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ジャンプ感想(2010年15号)

199びきびき:2010/03/16(火) 01:39:05 ID:Yh9xahOY
一度書いたら2度3度は同じこと、という心持で、
今週のナルトについての感想を書きます。
なお、いくつかの作品のネタばれを含みますので、念のため。


正直ナルトについてはコミックスも購入しておらず、
ジャンプの中でも特別好きな漫画というわけではないのですが、
今週の展開はとても良い印象を受けていました。
それだけに、この掲示板での悪評に、驚いています。


昨年公開され、高い評価を得た「グラントリノ」という映画があります。
これは家族について、赦しについて、アメリカの現状についてなど、
多くのテーマを重層的に含ませたうえで、それをきちんと消化したうえで
感動的にまとめあげた傑作です。
特に日本での評価が高く、昨年の日本の雑誌等の映画賞を総なめにしています。

このグラントリノにおける複数のテーマの中で、もっとも強調して訴えかけられているテーマが
「憎しみの連鎖に対して、われわれはどう対処すべきか」です。

最初は反目しあいながらも、次第に心を通わせるようになった主人公と隣人の子どもたち。
その子どもたちに対して、ギャングたちが非道い行いをします。
憤る主人公は暴力に訴えることでギャングたちを排除しようと試みますが、
それはさらなる復讐を生み、主人公と隣人の子どもたちを苦しめます。

そんな暴力の連鎖に対して、最後に主人公が選んだ手段は、
「自分が憎しみや暴力をすべて受け止めて、命と引き換えに大切なひとを守る」ことでした。
自分自身がすべてうけとめることで、暴力の連鎖を終わらせようと試みたのです。

主人公を演じていたのが、西部劇スターからキャリアをスタートさせ、
悪に対して容赦のない暴力を行使する警官「ダーティーハリー」を演じた
クリントイーストウッドだったのは、とても象徴的です。


ナルトは最近でこそ面白忍法合戦になっているものの、
その連載当初はくないに毒が塗られてる、フォーマンセルの導入、軍事代行としての忍びの国の存在など
荒唐無稽な「忍者」の存在にある程度のリアリティを持たせることが特色の作品です。
そして肝心のバトルはATBや面白忍法合戦になっているものの、
暴力を行使する存在としての「忍者」が避けて通ることのできない「暴力の功罪」については、
言葉足らずながら、少年誌なりのかたちで真摯に向き合い続けていると思います。
直近でも、輪廻眼のつかうひと(名前忘れた)は戦災孤児の核抑止論者、といういびつなキャラクターでした。

今週のジャンプにおいて、復讐の連鎖を象徴する、もう一人の主人公であるサスケに対して、
ナルトは「お前の憎しみをおれが全部うけとめて、それでぜんぶおわりにしてやる」と言いました。


僕は今週のナルト面白かったです。


あと今週もまた「ジャンプってすげえな」と思いました。
ワンピース、ナルト、ハンターと、看板クラスの漫画が全て、
単純な善悪を超えた世界観ってのは、ジャンプを読み始めたころからは想像もつかなかった。
るろ剣は偉大。


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