人しくなった〜くらいにしか思わないんじゃない?」
多分、これが逆、感情が表に出やすいリトにセナのフリをしろと言えば難があるだろうと思う。セナがリトをやる分には問題ないだろう。
「リトは人目を避けて部屋に眠らせておく。ただ、セナも其処で過ごしてもらうことになるからちょっと不自由させるけど…」
それからナディアはふとジュノスを見る
「あんた、人を見る目とかある?」
--------
【過去】
顔に付いたクリームを拭いながら、リトはアブセルを見る。
アブセルはこちらをみて笑っていた。
「……」
その顔が何とも気に入らない。
リトは自分の握るクレープをアブセルの顔になすりつけた。
271
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/07(日) 22:03:00
ヤツキ>>
新婚旅行おかえりー!
イスラ>>
三十路のボクっ子って実在してるんですか(笑)
変な人でドジっ子って何キャラww
向上心はあってなんぼです!←
友達は大事な試験前だったもので…っと思ってたら抜け駆けして前編見終わってたので悔しいから後編だけ一緒に見てきました←
ぬいぐるみに埋れたいwwたしかに気持ち良さそうですね(笑)
そうそう正義!
はい、まさしくその幼女です。
あー許嫁ねー…エリザベスはもう未亡人でいいよ←
凄いですよねw巷では二重人格とか言われてます(笑)腹立つとか酷い!!w
因みに白龍さん、いますごく大変な事に…
→imepic.jp/20141207/793001
この二人親子ェ……
でも最近ナディアのキャラ見失ってきてます←
非売品ですww手に入れようものならもれなくジルが付いてきます←←
あぁ、ジルはホワイトデーか、成る程!←
272
:
イスラ
◆jH0158NXZ6
:2014/12/09(火) 20:23:01
【ヤツキ》おかえりなさい^^新婚旅行はどこに行ったんですか?
あと今更なんですがゼロってどういった存在なんでしょう?
自分的には…世界(惑星?)の意志=ゼロの人格を形成しているもの
つまりは世界自身が己の終焉と再生を望んでる…みたいな感じに勝手に認識してたんですけど(笑)
実際ところどうなんでしょう?
リマ》頃合いの良いところでポセイドン邸への場面転換お願いしてもいいですか?もしくはこっちがします
それが実在するんです(笑)
後編だけw友達のがガチでしたね(笑)
あの幼女かわいいと思ってました^^
どう言うことwエリザベス嫌いなんですかw
おい、ママン何してんすかww
あ、そうなんですか?
自分はサンディのキャラ最初からずっと見失ってますよ←
っち…非売品か…←てか、もれなくジルが付いてきても全然構いませんよ←】
273
:
サンディ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/12/09(火) 20:49:05
【闘技場】
会場は予想以上の賑わい様だ。
血気盛んな男達の姿や場の様子を目に、サンディは物珍しそうに視線を巡らす。
張り出されたトーナメント表を見るに、どうやら一回戦は仲間内での対決になるらしい。
(うーん…こう言う場合どっちを応援すれば良いんだろう…)
そう思案していたところ、横にいた空挺師団員マルトが二人に注意を呼び掛ける。
…怖い人達もいたものだ。
でもまさかこの近くにはいないだろう、とサンディは呑気に話を聞き流すも…。
彼の最後の一言だけは何故だかしっかりと耳に入ってきた。
「……へ…?」
カ…カップルって…。
「全っ然!そんなんじゃないからッ!」
真っ赤になりながらも、サンディは慌てた様にぶんぶんと頭を振った。
274
:
ジュノス
◆Hbcmdmj4dM
:2014/12/09(火) 21:08:39
【飛行挺】
まあリトの姉である彼女がそう言うのだ。心配することはないのかもしれない。
それに、その辺はナディアや自分でフォローをすれば大丈夫だろう。
…と、一応は納得しかけたジュノスの横で、今度は不意をついた問いが投げ掛けられる。
「さあ…どうでしょう?
ないことはない…かもしれません」
セナやリマのことを慕っている辺り、ある程度の眼識はあると自負している。
しかしその問いの意味するところが解らない、とジュノスは小首を傾げた。
【過去】
「ぶフッ…」
まさかやり返されるとは思ってもいなかった。
アブセルは初め驚いた風に目をぱちくりとさせていたが、直ぐに我に返りキッと眉をつり上げた。
「やったなっ!!」
お返しとばかりにクレープを振り上げ、リトに掴みかかる。
…が、またもや力加減を誤ったのか、それともリトがひ弱過ぎたのか。アブセルがリトを押し倒す形で、二人はベンチの上から転げ落ちてしまった。
「…ッて〜…」
…少しふざけすぎたか。
食べ物で遊ぶと祖父に叱られてしまうんだった。
せっかく買ったクレープも地面に落ちて食べられなくなってしまったし、服も顔もベタベタだ。
「ごめん、怪我しなかった?」
流石に悪いと思ったのか、アブセルは身体を起こしリトを気遣い見る。
先程の衝撃で僅かに捲れ上がったシャツの隙間から、リトの白い肌が覗いていた。
「あ…ここ、アザになってる」
そこでアブセルは彼の脇腹辺りに青黒い斑紋があるのに気がついた。
落っこちた際にぶつけてしまったのか?
いや…それにしては…。
「あれ?ここにも…こっちもだ」
アブセルは更にシャツを捲り上げる。
リトの身体の痣は一つどころか数ヶ所に及んでいた。肌の色が白い分、それは際立って痛々しく見える。
また、痣の色的にもついさっきついた様な感じではなかった。
275
:
キール
◆.q9WieYUok
:2014/12/13(土) 18:10:31
【虚空城】
「嫌いなのよ、あの子。
捨て犬だか捨て猫だか拾って来た挙げ句、その獣に牙を剥かれてたし。
……何より、応龍は黄龍様に忠誠を誓ってないのよ。」
普段ならば率先して任務に着くであろうシデンの、予想外の言動にキールは小さく溜め息を吐いた。
「乗り気じゃないならいいわ、今回は私がやる。
お子様の面倒見も、偏屈頭のフォローもしなくて良いのは気が楽だからね。」
裏切り者の鳳凰と、気分屋の応龍。
あの二人よりは、麒麟であるこの男の方が相方としては好ましい。
しかし、今回は動く気が無いようだ。
気怠げに爪を磨くシデンへと二度目の溜め息を吐き、キールは彼に背を向ける。
「もし私が帰らなければ、後は頼むわよ。」
そして、普段よりもトーンを落とした声で声を投げ掛け、次なる戦地へ……バルクウェイへと向かった。
【ただいまですわー、北海道で美味い物食べ過ぎて太ったwwww
イスラ》その認識で合ってるよー、世界中枢であるゼロを撃破=世界崩壊、的な。】
276
:
ジル他
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/14(日) 20:37:51
【ポセイドン邸】
薄暗い月明かりの中、ジルはその気配なくある一室に姿を見せる。
主不在の屋敷は警備が脆い。一般的な侵入者は防げても、彼のような能力者であれば警備を抜けるのは容易い。
「……」
部屋の主は眠っていた。
明朝受け入れがたい現実が訪れることなど露も知らず、安らかな寝息を立てて。
「ごめんね…」
その寝顔を見つめ、ジルは呟いた。
歳を重ねても色褪せない…今となっては朧げな記憶ではあるものの、想い出の彼女とほとんど相違ない。
ずっと会いたかった人。
「どうしても赦せなかったんだ」
大好きなミレリア。だけど、貴女の夫は憎かった。
自分から、何もかも奪って行ったあの男が。
あの男を…ヨハンを殺したのは黄龍の指示があったからだけじゃない。指示がなくてもいつか殺していただろう。その時期がただ早まっただけだ。
「もう会えない。僕はあなたの仇だから…」
ジルは呟き、ミレリアの髪を撫でる。
「誰?」
その声にジルはハッとして手を離した。
眠っていたはずのミレリアと目が合う。
起こしてしまった。
「おば…さま」
「…トーマ?」
どう取り繕えばいいのか。ジルは珍しく動揺を見せるが、その必要は無かったようだ。
ミレリアが別の名前を呼んだから。
自分の面影に父の姿を重ね、彼女は嬉しそうに微笑みかける。
「トーマ、やっと会いに来てくれた…ずっと待っていたのに。」
言ってミレリアはジルの頬に手を触れる。
「貴方は昔と変わらないのね。私はこんなにオバサンになってしまった。今では貴方より歳もずっと上よ、不思議ね。」
昔を懐かしむように目を細める。自分を子供扱いして、拗ねる自分を笑いながら優しく撫でる姿を今でも覚えてる。
「トーマ、貴方に謝らなきゃ…謝ることが沢山あるの。貴方を愛していたのに、私の手を離した貴方が赦せなかった。私を諦めておきながら、私を奪ったヨハン様と変わらず接している貴方が憎かった。でも貴方の子供は可愛くて…貴方に似たあの子を初めて見た時、貴方との縁が切れずにいたらなんて、考える自分がいたわ。そんな自分が赦せなくて、貴方の奥さんに申し訳なくて、余計に…貴方を恨んでしまった。」
でも…
「貴方をこんなに愛しているのに、貴方を諦められずにいながら、ヨハン様のことも愛していた。あの方は私を必要としてくれたもの。私の心が貴方のところにあると知っていても変わらず私を求めるあの人が不憫で…いつの間にかあの人のことも、愛していた。」
277
:
ジル他
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/14(日) 20:38:25
そして、それが始まりだった。
「私が悪いの。ヨハン様だけを愛する事が出来たなら、…いいえ、もっと早く、ヨハン様だけを愛する事が出来ていたなら…」
ヨハンは知っていた、結婚しても尚、ミレリアの心にトーマの姿が残っていることを。
ジルを可愛がるミレリアの心の内を、彼は気付いていた。
そしてミレリアも、そんな自分を見るヨハンの心情に気付いていた。申し訳なくて、でもどうしようもなくて…
「知ってる?私ね、ヨノの下にもう一人身籠ったの。また子供を生ませてくれるって聞いて、とても嬉しかったのよ。ヨハン様が私を赦してくれた。だからもあの子が生まれたら今度こそ貴方を忘れて、ヨハン様だけの為に生きようって決めたの。」
しかし、上手くいかなかった。
「私の希望の子は…無事に生まれて来てはくれなかった。神様が私を赦してくれなかったのかな。ヨハン様の気持ちに応えようとしたのに…あの子がいなければ私の気持ちを信じては貰えない…。結局、あの人は耐えられなかった…」
涙を浮かべるミレリアに、ジルはどうしようもない気持ちになる。
彼女が求めていたと言う子は、ちゃんと生まれてる。
彼女の言葉を借りるなら、ヨハンは初めから彼女を赦す気などなかったんだ。
「知っていたの?」
ジルは渦巻く感情を飲み込み、ただ一言、問いかける。
ミレリアは頷いて見せた。
「貴方を死なせたのは私。ヨハン様を傷つけたから…私が報いるべき業を、貴方が被ってしまったの。ごめんなさい…貴方の幸せを奪ってしまった。貴方の子供達も見つからないの…」
幼い子供達から両親を奪ってしまった。
せめて子供達に償いをしなければ…そう考え動いた時には、すでに彼の二人の子供の消息は掴めなくなっていた。
278
:
ジル他
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/14(日) 20:39:03
-----
「……」
先程までいた部屋を背にして、ジルは無言で佇む。
泣きながら何度も謝り続けるミレリアに、結局何も返せず出て来てしまった。
把握していない事実まで出て来たものだから、頭がついていけず混乱している。
整理するのも面倒だ。
「…あなた…」
そんな彼に、新たな声がふりかかる。
顔をあげればそこにはミレリアの娘、ヨノの姿があった。
「…」
本当、何もかもが面倒。
何か取り繕うこともせず、ヨノの声を無視してジルはその場を去ろうとする。
「ジル…?」
しかし続く彼女の言葉に、ジルはその足を止める。
今、何て…?
彼の動きを肯定ととったのか、ヨノは更に言葉を繋げた。
「ジル…ジルでしょ?あなた…」
何故こんな所にいるのかは別として、目の前にいる男の子を、ヨノは知っている。
成長した彼の姿に幼い頃の面影を見た。
「…」
観念して振り向いたジルへ、ヨノは駆け寄る。
「今まで何処にいたの?お母様が貴方をずっと探して…」
言いかけたところで、ヨノはハッとした。
「…泣いているの?」
彼の顔に滲むそれを、ヨノはそっと指で拭った。
何だこの娘は。いきなり現れた男に警戒することもせず、むしろ気にかけるなんて。
「…不思議だ…」
頬に触れる彼女の手を取り、ジルはその顔に笑みを浮かべた。
「ナディアお姉さんは覚えてなかったのに…」
本当、調子が狂う。
思えば彼女は昔からそうだった。いつも何処か抜けていて…
今ではもう遠い日。”遊びに行くんじゃないよ”と困り顔を浮かべる父親に無理を言って、仕事で行く先々にくっついて回っていた。その中でも頻繁に訪れていた大きなお屋敷に住んでいた、二人の可愛らしいお嬢様。奥様のミレリアはとても優しい人で、勝手に付いてきただけの自分を気遣い、退屈しないようにと、お嬢様と会わせてくれて、一緒に遊んでくれた。
自分は覚えてる。あの時が一番楽しかったから。
彼女が覚えてるとは思ってなかったけど。
「ヨノ、一つお願い聞いてもらえる?」
「何?」
抱きしめてもいい?
その言葉を言う前に、ジルは彼女の体を抱き寄せていた。
あの時は彼女の方が背が高くて、いつか追い抜いてやるんだって、むくれていたっけ。
今では頭一つ分くらい小さい彼女、一瞬硬直したものの、すぐに受け入れてくれた。
「会えて嬉しい。だけどもうサヨナラだ。」
「どうして?また以前のように皆で遊びましょう?」
「もう遊ぶ歳じゃないよ。」
「それもそうね、でも私は貴方に此れからも会いたいわ」
ジルはヨノの体を離す。
自分を見上げる彼女の顎に手を添え、そっと顔を近づける。
しかしその唇に触れることなく、ジルは顔を離した。
綺麗になった。記憶の中にいた彼女よりずっと…
「ヨノ」
自分は何を期待していたのだろう。
彼の呼びかけに何もなかったと悟ったヨノは、反射的に目を閉じてしまったのが恥ずかしくなって顔を赤らめる。
そんな彼女の仕草にジルはクスリと笑った。
「お願いを聞いてくれたから、調子に乗ってもう一つ。
僕の名前を呼んで。」
「ジル?」
「今じゃないよ。
もし仮にまた再会出来たなら、その時はもう一度、僕の名前を呼んで欲しい。僕が僕でいられるように、僕が僕でなくなってしまっていたなら、元の僕に戻れるように、君だけは、僕を忘れないで」
その時まで、さようなら。
279
:
ナディア、リト
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/14(日) 22:30:46
【飛行艇】
「よし、じゃあ任せた」
ジュノスの返しに満足し、ナディアはニッと笑ってみせた。
「今回の首謀者がまさかの父親。あまりに近い人なもんだから、若干人間不信的な?まぁそれは半分冗談だけど、取り敢えずそろそろ屋敷の人間を敵か味方か振り分ける必要があるかなって思うんだよね。」
そしてポンっとジュノスの肩を叩く。
「手始めに今から会う爺さんを宜しく。」
------
【過去】
痣を見つけたアブセル。
途端、リトは彼の腹を思い切り蹴り飛ばして急いで身体を隠す。
「……ケホっ」
一瞬の動揺が引き金となったのか。
突如リトの口から咳が漏れる。
「ゲホっゴホっ」
それは次第に酷くなり、リトは苦しそうに踞った。
280
:
リマ
:2014/12/14(日) 22:54:45
ヤツキ>>
いいなーっ北海道!!
人生で一番楽しかった高校時代に修学旅行で行った思い出の場所!!また行きたいなー> <
イスラ>>
ようやく書きたかった奴の一つ、ジルとの絡みが書きあがりましたーっ
時間軸めちゃくちゃだけど( p_q)
了解です!もしかしたらお願いしちゃうかもしれません(。。;)
うわー…なんか恐怖を感じます←
前編は結局見れなかったのでDVDで我慢します(≡ω≡;)可愛いシエルは前編の方が多かったんだけどなー…まさか抜け駆けさせるとは(笑)
友達の方は「実習中で大変だと思って誘えなかった」だそうです(笑)お互いの思いやりがすれ違いを呼んだ(笑)
いえ、友達は一番くじの件で私には勝てないと認識してるようですw
てか別の友人に久しぶりに再会した時ラストワン手に入れたこと言ったら「あんたならやり兼ねないと思ってた」って言われた…あれ(**)?
可愛いですよーっシエルにお似合いですp(´∇`)q
嫌いではないけど、あんだけシエル好き好き言ってる割には気付かないんだなぁって思うとなんだかなぁって。
ビックリですよねw自分学校で読んじゃったもんだから「えぇ!?」って声出しちゃいましたよ←
因みに白龍ちゃんは次の週にママに噛みつきました。何この親子ww
最初からww
もっとサバサバしてる子にしたかったのに、意外に思い悩んでる感じになってしまってるんですよねー…
ジルが付いてくると面倒ですよ?(笑)
281
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/12/16(火) 00:30:00
【バルクウェイ闘技場】
異能者を狙う二人組みの話を聞き、メイヤは記憶を辿る。
(そう言えば、弥都でそんな奴と戦ったような……)
しかし、続く言葉とサンディの慌てふためく声が思案するのを妨げる。
「なっ……いや、俺達はそう言うのじゃない。
四神は護衛対象だったし、その。」
……確かにそうだ。
今は手を繋いでいないが、つい先程まではしかと手を繋いで街中を歩いていた。
マルトがそれを見ていた事は無いだろうが、連れ立って歩く自分達二人の姿は“そう”見えてもおかしくない。
見れば隣のサンディは顔を赤らめている。
しかし、マルトの言葉……その単語を否定的するのも何故か気が進まない。
「ハハ、お前達初々しくて面白いな。
団長が見たら酒の肴に一晩どころか3日は弄られるぞ?」
どう返すかを考える内にマルトは笑いだし、“そろそろ控え室が開くから集まっておけよ”と言い残してその場を立ち去って行く。
その背が人混みに消えたのを確認し、メイヤはサンディに声を掛けた。
「……その、悪い気はしないけど何だかもぞもぞするな、うん。」
【リマ》俺も高校の時以来だわww社会人なると、業種にもよるけど中々まとまった休みが取れんからねー。
学生の内に旅行するべきやね!】
282
:
サンディ他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/12/17(水) 19:24:27
【闘技場】
言いたいことを言えば、マルトは笑いながらその場を去っていく。
どうやらただ単にからかわれただけの様だ。
(全く…いきなり変なこと言うからビックリしちゃうじゃん…)
サンディはむくれっ面でマルトの背を見送るが、そこで不意にメイヤの声が耳に入ってきた。
「そうそう、悪い気はしないけどー……って、…ぅええ…っ!?」
それって一体どういう意味だ。
驚きのあまり思わず変なポーズで仰け反ってしまうサンディであったが。直後、そんな二人の間を割る形で、突然一人の男が倒れ込んできた。
―――…
熱気と喧騒に包まれる闘技場。そこかしこから感じる剥き出しの闘志。
そんな会場の雰囲気に、シャムの血も徐々にたぎってきた様だ。
「恐喝か…それとも力ずくで行くべきか…、それが問題だ…」
どうやって出場するかを問うフィアの声を背に、シャムはキョロキョロと目ぼしい人物を探しながら屋内から外に出る。
と、丁度その時だ。
「ちょっと…!?どうしたの!?」
娘のものと思しき大きな声が飛び込んできた。
見れば先ほど飛行挺の中ですれ違った赤毛と黒髪。
その二人に挟まれる様に、地にくずおれた男が一人…。
「…アグルに大会のことを聞いたんで此所まで来てみたんだが…、何か途中で寒気がし出して…頭くらくらして…」
地に伏していた男の正体はイスラだった。
どうやら熱があるらしい。それもかなりの。
イスラの額に手を当てていたサンディは呆れた風に言う。
「病み上がりなのに無理な稽古続けるからだよ…。
この分じゃ出場は無理だね。医務室とかで休ませて貰った方が良いよ」
「え…、嫌だ。出る…」
「めっ、です!」
そんな目の前の光景を見据え、シャムはニヤリと口の端を歪めた。
「…どうやら面倒なことをする必要もねーみてぇだな」
283
:
ジュノス他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/12/17(水) 19:29:03
【飛行挺】
なるほど、例えるのなら良い豆の中からそうじゃない豆を選別し取り除く。それと同じことをしろと言う訳か…。
結果いかんでは、彼女は屋敷の人間を一新させる気なのかもしれない。
……って。
どうしてそこでそんな重大な役目に自分を起用しようと考えた!?
彼女の家の事情に関しては全くの無知。
言うなれば余所者、部外者、第三者。
しかもさっきの爺さんと言えばアブセルの祖父で…同種の闇の気を感じたことから、恐らく自分との血の繋がりもあるのだろう。
向こうも何かを感じ取ったのか、先ほど顔を合わせた際、怪訝な顔をされた為、あまり会いたくはないのたが…。
…何だか断れる雰囲気ではない。て言うか断っても多分ムダっぽい。
「…………」
ジュノスは何も言わず、ただ彼女への返事の変わりに、顔に引きつった笑みを浮かべるだけだった。
――…
「ご当主様…!」
船から降りてくるナディアとジュノス。
その姿を見つけるや、老翁はハッとし、彼女に駆け寄った。
「今まで一体どちらに行っておられたのですか!?爺めは心配致しましたぞ!」
仕事の場面ではいつも物静かで寡黙な彼ではあるが、今日は珍しく声を荒げている。
しかしそんな自分に気がついたのか、老翁は直ぐに態度を改め、小さく頭を下げた。
「ああ…いえ…、誠に失礼いたしました。
ご当主様にはまず初めに御悔やみのお言葉を申し上げるべきでした」
言って、彼は哀悼の意を表す。
ナディアの父親に何が起きたのか…アブセルからの話しではまるで意味が解らなかった。
もっと詳しい説明を求めたいところではあるが、それは一先ず屋敷に戻ってからにした方が良いだろう。
「旦那様の御遺体は棺と共に既にお車の方へ移しております。戻ったら直ぐにご葬儀の準備に取り掛かって…」
そこまで言って、老翁はふと何かに気がついた。顔を上げ、辺りを見渡した。
「そう言えば…リトお坊ちゃんのお姿が見えませんね…?
此方にご一緒していらっしゃるとお聞きしたのですが…」
284
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/12/17(水) 19:59:53
【過去】
「いった…!何すんだ馬鹿ッ!」
リトに蹴られ地面に尻餅をついたアブセルは、いきなり何をするんだと怒り、声を上げる。
しかし腹を立てるのもそこまで。
苦しそうに踞るリトの様子に気がつくと、不思議そうに目を瞬かせてその姿を見た。
「……どうしたの?」
しかし返事は返って来ず、リトの咳も一向に止まる気配がない。それどころか症状は酷くなる一方で…。
まさか病気だろうか?
そう言えば彼は身体が弱いらしいし、ナディアも出掛ける前に身体を動かす遊びを禁じていた。
「…お…おい…?もしかしてお前……、しっ…死なないよな…?」
アブセルは何だか怖くなる。おろおろと狼狽え、リトに、周囲に目を走らせた。
…どうしよう。
とにかく早く帰って皆に知らせないと。
胸の内に動揺を抱えたまま、アブセルはリトの側にしゃがみ、背中を向けて言った。
「乗れ!直ぐ邸に戻るぞっ!」
285
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/12/17(水) 21:41:36
【ヤツキ》北海道ですか!いいですね!
まぁ冬だし、多少太ってもしょうがないってことにしときましょう(笑)
なるほど、そう言う仕組みですか。了解しました^^
リマ》ひゃ〜(/ω\*)、ジルとヨノのやり取りにドキドキ…!←
以前書いてたミレリアの過去話はあれで終わりですか?
了解です^^
てかアブセルの爺ちゃん、屋敷のあれこれにどこまで関わってることにしよう…
執事のくせにリト父の悪事とか全く知らない、じゃ何かアレだし…
ミレリアにリトのことを拒絶する暗示(闇の力で)とか掛けてた位した方が良いのかな…とか思うけど
そこまでいくとアブセルが爺ちゃんのこと超絶嫌いになっちゃうしなぁ(笑)どうしたらいいと思います?←
しかも私服はゴスパンク
年相応に振る舞うって大切なことなんだと改めて思いました(笑)
見事なすれ違いっぷり(笑)友達にそこまで言わしめるとは流石w
なるほど…、エリザベスって金髪ロリなのに何かときめけないんですよね…
怪しい人だ…(笑)
荒れた家庭ですねwてか白龍ちゃん相変わらずママ嫌いなんだw
何か自分が当初考えてたのとは大分違う感じになっちゃいましたw
まぁたまには良いんじゃないでしょうか?そっちのが好感度あがるし(笑)
確かに…兄妹に部屋占領されて自分隅っこに追いやられそう(笑)そして仕舞いには家から追い出されるんだ…←】
286
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/12/18(木) 22:58:14
【バルクウェイ闘技場】
自分は何か変な事を言ったのだろうか?
謎のポージングで仰け反るサンディの姿に、メイヤは口を開くも続く言葉は出なかった。
「なっ……」
何故なら、サンディとの間を割る様に、赤毛の男……イスラが倒れて来たからだ。
どうやら彼は無理して稽古に励んでいたらしい。
彼が何故、そうまでして剣を振り続けたのかは想像が着くが……
「取り敢えず、サンディの言う通り医務室へ行こう。
大会出場者と言えばすぐ案内してくれるだろうし、闘技場に必ずある筈だ。」
メイヤはイスラに肩を貸し、彼をおぶって立ち上がった。
そして、闘技場へと向かおうとしたその時。
「アンタ……飛行艇で会ったチンピ……客人じゃないか。」
此方を見つめ、ニヤリと笑う眼帯の男を見つけ、思わず声を掛けてしまった。
【イスラ》まぁ太った所で適性体重なんでそんなに気にならないのは、あるんだけどww
また何かあれば聞いてくだせぇー!】
287
:
ナディア、リト
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/20(土) 20:15:32
【飛行艇】
「え、リト?」
過剰に心配していた旨を告げてくる老人を軽くあしらっていたナディアであるが、彼からリトの名が出た途端上擦った声を上げる。
こんなに早く話が出てくるとは思っていなかった。
「あー、リトね!今は部屋で休んでるよ。後で合流する。…てゆーか、爺、あんた知らないの?」
今に至るまでの経緯を全てアブセルから聞いた。
リトは一時屋敷に戻り、父親の手によってこの場所へ連れ出された。
屋敷の重役であるこの老人が把握していないと言うのか。
「うちのバカ親父、リトを殺そうとしたんだ」
----------
【過去】
苦しい。
咳が止まらず息が出来ない。
「…っ」
向けられた背に手を伸ばすも、それ以上力が入らない。
症状も酷くなるばかりで、とうとう地に倒れこんだ。
288
:
リマ
:2014/12/21(日) 12:34:10
メイヤ>>
だよねー> <
遠出とかしなくて良いからディズニーランドとかシー行きたい!
大学の友達そうゆうの好きじゃないから全然遊びにいけない(T ^ T)
高校の友達は社会人だからディズニー行く余裕ないし!!
イスラ>>
ドキドキですか?(笑)
自分は書いてて「うわ〜…(蕁麻疹)」ってなりました← 真夜中の不法侵入で明らかに怪しい男に警戒心ゼロな女ってどうなの!←
ナディアとジルは歳離れてるけどヨノだったら2、3歳違うだけなのでまだ許容範囲かなぁ。この先恋愛に発展するか分からないけど!!
しかし手の早いジルがヨノにチューすらしなかったのは凄い!彼はきっと好きな子に対しては傷つけたくないから慎重になる派です(笑)ヨノは初恋の相手だったり?←
ミレリアの過去はまだまだ続く予定です!結末をすでに考えてあるせいか、そこに辿り着くまでどう持っていくか、ネタが思いつかず進んでません(;-ω-)ゞ
てかミレリアって何かどうしようもない子に見えて来ました…トーマが本命だけどヨハンも好き!って何やねん!!
聞かれたw
暗示のアイデア、自分的に凄く惹かれました(´∀`人)
でもアブセルに嫌われちゃうの可哀想だから、お爺ちゃんはお爺ちゃんなりにご主人達の幸せと自分の正義の為に動いてたって感じでしょうか(-ω- ?)どっちにしろその為にリトを犠牲にしたのは変わらないのですが…(笑)
うわぁ…恐ろしすぎる…あ、でも顔が若く見えるとか…!!←
自分も最近可愛い系の服が怖くて着れなくなってきました…。華の20代前半がもうすぐ半ばになってしまうのです。自分、30超える自信がない…オバサンになりたくないよー(泣)
全くもってビックリです(笑)
その友達は私がシエル命なのを知っていますからね〜(笑)
エリザベスってロリっぽくないですよねー
大人になろうと背伸びしてるシエルの為にワザと子供っぽく振舞ってるって知った時は見直しましたけど、でも何だかなぁ…
てか今月のシエルに思わず吹いた→imepic.jp/20141221/436180
こんなに可愛くない男の娘初めてみたかも…てか目的の為ならドレス着るの平気なのか(笑)多分今回、自分の意思で着てるんですよね、たしかその場にセバスいなかったし。駒鳥の時はあんなに恥ずかしがっていたのに…嗚呼ノリノリ……
だって、親子が…(笑)まさかこんなことになるとは予想もしなかったし(笑)…これからは誰もいないところで読もう(笑)
白龍は今後もママを赦すことはないでしょうねー
どんどん壊れていく彼がお姉さんとっても心配です。
あれ、自分は当初感じたサンディとなんら変わりありませんけど?←
どんな子にする予定だったんです??
自分のつくるキャラって何故か色々と思い悩む子になってしまう(笑)
何それ怖いww
ジルがいると家乗っ取られるのかww
289
:
イスラ他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/12/23(火) 22:45:33
【闘技場】
「よぉ、ニィちゃん。つらそうだなァ?」
向こうから声を掛けられれば、シャムはその笑みを更に深めて言った。
「ものは相談なんだけどよ、アンタの名前を一つ貸しちゃァくれねーか?」
彼の視線は今、メイヤに支えられる様にして立つイスラの元に向けられていた。
シャムは相手の返事を待たずして更に言葉を続ける。
「実は訳あってこの大会に出場しなきゃなんねんだけどよォ、聞けば既にエントリーは締め切ってるって言うじゃねえか…。
どうしようかと途方に暮れてたところ、床にぶっ倒れてるアンタを見つけたって訳だ」
見知らぬ人物からの突然の要求にイスラは初めポカンとした表情をしていたが、直ぐに彼の言わんとしていることを察した。彼の目を見返し言葉を返す。
「…困っているのか?」
「あぁ、ちょー困ってる。困り過ぎて困ってる」
「そうか…」と、イスラは呟き暫し思案する。
正直、大会に出場したいと言う気持ちはある。しかし、今の状態では満足に闘えないのも確かだ。
そしてなにより、彼は困ってる人を放ってはおけない性分であった。
「…分かった。俺の選手ナンバーは19番だ。
この枠で良ければ貴方に譲ろう」
シャムはトーナメント表と言われた番号を照らし合わせる。
「19…、イスラ・フォードか…。了解、了解。恩に着るぜぇ、ニィちゃん」
290
:
ジュノス他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/12/23(火) 22:48:55
【飛行挺】
「…旦那様が坊っちゃんを…?
…いえ…、まさかそんな…」
ナディアの発言に老翁は信じ難いと言った面持ちを見せる。
しかし、そうは言っても何か思うところがあるのは確かな様だ。
彼の表情や目の動き、声の調子の僅かな変化をジュノスは見逃さなかった。
別段惚けている風ではないが、何かを隠している。そんな感じだ。
老翁は言った。
「ともかく…この場ではゆっくりお話をすることも出来ません。
一度お屋敷に帰ってからに致しましょう」
そして――…
「セィちゃんさん…、もうすぐ出番だよ。
リトは可愛くて格好良くてクールでそれでいて優しくて思わずギュッとしちゃくなっちゃう様なツンデレが売りなキャラだから、よろしく頼んだよ」
送迎用のリムジン内部、アブセルはセナに小声で囁いた。
今、ナディアを筆頭にした一同は、棺を載せたものとはまた別の御料車で屋敷へと向かっている途中である。
ナディアからセナをリトの替え玉にすると聞いた時は驚いたが、それに対しアブセルは特に反対を示すことはなかった。
因みに、リトのことは今別で動いているジュノスが後でこっそり部屋に連れてくる手筈だ。
「あ」
不意にアブセルは目を移し声を上げる。
目的地が見えてきた様だ。
291
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/12/26(金) 03:22:25
【過去】
「え……」
伸ばされた手は背に触れることはなかった。
目の前で、ふっと糸が切れた様にリトの身体が地に崩れた。
「…リト…?」
アブセルは彼の名を呼ぶ。
反応はなかった。
途端、頭の中が真っ白になった。
「え…そんな…、嘘だ……。
だって俺…そんなつもりじゃ…」
そうだ、ちょっと意地悪してやろうと思っただけだ。
こんなことは望んでいなかった。
「ねぇ…、さっきのこと怒ってんの?
なら謝るからさ…。起きてよ…。帰ろうよリト…、ねぇってば…」
喉から出た声は震えていた。
いくら身を揺すっても彼は起きなかった。
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
自分のせいだ。
いつかの日のことが脳裏に甦る。
傷つき地に伏している少年達の姿を思い出す。消えてしまった友達のことを思い出す。
「…ぅ…くッ、…ひっく…ッ」
アブセルの口から嗚咽が洩れた。
大粒の涙が眼から零れ、地を濡らした。
「……俺…っ、リトを…死なせッ…、ちゃった…」
とんでもないことをしてしまったと思った。
また捨てられてしまう。また住み処を追い出されてしまう。
今度こそ本当に行く場所なんてない。
アブセルは声を上げて泣き出した。
292
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/12/26(金) 03:27:51
【ヤツキ》はい、ありがとうございます^^
リマ》何か強引ですがナディア達の方、場面移しました;
それ分かります(笑)自分も日々「寒い!痒い!ハズい!((((;゜Д゜)))」…と戦いながら文章作ってますw
でも人の読むのは好きです!もっとやって下さい!
あれがジルじゃなかったらヨノ危なかったね(笑)
初恋かぁ…ジルったら案外ピュアピュアではないですか←
そうなんですか?ネタかぁ…何か力になれれば良いんですけどねー…
確かに…ミレリアが確りどちらか一人を選んでいたら今の悲劇は起きてなかったかも…←なんて言っては駄目ですよねw
あ、惹かれました?じゃあ暗示の方向でいきましょうか(笑)
そうですねー…、事実を歪曲して聞かされてて主人達のことを思ってやったか、
もしくは過去に何かやらかしてて(ミレリアの父を誤って殺っちまったとか←ミレリアの母と不倫してたとか←)をヨハンにバレて逆らえない状況になってたか…かなー、…爺ちゃんとんでもない奴だな←
顔が可愛くて若く見えるんなら自分はこの話題してなかったと思います(笑)
自分も最近誕生日を迎えるのが怖くなってきました…;でも気づいたら30越えてるんだろうなぁ…
でもエリザベスは大人になったら良い嫁になりそう
てかシエルww何があったしww
それがいいですw
どんどん壊れていっても白龍好きは変わらないんですか?(笑)
当初から上手いことキャラ動かせてませんでしたから(笑)
やりたかったのは京騒戯画ってアニメのコトみたいな感じです、簡単に言えば銀魂の神楽から毒を抜いた感じかな?(笑)
いいじゃないですか〜、自分なんて思い悩まそうとしても思い悩ませれないですからねw
「ちょっと邪魔だから出てってくれないかな」とか言われそう←
ジルに歯向かえる勇気ないですし(笑)】
293
:
リト他
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/26(金) 22:32:17
【過去】
泣き叫ぶアブセルの声は気を失っているリトの耳には届かない。
そこへ、そんな二人の元へ小さな女の子が近づいて来た。
「…」
女の子は泣いているアブセルと倒れたまま動かないリトの姿を交互に見るかと思えば、また何処かへ駆けていく。
そして今度はアブセルと同じ年頃かと思われる男の子の手を引いて戻ってきた。
「フェミル、いくら子猫を見つけてもウチでは飼えないから探しちゃ駄目だよって何度も…」
その少年は少女の行動を何か勘違いしているようで、何やら呆れ気味に少女へ言い聞かせていたが、アブセルとリトの姿を見るや言葉を止める。
「フェミル、お父様を連れて来て。」
------
「もう大丈夫だよ」
そう言って男性は対面のソファに腰掛けたアブセルへ笑いかけた。
彼はまだ動揺しているようで震えている。
気を落ち着かせようと、男性はホットミルクを用意させ飲むように勧める。
「念のためウチの医者にも診せているから、安心して」
現在、アブセルがいるのはとある屋敷の応接間。
先程通りかかった少年と少女の家。
あの時、少年は少女に父親を呼びに行かせ、自分は近くの医院へと走った。
その咄嗟の判断が功を奏したか、リトは大事に至らず済んだ。
リトを医者に診せていたところ、少女に連れられ二人の父親と思しきこや男性が遅れてやってきた。そしてリトの保護者として必要や手続きをして彼を引き取り、「すこし休ませた方が良いだろう」と言って屋敷へ招いてくれたのだ。
これは勿論リトの身も案じての事だが、アブセルの方にも休息が必要だと思われたからでもある。
294
:
リト他
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/26(金) 22:32:41
「喘息の発作が出たみたい。突然の事だったから驚いちゃったみたいだね」
医者の話によると、リトは喘息を患っているようだった。
これまでも発作は起きていた筈だが、アブセルは知らないのだろうか?
発作の際はすぐに薬を吸入させ抑えるため、その場面に遭遇したことがなかったのかもしれない。
本来なら携帯するべき薬も、子供には理解出来ていないだろう。
男性はアブセルを責めることはしなかった。アブセルも怖かったはずだ。事情を知らない人間が下手に口を出すべき事でもない。
「今日みたいな事があった時に使うお薬があるんだけど、お父さんやお母さんが持ってる筈だから聞いてごらん?今度から二人で出掛ける時は持たせてもらってね。」
代わりにアドバイスだけ伝える。
どうやら男性はアブセルとリトを兄弟だと思っているようだ。リトは同年代の子よりはるかに体の成長が遅れているため歳下にみえても致し方ないが。
「弟くん、目を覚ましたみたいだから行こっか?」
ホットミルクを飲んでいたアブセルが大分落ち着いたのを確認し、男性は立ち上がる。
そしてアブセルをリトのいる部屋へ案内した。
「あーんしてごらん?あーん」
部屋に入ると其処にはリトの他に先程の少年と少女がいた。
少年の方は食事の入った器を持っていて、それを掬ったスプーンをリトの口元に持っていっている。
「兄さま、フェミルもやりたい」
「駄目、オママゴトじゃないんだから」
横で真似をしたがる妹を制しながら、少年は慣れた手付きでリトに食事を摂らせていた。
不思議な事に、普段は食べるのを拒否するリトも少年の誘導を聞き入れている。
「そう、いい子だね。ほら、もう一口。」
その光景に男性は笑みを浮かべた。
「医者が胃の中が空っぽだって言っていたものだからね。何か食べさせた方がいいと思って勝手だけど食事を作らせてもらったよ。君も食べる?あの子の為に作ったものだから、食べ応えのあるものではないけど」
295
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/12/28(日) 19:59:58
【バルクウェイ闘技場】
突然の申し出に、僅かながら考える様子を見せるイスラ。
しかし、彼は特に拒む事も無く首を縦に振った。
正直な所、イスラと手合わせしたい所だったが……
「話は纏まった様だし、取り敢えず動こう。」
しょうがないと言えばしょうがない、如何せん動けないものは動けないのだ。
イスラを背負うメイヤはシャムに“じゃあ……”と会釈を投げ、足早に闘技場内へ、医務室を探し歩いて行く。
ーーーーー
どうやらシャムは無事に出場出来た様だ。
闘技場の真ん中、整列する選手達の中に見慣れたその姿を見つけたのは一時間程前。
「どんな手を使ったかは知らないけど、零回戦敗退にならなくて良かったわ。」
予想外に派手な開会式から続く一回戦も既に折り返し、そろそろシャムの出番だろうか。
観客席の最上段で、フィアは選手入場口から出て来る人影へと目を凝らす。
(まぁ、負ける事は無いと思うけど心配ね……)
ーーーーー
止むことの無い怒号の様な歓声を耳に、メイヤは登場口から闘技場へと歩み出す。
一回戦も残る所後二試合、観客達もヒートアップしている様だ。
「……飛行艇で俺を見捨てた怨み、晴らさせてもらうぞ。」
闘技場の丁度真ん中に立つ審判、マルトのルール説明を耳にしながら、メイヤは対戦相手……アグルへと恨めしそうな声を投げる。
そして、試合開始を告げる旗が振られると同時に、メイヤは飛び出す。
(ルールは簡単、相手を戦闘不能にするか降参と言わせるかの二つ。
得物は自由、それだけか!)
前方へと倒れ込む様な独特の踏み込みから続く急加速は、5メートルに設定されている相手との距離を一瞬で詰め。
地を這う蛇の如き動きから放たれるのは、下方からの逆袈裟斬り。
抜き放たれた真白の刃は、閃光の如き速度でアグルへと襲い掛かった。
「喰らえ!」
296
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/12/29(月) 00:15:58
【過去】
リトが倒れどうしようもなくなっていた時に出逢ったのが、二人の兄妹とその父親だった。
彼等がリトを助け様としてくれているのは分かったが、その間アブセルはずっとぐずぐずと啜り泣き続けていた。
親子の家に招かれた時には流石にもう涙は枯れていたが、彼は知らない家に連れて来られた猫の様に終始萎縮し、
男性の顔も見れずに、ただ彼の言葉にコクコクと首を動かすだけだった。
そして、やがてリトとの面会が許される。
通された部屋には先程の少年と少女、二人に囲まれ食事を摂るリトの姿があった。
「リト……」
収まった筈の涙がジワリと目元に浮かび上がった。
そして、それはとめどもなく流れ落ち、再び彼の頬を濡らした。
けれどもその涙は先程の不安と恐怖を募らせたものは違う、極度の緊張状態から解放された時に流す安堵の涙だった。
アブセルは男性の声も聞かず駆け出す。
腕を伸ばしリトに抱きついた。
「りどぉ…!ごべンなさ…ッ、ごべンなざぃ…!」
鼻の詰まった声で何度も何度も謝った。
そして―…
一頻り泣いた後、アブセルはやっと落ち着いた。
手の甲で目元を拭いながら改めて親子を見つめ、小さく頭を下げた。
「あの…、ありがとう…ございました」
297
:
ナディア他
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/29(月) 00:24:59
【→ポセイドン邸】
「…」
小声だろうとアブセルが何を言っているのか予想はつく。
リトはどんな人物か。セナに難題を押し付けているのだろう。
セナは一応話を聞いてはいるようだが、その表情を見るに、何一つ理解していないだろう。
ナディアはその様子を眺め、溜息一つ。
セナはいいとして、地味にアブセルが面倒臭い。
リトをやるからには完全に成り切って貰おうと考えているのか。いや、アブセルの主観は最早リトではない。
「セィちゃん」
あと気になる点がもう一つ。リマだ。
リマは手を伸ばしてセナの髪に触れると残念そうな表情を浮かべる。
「髪、短くなっちゃったね。」
セナとリトは髪の長さが違う。
少しでも違和感を無くす為、セナの髪をリトの長さに揃えてもらったのだが…
「これだともう編めないな…」
セナは片方の髪のサイドを編み込んでいたが、どうやらリマがやっていたようだ。そんなに悲しそうな顔をされると申し訳なくなるじゃないか。
と言うか二人の距離が近すぎる。
屋敷に着いたらセナはリトとして暮らして貰うわけだが、その”リト”にベッタリなリマをどう理由付けようか。
ついでにリトとアブセルが連れていたらしい子供(ノワール)は先程からリマとセナを睨みながら不機嫌そうにしているし、何だか先が思いやられる。
そして、ナディアの考えは結局纏まらぬまま、屋敷に到着した。
車の到着と共に出迎えの者達がゾロゾロと出てくる。
時間の無駄に思える行動。何度経験しても慣れない。
「お姉様!」
屋敷の者達の挨拶を適当にあしらっているとヨノが現れた。
「おかえりなさいませ」
そして深々とナディアに頭を下げると、続いて車から出てくるセナの姿を見つけニコリと微笑む。
「リト。」
「私の妹でリトの姉。つまり今はあんたの姉」
横からナディアはセナへ耳打ちする。
「おかえりなさい。」
優しく出迎えるヨノの言葉を受け、リマはセナに何やら伝えた。
するとセナはヨノへ視線を向け、そして
「…ただいま、姉さま」
笑いかけた。
見たことのない弟の笑顔。
不意打ちをくらい、ヨノは顔を赤らめる。
そして満足気なリマの顔。
(終わった…)
そしてナディアは頭を抱えた。
298
:
ナディア他
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/29(月) 00:25:17
「ビックリしちゃったぁ…」
所変わって大広間。
事の真相を全て聞き、ヨノは苦笑いを浮かべる。
「思わずドキっとしちゃったものだから…自分の弟に対してドキっだなんておかしいでしょ?」
身内に対して妙な感情を抱いたのかと焦った。
別人だった、良かった。
「まぁ…アレだ。あまり難しく考えないで協力してよ。リトと同じように接すればいいから。」
本当はヨノにも秘密にしておきたかったが、どう考えてもセナの態度は不自然だ。
いや、普通の姉弟の関係であればアレでいいのかもしれない。リマの考えは間違いじゃない。けど、リトはあんな態度はとらない。そもそも笑わない。
黙っていたとしてもすぐにバレていただろう。
「リトは…大丈夫なのよね?」
「うん」
ヨノはこの屋敷の内情を知らない。
父親がリトに何をしたのかも、説明したところで理解出来ないだろう。
また、知らずにいられるのならそれでいいとも思う。だから教えることもしない。
だから今回の件は父とリトが務めを果たしている際に事故にあったことにした。
リトの件以外は他の者達にも同じように伝えるつもりだ。母親にも。
「ヨノは母様をお願い。私はやることこなさないとな。まずは親父の葬儀。ちょっと爺と話してくる。」
言ってナディアは席を立つ。
向かうは自室。
アブセルの祖父に、屋敷に戻ったら部屋へ来るよう伝えておいたのだ。
「…」
彼は部屋の前に立ち待っていた。
ナディアは部屋の中へ入るよう促す。
そして椅子に腰掛け、話を切り出した。
「さっきの続きだ。親父がやろうとしてたこと、知らないとは言わせないよ?包み隠さず教えな。」
299
:
リト他
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/31(水) 01:41:29
【過去】
頭を下げてくるアブセルに、男性は変わらず優しげな笑みを浮かべる。
「旦那様…」
が、其処へ、リトを診させていた医師が深刻そうな面持ちで男性に声をかけた。
何やら耳打ちすると、男性からも笑みが消える。
そして医師を連れて部屋を出て行った。
「後でお家に送ってあげる。暫くうちの子達とゆっくりしておいで。」
出て行き様に笑顔でそう言い残して行ったが、何かあった事は予想できる。
ジルは気づいたが、しかし敢えて触れる事はしなかった。
「ねぇ、君の名前は?」
そして再びリトヘ意識を向けた。
しかし対するリトは相変わらず問いかけに応じない。
言葉が話せないのかとアブセルを見るが、アブセルからはそんなことはないと首を振る素振りをされた。
「僕の名前はジル。君の名前を知りたいな」
「…」
「フェミル、このお兄ちゃんに挨拶して」
「私はフェミルってお名前。お兄ちゃんは?」
「……」
無反応。
今までと同じ種類の人物であったなら、此処で腹を立てるか呆れるか、反応は様々でもこの時点でリトの言葉を諦めただろう。
しかしジルは違った。
「話すのが怖い…?」
リトが話さない理由を考えた。
何だか上手く説明は出来ないけれど、何と無く、リトは言葉を封印することで、何かから自分を護ろうとしているように見えた。
先程もそう。出した食事も中々摂ってくれなかった。警戒し、誰も信用していない。ただ、怯えている。
「大丈夫だよ」
ジルは手を延ばし、リトの頭を撫でる。
不思議そうに此方へ目を向けるリトヘ、明るい笑顔を作ってみせた。
「僕は君を何と呼べばいい?仲良くなりたいだけなんだ。君より小さなフェミルだって自分の名前を言えるんだよ?君も勿論言えるよね。」
本当は名前なんてもう知ってる。さっきアブセルが泣きながら叫んでいたから。
しかしジルは、リトの声でちゃんと聞きたいのだ。
「君の声、聞きたいな」
リトの目を真っ直ぐに見る瞳はとても優しげで。
今まで関わってきた人は…実の姉でさえ、ここまでリトと向き合っては来なかった。
「…り…」
やがてリトは、躊躇いがちながらも口を開く。
「…リト…」
それは消え入りそうな声だったが、確かに聞こえた。”リト”と。
「そう、リトって言うんだね。宜しくね。」
ジルは満足気に笑顔を浮かべれば、よく出来ましたとばかりにリトの頭をワシワシと撫でる。
「…で。」
リトのことは良し。
今度は…とジルは半ば蚊帳の外となっていたアブセルへ振り向く。
「君は何て名前なの?泣き虫さん」
おかしい。
彼の笑顔は変わらないはずなのに、何か、何と無くリトに向けられていた優しいものとは違う、意地悪なものと化している。
「君はこの子のお兄さん?お友達かな?”ごめ〜ん”って泣いてたけど、この子にちょっと意地悪しようとして大事になっちゃいましたって感じ?」
何かバレてるし。
300
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/31(水) 13:10:23
イスラ>>
場面変更有難うございました>ω<
お仲間でしたか(笑)
自分も人様のつくったものを読むのは好きです!イスラさんもジャンジャンやってください←
世間一般の女子にとっては普通の不審者よりもジルの方がある意味危ない気もしますが、ヨノはジルにとって例外なようです(笑)
ジルはもともとは純粋で凄く優しい子なのです、環境が彼の性格を捻じ曲げた(笑)ってか勝手ながらアブセル達の過去話にジル達ねじ込んじゃいました(つω`*)テヘ
リトの父ちゃん嫉妬だけでジルパパ殺してるとかいくらなんでも「小せぇ男だな!!」って感じなので、今回の一件で父ちゃんの計画を知っちゃったことにします。つまりは口封じ、フフフ…
設定は出来てるんですけどねぇ。
ヨハンとトーマ→もともとは友人。(トーマが一方的に絡んでくるけどヨハンも満更でもない)
ミレリア→ずっとヨハンに憧れてきたけど、だんだんトーマに惹かれていく
ヨハン→ミレリアに想いを寄せているが上手く行動に移せない。いつの間にかトーマに先を越されてて激おこ!
ってな具合に。
ミレリアめ、なんとまぁ罪な女よ←
爺ちゃんとんでもねぇ奴だなww
不倫関係で言うとヨハンは実は爺ちゃんの秘蔵っ子だった!ってのが面白そーってふと思ったんですが、それだとアブセルとリトが従兄弟になっちゃいますね(笑)
ですよねー…(笑)
気づいたら30…怖すぎる(泣)
ついこの前、研究室の後輩に「どんどんババァになっていく。そろそろ可愛い服着るの怖くなってきた。でも私からミニスカートをとったら何が残るのか」って愚痴っちゃいました(笑)
夫をたてる良い妻になるとは思います。しかし何か好きになれない。何故だろー
最近シエルがよく分からない方向に突っ走っている(笑)初期の方で「笑い方などとうに忘れた」とか厨二発言してたくせに普通に笑ってるし。
はい、どっちかって言うと苦しむ白龍は大好物なので←
にしても白龍がどうも金色のガッシュのキャンチョメと被って見えてしまってですね…
成る程!毒を抜いた神楽!!(笑)
たしかに何かサンディとは違いますね(笑)
銀魂と言えば、銀魂のアニメ新シリーズの話がこの前出て、皆から「総悟好きそう」って言われたんです。まぁ好きですけどね?
そしたらその理由が「顔が良いの好きだろうから」ですって!だから言ってやったんです、神威も好きだと!そしたら「やっぱ顔じゃん」って返されてしまった!あれ??
何それw
でも、ほら、イスラ辺りなら悩めるかも?←
言いそうww
いや、自分の家なんですから頑張って歯向かってください(笑)
301
:
ヤツキ
◆.q9WieYUok
:2014/12/31(水) 20:09:41
【もう年の瀬とか信じられねーww
今年もお世話になりやした、来年もよろしくお頼み申し上げます!
んだらばお二方も良いお年をー!】
302
:
アグル
◆Hbcmdmj4dM
:2015/01/02(金) 10:07:07
【闘技場】
「さあ?何のことだか」
恨めしそうなメイヤの声に対し、アグルはそう嘯く。
そして見た。
(当然…、初手は"それ"だよな)
蛇の如く低い姿勢から放たれる迅速の白刃。
アグルはそれを無理に受け止める様なことはせず、槍の柄を斜めに刃を受け流す。
そして、その流れの勢いのままメイヤの左方へと身を滑らせた。
「シンライジ邸の稽古では嫌ってほど打ち負かされたからな…」
流石に目も慣れたものだ。
メイヤに対し最も注意したい点はその動きの敏捷性だろうか。
まずは機動力を削ぎたいところ。
よって…、
(足を狙う…!)
アグルは槍の柄を長く持ち、腕を回す。
振り回された槍は風切り音を放ちながらメイヤの足元目掛けて駆け抜けていった。
303
:
老翁
◆Hbcmdmj4dM
:2015/01/02(金) 10:24:25
【ポセイドン邸】
問い詰める様なナディアの視線に老翁は短く応える。
等々この日が来たとばかりに。
観念とも覚悟とも取れる面持ちでナディアを見つめ、
「こちらを…」と、数冊の冊子を彼女の前に差し出した。
「旦那様の手記で御座います。
勝手とは思いましたが、書斎からお借りして参りました。
お目を通して下さいませ。あの方の大体においてのお考えが分かる筈です」
それから、と老翁は言う。一つ言っておくことがあると前置き、言葉を続けた。
「私は…、私と旦那様は、同じ血を分けた……そうですね…、有り体に言えば実の親子にあたる間柄と言うことになるのです」
【過去】
泣き虫…と、そして図星を言い当てられたアブセルはかぁっと顔を赤くさせる。
小馬鹿にされた様な気がして恥ずかしかった。
そんな表情を見られるのが嫌で顔を下に向けるが、その気持ちさえジルには見透かされていたかもしれない。
「……アブセル」
程無くして、アブセルは視線を足元に向けたまま小さな声で名を口にする。
それと、
「別に兄でも友達でもない…。
リトはお屋敷の子供で…。俺は、俺の爺ちゃんがそこで働いてるから、それで…」
せめてもの悪あがきに、それをぶっきらぼうな口調にして返すのが精一杯だった。
304
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2015/01/02(金) 10:26:31
【二人ともあけおめです!
今年も宜しくお願いします(^^)
リマ》
やりたいのは山々なんですがー…なかなか思いつかず…(笑)
ジルの境遇を考えると、そりゃあ性格も変わっちゃいますよね;
もしかしたら出てくるかなと期待していました(笑)
なるほど…口封じとはいえ友人を始末しちゃうなんて…ヨハンの心境は一体…
おぉ!いい三角関係ですね!
でもこれ三人の心がすれ違い始め…トーマが没するまでやるとなるとかなりの長編になりそうですね(笑)
なんて素敵なアイディア!爺ちゃんがヨハンの肩を持ってるいい根拠にもなるし…ってことでいただきました!←ありがとうございます(笑)
ヨハンは忘れられない人との間に出来た子で〜(不倫ですが)とか色々着想が浮かびます^^
しかしその場合ナディア達も孫になる訳で…実の息子にも遣えてて…爺ちゃんどんな気持ちなんだろう(笑)
リマさんのアイデンティティーはミニスカなのか(笑)でもほら、森ガール的な長いスカートだって可愛いですよ←
理由もなく好きになれないとか一番可哀想な気がするw
そこは突っ込まないであげてw
やだ、このコ恐い←
ガッシュ懐かしい(笑)軽くアニメとか見てた気がするけど殆ど覚えてない…
キャンチョメってアヒルみたいなやつでしたっけ?どのへんが被ってるんですか?
自分もリマさんは顔がいいキャラが好きなんだと思ってました(笑)
イスラかー…彼の悩みって、どうやったら人を救えるかとか、どうやったら世界が平和になるか…みたいな答えのない漠然としたものばっかなんでやりづらい←
頑張って歯向かっても勝てる気がしません(笑)】
305
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2015/01/02(金) 21:37:42
【闘技場】
全身全霊の打ち込み、とまではいかないものの、速度、威力共に十二分の初撃だった。
しかしそれは難無く去なされ、反撃の一手、下段の薙払いが放たれる。
その一連の動きは、此方の初動を読んでいた……否、読んだものであり、その事に気付いたメイヤは僅かに苦い表情を浮かべる。
(そうか、弥都で再会するまでイオリに鍛えられていたんだったな……)
そう、闇の巣で行方不明になった二人を救出し、更には修行に付き合っていたのはシンライジ当主であるイオリなのだ。
ならば、此方の手の内は殆ど知られているだろう。
アグルの放つ足下を狙った斬撃は速く、得物は槍の為にリーチも長い。
更に、逆袈裟を放った状態で動きを止めた今、回避の為の踏み込む間も無い。
(退く暇も無い、なら!)
ならば、今この場で攻撃を防ぐしかない。
風切り音を耳に、メイヤは斬撃を放った勢いを使い、その場で180度水平回転。
同時に、逆袈裟に振り切った刃を回転の勢いそのまま振り降ろす。
捻りの動作を加えられた白刃は、初撃と変わらぬ速度で大きな円弧を描いて槍の穂先へと叩き付けられ、無理矢理だが槍の一撃を防いだ。
それと同時に、右手に握る白刃の柄を放してメイヤは跳躍。
未だ残る水平回転の動きと勢いを利用し、左の逆手で抜き放った短刀で、上方よりの斬撃を放った。
306
:
ナディア
◆Q4V5yCHNJ.
:2015/01/03(土) 03:28:57
【ポセイドン邸】
亡き父の手記。
これを読めば、彼がこの十数年やってきた事、その真相が分かるかもしれない。
ナディアは早速目を通そうと冊子へと手を伸ばす。
しかし、続いて耳に届いた言葉に、反射的にその手を止めた。
「…は?」
今何て言った?
「あの人と親子?あんたが?」
とうとうボケが始まったのか。
冗談にしては笑えなさすぎる。
父方の祖父母はちゃんと…
「ちょっと待って、頭整理する」
老翁の突拍子もない言葉に、混乱しながらもナディアは額に手を当て必死に記憶を辿る。
ヨハンの父が老翁と言うのなら、彼はナディアの祖父ということになる。なら記憶にある祖父は誰なのか。父方にも確かに祖父はいた筈だ。
しかし考えてみればその祖父は祖母より一回り以上年齢が離れていた。当時はどの家庭も自分の意思で伴侶を選ぶのが難しい時代であったとは言え、年頃の男子がいなかったわけではないし、たしかに不自然ではある。ポセイドンの家系とは言っても本家とは遠い筋の家で、血筋に拘る必要も無かったはずだ。
考えたくはないが、可能性としてはあり得ない話ではない。
「ごめん、ちょっと私の頭では収拾つかなかった。説明してもらえる?」
【お二人とも、昨年は大変お世話になりました!
今年も宜しくお願いします!!】
307
:
リト
◆Q4V5yCHNJ.
:2015/01/04(日) 02:46:33
【過去】
ぶっきら棒に答えるアブセルを見て、ジルは面白そうにクスリと笑った。
どうやら自分は彼の図星をついてしまったようだ。
「リトってお屋敷の子だったんだね。アブセル、君のお祖父さんがこの子のお屋敷で仕えてるなら、君もお仕えの身分なんじゃない?お屋敷の子を勝手に連れ出して、助かったとは言え危険な目にも合わせちゃって、バレたら大変だと思うなぁ。」
上手く抜け出して来たのかもしれないが、今頃はリトがいなくなっていることも知られ騒ぎになっているのではないだろうか。
恐らくは父が話を通してくれるだろうが、アブセルの反応が面白そうなので敢えて言わない。
「今のうちに言い訳でも考えておきなよ。」
----
先程退室した屋敷の主人、トーマは難しい表情を浮かべて書斎にいた。
思い返すは助けた少年リトの顔。
(あの子は…)
リトと良く似た顔を彼は知っていた。
しかし「あの家」に男児が生まれたなどは聞いていない。
先程医師に伝え聞いた事がどうも気になる。
リトを診察した際に、身体に複数の痣や傷を見つけたそうだ。栄養状態も思わしくないと。あれは明かに……
「…」
トーマは呼び鈴を鳴らした。
音を聞きつけて執事が入室してくる。
「先程連れてきた子供について調べろ。」
嫌な予感がする。
出来れば自分の推測が間違いであってほしい。
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