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【代理スレ】ウイングマン連載中 ドリムノート2冊目

1粗筋!ウイングマン:2009/11/11(水) 21:32:36 ID:???
第86話――【バレンタイン大作戦の巻】


<扉絵:いつもの衣装ではなく、カジュアルな服を着飾るドクター・ヴィム>
「ワォーッ ドクター・ヴィムって大人の魅力。怖そうだけど…」(健太・談)


異次元空間に浮かぶデストレス ――その中の、何か水音が響くドクター・ヴィムの部屋。
浴槽から立ち上がるヴィム …って、予想もしなかったヴィムのサービスシーンに読者大喜びッ!
( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!おっぱい! ひんぬー!ひんぬー!

ゲフンゴフン …いかん、つい取り乱してしまった。あらすじを続けます。
人の気配を察したヴィムはとっさにバスタオルを取る。浴槽の薄布越しに現れたのはバルド将軍!
「人の部屋に勝手に入ってくるのは失礼ではありませんか」
バスタオルを体に巻き、浴槽から出るヴィムに、バルドはただ一言、美しい…と呟く。
「話をまじめに…!」
バルドをひっぱたこうとした時、バルドはヴィムの手をつかみ上げる。
「緊急の用があって来ました」
「…言ってみなさい」
「緊急と言ってもそれ程でもないが、ウイングマン打倒についてじっくり話し合おうと思って…」
――どう見ても覗きの言い訳です。本当にありがとうございました。

無愛想に背中を向けるヴィム。
「――話し合う必要はありません、すでに次の作戦は、もう私が…」
するとそっと肩に手を置かれ、バルドはヴィムを抱擁する。
「ヴィム、ボクはおまえが…」
「よ 用が無いのなら出て行って!」
エロド将軍はヴィムに突き飛ばされ、分かったよと一言残し部屋を立ち去った。

。oO(男なんか… 男なんかに興味無いわ!)

立ち去ったエロド度将軍をいつまでも睨み続けるヴィムであった

2305/6:2010/04/12(月) 21:33:58 ID:VfYnAu36
レモンはこのえの言葉に一瞬耳を疑った。
「――どう思おうと勝手だけど、そうやって勝手に動き回って、昔のわたしみたいにならないよう、
 気をつけなさいね」
「どういう意味?」
舞美がこのえを問いただそうとした時、突如レモンが舞美を呼び止める。

「広川! お前イソベに帰れよ、オレも一ヵ月後にデビューしたら、お前とはライバルなんだぜ
 ライバルの事務所にいちゃ、まずいだろうが」

一ヵ月後にデビューする事を聞き、舞美も驚きを隠せなかった。
「一ヵ月後? 一ヵ月後って、まさか…」
「そう、あなたの新曲が出る日にレモンくんはデビューする ――この意味、分かる?」

「わたしを・・・・つぶす気ね」

「そう」
ここに来て、レモンもようやくこのえが一ヶ月にこだわった理由を悟った。
「もう…… 仲良くしてられないな」
「もう…いいわ 幼なじみのよしみで、色々なアドバイスしてあげようと思ってたけど、
 もういいわ、勝手にしなさいよ ――そう思ったら気が楽になったわ
 お互いガンバローね、それじゃあ――」
レモンの言葉に一瞬舞美はうつむいたかと思うと、プイとそっけなく答えて事務所をあとにした。

「エライ、よく言ったぞレモンくん!」
「――広川をこのえさんのようにしたくないから…
 あんた、大崎さんに潰されたんだろ? 昔のわたしのようにって、そういう意味なんだろ」
「へぇー、するどいじゃない
 …でも、あの娘が言うように、キミをただ利用しようとしてるのかもよ?」
レモンに対し、意地悪く微笑むこのえ。しかし、今のレモンはこのえを信用するしかなかった。
「あの会場にいたり、オレがここに来るのが当然のようにデビューの計画を進めてたり、
 偶然とは思えないけど… さぁ! オレはまず何したらいいのかな!」
決意を固め、意気込んで社長の指示を待つレモンに対し、秋野社長の最初の命令は――

2316/6:2010/04/12(月) 21:34:16 ID:VfYnAu36
「キミには  『  女  』  になってもらうわ」

…一瞬、あっけにとられつつも息を飲み込み――「やろうじゃない、おもしろそーだ」と返す。



―大通り―
。oO(――フン、何よ レモンのバカ! せっかく心配してやってんのに… 人の気も知らないで…
   わたしが、こんなに こんなに… 好きなのに…… レモンのバカ!!)
涙をこぼしながら自分の事務所に戻る舞美だった。             <続く>

232名無しさん:2010/04/13(火) 21:22:04 ID:ryOzyOWk
STAGE8:天使の声


――やる気になったレモンに降りた秋野社長の最初の命令はこんなものだった。
「キミには  『  女  』  になってもらうわ
 この矢頭真琴の代わりに、歌を歌ってもらうの
 発売が半月後に迫っているの、明日早速レコーディングよ、いいわね」
「・・・・・・・・・・・OK」
。oO(…てな訳で、オレが女になる事になった
   これがオレのデビューとどういう関係があるのか分からないけど、とにかくやるしかない
   ――たく、このえさんは何考えてんだか… デビューまで28日しかないってのに)



 ―レコーディングスタジオ―
「ここだけの話だけどね、  ド  ヘ  タ  !!   …もう聞けたもんじゃないんだから
 ムリしてレコードなんか出さなきゃいいのにねー」
「そーねぇ(こっちには都合いいけど)」
打ち合わせしているのは責任者とこのえだった。
「ところで替え玉の娘は?」
「フフ… 見ておどろくなよ、入ってらっしゃい」
また髪型が変わったこのえが合図すると、ゆっくりとドアが開き―― 可愛い女の子が入ってきた!

「は はじめまして」

恥しそうに挨拶する女の子。これにはあらすじ書きも見事にハートを射止められた!( ゚ω゚)-3 フンス
「か かわいいじゃないか! このえちゃん!こりゃ、替え玉なんかに使うのもったいないよ!」
責任者は大絶賛だが…このえは浮かない顔だった。
「冷たいものどうぞ」
ふと、別の女の子がドリンクを持ってきてくれた。 すると――

233名無しさん:2010/04/13(火) 21:22:34 ID:ryOzyOWk
「毎日パンツかえてますゥ?」

――いきなりスカートめくりする女の子! …って、ま、まさか!? (;゚д゚)
「あ あら わたしとした事が… ホホホ」
『こ こ こ この  ど  バ  カ  !! だれがこんな! こんな!!
 何ででっかいバッグ持って来たのかと思ったら、まったく! 脱がしてやる!!』
本当に超ものすごい形相で女の子に怒鳴り散らし押し倒し、服を脱がし始めるこのえさん!
。oO(このえちゃんにこんなシュミがあったとは…)
…鼻の下を伸ばし、よだれを垂らして傍観する責任者は――

『ん!? お、男!?』

案の定、女の子はレモンの女装だった!!!!!!!!!!!!!!!! ( Д )    ゚ ゚
『誰が女のカッコウなんかしろって言ったのよ! あーキモチわるい!!』
「女になれって言ったじゃないかァ」

                 (しばらくお待ち下さい)

…さて、レモンは普通の服に着替えて責任者に挨拶した。
「女になってもらうって言ったのはね 言葉のアヤ!
 女の子の代わりをやってもらうからそう言ったのよ、バカ!」
…いや、このえさん、どう考えてもあなたの説明不足です。本当にあり(ry
当然、責任者は男をつれてきたこのえにふざけてんのかと大激怒!! 男が女の歌歌えるもんか!
――しかしこのえは至って冷静だった。
「10分だけ時間くれる? とりあえず、彼の歌聞いてよ それでもダメだって言うなら帰ります」
「10分…? 昔のよしみだ、キミがそこまで言うなら10分だけだぞ」
責任者はしぶしぶ承諾し、レモンにヘッドホンを渡す。
「大体、曲のメロディーも知らないんだろ?『お遊び』は10分だけだぜ 本当に 一応聞いてみるか」

レモンが歌を聞いている間も責任者の愚痴は止まらなかった。
「現実的に考えて、無理に決まってるだろ、真琴ちゃんの音域(キー)って結構高いんだぜ
 裏声のきもち悪いのはカンベンしてよ」

234名無しさん:2010/04/13(火) 21:22:57 ID:ryOzyOWk
「覚えました」
「え!? だって、まだ…!」
「一度聞けば十分でしょ、こんなの」
あどけない笑顔であっさりと答えるレモンだった。

…という事で、一応音楽をかけながらレモンの歌を聞いて見る事に。
。oO(矢頭真琴さんになったつもりで歌おう、今更おろされるのいやだからな)

                ♪恋をうらなう花びらを♪

レモンの第一声を聞いた責任者は驚きのあまり持っていたペンをポトリと落とす。
『す すごい! ヤツは天使なのか!!』
その歌声は他のスタッフまで真琴のイメージにピッタリだと太鼓判を押した。
しかし責任者はそれだけなのかとスタッフの襟首を掴んで叫ぶ!

『わからんか! この声だよ! オレが今まで捜し求め、夢にえがいていた声!!
 この世には存在しないのかと諦めていたが、この声はまさに『それ』だ!!
 友達感覚のアイドルに飽きつつあるこの時代に、
 夢の国から抜け出たような中性的な声はもろに「はまる」ぞ、売れる!!』

異常なほどまでに興奮し豪語する責任者だったが、このえは声は彼の魅力にすぎないと言う。
このえに言われるまま、責任者はレモンの方を振り返ると―― 曲に合わせ踊るレモンがいた。


 ―同時刻、スタジオ廊下―
『…ったくもう、どうして「吹き替え」なんか使うのかしら、許せない!』
「真琴より下手な奴だったらただじゃすまないからな」
自分のジャイアン並の音痴を棚に上げて怒る真琴と、ガラの悪い男…多分マネージャーがやって来た。
マネージャーはスタッフにもうレコーディングしているのかと尋ねる。
「あ、おはようございます ええ、男の人が歌ってますけど」
『男! 真琴の代わりに男だと!?』
――当然、怒ったマネージャーはどういう事だと録音室に殴りこむ!

235名無しさん:2010/04/13(火) 21:23:17 ID:ryOzyOWk
…しかし、録音室では責任者がレモンの歌にのめりこんでいた。
「ダンスを始めた途端、歌のイメージがいっそう膨らんで、情景が見えるようだ」
「シカトかよ、どこまでバカにしてるんだ」
だが、真琴は流れてきたレモンの声を耳にし、これが本当に男の声か疑問に感じていた。
どんな男が歌っているのか気になった真琴は録音室のガラスを覗き込むと――
踊っているレモンのバックに、花園で踊る女性のイメージがありありと見えていた!
女性がこちらを振り向くと、その顔は…

『わ わたしが! わたしがいる!!』

『おい!!』
突然のマネージャーの大声で我に返る真琴や責任者達。
「あ、こりゃどうも! 町田さん、いらしてたんですか」
「どうでもいいけど、出迎えも無しかよ」
そんなやり取りの中、真琴はレモンと話がしたいので呼んで欲しいと言う。
「なんだぁ、話って
 …『歌お上手ね、わたし感激しちゃった チュッ』…なぁんてされたらどうしよう
 ども、初めまして 沢口麗紋です」
録音室から出てきたレモンを見つめ、真琴はにっこり微笑むと… いきなり強烈なビンタを1発!!
その光景を呆然と見る責任者とこのえ、憎たらしい顔で見るマネージャー。

『目立ちすぎなのよね!』

プリプリ怒ってスタジオを後にする真琴を、レモンは叩かれた頬を押さえただ呆然と見ていた。
「みんながキミに気を取られたのがシャクにさわったのよ」
このえがレモンを慰めようとするが―― レモンは全然こたえていなかった!
「いやー! なんかプロの迫力って感じだなァ!! やっぱりあの位気迫がなくちゃな、うん!」
「めげないコ」
涙までうっすらと浮かべているのに前向きなレモンにちょっと呆れつつも、本番へと移行する。

236名無しさん:2010/04/13(火) 21:23:34 ID:ryOzyOWk
 ―数日後、オータムプロ―
世間では矢頭真琴の新曲『花ことば』のレコードが発売されていた。
「デビューまであと15日ですよ、あの替玉がなんかトクになってるの?」
「なってるわよ、あのディレクターなんか、キミの事気に入って今度もぜひ、って言ってるのよ」
その時、あのおかっぱ頭の社員が血相を変えて事務所に飛び込んできた!

『すっごいですよ、『花ことば』の売れ行き! 特に声がいいって、そりゃもうすごい評判!!』

「そーこなくっちゃ」
「ふーんだ、直接オレがうれしい訳じゃねーもん」
――レモンの投げやりな態度にこのえは鼻で笑って作戦の説明をする。
「そんな事ないわよ、その 評 判 の 声 が あ な た だって、皆知ったらどうなる?」
                                    <続く>

237名無しさん:2010/04/14(水) 21:14:32 ID:tQHidf1o
STAGE9:天使の声    <表紙:レオタード姿のセクシーなこのえさん>


              <『花ことば』いきなり初登場第一位!>
               <テレビ出演拒否 ナゼの声高まる>
              <新作映画のハードスケジュールの理由>
            <中学時代の友人語る、真琴の音楽X(ダメ)の事実>

『花ことば』発売後、あらゆるメディアでは↑こんな事ばかりの見出しでいっぱいだった。
そして、レモンのデビューまであと5日と迫っていた…。


 ―オータムプロ―
このえとレモンはレオタードに着替え、ダンスの練習をしていた。
そんな中、相変わらず名前の不明な社員が冒頭のスポーツ新聞を持って駆け込んでくる。

「替玉の事バレそうですよ!このラリホースポーツ! 真琴ちゃんの中学時代の友人って奴が
 『真琴は音楽はまるでダメであんなにうまい訳ないわ!あのレコードはデタラメだ!!』
 …って、ホラ!!」

「――で?」 動じることなくあっけらかんと答えるこのえ。
「で?じゃないッスよ! レモンくんが替玉してるとか、色々バレたらまずいでしょ!」
「別にいいのよ、バレちゃっても ――だって、その記事はね、わたしがでっちあげたの」
『どわー! やっぱりそうだったのか! こんな事したら真琴さんがかわいそーじゃないか!!』
いきなりレモンがこのえに向かって豪語してきた!
「わかってないなァ キミはまともにデビューできないのよ、大崎のせいで…
 この世界は喰うか喰われるかなの、カワイソーなんて言ってられないのよ
 作戦はうまくいったわ、これで真琴があの記事がデマだって事証明する為に、TVで歌う事になる
 ――その時、真琴のかわりにキミが出るのよ!」
「そんな事したら、大騒ぎになるぜ」
「大騒ぎ、大いにケッコウ それだけキミは有名になるじゃない」
…とりあえず、レモンは真琴の居場所をこのえに聞きだした。何をするつもりだ?

238名無しさん:2010/04/14(水) 21:15:00 ID:tQHidf1o
 ―某スタジオ―
『真琴さん!真琴さん! どこですかァ!!』
大声を出して真琴を探すレモン。そんなレモンをマネージャー・町田が冷ややかな目で気づいた。
スタッフの1人がレモンに話しかけるが、レモンは真琴に会わせてくれの一点張り。
そのやり取りに町田が歩み寄ってきた。
「おめーか… 真琴なら、右を奥に行った休憩室にいるぜ」
『町田さん! いいんですか!?』
レモンは町田にお礼を言い、その場をあとにする。
しかし町田の手には、冒頭のラリホースポーツが握られていた――



 ―休憩室―
真琴はシャワーを浴びていた。これは予想もしなかったサービスシーン!( ゚ω゚)-3-3 フンス フンス
ドアをドンドンと叩く音に、真琴はバスローブを着て訪問者を出迎える。
「まことさん!いないんですか! 大事な話が… あっ!」
ドアを開けた途端、湯上りの真琴のセクシーなおっぱいの谷間に一瞬釘付けになるレモン。
「大事な話があるんだけど… 服を着るまで待っています」
「何テレてんのよ、純ねェ いいわよ、入りなさいよ」
一瞬後ろを向きつつも、真琴に言われるまま休憩室に招かれるレモン。
…しかし、レモンの手は『例の必殺技』を発動させようとムズムズしていた。

。oO(た 耐えろ!「パンツかえてるかーい」をやったら、大変な事になりそーだ)

…湯上りだから当然なのだが、今真琴は明らかにノーパン状態。
理性を超機動員… もとい、総動員させてグッと耐えるレモンだったw いや、やってくれ、ぜひ!

239名無しさん:2010/04/14(水) 21:15:22 ID:tQHidf1o
撮影がすぐなので用件を手短に話してもらう真琴。
レモンの用件はもちろんラリホースポーツの件のお詫びだった。
「あー、あれどこかの誰かのインボーだわね
 わたしは逃げたりしないわ、こうなればテレビに出てやるわ
 例え日本で『口パク』は禁止されてても、ステージに立ってやる!
 ――あんたとはレコードっきりだと思ったけど、また『声』を借りる事になったわね
 歌っているようにみせるなんて、わたしにはたやすい事 全国民をだましてみせるわ」
「いつ出るつもりなんですか?」
「すぐにでも出てやりたいけど、一番早い歌番組が9月1日のベストヒット10なのよ、
 だから、それ」
――9月1日は5日後… それはこのえの計画通りの、レモンのデビュー目標の日だった!

。oO(スキャンダルを流すタイミング、真琴さんの性格、歌番組の目標、全てを計算して…
   このえさん、あんたって人は…)

今更ながらレモンはこのえの策略を改めて思い知るのだった。
「実はここに来たのはね、だまってるのってフェアじゃないと思って… その
 あの…   んー  実は! オレのデビューの為に真琴さんを利用したんだ!
 テレビ出演の時、俺が出ていっちゃう計画でね
 …あと5日ある、その間に手を打つなら打てばいい オレは人を踏み台にしてまで…」
「――バカよ… 話しちゃったら計画がパーじゃない
 …でも、その正直なところがあなたの魅力なのかもね キミに…ホレたのかな」
困惑してレモンは真琴に近寄るが、突然泣きながら抱きつかれた!

『キミの好きにしなさい! それでキミがいいんなら!』

そんな真琴にレモンは優しく肩に手をかけ、歌番組に出るのをやめようかと言おうとした時…
今度はいきなり突き放された!?
「フン、すっかりその気になっちゃって 今のがわたしの武器よ
 この演技があればわたしは生きてゆける フッ、スキャンダルなんか血とし、肉としてやるわ
 見てなさい、人気を下げるどころか上げてみせるわ
 出るなら出ればいいわ、しょせん歌手なんて そんな小細工しなけりゃ、売れないもんね」

240名無しさん:2010/04/14(水) 21:15:39 ID:tQHidf1o
――その一言にカチンと来るレモン!
「別にィ、――でも 今、わたしの演技でキミは確かにドギマギしたでしょ
 そこにリアルなドラマがあるからよ
 歌にもドラマがあると言うけど、あの時 わたしがラブソングを歌っても、キミあんな反応した?
 百の恋の歌を歌ったところで、ほんの一秒の恋の演技にはかなわないって事よ」
『そんな事ないよ! とうちゃんの歌にはしっかりとしたドラマがあった!
 聞く人によっては映画に負けないくらいのすてきなドラマが!!』
「ふーん 聞く人によっては…ねぇ」
挑発的な態度の真琴にレモンは歯を食いしばり、『花ことば』で真琴の心を動かそうと決意する。
「それは楽しみね」


――話を終え、休憩室から退室するレモン。
レモンは気づかなかったが、休憩室の前には町田がいて会話を全て聞いていた。

 ―時代劇スタジオを通るレモン―
「くっそー 歌をバカにしやがって… もうようしゃしねーぞ!」
プンプン怒りながら進むレモンの前に、セットによりかかってにこやかに呼ぶ町田がいた。
「あれ、あんた真琴さんのマネージャー さっきはどーも」
「よ レモンくんだっけ? ちょっとつきあってくれよ」



『おちょくりやがって!!』
人気の無い所にレモンを連れ込み、暴行を働く町田!
「オレらを利用しただとォ?
 真琴が何て言おうと、事務所としてはスキャンダルの種を見過ごす訳にいかねぇんだ
 てめぇみてえな奴は、二度と・・・・・・ 歌 え な く し て や る ぜ !! 」
倒れたレモンの喉に何度も拳をたたき付ける町田!

241名無しさん:2010/04/14(水) 21:15:54 ID:tQHidf1o
 ―オータムプロ―
飛び出していったっきり、なかなか戻ってこないレモンを気づかうこのえと社員。
「まったく何考えてんのかしら」
「ホント、何しに言ったんですかねェ 真琴さんのところに」
  ガチャ
「来た」
ドアが開く音に振り返る二人。 そこには――――

「ゼー ゼー ただいまガ〜」
『ど どうしたのよ、その声!!』
ボロボロになった上に、声までつぶされてしまったレモンがそこにいた!

『へへ… づぶされぢゃったァガ〜 ぞ ぞれより花ごどばの歌詞教えでよ おぼえでないんガ』
                                     <続く>

24229話6:2010/05/19(水) 21:46:23 ID:???
…それからどれ位の時間が経ったのか…
母親が帰ってきた直後、倒れていた惣一を見て助け起こす。
『お母さん!! 妖精が…妖精が僕を殺そうとしたんだ!! ほら!!あそこで死んでるのがそうだよ!!』
「まさか… これが妖精だなんて…」
母親は妖精の死体をつまみ上げ、トイレに流す。これでもう大丈夫…



翌日、惣一は美沙里を訪れ報告していた。
{…だから妖精の姿を見ちゃいけない、って言ったじゃない}
「ご… ごめんなさい…」

{別にあやまる事はないわ
 でも… 昆虫採集用の薬なんかで、その妖精が…死ぬとは思えないけどね…}

ミザリィの言葉にまたしても顔面蒼白になる惣一だった…



 ―その夜・住宅街―
マンホールのふたがゆっくりと開き、中から息も絶え絶えな妖精が這いあがってくる。
『クソォ… アノガキ 今ニ見テロ…  必 ズ 復 讐 シ テ ヤ ル !! 』
夜空に妖精の声が響く。その夜は不気味なほどに見事な満月だった…



次の日、惣一が学校から帰ってくるが、まだ母親は仕事でいない。
ゲームでもしようかと自室へ戻ると、なんと部屋がめちゃめちゃに荒らされている!
「こ… これは… 誰がこんな事…」
『俺ノ仕業ダヨ! コノ前ハヤッテクレタジャネェカ…ドウナルカ、ワカッテルダロウナ コゾウ?』
妖精が復讐しに現れた!
惣一はたまらず逃げ出すが、妖精はすぐに殺そうとせずじわじわ殺そうと後を追う…

24329話7:2010/05/19(水) 21:46:45 ID:???
――しかし、外に出た妖精の前に女性の足が立ちはだかった!ミザリィだ!!
{あらあら、面白い生き物がいるわねぇ}
姿を見られた妖精はミザリィも殺そうと飛び掛るが、ミザリィは妖精を叩き落した!
叩きつけられ弱った妖精を拾い上げると、{いい商品になりそうだわ}と観察する。
『ナ!? ドウイウ意味ダ!? ハ…離セ、苦シイ!!』
必死の抵抗も空しく、妖精はそのままミザリィに連れ去られていった――――



一方、惣一は美沙里に助けを求めにやってきた。
『お姉さん、お姉さん!! 妖精が… 妖精が生きてたんだ!!』
{あら、そんな事より新しい商品が入ったのよ 見せてあげるわ}

そう言って取り出したのは、連れ去った妖精の『 剥 製 』…もちろん本物の!!

{君のコレクションに加えてみない?}



{…皆さんも身の回りで物がなくなった時は注意して下さい…
 あなたのそばに、妖精がいるのかもしれません… 恐ろしい妖精が…}


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